JP2016118675A - マイクロレンズ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】入射光の入射方向に対応した好適なレンズ形状を容易に実現しうるマイクロレンズ及びその製造方法を提供する。【解決手段】基板10に、第1パターン22aを形成する工程と、第1のパターン22aが形成された基板の上に、平面視において第1のパターン22aの重心の位置とは異なる位置に重心が位置する第2のパターン26aを、第1のパターン22aを覆うように形成する工程と、第2のパターン26aをリフローすることにより、第2のパターン26aを成形してマイクロレンズ20を形成する工程とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、マイクロレンズ及びその製造方法に関する。
CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像装置には、光電変換素子における集光効率を高めるために光電変換素子上にオンチップのマイクロレンズが設けられている。
このようなマイクロレンズには種々の製造方法が提案されているが、フォトリソグラフィ技術を核にした典型的な製造方法として、リフロー法、エッチバック法、グレイトーンマスク利用法の3つが挙げられる。リフロー法は、フォトリソグラフィで形成したパターンを加熱処理して熱流動させることにより球面形状に成形し、マイクロレンズを形成する方法である。
エッチバック法は、リフロー法で形成したレンズ形状のパターンをマスクにして下地をエッチングしてレンズ形状を転写することで、下地の表面にマイクロレンズを形成する方法である。グレイトーンマスク利用法は、フォトリソグラフィの解像限界以下の微小なドットパターンを配置したグレイトーンマスクを用い、感光性樹脂の光反応の度合いを領域毎に変えることで、球面形状のマイクロレンズを形成する方法である。
これまで固体撮像装置には、このような方法により製造された球面形状のマイクロレンズが広く用いられていた。しかしながら、近年における固体撮像装置の高画素化や撮像領域の大面積化に伴い、球面形状のマイクロレンズでは撮像領域の総ての画素において均一な光感度を得ることが困難になってきた。これは、撮像領域の中心部の画素に入射する光線は垂直方向から入射するのに対して、外周部に近い画素に入射する光線は垂直方向に対して傾斜した方向から入射するため、撮像領域内の場所によってマイクロレンズが結ぶ焦点位置が異なることに起因している。
このような観点から、撮像領域内の場所に応じて異なる形状のマイクロレンズを配置した固体撮像装置が提案されている。例えば、特許文献1には、第1レンズパターンの一部分上に第2のレンズパターンを形成し、これらレンズパターンを同時にリフローすることにより、マイクロレンズを形成する方法が開示されている。この方法によって形成されるマイクロレンズは、撮像領域の中心から撮像領域の外へ向かう方向に沿った断面における曲率が非対称的な形状を有する。撮像領域の中心から遠いマイクロレンズほど前述の断面における曲率の非対称性が大きくなるようにすることで、垂直方向に対して傾斜した方向から入射する光線の焦点位置を補正し、撮像領域の面内において均一な光感度を得ることが可能になる。
特開2006−215547号公報 特開2004−145319号公報 特開2013−055161号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、所望の形状のマイクロレンズを得るためには、2つのレンズパターンの融点、加熱条件、液化時の粘度等を綿密に調整することが必要であった。更に、熱硬化していない第1のレンズパターン上に第2のレンズパターンを積層することが困難であることも相俟って、レンズ形状の制御が非常に難しかった。
一方、特許文献1に記載されるような形状のマイクロレンズは、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィにより形成することも可能である。しかしながら、グレイトーンマスクでは、総ての画素のマイクロレンズに対してそれぞれ好適なドットパターンを設計することは現実的に不可能であった。
本発明の目的は、入射光の入射方向に対応した好適なレンズ形状を容易に実現しうるマイクロレンズ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、基板に、第1パターンを形成する工程と、前記第1のパターンが形成された前記基板の上に、平面視において前記第1のパターンの重心の位置とは異なる位置に重心が位置する第2のパターンを、前記第1のパターンを覆うように形成する工程と、前記第2のパターンをリフローすることにより、前記第2のパターンを成形してマイクロレンズを形成する工程とを有するマイクロレンズの製造方法が提供される。
また、本発明の他の一観点によれば、基板の上に配置されたマイクロレンズであって、前記基板の上に配置された第1の部分と、前記基板の上に前記第1の部分を覆うように配置され、平面視において前記第1の部分の重心の位置とは異なる位置に重心が位置し、前記基板の法線方向に平行な軸に対して回転非対称な形状を有する第2の部分とを有するマイクロレンズが提供される。
また、本発明の更に他の一観点によれば、基板に、複数の第1のパターンを形成する工程と、前記複数の第1のパターンが形成された前記基板の上に、複数の第2のパターンを、前記複数の第1のパターンのそれぞれを覆うように形成する工程と、前記第2のパターンをリフローすることにより、前記第2のパターンを成形してマイクロレンズを形成する工程と、を有し、前記複数の第1のパターンは、異なる形状を有するマイクロレンズアレイの製造方法が提供される。
また、本発明の更に他の一観点によれば、基板の上に配置されたマイクロレンズアレイであって、前記基板の上に配置された、異なる形状を有する複数の第1の部分と、前記基板の上に前記複数の第1の部分のそれぞれを覆うように配置された複数の第2の部分とを有するマイクロレンズアレイが提供される。
本発明によれば、入射光の入射方向に対応した好適なレンズ形状を有するマイクロレンズやマイクロレンズアレイを容易に形成することができる。また、このようなマイクロレンズアレイを適用することにより、高感度の固体撮像装置を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係るマイクロレンズの構造を示す平面図及び断面図である。 球面形状のマイクロレンズの集光能力を説明する図である。 非球面形状のマイクロレンズの集光能力を説明する図である。 非球面形状のマイクロレンズの集光能力を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係るマイクロレンズの製造方法を示す工程図である。 本発明の実施形態において使用するフォトマスクの1画素のマスクパターンを示す平面図である。 流体に加わる作用力とそれによる形状変化を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係るマイクロレンズの製造方法におけるパターンの形状変化を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係るマイクロレンズの集光能力を説明する図である。 本発明の第1実施形態の変形例によるマイクロレンズの製造方法を説明する図(その1)である。 本発明の第1実施形態の変形例によるマイクロレンズの製造方法を説明する図(その2)である。 本発明の第1実施形態の変形例によるマイクロレンズの製造方法を説明する図(その3)である。 本発明の第2実施形態に係るマイクロレンズの構造を示す断面図及び平面図である。 本発明の第2実施形態に係るマイクロレンズの製造方法を示す工程図である。 本発明の第3乃至第5実施形態に係るマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第6実施形態に係る固体撮像装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の第7実施形態によるマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第8実施形態に係る固体撮像装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の第9実施形態に係る固体撮像装置の構造を示す概略断面図である。 本発明の第10実施形態に係るマイクロレンズの構造を示す平面図及び断面図である。 本発明の第10実施形態に係るマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第11実施形態に係るマイクロレンズの構造を示す平面図及び断面図である。 本発明の第11実施形態に係るマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図である。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態によるマイクロレンズ及びその製造方法について図1乃至図12を用いて説明する。
はじめに、本実施形態によるマイクロレンズの構造について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態によるマイクロレンズを示す平面図及び断面図である。図1(a)は、本実施形態によるマイクロレンズの構造を示す平面図であり、図1(b)は、本実施形態によるマイクロレンズの構造を示す概略断面図である。また、図1(c)は、本実施形態の変形例によるマイクロレンズの構造を示す概略断面図である。
本実施形態によるマイクロレンズ20は、図1(a)及び図1(b)に示すように、下地基板10上に形成されたオンチップレンズである。下地基板10は、マイクロレンズ20が形成される下地となる基板であり、特に限定されるものではない。例えば、固体撮像装置に用いられるマイクロレンズの場合、下地基板10には、光電変換素子やその駆動素子並びにこれらを覆う層間絶縁膜等が形成された半導体基板が該当する。この場合のマイクロレンズ20は、光電変換素子に光を集光する役割を担う。
マイクロレンズ20は、下地基板10に接する第1の部分22と、第1の部分22を覆い且つ下地基板10に接する第2の部分26とを含む。第1の部分22は、下地基板10の表面に凸部を形成する。第2の部分26は、第1の部分22により形成されたこの凸部を覆うように形成されている。第1の部分22及び第2の部分26は、図1(a)に示すように、平面視において略円形形状を有している。平面視における第2の部分26の重心26cの位置は、平面視における第1の部分22の重心22cの位置からずれている。断面視における第2の部分26の頂部26tの位置は、図1(b)に示すように、平面視における第2の部分26の重心26cの位置よりも平面視における第1の部分22の重心22cの位置の方向側にずれている。このずれ量は、マイクロレンズ20に光が入射する方向や、マイクロレンズ20によって光を集光する位置に応じて適宜設定される。
このように、本実施形態によるマイクロレンズ20は、非球面形状のマイクロレンズである。ここで、本明細書において、非球面形状とは、下地基板10の法線方向と平行な軸に対して回転対称ではないことを意味するものとする。半球面形状とは、下地基板10の法線方向と平行な軸に対して回転対称であることを意味するものとする。なお、マイクロレンズ20は、法線方向と平行な軸を含み、線分A−A’を含む断面において、面対称である。なお、線分A−A’はマイクロレンズアレイにおいて、撮像領域の中心から外に向かう方向に沿っているものとする。
なお、本実施形態では、便宜上、マイクロレンズ20が第1の部分22及び第2の部分26を含むものであるとして説明をするが、第1の部分22は、下地基板10の一部であると捉えることもできる。すなわち、第1の部分22によって表面に突起部が形成された下地基板10上に、第2の部分26からなるマイクロレンズ20が形成されていると考えることもできる。
また、マイクロレンズ20には、例えば図1(c)に示すように、第1の部分22と第2の部分26との界面部に反射防止膜24を、第2の部分26の表面に反射防止膜28を、設けるようにしてもよい。反射防止膜24、28は、いずれか一方のみを形成してもよいし、両方を形成してもよい。
次に、本実施形態においてマイクロレンズ20を非球面形状としている理由について、マイクロレンズ20を固体撮像装置に適用した場合を例に挙げ、図2乃至図4を用いて説明する。
図2は、球面形状のマイクロレンズの集光能力を説明する図である。固体撮像装置30は、例えば図2(a)に示すように、複数の画素が2次元アレイ状に配列された撮像領域32と、撮像領域32で取得した画素信号の読み出し動作等を制御する周辺回路領域34とを含む。ここで、撮像領域32の中央部を領域1、外周部を領域3、領域1と領域3との間の領域を領域2と定義するものとする。
図2(b)は、図2(a)において撮像領域32の中心部と外周部の一点とを結ぶB−B′線断面において、領域1、領域2及び領域3からそれぞれ1つずつの画素を抜き出して示した概略断面図である。撮像領域32には、光電変換素子であるフォトダイオード14や駆動用のトランジスタ(図示せず)等が形成された半導体基板12、半導体基板12上に配置された層間絶縁膜16、層間絶縁膜16上に配置されたマイクロレンズ20が設けられている。半導体基板12及び層間絶縁膜16が、前述の下地基板10に相当する。層間絶縁膜16は、カラーフィルタ等の無色透明ではない層を含んでいてもよい。マイクロレンズ20は、入射した光(図2(b)中、点線で表す)をフォトダイオード14に集光する。マイクロレンズ20は、各画素に1つずつ配置されており、全体として、複数のマイクロレンズ20が2次元アレイ状に配列されたマイクロレンズアレイを構成している。
マイクロレンズ20の典型的な製造方法としては、リフロー法と呼ばれる技術を用いた方法が知られている。リフロー法は、フォトリソグラフィで形成したパターンを加熱処理することによってマイクロレンズを形成する方法である。フォトリソグラフィで形成した感光性樹脂材料のパターンを加熱処理すると、溶媒成分が徐々に揮発し、130℃〜160℃程度の融点を超えると液化し、丸みを帯びたレンズ状に変形する。パターンがレンズ状に変形する理由は、重力、表面張力、液体摩擦力など、作用力のバランスが球面形状になったところで安定するからである。その後も加熱を続けると、パターンの樹脂成分が硬化し、レンズ形状のまま固体になる。その後、加熱をやめ、冷却すると、球面のレンズ形状を有するマイクロレンズ20が完成する。
リフロー法によりマイクロレンズアレイを形成した場合、総てのマイクロレンズ20は同一の形状となる。例えば図2の例では、領域1に形成されたマイクロレンズ20、領域2に形成されたマイクロレンズ20、領域3に形成されたマイクロレンズ20は、同一の形状となる。すなわち、マイクロレンズ20の層間絶縁膜16に対する接触角θは、総てのマイクロレンズ20において同じ値になる。図2(b)に示すように、当該断面における両端部でのマイクロレンズ20の層間絶縁膜16に対する接触角をθna、θnb(nは領域1〜3に対応する整数)と定義すると、以下の関係が成立する。
θ1a=θ1b=θ2a=θ2b=θ3a=θ3b
ここで、接触角θ1a、θ1bは、領域1に形成された画素のマイクロレンズ20の接触角である。また、接触角θ2a、θ2bは、領域2に形成された画素のマイクロレンズ20の接触角である。また、接触角θ3a、θ3bは、領域3に形成された画素のマイクロレンズ20の接触角である。また、θnaはB−B′線上における撮像領域32の中心側の端部における接触角であり、θnbは反対側の端部における接触角である(図2(b)参照)。
撮像領域32に入射する光は、撮像領域32の中央部(領域1)から離れるに従って、垂直入射から斜入射へと傾いていく。この斜入射光の傾き程度は、固体撮像装置30を使用する撮像システムの光学系のF値が小さくなる程、大きくなっていく。
マイクロレンズ20に入射した光線は、スネルの法則に従い、屈折する。すなわち、屈折率nの媒質Aから屈折率nの媒質Bへ光を入射したときの入射角θと屈折角θとの関係は、
×sinθ=n×sinθ …(1)
と表される。空気である媒質Aから媒質Bのマイクロレンズ20に入射する場合、式(1)の左辺は空気側のパラメータであり、式(1)の右辺はマイクロレンズ20側のパラメータとなる。空気の屈折率を1とすると、左辺はsinθで表される。屈折率nは、マイクロレンズの材料によって異なる。
光線が垂直入射(入射角φ=0度)となる領域1では、位置aと位置bとにおいて屈折角が同じになる。マイクロレンズ20の接触角θ1a、θ1bは、層間絶縁膜16の厚さに応じて、ベストフォーカス(Δf=0%)となるように最適化される。つまり、領域1において、集光能力は高い。例えば、F値2.8の光学系を使用する場合を想定すると、接触角θ1a=θ1b=60度、マイクロレンズ20の屈折率が1.6のとき、入射角φ=0度で垂直入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=β=約27度の光線になる。なお、傾斜角αは位置aに入射した光線の屈折光の垂直方向に対する傾斜角度であり、傾斜角βは位置bに入射した光線の屈折光の垂直方向に対する傾斜角度である(nは領域1〜3に対応する整数)。また、Δfは、半導体基板12の表面を基準としたマイクロレンズ20の焦点高さの、層間絶縁膜16の膜厚に対する比率である。つまり、Δfが小さいほど、焦点位置が半導体基板12に近いことを表す。
領域2のマイクロレンズ20の接触角θ2a、θ2bは、領域1のマイクロレンズ20の接触角θ1a、θ1bと同じである。しかし、領域2は領域1と違って斜入射光になるため、屈折角度は領域1とは違ったものになる。相対比較すると、位置aで屈折した光線の傾斜角は領域1よりも大きくなり、位置bで屈折した光線の傾斜角は領域1よりも小さくなる。例えば、入射角φ=5度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約29度、傾斜角β=約25度の光線になる。領域1と比較すると、共に2度ずつ傾き、層間絶縁膜16中での光路長が異なるため、焦点位置が高くなる。その結果、レンズ焦点ズレ率Δfは、0.6%となる。
領域3では、更にズレ率が大きくなる。例えば、入射角φ=10度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約31度、傾斜角β=約24度の光線になる。領域2と比較すると、さらに焦点位置が高くなる。その結果、レンズ焦点ズレ率Δfは、2.6%となる。
光学系のF値が異なる場合も、その度合いは異なるが、上記と同様の傾向となる。表1に、上述したF値が2.8の場合の計算結果とともに、F値が16.0の場合及びF値が1.4の場合の計算結果を示す。
Figure 2016118675
このように、マイクロレンズアレイを総て同一形状の球面のマイクロレンズ20で構成した場合、撮像領域32の中央からの距離によって変化する斜入射光に対応できず、撮像領域32の外周側ほどレンズ焦点ズレ率Δfが増加する。レンズ焦点ズレ率Δfが増加した周辺部では集光能力が低下するようになるため、周辺領域において感度が低下する等の問題が発生する。
撮像領域32の中央からの距離によって入射方向が変化する斜入射光に対応する手段としては、撮像領域32内の位置に応じて画素ごとにマイクロレンズ20の形状を調整することが考えられる。
図3及び図4は、非球面形状のマイクロレンズの集光能力を説明する図である。図3は、撮像領域32内の位置に応じてマイクロレンズ20の形状を変化した一例である。図3(a)は、固体撮像装置の上面図である。図3(b)は、図3(a)のB−B′線断面において、領域1、領域2及び領域3からそれぞれ1つずつの画素を抜き出して示した概略断面図である。
図3に示す固体撮像装置30が有するマイクロレンズアレイは、形状の異なる複数種類のマイクロレンズ20を含む。撮像領域32の中央部(領域1)から離間した部分(領域2及び領域3)に配置されたマイクロレンズ20は、重心に対して回転非対称な形状を有しており、重心と画素の中心とが一致していない。また、マイクロレンズ20の表面は、球面ではなく、言わば楕円体面である。本明細書において、このような形状のマイクロレンズ20を、非球面形状のマイクロレンズと定義するものとする。
図3のマイクロレンズアレイでは、撮像領域32の中心から離間した画素のマイクロレンズ20ほど、画素の中心に対するマイクロレンズ20の重心の位置の、撮像領域32の中心方向へのシフト量が大きくなるようにしている。この関係をマイクロレンズ20の接触角で表すと、撮像領域32の中心側のマイクロレンズの接触角をθna、反対側の接触角をθnbとして、領域1ではθ1a=θ1b、領域2ではθ2a>θ2b、領域3ではθ3a≫θ3bとなる。なお、nは、領域1〜3に対応する整数である。
表2は、図3のマイクロレンズアレイにおいて、光学系のF値が16.0、2.8及び1.4の場合における各パラメータの計算結果の一例を示したものである。
Figure 2016118675
表2の計算例のうち、光学系のF値が2.8の場合を例にして説明する。マイクロレンズの屈折率は1.60を想定している。
領域1には、接触角θ1a=θ1b=60度の球面マイクロレンズ20が形成されている。そのため、入射角φ=0度で垂直入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=β=約27度の光線になる。
領域2には、接触角θ2a=65度、接触角θ2b=54度の非球面形状のマイクロレンズ20が形成されている。例えば、入射角φ=5度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約32度、傾斜角β=約22度の光線になる。領域1の傾斜角α=β=約27度と比較すると、共に5度ずつ傾くことになるが、フォーカス面は領域1とほぼ同じ(Δf=0%)となる。そのため、領域1と同等の集光能力を維持できる。
領域3には、接触角θ3a=70度、接触角θ3b=46度のマイクロレンズ20が形成されている。例えば、入射角φ=10度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約37度、傾斜角β=約15度の光線になる。領域1と比較すると、それぞれ10度、12度傾くことになるが、フォーカス面は領域1とほぼ同じ(Δf=0%)になる。そのため、領域1と同等の集光能力を維持できる。
図4は、撮像領域32内の位置に応じてマイクロレンズ20の形状を変化した他の一例である。図4(a)は、固体撮像装置の上面図である。図4(b)は、図4(a)のB−B′線断面において、領域1、領域2及び領域3からそれぞれ1つずつの画素を抜き出して示した概略断面図である。
図4のマイクロレンズアレイでは、撮像領域32の中心から離間した画素のマイクロレンズ20ほど、画素の中心に対するマイクロレンズ20の重心の位置の、撮像領域32の外周方向へのシフト量が大きくなるようにしている。この関係をマイクロレンズ20の接触角で表すと、撮像領域32の中心側のマイクロレンズの接触角をθna、反対側の接触角をθnbとして、領域1ではθ1a=θ1b、領域2ではθ2a<θ2b、領域3ではθ3a≪θ3bとなる。なお、nは、領域1〜3に対応する整数である。
表3は、図4のマイクロレンズアレイにおいて、光学系のF値が16.0、2.8及び1.4の場合における各パラメータの計算結果の一例を示したものである。
Figure 2016118675
表3の計算例のうち、光学系のF値が2.8の場合を例にして説明する。マイクロレンズの屈折率は1.60を想定している。
領域1には、接触角θ1a=θ1b=60度の球面マイクロレンズ20が形成されている。そのため、入射角φ=0度で垂直入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=β=約27度の光線になる。
領域2には、接触角θ2a=57度、接触角θ2b=62度の非球面形状のマイクロレンズ20が形成されている。例えば、入射角φ=5度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約28度、傾斜角β=約27度の光線になる。領域1の傾斜角α=β=約27度と比較すると、ほぼ同等の光線を維持するため、フォーカス面は領域1とほぼ同じ(Δf=0%)となる。そのため、領域1と同等の集光能力を維持できる。
領域3には、接触角θ3a=52度、接触角θ3b=64度の非球面形状のマイクロレンズ20が形成されている。例えば、入射角φ=10度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約27度、傾斜角β=約27度の光線になる。領域1と比較すると、ほぼ同等の光線を維持するため、フォーカス面は領域1とほぼ同じ(Δf=0%)になる。そのため、領域1と同等の集光能力を維持できる。
図3及び図4に示す構造は、共にF値が2.8のレンズの使用時は、共にΔf=0%であるため、集光能力は同等である。したがって、どちらのマイクロレンズ構造を選択すべきかについては、Δf以外に何を重視するか、すなわちその用途次第となる。
例えば、図3の構造よりも図4の構造の方が、マイクロレンズ20の焦点位置はマイクロレンズ20の直下からずれていない。図4の構造であれば、傾斜角β≒β≒β≒27度で、各マイクロレンズ20の外周側の集光角度の傾きが同等である。このように、図面においてβ側の光線角度が均一に揃っていると、画素間の混色量の撮像領域32面内のバラツキは小さくなる。というのも、傾斜光線の一部は、フォトダイオード14の表面で反射され、隣の画素に入っていくようになるからである。したがって、混色の抑制を重要視する場合は、図4の構造のように、傾斜角β、β、βの角度は近い方がよい。
対する図3の構造は、撮像システムが使用する光学系のF値に依存した、集光能力の変化が小さい。実際に、表1〜3に示した値で比較してみると分かるように、F値1.4使用時の領域3におけるΔf値が最も良好なのは、図3の構造である。したがって、F値変化に強い集光能力を重視する場合は、図3の構造の方がよい。
つまり、図3或いは図4のどちらの構造が最適であるかは、その用途次第といえる。
なお、本明細書では以後、本発明を図3の構造に適用した例について代表して説明するが、図4の構造についても同様に適用が可能である。
図3及び図4に示す非球面形状のマイクロレンズの製造方法としては、例えば以下に示す2つの方法が挙げられる。
第1の方法は、第1のパターン上に第2のパターンを積層し、これらパターンを同時にリフローすることによって、非球面形状マイクロレンズを形成する方法である。
しかしながら、この第1の方法では、2つのパターンの材料の融点、加熱条件、液化時の粘度などを綿密に調整することが求められる。一般的な感光性樹脂材料では、融点が近く液化時の粘度も低いため、2つの材料が液化したときに混ざって球面形状になってしまい、非球面形状のマイクロレンズは形成できない。また、熱硬化していない半乾きの第1のパターン上に第2のパターンを積層することは困難である。第1のパターンが半乾きの状態であると、第2のパターン形成時の露光・現像によって第1のパターンも感光されてしまい、形状が変形してしまう。他にも、半乾きの第1のパターン上に第2のパターンを積層することに対しては、塗布ムラが発生するなどの懸念点が挙げられる。このように、第1の方法は、所望の形状を得ることが困難であり、非球面形状マイクロレンズの製造方法としては難度が高い。
第2の方法は、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィによって、非球面形状マイクロレンズを形成する方法である。この方法では、出来上がりのパターンが非球面形状となるようにフォトマスク上にドットパターンを配置するだけでよいため、第1の方法と比較して難度は高くない。しかしながら、斜入射光に対応した非球面形状のマイクロレンズを設計するに際し、平均2000〜3000万画素を有する固体撮像装置に対して、全画素分のドットパターンを設計することは現実的に不可能である。画素サイズが一辺1μm〜数μmであるのに対して、マスク描画装置で形成可能な最小ドットサイズは一辺約50nmであり、マイクロレンズ1個あたりに配置できるドット数は20個/辺〜数十個/辺になる。一辺数十個のドットによって実現できる階調性では、2000〜3000万画素分の形状を表現することはできない。
したがって、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィによって非球面形状のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイを形成するためには、グレイトーンマスクの設計方法に工夫が必要になる。例えば、固体撮像装置の撮像領域32を幾つかのエリアに分割し、各エリア内の総てのドットパターンを、そのエリアへの代表的な入射光の入射角度を元に設計する、といった対応が必要になる。
しかしながら、エリア分割されたマイクロレンズアレイは、エリアとエリアとの境界で集光能力の変化量が大きくなるため、撮影された画像は境界線のある画像になる可能性が高い。もちろん、境界線を認識しないような改善も考えられるが、本質的にはエリア分割のないマイクロレンズアレイを形成することが望ましい。
このように、第2の方法では、1個の非球面形状のマイクロレンズは容易に形成できるが、マイクロレンズアレイを形成するためにはエリア分割が必要であり、それでは十分満足できる画質を得ることが困難である。本実施形態では、第1の方法及び第2の方法におけるこれら課題を解決すべく、下地基板10に接する第1の部分22と、第1の部分22を覆い且つ下地基板10に接する第2の部分26とを含むマイクロレンズ20を構成している。そして、平面視における第2の部分26の重心26cの位置を、平面視における第1の部分22の重心22cの位置からずらしている。そしてこれにより、断面視における第2の部分26の頂部26tの位置を、平面視における第2の部分26の重心26cの位置よりも平面視における第1の部分22の重心22cの位置の方向側にずらしている。
次に、本実施形態において、このような第1の部分22及び第2の部分26を含むマイクロレンズ20を構成している理由について、本実施形態によるマイクロレンズ20の製造方法とともに、図5及び図6を用いて説明する。
図5は、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法を示す工程図である。図6は、本実施形態において使用するフォトマスクの1画素のマスクパターンを示す平面図である。まず、下地基板10の第1の領域上に、例えばフォトリソグラフィにより、第1のパターン22aを形成する(図5(a)及び図5(b))。例えば、下地基板10上にポジ型の感光性樹脂膜を形成後、例えば図6(a)に示すマスクパターン42を有するフォトマスクを用いて感光性樹脂膜を露光し、現像する。図6において、各図における周囲の線は1つの画素領域をイメージしたものであり、線影を付した領域が遮光部を示している。図6(a)に示すマスクパターン42において、第1のパターン22aの形成領域に対応する遮光部42aの中心は、画素領域の中心から一方向に距離dだけずらして配置されている。現像によってパターニングされた感光性樹脂膜の熱処理を行うと、感光性樹脂が軟化して流動し、表面張力によって球面形状に成形される。その後も熱処理を継続すると、感光性樹脂は硬化する。このようにして形成されたものが、第1のパターン22aである。
なお、第1のパターン22aの形成には、ネガ型の感光性樹脂材料を使用してもよい。また、第1のパターン22aの形成には、必ずしもフォトリソグラフィを用いる必要はない。例えば、インクジェット法により、下地基板10上に樹脂材料を滴下するような方法で第1のパターン22aを形成してもよい。また、第1のパターン22aと下地基板10とは、同一の組成物で一体的に形成してもよい。例えば、上述の方法で形成した第1のパターン22aをマスクとして下地基板10をエッチバックし、第1のパターン22aのパターンを下地基板10の表面に転写してもよい。
次いで、第1の領域を含む下地基板10の第2の領域に、例えばフォトリソグラフィにより、第1のパターン22aを覆うように第2のパターン26aを形成する(図5(c)及び図5(d))。例えば、下地基板10上にポジ型の感光性樹脂膜を形成後、例えば図6(b)に示すマスクパターン44を有するフォトマスクを用いて感光性樹脂膜を露光し、現像することで、第2のパターン26aを形成する。図6(b)に示すマスクパターン44において、第2のパターン26aの形成領域に対応する遮光部44aの中心は、画素領域の中心に一致するように配置されている。
これにより、平面視における第2のパターン26aの重心の位置は、平面視における第1のパターン22aの重心の位置とは異なる位置に配置されることになる。或いは、第2のパターン26aを下地基板10へ正射影した図形の重心の位置が、第1のパターン22aを下地基板10へ正射影した図形の重心の位置とは異なる、ということもできる。第1のパターン22aの重心の位置と、第2のパターン26aの重心の位置との間のずれ量及びずらす方向は、形成しようとするマイクロレンズ20の形状に応じて適宜選択する。第1のパターン22aに対して第2のパターン26aをずらす量は、第2のパターン26aの構成材料や、後述する熱処理条件等に応じて変化するため、これらパラメータに応じて適宜選択する。異なる形状の複数種類のマイクロレンズ20を有するマイクロレンズアレイを形成する場合は、例えば図9に示すように、マイクロレンズ20毎に、第1のパターン22aの重心位置に対する第2のパターン26aの重心の位置のずれ量を設定する。
なお、第1のパターン22aの形成には、ネガ型の感光性樹脂材料を使用してもよい。また、第2のパターン26aの形成には、必ずしもフォトリソグラフィを用いる必要はない。例えば、インクジェット法により、第1のパターン22aの上に樹脂材料を滴下するような方法で第2のパターン26aを形成してもよい。また、第1のパターン22aと第2のパターン26aとは、同一材料により構成してもよいし、異なる材料により構成してもよい。
次いで、熱処理を行い、第2のパターン26aを液化させる。このとき、液化した第2のパターン26aは、以下に説明するような作用力を受けて形状変化し、非球面形状に成形される。そして、そのまま熱処理を続けることにより、この形状のまま硬化する。
第2のパターン26aを液化するための処理は、熱処理に限定されるものではない。具体的には、加熱処理を行う方法のほかに、第2のパターン26aを低圧下におく方法も考えられる。本発明の特徴を活かすためには、第2のパターン26aの少なくとも一部分が、相変化特性に従い液相になる時間が、一定時間存在すればよい。そして、この第2のパターン26aと混ざらないならば、第1のパターン22aが同時に液相になっていても差し支えはない。ただし、第2のパターン26aが液化する期間に、第1のパターン22aも液化し、第2のパターン26aと第1のパターン22aとが混ざってしまうと、実質的に下地の凹凸がなくなってしまう。そして、本発明の一つの特徴である、アルキメデスの原理に基づく応力による効果が得られなくなる。したがって、第2のパターン26aが液化する期間に、第2のパターン26aと第1のパターン22aとが混合しないように、これらの材料や処理条件を調整することが望ましい。
本実施形態による製造方法を用いてマイクロレンズ20を安定して量産するうえで、第2のパターン26aの形状変化量を一定以内に抑えることは重要である。そのためには、液化したときの第2のパターン26aの粘度バラツキを低減することが望ましい。具体的には、第2のパターン26aを液化した際に、第2のパターン26aが必要以上に流動性を持たないように、第2のパターン26aを液化する条件を最適化することが望ましい。また、第2のパターン26aの形成後から液化するまでの時間を統一させることが望ましい。
このようにして、第1のパターン22aからなる第1の部分22と第2のパターン26aからなる第2の部分26とを含む、非球面形状のマイクロレンズ20が製造される(図5(e)及び図5(f))。第1のパターン22aによって凸部が形成された下地基板10上に第2のパターン26aを形成する場合のように、平坦ではない下地上でパターンを融解させると、アルキメデスの原理に基づく作用によって、以下のようなパターン変形が生じる。
ここで、アルキメデスの原理に基づく作用によるパターンの変形について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、流体に加わる作用力とそれによる形状変化を説明する図であり、図8は、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法におけるパターンの形状変化を説明する図である。アルキメデスの原理とは、アルキメデスが発見した物理学の法則であり、「流体中の物体に働く力は、その物体が押しのけている分の流体の重さに等しい」というものである。式で表わすと次のようになる。
A=ρgV …(2)
ここで、ρは流体の密度、gは重力加速度、Vは流体の体積である。熱処理によって樹脂材料をリフローする場合にも、この原理は働いている。液体52に外力が働かない場合(重力も働かない場合)を想定すると、内力にあたる気体−液体間の表面張力しか働かないため、図7(a)に示すように、液体52は球状になる。このときの表面張力のベクトルの向きは、液体表面の接線方向である。図が複雑になることを避けるために、図中に表面張力は記載していない。
この状態に外力が作用することを想定する。まず、液体52に重力gが働いて地面50に着地する。すると、液体−固体間の表面張力が発生するとともに、重力gによって液体52の下部の形状が歪むように変形し始める(図7(b))。なお、図中には、液体−固体間の表面張力は記載していない。このとき、地面50によって歪むように変形した分が、アルキメデスの原理でいう「押しのけられた分」に相当する。そのため液体52には、式(2)に基づく応力Aが作用する。この状態から更に進行すると、地面50を広がっていく液体52に摩擦力F1、F2も加わり始め、やがて液体52が広がるのを止める。これが、図7(c)の状態であり、作用力がバランスした安定状態である。
図8(a)は、第2のパターン26aの形成直後の状態、すなわち図5(c)及び図5(d)の工程に対応している。下地基板10上には第1のパターン22aが形成されており、第2のパターン26aを形成した下地には、第1のパターン22aによる凸部が形成されているものといえる。ここで、第1のパターン22aは、第2のパターン26aによって覆われている。また、第2のパターン26aの重心の位置は、第1のパターン22aの重心の位置よりも右側にずれて配置されている。
図8(b)は、熱処理を行った結果、第2のパターン26aが液体化し、気体−液体間の表面張力によって丸みを帯び始めた状態を表している。このとき、図7で説明したと同じような作用力(気体−液体間の表面張力、液体−固体間の表面張力、重力、アルキメデスの原理に基づく応力、液体摩擦力など)が働いている。ただし、図が複雑になることを避けるため、図面には全ての作用力を記載していない。
まず、第2のパターン26aの液体は、気体−液体間の表面張力によって球面化するとともに、重力によって下部の形状は球面から歪むように変形する。更に、下地に凸形状が形成されていることで、アルキメデスの原理でいう「物体が押しのけている分」に基づく作用力が働く。このとき、下地の凸形状に対する非対称性に起因して、アルキメデスの原理に基づく作用力が左右で偏るため、第2のパターン26aに働く応力Atotalは、図8(b)に示すようにやや上向きの左方向のベクトルとなる。ここで、非対称性とは、ある断面における形状のことを意味している。すなわち、図8(b)の断面における、第2のパターン26aの下地基板10における中心を通り、下地基板10の法線方向と平行な軸に対して、第1のパターン22aの位置が非対称であることを意味している。
図8(c)は、液体への作用力がバランスのとれている最終状態を表している。液体がこのような非対称な形状になる理由の1つは、図面において左方向に働くアルキメデスの原理に基づく応力Atotalを受けているからである。そしてもう1つの理由は、この力を受けて液体が移動しようとするときに、動的な液体摩擦力が作用するからである。動的な液体摩擦力とは、例えば、液体が固体斜面を流れているときに液体が受けている外力であり、液体の進行方向とは逆向きに働く。この結果、液体の進行部位にあたる図面の左側では、液体摩擦力F1が強くなるために前進接触角θは大きくなるのに対して、液体の後退部位にあたる図面の右側では、液体摩擦力F2が弱くなるために後退接触角θは小さくなる。結果、動的な液体摩擦力も含め、全ての力のバランスがとれた状態は、図8(c)に示すような非球面形状になる。また、図8(b)及び図8(c)における応力Atotalのベクトルは、やや上側を向いている。このため、液体状となった樹脂材料が移動した結果、第2のパターン26aの頂点は、やや高くなる。
比較として、第1のパターン22aの重心位置と第2のパターン26aの重心位置とが一致している場合の第2のパターン26aの形状の変化の様子を、図8(d)に示す。図示するように、下地の凸形状(第1のパターン22a)が第2のパターン26aの中央に位置している場合、アルキメデスの原理に基づく応力は左右対称的に働くため、液体状となった樹脂材料が移動しても非対称な形状にはならない。ただし、下地基板10が平坦である場合に比べて、凸形状(第1のパターン22a)がある分だけアルキメデスの原理に基づく応力Atotalは上向きに大きくなるため、より高さのあるマイクロレンズ20が形成される。もし、非対称なマイクロレンズ20ではなく、単により高さのあるマイクロレンズ20が要求される場合には、このように本手法を活用してもよい。
非球面形状のマイクロレンズの製造方法として例示した前述の第1の方法では、複数の材料の融点、粘度等を綿密に計算して行う必要があるのに対して、本実施形態の製造方法では、1つの材料の熱処理をコントロールするだけでよい。また、半乾きのパターン上に別のパターンを積層する必要はないので、積層パターニングも容易に行える。本実施形態によるマイクロレンズの製造方法は、非球面形状のマイクロレンズをより容易に作成できるという点で、第1の方法よりも優れているといえる。
また、前述の第2の方法ではエリア分割が必要であるのに対して、本実施形態の製造方法では第1のパターン22aと第2のパターン26aとの位置関係をフォトマスク上のマスクパターンで任意に設定できるためエリア分割は不要である。したがって、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法によれば、画質を低下させてしまうようなエリア分割を行うことなく、マイクロレンズアレイを製造することができる。
第1のパターン22aにより形成される第1の部分22の屈折率(或いは材料)と、第2のパターン26bにより形成される第2の部分26の屈折率(或いは材料)とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1の部分22と第2の部分26の屈折率が同じ場合、第1の部分22と第2の部分26との間の界面はわずかに見える程度であり、界面で光路は変化しない。したがって、図3に示したマイクロレンズアレイの場合と同様に、撮像領域32の中央(領域1)からの距離によって変化する斜入射光に対応した位置に焦点を結ぶ光線経路を得ることができる(図9(a)参照)。
図3に示すマイクロレンズとの違いは、第1の部分22と第2の部分26とが同じ屈折率であっても、これらの間に界面が存在することである。界面が存在することにより、この界面では光線の全反射が生じることがある。このような場合、第2の部分26を通過する光の光路距離d(複数光路がある場合は、強度が最大となる光路の距離)を、可視光波長の反射防止効果が得られる距離に調整することで、感度向上の効果が期待できる。反射防止効果の得られる条件は、0以上の整数をm、反射防止を行いたい光線の波長をλ(一般的には可視光550nmを用いる)、第1の部分22及び第2の部分の屈折率をnとして、以下の式(3)で表される。
d=(2m+1)×λ/(4×n) …(3)
すなわち、第2の部分26が反射防止膜として機能している。第1の部分22と第2の部分26との間の界面における光線の反射を抑制するためには、図1(c)に示すように、第1の部分22と第2の部分26との間に反射防止膜24を設けるようにしてもよい。また、マイクロレンズ20の表面における反射を抑制するために、図1(c)に示すように、第2の部分26の表面に反射防止膜28を設けるようにしてもよい。反射防止膜24,28は、単層構造であっても積層構造であってもよい。例えば、反射防止膜28を構成する材料としては、空気の屈折率(n=1)とマイクロレンズ20の屈折率(例えば、n≒1.6)との間の屈折率を有し、消衰係数の小さい材料が望ましく、可視光線に対しては膜厚100nm程度が好適である。例えば、低温プラズマCVD装置で堆積した膜厚100nm程度の酸化シリコン膜(n≒1.4)により反射防止膜28を形成することが考えられる。
第1の部分22と第2の部分26の屈折率が異なる場合、それらの関係に応じてマイクロレンズ20を通過する光線の経路を変化できるため、目的によっては第1の部分22と第2の部分26とを屈折率の異なる材料で形成するという選択もあり得る。例えば、第1の部分22を第2の部分26よりも屈折率の高い材料で形成すると、図9(b)に示した例のように、第1の部分22と第2の部分26との界面で、より集光される方向に光路が変化する。この場合、入射光線は、第2の部分26aの表面のみならず、第1の部分22と第2の部分26との界面でも屈折されるため、フォーカスは散乱するが、フォトダイオード14が位置する画素領域の中心寄りへの散乱であり、混色を抑制する効果が見込める。混色しなくなった光線は本来入るべき画素に入射するため、第1の部分22と第2の部分26とを同じ屈折率とした場合と比較して、更なる感度向上の効果を得ることもできる。
図9(b)には第1の部分22を第2の部分26よりも屈折率の高い材料で形成した場合を示しているが、逆に、第1の部分22を第2の部分26よりも屈折率の低い材料で形成した場合の方が集光能力の向上を見込めるケースもあり得る。つまり、第1の部分22及び第2の部分26の屈折率の最適な条件は、画素の光学設計方法に依存する。なお、第1の部分22と第2の部分との間の界面或いはマイクロレンズ20の表面における光線の反射の抑制には、第1の部分22と第2の部分26とが同じ屈折率の場合と同様の対策を講じることができる。
第1のパターン22aは、第2のパターン26aを配置する場所に、非対称な下地構造を形成することを一つの目的としたものである。この目的のもと、第1のパターン22aには、第2のパターン26aの重心の位置に対してずらして配置するほか、様々なバリエーションが考えられる。例えば、第1のパターン22aのバリエーションとしては、図10(a)〜(p)に示す種々の態様が挙げられる。
図10(a)、(b)、(c)は第1のパターン22aの変形例を示しており、様々な大きさの第1のパターン22aを用いることができる。第1のパターン22aの大きさが大きいほど、アルキメデスの原理を表す(2)式における「物体が押しのける流体の体積V」が増加するため、物体から流体が受ける応力Aも増す。
図10(d)、(e)、(f)は、第1のパターン22aの形状の変形例を示している。第1のパターン22aの形状は、これまでに説明してきた球面形状に限定されるものではない。例えば、立方体、円柱、角柱、円錐、角錐、楕円などの典型的な立体形状でもよいし、その他の複雑な形状でもよい。アルキメデスの原理に基づく応力のベクトルは、第1のパターン22aの面に影響されるため、第1のパターン22aの面の形状を適宜選択することにより、マイクロレンズ20の形状制御が可能となる。
図10(g)、(h)は第1のパターン22aの他の変形例を示しており、1個のマイクロレンズ20に対して配置する第1のパターン22aの個数を様々に変更し得る。各画素に複数の第1のパターン22aを配置して、マイクロレンズ20の形状を制御することも可能である。この場合、1個のマイクロレンズ20に対応して配置される複数の第1のパターン22aの大きさや形状は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、画素毎に、第1のパターン22aの大きさ、形状、個数、配置等が異なっていてもよい。
図10(i)、(j)は、製造プロセスの変形例を示している。例えば、第2のパターン26aを形成する工程は、第1のパターン22aを形成する工程の後にすぐに行う必要はなく、これら工程の間に他の処理工程を行ってもよい。例えば、図9(i)に示すように第1のパターン22aを形成する工程の後、第2のパターン26aを形成する工程の前に、反射防止膜24を形成する工程を追加してもよい。また、図9(j)に示すように、第1のパターン22aを形成する工程を繰り返し行うようにしてもよい。例えば、第1のパターン22aとは異なる組成、大きさ或いは形状の第1のパターン22bを形成する場合などに適用可能である。
図10(k)、(l)、(m)は、下地基板10に形成する凹凸形状の変形例を示している。下地基板10に形成する凹凸は、必ずしも下地基板10上に形成した第1のパターン22aからなる突起物である必要はなく、凹部18aや傾斜面18bであってもよい。下地基板10に形成された凹部18aや傾斜面18bも、下地基板10とともに第1のパターン22aを形成するものであるといえる。第2のパターン26aを配置する領域の一部に凹部18aが形成されている場合や、第2のパターン26aを傾斜面18b上に形成する場合も、アルキメデスの原理に基づく応力は、異なる働き方をする。例えば、これらの場合、平坦面上に第2のパターン26aを形成する場合よりも、アルキメデスの原理に基づく応力が小さくなることがある。したがって、下地基板10に形成する凹部18aや傾斜面18bを適宜設定することで、所望の非球面形状を有するマイクロレンズを形成することが可能になる。
図10(n)、(o)、(p)は、第1のパターン22aの位置の変形例を示している。図面には、所定の領域(例えば、1つの画素領域)内の異なる位置に第1のパターン22aを配置した例を3つ示している。各図には、断面図と上面図とを記載している。第1のパターン22aの配置場所を移動すると、アルキメデスの原理に基づく応力の影響が変わるために、第2のパターン26aの完成形状にも影響する。
このように、第1のパターン22aにおいて、大きさ、形状、個数、製造プロセス、凹凸、位置等を変更し得る。これらの変形例の中から任意のものを選択し、或いは、任意に選択される複数のものを組み合わせ、第1のパターン22aを形成するようにしてもよい。図10に示した第1のパターン22aの様々な変形例のうち、非球面形状の第2のパターン26aの形成方法について、図11を用いて説明する。
図11(a)及び(b)は、下地基板10の傾斜面上に第2のパターン26aを形成する方法を示しており、図10(m)に示す第1のパターン22aが用いられている。図11(a)は、傾斜面18b上に第2のパターン26aを配置し、熱処理を行った結果、第2のパターン26aが液体化し、気体−液体間の表面張力によって丸みを帯び始めた状態を表している。このとき、傾斜面18b上に形成した第2のパターン26aには、外力によって傾斜面18bの法線方向に応力Atotalが加わっている。この応力Atotalには図面において右方向の成分が含まれるため、頂部26tが右側にシフトするように第2のパターン26aの変形が進行し、結果として非球面形状の第2のパターン26aに成形される(図11(b))。
図11(c)及び(d)は、複数の形状の異なる第1のパターン22aを用いた形成方法を示しており、図10(a)〜(c)、(g)、(h)に示す第1のパターン22aが用いられている。下地基板10上に大きさの異なる2つの第1のパターン22aと第2のパターン26aとを配置し、熱処理を行うことにより、第2のパターン26aが液体化する。このため、図10(c)に示すように、気体−液体間の表面張力によって第2のパターン26aが丸みを帯び始める。なお、第2のパターン26aの形成時、第1のパターン22aが第2のパターン26aによって完全に覆われている必要はない。図11(c)は、第1のパターン22aの一部が第2のパターン26aに覆われていない状態を示している。このとき、大きさの異なる2つの第1のパターン22a上に形成した第2のパターン26aには、外力によって、図面において右方向の成分を含む応力Atotalが加わっている。これにより、頂部26tが右側にシフトするように第2のパターン26aの変形が進行し、結果として非球面形状の第2のパターン26aに成形される(図11(d))。
第2のパターン26aが第1のパターン22aを完全に覆う必要がないのは、以下の理由による。すなわち、第2のパターン26aがある程度が覆われていれば、アルキメデスの原理、すなわち「流体中の物体に働く力は、その物体が押しのけている分の流体の重さに等しい」との原理に基づく力が十分に発揮できるからである。また、ある程度覆われていれば、第2のパターン26aが液化したときに、第1のパターン22aとの液体−固体間の表面張力によって、自動的に覆われてしまう可能性もある。もちろん、第2のパターン26aが第1のパターン22aを完全に覆う必要がないのは、第1のパターン22aが複数あるときに限ったことではない。
図12は、第1のパターン22aによる第2のパターン26aの形状の他の変形例を示している。図12に示す例は、非球面形状の第2のパターン26aを形成するためのものではないが、後述する実施形態とも関係するため、補足として説明する。
図12(a)、(b)は、第2のパターン26aの中央に第1のパターン22aを配置した場合に、第2のパターン26aがどのような形状に変化するかを示したものである。図12(a)の状態は、第2のパターン26aが液体化して気体−液体間の表面張力によって丸みを帯び始めた状態、或いは、グレイトーンマスクを用いて第2のパターン26aを形成した直後の状態を示している。第1のパターン22aが中央にあるとアルキメデスの原理に基づく応力が左右対称的に働くため、非対称形状にはならない。しかしながら、下地が平坦である場合に比べて、第1のパターン22aがある分だけ、アルキメデスの原理に基づく応力Atotalは上向きに大きくなるため、楕円体面に近い形状になる。この結果、球面形状のマイクロレンズよりも高さのある、マイクロレンズとなる。
図12(c)、(d)は、第2のパターン26aを配置する領域に、相対的に幅の広い円柱状の第1のパターン22aを配置した場合に、第2のパターン26aがどのような形状に変化するかを示したものである。この場合も、図12(a)、(b)の場合と同様、アルキメデスの原理に基づく応力は左右対称に働くため第2のパターン26aは非対称形状にはならない。しかしながら、第2のパターン26aの側面が第1のパターン22aに近くなり、側面において第2のパターン26aが受けるアルキメデスの原理に基づく応力(図中、応力A、A)が強くなる。そしてこれにより、第2のパターン26aは角部が丸みを帯びた略台形形状になる。
このように、本実施形態では、第1のパターン上に、平面視において第1のパターンの重心の位置とは異なる位置に重心が位置する第2のパターンを形成し、この第2のパターンをリフローすることによってマイクロレンズを形成する。したがって、本実施形態によれば、非球面形状を有するマイクロレンズを容易に形成することができる。また、第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置とを適宜設定することにより、入射光の入射方向に対応した好適なレンズ形状を有するマイクロレンズを実現することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態によるマイクロレンズ及びその製造方法について図13及び図14を用いて説明する。図1乃至図12に示す第1実施形態によるマイクロレンズと同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図13は、本実施形態によるマイクロレンズの構造を示す断面図及び平面図である。図14は、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図である。第1実施形態では、リフロー法を用いて非球面形状のマイクロレンズを製造する方法を説明した。本実施形態では、非球面形状のマイクロレンズの形成に、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィを利用した例について説明する。
固体撮像装置の感度を向上する手法の一つとして、マイクロレンズの直径を大きくしてマイクロレンズ同士の間隔を狭くする方法が挙げられる。このようにして各画素のマイクロレンズの面積占有率(画素におけるマイクロレンズの敷地面積の割合)を広げることで、感度向上を図ることができる。しかしながら、第1実施形態において説明したような、リフロー法を用いた非球面形状のマイクロレンズの製造方法では、面積占有率の高い、接触型マイクロレンズアレイを形成することはできない。ここで、接触型マイクロレンズアレイとは、各マイクロレンズの直径が画素サイズよりも大きく、隣接するマイクロレンズ同士が接触しているようなマイクロレンズアレイのことである。この接触型マイクロレンズアレイがリフロー法で形成できない理由は、マイクロレンズ同士が接触したままパターンを構成する樹脂材料を液化すると、マイクロレンズ同士が表面張力で融着してしまい、所望の形状を保てなくなるからである。
個々のマイクロレンズの形状を保持したままで接触型マイクロレンズアレイを製造するための手法の一つとして、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィを利用する方法が挙げられる。グレイトーンマスクとは、例えば図6(d)に示すような、露光装置の光源波長で解像しない微細なドットを多数配置したマスクパターン48を有するフォトマスクのことである。フォトマスク上におけるドットの配置を適宜調整することで、感光性樹脂の光反応の度合いを領域毎に異ならせることができ、塗布・露光・現像といったフォトリソグラフィの一連の工程のみによって、球面形状等の任意のパターンを形成することができる。
また、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィを利用するプロセスでは、リフロー法において生じるような隣接パターンの融着が生じることもないため、球面形状の接触マイクロレンズを製造することができる。グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィを利用するプロセスにおいて隣接するマイクロレンズ同士が融着しないのは、グレイトーンマスク用の感光性樹脂が、適度に都合のよい流動性を持つからである。
グレイトーンマスク用の感光性樹脂は、溶剤と樹脂とを含んだ液体材料である。そのため、フォトリソグラフィ後のパターンは、樹脂が硬化されておらず溶剤を多く含んだ状態であり、このままでは耐久性に乏しい。そのため、リフロー法の場合と同様に熱処理を施し、溶剤の揮発と樹脂の硬化を行う必要がある。しかしながら、元々が液体溶剤を含んでいる点や、ベースとなる樹脂がリフロー法で使用するものと同じである点から、パターンはどうしても流動性を持ってしまう。
そこで、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィで使用する感光性樹脂は、熱処理で溶融しにくいような材料に改良されている。この感光性樹脂は、リフロー法に用いられる樹脂のように構成分子がパターン内部を自由に動き回れるものではなく、その移動範囲は限られたものになる。接触型マイクロレンズにおいては、マイクロレンズ同士の接触箇所は、体積から見て含有溶剤量が少ないため、熱硬化時でも比較的に流動性は少ない。対するマイクロレンズの中央箇所は、含有溶剤量が多いため、相対的に流動性は高くなる。
マイクロレンズの接触部分で流動性が低く、中央部分で流動性が高くなる、グレイトーンマスク用の感光性樹脂は、本発明を適用するうえで非常に都合がよい。なぜなら、マイクロレンズの接触部分では融着せずにレンズ形状を保持できるうえに、マイクロレンズの中央部分では、アルキメデスの原理に基づく応力を得て、非球面形状に変形するからである。つまり、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィを第2のパターン26aの形成に利用すれば、接触型の非球面形状マイクロレンズを容易に形成することができる。
図13は、本実施形態によるマイクロレンズの構造を示す断面図及び平面図である。図13において、領域1、領域2及び領域3は、図2乃至図4において説明した領域1、領域2及び領域3と同様である。本実施形態によるマイクロレンズ20は、接触型マイクロレンズアレイを構成するものであり、断面を見ると、図13(a)に示すように、第2の部分26の表面は層間絶縁膜16の表面とは接触していない。上面から見ると、図13(b)に示すように、第2の部分26同士は接触しているが、画素の角部にあたる位置にマイクロレンズ20が敷かれていないエリア、すなわちマイクロレンズギャップ52が存在している。なお、このマイクロレンズギャップ52は、存在していなくてもよい。このような接触型のマイクロレンズアレイは集光面積が広いため、集光率を向上することができる。
また、各マイクロレンズ20は、画素の配置場所の違いによる入射光の入射方向の違いにも対応できるような、非球面形状になっている。具体的には、撮像領域32の中央部にあたる領域1ではほぼ球面形状をしているが、領域2、領域3と中心部から離れるほどにより非球面形状となっている。これにより、大面積の撮像領域32を維持したうえで、撮像領域32の中央からの距離によって変化する斜入射光(図面に点線で記載)に対応して、高い集光能力を得ることができる。
次に、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法について、図14を用いて具体的に説明する。なお、図14(a)、(b)、(c)のそれぞれにおいて、上側が断面図であり、下側が上面図である。
まず、下地基板10上に、フォトリソグラフィにより、第1のパターン22aを形成する(図14(a))。次いで、第1のパターン22aが形成された下地基板10上に、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィにより、第2のパターン26aを形成する(図14(b))。例えば、各画素領域に、図6(d)に示すマスクパターン48をそれぞれ有するグレイトーンマスクを用い、球面形状の第2のパターン26aを形成する。この際、隣接する第2のパターン26a同士は、一部が接触している。
次いで、熱処理により、第2のパターン26aのリフロー及び硬化を行い、第2のパターン26aを、第1のパターン22aと第2のパターン26aとの位置関係に応じた非球面形状に成形する(図14(c))。この際、隣接する第2のパターン26aの接触部分は感光性樹脂の流動性が低く、中央部分は流動性が高いため、接触部分における流動を抑制し、中央部分を非球面形状に成形することができる。
このように、本実施形態では、第1のパターン上に、平面視において第1のパターンの重心の位置とは異なる位置に重心が位置する第2のパターンを形成し、この第2のパターンをリフローすることによってマイクロレンズを形成する。したがって、本実施形態によれば、非球面形状を有するマイクロレンズを容易に形成することができる。また、第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置とを適宜設定することにより、入射光の入射方向に対応した好適なレンズ形状を有するマイクロレンズを実現することができる。
また、第2のパターンの形成に、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィを利用するので、接触型のマイクロレンズアレイを形成することができる。したがって、このマイクロレンズアレイを固体撮像装置に適用すれば、高感度の固体撮像装置を実現することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態によるマイクロレンズ及びその製造方法について図15を用いて説明する。図1乃至図14に示す第1及び第2実施形態によるマイクロレンズと同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。本実施形態では、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィを利用した製造方法において、エリア分割をすることなく、撮像領域内の各画素に好適な非球面形状のマイクロレンズを形成する方法を示す。
図15は、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図であり、詳しくは撮像領域32の中心から外周に向かう直線(図2のB−B′線に相当)に沿った工程断面図である。図15において、撮像領域32の中心から外周までの間にn個の画素が並び、中心側の画素領域から順に、領域1、領域2、…、領域nと表記されている。なお、本明細書において撮像領域32の中心とは、撮像領域32の中で最も垂直(下地基板10の法線方向と平行)に近い方向から光線が入射する部分を意味し、必ずしも撮像領域32の物理的な中心点である必要はない。すなわち、各領域に入射する光線の入射角は、垂直入射を0度として、領域1、領域2、…、領域nの順に大きくなる。
まず、下地基板10上に、第1及び第2の実施形態と同様に、第1のパターン22aを形成する(図15(a))。このとき、画素領域の中心と第1のパターン22aの中心との距離dが、領域1、領域2、…、領域nの順に連続的に大きくなるように、各画素領域に第1のパターン22aを配置する。すなわち、領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける距離dを、それぞれ距離d1、d2、d3、d4、d5、…、dnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
d1<d2<d3<d4<d5 … <dn
次いで、第1のパターン22aが形成された下地基板10上に、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィにより、第2のパターン26aを形成する(図15(b))。例えば、各画素領域に、図6(d)に示すようなマスクパターン48をそれぞれ有するグレイトーンマスクを用い、球面形状の第2のパターン26aを形成する。この際、撮像領域32内を複数のエリアに分割してエリア毎に第2のパターン26aの形状を変更する必要はない。すなわち、各領域に形成される第2のパターン26aの、撮像領域32の中心側の接触角ψは、同じである。領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける接触角ψを、それぞれ接触角ψ1、ψ2、ψ3、ψ4、ψ5、…、ψnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
ψ1=ψ2=ψ3=ψ4=ψ5= … =ψn
各領域に形成される第2のパターン26aの、撮像領域32の外周側の接触角も同じ値である。第2のパターン26aの配置場所は、マイクロレンズ20の最終的な配置場所を規定するものであり、各画素領域内における第2のパターン26aの配置は、典型的には総ての画素領域において同じである。一例では、第2のパターン26aは、例えば図15(b)に示すように、第2のパターン26aの中心が画素領域の中心と一致するように配置することができる。この場合、各領域に配置される第1のパターン22aと第2のパターン26aとの組を比較すると、平面視における第1のパターン22aの重心の位置と、平面視における第2パターンの重心の位置との間の距離(距離d)は、互いに異なっている。
なお、図15では、各領域に配置されるマイクロレンズの下地基板10に対する接触角ψの関係をわかりやすくするために、隣接する第2のパターン26a同士が結合された状態では描いていない。接触型マイクロレンズアレイを形成する場合は、隣接する第2のパターン26a同士が接触するように配置する。非接触型マイクロレンズアレイを形成する場合は、隣接する第2のパターン26a同士を互いに離間して配置する。後者の場合、必ずしもグレイトーンマスクを用いる必要もなく、図6(b)に示すマスクパターン44を有するフォトマスクを用い、第1実施形態と同様にして第2のパターン26aを形成してもよい。
次いで、熱処理により、第2のパターン26aのリフロー及び硬化を行い、第2のパターン26aを、第1のパターン22aと第2のパターン26aとの位置関係に応じた非球面形状に成形する(図15(c))。すなわち、液化した第2のパターン26aが第1のパターン22aの位置ズレしている方向へと変形するために、第1のパターン22aの位置ずれ量(距離d)に応じて異なる非球面形状に成形される。この結果、熱処理後における第2のパターン26aの撮像領域32の中心側の接触角θは、領域1、領域2、…、領域nの順に大きくなる。領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける接触角θを、それぞれ接触角θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、…、θnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
θ1<θ2<θ3<θ4<θ5< … <θn
第2のパターン26aの撮像領域32の外周側の接触角は、これとは逆に、領域1、領域2、…、領域nの順に小さくなる。これにより、第1のパターン22a及び第2のパターン26aを含み、撮像領域の中心からの距離に応じて異なる非球面形状を有するマイクロレンズを製造することができる。特に、本実施形態の方法では、撮像領域32内を複数のエリアに分割してエリア毎に第2のパターン26aの形状を変更する必要はないため、エリア分割による画質劣化が生じることはない。
前述のように、本実施形態では、図6(a)に示すようなマスクパターン42を用いて第1のパターン22aを形成し、図6(b)或いは図6(d)に示すようなマスクパターン44、48を用いて第2のパターン26aを形成している。すなわち、フォトマスク上におけるマスクパターンのレイアウトによって、形成される第1のパターン22aの重心位置と第2のパターン26aの重心位置とのずれ量が規定できるように工夫されている。したがって、通常のフォトリソグラフィ工程を行うだけで、所望の形状のマイクロレンズを形成することができる。
ただし、マイクロレンズ20の形状の制御性を高めるためには、第1のパターン22a及び第2のパターン26aを形成する際のフォトリソグラフィ工程における感光性樹脂の塗布膜厚を適切に調整することが求められる。また、第1のパターン22aと第2のパターン26aとの間で位置合わせズレが生じてしまうと、理想とする距離d1〜dnの位置ズレを実現できず、所望の形状のマイクロレンズを形成することが困難となる。これに対しては、第1のパターン22aを形成する際のフォトリソグラフィ工程と、第2のパターン26aを形成する際のフォトリソグラフィ工程とにおいて、露光アライメント条件として同じ値を用いて露光処理を行う等の対策が考えられる。これにより、アライメントのバラツキ等、少なくともプロセス起因のバラツキを抑制することができるので、第1のパターン22aと第2のパターン26aとの位置合わせズレ量は小さくなり、理想に近い距離d1〜dnの位置ズレ量を実現することができる。
このように、本実施形態では、第1のパターン上に、平面視において第1のパターンの重心の位置とは異なる位置に重心が位置する第2のパターンを形成し、この第2のパターンをリフローすることによってマイクロレンズを形成している。したがって、本実施形態によれば、非球面形状を有するマイクロレンズを容易に形成することができる。また、第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置とを適宜設定することにより、入射光の入射方向に対応した好適なレンズ形状を有するマイクロレンズを実現することができる。
また、このマイクロレンズを用いたマイクロレンズアレイを固体撮像装置に適用するに際し、撮像領域の中心からの距離に応じてマイクロレンズの形状を連続的に変化するので、エリア分割による画質劣化のない良質の画像を取得することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態によるマイクロレンズ及びその製造方法について、図15を用いて説明する。図1乃至図15に示す第1乃至第3実施形態によるマイクロレンズと同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
第3実施形態では、フォトマスク上におけるパターンのレイアウトによって、形成される第1のパターン22aの重心位置と第2のパターン26aの重心位置とのズレを実現した。本実施形態では、形成される第1のパターン22aの重心位置と第2のパターン26aの重心位置とのズレを実現するための他の手法について説明する。
本実施形態によるマイクロレンズの製造方法は、第1のパターン22aを形成する際の露光条件によって、画素中心と第1のパターン22aの中心とのズレを実現するものである。使用するフォトマスク上のパターンには、距離d1〜dnを規定するためのオフセットを設ける必要はない。すなわち、フォトマスク上において、第1のパターン22aを形成するためのマスクパターンは、総ての画素領域の同じ位置に配置されている。
ただし、このようなフォトマスクを用いてそのままフォトリソグラフィを行ったのでは、撮像領域32の中心からの距離に応じて画素毎に距離dを規定することはできない。そこで、本実施形態では、露光アライメント条件の1つである露光ショット倍率を、第2のパターン26aを形成する際の露光ショット倍率よりも小さくして、フォトリソグラフィを行う。露光ショット倍率を小さくすると、撮像領域32の外周側の画素ほど第1のパターン22aが撮像領域32の中心側にずれて配置されることとなり、画素領域32の中心と第1のパターン22aの中心との距離dは、領域1、領域2、…、領域nの順に大きくなる。これにより、図15(a)に示した第3実施形態と同様の、第1のパターン22aのレイアウトを実現することができる。以降の工程は、図15(b)及び図15(c)に示す第3実施形態によるマイクロレンズの製造方法と同様である。
このように、第1のパターン22a用のマスクパターンと第2のパターン26a用のマスクパターンとの間のオフセットが画素毎に設定されていない場合でも、プロセス条件の1つである露光アライメント条件の変更によって対応が可能である。マスクパターンではなくプロセス条件で対応する利点としては、容易に実施できる点が挙げられる。例えば、重心位置のずれ量を最適化するために時間のかかるマスク改訂を何度も行う必要はなくなる、等の利点がある。
このように、本実施形態では、第1のパターンを形成する際の露光ショット倍率と第2のパターンを形成する際の露光ショット倍率とを変えることで、第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置とを撮像領域内において連続的に変化している。したがって、本実施形態によれば、フォトマスクに変更を加えることなく、第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置との関係を容易に最適化することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態によるマイクロレンズの製造方法について、図15を用いて説明する。図1乃至図15に示す第1乃至第4実施形態によるマイクロレンズと同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
これまでの実施形態では、第1のパターン22aの形成用のフォトマスクと第2のパターン26の形成用のフォトマスクマスクとして別々のフォトマスクを用いる例を示した。本実施形態では、第1のパターン22a及び第2のパターン26aの形成に同じフォトマスクを使用する方法について説明する。
第1のパターン22a及び第2のパターン26aの形成にグレイトーンマスクを使用すれば、これらパターンの形成には必ずしも別々のマスクを使用する必要はない。プロセス条件である、塗布膜厚、露光量、露光アライメント条件等を適宜調整することで、同一のグレイトーンマスクを使用して、第1のパターン22aと第2のパターン26aとを形成することは可能である。2つの工程でフォトマスクを共用することにより、フォトマスクの設計工数や製造コストを削減し、ひいては製造コストを低廉化することができる。
一例を述べると、まず、第1のパターン22aの形成の際に、感光性樹脂の塗布膜厚を第1の膜厚、露光量を第1の露光量として、第4実施形態で説明した方法により、第1のパターン22aを形成する。感光性樹脂の塗布膜厚を薄くして、露光量を高くすることによって、第1のパターン22aは、図15(a)に示すように小さく形成することができる。また、露光ショット倍率を小さくすることで、画素領域の中心と第1のパターン22aの中心との距離dを、領域1、領域2、…、領域nの順に大きくすることができる。
続く、第2のパターン26aの形成の際には、第1のパターン22aの形成に用いたフォトマスクを用いて、第2のパターン26aを形成する。この際、感光性樹脂の塗布膜厚は第1の膜厚よりも厚い第2の膜厚、露光量は第1の露光量よりも小さい第2の露光量とし、露光ショット倍率は変更(縮小)しない。使用する感光性樹脂は、第1のパターン22aと第2のパターン26aとで、同じであっても異なっていてもよい。これにより、図15(b)に示すように、第1のパターン22aよりも大きい第2のパターン26aを、第1のパターン22a上に形成することができる。
以降の工程は、図15(c)に示す第3実施形態によるマイクロレンズの製造方法と同様である。本発明者は、撮像領域32内の位置によって形状が異なるマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイを本実施形態において説明した製造方法によって実際に製造できることを検証している。
このように、本実施形態では、第1のパターン及び第2のパターンの形成に、同じフォトマスクを用い、露光アライメント条件を制御することによって第1のパターン及び第2のパターンを作り分ける。したがって、本実施形態によれば、フォトマスクの設計工数や製造コストを削減し、ひいては製造コストを低廉化することができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態による固体撮像装置及びその製造方法について図16を用いて説明する。図1乃至図14に示す第1乃至第5実施形態によるマイクロレンズ或いは固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図16は、本実施形態による固体撮像装置の構造を示す概略断面図である。
撮像領域32の中心部から離れるにつれて傾斜角が大きくなる入射光線に対しては、第1乃至第5実施形態で説明したように、非球面形状のマイクロレンズを用いることにより、フォーカス面のズレΔfがほぼゼロになるように制御することができる。その一方で、マイクロレンズによって集光される光線の焦点位置は、例えば図9に示したように、撮像領域32の外周側の画素ほど画素中心から外側に向けてずれることになる。そして、フォトダイオード14のエリアの外側に光が集光するようになると、集光率が低下してしまうことが予想される。
そこで、本実施形態では、図16に示すように、フォトダイオード14とマイクロレンズ20との相対的な位置を、撮像領域32の中心とフォトダイオード14との間の距離に応じて変えるように工夫している。すなわち、撮像領域32の外周側の画素ほど、マイクロレンズ20に対するフォトダイオード14の相対的な位置を、撮像領域32の外周側にシフトしている。このようにすることで、マイクロレンズ20によってフォトダイオード14のエリアの外側に光が集光されるのを防止することができ、集光率の低下を抑制することができる。
図16に示すマイクロレンズアレイを製造するための方法としては、例えば以下のものが挙げられる。第1の方法は、画素毎に、撮像領域32の中心からの距離に応じて、画素中心に対するフォトダイオード14の配置場所を変更する方法である。第2の方法は、マイクロレンズ層の位置とフォトダイオード層の位置とをずらして配置する方法である。例えば、第4実施形態と同様の手法を用い、マイクロレンズ20を形成する際のフォトリソグラフィにおける露光ショット倍率を、フォトダイオード14を形成する際のフォトリソグラフィにおける露光ショット倍率よりも小さくする。これにより、撮像領域32の外周側の画素ほど、マイクロレンズ20に対するフォトダイオード14の相対的な位置を、撮像領域32の外周側にシフトすることができる。この方法は、画素毎に素子レイアウトを変える必要がないため、画素間の特性ばらつきの抑制や設計工数削減等の観点から、第1の方法よりも優れていると言える。
このように、本実施形態によれば、フォトダイオードとマイクロレンズとの相対的な位置関係を、撮像領域の中心とフォトダイオードとの間の距離に応じて適宜変更するので、撮像領域内の場所による集光率のばらつきを低減することができる。これにより、良質の画像を取得することができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態によるマイクロレンズ及びその製造方法について図17を用いて説明する。図1乃至図16に示す第1乃至第6実施形態によるマイクロレンズと同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図17は、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図である。第1乃至第6実施形態では、フォトリソグラフィにより形成した第1のパターン22a及び第2のパターン26aによりマイクロレンズ20を構成した。本実施形態では、これら第1のパターン22a及び第2のパターン26aをマスクにして下地材料をエッチング(エッチバック)し、マイクロレンズ形状を下地に転写するようにしてもよい。
特に、第1のパターン22a及び第2のパターン26aによって非接触型のマイクロレンズアレイを構成した場合、これをマスクにエッチバックして下地に転写することにより、マイクロレンズ間のギャップが埋め込むことができる。したがって、グレイトーンマスクを用いなくても、接触型のマイクロレンズアレイを形成することができる。
図17は、エッチバックによりレンズ形状を下地に転写するプロセスの一例を示したものである。下地基板10上に、マイクロレンズ形状を転写する下地膜60が形成され、その上に第1のパターン22a及び第2のパターン26aが形成されているものとする(図17(a))。下地膜60は、層間絶縁膜16の一部であってもよい。次いで、第1のパターン22a及び第2のパターン26aをマスクとして下地膜60をドライエッチングする(図17(b))。この際、エッチングの進行とともに第2のパターン26aの側壁にエッチング物が成膜されていき、徐々にマイクロレンズ同士の間隔が狭くなっていく。そのため、非接触型のマイクロレンズアレイからエッチングプロセスを開始しても、接触型のマイクロレンズアレイを製造することができる。
このようにして、第1のパターン22a及び第2のパターン26aのパターンを下地膜60に転写し、下地膜60よりなるマイクロレンズ20を形成する(図17(c))。
なお、第1のパターン22aと第2のパターン26aとを異なる材料により形成すれば、第1のパターン22aと第2のパターン26aの界面からエッチング速度を変えることができる。これを積極的に利用すれば、所望の形状を作成するための製法が容易になる等の効果が期待できる。また、エッチバック法の更なる利点は、レンズ材料の選択の幅が広がることである。下地膜60としてレンズ材料に好適な透明材料を選択することにより、より良質のマイクロレンズを形成することができる。
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態による固体撮像装置について、図18を用いて説明する。図1乃至図17に示す第1乃至第7実施形態によるマイクロレンズ或いは固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図18は、本実施形態による固体撮像装置の構造を示す概略断面図である。本実施形態による固体撮像装置は、図18に示すように、非球面形状のマイクロレンズ20とフォトダイオード14との間の層間絶縁膜16内に配置されたインナーレンズ54を更に有している。インナーレンズ54は、マイクロレンズ20で集光した光線を更に集光し、焦点距離を短くする目的で配置される。そのため、マイクロレンズ20よりも屈折率の高い材料により構成される。
撮像領域32の中央部から離れるにつれて傾斜角が大きくなる入射光線に対しては、第1乃至第5実施形態で説明したように、非球面形状のマイクロレンズを用いることにより、フォーカス面のズレΔfがほぼゼロになるように制御することができる。その一方で、フォーカスの位置は、撮像領域32の中央部から離れた画素ほど画素中心から外側に向けてずれるため、隣接画素へ光線が入射して混色を生じやすい状況になっている。
マイクロレンズ20とフォトダイオード14との間にインナーレンズ54を配置することで焦点距離を短くすることができ、フォーカス位置をフォトダイオード14のより内側の領域にシフトさせることができる。これにより、隣接画素へ光線が入射して混色を生じることを抑制することができる。また、混色しなくなった光線は本来入るべき画素のフォトダイオード14に入射するため、更なる感度向上にも繋がる。
インナーレンズ54を用いて焦点距離を短くできることには、フォトダイオード14との距離を短くできる効果があり、裏面照射型の固体撮像装置への適用にも有効である。
なお、インナーレンズ54は光路を変更させるものであり、インナーレンズ54を追加する場合、インナーレンズ54で光線が屈折することも加味した画素設計が必要である。このように、本実施形態によれば、フォトダイオードとマイクロレンズとの間にインナーレンズを更に設けるので、混色の抑制並びに感度の向上を実現することができる。
[第9実施形態]
本発明の第9実施形態による固体撮像装置について、図19を用いて説明する。図1乃至図18に示す第1乃至第8実施形態によるマイクロレンズ或いは固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図19は、本実施形態による固体撮像装置の構造を示す概略断面図である。本実施形態による固体撮像装置は、図19に示すように、非球面形状のマイクロレンズ20とフォトダイオード14との間の層間絶縁膜16内に配置された光導波路56を更に有している。光導波路56は、層間絶縁膜16の構成材料よりも屈折率の高い材料により構成される。
層間絶縁膜16よりも屈折率の大きい光導波路56は、混色を抑止する方向に光線を屈折する効果がある。したがって、光導波路56を設けた場合も、第8実施形態のようにインナーレンズ54を設けた場合と同様に、混色の低減、ひいては感度向上の効果を得ることができる。
なお、光導波路56も、インナーレンズ54と同様、光路を変更させるものであり、光導波路56を追加する場合、光導波路56の上面で光線が屈折することも加味した画素設計が必要である。このように、本実施形態によれば、フォトダイオードとマイクロレンズとの間の層間絶縁膜に、屈折率の高い光導波路を更に設けるので、混色の抑制並びに感度の向上を実現することができる。
[第10実施形態]
本発明の第10実施形態によるマイクロレンズ及びその製造方法について図20及び図21を用いて説明する。図1乃至図19に示す第1乃至第9実施形態によるマイクロレンズ或いは固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図20は、本実施形態による固体撮像装置の構造を示す平面図及び断面図である。図21は、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図である。はじめに、本実施形態による固体撮像装置の構造について、図20を用いて説明する。なお、図20において、領域1、領域2及び領域3は、図2乃至図4において説明した領域1、領域2及び領域3と同様である。
本実施形態による固体撮像装置は、図20(b)に示すように、撮像領域32の中心から外周に向かうにつれて高さが徐々に高くなるマイクロレンズ20を有している。このような構造のマイクロレンズ20は、後述するように、第1のパターン22aの高さを場所に応じて適宜変更することにより実現することができる。ここで、マイクロレンズの屈折率が1.6、光学系のF値が2.8の場合を例に挙げ、本実施形態によるマイクロレンズの効果について説明する。本実施形態のマイクロレンズ20は、少なくとも軸を含むある断面において対称形状である。なお、本実施形態のマイクロレンズ20が回転対称な球面形状や非対称な形状であってもよい。
領域1には、接触角θ1a=θ1b=60度の球面マイクロレンズ20が形成されているものとする。この場合、入射角φ=0度で垂直入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=β=約27度の光線になる。
領域2には、接触角θ2a=θ2b=62度の対称な形状のマイクロレンズ20が形成されているものとする。例えば、入射角φ=5度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約30度、傾斜角β=約27度の光線になる。この結果、フォーカス面は領域1よりも上方向にずれて、Δf=5.9%となり、集光能力は低下する。しかし、傾斜角β(=27度)は、傾斜角βと同値であり、画素間の混色は抑制することができる。
領域3には、接触角θ3a=θ3b=64度の対称な形状のマイクロレンズ20が形成されているものとする。例えば、入射角φ=10度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約34度、傾斜角β=約27度の光線になる。この結果、フォーカス面は領域1よりも更に上方向にずれて、Δf=12.5%となり、集光能力は低下する。しかし、傾斜角β(=27度)は、傾斜角βと同値であり、画素間の混色は抑制することができる。
光学系のF値が異なる場合も、その度合いは異なるが、上記と同様の傾向となる。表4に、上述したF値が2.8の場合の計算結果とともに、F値が16.0の場合及びF値が1.4の場合の計算結果を示す。
Figure 2016118675
このように、撮像領域32の外周に近い画素ほどフォーカス面のズレは大きくなるが、各マイクロレンズ20の外周側の傾斜角β〜βが約27度で安定するため、画素間の混色量の撮像領域32面内のバラツキを抑制することができる。
次に、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法について、図21を用いて説明する。
まず、下地基板10上に、第1及び第2の実施形態と同様に、第1のパターン22aを形成する(図21(a))。このとき、マスクパターンの遮光部の面積を、撮像領域32の中心から外周に向かって徐々に大きくすることで、出来上がりの第1のパターン22aの高さを、撮像領域32の中心から外周に向かって徐々に高くすることができる。
すなわち、領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける第1のパターン22aの高さhを、それぞれ高さh1、h2、h3、h4、h5、…、hnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
h1<h2<h3<h4<h5 … <hn
第1のパターン22aは、後工程で第2のパターン26aを液化する際に混ざらないように、この時点で熱硬化する等の対応をしておくことが望ましい。なお、撮像領域32の中心部の画素では、例えば図20(b)に示したように、第1のパターン22aは必ずしも形成しなくてもよい。これは、中心部の画素が領域1であるとすると、高さh1=0に相当する。
次いで、第1のパターン22aが形成された下地基板10上に、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィにより、第2のパターン26aを形成する(図21(b))。例えば、各画素領域に、図6(d)に示すようなマスクパターン48をそれぞれ有するグレイトーンマスクを用い、球面形状の第2のパターン26aを形成する。
本実施形態では、各領域に、同じ形状の第2のパターン26aを、第2のパターン26aの中心と第1のパターン22aの中心と一致するように配置する。すなわち、各領域に形成される第2のパターン26aの、撮像領域32の中心側の接触角ψは、同じである。領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける接触角ψを、それぞれ接触角ψ1、ψ2、ψ3、ψ4、ψ5、…、ψnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
ψ1=ψ2=ψ3=ψ4=ψ5= … =ψn
各領域に形成される第2のパターン26aの、撮像領域32の外周側の接触角も同値である。なお、各領域に形成する第2のパターン26aは同一形状であり、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィにあたり、エリア分割を行う必要はない。
また、図21では、接触型マイクロレンズアレイの製造を想定し、隣接する第2のパターン26a同士が接触した状態を示しているが、必ずしも接触型マイクロレンズアレイとする必要はなく、隣接する第2のパターン26aを離間して配置してもよい。この場合、第2のパターン26aの形成には、必ずしもグレイトーンマスクを用いる必要はない。
次いで、熱処理により、第2のパターン26aのリフロー及び硬化を行う。この際、液化した第2のパターン26aは、第1のパターン22aの高さhに応じて、高くなる方向へと変形する(図21(c))。これは、図12(a)及び図12(b)を用いて第1実施形態において説明したように、第1のパターン22aの高さhが高くなるほど、アルキメデスの原理に基づく応力が上方向に強くなるからである。この結果、第2のパターン26aの高さHは、領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける高さHを、それぞれ高さH1、H2、H3、H4、H5、…、Hnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
H1<H2<H3<H4<H5< … <Hn
これにより、第1のパターン22a及び第2のパターン26aを含み撮像領域32の中心からの距離に応じて高さが異なるマイクロレンズを製造することができる。このように、本実施形態では、場所によって高さの異なる第1のパターン上に第2のパターンを形成し、この第2のパターンをリフローすることによってマイクロレンズを形成する。したがって、本実施形態によれば、場所によって高さの異なるマイクロレンズを容易に形成することができる。また、第1のパターンの高さを適宜設定することにより、入射光の入射方向に対応した好適なレンズ形状を有するマイクロレンズを実現することができる。
[第11実施形態]
本発明の第11実施形態によるマイクロレンズ及びその製造方法について図22及び図23を用いて説明する。図1乃至図21に示す第1乃至第10実施形態によるマイクロレンズ或いは固体撮像装置と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図22は、本実施形態による固体撮像装置の構造を示す平面図及び断面図である。図23は、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法を示す工程断面図である。はじめに、本実施形態による固体撮像装置の構造について、図20を用いて説明する。なお、図22において、領域1、領域2及び領域3は、図2乃至図4において説明した領域1、領域2及び領域3と同様である。
本実施形態による固体撮像装置は、図22(b)に示すように、撮像領域32の中心から外周に向かうにつれて接触角θ、θが徐々に大きくなる対称形状のマイクロレンズ20を有している。このような構造のマイクロレンズ20は、後述するように、第1のパターン22aの幅を場所に応じて適宜変更することにより実現することができる。本実施形態のマイクロレンズ20は、少なくとも軸を含むある断面において対称形状である。なお、本実施形態のマイクロレンズ20が回転対称な球面形状や非対称な形状であってもよい。
ここで、マイクロレンズの屈折率が1.6、光学系のF値が2.8の場合を例に挙げ、本実施形態によるマイクロレンズの効果について説明する。
領域1には、接触角θ1a=θ1b=60度の球面マイクロレンズ20がされているものとする。この場合、入射角φ=0度で垂直入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=β=約27度の光線になる。
領域2には、接触角θ2a=θ2b=61度の対称な形状のマイクロレンズ20が形成されているものとする。例えば、入射角φ=5度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約30度、傾斜角β=約27度の光線になる。この結果、フォーカス面は領域1よりも上方向にずれて、Δf=4.6%となり、集光能力は低下する。しかし、傾斜角β(=27度)は、傾斜角βと同値であり、画素間の混色は抑制することができる。
領域3には、接触角θ3a=θ3b=65度の対称な形状のマイクロレンズ20が形成されているものとする。例えば、入射角φ=10度で斜入射した光線は、マイクロレンズ20で屈折した結果、傾斜角α=約34度、傾斜角β=約27度の光線になる。この結果、フォーカス面は領域1よりも更に上方向にずれて、Δf=13.6%となり、集光能力は低下する。しかし、傾斜角β(=27度)は、傾斜角βと同値であり、画素間の混色は抑制することができる。
光学系のF値が異なる場合も、その度合いは異なるが、上記と同様の傾向となる。表5に、上述したF値が2.8の場合の計算結果とともに、F値が16.0の場合及びF値が1.4の場合の計算結果を示す。
Figure 2016118675
このように、撮像領域32の外周に近い画素ほどフォーカス面のズレは大きくなるが、各マイクロレンズ20の外周側の傾斜角β〜βが約27度で安定するため、画素間の混色量の撮像領域32面内のバラツキは抑制することができる。
次に、本実施形態によるマイクロレンズの製造方法について、図23を用いて説明する。
まず、下地基板10上に、フォトリソグラフィにより、第1のパターン22aを形成する(図23(a))。このとき、マスクパターンの遮光部の直径を、撮像領域32の中心から外周に向かって徐々に大きくすることで、撮像領域32の中心から外周に向かうほど底面の直径wが大きい円柱形状の第1のパターン22aを形成する。すなわち、領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける第1のパターン22aの底面の直径wを、それぞれ直径w1、w2、w3、w4、w5、…、wnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
w1<w2<w3<w4<w5 … <wn
第1のパターン22aは、後工程で第2のパターン26aを液化する際に混ざらないように、この時点で熱硬化する等の対応をしておくことが望ましい。なお、撮像領域32の中心部の画素では、例えば図22(b)に示したように、第1のパターン22aは必ずしも形成しなくてもよい。これは、中心部の画素が領域1であるとすると、直径w1=0に相当する。
次いで、第1のパターン22aが形成された下地基板10上に、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィにより、第2のパターン26aを形成する(図23(b))。
例えば、各画素領域に、図6(d)に示すようなマスクパターン48をそれぞれ有するグレイトーンマスクを用い、球面形状の第2のパターン26aを形成する。
本実施形態では、各領域に、同じ形状の第2のパターン26aを、第2のパターン26aの中心と第1のパターン22aの中心と一致するように配置する。すなわち、各領域に形成される第2のパターン26aの、撮像領域32の中心側の接触角ψは、同じである。領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける接触角ψを、それぞれ接触角ψ1、ψ2、ψ3、ψ4、ψ5、…、ψnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
ψ1=ψ2=ψ3=ψ4=ψ5= … =ψn
各領域に形成される第2のパターン26aの、撮像領域32の外周側の接触角も同値である。なお、各領域に形成する第2のパターン26aは同一形状であり、グレイトーンマスクを用いたフォトリソグラフィにあたり、エリア分割を行う必要はない。
また、図23では、接触型マイクロレンズアレイの製造を想定し、隣接する第2のパターン26a同士が接触した状態を示しているが、必ずしも接触型マイクロレンズアレイとする必要はなく、隣接する第2のパターン26aを離間して配置してもよい。この場合、第2のパターン26aの形成には、必ずしもグレイトーンマスクを用いる必要はない。次いで、熱処理により、第2のパターン26aのリフロー及び硬化を行う。この際、液化した第2のパターン26aは、第1のパターン22aの底面の直径wの大きさに応じて、台形のように幅広なレンズ形状へと変形する(図23(c))。これは、図12(c)及び図12(d)を用いて第1実施形態において説明した通りである。この結果、第2のパターン26aの接触角θは、領域1、領域2、領域3、領域4、領域5、…、領域nにおける撮像領域32の中心側の接触角θを、それぞれ接触角θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、…、θnとすると、以下のような関係式で表すことができる。
θ1<θ2<θ3<θ4<θ5< … <θn
各領域に形成される第2のパターン26aの、撮像領域32の外周側の接触角も同値である。これにより、第1のパターン22a及び第2のパターン26aを含み撮像領域32の中心からの距離に応じて接触角が異なる対称な形状を有するマイクロレンズを製造することができる。
このように、本実施形態では、場所によって幅の異なる第1のパターン上に第2のパターンを形成し、この第2のパターンをリフローすることによってマイクロレンズを形成する。したがって、本実施形態によれば、場所によって接触角の異なるマイクロレンズを容易に形成することができる。また、第1のパターンの幅を適宜設定することにより、入射光の入射方向に対応した好適なレンズ形状を有するマイクロレンズを実現することができる。
第10、11の実施形態において、第1のパターン22aと第2のパターン26aの位置関係は、平面視において重心が一致していてもよく、重心がオフセットしていてもよい。また、第1のパターン22aの形状の変化は高さや幅に限定されず、形状の変化も撮像領域の位置に応じていない場合にも起用可能である。
[変形実施形態]
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記第3実施形態では、総ての画素に対して共通のマスクパターンを用いて第2のパターンを形成したが、グレイトーンマスクを用いる場合にあっては必ずしも共通のマスクパターンである必要はない。例えば、撮像領域を、中心からの距離に応じて複数のエリアに分割し、エリア毎にマスクパターン、すなわち第2のパターンの形状を変えるようにしてもよい。最終的なマイクロレンズの形状は、第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置との関係によって決まるため、リフロー前の第2のパターンの形状は、必ずしも総ての画素において同じである必要はない。
また、上記第3実施形態では、撮像領域の中心からの距離に応じて、第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置との間の距離を連続的に変化する場合を示したが、必ずしも連続的に変化する必要はない。第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置との間の距離を連続的に変化しているのは、画素間においてマイクロレンズの光学特性が極端に変化して境界線が生じるのを防止するためである。境界線を視認できるほどに光学特性の変化が大きくならなければ、第1のパターンの重心の位置と第2のパターンの重心の位置との間の距離を複数の画素毎に段階的に変化するようにしてもよい。
また、上記第4実施形態では、第2のパターンを形成する際の露光ショット倍率に対して第1のパターンを形成する際の露光ショット倍率を縮小したが、露光ショット倍率は、形成しようとするマイクロレンズアレイの形状に応じて適宜選択することができる。例えば、図4に示す構造のマイクロレンズアレイを形成する場合は、第2のパターンを形成する際の露光ショット倍率に対して第1のパターンを形成する際の露光ショット倍率を拡大すればよい。
また、上記実施形態では、少なくとも一の基準に対して非対称なパターンを形成する本発明の方法を、マイクロレンズの製造に適用した例を示した。しかしながら、本方法は、マイクロレンズの製造のみに適用可能なものではなく、非対称な略楕円体形状のパターンの形成に広く適用することができる。一例としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の分野への適用が考えられる。また、第10、11実施形態においては、一の基準に対して非対称なパターンに限らず、対称なパターンにも適用可能である。
上記実施形態は、本発明を適用しうる幾つかの態様を例示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜修正や変形を行うことを妨げるものではない。
10 下地基板
12 半導体基板
14 フォトダイオード
16 層間絶縁膜
20 マイクロレンズ
22 第1の部分
22a 第1のパターン
24、28 反射防止膜
26 第2の部分
26a 第2のパターン
30 固体撮像装置
32 撮像領域
34 周辺回路領域
42、44、46、48 マスクパターン
50 地面
52 液体
60 下地膜

Claims (23)

  1. 基板に、第1のパターンを形成する工程と、
    前記第1のパターンが形成された前記基板の上に、平面視において前記第1のパターンの重心の位置とは異なる位置に重心が位置する第2のパターンを、前記第1のパターンを覆うように形成する工程と、
    前記第2のパターンをリフローすることにより、前記第2のパターンを成形してマイクロレンズを形成する工程とを有するマイクロレンズの製造方法。
  2. 前記第2のパターンをリフローする工程では、対称な形状の前記第2のパターンを、非球面形状の前記マイクロレンズに成形する請求項1記載のマイクロレンズの製造方法。
  3. 前記第2のパターンを形成する工程の前に、前記第1のパターンを硬化する工程を更に有する、請求項1又は2記載のマイクロレンズの製造方法。
  4. 前記第1のパターンを形成する工程では、複数の前記第1のパターンを形成し、
    前記第2のパターンを形成する工程では、
    前記複数の第1のパターンのそれぞれを覆うように複数の前記第2のパターンを形成し、
    前記第1のパターンとこれを覆う前記第2のパターンとからなる複数の組のうち、少なくとも2つの組において、平面視における前記第1のパターンの重心の位置と、平面視における前記第2のパターンの重心の位置との間の距離が互いに異なるように、前記複数の第2のパターンを配置し、
    前記第2のパターンをリフローする工程では、前記複数の第2のパターンをそれぞれリフローし、複数の前記マイクロレンズを形成する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  5. 前記複数の第2のパターンを形成する工程では、隣接する前記第2のパターンが接触するように前記複数の第2のパターンを配置する請求項4記載のマイクロレンズの製造方法。
  6. 前記複数のマイクロレンズは、2次元アレイ状に配列されてマイクロレンズアレイを構成しており、
    前記複数の組における前記第1のパターンの重心の位置と前記第2のパターンの重心の位置との間の距離が、前記マイクロレンズアレイの中心から外周に向かって連続的に変化している請求項4又は5記載のマイクロレンズの製造方法。
  7. 前記複数の第1のパターンを形成する工程では、前記複数の第1のパターンに対応する複数の第1のマスクパターンを有する第1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィにより、前記複数の第1のパターンを形成し、
    前記複数の第2のパターンを形成する工程では、前記複数の第2のパターンに対応する複数の第2のマスクパターンを有し、前記複数の第2のマスクパターンの重心の位置が前記複数の第1のマスクパターンの重心の位置とは異なる第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィにより、前記複数の第1のパターンを形成する工程における露光アライメント条件と同じ露光アライメント条件で、前記複数の第2のパターンを形成する請求項4乃至6のいずれか1項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  8. 前記複数の第1のパターンを形成する工程では、前記複数の第1のパターンに対応する複数の第1のマスクパターンを有する第1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィにより、前記複数の第1のパターンを形成し、
    前記複数の第2のパターンを形成する工程では、前記複数の第2のパターンに対応する複数の第2のマスクパターンを有し、前記複数の第2のマスクパターンの重心の位置が前記複数の第1のマスクパターンの重心の位置と同じである第2のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィにより、前記複数の第1のパターンを形成する工程における露光ショット倍率とは異なる露光ショット倍率で、前記複数の第2のパターンを形成する請求項4乃至6のいずれか1項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  9. 前記複数の第1のパターンを形成する工程では、前記第1のフォトマスクを用い、第1の膜厚の感光性樹脂膜を、第1の露光量で露光し、
    前記複数の第二のパターンを形成する工程では、前記第2のフォトマスクとして前記第1のフォトマスクを用い、前記第1の膜厚よりも厚い第2の膜厚の感光性樹脂膜を、前記第1の露光量よりも小さい第2の露光量で露光する請求項8記載のマイクロレンズの製造方法。
  10. 前記マイクロレンズをマスクとして前記基板をエッチバックし、前記マイクロレンズの形状を前記基板に転写する工程を更に有する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のマイクロレンズの製造方法。
  11. 基板の上に配置されたマイクロレンズであって、
    前記基板の上に配置された第1の部分と、
    前記基板の上に前記第1の部分を覆うように配置され、平面視において前記第1の部分の重心の位置とは異なる位置に重心が位置し、前記基板の法線方向に平行な軸に対して回転非対称な形状を有する第2の部分とを有するマイクロレンズ。
  12. 前記第2の部分は、前記第1の部分と前記第2の部分との界面における反射を防止するように、前記第2の部分を通過する光の光路距離が規定されている請求項11記載のマイクロレンズ。
  13. 前記第1の部分と前記第2の部分との間に、第1の反射防止膜を更に有する請求項11記載のマイクロレンズ。
  14. 前記第1の部分の屈折率と、前記第2の部分の屈折率とが異なっている請求項11乃至13のいずれか1項に記載のマイクロレンズ。
  15. 請求項11乃至14のいずれか1項に記載の複数のマイクロレンズが2次元アレイ状に配列されてなるマイクロレンズアレイであって、
    前記複数のマイクロレンズは、平面視における前記第1の部分の重心の位置と前記第2の部分の重心の位置との間の距離が互いに異なる2つ以上のマイクロレンズを含むマイクロレンズアレイ。
  16. 前記複数のマイクロレンズの前記第1の部分の重心の位置と前記第2の部分の重心の位置との間の距離が、前記マイクロレンズアレイの中心から外周に向かって連続的に変化している請求項15記載のマイクロレンズアレイ。
  17. 前記複数のマイクロレンズのうち、隣接するマイクロレンズは、互いに接触している請求項15又は16記載のマイクロレンズアレイ。
  18. 光電変換素子を含む複数の画素が2次元アレイ状に配列された撮像領域を含む基板と、
    前記基板の上に配置され、前記複数の画素の前記光電変換素子にそれぞれ集光する請求項15乃至17のいずれか1項に記載のマイクロレンズアレイとを有する固体撮像装置。
  19. 1つの画素を構成する前記光電変換素子と前記マイクロレンズとの位置関係が、前記マイクロレンズアレイの中心から外周に向かって連続的に変化している請求項18記載の固体撮像装置。
  20. 前記複数の画素の前記光電変換素子と前記マイクロレンズとの間にそれぞれ配置されたインナーレンズを更に有する請求項18又は19記載の固体撮像装置。
  21. 前記基板は、前記複数の画素と前記マイクロレンズアレイとの間に配置された層間絶縁膜を更に有し、
    前記層間絶縁膜は、前記複数の画素の前記光電変換素子と前記マイクロレンズとの間に、第1の屈折率である第1の領域と、前記第1の屈折率と異なる第2の屈折率である第2の領域とを含む請求項18又は19記載の固体撮像装置。
  22. 基板に、複数の第1のパターンを形成する工程と、
    前記複数の第1のパターンが形成された前記基板の上に、複数の第2のパターンを、前記複数の第1のパターンのそれぞれを覆うように形成する工程と、
    前記第2のパターンをリフローすることにより、前記第2のパターンを成形してマイクロレンズを形成する工程と、を有し、
    前記複数の第1のパターンは、異なる形状を有するマイクロレンズアレイの製造方法。
  23. 基板の上に配置されたマイクロレンズアレイであって、
    前記基板の上に配置された、異なる形状を有する複数の第1の部分と、
    前記基板の上に前記複数の第1の部分のそれぞれを覆うように配置された複数の第2の部分とを有するマイクロレンズアレイ。
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