JP2017212291A - 固体撮像素子および電子機器 - Google Patents
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Abstract
Description
0.05<r/P<0.24 かつ、0.36<H/P<0.5 ・・・(1)
ただし、以下に説明する各図において相互に対応する部分には同一符号を付し、重複部分においては後述での説明を適宜省略する。また、本発明の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、各部の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の固体撮像素子10は、図1に示すように、半導体基板1の上に、第1の平坦化層3a、カラーフィルタ4、第2の平坦化層3b、マイクロレンズ群5がこの順番で積層されて構成される。図1では、各画素の境界部位置には、遮光膜2が立設されている。
半導体基板1の光入射側の面は、複数の画素に区画され、各画素のそれぞれに光電変換領域1aが配置されている。光電変換領域1aには例えば光電素子が配置される。本実施形態では、図1(a)のように、各画素が矩形の場合であって、直交する2方向に沿って画素が配列する場合を例示している。画素の2次元の配列方向は、互いに直交していなくても良い。
カラーフィルタ4は、半導体基板1とマイクロレンズ群5との間に配置され、複数の上記光電変換領域1aの各々に対応させて複数色を予め設定した規則パターンで配置される。本実施形態のカラーフィルタ4は、赤色光を透過するRフィルタと、青色光を透過するBフィルタと、緑色光を透過するGフィルタとが予め設定した規則パターンで配置されて構成される。
ここで、円C1、C2と接触するマイクロレンズ群5の位置がレンズ境界部5aである。
各マイクロレンズ5Aの立体的な形状の例を図2に示す。図2(a)は本発明に基づくマイクロレンズ5Aの形状を、(b)は、レンズ境界部5aの谷を形成する部分を丸めない従来のマイクロレンズ5Aの形状の一例を表す。
画素ピッチをP、マイクロレンズ5Aの高さをHと定義する。このとき、マイクロレンズ群5の各マイクロレンズ5Aの集光性を高めるには、0.05<ri/P<0.24 (i=1,2)かつ、0.36<H/P<0.5を満たす範囲に設定するのが望ましい。
図3(a)は、ri/Pが0.24よりも大きい場合、図3(b)は、ri/Pが0.05よりも小さい場合、図3(c)は、0.05<ri/P<0.24を満たす場合の、各入射光の振る舞いを模式的に示したものである。
図3(a)では、レンズ境界部5a付近のマイクロレンズ5Aが平坦に近いため、平坦面を直進した光がカラーフィルタの境界部付近へ侵入する。カラーフィルタは、各色で異なる屈折率材料で形成されるため、カラーフィルタ境界部での屈折率差により光が回折して、一部の光は隣接画素へ散乱される。そのため、センサーの混色や感度低下を引き起こす。また、図3(b)では、レンズ境界部5a付近のマイクロレンズ5Aは傾斜しているため、マイクロレンズ5Aで光が屈折され、画素中央部に光が集められる。この場合、カラーフィルタの境界部付近へ侵入する光が少ないため、回折光による混色や感度低下は発生しにくい。しかしこの場合、マイクロレンズ5Aの頂部(中央部)の曲率半径が、図3(a)と比べて大きいため、光電変換領域1a内部に光を集める能力が劣る。一方、図3(c)では、レンズ境界部5a付近のマイクロレンズ5Aは傾斜しているため、マイクロレンズ5Aで光が屈折され、画素中央部に光が集められる。また、カラーフィルタの境界部付近へ侵入する光が少ないため、回折光による混色や感度低下は発生しにくい。さらに、図3(c)は、図3(b)と比べるとマイクロレンズ5Aの頂部(中央部)の曲率半径が小さいため、光電変換領域1aの内部に光を集める能力が図3(c)と比べて改善される。このように、レンズ境界部5aの曲率半径riを0.05<ri/P<0.24を満たす範囲に設定することで、マイクロレンズ5Aの集光性を犠牲にせず、混色や感度低下を抑えることが出来る。なお、詳細は実施例に記述する。
図4(a)はH/Pが0.5よりも大きい場合、図4(b)はH/Pが0.36よりも小さい場合、図4(c)は0.36<H/P<0.5を満たす場合の、各入射光の振る舞いを模式的に示したものである。
図4(a)の場合、レンズ頂部の曲率半径が図4(b)や図4(c)と比べて小さいため、図4(b)や図4(c)と比べるとマイクロレンズ5Aの集光性が高い。しかし、マイクロレンズ5Aの高さが上昇するに従い、マイクロレンズ5Aの焦点位置が光入射側にシフトするため、光電変換領域1aに広がった光が入射し、隣接画素への光入射による混色や感度低下が発生する。また図4(b)の場合、レンズ頂部(レンズ中央部)の曲率半径が図4(a)や図4(c)と比べて大きいため、図4(a)や図4(c)と比べるとマイクロレンズ5Aの集光性が低くなる。そのため、光電変換領域1aに集光できない光が発生し、感度低下を引き起こす。レンズ高さHを図4(c)のような範囲に設定することで、光電変換領域1aに光を効果的に集めることができる。
|Ng−Nr|>|Ng−Nb|である場合には、rgr<rgbを満たし、
|Ng−Nr|<|Ng−Nb|である場合には、rgr>rgbを満たすように、マイクロレンズ群5の各マイクロレンズ5Aを形成することが好ましい。
このように、カラーフィルタ4の屈折率差に応じて、マイクロレンズ群5のレンズ境界部5aでの曲率半径riを境界面で異なる値としても良い。カラーフィルタ4の屈折率差が大きい境界面で回折光が発生しやすくなるため、マイクロレンズ群5の谷部を形成するレンズ境界部5aでの曲率半径riは、カラーフィルタの屈折率差の大きな画素境界部で小さくするように設計するのが好ましい。
上記マイクロレンズ5Aは、例えば、画素中央部の直上に位置するレンズ中央部の形状が球面や楕円体若しくはそれに近似する曲面の一部とする。このような形状とすることで、他の形状と比べてマイクロレンズ5Aの焦点の収差を低減し、効率的に光電変換領域1aに光を集光することが出来る。あるいは、放物面形状若しくはそれに近似する曲面の一部としても良い。放物面形状の一部とする場合、球面や楕円体の一部と比べてマイクロレンズ5Aの頂部の曲率半径が小さくなるため、マイクロレンズ5Aの高さが低い場合に効率的に光を光電変換領域1aに光を集光することが出来る。
カラーフィルタ4を透過した光は、第1の平坦化層3aを透過し、光電変換領域1aに集光される。光電変換領域1aに光が照射されると、光強度に比例して電荷が発生し、発生した電荷は電子回路に転送されて信号が読み出される。
マイクロレンズ群5の作製方法の一例は、以下の通りである。
上記説明してきたマイクロレンズ群5は、光リソグラフィを利用することで作製できる。光リソグラフィを利用する方法として、熱フローを利用する方法と、グレースケールマスクを利用する方法が知られている。前者の方法では、マイクロレンズ群5に対応するパターンが形成されたフォトマスクを用いて基材上に塗布された感光性レジストを露光し、現像することで立体形状の矩形パターンを作製する。その後、熱フローによりレジストを曲面形状に変形させることで、マイクロレンズ群5を形成する。さらに、必要に応じ、レジストを基材とともにエッチングすることで、基材にマイクロレンズ群5のパターンを転写する。
後者の方法では、光透過率が段階的に変化するマスクを使用してレジストを露光、現像し、立体的なレジストパターンを得る。さらに、必要に応じ、レジストパターンを基材に転写することで、基材のマイクロレンズパターンを作製する。本発明におけるマイクロレンズ群5の各マイクロレンズ5Aは、形状が複雑であるため、後者の方法を用いるのが理想的である。
本発明の実施形態に係るマイクロレンズ群5は、レンズ間のレンズ境界部5aの断面が凹形状であり、かつ、レンズ中央部の断面が凸形状である。また、各マイクロレンズ5Aの高さをH、マイクロレンズ群5のレンズ境界部5aの曲率半径をri、画素ピッチをPとしたとき、0.05<ri/P<0.2(i=1、2) かつ、0.36<H/P<0.5とする。
この構成によれば、マイクロレンズ5Aの集光性を高めつつ、カラーフィルタ4の屈折率差による散乱を抑えることが出来る。この結果、センサーの感度を従来のマイクロレンズ5Aを使用した場合と比べて高めることが出来る。
マイクロレンズ群5の各マイクロレンズ5Aは、放物面形状をベースに、レンズ間のレンズ境界部5aの谷部分に所定の曲率半径rで凹形状の丸みが形成されるように、マイクロレンズ群の各マイクロレンズ5Aの形状を設計した。カラーフィルタ4はベイヤー配列とした。感度シミュレーションは、波長オーダーの構造の光学解析で一般的に用いられる時間領域差分法(FDTD法)を用いて実施した。
計算条件は次の通りである。
・画素ピッチ:1200nm(1.2μm)
・マイクロレンズ5Aの高さ:350nm〜600nm(50nm刻み)
・マイクロレンズ5Aの屈折率:1.6(全波長)
・カラーフィルタ4:700nm厚、RGB3色のベイヤー配列
・Rフィルタの屈折率:1.75(波長450nm)
・Gフィルタの屈折率:1.74(波長450nm)
・Bフィルタの屈折率:1.45(波長450nm)
・遮光膜2:なし
・第1の平坦化層3aの厚み:500nm
・第2の平坦化層3bの厚み:100nm
・入射波長:400nm〜700nm(10nm刻み)
・入射角:0°、15°
・偏光:TE波、TM波
・受光面:平坦化層3と光電変換領域1aとの界面に設定(受光面は画素面積の80%に設定)
(実施例1)88nm(ri/P=0.07)
(実施例2)135nm(ri/P=0.11)
(実施例3)185nm(ri/P=0.15)
(比較例1)60nm(ri/P=0.05)
(比較例2)240nm(ri/P=0.20)
(比較例3)293nm(ri/P=0.24)
(比較例4)377nm(ri/P=0.31)
ここで、R画素の感度は波長600nm〜700nmの平均値、G画素の感度は波長510nm〜570nmの平均値、B画素の感度は波長420nm〜470nmの平均値で計算を行った。シミュレーションでは、入射光量に対する光電変換領域1aへ入射した光量のTE波とTM波の平均を計算し、図2(b)に示すリファレンス(放物面形状・高さ450nm)の光量との比を計算した。
結果を表1、表2に示す。
表1は、(a)GREEN画素、(b)BLUE画素、(c)RED画素の、垂直入射における感度の値である。表2は、(a)GREEN画素、(b)BLUE画素、(c)RED画素の、斜め15°入射における感度の値である。
1a 光電変換領域
2 遮光膜
3a 第1の平坦化層
3b 第2の平坦化層
4 カラーフィルタ
5 マイクロレンズ群
5A マイクロレンズ
5a レンズ境界部
10 固体撮像素子
Claims (6)
- 複数の画素に区画され、各画素のそれぞれに光電変換領域が配置された半導体基板と、
上記光電変換領域の光入射面側に設けられ、入射光を上記光電変換領域のそれぞれに集光させる複数のマイクロレンズが配列してなるマイクロレンズ群と、
上記半導体基板と上記マイクロレンズ群との間に配置され、各画素に対応させて複数色を予め設定した規則パターンで配置したカラーフィルタと、を備え、
上記マイクロレンズ群は、隣り合うマイクロレンズ間であるレンズ境界部の断面が、上記カラーフィルタ側に凹の凹形状であり、かつ、各マイクロレンズは、レンズ中央部の断面が上記カラーフィルタから離れる方向に凸の凸形状であり、
上記マイクロレンズの高さをH、上記レンズ境界部における画素境界部上方での曲率半径をr、画素ピッチをPとしたとき、下記(1)式を満たすことを特徴とする固体撮像素子。
0.05<r/P<0.24 かつ、0.36<H/P<0.5 ・・・(1) - 上記マイクロレンズ群において、互いに交差する2つの画素配列方向に切断したときの上記レンズ境界部の曲率半径rをそれぞれr1及びr2としたとき、r1とr2が異なる値であることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
- 上記カラーフィルタは、赤色光を透過するRフィルタと、青色光を透過するBフィルタと、緑色光を透過するGフィルタとが予め設定した規則パターンで配置されて構成され、
上記Rフィルタ、Gフィルタ及びBフィルタの波長450nmの各屈折率をそれぞれ、Nr、Ng、Nbとし、上記Rフィルタと上記Gフィルタの境界部の鉛直上における上記レンズ境界部の曲率半径をrgr、上記Bフィルタと上記Gフィルタの境界部の鉛直上における上記レンズ境界部の曲率半径をrgbと定義した場合、
上記マイクロレンズ群は、
|Ng−Nr|>|Ng−Nb|である場合、rgr<rgbを満たし、
|Ng−Nr|<|Ng−Nb|である場合、rgr>rgbを満たすことを特徴とする請求項2に記載の固体撮像素子。 - 上記レンズ中央部の形状が楕円体形状の一部からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
- 上記レンズ中央部の形状が放物面形状の一部からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の固体撮像素子を備えたことを特徴とする電子機器。
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WO2021100772A1 (ja) * | 2019-11-20 | 2021-05-27 | 凸版印刷株式会社 | 固体撮像素子及びその製造方法 |
WO2021210445A1 (ja) * | 2020-04-15 | 2021-10-21 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 撮像装置 |
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- 2016-05-24 JP JP2016103468A patent/JP6801230B2/ja active Active
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