JP2006165162A - 固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シェーディングやクロストークを低減する。
【解決手段】 固体撮像素子では、光電変換を行う受光部2と、受光部2に対応するようにオンチップに配置され入射光を受光部2に集光させるマイクロレンズ12と、を有する画素が、2次元状に複数配置される。マイクロレンズ12と前受光部2との間に介在されマイクロレンズ12側に積層された平坦化層11における、隣接するマイクロレンズ12間のギャップLの付近に、受光部12に対する集光作用を有するレンズ面をなす凹部11aが形成される。
【選択図】 図2
【解決手段】 固体撮像素子では、光電変換を行う受光部2と、受光部2に対応するようにオンチップに配置され入射光を受光部2に集光させるマイクロレンズ12と、を有する画素が、2次元状に複数配置される。マイクロレンズ12と前受光部2との間に介在されマイクロレンズ12側に積層された平坦化層11における、隣接するマイクロレンズ12間のギャップLの付近に、受光部12に対する集光作用を有するレンズ面をなす凹部11aが形成される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、マイクロレンズがオンチップに配置された固体撮像素子に関するものである。
近年、ビデオカメラや電子カメラが広く一般に普及している。これらのカメラには、CCD型やCMOS型などの固体撮像素子が使用されている。このような固体撮像素子では、光電変換を行う受光部を有する画素が2次元状に複数配置され、各画素に入射する光は、受光部にて光電変換され信号電荷を生成する。生成された信号電荷、または、信号電荷に応じた電気信号は、CCDや信号線を介して外部に出力される。
このような固体撮像素子では、集光率を向上させるために、受光部に入射光を集光させるマイクロレンズがオンチップに配置されている(例えば特許文献1)。
特許文献1に開示された固体撮像素子では、受光部が形成された基板上に、層間絶縁膜等、カラーフィルタ層、平坦化層(平坦化膜)が順次積層され、平坦化層上にマイクロレンズが形成されている。マイクロレンズは、樹脂を正方形状等の矩形形状にパターニングし、これを溶融することで半球形状に形成される。この固体撮像素子では、隣接するマイクロレンズ間にはギャップが設けられている。ただし、特許文献1には開示されていないが、マイクロレンズのギャップレス化の技術(隣接するマイクロレンズ間にギャップを実質的に設けない技術)も知られている。
ここで、前記平坦化層が設けられる理由について、説明する。平坦化層を形成する直前の状態の表面は、各種半導体プロセスを経た後であるため、凹凸が生じている。凹凸のある表面上にマイクロレンズを形成すると、パターニングの際、露光時の焦点深度は、露光場所によって異なってくる。このため、マイクロレンズ毎に形状が変化してしまい均一の形状が得られない。さらに、各マイクロレンズにより高さが変わってくるおそれが生ずる。したがって、設計どおりの特性が得られないこととなる。平坦化層は、このような現象を防止するために配置され、マイクロレンズは、平坦化層上に設けられているのである。
そして、特許文献1に開示された固体撮像素子では、平坦化層には何らの凹部が形成されることなく、全面的に平坦となっている。
特開2001−160973号公報
近年、一眼デジタルカメラが注目されている。このようなカメラに搭載される固体撮像素子は、画質を良好にするため一般的な規格とは異なる大型の固体撮像素子が使用される。しかし、前述したような固体撮像素子は、大きいほどシェーディングが生じ易くなる。シェーディングは、素子周辺に入射する光が斜めから入射されることによる画質の低下である。受光部とマイクロレンズとの間隔が増大すると、シェーディングが大きくなる。
また、前述したように、固体撮像素子は、平坦化層などを有するため、受光部とマイクロレンズの間に間隔がある。近年、画素数が増大する傾向にあり、このために微細化が行なわれているが、微細化が進むと、相対的に受光部とマイクロレンズの間の間隔が増大し、このため、クロストークが大きくなる。
前記従来の固体撮像素子では、必ずしも十分にシェーディングやクロストークを低減することができなかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、シェーディングやクロストークを低減することができる固体撮像素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様による固体撮像素子は、光電変換を行う受光部と、前記受光部に対応するようにオンチップに配置され入射光を前記受光部に集光させるマイクロレンズと、を有する画素が、2次元状に複数配置された固体撮像素子であって、前記マイクロレンズと前記受光部との間に介在され前記マイクロレンズ側に積層された1つ以上の層における、隣接する前記マイクロレンズ間のギャップの付近に、前記受光部に対する集光作用を有するレンズ面をなす凹部が形成されたものである。
なお、前記第1の態様において、前記マイクロレンズを構成する材料と、前記1つ以上の層のうちの最もマイクロレンズ側の層を構成する材料とは、異なっていてもよい。
本発明の第2の態様による固体撮像素子は、前記第1の態様において、前記1つ以上の層は平坦化層を含むものである。
本発明の第3の態様による固体撮像素子は、前記第1の態様において、前記1つ以上の層はカラーフィルタ層を含むものである。
本発明の第4の態様による固体撮像素子は、前記第1の態様において、前記1つ以上の層は平坦化層及びカラーフィルタ層を含むものである。
本発明の第5の態様による固体撮像素子は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、隣接する前記マイクロレンズ間のギャップをLとするとともに、前記凹部の深さをdとするとき、d/Lが0.4以上であるものである。d/Lは、0.7以上であることがより好ましく、0.9以上であることがより一層好ましい。
本発明の第6の態様による固体撮像素子は、前記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記1つ以上の層のうちの最も前記マイクロレンズ側の層の厚さをDとするとともに、前記凹部の深さをdとするとき、d/Dは2/3以上であるものである。
本発明の第7の態様による固体撮像素子は、前記第1乃至第6のいずれかの態様において、前記凹部がなす前記レンズ面は、凹レンズ面であるものである。
本発明の第8の態様による固体撮像素子は、前記第1乃至第6のいずれかの態様において、前記マイクロレンズは凸レンズであり、前記凹部がなす前記レンズ面は、隣接する前記マイクロレンズのうちの一方のマイクロレンズの面にほぼ連なって当該マイクロレンズの面と共に実質的に一体的な凸レンズ面を形成する第1の面と、隣接する前記マイクロレンズのうちの他方のマイクロレンズの面にほぼ連なって当該マイクロレンズの面と共に実質的に一体的な凸レンズ面を形成する第2の面と、を有するものである。
本発明によれば、マイクロレンズのみならずその下側の1つ以上の層を、全体として実効的な1つのマイクロレンズとして集光作用をなすようにすることができ、これにより、マイクロレンズと受光部との間の間隔を狭めたのと同様の状態を実現することができる。したがって、本発明によれば、シェーディングやクロストークを低減させることが可能となる。
以下、本発明による固体撮像素子について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による固体撮像素子1を模式的に示す概略平面図である。図2は、図1中のA−A’部の概略断面図である。
本実施の形態による固体撮像素子1は、図1に示すように、CCD型固体撮像素子として構成され、光電変換を行うフォトダイオード等の受光部2と、受光部2で生成された信号電荷を転送する垂直CCD3及び水平CCD4と、出力アンプ5とを有する。画素6は、受光部2と垂直CCD3の一部とを有し、2次元状に複数配置されている。
なお、本発明は、例えば、CMOS型固体撮像素子に適用してもよい。この場合においては、各画素に画素アンプが配置され、CCD3,4の代わりに垂直信号線及び水平信号線が設けられる。そして、受光部にて生成された信号電荷に対応して増幅された電気信号が、各画素から出力される。
図2に示すように、受光部2は、シリコン基板等の半導体基板7に設けられている。固体撮像素子1は、受光部2に対応した開口部8aを有する遮光膜8を有している。遮光膜8は、受光部2以外へ入射しようとする光を遮光し、画素内外に設けられるトランジスタ等の領域に光が入射してこれらのトランジスタ等が誤動作することを防止する。本実施の形態では、遮光膜8は、CCD電極と兼用されており、層間絶縁膜9で覆われている。
各受光部2上には、RGBのカラーフィルタ層10R,10G,10Bのいずれかが絶縁膜9を介してオンチップに配置されている。図2においては、緑のカラーフィルタ層10G、青のカラーフィルタ層10Bが示されている。なお、本実施の形態では、カラーフィルタ層10R,10G,10Bの配列として、ベイヤー配列が採用されている。カラーフィルタ層10R,10G,10Bは、いずれも同一の幅、同一の面積を有している。カラーフィルタ層10R,10G,10Bの材料としては、例えば、顔料により着色されたフォトレジストのような感光性ポリマーを用いることができる。
カラーフィルタ層10R,10G,10B上に平坦化層(平坦化膜)11が積層され、更に平坦化層11上にマイクロレンズ12が配置されている。マイクロレンズ12は、受光部2に対応してオンチップに配置され、入射光を受光部2に集光させる。本実施の形態では、マイクロレンズ12は凸レンズとなっている。隣接するマイクロレンズ12間には、ギャップLが設けられている。ギャップLは、隣接するマイクロレンズ12間の最短距離である。
平坦化層11における、隣接するマイクロレンズ12間のギャップL付近には、受光部2に対する集光作用を有するレンズ面をなす凹部11aが形成されている。本実施の形態では、凹部11aは、図2に示すように、凹レンズ面をなすように形成されている。本実施の形態では、この凹レンズ面と、マイクロレンズ12のなす凸レンズ面とが連続して接続されているように形成されている。
マイクロレンズ12の材料としては、例えば、ポリスチレン系樹脂や、ポリイミド系樹脂を用いることができる。平坦化層11の材料としては、例えば、メタクリル樹脂とアクリルモノマーとの混合物や、感光剤(数wt%)と溶剤が主成分のものや、感光性アクリル樹脂ベースの透明コート材などを用いることができる。
なお、図2において、入射光は素子面に対して垂直の方向から入射されることを想定している。したがって、図2では、マイクロレンズ12及びカラーフィルタ層10R,10G,10Bは、受光部2の真上に配置されている。しかし、マイクロレンズ12及びカラーフィルタ層10R,10G,10Bは、例えば前記特許文献1に開示されている固体撮像素子と同様に、シェーディングを低減する目的などで、受光部2に対して図の横方向にずらして配置してもよい。このような配置においても、横方向にずれているものの、マイクロレンズ12及びカラーフィルタ層10R,10G,10Bは、受光部2に対応して配置される。
次に、本実施の形態による固体撮像素子1の製造方法の一例について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図であり、図2に対応している。
まず、シリコン基板7上に、受光部2の他、周辺回路等を形成し、配線や遮光膜8などの金属パターンを形成した後、周知の方法に従い、絶縁膜9上にカラーフィルタ層10R,10G,10Bを形成する。そして、これらのプロセスによって生じた表面の凹凸を平坦にする平坦化層11を形成する。平坦化層11の厚さD(図2参照)は、例えば、0.7μmとする。この状態を示したのが図3(a)である。
次いで、平坦化層11上に、凹部11aを形成するためのレジストパターン21を形成する(図3(b))。レジストパターン21の部分は、後にマイクロレンズ12が配置される部分である。このため、隣接するレジストパターン21間のギャップL’は、隣接するマイクロレンズ12間のギャップLと等しくする。ギャップL’,Lは、例えば、0.7μmとする。
引き続いて、レジストパターン21をマスクとして、例えばドライエッチングにより等方的にエッチングを行ない、平坦化層11に凹部11aを形成する(図3(c))。このとき、凹部11aの深さdの所望の値によっては、ギャップL’,Lの寸法との関係に従い、等方的なエッチングに代えて、異方的なエッチングを行ってもよい。このエッチングの深さ(凹部11aの深さd(図2参照))は、例えば、平坦化層11の厚さDのおよそ2/3である0.5μmとする。
その後、レジストパターン21を除去した後、マイクロレンズ層22を例えば2.5μmの膜厚で形成する(図4(a))。
次に、マイクロレンズ層22における凹部11aの部分を除去するようにマイクロレンズ層22をパターニングして、マイクロレンズ12の前駆体23を形成する(図4(b))。最後に、前駆体23をリフローして、マイクロレンズ12を形成する。これにより、本実施の形態による固体撮像素子1が完成する。
本実施の形態では、前述したように、マイクロレンズ12の下地を平坦化する目的で設けられている平坦化層11に凹部11aを形成している。これによって、マイクロレンズ12のみならずその下側の平坦化層11を、全体として実効的な1つのマイクロレンズとして集光作用をなすようにすることができる。すなわち、マイクロレンズ12、及び、その下側の平坦化層11における凹部11aで囲まれた部分(図2において、平坦化層11の上面から下側にdだけ離れた横線を引いたときに、平坦化層11における当該横線より上側の部分)とが、全体として実効的なマイクロレンズとなる。
本実施の形態によれば、マイクロレンズ12の下面の位置に比べて、前述した実効的なマイクロレンズの下面がdだけ下がることになる。これにより、マイクロレンズと受光部2との間の間隔を狭めたのと同様の状態となる。したがって、本実施の形態によれば、シェーディングやクロストークは低減される。また、凹部11aが受光部2に対する集光作用を有するレンズ面(本実施の形態では、凹レンズ面)をなすので、受光部2に対する集光率も向上する。
ここで、本実施の形態と比較される比較例による固体撮像素子31を、図5に示す。図5は、固体撮像素子31を模式的に示す概略断面図であり、図2に対応している。図5において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
この比較例による固体撮像素子31が本実施の形態による固体撮像素子1と異なる所は、平坦化層11には凹部11aが形成されることなく、全面的に平坦となっている点のみである。この比較例は前述した従来技術に相当している。
この比較例では、平坦化層11に凹部11aが形成されていないので、マイクロレンズ12のみが実効的なマイクロレンズとなる。よって、この比較例では、実効的なマイクロレンズの下面が、本実施の形態に比べてdだけ高くなってしまい、その分、本実施の形態に比べてシェーディングやクロストークが増大してしまう。また、この比較例では、平坦化層11に凹部11aが形成されていないので、本実施の形態に比べて、受光部2に対する集光率も低下してしまう。
本実施の形態では、凹部11aが形成されていれば、その深さdがどんなに浅くても、前述した効果が生ずる。しかしながら、深さdが深いほど、前述した効果が高まる。凹部11aの深さdが、最もマイクロレンズ12側の層である平坦化層11の厚さDの2/3以上であると、前述した効果が比較的高まるので、d/Dは2/3以上であることが好ましい。
ところで、以下に説明するシミュレーションの結果から、集光率を比較的顕著に高めるためには、凹部11aの深さdと隣接するマイクロレンズ12間のギャップLとの比率であるd/Lが、0.4以上であることが好ましいことが、判明した。
本実施の形態による固体撮像素子1について、マイクロレンズ12の膜厚C(マイクロレンズ12の下面から頂点までの距離。図2参照)を一定(例えば、C=2〜3μmの間の一定値)として、d/Lの比率を変化させてその各値に対して得られる集光率を、シミュレーションにより計算した。そのシミュレーション結果として、図6に示すグラフを得た。図6は、d/Lの比率に対する集光力の依存性を示すグラフである。
本シミュレーションではAPS−Cサイズの大型撮像素子を想定しており、撮像面中心部と撮像面周辺部について、各F値の光学系条件下での集光率を計算した。また、計算により得られた集光率は、d/L=0の場合におけるF値2.8の光学系条件下における撮像面中心部での集光率を1として正規化した。ここでは、この正規化した集光率を、集光力と呼ぶ。
本シミュレーションでは、d/L=0の場合は、図2において、ギャップLを所定値として、凹部11aを形成しない(すなわち、d=0である)ものとして、集光率を計算した。また、d/L≠0の場合は、計算を簡略化するため、本実施の形態による固体撮像素子1を、図7に示すような、マイクロレンズ112をリフローによりギャップレス化した固体撮像素子101であると近似し、これを用いて集光率を計算した。このとき、マイクロレンズ112,12の屈折率は互いに同一であるとともに、平坦化層111,11の屈折率は互いに同一であるとしたが、マイクロレンズ112の膜厚C’は、C’=d+Cとし、平坦化層111の膜厚D’は、D’=D−dとした。d/Lの変化に従ってdを変化させるとき、これに応じてC’,D’を変化させた。マイクロレンズ112は、図2中のマイクロレンズ12及び平坦化層11の上側部分を近似したものに相当している。平坦化層111は、平坦化層11の下側部分に相当している。
また、図6に示すシミュレーション結果を評価するための評価基準を得るために、図7に示すような、マイクロレンズ112をリフローによりギャップレス化した固体撮像素子101について、マイクロレンズ112の膜厚C’を一定として、平坦化層111の膜厚D’を変化させてその各値に対して得られる集光率を、シミュレーションにより計算した。そのシミュレーション結果として、図8に示すグラフを得た。図8は、平坦化層111の膜厚に対する集光力の依存性を示すグラフである。なお、膜厚D’以外の条件については、この評価基準を得るためのシミュレーションにおいても、図6に示すシミュレーション結果を得た素子構造と同一条件である。
また、図8は、図6と同一のマイクロレンズ膜厚で、リフローによりギャップレス化した場合の、平坦化層の膜厚に対する集光力の依存性を示している。図8からわかることは、マイクロレンズ膜厚一定で、ギャップレス化する場合には、マイクロレンズの曲率半径が大きくなり、マイクロレンズの集光力が弱まるために、焦点距離が遠くなることである。そのために、受光部へ焦点を合わせて集光力を向上するためには平坦化層を厚くする等、マイクロレンズと受光部との間の距離を長くすることが必要となる。図6に示す結果から、平坦化層の膜厚やマイクロレンズ膜厚等を含めた素子構造が同一で、マイクロレンズのギャップがLの構造をとる場合に、平坦化層の膜厚に深さdの凸形状を形成することにより、図8の最大集光力と同等の集光力を得られることが示される。
図8に示すグラフから、各F値での最大集光力は、下記の表1に示す通りである。
図6に示すグラフから、表1に示す最大集光力を上回るd/Lの条件は、下記の表2の通りである。
表2から、d/L≧0.4で、凹部11aによる集光力の上昇効果が、F値2.8・撮像周辺部において比較的顕著に現れることがわかる。また、d/L≧0.7で、凹部11aによる集光力の上昇効果が、F値2.8・撮像周辺部、及び、F値8・撮像中心部において比較的顕著に現れることがわかる。さらに、d/L≧0.8で、凹部11aによる集光力の上昇効果が、F値2.8・撮像周辺部、F値8・撮像中心部、及び、F値8・撮像周辺部において比較的顕著に現れることがわかる。さらにまた、d/L≧0.9で、凹部11aによる集光力の上昇効果が、F値2.8・撮像周辺部、F値8・撮像中心部、F値8・撮像周辺部、及び、F値2.8・撮像中心部の全てにおいて比較的顕著に現れることがわかる。
このことから、集光率を比較的顕著に高めるためには、d/Lは、0.4以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが一層好ましく、0.9以上であることがより一層好ましいことが、判明した。
[第2の実施形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態による固体撮像素子41を模式的に示す概略断面図であり、図2に対応している。図9において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施形態による固体撮像素子41が第1の実施形態の固体撮像素子1と異なる点は、凹部11aが凹レンズをなすように形成される代わりに、凹部11aが、隣接するマイクロレンズ12のうちの一方のマイクロレンズ12の面にほぼ連なって当該マイクロレンズ12の面と共に実質的に一体的な凸レンズ面を形成する第1の面11bと、隣接するマイクロレンズ12のうちの他方のマイクロレンズ12の面にほぼ連なって当該マイクロレンズ12の面と共に実質的に一体的な凸レンズ面を形成する第2の面11cと、を有するレンズ面をなすように形成されている点のみである。
本実施の形態によっても、前記第1の実施形態と同様に、受光部2とマイクロレンズとの間隔を狭めたのと同様の状態となる。このため、本実施の形態によれば、シェーディングやクロストークは低減される。また、本実施の形態においても、凹部11aが受光部2に対する集光作用を有するレンズ面(本実施の形態では、第1及び第2の面11b,11c)をなすので、受光部2に対する集光率も向上する。
本実施の形態による固体撮像素子41も、第1の実施の形態による固体撮像素子1と同様に、図7に示すような、マイクロレンズ112をリフローによりギャップレス化した固体撮像素子101であると近似することができる。よって、前記第1の実施の形態の説明におけるシミュレーションに関連する説明は、同様に本実施の形態に対しても成立する。したがって、本実施の形態においても、集光率を比較的顕著に高めるためには、d/Lは、0.4以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、0.8以上であることが一層好ましく、0.9以上であることがより一層好ましい。
次に、本実施の形態による固体撮像素子41の製造方法の一例について、図10乃至図12を参照して説明する。図10乃至図12は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図であり、図9に対応している。
まず、シリコン基板7上に、受光部2の他、周辺回路等を形成し、配線や遮光膜8などの金属パターンを形成した後、周知の方法に従い、絶縁膜9上にカラーフィルタ層10R,10G,10Bを形成する。そして、これらのプロセスによって生じた表面の凹凸を平坦にする平坦化層11を形成する。平坦化層11の厚さD(図9参照)は、例えば、0.7μmとする。この状態を示したのが図10(a)である。
次いで、平坦化層11上に、レジストパターン51を形成する(図10(b))。そして、レジストパターン51をリフロー処理する。これにより、レジストパターン51は、角部が丸くなり、断面が円弧状になる。また、このとき、レジスト51の間隔は無いか、極めて狭いように処理する。この状態を示したのが図11(a)である。
引き続いて、平坦化層11をドライエッチングして、断面V字状の凹部11aを形成する。リフロー処理したレジスト51にてエッチングを行なうと、レジスト51の形状が転写されるようにエッチングされる。いわゆる、エッチバックと言われる処理法である。ここでは、エッチングの深さ(凹部11aの深さ(図9)参照)は、例えば、平坦化層11の厚さDの2/3程度で止めている。この状態を示したのが図11(b)である。
その後、レジストパターン51を除去する(図11(c))。次に、マイクロレンズ層52を例えば2.5μmの膜厚で形成し(図12(a))、マイクロレンズ層52における凹部11aの部分を除去するようにマイクロレンズ層52をパターニングして、マイクロレンズ12の前駆体53を形成する(図12(b))。最後に、前駆体53をリフローして、マイクロレンズ12を形成する。これにより、本実施の形態による固体撮像素子41が完成する。
このような製造方法を採用すれば、マイクロレンズ層52から形成されたマイクロレンズ12は、ドライエッチングを用いずに加工することが可能となる。したがって、マイクロレンズ12には、ドライエッチングによる表面の荒れなどが生ずることは無い。
なお、レジスト51のリフロー工程を省略し、マイクロレンズ層52をパターニング、リフロー処理、エッチバックすることによっても同様な構造が形成される。このようにすれば、レジスト51のリフロー工程が無くなることにより、全体の工程が短くなる。しかし、マイクロレンズ12がドライエッチングにより形成されるので、マイクロレンズ12の表面が荒れてしまう。
[第3の実施形態]
図13は、本発明の第3の実施形態による固体撮像素子61を模式的に示す概略断面図であり、図2に対応している。図13において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の固体撮像素子61が前記第1の実施の形態と異なる点は、凹レンズ面をなす凹部11aが、カラーフィルタ層10R,10G,10Bにまで及んでいる点のみである。このようにすれば、凹部11aを前記第1の実施の形態の場合に比べて深くすることができるので、実効的なマイクロレンズの下面をより下げることができ、マイクロレンズと受光部2との間の間隔をより狭めたたのと同様の状態となる。
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態に比べて、シェーディングやクロストークをより低減させることができる。
[第4の実施形態]
図14は、本発明の第4の実施形態による固体撮像素子71を模式的に示す概略断面図であり、図9に対応している。図14において、図9中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の固体撮像素子71が前記第1の実施の形態と異なる点は、前記第3の実施の形態と同様に、断面V字状の凹部11aが、カラーフィルタ層10R,10G,10Bにまで及んでいる点のみである。本実施の形態によっても、前記第3の実施の形態と同様の利点が得られる。
[第5の実施形態]
図15は、本発明の第5の実施形態による固体撮像素子81を模式的に示す概略断面図であり、図2に対応している。図13において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施形態の固体撮像素子81が前記第1の実施の形態と異なる点は、平坦化層11が取り除かれ、凹レンズ面をなす凹部11aが、カラーフィルタ層10R,10G,10Bに形成されている点のみである。この場合、例えば、マイクロレンズ12をカラーフィルタ層10R,10G,10B上に形成する前に、必要に応じて、CMP装置等により、カラーフィルタ層10R,10G,10Bを平坦化すればよい。
本実施の形態によっても、前記第3及び第4の実施の形態と同様の利点が得られる。
なお、本実施の形態は前記第1の実施の形態の変形例であるが、その変形と同様の変形を前記第2の実施の形態に適用してもよい。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、前記特許文献1の図4には、平坦化層及びカラーフィルタ層が設けられず、層間絶縁膜上に直接にマイクロレンズが配置されている固体撮像素子が、開示されている。本発明は、このような固体撮像素子にも適用することができる。この場合、前記層間絶縁層におけるマイクロレンズ間のギャップの付近に、受光部に対するレンズ面をなす凹部を形成すればよい。
っs 1,41,61,71,81 固体撮像素子
2 受光部
6 画素
10R,10G,10B カラーフィルタ層
11 平坦化層
11a 凹部
11b 第1の面
11c 第2の面
12 マイクロレンズ
2 受光部
6 画素
10R,10G,10B カラーフィルタ層
11 平坦化層
11a 凹部
11b 第1の面
11c 第2の面
12 マイクロレンズ
Claims (8)
- 光電変換を行う受光部と、前記受光部に対応するようにオンチップに配置され入射光を前記受光部に集光させるマイクロレンズと、を有する画素が、2次元状に複数配置された固体撮像素子であって、
前記マイクロレンズと前記受光部との間に介在され前記マイクロレンズ側に積層された1つ以上の層における、隣接する前記マイクロレンズ間のギャップの付近に、前記受光部に対する集光作用を有するレンズ面をなす凹部が形成されたことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記1つ以上の層は平坦化層を含むことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記1つ以上の層はカラーフィルタ層を含むことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 前記1つ以上の層は平坦化層及びカラーフィルタ層を含むことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
- 隣接する前記マイクロレンズ間のギャップをLとするとともに、前記凹部の深さをdとするとき、d/Lが0.4以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の固体撮像素子。
- 前記1つ以上の層のうちの最も前記マイクロレンズ側の層の厚さをDとするとともに、前記凹部の深さをdとするとき、d/Dは2/3以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の固体撮像素子。
- 前記凹部がなす前記レンズ面は、凹レンズ面であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の固体撮像素子。
- 前記マイクロレンズは凸レンズであり、
前記凹部がなす前記レンズ面は、隣接する前記マイクロレンズのうちの一方のマイクロレンズの面にほぼ連なって当該マイクロレンズの面と共に実質的に一体的な凸レンズ面を形成する第1の面と、隣接する前記マイクロレンズのうちの他方のマイクロレンズの面にほぼ連なって当該マイクロレンズの面と共に実質的に一体的な凸レンズ面を形成する第2の面と、を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の固体撮像素子。
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JP2004352598A JP2006165162A (ja) | 2004-12-06 | 2004-12-06 | 固体撮像素子 |
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- 2004-12-06 JP JP2004352598A patent/JP2006165162A/ja active Pending
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