以下、添付図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下の説明では、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が平坦面に設置された状態(図1に示す状態)を基準として上下方向6を定義する。また、図1の紙面に対して左側を画像形成装置10の正面側(前面側)として前後方向7を定義する。また、図1の画像形成装置10を正面から見て左右方向8(図1の紙面に垂直な方向)を定義する。したがって、図1の紙面に対して手前が画像形成装置10の右側であり奥が左側である。
[画像形成装置10]
画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えた装置である。図1に示すように、画像形成装置10は、所謂タンデムタイプのカラープリンターである。画像形成装置10は、トナーを含む現像剤を用いて、シート状の印刷用紙(記録媒体)に画像を印刷する。なお、画像形成装置10は、印刷機能を備えたものであればよく、例えば、前記印刷機能を含む複数の機能を備えた複合機や、FAX装置、複写機などの画像形成装置であってもよい。もちろん、カラー画像を形成するものでなく、単一色の画像を形成するものであってもよい。
図1に示すように、画像形成装置10は、主として、4つの画像形成部21と、中間転写ユニット22と、給紙装置25と、定着装置26と、二次転写装置27と、露光装置24と、4つのトナーコンテナ50(50A〜50D)と、を備える。これらの構成要素は、画像形成装置10の装置本体28に取り付けられている。装置本体28は、画像形成装置10の外部フレーム(不図示)や内部フレーム(不図示)などを構成する筐体である。なお、トナーコンテナ50は、画像形成装置10におけるトナー容器の一例である。
4つの画像形成部21は、装置本体28の内部において、中間転写ユニット22の下方に配置されている。各画像形成部21は、前後方向7に沿って並設されている。各画像形成部21は、所謂電子写真方式に基づいて印刷用紙に画像を形成する画像形成処理を実行する。具体的に、各画像形成部21は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づいて、印刷用紙に画像を印刷する。画像形成部21は、感光体ドラム11、帯電装置(不図示)、現像装置12、一次転写装置13等を備えている。画像形成部21は、感光体ドラム11にトナー像を形成し、中間転写ユニット22が備える転写ベルト23にトナー像を順次重ね合わせて転写する。転写ベルト23は、矢印19の方向へ移動(走行)しており、その移動中の転写ベルト23にトナー像が順次転写される。図1に示す例では、装置本体28の内部において転写ベルト23の移動方向(矢印19方向)の下流側から順に、ブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色に対応する画像形成部21が一列に配置されている。
中間転写ユニット22は、画像形成部21の上方に配置されている。中間転写ユニット22の前後方向7の両端に駆動プーリー31及び従動プーリー32が設けられている。転写ベルト23は、駆動プーリー31及び従動プーリー32それぞれに掛け渡すように支持されている。これにより、ベルト面が水平な状態で前後方向7に延在している。また、転写ベルト23が駆動プーリー31及び従動プーリー32に支持されることにより、転写ベルト23は、その表面が各感光体ドラム11の表面に接しながら矢印19の方向へ移動可能となる。転写ベルト23は、例えばゴムやウレタン等の素材からなる無端環状のベルトである。
二次転写装置27は、転写ベルト23に転写された複数色からなるトナー像を印刷用紙に転写する。トナー像が転写された印刷用紙は、定着装置26に搬送される。定着装置26は、印刷用紙に転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙に定着させる。定着装置26は、加熱ローラー26Aと、加圧ローラー26Bとを有する。加熱ローラー26Aは、高温に加熱される。加圧ローラー26Bは、加熱ローラー26Aに対向配置されている。定着装置26に搬送された印刷用紙は、加熱ローラー26Aと加圧ローラー26Bとの間のニップ部で所定の付勢力によって挟持されつつ搬送される。これにより、トナー像が印刷用紙に溶着される。その後、印刷用紙は、装置本体28の上部に設けられた排紙トレイ29に排出される。
なお、画像形成装置10は、転写ベルト23を搬送ベルトとして用い、その搬送ベルト上に搬送される印刷用紙にトナー像が直接に重ね合わせて転写される構成であってもよい。また、画像形成装置10は、転写ベルト23に代えてローラー状の中間転写部材を用いる構成であってもよい。
4つのトナーコンテナ50(50A〜50D)は、中間転写ユニット22の上方に配置されている。4つのトナーコンテナ50は、装置本体28の内部において、転写ベルト23に沿って前後方向7に沿って一列に並んで設けられている。トナーコンテナ50は、対応する色の現像装置12にトナーを供給するように構成されている。
図2(A)、(B)に示すように、装置本体28の内部には、トナーコンテナ50を装着するための装着部40が設けられている。具体的には、装着部40は、中間転写ユニット22の上部に設けられている。装置本体28の上部のトップカバー33が装置本体28の支軸33A(図1参照)を中心に開閉可能に支持されている。トップカバー33が上方(開方向)へ回動されると、装着部40が露出される。装着部40は、トナーコンテナ50が装着される部分である。装着部40は、中間転写ユニット22の上部に一体に形成されている。各トナーコンテナ50は、装着部40に形成された4つの収容スペース41に収容された状態で装着部40に装着される。なお、装着部40は中間転写ユニット22の上部に一体に形成されたものに限られず、中間転写ユニット22とは別部材として装置本体28に取り付けられたものであってもよい。
各トナーコンテナ50には、画像形成部21の各色に対応する色のトナーが収容されている。具体的には、各トナーコンテナ50(50A〜50D)それぞれには、ブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のトナーが個別に収容されている。図1及び図2に示すように、4つのトナーコンテナ50のうち、最も後方に位置するトナーコンテナ50Aは他のトナーコンテナ50B〜50Dよりも大容量タイプのものである。トナーコンテナ50Aにブラック色のトナーが収容されている。また、トナーコンテナ50B〜50Dはいずれも同じ形状であり同じ容量である。トナーコンテナ50Bにシアン色のトナーが収容されており、トナーコンテナ50Cにマゼンタ色のトナーが収容されており、トナーコンテナ50Dにイエロー色のトナーが収容されている。
[トナーコンテナ50の構成]
以下、トナーコンテナ50の構成について説明する。ここで、大容量タイプのトナーコンテナ50Aと他のトナーコンテナ50B〜50Dとは、トナー収容部のサイズが異なる以外は同じ構成である。また、トナーコンテナ50B〜50Dは配置位置が異なる以外は同じ構成である。そのため、以下の説明では、トナーコンテナ50A〜50Dをトナーコンテナ50として説明する。
トナーコンテナ50は、現像装置12にトナーを供給する機能を有する。トナーコンテナ50は、現像装置12に供給されるトナーを内部に収容している。トナーコンテナ50は、装着部40(図2参照)に対して着脱可能に支持される。トナーコンテナ50は、装置本体28の上側の開口から挿入されて、装着部40の各収容スペース41に収容される。
図3乃至図8に示すように、トナーコンテナ50は、容器本体としての筐体51と、トナー排出口52(図7参照)と、開閉機構53(図7参照)と、操作部54と、カバー部としてのカバー72と、を備えている。筐体51は、画像形成装置10の装着部40に装着される。トナーは筐体51の内部に区画形成された収容室68(図16及び図17参照)に収容されている。つまり、筐体51の内部空間がトナーの収容室68である。図7に示すように、トナー排出口52は筐体51に形成されている。トナー排出口52は、筐体51の底面の右端部に形成されている。また、図8に示すように、操作部54は、ユーザーによって操作可能なように筐体51に設けられている。
図2及び図3に示すように、装置本体28は、筐体51が装着される支持プレート42,43を有している。支持プレート42,43は、板状に形成されており、前後方向7へ延出している。支持プレート42,43は、装着部40において互いに対向する位置に配置されている。図2に示すように、支持プレート42は装着部40の左端部に立設されている。図3に示すように、支持プレート43は装着部40の右端部に立設されている。支持プレート42,43は、4つのトナーコンテナ50の両端を支持する。
図3及び4に示すように、支持プレート43の一方側(左側)の左側面43Aには、斜め上方に延びる溝状のコンテナガイド45が複数形成されている。コンテナガイド45は、支持プレート43の左側面43Aが厚み方向に凹まされて溝状に形成されている。また、コンテナガイド45は、支持プレート43の上端側が末広がり状に形成されている。筐体51の右端部は、コンテナガイド45により支持プレート43の上端から斜め下方に案内されることによって支持プレート43に装着される。
筐体51は、トナーが収容される収容部である。筐体51は、樹脂材料からなり、図5に示すように、左右方向8に長い箱形状に形成されている。つまり、筐体51の長手方向が、図1に示す画像形成装置10の左右方向8に一致する。
図5に示すように、筐体51は、コンテナ本体55と、蓋部56とを有する。コンテナ本体55は、上部が開放された有底の箱形状に形成されている。蓋部56は、コンテナ本体55の上部の開放部分を閉塞している。コンテナ本体55の外周壁によって収容室68が区画形成されている。コンテナ本体55の内部の収容室68には、トナーを攪拌する攪拌パドル(不図示)と、搬送部材としてのスクリュー部58(図16参照)とが設けられている。スクリュー部58は、トナー排出口52へトナーを搬送する役割を担う。
図5に示すように、筐体51には、把持部57が設けられている。把持部57は、トナーコンテナ50が装着部40から取り出されるときや、装着部40にトナーコンテナ50を装着するときに、ユーザーによって把持される部分である。ユーザーは、把持部57を掴んでトナーコンテナ50を取り扱う。把持部57は、蓋部56の短手方向の一方の側面が凹まされることによって形成されている。本実施形態では、把持部57は矩形状に凹まされた凹陥部となっている。把持部57は、図5に示すように、蓋部56において蓋部56の長手方向の一方側に寄せて配置されている。具体的には、把持部57は、トナーコンテナ50が有するトナー排出口52側に設けられている。したがって、ユーザーが把持部57を片手で掴んでトナーコンテナ50を持ち上げると、トナーコンテナ50は、トナー排出口52側の端部が上側となり、そして、その反対側の端部(後述のメモリーホルダー90が設けられている側の端部)が下側となるような姿勢となる。
図6に示すように、把持部57の上端縁には、筐体51の短手方向へ突出する突出リブ57Aが設けられている。突出リブ57Aは、蓋部56の上面に概ね平行な方向へ突出している。図5に示すように、突出リブ57Aは、筐体51の長手方向に延在している。突出リブ57Aは、把持部57の上縁部のうち、筐体51の長手方向に沿う端辺に形成されている。突出リブ57Aは、ユーザーによって把持部57が把持される際にユーザーの指が掛けられる部分である。突出リブ57Aの突出量は、ユーザーがトナーコンテナ50を持つために把持部57を掴んだときに、ユーザーの手の指が引っ掛かる程度に設定されている。突出リブ57Aが設けられているため、指の引っ掛かり性が良くなり、把持部57が長手方向の一方側に寄せた位置に設けられていても、トナーコンテナ50を確実に把持して持ち上げたりすることができる。
なお、本実施形態では、トナーコンテナ50が装着部40に装着された状態で、正面側に向けられる側面に把持部57が設けられている。このため、ユーザーは、画像形成装置10の正面側からトップカバー33を開けてトナーコンテナ50を取り扱うにあたり、親指を把持部57の突出リブ57Aに引っ掛けるようにして把持部57を掴むことになる。
なお、把持部57の形状は、矩形状に限られず、正方形状や半円弧形状など、様々な形状とすることができる。
図8に示すように、コンテナ本体55の右側端部(他方端部)にカバー72が設けられている。言い換えると、カバー72は、コンテナ本体55の右側端部を構成している。カバー72は、コンテナ本体55の右側の側壁55Bを覆うように設けられている。側壁55Bには、筐体51の内部へトナーを充填するためのトナー充填口59が設けられている。トナー充填口59は栓部材60によって閉塞されている。
図7及び図8に示すように、トナー排出口52は、トナーコンテナ50に形成されている。トナー排出口52は、コンテナ本体55の底部の右端側に形成されている。具体的には、コンテナ本体55の右端部の側壁55Bには、筒状部55Aが形成されている。筒状部55Aは、側壁55Bの下部に設けられている。筒状部55Aは、側壁55Bから外側(右方)へ突出して延びる略円筒状に形成されている。筒状部55Aの内部空間は、筐体51の内部空間、つまり、トナーが収容される部分に連通している。筒状部55Aは、コンテナ本体55と一体に形成されている。トナー排出口52は、筒状部55Aの周面に設けられており、具体的には、筒状部55Aの周面の下側部分に設けられている。トナー排出口52は、筒状部55Aの周面を構成する周壁を下方に貫通するように形成されている。
開閉機構53は、トナー排出口52を開閉するものである。図17及び図18に示すように、開閉機構53は、開閉部材としてのシリンダ61と、開口部62と、シール部材63と、第2連結部79と、を有している。シリンダ61は、筒状部55Aの内部空間に設けられている。シリンダ61は、筒状部55Aと同心の円筒形状に形成されており、コンテナ本体55の右端部に設けられた筒状部55Aの内部に挿通されている。シリンダ61は、筒状部55Aの内周面に沿って摺接するように筒状部55Aの筒中心線の周りを回転可能に設けられている。このシリンダ61に第2連結部79を介して駆動力が入力されると、シリンダ61が回転して、トナー排出口52を開閉する。
図17に示すように、シリンダ61の右端部は閉塞されており、蓋状に形成されている。シリンダ61の右端部は、筒状部55Aの右側の開口を閉塞する蓋の役割を担っている。また、シリンダ61の右端部には、第2連結部79が一体に設けられている。開口部62は、シリンダ61の外周面に形成されている。開口部62は、トナー排出口52と重なる位置に形成されている。また、シール部材63は、筒状部55Aの内壁面におけるトナー排出口52の周りに設けられている。シール部材63は、トナーの飛散を防止するためのものである。
シリンダ61は、筒状部55Aに対して回転自在に装着されている。第2連結部79に回転力が入力されると、シリンダ61は回転される。シリンダ61が回転してシリンダ61の開口部62がトナー排出口52に重なることによって、図17に示すようにトナー排出口52が開放される。以下、トナー排出口52が開放されるシリンダ61の位置(図17に示す位置)を開位置と称する。シリンダ61が前記開位置まで回転した場合に、筐体51内のトナーがトナー排出口52から外部へ排出可能となる。一方、開口部62が形成されていないシリンダ61の周壁部分がトナー排出口52に重なる位置までシリンダ61が回転されると、トナー排出口52はシリンダ61の周壁によって閉塞される。以下、トナー排出口52が閉塞されるシリンダ61の位置を閉位置と称する。シリンダ61が前記閉位置まで回転した場合に、トナー排出口52は閉塞される。
シリンダ61の右端部における内側には、軸受64が形成されている。この軸受64によってスクリュー部58の一方端がシリンダ61内で回転自在に支持される。
スクリュー部58は、回転されることにより筐体51内のトナーを筒状部55Aの内部へ搬送し、更にトナー排出口52へ向けて搬送するものである。図16及び図17に示すように、スクリュー部58は、コンテナ本体55の収容室68の底面に配置されている。このため、コンテナ本体55の底部の形状は、スクリュー部58の羽根65の回転軌跡に対応して円弧形状に形成されている。
スクリュー部58は、コンテナ本体55の長手方向に沿って長尺に構成されており、筐体51の収容室68から筒状部55Aの内部区間に至る領域に設けられている。スクリュー部58の回転軸58Aの一方端は筒状部55Aの軸受64に回転可能に支持されており、他方端は、コンテナ本体55の長手方向の他方側の側壁55Cに回転可能に支持されている。これにより、スクリュー部58は、筐体51内において回転可能に支持される。スクリュー部58の回転軸58Aの他方側の端部は、側壁55Cを貫通して、軸継ぎ手69に連結している。軸継ぎ手69は、トナーコンテナ50が装着部40に装着された状態で、装置本体28側から回転駆動力が入力される部分である。前記回転駆動力が軸継ぎ手69を経て回転軸58Aに供給されると、スクリュー部58が回転する。
スクリュー部58は、回転軸58Aの軸方向に複数の羽根65を有する。羽根65は、回転軸58Aの軸方向に連続して設けられた螺旋形状のものであってもよく、また、軸方向に独立して設けられた個別のものであってもよい。本実施形態では、スクリュー部58は、3つのタイプの羽根65(65A,65B,65C)を有する。つまり、スクリュー部58は、互いに形の異なる第1羽根65Aと、第2羽根65Bと、第3羽根65Cとを有する。
図17に示すように、第1羽根65Aは、他の羽根65B,65Cよりも羽根サイズが大きく形成されている。スクリュー部58の羽根65のサイズは、収容室68内のトナーの搬送量を決定する要素である。したがって、第1羽根65Aが他の羽根65B,65Cよりも大きく形成されているため、第1羽根65Aによって搬送されるトナーの搬送量は他の羽根65B,65Cに比べて多い。第1羽根65Aは、筐体51の収容室68に配置されており、詳細には、収容室68において、筒状部55A側に最も近い位置に配置されている。ここで、後述するように、筒状部55Aに収容されたシリンダ61は、収容室68と筒状部55Aの内部空間との境界から収容室68側に部分的に突出した突出部61Aを有している。そのため、第1羽根65Aは、収容室68において、シリンダ61の突出部61Aに最も近い位置に配置されている。なお、シリンダ61が筒状部55Aから突出した形状ではない場合、第1羽根65Aは、収容室68と筒状部55Aの内部空間との境界に最も近い位置に配置される。本実施形態では、第1羽根65Aは、回転軸58Aの軸周りに対して1周分の螺旋部分である。
ここで、上述したように、スクリュー部58は、コンテナ本体55の底部に配置されている。したがって、第1羽根65Aのサイズを他の羽根65B,65Cよりも大きくすると、第1羽根65Aの先端が収容室68の底面に接触することになる。一方、第1羽根65Aの先端を収容室68の底面に接触しないようにすると、第3羽根65Cが収容室68の底面から浮いた状態となり、収容室68の底面との間に搬送することの出来ないトナーが溜まることになる。そのため、本実施形態では、収容室68の底面において、第1羽根65Aに対応する領域に、第1羽根65Aが配置可能なように、回転軸58Aから下方の空間を拡大する段差部120が形成されている。これにより、収容室68の底面に第1羽根65Aが接触することなく、収容室68のトナーを残すことなく、トナー排出口52へ搬送することができる。
図17に示すように、段差部120は、筒状部55Aの外周壁に連続するように設けられている。このため、筒状部55Aの内部において、シリンダ61の収容空間が拡大されて、制限されながらもシリンダ61内における第2羽根65Bを可能な限りに大きくすることができる。
第3羽根65Cは、収容室68において、第1羽根65Aよりも筒状部55Aとは反対側に配置されている。第3羽根65Cは、第1羽根65Aよりも小さいサイズに形成されており、第1羽根65Aから前記反対側の端部まで連続して形成された螺旋部分である。第1羽根65A及び第3羽根65Cは、ともに、回転軸58Aに対して同じ傾斜角で傾倒している。
第2羽根65Bは、シリンダ61の内部空間に配置されている。第2羽根65Bは、他の羽根65A,65Cよりも羽根サイズが小さく形成されている。これは、シリンダ61の内部空間が外周壁によって制限されているためである。なお、シリンダ61の内径を大きくして内部空間を径方向に大きくすれば、第2羽根65Bのサイズを大きくできるが、そうすると、開閉部材としてのシリンダ61の動作時に負荷が大きくなり、却ってトナー排出口52の開閉に不具合を来す虞がある。そのため、本実施形態では、筒状部55A及びシリンダ61の内径を比較的小さくして開閉動作を円滑にするようにしている。一方で、シリンダ61内に運ばれたトナーは、小さいサイズの第2羽根65Bによって搬送されることになる。上述したように、羽根65のサイズは、収容室68内のトナーの搬送量を決定する要素である。そのため、サイズの小さい第2羽根65Bでは、第1羽根65Aによって運ばれたトナーをトナー排出口52まで円滑且つ十分に運べない虞がある。このため、第2羽根65Bは、第1羽根65Aや第3羽根65Cの傾斜角(回転軸58Aに対する傾斜角)よりも大きい傾斜角となるように、回転軸58Aに設けられている。更に、第2羽根65Bのサイズは、第2羽根65Bの先端とシリンダ61の内壁との隙間が微小となるように設定されている。ここで、回転軸58Aに対する羽根65の傾斜角は、シリンダ61の内部空間のように回転軸58Aの径方向へトナーが逃げることが出来ない状況においては、トナーを軸方向へ搬送する搬送速度に影響を与える。つまり、シリンダ61内においては、傾斜角が大きいほど、つまり、回転軸58Aに対して寝ているほど、トナーの搬送速度が大きくなる。
このように、スクリュー部58に第1羽根65A、第2羽根65B、及び第3羽根65Cが設けられている。そのため、収容室68からより多くのトナーを安定して確実に筒状部55Aに搬送するとともに、筒状部55Aやシリンダ61の内部においても、トナーを円滑にトナー排出口52まで搬送することが可能となる。
図17乃至図19に示すように、シリンダ61は突出部61Aを有する。突出部61Aは、収容室68と筒状部55Aの内部空間との境界から収容室68側に部分的に突出した部分である。突出部61Aは、シリンダ61を筒状部55Aに固定する役割を有する。
具体的には、筒状部55Aの収容室68側の開口に環状の当接リブ121(図17参照)が設けられている。当接リブ121は、収容室68と筒状部55Aの内部空間との境界付近に設けられており、筒状部55Aの内面から筒状部55Aの筒中心へ向けて突出している。当接リブ121の先端は、シリンダ61の周面や突出部61Aの周面に当接される。図19に示すように、当接リブ121に係合可能な2つのスナップフィット123が突出部61Aの外周面に形成されている。スナップフィット123の周辺には、切り欠き部としての切り欠き125が形成されている。切り欠き125は、スナップフィット123に弾性を持たせるために形成されている。この切り欠き125は、突出部61Aの周面にスナップフィット123が形成されるときに形成される切り欠き溝である。スナップフィット123において、当接リブ121と係合する係合突部123Aは、筒状部55A側に設けられており、スナップフィット123の他方側は突出部61Aに接合している。これにより、係合突部123Aが自由端として揺動可能となる。このようにスナップフィット123が設けられているため、筒状部55Aにシリンダ61が挿入されて、突出部61Aが当接リブ121を通過する際に、スナップフィット123が内側に撓まされつつ変形する。そして、係合突部123Aが当接リブ121を通過すると、スナップフィット123が弾性によって元の形状に戻り、係合突部123Aと当接リブ121とが係合する。これにより、シリンダ61が筒状部55Aに収容された状態で固定される。その結果、シリンダ61が筒状部55Aから容易に抜け外れることが防止される。
図19に示すように、切り欠き125は、2つのスナップフィット123に対応して、突出部61Aの周面に2つ形成されている。各切り欠き125は、突出部61Aの外周面において、互いに対向する位置に形成されている。本実施形態では、シリンダ61がトナー排出口52を開放する前記開位置(図17に示す位置)にあるときに、少なくとも一方の切り欠き125は、図19(A)に示すように、突出部61Aの周面の上側部分に配置される。また、他方の切り欠き125は、突出部61Aの下側部分に配置される。ここで、図19(A)は、トナー排出口52が開放されるときのシリンダ61の位置を示しており、図19(B)は、トナー排出口52が閉塞されるときのシリンダ61の位置を示している。
このように配置される切り欠き125が突出部61Aに設けられているため、収容室68内に収容されたトナーが突出部61Aの上側に移動した場合に、そのトナーは、切り欠き125を通ってシリンダ61の内部に入り込み、トナー排出口52へ運ばれる。ここで、上側の切り欠き125が無い場合は、突出部61Aの上側にトナーが堆積し、その堆積したトナーが排出されずに残存することになる。しかしながら、本実施形態では、切り欠き125が突出部61Aに設けられているため、堆積したトナーが無駄に収容室68内に残存することが防止される。また、突出部61Aに2つの切り欠き125が設けられているため、仮に、スクリュー部58によって突出部61A内に過剰にトナーが押し込まれたとしても、切り欠き125からトナーが逃げることができ、シリンダ61内におけるトナーの固着が防止される。
なお、突出部61Aの下側の切り欠き125は、上側の切り欠き125よりも大きな開口となるように形成されている。このため、突出部61Aと収容室68の底面との隙間が微小であっても、下側の切り欠き125からトナーが逃げ出すことができる。
シリンダ61は、第2連結部79が回転されることによって、前記開位置と前記閉位置との間で変位可能である。トナー排出口52は、シリンダ61が回転されることによって開閉される。第2連結部79は、トナーコンテナ50が装着部40に装着されることによって、装置本体28(詳細には装着部40)に設けられた駆動伝達機構76(図11乃至図16参照)に連結される。これにより、第2連結部79は、駆動伝達機構76から前記回転力を受けることができる。なお、駆動伝達機構76、及び、第2連結部79の詳細については後述する。
トナーコンテナ50が装着部40に装着されると、トナー排出口52は、中間転写ユニット22に形成された連通口(不図示)に対向する位置に配置されて、前記連通口に密着する。前記連通口から不図示の搬送経路を経てトナーが現像装置12に供給される。このような位置関係となるように、装着部40におけるトナーコンテナ50の装着位置が定められている。
図8に示すように、操作部54は、コンテナ本体55の右端部に設けられている。操作部54は、トナーコンテナ50が装着部40における前記装着位置に装着された状態で、トナー排出口52を開閉するために用いられる。操作部54は、軸部66と、レバー部としてのレバー67とを有している。軸部66は、コンテナ本体55の側壁55Bに回転可能に支持されている。レバー67は、軸部66に固定されており、軸部66から延出されたレバー形状の棒状部材である。
軸部66は、筐体51の右端部から右方へ突出する軸心を有している。レバー67は、軸部66の軸心周りに軸部66と一体に回動可能となっている。本実施形態では、操作部54は、レバー67が前方へ傾倒した第1操作位置(図9(A)に示す姿勢)と、レバー67が後方へ傾倒した第2操作位置(図9(B)に示す姿勢)との間で回動可能である。レバー67が、前記第1操作位置と前記第2操作位置との間で操作されることにより、開閉機構53のシリンダ61を前記第1操作位置に対応する前記閉位置又は前記第2操作位置に対応する前記開位置のいずれかに移動させる。ここで、前記第1操作位置は、シリンダ61の前記閉位置に対応する姿勢である。具体的には、シリンダ61を前記閉位置に維持させるか又は前記閉位置に変位させる場合に、レバー67が前記第1操作位置に配置される。一方、前記第2操作位置は、シリンダ61の前記開位置に対応する姿勢である。具体的には、シリンダ61を前記開位置に維持させるか又は前記開位置に変位させる場合に、レバー67が前記第2操作位置に配置される。
また、コンテナ本体55の右端部には、ロック部材71が設けられている。ロック部材71は、操作部54及び開閉機構53を誤作動させないようにロック状態とするためのものである。すなわち、ロック部材71は、操作部54の操作が規制されるように操作部54をロック状態にする。さらに、ロック部材71は、開閉機構53の開閉動作が規制されるように開閉機構53をロック状態にする。ロック部材71には、右方に突出した爪状の解除部71Aが一体に形成されている。なお、本発明の主要構成ではないため、ロック部材71の詳細な説明は省略する。
図7及び図8に示すように、コンテナ本体55の右端部の側壁55Bには、カバー72が取り付けられている。カバー72は、レバー67の基端側の部分やロック部材71などを覆うように取り付けられている。カバー72の上面72Aには円弧形状のスリット72Cが形成されている。スリット72Cは、上面72Aにおいて、前後方向7に延出しており、前後方向7に細長い形状の貫通溝である。スリット72Cからレバー67の上端が上方へ露出している。このため、レバー67は、操作されることによって、スリット72Cに沿って、スリット72Cにガイドされながら、前記第1操作位置と前記第2操作位置との間を移動する。
図9(A)、(B)に示すように、上面72Aにおいて、スリット72Cよりも右側に、後方下向きへ傾斜する湾曲状のガイド部72Fが設けられている。ガイド部72Fは、カバー72の上面72Aの前後方向7の中央付近からカバー72の後方側の側壁に延びている。ガイド部72Fの上面は、レバー67が操作される方向に沿って湾曲した湾曲面である。ガイド部72Fの前記湾曲面は、軸部66の軸心を中心とする円弧形状である。ガイド部72Fは、上面72Aの中央付近から後方へ向かって末広がり形状に形成されている。言い換えると、ガイド部72Fは、後方側から前方へ向かうにつれて先細り形状に形成されている。このようなガイド部72Fが設けられているため、ユーザーがレバー67を親指と人差し指で摘んで前記第1操作位置から前記第2操作位置へ操作する際に、他の指をガイド部72Fに当接させつつガイド部72Fの湾曲面を滑らせるように操作することができる。これにより、ユーザーは、指でレバー67を摘んだときの手指の姿勢を安定させることができ、レバー67を円滑に回動させることができる。
また、カバー72において、ガイド部72Fよりも右側に、斜め下方へ傾斜するテーパー状の傾斜面72Gが形成されている。傾斜面72Gは、ガイド部72Fよりも筒条部55A(図10(A)参照)の突出方向へ向けて斜め下方へ傾斜している。この傾斜面72Gは、カバー72の上面72Aよりも下方に落ち込んでおり、詳細には、ガイド部72Fの上面の湾曲面よりも下方に落ち込んでいる。このため、ユーザーがレバー67を摘んで操作する際に、その指を傾斜面72Gに添えるように置くことができる。このような傾斜面72Gが形成されているため、レバー67を前記第2操作位置から前記第1操作位置に操作するときでも、操作に用いていない指がカバー72の上面72Aに邪魔されないため、円滑にレバー67を操作することができる。
カバー72の右側面72Bには開口72Dが形成されている。開口72Dから後述の第1連結部78が右方へ露出している。また、右側面72Bには、上下に延びると共に下方に開放されたガイド溝72Eが形成されている。そして、図10(A)に示すように、ロック部材71の解除部71Aは、ガイド溝72Eにおいてカバー72から露出している。なお、シリンダ61の第2連結部79はカバー72で覆われていない。
図8に示すように、カバー72は、コンテナ本体55の右端部から右方に突出したブロック状の位置決め突部73を有している。位置決め突部73は、コンテナガイド45(図3参照)に嵌め入れ可能な幅サイズに形成されており、コンテナガイド45の溝幅よりも若干小さい幅サイズに形成されている。これにより、コンテナガイド45に位置決め突部73が装着可能となる。具体的には、図3に示すように、位置決め突部73がコンテナガイド45に嵌め込まれて、コンテナガイド45により斜め下方に案内されることによって、筐体51が支持プレート43に装着されるようになっている。
ここで、図11は支持プレート43の外観を示している。図12乃至図15は駆動伝達機構76を示している。なお、図11は、支持プレート43を左側面43Aから見た図である。図12は、図11における一つのコンテナガイド45の周辺の拡大図である。また、図13は、支持プレート43を右側面43Bから見た図である。図14は、レバー67が前記第1操作位置にあるときの状態を示す。図15は、レバー67が前記第2操作位置にあるときの状態を示す。
図13に示すように、駆動伝達機構76は、支持プレート43の右側面43Bに設けられている。図11に示すように、支持プレート43の左側面43Aにコンテナガイド45が設けられている。支持プレート43におけるコンテナガイド45の下部は、第1溝部45A及び第2溝部45Bの二股に分かれている。第1溝部45Aと第2溝部45Bとの間には、これら第1溝部45A及び第2溝部45Bに沿って延びる突部46が形成されている。
カバー72がコンテナガイド45によって斜め下方の装着方向に案内される。この案内過程で、突部46はカバー72のガイド溝72Eに挿入される。その後、突部46の上端がロック部材71の解除部71Aに当接してロック部材71を押し上げる。このようにして、ロック部材71は、トナーコンテナ50が支持プレート43に装着される際に、突部46に当接してロック解除方向へ動作する。これにより、ロック部材71による操作部54及び開閉機構53のロック状態が解除される。
図12及び図13に示すように、装着部40には、駆動伝達機構76が設けられている。駆動伝達機構76は、装着部40を構成する支持プレート43に設けられている。本実施形態では、4つのトナーコンテナ50に対応して4つの駆動伝達機構76が設けられている。各駆動伝達機構76は、前後方向7へ並んで支持プレート43の右側面43Bに設けられている。
駆動伝達機構76は、支持プレート43にトナーコンテナ50が前記装着位置に配置された状態で、操作部54のレバー67の操作によって入力された操作駆動力(駆動力)を開閉機構53のシリンダ61に伝達するように構成されている。
駆動伝達機構76は、入力部としての第1回転部74と、出力部としての第2回転部75とを有する。第1回転部74は、操作部54のレバー67が操作されたときに操作部54により入力される操作駆動力を受ける部分である。また、第2回転部75は、第1回転部74から伝達された前記操作駆動力を外部(開閉機構53のシリンダ61)に出力(伝達)するものである。第1回転部74は、前記操作駆動力を受けて回転可能である。また、第2回転部75は、第1回転部74に連動して回転可能である。
第1回転部74は、コンテナガイド45における第1溝部45Aの下端に配置されており、支持プレート43に回転可能に支持されている。一方、第2回転部75は、第2溝部45Bの下端に配置されており、支持プレート43に回転可能に支持されている。
図14及び図15に示すように、第1回転部74は第1ギヤ部74Aを有する。また、第2回転部75は、第1ギヤ部74Aに噛み合う第2ギヤ部75Aを有している。第1ギヤ部74Aは第1回転部74に一体形成され、第2ギヤ部75Aは第2回転部75に一体形成されている。このため、第1ギヤ部74Aと第2ギヤ部75Aとが噛み合った状態で第1回転部74が回転すると、第2回転部75は、第1回転部74の回転方向に対して逆回転する。図13に示すように、第1ギヤ部74A及び第2ギヤ部75Aは、支持プレート43におけるコンテナガイド45が形成されている側の左側面43Aとは反対側の右側面43Bに配置されている。
図14に示すように、支持プレート43には、バネ77が設けられている。バネ77は、第1回転部74を図14における反時計回り方向へ付勢する。バネ77は、例えばねじりコイルバネである。バネ77によって、第2回転部75は、第1ギヤ部74A及び第2ギヤ部75Aを介して図14における時計回り方向へ付勢されている。
図9及び図10に示すように、トナーコンテナ50の操作部54は、第1連結部78を有している。第1連結部78は、操作部54が操作されることによって回転する。第1連結部78は、軸部66の右端に一体に形成されている。第1連結部78は、軸部66の右端から右方に突出した板リブに形成されている。第1連結部78は、筐体51が支持プレート43に装着される際にカバー72がコンテナガイド45によって案内される装着方向(つまり、斜め下方)へ延びている。第1連結部78は、トナーコンテナ50が支持プレート43のコンテナガイド45に装着されると、駆動伝達機構76の第1回転部74に連結される。つまり、第1連結部78は、トナーコンテナ50の装着状態において第1回転部74に連結する。これにより、操作部54の操作時に入力される前記操作駆動力が第1回転部74に伝達可能となる。
図12に示すように、駆動伝達機構76の第1回転部74には、第1連結溝74Bが形成されている。第1連結溝74Bに、トナーコンテナ50の第1連結部78が連結される。第1連結溝74Bは、少なくとも一部が直線状に延びている。一方、第1連結部78は、第1連結溝74Bに嵌合する形状を有している。すなわち、第1連結溝74Bの溝幅は、第1連結部78の厚さと略同じになっている。第1連結部78は、筐体51が装置本体28に装着された場合に第1連結溝74Bに挿入され、第1回転部74に対して一体に回転可能に連結される。
また、図9及び図10に示すように、開閉機構53のシリンダ61は、シリンダ61と一体に回転する第2連結部79を有している。第2連結部79は、シリンダ61の右端部に一体に形成されている。第2連結部79はシリンダ61の右端部から右方に突出している。第2連結部79は、シリンダ61の軸方向に直交する断面が鈎状に形成されている。第2連結部79は、駆動伝達機構76の第2回転部75から前記操作駆動力を受ける部分である。第2連結部79は、トナーコンテナ50が支持プレート43のコンテナガイド45に装着されると、駆動伝達機構76の第2回転部75に連結される。つまり、第2連結部79は、トナーコンテナ50が前記装着位置に配置された状態で第2回転部75に連結する。これにより、第1回転部74及び第2回転部75を介して第2連結部79に前記操作駆動力が伝達可能となる。
図18に示すように、第2連結部79は、第1部分79Aと、第2部分79Bとを有しており、これらによって鉤状に形成されている。第1部分79Aは、筐体51が支持プレート43に装着される際にカバー72がコンテナガイド45によって案内される装着方向(つまり、斜め下方)に延びている。第2部分79Bは、第1部分79Aの上側端部からシリンダ61の回転方向一方側に延びている。第1部分79Aの厚みは、第1連結部78の厚みよりも大きくなっている。
図12に示すように、駆動伝達機構76の第2回転部75には、第2連結溝75Bが形成されている。第2連結溝75Bに、トナーコンテナ50の第2連結部79が連結される。第2連結溝75Bは、少なくとも一部が直線状に延びている。一方、第2連結部79(図8及び図18参照)は、第2連結溝75Bに嵌合する形状を有している。すなわち、第2連結溝75Bは、第2連結部79における第1部分79Aの厚みと略同じ溝幅を有している。したがって、第2連結溝75Bの溝幅は、第1連結溝74Bの溝幅と異なっている。第2連結部79は、筐体51が支持プレート43に装着された場合に第2連結溝75Bに挿入され、第2回転部75に対して一体に回転可能に連結される。そして、開閉機構53のシリンダ61は、第2連結部79が第2回転部75と一体に回転することによって、シリンダ61を回転させて、トナー排出口52を開閉するように構成されている。
なお、第1連結部78及び第2連結部79は、特定機種の装置本体28に筐体51の装着を許容する一方、特定機種以外の他の機種の装置本体に筐体51の装着を許容しない形状である非互換形状に構成されていてもよい。例えば、画像形成装置10の機種等によって、第1連結部78、第2連結部79、第1回転部74の第1連結溝74B、及び第2回転部75の第2連結溝75Bは、その位置や形状等が異なっている。
図3及び図20に示すように、トナーコンテナ50は、変位部としてのメモリーホルダー90を備えている。
図20に示すように、筐体51のコンテナ本体55の長手方向の一方側の側壁55Cにメモリーホルダー90が取り付けられている。具体的には、側壁55Cに突出部85が一体に形成されており、その突出部85にメモリーホルダー90が取り付けられている。
突出部85は、側壁55Cよりも長手方向の外側へ突出する矩形状に屈曲された板形状のものである。突出部85は、コンテナ本体の短手方向の両側に位置する側壁85A,85Bと、各側壁85A,85Bの上端を連接する上壁85Cと、を有する。側壁85A,85Bは互いに平行であり、その外側面は平坦に形成されている。上壁85C及び側壁85A,85Bによって囲まれた突出部85の内部にメモリーホルダー90が取り付けられる。なお、メモリーホルダー90の取付構造については後述する。
突出部85は、トナーコンテナ50が装着部40に装着される際に、装着部40が備えるガイド溝100(図25参照)に挿入されて、トナーコンテナ50の着脱方向にトナーコンテナ50を案内する。このとき、突出部85の側壁85A,85Bがガイド溝100に当接して、ガイド溝100によるガイド方向(トナーコンテナ50の着脱方向と同方向)へ案内される。つまり、突出部85は、装着部40に対してトナーコンテナ50を着脱方向に案内するガイド部材でもある。
側壁85A,85Bそれぞれの概ね中央部には、長手方向に長い長孔86が形成されている。図20では、側壁85B側の長孔86は他の部材により隠れているため図示されていない。この長孔86は、メモリーホルダー90が備える後述のガイド軸92を前記長手方向に案内して、メモリーホルダー90をコンテナ本体55の側壁55Cに対して接離する方向へ移動させる役割と、その移動範囲を制限する役割とを担っている。また、長孔86よりも下方であって、側壁85A,85Bの下端部付近には、メモリーホルダー90の回動支点となる軸孔87が形成されている。この軸孔87は、メモリーホルダー90が備える後述の回動軸93が挿通されて、回動軸93を軸支する。
図21及び図22に示すように、メモリーホルダー90は、ホルダー本体91と、ガイド軸92と、回動軸93とを有する。ホルダー本体91は、突出部85の内部に部分的に収容される。ガイド軸92は、突出部85の長孔86に挿通される。回動軸93は、突出部85の軸孔87に回動可能に支持される。メモリーホルダー90は合成樹脂を射出成形することにより形成される合成樹脂製品である。このため、ホルダー本体91と、ガイド軸92と、回動軸93とは一体に形成されている。
ホルダー本体91は、内部が空洞の直方体形状に形成されている。突出部85の内部側に配置されるホルダー本体91の裏面91Bは、その全域が開口されている。ホルダー本体91の表面91A(保持面)には、第1接触部としての接続端子95(95A〜95D)が設けられている。表面91Aは、後述の取付部47の側壁100B(図25(A)参照)に対向される面である。接続端子95は、チップメモリーやフラッシュメモリーなどの記憶部(不図示)の接続端子である。4つの接続端子95は、ホルダー本体91の表面91Aに露出される基板94に設けられている。これら4つの接続端子95は、導電材が接触されることにより電気的に前記導電材と導通可能なものである。4つの接続端子95は、基板94において幅方向(矢印D1の方向)に並んで配置されている。4つの接続端子95A〜95Dは、例えば銅箔からなる電極である。接続端子95Aは接地電極であり、接続端子95B,95Cは信号電極であり、接続端子95Dは電源電極である。本実施形態では、トナーコンテナ50が装着部40に装着される際に、装着部40が備える後述の接続端子103(図23参照)に対して、接続端子95Aが一番に接触し、その次に接続端子95Dが接触し、最後に接続端子95B,95Cが接触するように、各接続端子95の電極長さが定められている。
前記記憶部は、トナーコンテナ50に収容されたトナーに関する情報を記憶している。トナーに関する情報の一例として、未使用のトナーコンテナ50に含まれるトナーの量や、トナーの残量、トナーが収容された時期、収容されたトナーが適用可能な条件などが該当する。なお、前記記憶部は、ホルダー本体91の裏側或いは側壁55Cに固定されており、信号線や電源線などを含むワイヤーハーネスによって接続端子95に接続されている。
ホルダー本体91の前記幅方向の両方の側面91Cにガイド軸92が設けられている。ガイド軸92は、ホルダー本体91の下端部91Dの近傍に設けられている。ガイド軸92は、下端部91Dにおいて裏面91B側の位置に設けられている。ガイド軸92は、断面形状が十字形の軸であり、側面91Cから外側へ突出している。このガイド軸92が突出部85の長孔86に挿通される。なお、ガイド軸92の突出長さは、長孔86に挿通されたときに突出部85の側壁85A,85Bの外側面に突出しない長さに定められている。
メモリーホルダー90は、ホルダー本体91の下端部91Dから下方に延出するアーム部96を有する。アーム部96の前記幅方向の両方の側面96Aに回動軸93が設けられている。回動軸93は、アーム部96の下端部96Bの近傍に設けられている。回動軸93は、断面形状が円形の軸であり、側面96Aから外側へ突出している。この回動軸93が突出部85の軸孔87に挿通される。なお、回動軸93の突出長さは、軸孔87に軸支されたときに突出部85の側壁85A,85Bの外側面に突出しない長さに定められている。
図22に示すように、メモリーホルダー90の裏側には、ブラケット部としてのブラケット91E、及びバネ支持部98が設けられている。ブラケット91Eは、メモリーホルダー90の裏側の上端部、つまり、ホルダー本体91の上端部に設けられている。バネ支持部98は、ホルダー本体91の裏側に設けられたブラケット91Eに設けられている。ブラケット91Eは、ホルダー本体91と一体に構成されており、接続端子95と側壁55Cとの間に配置されている。ブラケット91Eは、基板94から側壁55C側へ所定の隙間を隔てた位置に設けられている。バネ支持部98は、ブラケット91Eにおいて前記幅方向の中央から突出する突起状のものである。
図23に示すように、突出部85にバネ受け部84が設けられている。バネ受け部84は、側壁55Cに立設する筒状の部材である。バネ受け部84は、メモリーホルダー90のバネ支持部98に対向する位置に設けられている。
図23に示すように、メモリーホルダー90と突出部85との間に弾性部材としての圧縮バネ99が設けられている。圧縮バネ99は、例えばコイルバネである。バネ支持部98は、メモリーホルダー90と突出部85との間に介在される圧縮バネ99の一方端を支持する。具体的には、バネ支持部98は、コイルバネである圧縮バネ99の一方端の内孔が挿入されることにより、圧縮バネ99を支持する。また、バネ受け部84は、圧縮バネ99の他方端を支持する。具体的には、バネ受け部84の内部に圧縮バネ99の他方端が挿入されることにより、圧縮バネ99を支持する。本実施形態では、バネ支持部98とバネ受け部84との間に、圧縮した状態の圧縮バネ99が取り付けられる。これにより、メモリーホルダー90が突出部85に取り付けられた状態で、常に、圧縮バネ99は、メモリーホルダー90の回動軸93側とは反対側の上端部側を外側へ押圧する。
このように、メモリーホルダー90が構成されているため、回動軸93を軸孔87に支持させ、ガイド軸92を長孔86に挿通させることにより、メモリーホルダー90が突出部85に取り付けられる。具体的には、メモリーホルダー90は、回動軸93を回動中心として回動可能なように突出部85に支持される。
突出部85に対するメモリーホルダー90の回動範囲は、長孔86の長さを適宜設定することにより決定される。本実施形態では、メモリーホルダー90は、第1姿勢(図24(C)に示す姿勢)と、第2姿勢(図24(B)に示す姿勢)との間で回動軸93を中心に回動可能なように突出部85に支持されている。ここで、前記第1姿勢は、ホルダー本体91の裏面91B側が突出部85の内部に部分的に没入して側壁55Cに最も接近する姿勢(図24(C)参照)である。また、前記第2姿勢は、ホルダー本体91が突出部85から最大に引き出されて側壁55Cから最も離間した姿勢(図24(B)参照)である。このようにメモリーホルダー90が回動可能に支持されるため、メモリーホルダー90は、側壁55Cに対して接離する方向へ変位可能となる。つまり、メモリーホルダー90は、側壁55Cに対して接離する方向へ移動可能なように突出部85に支持されている。
また、メモリーホルダー90と突出部85との間に圧縮バネ99が設けられている。そのため、外力がメモリーホルダー90に加えられていない状態では、メモリーホルダー90は、前記第2姿勢を維持する。そして、トナーコンテナ50が装着部40に装着されるなどして、後述の取付部47から押圧力を受けると、圧縮バネ99が圧縮されて、前記第2姿勢から前記第1姿勢へ回動する。
なお、メモリーホルダー90には、2つの係合片97設けられている。具体的には、図21に示すように、係合片97は、ホルダー本体91の下端部91Dの表面91A側に設けられている。つまり、係合片97は、ホルダー本体91の表面91Aの下端に設けられている。係合片97は、表面91Aの下端において前記幅方向の両端それぞれに設けられている。係合片97は、ホルダー本体91の下端部91Dから下方へ延びる爪形状に形成されている。係合片97は、後述するカバー107に係合して、カバー107を移動させる。
ところで、トナーコンテナ50は、トナー排出口52と現像装置12におけるトナー受入口(不図示)との位置関係が重要であり、仮に、トナー排出口52と前記トナー受入口とが位置ズレしていると、トナー漏れなどが生じる。そのため、装着部40にトナーコンテナ50が装着された状態では、トナー排出口52と前記トナー受入口とが高い精度で位置決めされる。一方、側壁55Bとは反対側の側壁55C側の端部は、トナーコンテナ50の筐体51やメモリーホルダー90などの寸法公差が累積するため、側壁55C側の端部は必ずしも画像形成装置10の左右方向8(トナーコンテナ50の長手方向)において定位置で位置決めされるとは限らない。この場合、寸法公差による側壁55C側の位置ズレによって接続端子95が装着部40の接続端子103(図25(A)参照)に接触しなくなったり、接触していても接触圧が不十分なため接触不良が生じることがある。これに対して、本実施形態では、全てのトナーコンテナ50において、メモリーホルダー90が圧縮バネ99によって外側へ押圧されているため、接続端子95の接触不良が生じ難いようになっている。
図2に示すように、装着部40の左端部には、支持壁としての支持プレート42が立設している。支持プレート42は、4つのトナーコンテナ50の一方端にあるメモリーホルダー90を支持するためのものである。支持プレート42は、前後方向7へ延出しており、4つのトナーコンテナ50の側壁55Cに対向している。この支持プレート42は、トナーコンテナ50の側壁55C側の端部、具体的には、メモリーホルダー90を支持する。メモリーホルダー90は、支持プレート42に設けられた取付部47によって支持される。
図25(A)、(B)に示すように、取付部47は、ガイド溝100を有する。ガイド溝100は、前後方向7の両端に一対のガイド面101を有する。ガイド溝100のガイド面101は、ガイド溝100の下端100Aから斜め上方へ延びており、互いに平行な平坦面である。各ガイド面101に挟まれた部分は、支持プレート42の内側面49が厚み方向に凹まされた凹陥部48であり、凹陥部48の前側の内面及び後側の内面がガイド面101となっている。言い換えると、支持プレート42の内側面49に上方側が開放された凹陥部48が形成されることにより、内側面49にガイド溝100が形成される。
図25(A)に示されるように、取付部47は、第2接触部としての4つの接続端子103を備えている。これら4つの接続端子103は、支持プレート42に平行なガイド溝100の側壁100Bに設けられている。側壁100Bは、装着部40の前記装着位置にトナーコンテナ50が配置された状態でメモリーホルダー90に対向する対向面である。4つの接続端子103は、トナーコンテナ50が備える4つの接続端子95と接触して電気的に導通可能に接続される。4つの接続端子103それぞれは、4つの接続端子95のいずれかと一対一で対応しており、トナーコンテナ50が装着部40に装着された状態で接続端子95に対向する位置に配置されている。各接続端子103は、導電性を有する金属製のワイヤー部材或いは金属製の細幅で長尺なプレート部材を屈曲変形させて形成される。このように構成されているため、接続端子103はバネ性を有する。つまり、接続端子103は、押圧力を受けたときに弾性変形可能な形状に形成されている。接続端子103の一端部は、側壁100Bに取り付けられた基板105に固定されている。接続端子103の他方端は、基板105から突出しており、湾曲形状に形成された接触部103A(図23参照)を有する。この接触部103Aが接続端子95に接触される。なお、基板105にはワイヤーハーネスが接続されており、そのワイヤーハーネスに接続端子103の固定側の端部が電気的に接続されている。
ガイド溝100の側壁100Bには、4つの接続端子103を覆うためのカバー107が設けられている。カバー107は、トナーコンテナ50が装着部40に装着される装着動作時に、その装着動作に伴いトナーコンテナ50に係合して、トナーコンテナ50の接続端子95を予め定めされた設定位置に移動させる。前記設定位置は、トナーコンテナ50の接続端子95が装着部40の接続端子103に接触可能な位置である。具体的には、前記設定位置は、接続端子95が接続端子103に当接してから更に接続端子95により押圧されて接続端子103が基板105側へ撓まされた位置である。
カバー107は、側壁100Bにスライド移動可能に支持されている。カバー107は、接続端子103を覆う被覆位置(図25(B)に示される位置)と、接続端子103を露出する露出位置(図25(A)に示される位置)との間で移動可能である。カバー107のスライド支持機構としては、レール及びレールガイドによる周知のレール支持機構が適用可能である。カバー107が設けられているため、トナーコンテナ50の未装着時にカバー107が前記被覆位置に移動されることにより、接続端子103をカバー107で保護することができる。なお、前記被覆位置への移動は、トナーコンテナ50を脱抜したときにユーザーが手動で行う。もちろん、カバー107を前記被覆位置へ付勢するバネなどの弾性部材を設けておき、トナーコンテナ50が取り外されたときに、抑えられていたバネ力によってカバー107を自動的に前記露出位置から前記被覆位置へ移動させるようにしてもよい。この場合、トナーコンテナ50が装着部40に装着されると、その装着動作に伴ってカバー107がバネ力に抗して前記被覆位置から前記露出位置へ移動される。
ガイド溝100には、カバー107が前記露出位置にあるときにカバー107を収容する収容部110を有する。収容部110は、側壁100Bに固定されている。収容部110は、カバー107よりも側壁100Bから離れた位置に配置されている。前記露出位置にカバー107が移動すると、側壁100Bと収容部110との間に形成された収容空間にカバー107が収容される。収容部110の内部にはカバー107の移動を規制するストッパー(不図示)が形成されている。カバー107が下方へ下げられて前記露出位置まで移動すると、カバー107の下端がストッパーに当接して、その位置よりも下方への移動が制限される。
図23及び図25(A)に示すように、ガイド溝100の側壁100Bには、突起部としての三角リブ130が設けられている。三角リブ130は、側面視で三角形状に形成されている。三角リブ130は、ガイド溝100の延出方向(装着部40に対するトナーコンテナ50の着脱方向と同じ方向)へ延びる細幅のリブ状部材であり、支持プレート42と一体に形成されている。本実施形態では、三角リブ130は、装着部40に対してトナーコンテナ50が装着される過程で、メモリーホルダー90の表面91Aにおける接続端子95と接触しない領域に取り付けられている。具体的には、図22(A)に示す仮想線L1を通って基板94の端部、詳細には、基板94の表面において接続端子95Dから幅方向の端部に至るまでの領域を三角リブ130が摺接する位置に取り付けられている。つまり、三角リブ130は、4つの接続端子95を除く領域に摺接する位置に設けられている。
図23に示すように、三角リブ130の下側は水平面130Aとなっている。また、三角リブ130の上側には、頂部130Cから斜め上方へ向けて延びる傾斜面130B(上側傾斜部)が形成されている。傾斜面130Bは、頂部130Cから側壁100Bに至るまで直線状に延びる平面である。傾斜面130Bは、トナーコンテナ50が装着部40に装着される過程で、メモリーホルダー90を突出部85側へ押し戻す役割を有する。また、水平面130Aは、トナーコンテナ50の装着過程でメモリーホルダー90が三角リブ130を通過した後に、メモリーホルダー90のホルダー本体91と係合して、トナーコンテナ50が容易に抜け出せないようにする役割を有する。傾斜面130Bの傾斜角及び三角リブ130の突出長さは、メモリーホルダー90の可動範囲や、メモリーホルダー90と側壁100Bとの間の隙間、三角リブ130の高さ方向の取り付け位置などの要素によって決定される。
以下、トナーコンテナ50の装着部40への着脱動作について説明する。
トナーコンテナ50が装置本体28の装着部40に装着される前において、トナー排出口52はシリンダ61によって閉塞されており、操作部54及び開閉機構53は、ロック部材71によってロック状態になっている。このとき、第1連結部78と第2連結部79とは、図10(A)に示すように、カバー72がコンテナガイド45によって案内される装着方向(つまり、斜め下方)へそれぞれ延びている。また、レバー67は前記第1操作位置に位置しており、シリンダ61は前記閉位置に位置している。
また、トナーコンテナ50が装着部40に装着される前において、駆動伝達機構76における第1回転部74の第1連結溝74B、及び第2回転部75の第2連結溝75Bは、図12(A)に示すように、コンテナガイド45が延びる方向(つまり、カバー72が案内される装着方向)に延びている。
そして、トナーコンテナ50を装着部40に装着させる場合、カバー72を支持プレート43のコンテナガイド45に挿入し、メモリーホルダー90を支持プレート42の取付部47のガイド溝100に挿入する。
コンテナガイド45においては、カバー72はコンテナガイド45によって斜め下方に案内される。トナーコンテナ50の第1連結部78は第1溝部45Aによって案内されると共に、第2連結部79は第2溝部45Bによって案内される。そして、第1連結部78は、第1回転部74の第1連結溝74Bに連結されると共に、第2連結部79は、第2回転部75の第2連結溝75Bに連結される。
また、カバー72がコンテナガイド45によって案内されているときに、突部46の上端は、ロック部材71の解除部71Aに当接してロック部材71を押し上げる。これにより、第1連結部78が第1回転部74に連結されると共に第2連結部79が第2回転部75に連結された状態で、トナーコンテナ50の操作部54及び開閉機構53は、ロック状態が解除される。
一方、取付部47においては、メモリーホルダー90がガイド溝100に挿入されると、係合片97が三角リブ130の傾斜面130Bに接触する(図26(A)参照)。これにより、傾斜面130Bからメモリーホルダー90を側壁55Cへ押圧する力を受ける。これを受けて、メモリーホルダー90は、突出部85の内部に没入する(図26(B)参照)。その後、更に挿入されて、メモリーホルダー90の上端が三角リブ130を通過すると、圧縮バネ99によって付勢されて、再び突出部85から突出した姿勢に戻る(図26(C)参照)。
メモリーホルダー90が更に挿入されると、係合片97がカバーの傾斜面77Aに当接して係合する。上述したように、カバー107は前記被覆位置に配置されている。そのため、下向きの力を受けることにより、カバー107は前記露出位置まで移動する。そして、前記露出位置まで移動したカバー107は、その下端がストッパー(不図示)によって支持される。
カバー107が前記露出位置にある状態で、トナーコンテナ50が前記装着方向へ更に挿入されると、係合片97が接続端子103の接触部103Aに当接し(図27(A)参照)、その後、接続端子103を押圧し始める(図27(B)参照)。その後の更なる挿入によって、接続端子95が接続端子103に接触する(図27(C)参照)。このとき、接続端子103からメモリーホルダー90を側壁55Cへ押圧する力を受けるため、接続端子103と接続端子95とが接触不良を生じることなく確実に接触する。
ここで、トナーコンテナ50が装着部40に完全に装着されていない場合に、以下の問題が生じる。例えば、図28に示されるように、トナーコンテナ50が装着部40に対して角度θだけ傾いた状態で装着される場合がある。具体的には、図28では、カバー72が前記装着位置に対応する位置に配置されている。そして、メモリーホルダー90が前記装着位置に対応する位置に配置されておらず、その位置よりも上方に配置されている。ここで、前記装着位置に対応するカバー72の位置とは、トナーコンテナ50が装着部40の前記装着位置に装着された場合に配置される位置である。また、前記装着位置に対応するメモリーホルダー90の位置とは、トナーコンテナ50が装着部40の前記装着位置に装着された場合に配置される位置である。このように、トナーコンテナ50が装着部40に対して角度θだけ傾いた不完全な状態で、レバー67が回動されて、トナー排出口52からトナーが供給可能とされたとしても、スクリュー部58に駆動伝達がされない。そのため、いずれトナー不足となって、印刷不良が生じる。このときに、ユーザーがトップカバー33を開けてトナーコンテナ50を取り外すと、トナー排出口52が開いた状態のままであるため、トナーがこぼれ落ちてしまい、周辺をトナーで汚してしまう。また、トナーコンテナ50が取り外された状態でトナー排出口52がレバー67の操作によって閉じられたとしても、駆動伝達機構76は元の位置に戻されていないため、そのトナーコンテナ50を再び装着することはできない。しかしながら、本実施形態では、上述したように、三角リブ130が設けられているため、トナーコンテナ50を取り外そうとしても、三角リブ130に引っ掛かって容易に取り外すことができず、ユーザーに対して取り外す行為を躊躇させることができる。このときに、ユーザーが、トナーコンテナ50の不完全な装着状態に気づくと、ユーザーは、トナーコンテナ50を装着方向へ押し込むことにより、トナーコンテナ50を完全に装着することができる。
なお、三角リブ130に代えて、図29に示される三角リブ140を適用することもできる。三角リブ140は、三角リブ130の頂部130C及び傾斜面130Bと同様に、頂部140Cおよび傾斜面140Bを有する。更に、三角リブ140は、頂部140Cから側壁100Bへ向かって延びる水平面140A(規制部)と、水平面140Aの側壁100B側の端部から斜め下方へ向けて延びる傾斜面140D(下側傾斜部)とを有する。水平面140Aは、頂部140Cから側壁100Bに至るまでの途中まで延出された水平面である。傾斜面140Dは、水平面140Aの側壁100B側の端部から側壁100Bに至るまで斜め下方へ直線状に延びる平面である。このような三角リブ140であれば、トナーコンテナ50が装着部40に装着される過程で、メモリーホルダー90が三角リブ140の頂部140Cを通過した後に、圧縮バネ99によって側壁100B側へ押し戻される。これにより、傾斜面140Dにホルダー本体91が当接する。このとき、傾斜面140Dは、ホルダー本体91とともにトナーコンテナ50を下方へ押し付ける。これにより、トナーコンテナ50が装着部40の装着位置へ案内される。また、トナーコンテナ50は、容易に抜け出せないように水平面140Aによって規制される。
次に、操作部54のレバー67が回動される。これにより、トナー排出口52が開放される。具体的には、レバー67を前記第1操作位置(図10(A)参照)から前記第2操作位置(図10(B)参照)へ向けて回動させる。トナーコンテナ50が装着部40に装着された状態で操作部54のレバー67を回動させると、操作部54の軸部66を介して第1連結部78に前記操作駆動力が入力される。これにより、軸部66及び第1連結部78がレバー67と一体に時計回り方向に回転する(図10(B)参照)。つまり、第1連結部78は、レバー67の回動角度と同じ角度だけ回転する。
第1連結部78は、駆動伝達機構76の第1回転部74に連結されているので、この第1回転部74と一体に回転する。装置本体28側では、図14に示すように、第1回転部74の第1ギヤ部74Aが第2回転部75の第2ギヤ部75Aに噛み合っているので、第2回転部75は、第1回転部74から前記操作駆動力が伝達されて、所定方向へ回転する(図15参照)。
第2回転部75はトナーコンテナ50の第2連結部79に連結されているので、第2連結部79は、この第2回転部75と一体に回転する。そうして、第2連結部79が回転することにより、その第2連結部79と一体にシリンダ61が前記開位置側へ回転する。
トナー排出口52を閉じる時は、操作部54のレバー67を前記第2操作位置(図10(B)参照)から前記第1操作位置(図10(A)参照)へ回動させる。この回動にともない、軸部66及び第1連結部78がレバー67と一体に所定方向へ回転する(図10(A)参照)。
装着部40側では、第2回転部75は、第1回転部74から前記操作駆動力が伝達されて、所定方向へ回転する。第2回転部75はトナーコンテナ50の第2連結部79に連結されているので、第2連結部79は、この第2回転部75と一体に回転する。そうして、第2連結部79が回転することにより、その第2連結部79と一体にシリンダ61が前記閉位置側へ回転する。これにより、トナー排出口52が閉じられる。