以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、以下では、電気的接触面と交差する方向(本実施形態では、電気的接触面に対して「垂直」な方向)を「第1方向」と称する。また、後述する離間動作の際にケーシング10が動く方向を「第2方向」と称する。また、現像ローラの回転軸が延びる方向を「第3方向」と称する。
<1.現像カートリッジの全体構成>
図1~図5は、本発明の一例となる現像カートリッジ1の斜視図である。現像カートリッジ1は、電子写真方式の画像形成装置(例えば、レーザプリンタやLEDプリンタ)に用いられ、現像剤(例えば、トナー)を感光ドラムへ供給するユニットである。図1に示すように、本実施形態の現像カートリッジ1は、画像形成装置が有するドロアユニット90に対して装着される。現像カートリッジ1の交換時には、画像形成装置の前面からドロアユニット90が引き出される。そして、ドロアユニット90に設けられた4つのカートリッジ保持部91に、それぞれ現像カートリッジ1が装着される。4つのカートリッジ保持部91には、それぞれ、感光ドラムが設けられる。
本実施形態では、1つのドロアユニット90に、4つの現像カートリッジ1が装着される。4つの現像カートリッジ1は、互いに異なる色(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色)の現像剤を収容する。ただし、ドロアユニット90に装着される現像カートリッジ1の数は、1~3つであってもよく、5つ以上であってもよい。
図2~図5に示すように、本実施形態の現像カートリッジ1は、ケーシング10、アジテータ20、現像ローラ30、第1ギア部40、第2ギア部50、およびICチップアセンブリ60を有する。
現像ローラ30は、第3方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。本実施形態の現像ローラ30は、ローラ本体31とローラシャフト32とを有する。ローラ本体31は、第3方向に延びる円筒状の部材である。ローラ本体31の材料には、例えば、弾性を有するゴムが用いられる。ローラシャフト32は、ローラ本体31を第3方向に貫通する円柱状の部材である。ローラシャフト32の材料には、金属または導電性を有する樹脂が用いられる。
なお、ローラシャフト32は、ローラ本体31を第3方向に貫通していなくてもよい。例えば、一対のローラシャフト32が、ローラ本体31の第3方向の両端から、第3方向にそれぞれ延びていてもよい。
アジテータ20は、アジテータシャフト21と撹拌羽根22とを有する。アジテータシャフト21は、第3方向に延びる回転軸に沿って延びる。撹拌羽根22は、アジテータシャフト21から径方向外側へ向けて拡がる。撹拌羽根22は、ケーシング10の現像剤室13内に配置される。アジテータシャフト21の第3方向の両端部には、後述する第1アジテータギア44および第2アジテータギア51が、それぞれ連結される。したがって、アジテータシャフト21および撹拌羽根22は、第1アジテータギア44および第2アジテータギア51と共に回転する。撹拌羽根22が回転すると、現像剤室13内の現像剤が撹拌される。
ケーシング10は、電子写真印刷用の現像剤(例えば、トナー)を収容可能な筐体である。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12とを有する。第1外表面11と第2外表面12とは、第3方向において互いに離れている。第1ギア部40およびICチップアセンブリ60は、第1外表面11に位置する。第2ギア部50は、第2外表面12に位置する。ケーシング10は、第1外表面11と第2外表面12との間で、第3方向に延びる。ケーシング10の内部には、現像剤を収容する現像剤室13が、設けられている。
ケーシング10は、開口部14を有する。開口部14は、現像剤室13と外部とを連通する。開口部14は、第2方向におけるケーシング10の一端部に位置する。現像ローラ30は、開口部14に位置する。すなわち、現像ローラ30は、第2方向において、ケーシング10の中央よりも一方側に位置する。ローラ本体31は、ローラシャフト32に対して、相対回転不能に固定される。また、ローラシャフト32の第3方向の一方の端部は、後述する現像ギア42に対して、相対回転不能に固定される。したがって、現像ギア42が回転すると、ローラシャフト32も回転し、ローラシャフト32と共にローラ本体31も回転する。
現像カートリッジ1が駆動力を受けると、ケーシング10内の現像剤室13から、図示を省略した供給ローラを介して、現像ローラ30の外周面に、現像剤が供給される。その際、供給ローラと現像ローラ30との間において、現像剤は摩擦帯電される。一方、現像ローラ30のローラシャフト32には、バイアス電圧がかけられている。このため、ローラシャフト32と現像剤との間の静電気力によって、ローラ本体31の外周面に、現像剤が引き付けられる。
また、現像カートリッジ1は、図示を省略した層厚規制ブレードを有する。層厚規制ブレードは、ローラ本体31の外周面に供給された現像剤を、一定の厚みにする。その後、ローラ本体31の外周面の現像剤は、ドロアユニット90に設けられた感光ドラムへ供給される。このとき、現像剤は、感光ドラムの外周面に形成された静電潜像に応じて、ローラ本体31から感光ドラムへ移動する。これにより、感光ドラムの外周面において、静電潜像が可視像化される。
第1ギア部40は、ケーシング10の第3方向の一方の側部に位置する。すなわち、第1ギア部40は、第1外表面11に位置する。図4は、第1ギア部40が分解された状態の現像カートリッジ1の斜視図である。図4に示すように、第1ギア部40は、カップリング41、現像ギア42、アイドルギア43、第1アジテータギア44、および第1カバー45を有する。なお、図4では、各ギアの複数のギア歯の図示が省略されている。
カップリング41は、画像形成装置から供給される駆動力を、最初に受けるギアである。カップリング41は、第3方向に延びる回転軸周りに回転することが可能である。カップリング41は、カップリング部411とカップリングギア412とを有する。カップリング部411およびカップリングギア412は、例えば、一体の樹脂により形成される。カップリング部411には、第3方向に凹む締結穴413が設けられている。また、カップリングギア412の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。
現像カートリッジ1が装着されたドロアユニット90が、画像形成装置内に収納されると、画像形成装置の駆動シャフトが、カップリング部411の締結穴413に挿入される。これにより、駆動シャフトとカップリング部411とが、相対回転不能に連結される。したがって、駆動シャフトが回転すると、カップリング部411が回転し、カップリング部411と共にカップリングギア412も回転する。
現像ギア42は、現像ローラ30を回転させるためのギアである。現像ギア42は、第3方向に延びる回転軸周りに回転することが可能である。現像ギア42の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。カップリングギア412の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯と、現像ギア42の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。また、現像ギア42は、現像ローラ30のローラシャフト32の第3方向の端部に、相対回転不能に固定されている。このため、カップリングギア412が回転すると、現像ギア42が回転し、現像ギア42と共に現像ローラ30も回転する。
アイドルギア43は、カップリングギア412の回転を第1アジテータギア44に伝達するためのギアである。アイドルギア43は、第3方向に延びる回転軸周りに回転することが可能である。アイドルギア43は、第3方向に配列された大径ギア部431および小径ギア部432を有する。小径ギア部432は、大径ギア部431とケーシング10の第1外表面11との間に位置する。言い換えれば、大径ギア部431は、小径ギア部432よりも第1外表面11から離れている。小径ギア部432の径は、大径ギア部431の径よりも小さい。言い換えれば、小径ギア部432の歯先円の径は、大径ギア部431の歯先円の径よりも小さい。大径ギア部431および小径ギア部432は、例えば、一体の樹脂により形成される。
大径ギア部431および小径ギア部432の外周部には、それぞれ、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。小径ギア部432のギア歯の数は、大径ギア部431のギア歯の数よりも少ない。カップリングギア412の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯と、大径ギア部431の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。また、小径ギア部432の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯と、第1アジテータギア44の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。カップリングギア412が回転すると、大径ギア部431が回転し、大径ギア部431と共に小径ギア部432も回転する。そして、小径ギア部432の回転に伴い、第1アジテータギア44も回転する。
第1アジテータギア44は、現像剤室13内のアジテータ20を回転させるためのギアである。第1アジテータギア44は、第3方向に延びる回転軸周りに回転することが可能である。第1アジテータギア44の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。上述の通り、小径ギア部432の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯と、第1アジテータギア44の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。また、第1アジテータギア44は、アジテータシャフト21の第3方向の一方の端部に、相対回転不能に固定されている。このため、カップリング41からアイドルギア43を介して第1アジテータギア44に動力が伝達されると、第1アジテータギア44が回転し、第1アジテータギア44と共にアジテータ20も回転する。
第1カバー45は、ケーシング10の第1外表面11に、例えばねじ止めで、固定される。カップリングギア412、現像ギア42、アイドルギア43、および第1アジテータギア44は、第1外表面11と第1カバー45との間に収容される。カップリング部411の締結穴413は、第1カバー45の外部に露出する。本実施形態の第1カバー45は、後述するICチップアセンブリ60のホルダ62を保持するホルダカバーを兼ねている。第1カバー45のホルダカバーとしての構造については、後述する。
第2ギア部50は、ケーシング10の第3方向の他方の側部に位置する。すなわち、第2ギア部50は、第2外表面12に位置する。図5は、第2ギア部50が分解された状態の現像カートリッジ1の斜視図である。図5に示すように、第2ギア部50は、第2アジテータギア51、検知ギア52、導電部材53、および第2カバー54を有する。なお、図5では、第2アジテータギア51および検知ギア52のギア歯の図示が省略されている。
第2アジテータギア51は、アジテータシャフト21の回転を検知ギア52に伝達するためのギアである。第2アジテータギア51は、第3方向に延びる回転軸周りに回転することが可能である。第2アジテータギア51の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。第2アジテータギア51の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯と、検知ギア52の複数のギア歯のうちの少なくとも一部のギア歯とは、互いに噛み合っている。また、第2アジテータギア51は、アジテータシャフト21の第3方向の他方の端部に、相対回転不能に固定されている。このため、アジテータシャフト21が回転すると、第2アジテータギア51も回転する。
検知ギア52は、画像形成装置に対して現像カートリッジ1の情報を伝達するためのギアである。現像カートリッジ1の情報には、例えば、現像カートリッジ1が新品(未使用)の現像カートリッジであるか、または、使用済みの現像カートリッジであるかの情報が含まれる。また、現像カートリッジ1の情報には、例えば、現像カートリッジ1の仕様が含まれる。現像カートリッジ1の仕様には、例えば、現像カートリッジ1に収容された現像剤によって印刷可能な印刷枚数(イールド枚数)が含まれる。
検知ギア52は、第3方向に延びる回転軸周りに回転することが可能である。検知ギア52は、外周部の一部分に複数のギア歯を有する。未使用の現像カートリッジ1をドロアユニット90に装着して、ドロアユニット90を画像形成装置内に収納すると、検知ギア52は、第2アジテータギア51と噛み合うことによって回転する。そして、第2アジテータギア51と検知ギア52との噛み合いが外れると、検知ギア52は回転を停止する。
一方、使用済みの現像カートリッジ1をドロアユニット90に装着して、ドロアユニット90を画像形成装置内に収納した場合には、検知ギア52と、第2アジテータギア51との噛み合いが外れているため、検知ギア52は回転しない。
なお、第2アジテータギア51と検知ギア52との間に、他のギアが配置されていてもよい。例えば、第2ギア部50は、第2アジテータギア51および検知ギア52の双方と噛み合う第2アイドルギアを、有していてもよい。そして、第2アジテータギア51の回転が、第2アイドルギアを介して、検知ギア52に伝達されてもよい。
図5に示すように、検知ギア52は、検知突起521を有する。検知突起521は、第3方向に突出する。また、検知突起521は、回転軸を中心として円弧状に延びる。
導電部材53は、導電性の部材である。導電部材53の材料には、導体である金属または導電性の樹脂が用いられる。導電部材53は、ケーシング10の第2外表面12に位置する。導電部材53は、第3方向に突出したギアシャフト531を有する。検知ギア52は、ギアシャフト531に支持されつつ、ギアシャフト531の周りを回転する。また、導電部材53は、軸受部532を有する。軸受部532は、現像ローラ30のローラシャフト32に接触する。
ドロアユニット90は、ギアシャフト531に接触する導電性のレバー(図示省略)を有する。ギアシャフト531にレバーが接触すると、導電部材53およびローラシャフト32が、レバーと電気的に導通する。画像形成装置の駆動時には、レバーから供給される電力により、ローラシャフト32が所定のバイアス電圧に維持される。ただし、検知突起521は、ギアシャフト531の外周面を部分的に覆う。このため、ドロアユニット90に新しい現像カートリッジ1が挿入された後、検知ギア52が回転しているときには、レバーとギアシャフト531との接触状態が、検知ギア52の形状に応じて変化する。画像形成装置は、その接触状態の変化を認識することによって、装着された現像カートリッジ1が新品であるか否か、および現像カートリッジ1の仕様を識別する。
ただし、検知ギア52からの情報の検知方法は、必ずしも電気的導通の有無を利用したものでなくてもよい。例えば、レバーの動きを、光学的に検知してもよい。また、検知突起521の周方向の位置や長さは、本実施形態と異なってもよい。また、検知ギア52は、複数の検知突起521を有していてもよい。検知ギア52の形状は、現像カートリッジ1の印刷可能枚数等の仕様に応じて、相違させることができる。具体的には、検知突起521の数、複数の検知突起521の周方向の間隔、各検知突起521の周方向の長さ、各検知突起521の径方向の長さ、などを、仕様ごとに相違させることができる。このように、検知突起521の数や周方向の位置について、バリエーションを設けることによって、現像カートリッジ1の種々の仕様を、画像形成装置に対して示すことが可能となる。
また、検知ギアは、複数の部材で構成されていてもよい。例えば、検知ギア52と検知突起521とが別体であってもよい。また、検知ギアは、検知ギア本体と、検知ギア本体の回転に応じて位置が変化する補助部材とを有していてもよい。そして、補助部材が、レバーの位置を変化させてもよい。
また、検知ギア52は、第3方向へ移動可能な可動ギアであってもよい。可動ギアは、欠け歯ギアでなくてもよい。すなわち、可動ギアは、その外周面に、円周状に複数のギア歯を有していてもよい。この場合、可動ギアが回転すると、可動ギアが第3方向に向かって動くことにより、可動ギアと第2アジテータギア51との噛み合いが外れる。なお、可動ギアは、第2外表面12から第3方向に離れる方向に動いてもよい。また、可動ギアは、第2外表面12から第3方向に近づく方向に動いてもよい。
また、検知ギア52がカムを有し、当該カムが検知突起521に接触してもよい。この場合、検知ギア52の回転と共にカムが回転し、カムが回転することで検知突起521に接触して、検知突起521が動く。検知突起521は、第2外表面12または第2ギアカバー54に設けられたシャフトに対して、回転可能に取り付けられていてもよい。また、検知突起521が有するシャフトが、第2外表面12または第2ギアカバー54が有する孔に挿入され、検知突起521が回転可能に保持されてもよい。
また、本実施形態では、ギアシャフト531が、第2外表面12から第3方向に延びている。しかしながら、ギアシャフト531は、第2外表面12と直接接していなくてもよい。例えば、ケーシング10が、第2外表面12を貫通する貫通孔と、貫通孔に取り付けられたキャップとをさらに有しており、ギアシャフトが当該キャップから第3方向に延びてもよい。この場合、例えば、キャップが検知ギア53へ向けて第3方向に突出するギアシャフトを有する。検知ギア53は、当該ギアシャフトに支持されつつ、ギアシャフト531を中心として回転する。
第2カバー54は、ケーシング10の第2外表面12に、例えばねじ止めで、固定される。第2アジテータギア51、検知ギア52、および導電部材53は、第2外表面12と第2カバー54との間に収容される。また、第2カバー54は、開口541を有する。検知ギア52の一部分およびギアシャフト531の一部分は、開口541を介して露出する。上述したレバーは、開口541を介して、検知ギア52またはギアシャフト531に接触する。
<2.ICチップアセンブリについて>
ICチップアセンブリ60は、ケーシング10の第1外表面11に配置される。図6は、ICチップアセンブリ60の分解斜視図である。図7は、ICチップアセンブリ60を第3方向に直交する面で切断した断面図である。図2~図7に示すように、ICチップアセンブリ60は、記憶媒体であるICチップ61と、ICチップ61を保持するホルダ62とを有する。ホルダ62は、ケーシング10の第3方向の側部において、第1カバー45に保持される。ICチップ61には、現像カートリッジ1に関する種々の情報が記録されている。ICチップ61は、電気的接触面611を有する。電気的接触面611は、導体である金属からなる。ICチップ61は、ホルダ62の第1方向の外表面に固定される。
ドロアユニット90は、電気コネクタを有する。電気コネクタは、例えば金属製である。現像カートリッジ1がドロアユニット90に装着されると、ドロアユニット90の電気コネクタが、電気的接触面611に接触する。これにより、画像形成装置は、ICチップ61からの情報の読み出しおよびICチップ61への情報の書き込みの少なくとも一方を行うことが可能となる。
ホルダ62の少なくとも一部は、第1カバー45に覆われる。ホルダ62は、ボス621a、ボス621b、およびボス621cを有する。ボス621aおよびボス621bは、それぞれ、ホルダ62のケーシング10と向かい合う面とは反対側の面から第1カバー45へ向けて、第3方向に延びる。また、ボス621aとボス621bとは、第2方向に並ぶ。一方、図2および図4に示すように、第1カバー45は、貫通孔451aおよび貫通孔451bを有する。貫通孔451aおよび貫通孔451bは、それぞれ、第1カバー45を第3方向に貫通する。また、貫通孔451aと貫通孔451bとは、第2方向に並ぶ。ボス621aは貫通孔451aに挿入される。ボス621bは貫通孔451bに挿入される。
ボス621cは、ホルダ62のケーシング10と向かい合う面からケーシング10へ向けて、第3方向に延びる。一方、ケーシング10は、凹部15を有する。凹部15は、ケーシング10の第1外表面11において、第3方向に凹む。ボス621cは、凹部15に挿入される。なお、ボス621a、ボス621b、およびボス621cのそれぞれの形状は、円柱であっても良いし、角柱であっても良い。
貫通孔451aの第2方向の大きさ(内寸)は、ボス621aの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。貫通孔451bの第2方向の大きさ(内寸)は、ボス621bの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。また、凹部15の第2方向の大きさ(内寸)は、ボス621cの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。このため、ホルダ62は、ボス621a、ボス621b、およびボス621cと共に、ケーシング10および第1カバー45に対して、第2方向に相対移動することが可能である。ホルダ62が第2方向に移動すると、ホルダ62と共に、電気的接触面611を有するICチップ61も、第2方向に移動する。
また、貫通孔451aの第1方向の大きさ(内寸)は、ボス621aの第1方向の大きさ(外寸)よりも大きい。貫通孔451bの第1方向の大きさ(内寸)は、ボス621bの第1方向の大きさ(外寸)よりも大きい。また、凹部15の第1方向の大きさ(内寸)は、ボス621cの第1方向の大きさ(外寸)よりも大きい。このため、ホルダ62は、ボス621a、ボス621b、およびボス621cと共に、ケーシング10および第1カバー45に対して、第1方向に相対移動することが可能である。ホルダ62が第1方向に移動すると、ホルダ62と共に、電気的接触面611を有するICチップ61も、第1方向に移動する。また、ホルダ62は、第1カバー45と、第1外表面11との間を第3方向に移動可能であっても良い。
なお、ホルダ62に設けられるボスの数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、第1カバー45に設けられる貫通孔の数も、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、第1カバー45は、貫通孔451aおよび貫通孔451bに代えて、ボス621aおよびボス621bが挿入される凹部を有していてもよい。
図6および図7に示すように、ホルダ62は、第1端部710と、第2端部720とを有する。第1端部710は、ホルダ62の第1方向の一方の端部である。また、第2端部720は、ホルダ62の第1方向の他方の端部である。第1端部710は、第2端部720に対して、第1方向に移動可能である。より詳細には、本実施形態のホルダ62は、第1ホルダ部材71と、第2ホルダ部材72と、それらの間に位置するコイルばね73とを有する。第1ホルダ部材71は、例えば樹脂製である。第2ホルダ部材72は、例えば樹脂製である。第1ホルダ部材71は、第1端部710を有する。ICチップ61は、第1端部710の外表面に含まれる保持面620に固定される。第2ホルダ部材72は、第2端部720を有する。組み立て後のホルダ62において、第1端部710と第2端部720とは、第1方向に離れている。
コイルばね73は、第1方向に延びる弾性部材である。コイルばね73は、第1方向において、第1端部710と第2端部720との間に配置される。コイルばね73は、少なくとも、第1状態と、第1状態よりも収縮した第2状態との間で、第1方向に伸縮する。第1状態におけるコイルばね73の第1方向の長さは、第2状態におけるコイルばね73の第1方向の長さよりも長い。したがって、第1状態における第1端部710と第2端部720との間の第1方向の距離は、第2状態における第1端部710と第2端部720との間の第1方向の距離よりも長い。また、少なくとも第2状態におけるコイルばね73の第1方向の長さは、コイルばね73の自然長よりも短い。
また、図6および図7に示すように、第1ホルダ部材71は、爪部714aおよび爪部714bを有する。爪部714aおよび爪部714bは、それぞれ、第1ホルダ部材71から第1方向に対して交差する方向に突出する。一方、第2ホルダ部材72は、開口721aおよび開口721bを有する。爪部714aは開口721aに挿入される。爪部714bは開口721bに挿入される。第1状態では、開口721aの第1端部710側の縁において、爪部714aが第2ホルダ部材72に接触する。また、第1状態では、開口721bの第1端部710側の縁において、爪部714bが第2ホルダ部材72に接触する。これにより、コイルばね73の第1方向の長さが、第1状態よりも長くなることが防止される。また、第1ホルダ部材71が、第2ホルダ部材72から取り外されるのが防止される。一方、第2状態では、爪部714aおよび爪部714bが、第2ホルダ部材72から離れる。
なお、開口に代えて、爪部に接触可能な凹部または段差が設けられてもよい。また、第1ホルダ部材71に開口、凹部、または段差を設け、第2ホルダ部材72に爪部を設けてもよい。
上述した貫通孔451およびボス621の寸法差と、コイルばね73の伸縮とによって、ホルダ62の保持面620は、ケーシング10に対して、第1方向に移動することが可能である。以下では、ドロアユニット90に現像カートリッジ1を装着する前の、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の位置を、「初期位置」(第1位置)と称する。また、ドロアユニット90への現像カートリッジ1の装着時において、コイルばね73が最も収縮する瞬間の、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の位置を、「中間位置」(第2位置)と称する。また、後述する電気コネクタ913に電気的接触面611が接触したときの、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の位置を、「接触位置」(第3位置)と称する。そして、ドロアユニット90への現像カートリッジ1の装着が完了した後の、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の位置を、「終期位置」(第4位置)と称する。
また、第1端部710の外表面は、上述した保持面620に加えて、第1ガイド面711(第1表面)、第2ガイド面712(第2表面)、および第3ガイド面713a,713b(第3表面)をさらに有する。
第1ガイド面711は、保持面620の第2方向の両側部のうち、現像ローラ30に近い側部に設けられる。第1ガイド面711は、保持面620に保持されたICチップ61の電気的接触面611に対して傾斜している。詳細には、第1ガイド面711は、電気的接触面611に対して鋭角に傾斜している。
ここで、第1端部710の第2方向の一方の端部を、第1外端位置(第3位置)711aとする。また、保持面620の第2方向の一方の端部を、第1内端位置(第4位置)711bとする。図7のように、第1ガイド面711は、第1外端位置711aから電気的接触面611へ向かって第1内端位置711bまで延びている。第2方向および第1方向のいずれにおいても、第1外端位置711aは、第1内端位置711bよりも電気的接触面611から遠い。また、図7に示すように、第1外端位置711aと第1内端位置711bとの間の第1方向の距離d1は、電気的接触面611と第1内端位置711bとの間の第1方向の距離d2よりも大きい。
第2ガイド面712は、保持面620の第2方向の両側部のうち、現像ローラ30から遠い側部に設けられる。第2ガイド面712は、保持面620に保持されたICチップ61の電気的接触面611に対して傾斜している。詳細には、第2ガイド面712は、電気的接触面611に対して鋭角に傾斜している。
ここで、第1端部710の第2方向の他方の端部を、第2外端位置(第5位置)712aとする。また、保持面620の第2方向の他方の端部を、第2内端位置(第6位置)712bとする。図7のように、第2ガイド面712は、第2外端位置712aから電気的接触面611へ向かって第2内端位置712bまで延びている。第2方向および第1方向のいずれにおいても、第2外端位置712aは、第2内端位置712bよりも電気的接触面611から遠い。また、図7に示すように、第2外端位置712aと第2内端位置712bとの間の第1方向の距離d3は、電気的接触面611と第2内端位置712bとの間の第1方向の距離d4よりも大きい。
第3ガイド面713aは、第3方向において、電気的接触面611の両側のうちの一方に設けられる。第3ガイド面713bは、第3方向において、電気的接触面611の両側のうちの他方に設けられる。第3ガイド面713aおよび第3ガイド面713bは、それぞれ、第2方向に延びている。また、第1方向に関して、各第3ガイド面713a,713bは、電気的接触面611よりも、コイルばね73から遠い。したがって、電気的接触面611は、第3ガイド面713aおよび第3ガイド面713bよりも、コイルばね73側へ凹んだ位置に配置される。
なお、第1ガイド面711、第2ガイド面712、および第3ガイド面713a,713bは、それぞれ平面状であってもよく、湾曲していてもよい。ただし、ドロアユニット90への現像カートリッジ1の装着時に引っ掛かりが生じないように、第1ガイド面711、第2ガイド面712、および第3ガイド面713a,713bは、それぞれ、段差のない滑らかな面であることが好ましい。
<3.装着時の動作について>
続いて、ドロアユニット90に対する現像カートリッジ1の装着時の動作について、説明する。図8~図14は、ドロアユニット90の1つのカートリッジ保持部91に対して、現像カートリッジ1を装着するときの様子を示した図である。
カートリッジ保持部91に現像カートリッジ1が装着されるときには、まず、図8のように、カートリッジ保持部91の挿入口910に、現像カートリッジ1の現像ローラ30が対向される。このとき、ホルダ62の第1端部710および第2端部720は、まだドロアユニット90に接触していない。したがって、コイルばね73は、上述した第1状態となっている。また、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の位置は、上述した初期位置となっている。現像カートリッジ1は、図8中の破線矢印のように、カートリッジ保持部91に対して、第2方向に挿入される。
カートリッジ保持部91は、第1ガイドプレート911および第2ガイドプレート912を有する。第1ガイドプレート911および第2ガイドプレート912は、第1方向に間隔をあけて、互いに向かい合って配置される。第1ガイドプレート911および第2ガイドプレート912は、それぞれ、第3方向および第2方向に沿って広がる。また、第1ガイドプレート911は、ICチップ61の電気的接触面611に接触可能な金属製の電気コネクタ913を有する。電気コネクタ913は、第1ガイドプレート911の表面から、第2ガイドプレート912へ向けて、第1方向に突出する。
カートリッジ保持部91へ現像カートリッジ1が挿入されると、図9のように、ホルダ62の第1ガイド面711が、第1ガイドプレート911の第2方向の端部に接触する。そして、第1ガイド面711が第1ガイドプレート911に押されることによって、ホルダ62が第1方向に移動する。このときのホルダ62の移動は、ケーシング10に対する相対移動である。これにより、図10のように、第1ガイドプレート911と第2ガイドプレート912との間に、ホルダ62が第1方向に位置決めされる。
以後、第1ホルダ部材71の第1端部710は、第1ガイドプレート911に接触する。また、第2ホルダ部材72の第2端部720は、第2ガイドプレート912に接触する。コイルばね73は、第1状態よりも第1方向に収縮する。
図11に示すように、第1ガイドプレート911は、第2ガイドプレート912へ向けて突出するガイド突起914を有する。ガイド突起914は、電気コネクタ913よりも挿入口910側に位置する。ガイド突起914は、第1傾斜面915を有する。また、第2ガイドプレート912は、第2傾斜面916を有する。第1傾斜面915と第2傾斜面916との第1方向の間隔は、現像カートリッジ1の挿入方向へ向かうにつれて、漸次に短くなる。
現像カートリッジ1を第2方向にさらに挿入すると、第1ホルダ部材71は、第1傾斜面915に接触し、第2ホルダ部材72は、第2傾斜面916に接触する。これにより、第1ホルダ部材71と第2ホルダ部材72とが、第1方向に接近し、コイルばね73の第1方向の長さが、徐々に短くなる。やがて、第1ホルダ部材71の第3ガイド面713a,713bがガイド突起914の頂部に接触すると、コイルばね73の第1方向の長さは、最も短くなる。すなわち、コイルばね73が、上述した第2状態となる。また、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の位置は、上述した中間位置となる。
このように、このICチップアセンブリ60は、ドロアユニット90への現像カートリッジ1の挿入時に、ICチップ61を保持する保持面620の位置を、第1方向に変化させることができる。このため、保持面620の第1方向の位置を、ガイド突起914に沿って変化させながら、現像カートリッジ1を挿入できる。また、保持面620の第1方向の位置が固定された状態でガイド突起914を通過させる場合と比べて、ガイド突起914から第1ホルダ部材71に加わる第1方向の圧力が低減される。したがって、ICチップ61の電気的接触面611の擦れを抑制しつつ、ドロアユニット90に現像カートリッジ1を挿入できる。また、図10、図11、及び、図12に示すように、第1表面711が、ガイド突起914を乗り越えた後に、電気的接触面611は、直接、電気コネクタ913に接触する。これにより、電気コネクタ913の擦れも低減することができる。
特に、本実施形態の現像カートリッジ1では、ICチップ61の電気的接触面611が、第3ガイド面713a,713bよりも凹んだ位置に配置されている。このため、図11の状態において、ガイド突起914の頂部は、第3ガイド面713a,713bのみと接触し、電気的接触面11には接触しない。したがって、ガイド突起914が電気的接触面611に擦れることを、避けることができる。
その後、現像カートリッジ1を第2方向にさらに挿入すると、第3ガイド面713a,713bがガイド突起914を通過する。そして、図12のように、第2ガイド面712が、ガイド突起914に接触する。これに伴い、コイルばね73は、第2状態から再び伸長して、上述した第3状態となる。その結果、図13のように、ICチップ61の電気的接触面611が、電気コネクタ913に接触する。第3状態におけるコイルばね73の第1方向の長さは、第1状態におけるコイルばね73の第1方向の長さよりも短く、かつ、第2状態におけるコイルばね73の第1方向の長さよりも長い。また、第3状態におけるコイルばね73の第1方向の長さは、コイルばね73の自然長よりも短い。また、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の相対位置は、上述した接触位置となる。
これにより、ICチップアセンブリ60は、電気コネクタ913と第2ガイドプレート912との間に挟まれた状態で固定される。その後、本実施形態では、図14中の破線矢印のように、ケーシング10が、第1方向に傾けられる。これにより、ドロアユニット90の感光ドラム92に、現像ローラ30が接触する。このとき、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の位置は、上述した接触位置から終期位置に変化する。また、ボス621は、貫通孔451内において第1方向に移動する。これにより、第1カバー45の貫通孔451を構成する縁部に対して、ボス621が非接触となる。その結果、ICチップアセンブリ60と第1カバー45とが非接触となる。したがって、画像形成装置における印刷処理の実行中に、第1ギア部40等の駆動部から、ICチップアセンブリ60に振動が伝達しにくくなる。これにより、電気的接触面611と電気コネクタ913との接触状態を、より良好に維持することができる。
<4.離間動作について>
現像カートリッジ1の装着後、ドロアユニット90は、現像ローラ30を一時的に感光ドラム92から引き離す、いわゆる「離間動作」を行うことができる。図2に示すように、現像カートリッジ1の第1カバー45は、第3方向に延びる第1柱状突起46を有する。また、図3に示すように、現像カートリッジ1の第2カバー54は、第3方向に延びる第2柱状突起55を有する。一方、図1に示すように、ドロアユニット9は、複数の押圧部材93を有する。押圧部材93は、各カートリッジ保持部91の第3方向の両側部に設けられている。
上述した図14の破線矢印の動作では、第1柱状突起46および第2柱状突起55のそれぞれが、押圧部材93により押圧される。これにより、ケーシング10が第1方向に傾けられる。その結果、ケーシング10に対する保持面620の第1方向の位置が、上述した接触位置から終期位置に変化する。
図15は、離間動作を実行したときの様子を示した図である。離間動作時には、画像形成装置からの駆動力によって、第1柱状突起46および第2柱状突起55の位置が変化する。具体的には、第1柱状突起46および第2柱状突起55のそれぞれが、ドロワユニット90が有するレバー(図示省略)に押される。これにより、第1柱状突起46および第2柱状突起55のそれぞれが、押圧部材93の押圧力に反して移動する。その結果、図15中の破線矢印のように、現像カートリッジ1のケーシング10および現像ローラ30が、第2方向に移動して、感光ドラム92から遠ざかる。
このとき、ICチップアセンブリ60は、電気コネクタ913と第2ガイドプレート912との間に挟まれた状態で固定されている。このため、ケーシング10および現像ローラ30が第2方向に移動しつつも、ドロアユニット90に対するICチップアセンブリ60の位置は、変化しない。また、コイルばね73の状態も、第3状態のまま変化しない。したがって、ケーシング10に対するホルダ62の第2方向の位置は、標準位置(第1位置)から離間位置(第2位置)へ変化する。また、ボス621は、貫通孔451の内部において、第2方向に移動する。
このように、この現像カートリッジ1は、ドロアユニット90に対する電気的接触面611の第2方向の位置を変えることなく、ケーシング10の第2方向の位置を変化させることができる。このため、離間動作を実行するときに、電気的接触面611と電気コネクタ913との接触状態を維持することができる。また、現像カートリッジ1がドロアユニット90に装着された状態で、画像形成装置が輸送される際にも、電気的接触面611と電気コネクタ913との接触状態を維持することができるため、電気的接触面611の擦れを低減することができる。
<5.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。以下では、種々の変形例について、上記の実施形態との相違点を中心に説明する。
<5-1.第1変形例>
図16は、第1変形例の現像カートリッジ1Aの部分分解斜視図である。図16の例では、上記の実施形態と同様に、ICチップ61Aを保持するホルダ62Aの少なくとも一部が、第1カバー45Aに覆われる。ただし、図16の例では、第1カバー45Aがボス451aA,451bAを有する。ボス451aAとボス451bAとは、第2方向に並ぶ。また、ボス451aA,451bAは、それぞれ、第1カバー45Aからケーシング10Aへ向けて、第3方向に延びる。一方、ホルダ62Aは、第3方向に貫通する1つの貫通孔621Aを有する。ボス451aA,451bAは、いずれも、貫通孔621Aに挿入される。
貫通孔621Aの第2方向の大きさは、ボス451aAの第2方向の一方の端縁と、ボス451bAの第2方向の他方の端縁との間の長さよりも大きい。すなわち、貫通孔621Aの第2方向の大きさは、ボス451aA,451bAの第2方向に最も離れた部分同士の第2方向の距離よりも大きい。このため、ホルダ62Aは、貫通孔621Aと共に、ケーシング10Aおよび第1カバー45Aに対して、第2方向に移動することが可能である。ホルダ62Aが第2方向に移動すると、ホルダ62Aと共に、電気的接触面611Aを有するICチップ61Aも、第2方向に移動する。
また、貫通孔621Aの第1方向の大きさは、各ボス451aA,451bAの第1方向の大きさよりも大きい。このため、ホルダ62Aは、貫通孔621Aと共に、ケーシング10Aおよび第1カバー45Aに対して、第1方向に移動することが可能である。ホルダ62Aが第1方向に移動すると、ホルダ62Aと共に、電気的接触面611Aを有するICチップ61Aも、第1方向に移動する。また、ホルダ62Aも、第1カバー45Aと、第1外表面11Aとの間を第3方向に移動可能であっても良い。
このように、第1カバー45Aにボス451Aを設け、ホルダ62Aに貫通孔621Aを設けることによって、ケーシング10Aに対する電気的接触面611Aの第1方向および第2方向の移動を実現してもよい。このような構造でも、ドロアユニットへの現像カートリッジ1Aの装着時に、ケーシング10Aを第1方向に傾けたときに、貫通孔621Aの内部において、ボス451Aを第1方向に移動させることができる。また、現像カートリッジ1Aの装着後に、離間動作を実行したときに、貫通孔621Aの内部において、ボス451Aを第2方向に移動させることができる。その結果、電気的接触面611Aと電気コネクタとの接触状態を良好に保ちながら、ケーシング10Aの位置を変化させることができる。
なお、第1カバー45Aに設けられるボス451Aの数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。また、ホルダ62Aに設けられる貫通孔621Aの数は、2つ以上であってもよい。また、ホルダ62Aは、貫通孔621Aに代えて、ボス451Aが挿入される凹部を有していてもよい。また、ケーシングの第1外表面にボスを設け、ホルダが有する貫通孔または凹部に、ケーシングのボスを挿入してもよい。ボス451Aは、円柱であっても良いし、角柱であっても良い。
図17は、図16のICチップアセンブリ60Aを、第3方向に垂直な面で切断した断面図である。図17に示すように、このICチップアセンブリ60Aのホルダ62Aは、樹脂製のホルダ部材74Aと、ホルダ部材74Aに固定された板ばね75Aとを有する。ホルダ部材74Aは、ホルダ62Aの第1方向の一方の端部である第1端部740Aを有する。ICチップ61Aは、第1端部740Aの外表面に含まれる保持面620Aに固定される。板ばね75Aは、ホルダ62Aの第1方向の他方の端部である第2端部750Aを有する。組み立て後のホルダ62Aにおいて、第1端部740Aと第2端部750Aとは、第1方向に離れている。
板ばね75Aには、例えば、可撓性を有する屈折した金属板が用いられる。板ばね75Aは、少なくとも、第1状態と、第1状態よりも屈折した第2状態との間で、第1方向に伸縮する。第1状態における板ばね75Aの第1方向の長さは、第2状態における板ばね75Aの第1方向の長さよりも長い。したがって、第1状態における第1端部740Aと第2端部750Aとの間の第1方向の距離は、第2状態における第1端部740Aと第2端部750Aとの間の第1方向の距離よりも長い。また、少なくとも第2状態における板ばね75Aの第1方向の長さは、板ばね75Aの自然長よりも短い。
このように、コイルばねに代えて板ばね75Aを用いることで、ICチップアセンブリ60Aを第1方向に伸縮させてもよい。ドロアユニットに現像カートリッジ1Aを装着するときには、上述したボス451Aおよび貫通孔621Aの寸法差と、板ばね75Aの伸縮とによって、ICチップ61Aの電気的接触面611Aを、ケーシング10Aに対して、第1方向に移動させることができる。
<5-2.第2変形例>
図18は、第2変形例の現像カートリッジ1Bの部分斜視図である。図18の例では、ICチップ61Bの電気的接触面611Bが、第3方向に向けられている。したがって、電気的接触面611Bに直交する第1方向と、第3方向とが、同方向となる。また、図18の例では、ケーシング10BとICチップアセンブリ60Bとの間に、柱状弾性体63Bが設けられている。柱状弾性体63Bには、例えば、第1方向に延びるコイルばねが用いられる。柱状弾性体63Bの第3方向の一端は、ICチップアセンブリ60Bのホルダ62Bに固定される。柱状弾性体63Bの第3方向の他端は、ケーシング10Bの第1外表面に固定される。すなわち、ケーシング10BとICチップアセンブリ60Bとが、柱状弾性体63Bによって連結されている。
図19および図20は、柱状弾性体63Bの変形によるICチップアセンブリ60Bの動きを示した図である。図19に示すように、柱状弾性体63Bは、第1方向に伸縮可能である。柱状弾性体63Bが伸縮すると、ケーシング10Bに対する電気的接触面611Bの第1方向の位置も変化する。また、図20に示すように、柱状弾性体63Bは、第1方向に対して斜めに変形可能である。柱状弾性体63Bが斜めに変形すると、柱状弾性体63Bの一端と他端との相対位置が、第1方向に対して垂直な方向に変化する。
図21および図22は、第2変形例の現像カートリッジ1Bを、ドロアユニット90Bに装着するときの様子を示した図である。図21および図22に示すように、第1カバー45Bは、第2方向に間隔をあけて並ぶ第1枠部456Bおよび第2枠部457Bを有する。ICチップアセンブリ60Bおよび柱状弾性体63Bは、第1枠部456Bと第2枠部457Bとの間の空間である収容部452Bに収容される。また、第1カバー45Bは、第1枠部456Bから収容部452Bへ向けて突出する爪部453Bを有する。現像カートリッジ1Bをドロアユニット90Bへ装着する前は、図21のように、ICチップアセンブリ60の一部分が、爪部453Bに接触する。これにより、柱状弾性体63Bが、自然長よりも第1方向に圧縮された状態に維持される。
現像カートリッジ1Bがドロアユニット90Bに装着されると、図22のように、ICチップ61Bの電気的接触面611Bが、電気コネクタ913Bに接触する。このとき、柱状弾性体63Bの第1方向の長さは、図21の状態よりも短くなる。したがって、柱状弾性体63Bの反発力によって、電気的接触面611Bと電気コネクタ913Bとの接触状態が維持される。
図23は、現像カートリッジ1Bの装着後に、離間動作を実行したときの様子を示した図である。離間動作時には、図23のように、柱状弾性体63Bが、第1方向に対して斜めに変形する。これにより、柱状弾性体63Bの一端に接続されたICチップアセンブリ60Bと、柱状弾性体63Bの他端に接続されたケーシング10Bとが、第2方向に相対移動する。したがって、ドロアユニット90Bに対する電気的接触面611Bの第2方向の位置を変えることなく、ケーシング10Bの第2方向の位置を変化させることができる。すなわち、電気的接触面611Bと電気コネクタ913Bとの接触状態を維持しながら、離間動作を行うことができる。
<5-3.第3変形例>
図24は、第3変形例の現像カートリッジ1Cの斜視図である。図24の例では、ICチップアセンブリ60Cが、ICチップ61C、ホルダ62C、シャフト部66C、およびレバー67Cを有する。シャフト部66Cは、第1カバー45Cの内部において、第2方向に延びる。シャフト部66Cの第2方向の一端は、ホルダ62Cに、相対回転不能に接続される。シャフト部66Cの第2方向の他端は、第1カバー45Cの外部に配置されたレバー67Cに、相対回転不能に接続される。したがって、図24の破線矢印のように、シャフト部66Cを中心としてレバー67Cを回転させると、シャフト部66Cおよびホルダ62Cも、シャフト部66Cを中心として回転する。これにより、ホルダ62Cの第1方向の位置が変化する。
図25~図27は、第3変形例の現像カートリッジ1Cを、第3方向の一方側から見た図である。ドロアユニットに現像カートリッジ1Cを装着する前は、図24および図25のように、第1カバー45Cの内部に、ICチップ61Cおよびホルダ62Cが収容されている。ドロアユニットに現像カートリッジ1Cを装着し、ドロアユニットを画像形成装置に収納すると、シャフト部66Cを中心として、レバー67Cが回転する。これにより、第1カバー45Cからホルダ62Cの一部分およびICチップ61Cが突出する。そして、図27のように、ドロアユニットに設けられた電気コネクタ913Cに、ICチップ61Cの電気的接触面611Cが接触する。
なお、レバー67Cの操作は、ドロアユニットへの現像カートリッジ1Cの装着後に、ユーザが手動で行ってもよい。また、画像形成装置の本体にドロアユニットを収納するときに、画像形成装置の本体に設けられたガイド面によって、レバー67Cを回転させるようにしてもよい。
第1カバー45Cは、回転前のレバー67Cに接触する支持面454Cを有する。図25の状態では、レバー67Cの第2方向の一方の面が、支持面454Cに接触する。これにより、レバー67C、シャフト部66C、ホルダ62C、およびICチップ61Cの全体が、第1カバー45Cによって、第2方向に支持される。ただし、図26のように、レバー67Cを回転させると、レバー67Cは支持面454Cの外に移動する。したがって、レバー67Cの第2方向の一方の面と、支持面454Cとが、非接触となる。さらに、ホルダ62Cは、ドロワユニットが有する位置決め部材により、図26に示す位置に固定される。その結果、ICチップ61Cの電気的接触面611Cと電気コネクタ913Cとが、互いに接触した状態に維持される。
また、図26の状態では、ホルダ62Cの第2方向の一方の面も、第1カバー45Cに対して非接触である。このため、第1カバー45Cに対して、レバー67C、シャフト部66C、ホルダ62C、およびICチップ61Cの全体を、第2方向に相対移動させることができる。したがって、現像カートリッジ1Cの離間動作時には、図27のように、ICチップ61Cの電気的接触面611Cと電気コネクタ913Cとの接触状態を維持しながら、ケーシング10Cおよび第1カバー45Cを第2方向に移動させることができる。
<5-4.第4変形例>
図28は、第4変形例の現像カートリッジの、第1カバー45DおよびICチップアセンブリ60Dの分解斜視図である。図29は、第1カバー45DおよびICチップアセンブリ60Dの断面図である。図28および図29の例では、ICチップ61Dの電気的接触面611Dが、第3方向に向けられている。したがって、電気的接触面611Dに直交する第1方向と、第3方向とが、同方向となる。
図28および図29に示すように、第4変形例のICチップアセンブリ60Dは、ICチップ61Dと、ICチップ61Dを保持するホルダ62Dと、ジョイント部材63Dを有する。ホルダ62Dは、第1方向に沿って電気的接触面611Dとは反対側へ延びる複数の爪部622Dを有する。図28の例では、ホルダ62Dは、4つの爪部622Dを有する。ジョイント部材63Dは、第1カバー45Dに固定される固定部631Dと、固定部631Dからホルダ62Dへ向けて第1方向に延びるアーム632Dとを有する。
アーム632Dの第1方向の先端には、アーム632Dの太さよりも大きい直径をもつ球状部633Dが設けられている。球状部633Dは、複数の爪部622Dにより、ホルダ62Dの内側の位置に保持される。これにより、図30のように、アーム632Dとホルダ62Dとが、互いに相対回転可能に接続される。すなわち、ICチップ61Dおよびホルダ62Dが、球状部633Dを中心として、相対回転可能となる。これにより、固定部631Dに対するICチップ61Dの電気的接触面611Dの位置を、第2方向に移動させることができる。したがって、現像カートリッジの離間動作時に、ICチップ61Dの電気的接触面611Dと電気コネクタとの接触状態を維持しながら、ケーシングおよび第1カバー45Dを第2方向に移動させることができる。
また、図28~図30の構造では、ホルダ62Dの爪部622Dと、ジョイント部材63Dのアーム632Dとが、第1方向に相対移動可能となる。したがって、ドロアユニットへの現像カートリッジの挿入時に、固定部631Dに対してICチップ61Dおよびホルダ62Dを、第1方向に移動させることができる。これにより、ICチップ61Dの電気的接触面611Dが擦れることを抑制しつつ、現像カートリッジを挿入できる。
なお、ジョイント部材63Dの固定部631Dと、爪部622Dとの間に、第1方向に伸縮するコイルばね等の弾性部材を介在させてもよい。また、第1カバー45Dと爪部622Dとの間に、第1方向に伸縮するコイルばね等の弾性部材を介在させてもよい。そうすれば、弾性部材の反発力によって、電気的接触面611Dを電気コネクタに、より良好に接触させることができる。
また、固定部631Dまたは第1カバー45Dに対して、アーム632Dを回転可能に接続してもよい。例えば、アーム632Dの両端に球状部を設け、その一方の球状部を、第1カバー45Dに設けられた複数の爪部で、回転可能に保持してもよい。このように、アーム632Dの両端部を回転可能に接続すれば、電気的接触面611Dの第2方向の位置を、より柔軟に変化させることができる。
<5-5.第5変形例>
図31は、第5変形例の現像カートリッジ1Eの部分斜視図である。図31の例では、ICチップ61Eを保持するホルダ62Eが、環状に延び、その端部同士が接続された板状の部材からなる。ホルダ62Eの材料には、例えば、可撓性を有する樹脂が用いられる。このため、図31の例では、ホルダ62E自体が第1方向に伸縮可能な弾性体となる。このようにすれば、ホルダ62Eの第1方向の両端部の間の距離を、変化させることができる。したがって、ドロアユニットに現像カートリッジ1Eを挿入するときに、ICチップ61Eの電気的接触面611Eが擦れることを抑制できる。
なお、図31の例では、ホルダ62Eの第1方向の伸縮のために、ホルダ62Eを複数の部材で構成する必要はない。また、ホルダ62Eに、ICチップ61Eを保持する部材とは別に、弾性部材を用いる必要もない。
図32は、第5変形例の第1カバー45EおよびICチップアセンブリ60Eの分解斜視図である。図32のように、第1カバー45Eは、第1方向に延びるボス451aEと、第1方向に延びるボス451bEとを有する。ボス451aEとボス451bEとは、第2方向に配列される。また、第1カバー45Eは、ボス451aE,451bEのそれぞれの先端同士を繋ぐ連結部455Eをさらに有する。
ホルダ62Eは、ボス451aEおよびボス451bEの周囲において、環状に延びている。そして、ホルダ62Eの両端部に設けられた爪部623E同士が、互いに噛み合っている。これにより、ホルダ62Eの内側に、第1方向に貫通する貫通孔621Eが形成される。そして、貫通孔621Eの内側に、ボス451aEおよびボス451bEが位置する。また、ホルダ62Eは、その内周面から貫通孔621Eへ向けて突出する板状部624Eをさらに有する。板状部624Eは、ボス451aEとボス451bEとの間に挿入される。
ボス451aEとボス451bEとの第2方向における間隔は、板状部624Eの第2方向の厚みよりも大きい。このため、ホルダ62Eは、板状部624Eと共に、ケーシング10Eおよび第1カバー45Eに対して、第2方向に相対移動することが可能である。ホルダ62Eが第2方向に移動すると、ホルダ62Eと共に、電気的接触面611Eを有するICチップ61Eも、第2方向に移動する。
また、貫通孔621Eの第1方向の大きさは、各ボス451aE,451bEの第1方向の大きさよりも大きい。このため、ホルダ62Eは、ケーシング10Eおよび第1カバー45Eに対して、第1方向に移動することが可能である。ホルダ62Eが第1方向に移動すると、ホルダ62Eと共に、電気的接触面611Eを有するICチップ61Eも、第1方向に移動する。
ドロアユニットに現像カートリッジ1Eが装着されると、ドロアユニットのガイドプレートに挟まれることによって、ホルダ62Eが第1方向に縮む。具体的には、ホルダ62Eの両端部に設けられた爪部623E同士が互いに近づくことで、爪部623E同士が離れる方向への付勢力が発生する。そして、ホルダ62Eが弾性変形した状態で、ICチップ61Eの電気的接触面611Eが、電気コネクタに接触する。付勢力により、電気的接触面611Eと電気コネクタとが、互いに接触した状態に固定される。また、離間動作時には、電気的接触面611Eと電気コネクタとが接触状態に保たれたまま、ケーシング10Eが第2方向に移動する。
このような構造でも、ドロアユニットへの現像カートリッジ1Eの装着時に、ケーシング10Eを第1方向に傾けたときに、貫通孔621Eの内部において、ボス451aE,451bEを第1方向に移動させることができる。また、現像カートリッジ1Eの装着後に、離間動作を実行したときに、貫通孔621E内において、ボス451aE,451bEを第2方向に移動させることができる。その結果、電気的接触面611Eと電気コネクタとの接触状態を良好に保ちながら、ケーシング10Eの位置を変化させることができる。
なお、第1カバー45Eに設けられるボスの数は、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
<5-6.第6変形例>
図33は、第6変形例の現像カートリッジ1Fおよびドラムカートリッジ80Fの斜視図である。図33の現像カートリッジ1Fは、ケーシング10F、現像ローラ30F、ICチップアセンブリ60F、および第1カバー45Fを備える。図33の例では、現像カートリッジ1Fが、ドロアユニットではなく、ドラムカートリッジ80Fに対して装着される。ドラムカートリッジ80Fは、1つの現像カートリッジ1Fを保持する1つの現像カートリッジ保持部81Fを有する。現像カートリッジ保持部81Fには、感光ドラム82Fが設けられている。現像カートリッジ1Fがドラムカートリッジ80Fに装着されると、現像カートリッジ1Fの現像ローラ30Fが、感光ドラム82Fに接触する。
図34は、現像カートリッジ1Fが装着されたドラムカートリッジ80Fを、画像形成装置100Fに装着する様子を示した図である。図34のように、現像カートリッジ1Fが装着されたドラムカートリッジ80Fは、画像形成装置100Fに設けられたドラムカートリッジ保持部101Fに対して、装着される。
このように、ドラムカートリッジ80Fに装着されるタイプの現像カートリッジ1Fにも、上記の実施形態または第1変形例から第5変形例までのICチップアセンブリと同等の構造を採用可能である。図35は、現像カートリッジ1FのICチップアセンブリ60F付近の分解斜視図である。図35に示すように、現像カートリッジ1FのICチップアセンブリ60Fは、記憶媒体であるICチップ61Fと、ICチップ61Fを保持するホルダ62Fとを有する。ホルダ62Fは、ケーシング10Fの第3方向の側部において、第1カバー45Fに保持される。
ホルダ62Fは、第1ホルダ部材71Fと、第2ホルダ部材72Fと、コイルばね73Fとを有する。コイルばね73Fは、第1方向に伸縮する弾性部材である。
第1ホルダ部材71Fは、ボス621aF、ボス621bF、およびボス621cFを有する。ボス621aFは、第1ホルダ部材71Fの第1カバー45Fと向かい合う面から第1カバー45Fへ向けて、第3方向に延びる。一方、第1カバー45Fは、貫通孔451Fを有する。貫通孔451Fは、第1カバー45Fを第3方向に貫通する。ボス621aFは貫通孔451aFに挿入される。
ボス621bFおよびボス621cFは、それぞれ、第1ホルダ部材71のケーシング10Fと向かい合う面からケーシング10Fへ向けて、第3方向に延びる。一方、ケーシング10Fは、凹部15aFおよび凹部15bFを有する。凹部15aFおよび凹部15bFは、それぞれ、ケーシング10Fの第1外表面11Fにおいて、第3方向に凹む。ボス621bFは、凹部15aFに挿入される。ボス621cFは、凹部15bFに挿入される。
貫通孔451Fの第2方向の大きさ(内寸)は、ボス621aFの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。凹部15aFの第2方向の大きさ(内寸)は、ボス621bFの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。また、凹部15bFの第2方向の大きさ(内寸)は、ボス621cFの第2方向の大きさ(外寸)よりも大きい。このため、ホルダ62Fは、ボス621aF、ボス621bF、およびボス621cFと共に、ケーシング10Fおよび第1カバー45Fに対して、第2方向に相対移動することが可能である。ホルダ62Fが第2方向に移動すると、ホルダ62Fと共に、電気的接触面611Fを有するICチップ61Fも、第2方向に移動する。
貫通孔451Fの第1方向の大きさ(内寸)は、ボス621aFの第1方向の大きさ(外寸)よりも大きい。凹部15aFの第1方向の大きさ(内寸)は、ボス621bFの第1方向の大きさ(外寸)よりも大きい。また、凹部15bFの第1方向の大きさ(内寸)は、ボス621cFの第1方向の大きさ(外寸)よりも大きい。このため、ホルダ62Fは、ボス621aF、ボス621bF、およびボス621cFと共に、ケーシング10Fおよび第1カバー45Fに対して、第1方向に相対移動することが可能である。ホルダ62Fが第1方向に移動すると、ホルダ62Fと共に、電気的接触面611Fを有するICチップ61Fも、第1方向に移動する。
また、図34に示すように、第2ホルダ部材72は、窪み625Fを有する。一方、ドラムカートリッジ80Fは、凸部83Fを有する。窪み625Fと凸部83Fとは、第1方向に対向する。窪み625Fの大きさは、ICチップ61Fから第1方向に離れるにつれて、漸次に拡大する。また、突部83Fの大きさは、第1方向の先端へ向かうにつれて漸次に収束する。
図34に示すように、画像形成装置100Fは、電気コネクタ102Fを有する。現像カートリッジ1Fが装着されたドラムカートリッジ80Fが画像形成装置100Fに挿入されると、第1ホルダ部材71Fが、画像形成装置100Fの部材に接触する。また、第2ホルダ部材72Fの窪み625Fに、ドラムカートリッジ80Fの凸部83Fが嵌まる。これにより、ドラムカートリッジ80Fに対する第2ホルダ部材72Fの位置が固定される。その結果、画像形成装置100Fの部材とドラムカートリッジ80とにホルダ62Fが挟まれることによって、コイルばね73Fが第1方向に縮む。また、画像形成装置100FにドラムカートリッジFがさらに挿入されると、ICチップ61Fの電気的接触面611Fが、電気コネクタ102Fに接触する。
ICチップ61Fは、コイルばね73Fの反発力を受けながら、電気コネクタ102Fに接触する。ホルダ62Fは、電気コネクタ102Fと凸部83Fとに挟まれる。これにより、画像形成装置100Fおよびドラムカートリッジ80Fに対して、ホルダ62Fが位置決めされる。
また、図35に示すように、第2ホルダ部材72Fは、爪部714Fを有する。爪部714Fは、第2ホルダ部材72Fから第1方向に対して交差する方向に突出する。図35の例では、爪部714Fが、第2ホルダ部材72Fから第3方向に突出する。一方、第1ホルダ部材71Fは、開口721Fを有する。爪部714Fは開口721Fに挿入される。これにより、第1ホルダ部材71Fが、第2ホルダ72Fから取り外されるのが防止される。
また、現像カートリッジ1Fのケーシング10Fは、第1リブ46Fおよび第2リブ55Fを有する。第1リブ46Fは、第1外表面11Fから第3方向に突出する。第2リブ55Fは、第2外表面12Fから第3方向に突出する。一方、このドラムカートリッジ80Fは、第1レバー84Fおよび第2レバー85Fを有する。離間動作時には、画像形成装置からの駆動力によって、第1レバー84Fおよび第2レバー85Fが操作される。すると、第1リブ46Fが第1レバー84Fに押される。また、第2リブ55Fが第2レバー85Fに押される。これにより、第1リブ46Fおよび第2リブ55Fの位置が変化する。その結果、現像カートリッジ1のケーシング10および現像ローラ30が、第2方向に移動して、感光ドラム92から遠ざかる。
上述の通り、この現像カートリッジ1Fも、ケーシング10Fに対するホルダ62Fの第2方向の位置を変化させることが可能である。したがって、電気コネクタ102Fに対する電気的接触面611Fの第2方向の位置を変えることなく、ケーシング10Fの第2方向の位置を変化させることができる。このため、電気的接触面611Fと電気コネクタ102Fとの接触状態を維持しつつ、離間動作を行うことができる。その結果、電気的接触面611Fの擦れを低減できる。
また、この現像カートリッジ1Fにおいても、電気的接触面611Fは、ケーシング10Fに対して、第1方向に移動することが可能である。したがって、画像形成装置100Fにドラムカートリッジ80Fを装着するときに、電気的接触面611Fの擦れを抑制できる。
<5-7.他の変形例>
上記の実施形態では、ホルダの外表面に、電気的接触面を有するICチップが固定されていた。しかしながら、ホルダの外表面には、電気コネクタと接触する電気的接触面のみを固定し、ICチップの電気的接触面以外の部分は、現像カートリッジの他の箇所に配置されていてもよい。
また、上記の実施形態では、第1ギア部および第2ギア部内の複数のギアが、互いに、ギア歯の噛み合いによって係合していた。しかしながら、第1ギア部および第2ギア部内の複数のギアは、摩擦力により互いに係合していてもよい。例えば、互いに係合する2つのギアの外周部に、複数のギア歯の代わりに、摩擦部材(例えばゴム)が設けられてもよい。
また、上記の実施形態の現像カートリッジ1は、画像形成装置が有するドロアユニットに対して装着されるものであった。しかしながら、本発明の現像カートリッジは、ドロアユニットを有さない画像形成装置の本体に対して装着されるものであってもよい。
また、現像カートリッジの細部の形状については、本願の各図に示された形状と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。