以下、本発明の一実施形態に係る現像剤収容容器及び画像形成装置について図面に基づいて説明する。
<画像形成装置の構造について>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の内部構造を概略的に示す図である。図1に示す画像形成装置100は、電子写真方式のいわゆるモノクロプリンターであるが、他の実施形態において、カラープリンター、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機やトナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。なお、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。
画像形成装置100は、シートSに画像を形成するための様々な装置を収容する筐体101を備える。筐体101は、筐体101の上面を規定する上壁102と、筐体101の底面を規定する底壁103と、上壁102と底壁103との間に立設された本体後壁105と、本体後壁105の前方に位置する本体前壁104と、を含む。この筐体101は、各種の装置が配置される本体内部空間107を画定する。筐体101の本体内部空間107には、シートSが所定の搬送方向に搬送されるシート搬送路PPが延設されている。
上壁102の中央部には、排紙部102Aが配置される。排紙部102Aは、上壁102の前方部分から後方部分にかけて、下方に傾斜した傾斜面からなる。排紙部102Aには、後記の画像形成部120において、画像が形成されたシートSが排出される。また、本体前壁104には、前カバー106(カバー部材)と、手差しトレイ104Aとが配置される。前カバー106及び手差トレイ104Aは、それぞれ下端側を支点として、上下に開閉可能である(図1の矢印DT)。手差しトレイ104Aは、前カバー106に対して回動可能とされている。手差しトレイ104Aは、上記支点となるトレイ支点部104Bを備える。前カバー106及び手差しトレイ104Aは、筐体101に対する閉状態において、本体前壁104の一部を構成する。
一方、上壁102の前端部102Bは、アーム108を支点として後方に回動可能とされている。上壁102の前端部102B及び前カバー106がそれぞれ開放されると、本体内部空間107が画像形成装置100の外側に露出する。この結果、後記の現像ユニット120Hやトナーコンテナ30が筐体101の内部に装着可能とされる。また、シート搬送路PPにおいてシートSが詰まった場合には、シートSが除去可能とされる。
また、画像形成装置100は、カセット110と、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、第2給紙ローラー114と、搬送ローラー115と、レジストローラー対116と、画像形成部120と、定着装置130と、を備える。
カセット110は、内部にシートSを収容する。カセット110は、リフト板111を備える。リフト板111は、シートSの先頭縁を押し上げるように傾斜する。カセット110は、筐体101に対して、前方に引き出し可能とされる。
ピックアップローラー112は、リフト板111によって押し上げられたシートSの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートSはカセット110から引き出される。第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112の下流に配設され、シートSを更に下流に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ104Aの支点の内側(後側)に配設され、手差トレイ104A上のシートSを筐体101内に引き込む。
搬送ローラー115は、第1給紙ローラー113、第2給紙ローラー114のシート搬送方向の下流に配設され、シートSを更に下流へ搬送する。レジストローラー対116は、シートSの斜め搬送を矯正する機能を有する。これにより、シートS上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、画像形成部120による画像形成のタイミングに合わせて、シートSを画像形成部120に供給する。
画像形成部120は、感光体ドラム121(像担持体)と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置20と、トナーコンテナ30(現像剤収容容器)と、転写ローラー126と、クリーニング装置127とを備える。なお、現像装置20及びトナーコンテナ30は、現像ユニット120Hとして、筐体101に対して一体的に着脱可能とされる。
感光体ドラム121は、円筒形状を有する。感光体ドラム121は、静電潜像が形成される表面を有するとともに、前記表面に該静電潜像に応じたトナー画像(現像剤像)を担持する。帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の表面を略一様に帯電させる。
露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の表面に、レーザー光を照射する。レーザー光は、画像形成装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の表面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。なお、図1に示すように、露光装置123は、支持フレーム100Hに支持されている。支持フレーム100Hは、筐体101の内部に配置されたフレームである。支持フレーム100Hは、後方に向かって先下がりの排紙部102Aに沿うように配置されている。なお、支持フレーム100Hの前端部には、フレーム前壁100H1が立設されている。フレーム前壁100H1は、排紙部102Aの直下において鉛直方向に延びる壁部である。フレーム前壁100H1は、トナーコンテナ30に対向して配置される。
現像装置20は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の表面にトナー(現像剤)を供給する。トナーコンテナ30は、内部にトナーを収容し、現像装置20へトナーを補給する。トナーコンテナ30は、現像装置20に対して着脱自在に配設されている。現像装置20がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の表面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の表面に、トナー画像(現像剤像)が形成される。
転写ローラー126は、感光体ドラム121の下方においてシート搬送路PPを挟んで感光体ドラム121に対向して配置される。転写ローラー126は、感光体ドラム121との間で転写ニップ部を形成し、トナー画像をシートSに転写させる。クリーニング装置127は、シートSへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の表面に残るトナーを除去する。
定着装置130は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に配置され、シートS上のトナー画像を定着させる。定着装置130は、シートS上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートSを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。
画像形成装置100は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された排出ローラー対134と、を更に備える。定着装置130による定着後のシートSは、搬送ローラー対133によって上方に搬送され、最終的に、排出ローラー対134によって、筐体101から排出される。筐体101から排出されたシートSは、排紙部102A上に積み重ねられる。
<現像ユニットの構造について>
次に、図2及び図3を参照して、現像ユニット120Hについて詳述する。図2は、画像形成装置100に備えられる現像ユニット120H及び本体ユニット150(筐体101の一部)の斜視図である。図3は、現像ユニット120H及び本体ユニット150の断面図である。
前述のように、現像ユニット120Hは、現像装置20と、トナーコンテナ30とを含む。現像ユニット120Hは、筐体101に対して、所定の着脱方向に沿って着脱可能とされる。この結果、トナーコンテナ30は、現像装置20と一体的に筐体101に装着されることが可能である。なお、先に、現像装置20が筐体101に装着されている場合には、トナーコンテナ30は、筐体101内の現像装置20に単独でも装着される。図1及び図2の矢印DAは、筐体101に対する現像ユニット120Hの装着方向を示している。
更に、画像形成装置100は、本体ユニット150を備える。この本体ユニット150は、筐体101の一部を構成する。本体ユニット150は、現像ユニット120Hの着脱をガイドする。前カバー106が筐体101に対して開放されると、本体ユニット150が筐体101の外部に露出する。現像ユニット120Hは、本体ユニット150の上方を通過するように、筐体101の本体内部空間107に装着される。本体ユニット150は、位置決め機構150S(図3)と、被係合部153(図2)と、ガイド面154(図2)と、を含む。
位置決め機構150Sは、本体ユニット150の左右方向の両端部に一対配置されている。位置決め機構150Sは、ユニット当接部151と、ユニット付勢ばね152と、を含む。ユニット当接部151は、筐体101に装着された現像ユニット120Hのハウジング被押圧部200K(図3)に当接する。ユニット付勢ばね152は、ユニット当接部151を後方に向かって付勢している。換言すれば、ユニット付勢ばね152を含む位置決め機構150Sは、筐体101内の現像位置に装着された現像ユニット120Hを後方に向かって付勢し、現像ユニット120Hの位置決めを行う。
ガイド面154は、本体ユニット150の上面部に形成されている。ガイド面154は、現像ユニット120Hの装着をガイドする機能を備えている。ガイド面154は、前方から後方に向かって先下がりの傾斜面を有する。また、ガイド面154のうち当該傾斜面の更に後端側は、水平面とされている。被係合部153は、ガイド面154よりも現像ユニット120Hの装着方向(図2の矢印DA方向)先端側に配置されている。被係合部153には、後記のロックレバー50のフック506が係合可能とされる。
<現像装置の構造について>
図2,3に加えて、図4を参照して、現像装置20について説明する。図4は、現像ユニット120Hを構成する現像装置20の斜視図である。現像装置20は、現像ハウジング200と、現像ローラー21Aと、当接ローラー211と、第1スクリュー212と、第2スクリュー213と、層厚規制部材214と、現像ローラーカバー215と、を備える。
現像ハウジング200は、現像装置20の各部材を支持するハウジングである。また、現像ハウジング200は、トナーコンテナ30を支持する機能を有する。図4を参照して、現像ハウジング200は、ハウジング左壁200Lと、ハウジング右壁200Rと、トナー補給口204(現像剤補給口)と、を含む。ハウジング左壁200L及びハウジング右壁200Rは、現像ハウジング200の左右方向の両端部から立設された壁部である。ハウジング左壁200Lとハウジング右壁200Rとの間に、トナーコンテナ30が装着される。
ハウジング右壁200Rは、右ガイド溝201Rと、ロック当接片202Sと、ロックボタン202と、を有する。ハウジング左壁200Lは、左ガイド溝201Lを有する。右ガイド溝201R及び左ガイド溝201Lは、それぞれ、ハウジング右壁200R及びハウジング左壁200Lに形成されたガイド溝である。これらのガイド溝は、現像ハウジング200に対するトナーコンテナ30の装着方向(図4の矢印DA)に沿って形成されている。トナーコンテナ30の後記の右ガイド311(図5)が、右ガイド溝201Rに進入する。また、トナーコンテナ30の左側面に形成された左ガイド301(図7)が、左ガイド溝201Lに進入される。
なお、後記のトナーコンテナ30は、現像ハウジング200の上方に挿入された後、図4の矢印DM方向(第1回動方向)に回動される。この結果、トナーコンテナ30の後記のトナー排出口30Pがトナー補給口204に対向し、トナーコンテナ30から現像装置20にトナーの補給が可能となる。なお、左ガイド溝201L及び右ガイド溝201Rの奥側は、左ガイド301及び右ガイド311の回転を許容するように、扇形形状とされている(図4)。現像装置20の現像ハウジング200に対するトナーコンテナ30の装着構造については、後記で更に詳述する。
ロック当接片202Sは、矢印DM方向(第1回動方向)に回動されたトナーコンテナ30をロックする。また、ロックボタン202が押圧されると、トナーコンテナ30のロックが解除され、トナーコンテナ30が図4の矢印DM方向とは逆方向に回動される。この結果、トナーコンテナ30が矢印DAとは反対の方向に現像装置20から脱離可能とされる。
現像ローラー21Aは、現像ハウジング200に回転可能に支持されている。現像ローラー21Aの回転軸心は、感光体ドラム121の回転軸心と平行である。現像ローラー21Aは、周面にトナーを含む現像剤を担持する。現像ローラー21Aは、感光体ドラム121にトナーを供給し、感光体ドラム121上の静電潜像を現像する。当接ローラー211は、現像ローラー21Aの軸方向の両端部に一対配置される。当接ローラー211は感光体ドラム121の表面に当接することで、現像ローラー21Aと感光体ドラム121との間の間隔を一定に保持する。
第1スクリュー212及び第2スクリュー213は、現像ハウジング200内において回転可能に支持された、軸部の周面に螺旋羽根が取り付けられてなるスクリューである。現像ハウジング200内の現像剤は、第1スクリュー212及び第2スクリュー213によって循環搬送される。また、現像ハウジング200内において、第2スクリュー213は、トナー補給口204に対向して配置されている。なお、現像剤は、第1スクリュー212によって現像ローラー21Aに供給される。
層厚規制部材214は、現像ローラー21A上に供給された現像剤の層厚を規制する。現像ローラーカバー215は、現像ハウジング200に対して揺動可能とされている。図2は、現像ローラーカバー215が現像ローラー21Aの上方に退避された状態を示している。図2に示される状態から現像ローラーカバー215が下方に揺動されると、現像ローラーカバー215は現像ローラー21Aを覆うことができる。従って、現像ユニット120Hが筐体101から脱離された際に、現像ローラー21Aに異物が付着することや、現像ローラー21A上のトナーによって周囲が汚れることが抑止される。
更に、現像装置20は、ロックレバー50を備える(図2、図4)。ロックレバー50は、現像装置20のハウジング左壁200Lに揺動可能に備えられている。ロックレバー50は、筐体101内において現像ユニット120H(現像装置20)を現像位置にロックするロック姿勢と、現像ユニット120Hのロックを解除するとともに、現像ユニット120Hが所定の着脱方向に沿って筐体101から脱離されることを許容する解除姿勢との間で姿勢変更が可能とされる。
ロックレバー50は、レバー本体501と、レバー被押圧部502と、レバー当接部503と、ガイド溝504と、支点部505と、フック506と、を含む。
レバー本体501は、ロックレバー50の本体部分である。レバー被押圧部502は、レバー本体501の上端部に設けられた平坦部である。レバー被押圧部502は、現像ユニット120Hが筐体101から脱離される前に、作業者によって押圧される。レバー当接部503は、ロックレバー50の前後方向の略中央部において、下方に向かって突出した円弧形状とされている。なお、現像ユニット120Hが筐体101内に装着されると、図2に示すように、レバー当接部503は本体ユニット150のガイド面154に対向して配置される。
ガイド溝504は、レバー当接部503の後方に開口された溝部である。ガイド溝504は、支点部505を中心とした円弧形状を形成するように開口されている。支点部505は、ロックレバー50の後端側に配置されている。支点部505は、現像ハウジング200のハウジング左壁200Lに回転可能に支持されている。支点部505は、ロックレバー50の揺動における支点となる。なお、前述のレバー当接部503は、支点部505とレバー被押圧部502との間に配置されている。フック506は、支点部505に対して、レバー被押圧部502とは反対側に配置されている。フック506は、本体ユニット150の被係合部153と係合可能とされている。図4に示すように、フック506は、支点部505から下方に向かって延びるとともに、その先端部が前方(現像ユニット120Hの装着方向後端側)に屈曲されている。
<トナーコンテナの構造について>
図2,3に加えて、図5を参照して、トナーコンテナ30について説明する。トナーコンテナ30は、内部にトナー(現像剤)を収容する。トナーコンテナ30は、コンテナ本体31(容器本体)と、コンテナカバー31Cとを備える。
コンテナ本体31は、左右方向に所定の長さを有し、当該左右方向に延びる形状とされている。すなわち、トナーコンテナ30が筐体101内の現像装置20に装着される際には、コンテナ本体31の長手方向が左右方向に沿うように配置される。コンテナ本体31は、内部にトナーを収容可能な容器状に構成され、本体部31Aと、蓋部31Bとを含む。本体部31Aは、コンテナ本体31の下方部分を画定し、上面部は開口されている。
蓋部31Bは、本体部31Aの開口部を塞ぐように、本体部31Aに固定される。本実施形態では、蓋部31Bは本体部31Aに溶着固定される。この際、本体部31Aの開口部の周縁に沿って形成されたコンテナフランジ31Fにおいて、本体部31Aと蓋部31Bとが固定される。蓋部31Bは、第1把持部31Dと、第2把持部31Eとを含む。トナーコンテナ30が現像装置20に装着される際、または、トナーコンテナ30及び現像装置20を含む現像ユニット120Hが筐体101に装着される際に、作業者は、第1把持部31D及び第2把持部31Eを把持することができる。
コンテナカバー31Cは、コンテナ本体31の右側部に装着される。コンテナカバー31Cは、右ガイド311と、伝達ギア310と、第1ロック係合部312と、第2ロック係合部313と、を含む。右ガイド311は、コンテナカバー31Cから突設された略直方体形状のガイドである。なお、図5には現れていないが、トナーコンテナ30の左側の側部にも、右ガイド311と同じ形状の左ガイド301が備えられている(図6参照)。これらのガイドは、トナーコンテナ30の現像装置20への装着をガイドする。伝達ギア310は、後記のコンテナパドル30Kに回転駆動力を伝達するギアである。第1ロック係合部312及び第2ロック係合部313は、コンテナカバー31Cから突設された突起である。第1ロック係合部312及び第2ロック係合部313については、後記で詳述する。
更に、トナーコンテナ30は、コンテナスクリュー33と、コンテナパドル30Kと、を備える(図3)。
コンテナスクリュー33は、コンテナ本体31の内部に設けられた、軸部の周面に螺旋羽根が取り付けられてなるスクリューである。コンテナスクリュー33は、コンテナ本体31における本体部31Aの底面部に沿って左右方向に延びるように、本体部31Aに回転可能に支持されている。コンテナスクリュー33は、コンテナ本体31の内部において、当該コンテナ本体31の左右方向の両端部間にわたって延びる。コンテナスクリュー33は、回転されることにより、コンテナ本体31内のトナーを、本体部31Aの底面部に形成された後記のトナー排出口30P(図7)に向かって搬送する。コンテナ本体31に支持された後記のコンテナシャッター32(図6)がスライド移動されるとトナー排出口30Pが開放され、トナーコンテナ30からトナーが排出可能とされる。
コンテナパドル30Kは、コンテナ本体31の内部において、本体部31Aに回転可能に支持され、コンテナ本体31内に収容されたトナーを撹拌する。本実施形態では、コンテナパドル30Kの回転軸心は、左右方向に延びており、感光体ドラム121の回転軸心と平行である。コンテナパドル30Kは、コンテナカバー31Cに設けられた伝達ギア310を介して回転駆動力が伝達されることにより、回転する。
更に、図6乃至図12Cを参照して、トナーコンテナ30について詳述する。図6は、トナーコンテナ30の斜視図である。図7は、トナーコンテナ30においてコンテナシャッター32が取り外された状態の斜視図である。図8Aは、トナーコンテナ30におけるコンテナシャッター32の近傍を拡大して示す斜視図であり、トナー排出口30Pがコンテナシャッター32によって封止された状態を示す。図8Bは、トナーコンテナ30におけるコンテナシャッター32の近傍を拡大して示す斜視図であり、トナー排出口30Pが開放された状態を示す。図9A及び図9Bは、トナーコンテナ30の外側からコンテナシャッター32を見た斜視図である。図9Cは、トナーコンテナ30の内側からコンテナシャッター32を見た斜視図である。図10は、コンテナシャッター32におけるシャッター本体32Aの斜視図である。図11A及び図11Bは、コンテナシャッター32におけるシャッターストッパー32Bの斜視図である。図12A及び図12Bは、現像装置20にトナーコンテナ30が装着される様子を示す斜視図である。図12Cは、現像装置20にトナーコンテナ30が装着された様子を示す斜視図である。
まず、図12Aを参照して、現像装置20は、ハウジング右壁200Rとハウジング左壁200Lとの間に、コンテナ装着部20Hを備える。コンテナ装着部20Hには、トナーコンテナ30が装着される。トナーコンテナ30は、左ガイド溝201L及び右ガイド溝201Rによって装着方向(図12Aの矢印DA方向)に沿ってガイドされながらコンテナ装着部20Hに装着される(図12B)。なお、現像装置20の現像ハウジング200におけるコンテナ装着部20Hへトナーコンテナ30が装着されたときの、図12Bに示されるコンテナ本体31の姿勢が、第1姿勢と定義される。この第1姿勢では、コンテナ本体31に形成される後記のトナー排出口30Pが、現像装置20のトナー補給口204の上方に離間して配置され、トナー排出口30Pとトナー補給口204とは未だ連通していない。
そして、トナーコンテナ30のコンテナ本体31は、図12Bの第1姿勢から、コンテナパドル30Kの軸心回りに所定の一方向(第1回動方向、図12Bの矢印DM方向)に回動され、図12Cに示される姿勢に姿勢変更される。このコンテナ本体31が第1回動方向に回動された状態の、図12Cに示される姿勢が、第2姿勢と定義される。この第2姿勢では、コンテナ本体31に形成されるトナー排出口30Pと現像装置20のトナー補給口204とが連通し、これによって現像装置20へのトナー補給が可能となる。すなわち、トナーコンテナ30においてコンテナ本体31は、現像装置20のコンテナ装着部20Hへの装着時の第1姿勢(図12Bの姿勢)と、当該第1姿勢から第1回動方向に回動された第2姿勢(図12Cの姿勢)との間で、姿勢変更が可能である。
更に、トナーコンテナ30は、コンテナシャッター32(図6)と、トナー排出口30P(図7)(現像剤排出口)と、左ガイド301(図6)と、パドル軸受部302(図12B)と、コンテナシャッター押圧部305(図7)と、弾性片押圧部306(図7)と、ガイドリブ307(図7)と、排出突起部308(図7)と、コンテナシャッターロックリブ309(図7)と、伝達ギア310(図7)と、右ガイド311(図7)と、第1ロック係合部312と、第2ロック係合部313と、を備える。
トナー排出口30Pは、コンテナ本体31における本体部31Aの底面部の右端側に開口された開口部である。詳しくは、トナー排出口30Pは、本体部31Aの底面部から更に円弧形状をもって突設された排出突起部308の周面において、略矩形形状に開口されている。トナーコンテナ30の内部に収容されたトナーは、トナー排出口30Pから排出され、現像装置20に供給される。
左ガイド301は、本体部31Aの左側面において、所定の方向に延びるように長手形状をもって形成された突起であり、トナーコンテナ30の現像装置20に対する装着方向(図12Aの矢印DA方向)を規制する。なお、左ガイド301の内部は空洞とされている。パドル軸受部302は、左ガイド301の内部に配置された軸受部である。パドル軸受部302は、コンテナパドル30Kを回転可能に軸支する。なお、右ガイド311の内部にも、左ガイド301側のパドル軸受部302と同様の軸受部が配置されており、伝達ギア310に隣接してコンテナパドル30Kの軸部を軸支している。
コンテナシャッター押圧部305は、トナーコンテナ30の長手方向(左右方向)において、トナー排出口30Pが形成された排出突起部308を挟むように突設された一対のリブである。なお、コンテナシャッター押圧部305はトナー排出口30Pよりも、装着時におけるコンテナ本体31の第1回動方向(図12Bの矢印DM)下流側に配置されている。一対のコンテナシャッター押圧部305は、それぞれ第1回動方向に沿って延びるとともに、先端部(コンテナシャッター押圧片305S)がトナーコンテナ30の長手方向に沿うように(左右方向にそれぞれ広がるように)屈曲された形状を有している。コンテナシャッター押圧片305Sは、後記の本体シャッター22を押圧するとともに、本体シャッター22によって押圧される機能を有する。
弾性片押圧部306は、コンテナシャッター押圧部305のコンテナシャッター押圧片305Sに隣接して、本体部31Aから突設された一対の突片である。一対の弾性片押圧部306は、左右方向において一対のコンテナシャッター押圧部305を挟むように配置されている。弾性片押圧部306は、前述のコンテナ本体31の第1回動方向に沿って延びるように配置され、トナー排出口30Pから離れるに従って突出高さが高くなるような段差形状を有している。弾性片押圧部306は、後記のシャッターストッパー32Bの弾性片32B5に対向し、弾性片32B5を押圧する機能を有する。
ガイドリブ307は、本体部31Aから突設され、コンテナシャッター押圧部305に連結された円弧状の一対のリブ部材である。ガイドリブ307は、コンテナ本体31の第1回動方向に沿って延びるように形成されている。一対のガイドリブ307は、トナー排出口30Pを左右方向において挟むように配置されている。また、ガイドリブ307は、トナー排出口30Pに対してコンテナシャッター押圧片305Sとは反対側に長く延びており、その先端部は、コンテナフランジ31Fに対向して配置されている。なお、一対のガイドリブ307の外周部は、それぞれ左右方向に屈曲されており、所定の幅を有している。コンテナ本体31においてガイドリブ307は、コンテナシャッター32を所定の軸心回りにスライド移動可能に支持する。
コンテナシャッターロックリブ309は、排出突起部308の左右の側縁からコンテナ本体31の回動方向に沿って延びる一対のリブである。より詳しくは、一対のコンテナシャッターロックリブ309は、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外される際のコンテナ本体31の回動方向(第1回動方向とは逆方向である第2回動方向、図8Bの矢印DN)に向かって、排出突起部308の側縁から延びている。コンテナシャッターロックリブ309には、爪状の段差部である被係合部309Sが形成されている。このコンテナシャッターロックリブ309の被係合部309Sは、コンテナ本体31においてトナー排出口30Pに近設され、後記のシャッターストッパー32Bのストッパー係合片32B4が係合可能とされる。
伝達ギア310は、トナーコンテナ30の右側の側面に回転可能に支持された回転ギアである。伝達ギア310は、コンテナパドル30Kに回転駆動力を伝達する機能を有する。トナーコンテナ30が現像装置20に装着されると、現像装置20の不図示のギア群が伝達ギア310に連結され、伝達ギア310に回転駆動力が入力される。
第1ロック係合部312は、コンテナカバー31Cの右側面において、右ガイド311に対して間隔をおいて、コンテナカバー31Cから突設された突起である。同様に、第2ロック係合部313は、コンテナカバー31Cから突設された突起である。第1ロック係合部312及び第2ロック係合部313は、現像装置20のロック当接片202Sに係合可能とされる。
図8A乃至図11Bを参照して、コンテナシャッター32について説明する。コンテナシャッター32は、トナー排出口30Pに対して、コンテナ本体31の姿勢変更に応じたスライド移動が可能に、コンテナ本体31に支持され、トナー排出口30Pを封止または開放する(図8A、図8B)。この際、コンテナシャッター32は、コンテナ本体31のガイドリブ307に沿って、スライド移動する。コンテナシャッター32は、シャッター本体32Aと、シャッターストッパー32B(回動部材)と、軸移動規制部32Cと、を備える。
シャッター本体32Aは、コンテナ本体31の周面に沿うような曲面状に形成された、略矩形板状の部材である。シャッター本体32Aは、トナー排出口30Pを封止する封止面を有する。シャッター本体32Aは、シャッタープレート部32A1と、被押圧片支持部32A2と、ストッパー軸支部32A3と、弾性片支持部32A4と、シャッター孔部32A6と、シャッター当接部32A7と、シャッター係合片32A8と、コンテナシャッターシート320と、被ガイド面321と、被ガイド片322と、を備える。
シャッタープレート部32A1は、シャッター本体32Aの本体部分であり、略矩形形状の板状部材である。コンテナシャッターシート320は、シャッター本体32Aのシャッタープレート部32A1において、トナー排出口30Pを封止する封止面に貼り付けられたシート部材である。本実施形態では、コンテナシャッターシート320は樹脂製のフィルム部材からなる。
被ガイド面321は、シャッタープレート部32A1と後記の弾性片支持部32A4との間において、シャッタープレート部32A1よりも段差をもって配置された面である。また、被ガイド片322は、被ガイド面321の第1回動方向(図9Cの矢印DM方向)の上流側及び下流側において、弾性片支持部32A4の底面から突設された一対の突起である。被ガイド面321と被ガイド片322との間には、第1回動方向(図9Cの矢印DM方向)に沿って延びる空間部が形成されている。トナーコンテナ30のガイドリブ307の一端が、図9Cのガイド挿入口32Tから当該空間部に挿入されることで、コンテナシャッター32がコンテナ本体31に装着される。この結果、コンテナシャッター32がコンテナ本体31においてスライド移動可能とされる。
被押圧片支持部32A2は、シャッタープレート部32A1の封止面(コンテナシャッターシート320が貼り付けられた面)とは反対側の裏面において、長手方向(左右方向)の中央部から突設された一対の突片である。一対の被押圧片支持部32A2の間に、後記のシャッターストッパー32Bのストッパー被押圧片32B2が配置される。これにより、一対の被押圧片支持部32A2は、ストッパー被押圧片32B2を支持する。
ストッパー軸支部32A3は、シャッタープレート部32A1の封止面とは反対側の裏面において、一対の被押圧片支持部32A2の長手方向外側に配置される一対の軸受部である。ストッパー軸支部32A3は、後記のストッパー支点部32B3における一対のストッパー軸部32B31を回動可能に軸支する。弾性片支持部32A4は、一対のストッパー軸支部32A3の長手方向外側に配置される一対の溝部である。それぞれの弾性片支持部32A4は、シャッタープレート部32A1と面一の底面と、一対の側壁とによって形成されている。そして、弾性片支持部32A4の内部に、後記のシャッターストッパー32Bの弾性片32B5が収容される。これにより、弾性片支持部32A4は、弾性片32B5を支持する。
シャッター孔部32A6は、シャッタープレート部32A1を貫通するように開口された一対の細長の孔部である。なお、シャッター孔部32A6は、シャッタープレート部32A1のうち第2回動方向(図9Cの矢印DN方向)の先端部に開口されている。シャッター当接部32A7は、一対のシャッター孔部32A6の間に形成された細長の突片であり、その長手方向の両端部は、第1回動方向(図9Cの矢印DM方向)下流側に屈曲されている。シャッター当接部32A7は、コンテナシャッター32の第2回動方向への移動を規制する機能を有している。シャッター係合片32A8は、長手方向において、シャッタープレート部32A1と一対の弾性片支持部32A4との間から突設された一対の突片である。シャッター係合片32A8は、略三角形状からなる。シャッター係合片32A8は、現像装置20の後記のコンテナシャッター固定部207(図12B)に係合可能とされる。
シャッターストッパー32Bは、シャッター本体32Aにおけるシャッタープレート部32A1の封止面(コンテナシャッターシート320が貼り付けられた面)とは反対側の裏面に装着される回動部材である。シャッターストッパー32Bは、ストッパープレート32B1と、ストッパー被押圧片32B2と、ストッパー支点部32B3と、ストッパー係合片32B4と、弾性片32B5と、を備える。
ストッパープレート32B1は、シャッターストッパー32Bの本体部分であり、略矩形形状の板状部材である。ストッパー支点部32B3は、ストッパープレート32B1の長手方向の端部付近から突設された一対の突片である。この一対のストッパー支点部32B3の先端部には、僅かに突出した一対のストッパー軸部32B31が設けられている。一対のストッパー軸部32B31は、シャッター本体32Aの一対のストッパー軸支部32A3にそれぞれ挿入され、軸支される。
シャッターストッパー32Bは、一対のストッパー軸部32B31を中心とした回動が可能となるように、シャッター本体32Aの裏面に装着される。そして、シャッターストッパー32Bは、コンテナシャッター32のスライド移動を規制するスライド移動規制位置と、コンテナシャッター32のスライド移動を許容するスライド移動許容位置との間で回動する。シャッター本体32Aに対して回動したシャッターストッパー32Bがスライド移動規制位置に配置された状態では、当該シャッターストッパー32Bによってコンテナシャッター32がスライド移動することが規制される。また、シャッター本体32Aに対して回動したシャッターストッパー32Bがスライド移動許容位置に配置された状態では、当該シャッターストッパー32Bによってコンテナシャッター32がスライド移動することが許容される。これにより、コンテナ本体31における本体部31Aの底面部に形成されたトナー排出口30Pが安定してコンテナシャッター32によって封止及び開放される。
ストッパー係合片32B4は、ストッパープレート32B1の長手方向の両端部から突設された一対の突片である。ストッパー係合片32B4は、略三角形形状とされている。ストッパー係合片32B4は、第1回動方向(図9Aの矢印DM方向)において、ストッパー支点部32B3に連結されている。ストッパー係合片32B4は、コンテナ本体31におけるコンテナシャッターロックリブ309の被係合部309Sに係合可能とされる。
シャッターストッパー32Bでは、前記スライド移動規制位置においてストッパー係合片32B4が被係合部309Sと係合し、前記スライド移動許容位置においてストッパー係合片32B4と被係合部309Sとの係合が解除される。換言すると、シャッターストッパー32Bがスライド移動規制位置に配置された状態において、ストッパー係合片32B4が被係合部309Sと係合することにより、コンテナシャッター32のスライド移動が規制される。また、シャッターストッパー32Bがスライド移動許容位置に配置された状態において、ストッパー係合片32B4と被係合部309Sとの係合が解除されることにより、コンテナシャッター32のスライド移動が許容される。
ストッパー被押圧片32B2は、ストッパープレート32B1の長手方向の中央部から突設された突片である。なお、ストッパー被押圧片32B2は、ストッパープレート32B1から第1回動方向(図9Aの矢印DM方向)下流側に突出している。シャッターストッパー32Bにおいて、ストッパー被押圧片32B2は、一対のストッパー軸部32B31に対してストッパー係合片32B4とは反対側に配設される。そして、前述のように、ストッパー被押圧片32B2は、シャッター本体32Aの一対の被押圧片支持部32A2の間に配置される。ストッパー被押圧片32B2は、トナーコンテナ30が現像装置20のコンテナ装着部30Hに装着された際に、現像ハウジング200に設けられる後記のストッパー押圧部206(図12B)から押圧力が付与される。このように、ストッパー被押圧片32B2に押圧力が付与されることにより、シャッターストッパー32Bは、スライド移動規制位置からスライド移動許容位置へ回動する。
弾性片32B5は、シャッターストッパー32Bの長手方向両端部に設けられた一対の細長状の突片である。弾性片32B5の先端側は、第1回動方向(図9Aの矢印DM方向)に延びた自由端とされている。
一対のストッパー軸部32B31が一対のストッパー軸支部32A3に挿入され、シャッター本体32Aとシャッターストッパー32Bとが一体とされると、一対のストッパー係合片32B4がシャッター孔部32A6に挿入される(図9C)。更に、一対の弾性片32B5は、弾性片支持部32A4の内部に収容される。この際、図9Cに示すように、弾性片32B5の先端部は、シャッター本体32Aの封止面側に露出している。
軸移動規制部32Cは、シャッターストッパー32Bにおける一対のストッパー軸部32B31の軸方向への移動を規制する。この軸移動規制部32Cによって、シャッターストッパー32Bにおける一対のストッパー軸部32B31がシャッター本体32Aにおける一対のストッパー軸支部32A3から脱離することが、抑止される。換言すると、軸移動規制部32Cは、コンテナシャッター32のスライド移動を規制または許容する機能を有するシャッターストッパー32Bが、シャッター本体32Aから脱離することを、抑止する。従って、コンテナ本体31に形成されたトナー排出口30Pに対するコンテナシャッター32の封止及び開放の安定性を向上させることができる。
本実施形態では、軸移動規制部32Cは、一対の軸移動規制突片32C1と、一対の軸移動規制突起32C2とから構成される。一対の軸移動規制突片32C1は、図10に示されるように、シャッター本体32Aにおけるシャッタープレート部32A1の封止面(コンテナシャッターシート320が貼り付けられた面)とは反対側の裏面において、一対のストッパー軸支部32A3から長手方向に離間して対向するように突設される突片である。一対の軸移動規制突起32C2は、図11A及び図11Bに示されるように、シャッターストッパー32Bにおける一対のストッパー軸部32B31の各々から突出した突起である。この一対の軸移動規制突起32C2は、一対のストッパー軸支部32A3と一対の軸移動規制突片32C1とによってそれぞれ挟持される。
更に詳しく説明すると、一対の軸移動規制突起32C2は、それぞれ、第1突起部32C21と第2突起部32C22とを有する。一対の軸移動規制突起32C2における第1突起部32C21は、矩形形状に形成され、シャッターストッパー32Bにおける一対のストッパー軸部32B31がシャッター本体32Aにおける一対のストッパー軸支部32A3に軸支された状態において、一対のストッパー軸支部32A3と一対の軸移動規制突片32C1との間に配置される。一対の軸移動規制突起32C2における第2突起部32C22は、矩形形状に形成され、第1突起部32C21の端縁から直交する方向に延びる。
軸移動規制部32Cでは、一対のストッパー軸部32B31が一対のストッパー軸支部32A3に軸支された状態において、一対の軸移動規制突起32C2が、一対のストッパー軸支部32A3と一対の軸移動規制突片32C1とによってそれぞれ挟持されることにより、シャッターストッパー32Bにおける一対のストッパー軸部32B31の軸方向への移動を規制する。
<現像装置に対するトナーコンテナの着脱について>
次に、図12A乃至図12Cに加え、図13乃至図18Bを参照して、現像装置20に対するトナーコンテナ30の装着について説明する。図13は、現像装置20の分解斜視図である。図14A及び図14Bは、現像装置20の一部を拡大して示す斜視図である。図15は、現像装置20にトナーコンテナ30が装着される様子を示す斜視図である。図16A乃至図16Cは、現像装置20にトナーコンテナ30が装着される様子を示す断面図である。図17は、現像装置20にトナーコンテナ30が装着された様子を示す斜視図である。図18A及び図18Bは、図17の状態における現像装置20の断面図である。
まず、現像装置20における現像ハウジング200は、ストッパー押圧部206(図12B)と、コンテナシャッター固定部207(図12B)と、シャッタースプリング208(図4)と、を備える。
ストッパー押圧部206は、トナー補給口204の後方に隣接して、現像ハウジング200の天板から突設された突起部である。ストッパー押圧部206は、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際に、コンテナシャッター32におけるシャッターストッパー32Bのストッパー被押圧片32B2を押圧する機能を有している。
コンテナシャッター固定部207は、左右方向において、ストッパー押圧部206を挟むように現像ハウジング200の天板から突設された一対の突起部である。左右方向と交差する断面視において、コンテナシャッター固定部207は略台形形状に形成される。また、コンテナシャッター固定部207のうち、前側の側面には、楔形状の切欠き部が形成されている。トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着された際に、当該切欠き部には、コンテナシャッター32におけるシャッターストッパー32Bのシャッター係合片32A8が係合する。この結果、コンテナシャッター固定部207は、コンテナシャッター32を固定し、コンテナシャッター32の回動を規制する。
シャッタースプリング208は、一対のコンテナシャッター固定部207の左右方向の外側に配置された一対のばね部材である。シャッタースプリング208は、前後方向に延びるように配置されている。シャッタースプリング208の一端は、現像ハウジング200の天板に係止されている。また、シャッタースプリング208の他端は、本体シャッター22(図4)に係止されている。本体シャッター22は、トナー補給口204に対してスライド移動可能に現像ハウジング200に支持されている。本体シャッター22は、トナー補給口204を封止または開放する。
前述のシャッタースプリング208は、本体シャッター22がトナー補給口204を封止する方向に、本体シャッター22を付勢している。従って、図12Aに示すように、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外された状態において、本体シャッター22はシャッタースプリング208の付勢力を受けてトナー補給口204を封止する。
更に、図13を参照して、現像ハウジング200のハウジング右壁200Rは、ロックガイド溝201S及びロック係止片201Tを備える。ロックガイド溝201Sは、ハウジング右壁200Rのうち、右ガイド溝201Rよりも前方に形成された溝部である。ロック係止片201Tは、ハウジング右壁200Rの前側部において、ロックガイド溝201Sに突出するように形成された一対の爪部である。更に、現像装置20は、ロック付勢ばね201Uを備える。ロック付勢ばね201Uは、ロックガイド溝201Sの内部に配置され、ロックボタン202を前方に向かって付勢するコイルばねである。また、前述のロック当接片202Sは、ロックボタン202から左方に向かって突設された突起である。ロック当接片202Sは、トナーコンテナ30を各姿勢にロックする機能を有している。また、ロックボタン202は、当該トナーコンテナ30のロックを解除する機能を有している。
更に、図14Aを参照して、ハウジング右壁200Rの左側面には、ガイド開口部201Vが開口されている。ガイド開口部201Vは、トナーコンテナ30の装着方向(図14Aの矢印DA方向)に対して僅かなに交差する方向に沿って形成された長穴である。ロック付勢ばね201Uを圧縮しながら、ロックボタン202がロックガイド溝201Sに挿入されるとともに、ロック当接片202Sがガイド開口部201Vに嵌め込まれる。この際、ロック付勢ばね201Uの付勢力によって、ロックボタン202の前面部がハウジング右壁200Rの前側部から僅かに突出した状態で、ロックボタン202が停止する。ロックボタン202の脱離は、ロック係止片201Tによって防止される。使用者がロック付勢ばね201Uの付勢力に抗してロックボタン202を押圧すると、図14Bに示すように、ロック当接片202Sがガイド開口部201Vの前端部から後端部に移動する。
前述のように、本実施形態では、現像装置20が先に筐体101に装着された状態で、トナーコンテナ30が単独で現像装置20に着脱可能とされている。このため、トナーコンテナ30内のトナーが空になった場合でも、容易にトナーコンテナ30を交換することが可能となる。トナーコンテナ30が現像装置20に装着されるまでの間は、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pを封止する位置から誤ってスライド移動されると、トナー排出口30Pからトナーが漏れ出してしまう。本実施形態では、トナーコンテナ30単体の状態であり、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pを封止している状態では、シャッターストッパー32Bがシャッター本体32Aに対してスライド移動規制位置に配置された状態とされている。このため、シャッターストッパー32Bによってコンテナシャッター32がトナー排出口30Pからスライド移動することが規制されている。
すなわち、コンテナシャッター32がトナー排出口30Pを封止し、シャッターストッパー32Bがスライド移動規制位置に配置された状態において、シャッター孔部32A6を貫通したストッパー係合片32B4が、コンテナ本体31側のコンテナシャッターロックリブ309の被係合部309Sと係合することにより、コンテナシャッター32のトナー排出口30Pに対するスライド移動を規制している。そして、弾性片支持部32A4からシャッター本体32Aの封止面側に露出した弾性片32B5の先端部は、弾性片押圧部306に対向して配置される。
誤ってストッパー被押圧片32B2が押圧された場合、弾性片32B5は弾性片押圧部306によってトナーコンテナ30の径方向外側に向かって僅かに付勢され、弾性変形する。弾性片32B5の先端部がこのように付勢され弾性変形することにより、シャッターストッパー32Bでは、一対のストッパー支点部32B3を支点として、ストッパー係合片32B4側がコンテナシャッターロックリブ309の被係合部309Sに強く係合する方向に付勢力が付与される。従って、トナーコンテナ30が単体で保管、輸送される際には、弾性片32B5の弾性力によって、コンテナシャッター32がガイドリブ307に沿ってスライド移動することが防止される。この結果、トナー排出口30Pが安定してコンテナシャッター32によって封止される。
前カバー106の開状態において、画像形成装置100の使用者によって、トナーコンテナ30が筐体101内の現像装置20に装着される。このとき、使用者は、図15のトナーコンテナ30の上側に位置する第2把持部31Eの周辺に人差し指から中指までを引っ掛け、トナーコンテナ30の第1把持部31Dに親指を引っ掛けることで、トナーコンテナ30を容易に把持することができる。使用者によってトナーコンテナ30の左ガイド301及び右ガイド311がそれぞれ左ガイド溝201L及び右ガイド溝201Rに挿入されることにより、トナーコンテナ30は、左ガイド溝201L及び右ガイド溝201Rによって装着方向(図15の矢印DA方向)に沿ってガイドされながらコンテナ装着部20Hに装着される。これにより、トナーコンテナ30は、図15、図16A乃至図16Cに示される第1姿勢で、コンテナ装着部20Hに装着される。前述したように、この第1姿勢では、トナーコンテナ30のトナー排出口30Pが、現像装置20のトナー補給口204の上方に離間して配置され、トナー排出口30Pとトナー補給口204とは未だ連通していない(図16C)。
この際、図12Bに示すように、現像ハウジング200のストッパー押圧部206が一対の被押圧片支持部32A2の間に配置されたストッパー被押圧片32B2を押圧する。これにより、シャッターストッパー32Bが一対のストッパー軸部32B31を中心に、スライド移動規制位置からスライド移動許容位置へ回動する。具体的には、一対のストッパー係合片32B4がコンテナシャッターロックリブ309の被係合部309Sから脱離され、両者の係合が解除される(図16B)。この結果、シャッターストッパー32Bによってコンテナシャッター32のコンテナ本体31に対するスライド移動が許容される。このとき、軸移動規制部32Cによって、シャッターストッパー32Bにおける一対のストッパー軸部32B31の軸方向への移動が規制されている。これにより、シャッターストッパー32Bにおける一対のストッパー軸部32B31がシャッター本体32Aにおける一対のストッパー軸支部32A3から脱離することが、抑止されている。
一方、図15の第1姿勢をもってトナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されると、コンテナシャッター32の一対のシャッター係合片32A8が、コンテナシャッター固定部207の楔形の切欠き部に係合する(図12B)。この結果、コンテナシャッター32がコンテナシャッター固定部207に固定される。この後、使用者によって、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が、図15の第1姿勢から、コンテナパドル30Kの軸心回りに第1回動方向(図15の矢印DM方向)に回動される。
コンテナシャッター固定部207に固定されたコンテナシャッター32に対し、コンテナ本体31が第1回動方向に回動され、第1姿勢から図17乃至図18Bに示される第2姿勢に姿勢変更されると、コンテナ本体31に形成されたトナー排出口30Pがコンテナシャッター32に対してスライド移動される。前述したように、この第2姿勢では、トナーコンテナ30のトナー排出口30Pと現像装置20のトナー補給口204とが連通する(図18B)。これにより、トナーコンテナ30から現像装置20へのトナー補給が可能となる。
なお、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が第1姿勢から第1回動方向に回動される際には、シャッターストッパー32Bの弾性片32B5の先端部を押圧していたコンテナ本体31の弾性片押圧部306が、弾性片32B5から離間する。このため、トナー排出口30Pの開放状態では、弾性片32B5に強い力が付与され続けることが抑止され、弾性片32B5の塑性変形が防止される。
また、トナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されていない状態では、本体シャッター22がトナー補給口204を封止している。そして、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が前述のように第1回動方向に回動され、第1姿勢から第2姿勢に姿勢変更されると、シャッタースプリング208(図4)の付勢力に抗して、トナーコンテナ30のコンテナシャッター押圧片305S(図7)が本体シャッター22を第1回動方向に押圧する。この結果、本体シャッター22がトナーコンテナ30のコンテナ本体31とともに第1回動方向にスライド移動し、図18Bに示すように、トナー補給口204が開放される。従って、トナー排出口30Pとトナー補給口204とが上下方向において連通することが可能となる。
図15に示すように、第1姿勢をもってトナーコンテナ30がコンテナ装着部20Hに装着されると、図16Aに示すように、ロック当接片202Sが第2ロック係合部313に当接する。この後、使用者によってトナーコンテナ30のコンテナ本体31が第1回動方向に回動されると、ロック当接片202Sは第2ロック係合部313に摺擦しながら、やがて、第2ロック係合部313から離間する。その後、ロック当接片202Sは、第1ロック係合部312の傾斜面312Aと摺動した後、図18Aに示すように、第1ロック係合部312の下方において、第1ロック係合部312と係合される。この結果、ロック当接片202Sが、トナーコンテナ30を第2姿勢にロックする(図18B)。このロック状態では、シャッタースプリング208(図4)の付勢力が、本体シャッター22を介してトナーコンテナ30のコンテナシャッター押圧部305に及んでも、ロック当接片202Sによってトナーコンテナ30の回動が規制される。このため、トナーコンテナ30の第2回動方向への回動、すなわち、トナーコンテナ30が第2姿勢から第1姿勢に姿勢変更することが抑止される。
一方、トナーコンテナ30内のトナーが空になったことが、不図示のセンサーによって検知されると、プリンター100の不図示の表示部には、トナーコンテナ30の交換表示が報知される。使用者が、ロックボタン202を押圧すると、ロック当接片202Sがガイド開口部201Vに沿って、後方に移動する(図14B)。この結果、図18Aの矢印DRで示すように、ロック当接片202Sが第1ロック係合部312から後方に離間し、ロック当接片202Sと第1ロック係合部312との係合が解除される。このため、ロック押圧部312を規制していた規制力が失われ、トナーコンテナ30のロックが解除される。本体シャッター22にはシャッタースプリング208の付勢力が付与されているため、本体シャッター22がトナーコンテナ30のコンテナシャッター押圧部305を押圧しながら、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が第2回動方向に回動する(図17の矢印DN)。この結果、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が、シャッタースプリング208の付勢力によって、自動的に第2姿勢から第1姿勢に姿勢変更する。
なお、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が第2回動方向に回動する際、ロック当接片202Sは、ロック付勢ばね201Uの付勢力によって、第1ロック係合部312の傾斜面312Aに付勢される。第1ロック押圧部312がロック当接片202Sから離間すると、ロック当接片202Sは図14Aの位置に復帰する。
コンテナシャッター固定部207に固定されたコンテナシャッター32に対し、コンテナ本体31が第2回動方向に回動され、第2姿勢から第1姿勢に姿勢変更されると、コンテナ本体31に形成されたトナー排出口30Pがコンテナシャッター32に対してスライド移動される。これにより、トナー排出口30Pが再びコンテナシャッター32によって封止される。また、シャッタースプリング208の付勢力によって、本体シャッター22がスライド移動することによって、トナー補給口204が本体シャッター22によって再び封止される。
再び、図15の第1姿勢とされたトナーコンテナ30が、コンテナ装着部20Hから装着方向とは反対の方向に沿って脱離されることにより、トナーコンテナ30が現像装置20から取り外される。このように、本実施形態では、使用者がロックボタン202を押圧するだけで、トナーコンテナ30のロックが解除され、トナーコンテナ30のコンテナ本体31が第1姿勢に姿勢変更される。この際、トナー排出口30P及びトナー補給口204が、それぞれ、コンテナシャッター32及び本体シャッター22によって封止されている。このため、使用者によってトナーコンテナ30が取り外される際に、現像装置20及びトナーコンテナ30の周囲がトナーで汚染されることが防止される。