JP2016118325A - 有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法 - Google Patents

有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機物質を効率的に低分子化処理するとともに、同時に金属含有ダストスラッジを処理し、金属源としてそのままリサイクル可能な粉粒体に改質する。【解決手段】流動層反応炉において有機物質を原料ガスと接触させることにより改質して低分子化する方法であって、金属含有ダストスラッジに、少なくとも含有水分を低減させる処理を行う事前処理を施すことにより、流動層において流動化可能な粉粒体とし、この粉粒体を流動媒体として流動層反応炉に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を金属源として回収する。流動媒体として金属含有ダストスラッジを利用し、有機物質の低分子化処理と金属含有ダストスラッジの処理を同時に行うことにより、金属含有ダストスラッジが触媒としても機能することで有機物質を効率的に低分子化できるとともに、金属含有ダストスラッジを金属源としてそのままリサイクル可能な粉粒体に改質することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチックなどの有機物質を気体燃料などに転換するために、有機物質を改質して低分子化する処理を行うとともに、この処理を利用して金属を含有する廃棄物の処理を行う技術に関する。詳細には、有機物質を低分子化するための流動層反応炉の流動媒体として金属を含有する廃棄物(金属含有ダストスラッジ)を利用することで、有機物質の低分子化処理と金属を含有する廃棄物の処理を同時に行うとともに、処理済みの当該廃棄物を金属源としてそのままリサイクルできるようにした技術に関する。
有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するケミカルリサイクル技術は、廃プラスチックを中心に従来から検討されており、例えば、以下のような提案がなされている。
特許文献1には、バイオマスや石炭などをガス化するための流動層ガス化炉において生成した未燃チャーと流動媒体とを循環流動層燃焼炉に導き、この循環流動層燃焼炉でチャーを空気燃焼させて流動媒体を加熱し、加熱された流動媒体を流動層ガス化炉に戻す循環ガス化システムが開示されている。
また、特許文献2には、廃棄物をガス化するにあたり、廃棄物を間接加熱式のキルン炉で熱分解し、熱分解で発生したガス化ガスと固体状の熱分解残渣を流動層ガス化炉に導入し、ガス化剤(酸素や水蒸気)でガス化するシステムが開示されている。
また、特許文献3には、有機物質を低分子化して気体生成物や液体生成物などに転換する際に、安定的に供給可能なガスを用いて有機物質を効率的に改質して低分子化し、重質分や炭素質が少なく、軽質分を多量に含有する改質物を得るとともに、低分子化反応で発生した固体状残渣を有効利用する方法が開示されている。
一方、製鉄所内では、含油廃液処理工程(例えば圧延冷却廃水を凝集沈殿処理する工程)において、鉄粉と油分を含む高含水のスラッジ(含油ダストスラッジ)が大量に発生する。この含油ダストスラッジは、鉄分を多く含むため焼結原料(製鉄用の焼結鉱の原料)としてリサイクルすることが可能である。
特開2005−41959号公報 特開2004−75779号公報 特開2013−173878号公報 特開2013−202500号公報
しかしながら、有機物質を気体燃料や液体燃料に転換するための上記従来技術には、以下のような問題がある。
まず、特許文献1に関しては、ガス化炉で副生するチャーを熱源とし、かつ、チャーの燃焼で加熱された流動媒体をガス化炉の熱源とするものであるため、熱的に自立したガス化システムである点が優れているが、チャーを循環流動層で燃焼させるため燃焼条件が限定的となること、さらに、燃焼炉が大型となりコスト高となることが問題である。
また、特許文献2の方法は、キルン炉が発電装置から発生する燃焼排ガスによって廃棄物を間接的に加熱する熱分解炉であり、ガス化熱源を供給するための炉ではない。また、ガス化で生成するガスの燃焼熱は2700kcal/Nm程度に過ぎず、気体燃料としての価値は限定的なものとなる。
また、特許文献3の方法は、触媒に転炉ダストを用いることを特徴としているが、転炉ダストは既に焼結原料としてのリサイクル方法が確立されているため、新たな廃棄物処理方法の提案にはあたらない。
また、含油ダストスラッジのリサイクル技術については、含油ダストスラッジをそのまま焼結原料として用いると、含油ダストスラッジ中に含まれる油分が焼結機内で燃焼し、トラブルの要因となる。そこで、一部の製鉄所等では、含油ダストスラッジを燃焼させることで油分を焙焼した上で焼結原料として利用している。しかし、油分を焙焼させるには、スラッジを燃焼させるための処理コストがかかる問題がある。
また、特許文献4には、含油ダストスラッジが得られる含油廃水(懸濁物質と水と油分を含む含油廃水)に、油分と懸濁物質の吸着を抑制する油分吸着阻害剤を添加し、高油分スラッジが生じないようにする技術が開示されているが、この技術も油分吸着阻害剤を使用するため処理コストが高いことが問題となる。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、有機物質を効率的に低分子化することができるとともに、同時に含油ダストスラッジなどの金属含有ダストスラッジを処理し、金属源としてそのままリサイクル可能な粉粒体に改質することができる処理方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、有機物質と金属含有ダストスラッジを原料として、気体燃料となる有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体を1つの製造プロセスで安定的に製造することができる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、流動層反応炉において有機物質を改質して低分子化する際に、流動媒体として金属含有ダストスラッジを利用し、有機物質の低分子化処理と金属含有ダストスラッジの処理を同時に行うことにより、金属含有ダストスラッジが触媒としても機能することで有機物質を効率的に低分子化できるとともに、金属含有ダストスラッジを金属源としてそのままリサイクル可能な粉粒体に改質できること、例えば、含油ダストスラッジでは油分が焙焼され、そのまま焼結原料などとしてリサイクル可能な粒状物に改質できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]流動層反応炉において有機物質を原料ガスと接触させることにより改質して低分子化する方法であって、
金属含有ダストスラッジに、少なくとも含有水分を低減させる処理を行う事前処理を施すことにより、流動層において流動化可能な粉粒体とし、この粉粒体を流動媒体として流動層反応炉に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を金属源として回収することを特徴とする有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
[2]上記[1]の処理方法において、金属含有ダストスラッジの事前処理が、少なくとも、金属含有ダストスラッジの乾燥処理と、該乾燥処理後の金属含有ダストスラッジを解砕する処理を含むことを特徴とする有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
[3]上記[1]又は[2]の処理方法において、金属含有ダストスラッジは、乾燥質量で同一金属を50質量%以上含有することを特徴とする有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの処理方法において、金属含有ダストスラッジが、含油ダストスラッジであることを特徴とする有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
[5]上記[4]の処理方法において、流動層反応炉内での処理温度が400℃以上であることを特徴とする有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの処理方法において、粉粒体を流動層反応炉に連続的又は間欠的に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を連続的又は間欠的に炉外に取り出して回収することを特徴とする有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの処理方法において、改質される有機物質が、プラスチック、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
[8]流動層反応炉において有機物質を原料ガスと接触させることにより改質して低分子化し、有機物質ガス化ガスを得る方法であって、
金属含有ダストスラッジに、少なくとも含有水分を低減させる処理を行う事前処理を施すことにより、流動層において流動化可能な粉粒体とし、この粉粒体を流動媒体として流動層反応炉に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を回収し、金属源となる粉粒体を得ることを特徴とする有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法。
本発明の処理方法によれば、流動層反応炉において有機物質を改質して低分子化する際に、流動媒体として金属含有ダストスラッジを利用し、有機物質の低分子化処理と金属含有ダストスラッジの処理を同時に行うことにより、金属含有ダストスラッジが触媒としても機能することで有機物質を効率的に低分子化できるとともに、金属含有ダストスラッジを金属源としてそのままリサイクル可能な粉粒体に改質することができる。このため、プラスチックなどの有機物質を効率的に低分子化して気体燃料などを得ることができるとともに、廃棄物である金属含有ダストスラッジの処理コストを大幅に削減でき、さらに、処理後の粉粒体を製鉄原料などの金属源としてそのままリサイクルすることができる。
また、本発明の製造方法によれば、有機物質と金属含有ダストスラッジを原料として、気体燃料となる有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体を1つの製造プロセスで安定的に製造することができる。
本発明で使用する流動層反応炉の一例とこれを用いた本発明法の一実施形態を示す説明図 実施例1において、含油ダストスラッジを種々の温度で焙焼した場合の焙焼後の油分濃度を示すグラフ Geldart,D.の流動化ダイアグラム
本発明は、流動層反応炉(流動層ガス化炉)において有機物質を原料ガスと接触させることにより改質して低分子化する際に、廃棄物である金属含有ダストスラッジを流動層の流動媒体として用いることで、金属含有ダストスラッジの処理を同時に行うとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体(金属含有ダストスラッジ)を金属源として回収するものである。
本発明において、熱分解の対象となる有機物質に特別な制限はないが、高分子量の有機物質が好適であり、例えば、樹脂類(通常、廃プラスチック)、廃油、バイオマスなどが挙げられ、これらの1種以上を対象とすることができる。
樹脂類としては、例えば、PEやPPなどのポリオレフィン類、PAやPETなどの熱可塑性ポリエステル類、PSなどのエラストマー類、熱硬化性樹脂類、合成ゴム類や発砲スチロールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、廃油としては、例えば、使用済みの各種鉱物油、天然及び/又は合成油脂類、各種脂肪酸エステル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これら2種以上の廃油の混合物であってもよい。
また、バイオマスとしては、例えば、下水汚泥、紙、木材(例えば、建設廃木材、梱包・運送廃木材、間伐材など)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
流動層反応炉に供給して流動層を形成する原料ガス(ガス化剤)の種類は特に制限はなく、公知の原料ガス(ガス化剤)、例えば、特開2014−37524号に示される混合ガス(冶金炉で発生した一酸化炭素を含有する排ガスに過剰の水蒸気を添加してシフト反応を行わせることで、シフト反応で生成した水素および炭酸ガスと、シフト反応に消費されなかった水蒸気とを含む混合ガス)などを用いることができる。
金属含有ダストスラッジは、金属を含有する粉粒体と水などの液体からなるもので、代表的なものとしては、製鉄所などで発生する含油ダストスラッジがある。
金属含有ダストスラッジに含まれる粉粒分は微細粒子であるため流動媒体として好適である。図3に示すGeldart,D.の流動化ダイアグラムは、粉粒体の流動特性を示しているが、一般的にA,B区分に属するものは流動性を損なわないものとされている。金属含有ダストスラッジに含まれる粉粒分は、流動化ダイアグラム上でA,B区分に属する。
含油ダストスラッジは、製鉄所などで行われる含油廃液処理工程(例えば、圧延冷却廃水を凝集沈殿処理する工程)において発生する汚泥状の混合物であって、金属を含有する粉粒体(鉄粉など)と油分を含む高含水の混合物である。一般に、含油ダストスラッジは油分を20質量%以下、水分を30〜50質量%程度含んでいる。また、含まれる油分は、各種鉱物油、天然及び/又は合成油脂類、各種脂肪酸エステル類などの1種以上である。
含油ダストスラッジのなかで、特に製鉄所内で発生する含油ダストスラッジは、鉄分を多く含むためリサイクルに適している。したがって、本発明では、流動媒体として使用する金属含有ダストスラッジの少なくとも一部が含油ダストスラッジ(特に製鉄所内で発生する含油ダストスラッジ)であることが好ましい。
このような金属含有ダストスラッジは、そのままでは流動媒体として使用することができない。金属含有ダストスラッジを流動層反応炉に投入しても、そのままでは流動化せず、反応効率の低下や流動層圧損増加といったトラブルをもたらす。このため本発明では、金属含有ダストスラッジに事前処理を施し、流動層において流動化可能な粉粒体とする。この事前処理では、少なくとも含有水分を低減させる処理を行う。また、この事前処理は、少なくとも、金属含有ダストスラッジの乾燥処理と、該乾燥処理後の金属含有ダストスラッジを解砕する処理を含むことが好ましい。また、乾燥処理の前に脱水処理を行ってもよい。
乾燥処理の方法は、風乾、乾燥機を用いた強制乾燥など任意である。この乾燥処理では、金属含有ダストスラッジを流動層において流動化可能な水分となるまで乾燥すればよい。含有する油分にもよるが、一般には20質量%以下の水分量とすることが好ましい。
また、解砕処理とは、凝集して固まった金属含有ダストスラッジを粉粒状に解す処理であり、例えば、粉砕機や撹拌機などを用いて行うことができる。
本発明では、このように事前処理を施した金属含有ダストスラッジからなる粉粒体を、流動媒体として流動層反応炉に供給する。流動層反応炉には、この粉粒体(流動媒体)とともに有機物質と原料ガス(ガス化剤)が供給されることで流動層が形成され、この流動層において有機物質が改質されて低分子化される。この際、金属含有ダストスラッジが触媒としても機能することで有機物質を効率的に低分子化できる。特に、含油ダストスラッジ(特に製鉄所内で発生する含油ダストスラッジ)は鉄分などの金属を多く含むため、触媒活性が高い。有機物質の低分子化で生じたガス化ガスは、気体燃料として炉外に取り出される。
一方、流動層反応炉内で流動媒体として使用される粉粒体(金属含有ダストスラッジ)は、炉内で熱処理されることで、そのまま金属源としてリサイクル可能な粉粒体に改質され、金属源として炉外に取り出されて回収される。
また、金属含有ダストスラッジが含油ダストスラッジの場合、炉内での処理温度を400℃以上とすることにより、油分が焙焼され、油分濃度を焼結原料としてそのままリサイクルできる程度まで低減させることができるので、炉内での処理温度を400℃以上とすることが好ましい。
また、本発明では、流動媒体として使用した金属含有ダストスラッジ(粉粒体)を回収して金属源としてリサイクルするという観点から、金属含有ダストスラッジは同一金属の含有量が高い方が好ましい。このため金属含有ダストスラッジは、乾燥質量(水分や油分を含まない乾燥状態での質量)で同一金属を50質量%以上含有するものが好ましい。乾燥質量で同一金属の含有量が50質量%未満では、回収した粉粒体をリサイクルするものとそうでないものとに分別する必要が生じ、処理コストが増大する。
図1は、本発明で使用する流動層反応炉の一例とこれを用いた本発明法の一実施形態を示す説明図であり、1は炉本体、2は炉本体1の外側に設けられる加熱手段(加熱ヒーターなど)、3は流動層である。
この流動層反応炉では、ガス供給管4を通じて分散板5の下側の風箱部6に原料ガス(ガス化剤)が導入され、この原料ガスが分散板5から吹き出すことにより、分散板5の上方に流動媒体による流動層3が形成される。流動層反応炉(流動層)内には、ホッパー7と供給管8を通じて有機物質aが、ホッパー9と供給管10を通じて流動媒体である粉粒体b(事前処理した金属含有ダストスラッジからなる粉粒体)が、それぞれ供給される。この実施形態では、有機物質aと粉粒体bは、それぞれ自由落下で供給されているが、気送で供給してもよい。操業中、有機物質aと粉粒体bは連続的又は間欠的に炉内に供給される。
流動層反応炉に供給された有機物質aは、この流動層3内で熱分解され、気体生成物となる。この気体生成物を含むガスは、排出管11を通じて排出された後、集塵機(図示せす)でガス中に飛散した流動媒体や有機物質の灰分が捕集される。一方、流動層反応炉内で流動媒体として使用された粉粒体b(事前処理した金属含有ダストスラッジからなる粉粒体)は、炉下部の排出口12から連続的又は間欠的に炉外に取り出され、金属源として回収される。
また、本発明の有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法は、流動層反応炉(流動層ガス化炉)において有機物質を原料ガスと接触させることにより改質して低分子化し、有機物質ガス化ガスを得る際に、金属含有ダストスラッジに、少なくとも含有水分を低減させる処理を行う事前処理を施すことにより、流動層において流動化可能な粉粒体とし、この粉粒体を流動媒体として流動層反応炉に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を回収し、金属源となる粉粒体を得るものである。この本発明の製造方法によれば、有機物質と金属含有ダストスラッジを原料として、気体燃料となる有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体を1つの製造プロセスで安定的に製造することができる。
この製造方法において、使用する有機物質や原料ガス(混合ガス)、金属含有ダストスラッジ、金属含有ダストスラッジの事前処理、流動層反応炉での処理条件などの詳細については、さきに本発明の処理方法に関して述べたものと同様である。したがって、この製造方法では、以下のような実施の形態をとり得る。
(1)金属含有ダストスラッジの事前処理が、少なくとも、金属含有ダストスラッジの乾燥処理と、該乾燥処理後の金属含有ダストスラッジを解砕する処理を含むことを特徴とする有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法。
(2)金属含有ダストスラッジは、乾燥質量で同一金属を50質量%以上含有することを特徴とする有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法。
(3)金属含有ダストスラッジが、含油ダストスラッジであることを特徴とする有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法。
(4)上記(3)の製造方法において、流動層反応炉内での処理温度が400℃以上であることを特徴とする有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法。
(5)粉粒体を流動層反応炉に連続的又は間欠的に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を連続的又は間欠的に炉外に取り出して回収することを特徴とする有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法。
(6)改質される有機物質が、プラスチック、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法。
[実施例1]
製鉄所の異なる場所で発生した含油ダストスラッジ3サンプルを準備した。これらの含油ダストスラッジは、粉粒分が鉄を主成分とするものであり、試験前に予め油分濃度を測定した(n−ヘキサン抽出法,JIS K0101及びJIS K0102に準拠して測定)。各々のサンプルを4つに分け、発熱試験を実施した。150gのサンプルを1000℃までの耐熱性を有する耐熱容器に入れ、管状電気炉にセットした。サンプル内には、高さ方向3箇所に熱電対をセットした。耐熱容器内に空気を100ml/minで供給し、10℃/minで所定の処理温度まで昇温させた。処理温度を350℃、400℃、450℃、500℃と変えることで計4水準の試験を行った。所定の処理温度まで昇温させた後、その温度に2.5hr保持した。保持後に加熱を止め、冷却した後、再びスラッジ中の油分濃度を測定した。その測定結果を図2に示す。
図2によれば、400℃以上の処理温度で含油ダストスラッジの油分が目標油分濃度の0.5質量%以下にまで低下していることが判る。油分濃度0.5質量%以下とは、一部の製鉄所等で実際に用いられている含油ダストスラッジを焼結原料に使用する際の基準値である 。以上のことから、本発明法を用いることで流動層内部を400℃以上にすれば、含油ダストスラッジを問題なく処理できる(すなわち、油分を焙焼することで、油分濃度をリサイクルに問題ないレベルまで低減できる)ことが判る。
[実施例2]
流動層反応器(内径66mm)において、粉粒分が鉄を主成分とする含油ダストスラッジを流動媒体として用い、廃プラスチックの低分子化反応試験を行った。流動層反応器内に含油ダストスラッジ(T−Fe:50質量%、平均粒径:300μm、真密度:4g/cm、嵩密度3g/cm)を反応器内高さ200mmの所まで装入した。含油ダストスラッジは、流動層内で流動化するように、風乾及び風乾後に適度に解砕(粉砕)する事前処理を施した。流動層は外熱式であり、ヒーターで600℃まで加熱した。流動層下部より混合ガス4NL/min(H:26vol%、CO:30vol%、HO:35vol%、N:9vol%)を供給することで含油ダストスラッジを流動化させた。混合ガスのガス組成は、シフト反応後のガスを想定したものである。流動層反応器上部から反応器内に振動フィーダを用いて廃プラスチックを300g/hで落下させた。この際、廃プラスチックの供給のためにNを2NL/min供給した。
廃プラスチックは混合ガスにより低分子化され、ガス化ガスに変化した。ガス化ガス内には油分やダストが多く含まれているため、集塵機としてのサイクロン、ガス冷却機、水冷トラップを通すことで冷却・除塵・油分除去を行った上で、ガスクロマトグラフィーでガス組成の分析を行った。このガス分析結果から、ガス化ガスの組成、LHV(低位燃焼熱)、液体燃料生成率を求めた。
ガス化ガス(気体燃料)の組成は、CO:5vol%、CO:20vol%、H:20vol%、HO:0vol%、N:40vol%、C〜C:10vol%、C〜C:5vol%、LHVは4000Mcal/Nm、液体燃料生成率は40%であった。また、反応継続中、流動層反応器内などでのプラスチックの融着や閉塞などのトラブルは皆無で、安定して低分子化反応を行うことができた。
1 炉本体
2 加熱手段
3 流動層
4 ガス供給管
5 分散板
6 風箱部
7 ホッパー
8 供給管
9 ホッパー
10 供給管
11 排出管
12 排出口
a 有機物質
b 粉粒体

Claims (8)

  1. 流動層反応炉において有機物質を原料ガスと接触させることにより改質して低分子化する方法であって、
    金属含有ダストスラッジに、少なくとも含有水分を低減させる処理を行う事前処理を施すことにより、流動層において流動化可能な粉粒体とし、この粉粒体を流動媒体として流動層反応炉に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を金属源として回収することを特徴とする有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
  2. 金属含有ダストスラッジの事前処理が、少なくとも、金属含有ダストスラッジの乾燥処理と、該乾燥処理後の金属含有ダストスラッジを解砕する処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
  3. 金属含有ダストスラッジは、乾燥質量で同一金属を50質量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
  4. 金属含有ダストスラッジが、含油ダストスラッジであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
  5. 流動層反応炉内での処理温度が400℃以上であることを特徴とする請求項4に記載の有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
  6. 粉粒体を流動層反応炉に連続的又は間欠的に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を連続的又は間欠的に炉外に取り出して回収することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
  7. 改質される有機物質が、プラスチック、廃油、バイオマスの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機物質の低分子化処理及び廃棄物の処理方法。
  8. 流動層反応炉において有機物質を原料ガスと接触させることにより改質して低分子化し、有機物質ガス化ガスを得る方法であって、
    金属含有ダストスラッジに、少なくとも含有水分を低減させる処理を行う事前処理を施すことにより、流動層において流動化可能な粉粒体とし、この粉粒体を流動媒体として流動層反応炉に供給するとともに、流動層反応炉で流動媒体として使用した粉粒体を回収し、金属源となる粉粒体を得ることを特徴とする有機物質ガス化ガスと金属源となる粉粒体の製造方法。
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