JP2016117036A - 熱交換装置及び易重合性化合物の蒸留方法 - Google Patents

熱交換装置及び易重合性化合物の蒸留方法 Download PDF

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【課題】易重合性化合物の蒸気をコンデンサで凝縮するに際し、より簡便な設備にて該コンデンサ内の重合物の生成および堆積を効率よく抑制する、易重合性化合物の蒸留を目的とした縦型多管式熱交換器及びこれを用いた易重合性化合物の蒸留方法の提供。
【解決手段】易重合性化合物の蒸気を凝縮液とする、管状胴体14−1と、管状胴体14−1の両端にある蓋部14−2からなり、管状胴体14−1内部に複数の伝熱管を有する縦型多管式熱交換器14を含む熱交換装置であり、該複数の伝熱管と管状胴体14−1は鉛直方向に設置され、管状胴体14−1と蓋部14−2の境界近傍に水平方向に2枚の管板が設置され、該管板に該複数の伝熱管が取り付けられ、該複数の伝熱管のうち、一部の伝熱管が上側管板上に同じ高さ突出し、その他の伝熱管が上側管板上に突出しておらず該縦型多管式熱交換器より回収した凝縮液の一部を上側管板上に循環する流路を有する熱交換装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、(メタ)アクリル酸類等の易重合性化合物の蒸留を目的とした熱交換装置及びこれを用いた易重合性化合物の蒸留方法に関する。
尚、本明細書において、(メタ)アクリル酸類とは、(メタ)アクリル酸及びこれらの酸とアルコールとから得られる(メタ)アクリル酸エステルを総称するものであり、そのうち少なくとも一種を指す。
易重合性化合物、例えば(メタ)アクリル酸類を蒸留する際には、その重合を防止するために、重合防止剤の添加が行われている。しかし該重合防止剤の多くは(メタ)アクリル酸類に比べて蒸気圧が低く、揮発した(メタ)アクリル酸類のガス中には、該重合防止剤は殆ど含まれないことが多い。ガスの状態では(メタ)アクリル酸類の密度が低く、重合反応は実質的に起こらないと考えられるが、一旦該ガスを凝縮し、凝縮液とすると、該凝縮液は高い重合性を有し、装置の閉塞などを引き起こす。この状態を最も生じやすい装置が、加熱蒸留装置からの留出ガスを冷却凝縮するコンデンサである。該コンデンサにおける重合防止方法として、様々な検討が為されている。
例えば、特許文献1には、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸留精製において、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸気を直接接触式の凝縮器により凝縮液としている。得られた凝縮液の一部を更に冷却し、冷却した凝縮液を直接接触式の凝縮器内にスプレー液として供給することで、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸気を速やかに低温化すると共に、スプレー液に重合防止剤を添加することで、凝縮器における重合トラブルをなくす方法が示されている。
特許文献2では、易重合性化合物の蒸留精製において、易重合性化合物の蒸気を縦型多管式熱交換器により凝縮液としている。該縦型多管式熱交換器は伝熱管を凝縮液が鉛直下方に流下するように、又、シェルを冷却媒体が流れるように配置し、更に、得られた凝縮液に重合防止剤を加えて、該縦型多管式熱交換器上側管板面上に均一噴霧することで、重合物の発生を防ぐ方法が示されている。
非特許文献1に示されるように、縦型多管式熱交換器では、伝熱管を管板に固定する際、施工上の都合で伝熱管端が上側管板面上に若干の突出が生じることが一般的である。特許文献3では、易重合性化合物の蒸留精製において、該易重合性化合物のガスを冷却凝縮する装置として、管板面から平均1mm突出した伝熱管を有する多管式熱交換器を使用することに比べ、管板面から突出しない伝熱管を有する多管式熱交換器を使用することにより、該多管式熱交換器内の重合物堆積を抑制することが示されている。
特公昭60−43056号公報 特公昭63−11921号公報 特開2000−254484号広報
日本工業規格JIS−B8249(1999)
しかしながら、以下の通り、これら従前の技術は、いずれも、十分に満足し得るものとは言えない。
特許文献1の方法では、被凝縮流体である蒸気に対し、重量比で数倍から数十倍のスプレー液が必要となる。すると、スプレー液とする凝縮液の冷却や循環、スプレー液とするために要する設備が大がかりとなるため、特に規模の大きな商業設備においては経済性の面で不利となる。
特許文献2の方法は、商業的に広く用いられている手法の一つであり、噴霧する量も被凝縮流体である蒸気に比べて高々1/10〜1倍に過ぎない。但し、該循環量の増加はガスの凝縮効率を低下させ、つまりより大きな熱交換器が必要となる。更に、被凝縮流体である蒸気の温度が高い場合には重合防止が不十分となる。
特許文献3の方法は、特殊仕様の機器製作が必要となり、経済的に不利である。更に、被凝縮流体である蒸気の温度が高い場合には、重合物の生成は避けられない。
本発明は上記従来の問題点を解決し、(メタ)アクリル酸類等の易重合性化合物の蒸気をコンデンサで凝縮するに際し、より簡便な設備にて該コンデンサ内の重合物の生成および堆積を効率よく抑制する、(メタ)アクリル酸類等の易重合性化合物の蒸留を目的とした縦型多管式熱交換器及びこれを用いた易重合性化合物の蒸留方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリル酸類等の易重合性化合物の蒸気を凝縮させる際、上側管板上に伝熱管が突出した多管式熱交換器を用い、該突出した伝熱管の一部を平坦とし、更に重合防止剤を添加した凝縮液を該管板面に循環することで、重合閉塞が生じ易い運転条件下でも、多管式熱交換器内に重合物の堆積を起こすことなく、易重合性化合物を長期間安定的に蒸留できることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 易重合性化合物の蒸気を凝縮液とする、管状胴体と、その両端にある蓋部からなり、該管状胴体内部に複数の伝熱管を有する縦型多管式熱交換器を含む熱交換装置であり、
該複数の伝熱管と該管状胴体は鉛直方向に設置され、
該管状胴体と該蓋部の境界近傍に水平方向に2枚の管板が設置され、
該管板に該複数の伝熱管が取り付けられ、該複数の伝熱管のうち、一部の伝熱管が上側管板上に同じ高さ突出し、その他の伝熱管が上側管板上に突出しておらず
該縦型多管式熱交換器より回収した凝縮液の一部を上側管板上に循環する流路を有する熱交換装置。
[2] 前記上側管板上に突出した高さが2mm〜20mmの範囲である[1]に記載の熱交換装置。
[3] 前記凝縮液の一部を上側管板上に循環する流路に重合防止剤を添加する為の設備を有する[1]又は[2]に記載の熱交換装置。
[4] 前記上側管板上に突出していない伝熱管は、全伝熱管に対して20%以下である[1]乃至[3]のいずれかに記載の熱交換装置。
[5] 前記上側管板上に突出していない伝熱管が、3本以上であり、該伝熱管の端面が上側管板上に対称に配置されている[1]乃至[4]のいずれかに記載の熱交換装置。
[6] [1]乃至[5]のいずれかに記載の熱交換装置を使用した易重合性化合物の蒸留方法。
[7] 前記易重合性化合物が(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルである[6]に記載の易重合性化合物の蒸留方法。
本発明によれば、(メタ)アクリル酸類等の易重合性化合物蒸気をコンデンサで凝縮するに際し、コンデンサに供給される易重合性化合物の蒸気が重合しやすい運転条件であっても、高価な設備や重合防止剤使用量の大幅増加などといった、経済的に大きな負担を伴うことなく易重合性化合物のコンデンサ内蓄積を抑制して、重合体の生成を伴うことなく、長期間安定的に継続して蒸留を実施することができる。
本発明の熱交換装置を含む蒸留工程の例を示す模式的系統図である。 図1の縦型多管式熱交換器の上側管板面の斜視図である。
以下、本発明の縦型多管式熱交換器を含む熱交換装置及び易重合性化合物の蒸留方法の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明は、何ら以下の説明の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変更して実施することができる。
また、以下において、易重合性化合物としてアクリル酸を蒸留する態様について説明するが、本発明は、アクリル酸に限らず、(メタ)アクリル酸類等の易重合性化合物の蒸留に適用することができる。
図1は、本発明の熱交換装置を含む蒸留工程の実施の形態の一例を示す模式的な系統図であり、図2は、図1の縦型多管式熱交換器の上側管板面の斜視図である。
図1は溶媒抽出されたアクリル酸溶液から抽出溶媒、アクリル酸、及び高沸点不純物を蒸留分離する工程である。(1)は蒸留塔であり、内挿物として濃縮部に規則充填物(2)、回収上部に不規則充填物(3)、その下に無堰多孔板よりなる棚段(4)を有する。供給ライン(5)より抽出溶媒を含む粗アクリル酸溶液が蒸留塔(1)に供給される。塔頂ガスライン(6)より分離された抽出溶媒蒸気はプレート型熱交換器(7)により冷却凝縮され、還流槽(8)に回収される。回収された抽出溶媒の一部は還流ライン(9)により蒸留塔(1)の塔頂部に循環され、残りは抽出工程(図示無し)に送られる。蒸留塔(1)の塔底液は循環ライン(10)を経てリボイラ(11)により加熱された後、蒸留塔(1)に循環される。高沸点化合物を含む塔底液の一部は抜き出しライン(12)から回収される。蒸留塔(1)の下方に設けられた中段抜き出しライン(13)より、アクリル酸を主成分とする流体が、ガスの状態で抜き出される。抜き出されたガスが途中で凝縮しないよう、中段抜き出しライン(13)の外周部は、電気ヒーター又は蒸気配管により加熱し、更に断熱材による保温が為されており、また仮に凝縮液が生じた場合でも該凝縮液が内部に滞留しないよう、中段抜き出しライン(13)は傾斜がつけられている。次いで該抜き出されたガスは、縦型多管式熱交換器(14)に供給される。
該縦型多管式熱交換器(14)は管状胴体(14−1)とその両端にある蓋部(14−2)からなり、該管状胴体(14−1)内部には複数の伝熱管(図示せず)を有する。該
管状胴体(14−1)と複数の伝熱管は鉛直方向に設置されている。該管状胴体(14−1)と該蓋部(14−2)の境界近傍に水平方向に2枚の管板(図示無し)が設置され、該管板に該複数の伝熱管が取り付けられている。
前記構成を有する縦型多管式熱交換器により、該抜き出されたガスは冷却凝縮され、下側の蓋部(14−2)下部よりドラム(15)に粗アクリル酸として回収され、次工程へのライン(16)により次工程に送られる。又、粗アクリル酸の一部は循環ライン(17)により縦型多管式熱交換器(14)の上側管板上に供給される。更に、重合防止剤を含んだ溶液が、重合防止剤供給ライン(18)を通じて循環ライン(17)に供給される。尚、粗アクリル酸の上側管板上への供給は、該上側管板上に均一に供給されるように、スプレー液とすることが好ましい。
図2は、図1の縦型多管式熱交換器(14)における上側管板面の斜視図である。上側管板(19)の上面には、等間隔で設置された伝熱管が取り付けられている。伝熱管B(21)は上側管板上に管端が同じ高さに突出している。一方、該伝熱管B以外の伝熱管である伝熱管A(20)は上側管板上に管端が突出しておらず、上側管板の上面と等しい高さに揃えられている。
前記図2で示した上側管板面上の伝熱管端の形態及び粗アクリル酸の上側管板上への供給することと、重合物堆積の抑制効果との因果関係は明らかではないが、上側管板面上の全面において、重合防止剤を含んだ粗アクリル酸液による液深を常に維持し、且つ該管板上の液が滞りなく更新されることが重要であると推察する。
本発明の熱交換装置に使用される縦型多管式熱交換器の上側管板上に突出した伝熱管の高さは、管板面全体で確実に液深を維持する為、2mm以上が好ましく、より好ましくは3mm以上である。これ未満では、設置された熱交換器の水平誤差や凝縮液の表面張力、導入される留出ガスの偏流、等々の影響により確実な液深の維持が困難になると考えられる。該高さは液深を維持する点では高いほど好ましいが、該高さに反比例して液の更新がされにくくなるため、20mm以下が好ましく、より好ましくは15mm以下である。
本発明の熱交換装置に使用される縦型多管式熱交換器の、前記上側管板上に突出していない伝熱管は、その割合が高くなるほど上側管板上での液深の維持が困難となることから、20%以下が好ましい。その割合が低いほど液深の維持は容易となるが、上側管板上の液流れに偏りが生じ易くなることから、0.1%以上が好ましい。また、上側管板上に均一な液流れを形成する為、該上側管板上の突出していない伝熱管の配置は、対称性を有することが好ましい。全伝熱管の総数が少ない場合、該突出していない伝熱管は上側管板上の中心部のみとすることもできるが、上側管板外周部ないし外周部近くも含むことがより好ましい。該上側管板上に突出していない伝熱管は3本以上が好ましく、4本以上がより好ましい。伝熱管総数の増加に伴い、該突出していない伝熱管の本数を増やす場合、その端面の対称性を高く、且つ相互距離を等しく配置することが好ましい。
本発明で規定した、上側管板上に突出した伝熱管が同じ高さであるとは、上側管板上の均一な液流れの保持に影響を与えない範囲内の振れ幅を有することであり、具体的には設定した高さに対して±2mmの範囲内である。但し設定した高さが4mm未満の場合は、設定した高さの±1mmの範囲内である。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明は何ら以下の実施例に限定されるものではない。
[比較例1]
プロピレンを原料として、接触気相酸化反応を行う反応工程、反応工程で得られるアクリル酸含有ガスを水で吸収しアクリル酸水溶液を得る捕集工程、得られたアクリル酸水溶液に対してトルエンを用いて抽出を行う抽出工程により、23重量%のアクリル酸を含むトルエン抽出溶液を得た。該抽出溶液をドラムに一旦保存した後、図1に示す蒸留装置により、アクリル酸の分留を連続的に行った。蒸留塔の塔頂圧力は10kPa、還流比は1.2、塔頂より留出するアクリル酸が供給量に対して3%以下となるよう留出量を調整し、塔底から供給液量に対して重量比で2%を抜き出し、粗アクリル酸蒸気を中段抜き出しラインより抜き出した。塔内温度は塔頂が44℃、中段抜き出しが94〜95℃、塔底が103〜105℃となった。外周部が蒸気加熱された中段抜き出しラインを経て、95〜96℃の粗アクリル酸蒸気を縦型多管式熱交換器に供給した。該縦型多管式熱交換器は管径1インチの伝熱管19本から成り、全ての伝熱管上端は上側管板面と同じに平滑化したものを用いた。冷却水の供給温度は31〜33℃、凝縮した粗アクリル酸の温度は32〜33℃であった。該凝縮液の約5%を上側管板面上に循環し、該循環液中の重合防止剤としてフェノチアジン濃度が100ppmとなるよう、フェノチアジンのアクリル酸溶液を循環液に添加した。該循環ラインの先端には噴霧ノズルを設け、循環液が上側管板の全面に行き渡るようにした。このようにして蒸留を行ったところ、運転2日目で上記循環ラインに設けたストレーナが閉塞し、並列のストレーナに切り替えたが、切り替えたストレーナも半日で閉塞するに至り、蒸留塔の運転を停止した。水洗後に該多管式反応器を解放すると、上側管板面上、伝熱管内壁面、下側蓋部鏡部内に膨潤した状態で5L程度の重合物が確認された。
[比較例2]
上側管板面への凝縮液循環量を2倍にした以外は比較例1と同様の条件で運転を行った。その結果、運転3日目で急激なストレーナの閉塞が起こり、運転を停止した。水洗後の解放で確認された重合物は2L程度であった。
[比較例3]
伝熱管と同じ厚みと内径を有する長さ20mmの短管を用意し、内径3mmの針金を3本、その一端が短管の端から10mm突き出すようにして、短管の内壁面に溶接した。同じものを19個用意し、上側管板面の伝熱管に押し込んで固定することで、全伝熱管の上端が上側管板面から10mm突出した状態を再現した。材質は全て縦型多管式熱交換器と同じSUS316である。この状態で比較例1と同様の条件で運転を行った。その結果、2日目までは殆どストレーナに捕捉物が見られなかったが、3日目に蒸留塔からガスが流れなくなり緊急停止した。水洗後に確認したところ、上側管板面上に多くの重合物が堆積し、伝熱管の一部は重合物で完全に閉塞していた。
[実施例1]
伝熱管に押し込んだ短管の内、中心の1ヶ所のみを取り外した以外は比較例3と同様の条件で運転を行った。その結果、3日間の運転を行った。ストレーナに捕捉物は殆ど見られなかった。水洗後に確認したところ、上側管板面の外周部に僅かな重合物の塊が確認された。
[実施例2]
更に最も外周部に近い位置の短管を対象に3か所を取り外した以外は実施例1と同様の条件で運転を3日間行った。運転期間中、ストレーナに捕捉物は、解放時に混入したと思われる塵を除き確認されなかった。水洗後の確認でも重合物の塊は確認されなかったが、全ての短管を取り外した際、約半分の接合部に汚れによる筋が確認された。
[実施例3]
縦型多管式熱交換器の上側管板面上に伝熱管の上端が5mm突出しており、その外側3
か所については突出が無い構造を有した機器を新調し、比較例1と同様の条件で運転を行った。2週間の運転継続においてストレーナに重合物の捕捉は認められず、続く1週間で段階的に供給するフェノチアジン量を半減したが、同様に重合物は確認されなかった。この状態のまま運転を2週間継続した後に停止した。水洗後の解放にて、伝熱管一本の内壁面に重合物による筋が確認された以外、重合物はなんら確認されなかった。
1 蒸留塔
2 規則充填物
3 不規則充填物
4 棚段
5 供給ライン
6 塔頂ガスライン
7 熱交換器
8 還流槽
9 還流ライン
10 循環ライン
11 リボイラ
12 抜き出しライン
13 中段抜き出しライン
14 縦型多管式熱交換器
14−1 管状胴体
14−2 蓋部
15 ドラム
16 次工程へのライン
17 循環ライン
18 重合防止剤供給ライン
19 縦型多管式熱交換器の上側管板
20 伝熱管A
21 伝熱管B

Claims (7)

  1. 易重合性化合物の蒸気を凝縮液とする、管状胴体と、該管状胴体の両端にある蓋部からなり、該管状胴体内部に複数の伝熱管を有する縦型多管式熱交換器を含む熱交換装置であり、
    該複数の伝熱管と該管状胴体は鉛直方向に設置され、
    該管状胴体と該蓋部の境界近傍に水平方向に2枚の管板が設置され、
    該管板に該複数の伝熱管が取り付けられ、該複数の伝熱管のうち、一部の伝熱管が上側管板上に同じ高さ突出し、その他の伝熱管が上側管板上に突出しておらず
    該縦型多管式熱交換器より回収した凝縮液の一部を上側管板上に循環する流路を有する熱交換装置。
  2. 前記上側管板上に突出した高さが2mm〜20mmの範囲である請求項1に記載の熱交換装置。
  3. 前記凝縮液の一部を上側管板面上に循環する流路に重合防止剤を添加する為の設備を有する請求項1又は2に記載の熱交換装置。
  4. 前記上側管板上に突出していない伝熱管は、全伝熱管に対して20%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱交換装置。
  5. 前記上側管板上に突出していない伝熱管が、3本以上であり、該伝熱管の端面が上側管板上に対称に配置されている請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱交換装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱交換装置を使用した易重合性化合物の蒸留方法。
  7. 前記易重合性化合物が(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルである請求項6に記載の易重合性化合物の蒸留方法。
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