JP4095471B2 - 易重合性物質の蒸留方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、易重合性物質の蒸留方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、易重合性物質の一般的な蒸留・精製方法として、例えば、重合性ビニール化合物の蒸留において、蒸留塔の外周にジャケットを備え、ここに、熱媒体として温水か温風を注入し、塔壁温度と塔内温度の差が30℃以内となるように塔壁を加熱することで、蒸留中の凝縮・重合の防止を図ってきた(例えば、特許文献1参照。)。
2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの精製で蒸留塔を利用した場合にも、精留塔の還流段よりも上の部分の塔壁、単留塔における蒸留液面よりも上の塔壁、コンデンサに通じる蒸気送り出しラインまたはコンデンサ上部にジャケットを設けて、蒸留操作圧力における2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの蒸気の沸点より10〜50℃だけ高温のスチームをジャケット内に導入することで、蒸留塔の空塔内、蒸気送り出しライン内またはコンデンサ上部での易重合性物質の凝縮・重合を防いできた(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
しかしながら、上記方法でジャケットに温水を通す場合は、ジャケット内で温度むらが発生して温度が不均一になる傾向がある。このため、ジャケット内の温度が易重合性物質の蒸気温度より低下した筒体部分およびこれに隣接する筒体部分では、易重合性物質の凝縮・重合が発生し、それがきっかけになって重合物が蒸気送り出しラインを閉塞させたり、コンデンサ留分を移送するポンプを詰まらせたりする恐れがあり、温水による加熱・保温は重合防止の手段としては十分なものではなかった。
ジャケット内に温水を循環させて加熱・保温する場合には、その付属設備として、タンク、ポンプ、温度制御ユニット等が必要となり、これら設備を新設する場合にはコストがかかるという経済的な問題もあった。ジャケット壁内面に不溶化物が付着しないようにするために、温水への薬剤投入等、メンテナンス上の問題もあった。
【0004】
温風による加熱・保温には、温水と同様に、温度が不均一になり、また、ブロワ−等の付属設備が必要になると言う問題があった。
その点、ジャケット内に導入する熱媒体としてスチームを用いた場合は、液体を用いた場合と比較して、スチームの凝縮潜熱により加熱するのでジャケット内の温度を均一に保ちやすく、かつ温度制御しやすいという点では優れている。
しかしながら、この場合も以下のような問題がある。すなわち、スチームの温度は100℃以上であるため、スチームにより加熱・保温される易重合性物質の蒸気温度も100℃以上となる。このため、易重合性物質の蒸気は、コンデンサ入口では凝縮しないが、コンデンサ内で凝縮して液化する。このようにして液化した易重合性物質は、流下する前に、新たにコンデンサ内に達する蒸気のために温められて冷却が不十分となり、重合反応を起こす。その結果、易重合性物質の重合をかえって助長する、と言う問題である。さらに、蒸留塔からの蒸気に同伴された飛沫が筒体内壁面に付着し、これがスチームにより加熱されて重合するという問題もある。飛沫は蒸発蒸気に比べると重合防止剤を多く含むが、長時間加熱されるとやはり重合するので、こちらの方がより一層問題となる。
【0005】
このような理由で、上記従来技術は、いずれも、易重合性物質を含む気相が通過する経路において、易重合性物質の重合を十分に防ぐことは困難であった。
【0006】
【特許文献1】
特公昭48−32513号公報
【0007】
【特許文献2】
特公昭60−43056号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、易重合性物質を含む気相が通過する経路での易重合性物質の重合を防止して、易重合性物質の蒸留・精製する工程および易重合性物質の蒸気を通過させる工程において、前記経路での重合を防止する、易重合性物質の蒸留方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討し実験を重ねた。その結果、易重合性物質を含む気相が通過する筒体の外周を囲むジャケット内に減圧水蒸気を通すと、易重合性物質の蒸気の凝縮・重合を効果的に防止し得ることを見出し、本発明を完成した。
したがって、本発明にかかる易重合性物質の蒸留方法で用いる通過装置は、易重合性物質を含む気相が通過する経路の一部を構成する筒体を備えるとともに、前記筒体は、その外周を囲むジャケットを備え、前記ジャケット内には減圧水蒸気を通すようになっている、ことを特徴とする。
【0010】
上記本発明で使用する装置としては、ジャケット内に生じる蒸気ドレンの排出パイプを有し、この排出パイプが、ジャケットの底部から鉛直下方向に伸長し、U字形に反転して立ち上がり、常時開放状態の排出口に繋がっている、ことが好ましい。
そして、本発明にかかる易重合性物質の蒸留方法は、蒸留塔と蒸気送り出しラインとコンデンサを用いて易重合性物質を蒸留する方法であって、前記蒸留塔の空塔部分から蒸気送り出しラインに掛けての部分の少なくとも一部を構成する筒体を、前記易重合性物質の通過装置の筒体で構成してなる。
本発明にかかる易重合性物質の蒸留方法は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを生成する工程と蒸留する工程とを備え、かつ、前記蒸留する工程が蒸留塔と蒸気送り出しラインとコンデンサを備えて行われる、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法における、前記蒸留する工程であることが出来る。
さらに、本発明にかかる易重合性物質の蒸留方法は、蒸留塔と蒸気送り出しラインとコンデンサを用いて易重合性物質を蒸留する方法であって、前記蒸留塔の空塔部分から前記蒸気送り出しラインに掛けての部分の少なくとも一部を構成し、前記易重合性物質の蒸気を含む100℃未満の気相が通過する筒体を、前記気相の温度よりも0.1〜15℃高い温度で均一に加熱・保温することで、前記易重合性物質の凝縮・重合を起こさないようにして前記気相を前記筒体に通過させる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる易重合性物質の通過装置とその用途について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
易重合性物質は蒸発して凝縮する際に重合を起こしやすい。すなわち、高温の易重合性物質の蒸気は、放熱等によって冷却・凝縮する際に重合を起こしやすい。したがって、100℃未満の易重合性物質の蒸気は、できるだけ高温に加熱せず、しかも凝縮させずに、低い温度に加熱・保温して、経路内を通過させる必要がある。
【0012】
本発明にかかる易重合性物質の通過装置を用いれば、低い温度で、前記経路内を全体にわたって均一に加熱・保温できるため、易重合性物質を含む気相を通過経路内で凝縮・重合させることなく通過させることができる。減圧水蒸気の温度は、100℃未満に調節するのが容易なため、例えば70〜90℃くらいの比較的低い温度にある前記易重合性物質の蒸気を凝縮・重合させることなく、経路を通過させることが出来るのである。
本発明において、易重合性物質を含む気相が通過する経路の少なくとも一部を構成する筒体とは、特に限定されるわけではないが、蒸留塔、蒸気送り出しラインおよびコンデンサを用いて易重合性物質を蒸留・精製する工程において、精留塔の還元段よりも上の部分の筒状塔壁、単留塔における蒸留液面よりも上の筒状塔壁、蒸留塔からコンデンサに通じる蒸気送り出しライン、または、蒸気送り出しラインが入ってくるコンデンサ上部の筒状塔壁などが好ましく挙げられる。
【0013】
本発明においては、前記筒体内を通過する100℃未満の易重合性物質の蒸気を含む気相を加熱・保温するため、前記筒体の外周を取り囲むように、その外壁にジャケットを設置する。このジャケットは、特に限定されるわけではないが、前記気相の温度分布ができるだけ均一になるように、前記気相を加熱・保温するようになっていることが好ましい。そして、前記筒体の外周を完全に取り囲むような筒状のジャケットであることが好ましい。
本発明においては、易重合性物質を含む気相の温度分布が実質的に2℃以内である筒体の外周にジャケットを設置することが好ましい。
【0014】
本発明においては、易重合性物質を含む気相が通過する筒体内の温度分布をより確実に均一に保つため、前記筒体を取り囲むジャケットの外壁を保温材で被覆して、ジャケット内に導入する100℃未満の減圧水蒸気の温度分布をできるだけ均一になるようにするのもよい。
ジャケット内に導入する熱媒体として、温水、煙道ガス、熱空気、熱油、ダウサームA(新日鉄化学社製のサームエス300相当)、SK−油(綜研化学社製)、HTS(溶融塩、Heat Transfer Salt)等が考えられるが、いずれも、温度分布が不均一になると言う問題がある。ジャケット内の熱媒体が、温度むらを起こしやすい熱媒体であれば、100℃未満の易重合性物質の蒸気は、凝縮・重合を起こしやすくなる。そこで、本発明では、温度制御の容易さ、および、温度均一性に優れた100℃未満の減圧水蒸気が用いられているのである。
【0015】
前述のように、易重合性物質は、高温条件下で蒸発して凝縮する際に特に、重合を起こしやすい。これを防ぐために、例えば70〜90℃ぐらいの比較的低温で加熱・保温しようとする場合、温水では、温度むらが発生して、易重合性物質の蒸気を安定的に加熱・保温することが困難である。その点、100℃未満の減圧水蒸気は、易重合性物質の蒸気を70〜90℃ぐらいの比較的低温で、均一かつ安定的に加熱・保温することができる。
水蒸気はさらに、装置に対する腐食性、不燃性、経済的コスト、毒性、操作温度における熱的安定性などの見地から見ても、好ましい熱媒体である。
【0016】
本発明において、ジャケットによる加熱・保温方法としては、筒体を数節に分けて加熱・保温してもよく、全体にわたって加熱・保温してもよい。
本発明にかかる易重合性物質の通過装置は、前記減圧水蒸気の温度が前記筒体内を通過する気相の温度よりも、0.1〜15℃だけ高くなるよう設定されていることが好ましい。本発明では、100℃未満の易重合性物質の蒸気を含む気相が通過する筒体の外周を、ジャケット内の100℃未満の減圧水蒸気で加熱する。このとき、前述したように、易重合性物質を含む気相をできるだけ高温加熱せず、しかも、できるだけ凝縮させずに、保温・加熱しつつ、筒体内を通過させる必要がある。このためには、減圧水蒸気の温度は、筒体内の易重合性物質を含む気相の温度よりも0.1〜15℃高く、より好ましくは0.5〜10℃高く、最も好ましくは1〜5℃高くなるよう、設定されていることである。
【0017】
ジャケット内に導入する100℃未満の減圧水蒸気の温度はジャケット内に温度計を設置して検知する。この検知結果に基づき、コントロールバルブ等で水蒸気の供給量を調整することで、ジャケット内の温度を制御する。圧力計も設置して、ジャケット内の圧力を検知することで、コントロールバルブ等で水蒸気の供給量を制御するようにしてもよい。
ジャケット内での減圧水蒸気の循環方向は、ジャケット上部から減圧水蒸気を供給し、ジャケット下部から蒸気ドレンを抜き出すようにすることが好ましい。
本発明にかかわる易重合性物質の通過装置は、易重合性物質を蒸留する際に用いられる、蒸留塔における空塔部分とその後段の蒸気送り出しラインを構成することができる。
【0018】
ここで、蒸留塔とは、単留塔でもよいし、充填塔、泡鐘塔、多孔板塔などの精留塔でも良い。複数のシーブトレーを有する蒸留塔や充填物を有する蒸留塔が好ましい使用例である。なお、単留塔の場合は、ワイヤーメッシュデミスターなどを設けて飛沫同伴を防止しておくことが望ましい。
本発明にかかる通過装置はまた、特に限定されるわけではないが、蒸留塔と蒸気送り出しラインとコンデンサを用いる易重合性物質の蒸留方法において、好ましく用いられる。
このような易重合性物質の蒸留方法を表す1例を図1に示す。
【0019】
この蒸留方法では、蒸留塔1における蒸留液面よりも上の空塔部分、コンデンサ3に通じる蒸気送り出しライン2およびコンデンサ3上部が、本発明にかかる易重合性物質の通過装置で構成されている。すなわち、蒸留塔1の空塔部分外周にジャケット11、蒸気送り出しライン2の外周にジャケット12をそれぞれ備えているのである。蒸気送り出しライン2ができるだけ短くなるように、コンデンサ3を蒸留塔1の塔頂近傍に設置することが好ましい。
蒸留塔1はこの例では単留塔である。蒸留塔1は、図示しないが、リボイラーおよび薄膜式蒸発装置を備えている。これらはいずれか一方でもよい。リボイラーおよび薄膜式蒸発装置を併用する場合には、リボイラー、薄膜式蒸発装置、蒸留塔の間を結ぶラインの少なくとも一部は、本発明の易重合性物質の通過装置で構成するのが好ましい。リボイラーの形式は、特に限定されるものではないが、多管式熱交換器においては、縦型サーモサイホン式リボイラー、縦型多管式液膜流下型リボイラー、強制循環型リボイラーなどが挙げられる。薄膜式蒸発装置は、スミス式薄膜蒸発装置やルーワ(Luwa)型薄膜式蒸発装置のような縦型のものでもよいし、横型のものでもよい。薄膜式蒸発装置の圧力条件は、蒸留装置に近い条件で行なうことが好ましく、同様の条件で行なうことが特に好ましい。
【0020】
コンデンサ3の形式は、特に限定されるものではないが、バロメトリックコンデンサ、縦型多管式、横型多管式などの形式が挙げられる。
ジャケット11,12の内部では、減圧水蒸気が液化することがある。この液化水は、これをジャケット11,12の内部に放置しておくと、ジャケット内の温度分布を不均一にするだけでなく、減圧水蒸気の偏流をも引き起こす恐れがある。そこで、このような偏流の原因になる水(以下、蒸気ドレンと言う)をジャケット11,12の内部から速やかに排出するために、蒸気ドレンの排出パイプ4を、蒸留塔ジャケット11の底部から鉛直下方向に伸長し、U字形に反転させて立ち上げ、水平に伸ばして、蒸気ドレンの排出口5とする。この実施例では、排出パイプ4は、ジャケット11の底部からの導菅4aと、ジャケット12におけるコンデンサ3側の底部からの導菅4bとが合流したものである。
【0021】
排出口5は、排出パイプ4における、U字形部分41の底部42よりも高い位置にあって、蒸気ドレンを溜めることが出来るようになっている。この実施例では500mm高い位置にある。すなわち、排出パイプ4の底部42よりも高い位置に排出口5を設置しておけば、蒸気ドレンがU字形部分41に溜まる。ジャケット11,12の内部は減圧状態であるので、排出パイプ4において、蒸気ドレンは排出口5の高さ位置から見て、ジャケット11,12内の上記減圧に相当する高さの水柱が立つ。これが排水口5での大気圧と釣り合う働きをし、そのため、U字形部分41に溜まっている蒸気ドレンがジャケット側に吸い込まれることがない。一方、排出口5は常に開放しているので、U字形部分41に落ちてきた蒸気ドレンに対応する水分量だけ、排出口5から自然にオーバーフローし、蒸気ドレン量が増えることがない。
【0022】
排出機構の構成を以上のようにしておけば、排出口5に定圧ドレン抜きのような器具を設置する必要がなく、さらに、ジャケット11,12内の減圧状態も簡単に維持することができる。
本発明にかかる装置のスタート時においては、ジャケット11,12の内部に水をいったん充満させた状態にしてから、この水を蒸気ドレン排出口5から抜いて減圧状態をつくりだす。これにより、ジャケット11,12の内部圧力を13〜53hPaに維持することができる。これによって、ジャケット11,12内の水蒸気温度が10℃以上100℃未満の範囲内にあるように、減圧度を13hPa以上、1013hPa未満に調整することが出来る。蒸留を行う際には、蒸留温度にあわせて、水蒸気温度を10℃以上、100℃未満、好ましくは40℃以上、100℃未満に、そして、減圧度を53hPa以上、1013hPa未満に調整するようにするとよい。
【0023】
このような方法で減圧状態を確立することは、スタート時におけるジャケット内への空気の混入を防ぎ、ジャケット内温度の調整不良を防ぐことにもなる。
本発明の装置では、ジャケット11,12の内部が減圧状況にあるため、ジャケット外部からジャケット内部へ空気がフランジを通してごくわずかに入りこむ。この入りこんだ空気もジャケット11,12内の温度調整を不良にするため、減圧水蒸気を通すジャケットには、フランジをできるだけ少なくして、ジャケット内部への空気の混入を防ぐのが良い。
ジャケット11,12の各接合部では、図2に見るように、ジャケット11とジャケット12の間に渡り配管6を設けるが、これが1個所だけであると、減圧水蒸気の偏流が起こり、ジャケット11,12内部で温度分布が不均一になり、重合トラブルが発生するおそれがある。これを防ぐため、ジャケット11,12の横断面方向に対して適宜間隔(この実施例では1500mm)に1箇所の割合で、ジャケット11,12の各接合部付近の壁面に、渡り配管6を複数本、設置することが好ましい。この実施例では、4箇所設置している。このようにすれば、ジャケット接合部における減圧水蒸気の流れが均一になる。ジャケット11,12の各接合部にはまた、ジャケット12で生じた蒸気ドレンを下方のジャケット11に送るためのドレン切り7を設けておく。
【0024】
本発明にかかる易重合性物質の通過装置は、蒸留塔と蒸気送り出しラインとコンデンサを用いて易重合性物質を蒸留する方法に好ましく適用することが出来る。すなわち、前記蒸留塔の空塔部分から蒸気送り出しラインに掛けての部分の少なくとも一部を構成する筒体を、本発明にかかる易重合性物質の通過装置で構成するのである。
このような蒸留方法を好ましく適用することができる易重合性物質としては、特に限定されるわけではないが、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステルを含む不飽和カルボン酸エステル類、アクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル化合物、スチレン等の重合性ビニール化合物等が挙げられる。
【0025】
上記本発明の蒸留方法は、好ましくは(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも1種の化合物を含む液の蒸留・精製において、より好ましくはヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸留方法において、適用することが効果的である。
このような理由から、本発明の蒸留方法は、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法に好ましく適用できる。すなわち、この製造方法は、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを生成する工程と蒸留する工程とを備え、かつ、前記蒸留する工程が蒸留塔と蒸気送り出しラインとコンデンサを備えて行われる方法であり、前記蒸留する工程において、前記蒸留塔の空塔部分から前記蒸気送り出しラインに掛けての部分の少なくとも一部を構成する筒体を上記易重合性物質の通過装置で構成するのである。
【0026】
このヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造方法の一例をより具体的に述べれば、触媒存在下で(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドをエステル化反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを生成する工程と、反応後の未反応アルキレンオキシドおよび/または未反応(メタ)アクリル酸が残存する反応液中からヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを蒸留する工程からなるのである。
本発明にかかる易重合性物質の通過装置を用いれば、ヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸気を含む気相が、高温に加熱されず、しかもできるだけ凝縮しない低い温度に保たれているために、コンデンサ入口部での重合発生を抑えることができる。そのため、本発明にかかるヒドロキシ(メタ)アクリレートの蒸留方法によれば、縦型の多管式熱交換器などの効率的機器の利用が容易になる。この場合、留出液を循環させて、バロメトリックコンデンサのように蒸気中にシャワーさせて重合防止をはかるのもよい。
【0027】
ヒドロキシ(メタ)アクリレートを製造するために好ましく用いられる原料は、(メタ)アクリル酸とアルキレンオキシドである。本発明において用いることができる(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、または、メタアクリル酸のことである。また、本発明において用いることができるアルキレンオキシドは、好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のアルキレンオキシドであり、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられる。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートを製造するために好ましく用いられる触媒については、特に限定されず、この種の反応に一般に用いられる触媒を使用することができる。具体的には、塩化第二鉄、酢酸第二鉄などの鉄化合物、重クロム酸ソーダ、塩化クロム、不飽和酸のクロム塩などのクロム化合物、トリアルキルアミン類、4級アンモニウム基をもつイオン交換樹脂などのアミン類を用いることができる。
【0028】
反応液中で生成したヒドロキシ(メタ)アクリレートの重合を防止する目的で、重合防止剤を使用することができる。この重合防止剤は、特に限定されることはなく、この種の反応に一般に用いられる重合防止剤を用いることができる。その代表例として、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅などを挙げることができる。
【0029】
【実施例】
以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すように、蒸留塔1、コンデンサ3、蒸気送り出しライン2およびリボイラー(いずれの材質もSUS304)からなる蒸留装置を使用して、ヒドロキシエチルメタクリレートの連続蒸留を行った。蒸留塔、コンデンサおよび蒸気送り出しラインの各外周には、減圧水蒸気を供給できるようにジャケット11,12を設置した。ジャケット11,12内の温度が設定温度となるようにコントロールバルブを介して、減圧水蒸気を供給した。コンデンサ3からの留出液ラインおよびリボイラーからの缶出液ラインのそれぞれにヒドロキシエチルメタクリレート液中に含まれる重合物を除去するためのストレーナーを設置した。
【0030】
上記蒸留装置を操作圧力5hPa、操作温度88℃の条件にして連続蒸留を行った。このとき、ジャケット11,12の設定温度は90℃であった。重合防止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを、蒸留供給液に対し200ppmに相当する量、蒸留供給液に添加した。
この連続蒸留操作を1ヶ月行った後に装置を停止した。停止後、蒸留装置を開放点検したところ、ジャケット11,12を設置した部分の装置内壁面に重合物が約500g付着していた。また、ストレーナー洗浄頻度は、蒸留中においては、留出側、缶出側共に1週間に1回であった。
【0031】
(実施例2)
実施例1において、ジャケット11,12の設定温度を88.1℃と変えたほかは実施例1と同様に運転してヒドロキシエチルメタクリレートの連続蒸留を行った。この連続蒸留操作を1ヶ月行った後、装置を停止した。停止後、蒸留装置を開放点検したところ、ジャケット11,12を設置した部分の装置内壁面に重合物が約600g付着していた。また、ストレーナー洗浄頻度は、蒸留中においては、留出側、缶出側共に1週間に1回であった。
(実施例3)
実施例1において、ジャケット11,12の設定温度を94℃と変えたほかは実施例1と同様に運転してヒドロキシエチルメタクリレートの連続蒸留を行った。この連続蒸留操作を1ヶ月行った後、装置を停止した。停止後、蒸留装置を開放点検したところ、ジャケット11,12を設置した部分の装置内壁面に重合物が約650g付着していた。また、ストレーナー洗浄頻度は、蒸留中においては、留出側、缶出側共に1週間に1回であった。
【0032】
(実施例4)
実施例1において、ジャケット11,12の設定温度を98℃と変えたほかは実施例1と同様に運転してヒドロキシエチルメタクリレートの連続蒸留を行った。この連続蒸留操作を1ヶ月行った後、装置を停止した。停止後、蒸留装置を開放点検したところ、ジャケット11,12を設置した部分の装置内壁面に重合物が約900g付着していた。また、ストレーナー洗浄頻度は、蒸留中においては、留出側、缶出側共に1週間に1回であった。
(実施例5)
実施例1において、蒸留装置の操作圧力を4hPa、操作温度を80℃、ジャケット11,12の設定温度を95℃と変えたほかは実施例1と同様に運転してヒドロキシエチルメタクリレートの連続蒸留を行った。この連続蒸留操作を1ヶ月行った後、装置を停止した。停止後、蒸留装置を開放点検したところ、ジャケット11,12を設置した部分の装置内壁面に重合物が約700g付着していた。また、ストレーナー洗浄頻度は、蒸留中においては、留出側、缶出側共に1週間に1回であった。
【0033】
(比較例1)
実施例1において、ジャケット11,12に減圧水蒸気を供給しないようにした以外は、実施例1と同様にして、ヒドロキシエチルメタクリレートの連続蒸留を行った。ストレーナー洗浄頻度は、蒸留を開始した当初、留出側、缶出側共に2日に1回であったが、2週間後には1日に1回となり、3週間後には1日に数回となり、連続運転に支障をきたしたので、蒸留を停止した。停止後、蒸留装置を開放点検したところ、ジャケット11,12を設置した部分の装置内壁面に重合物が約10kg付着していた。
【0034】
(比較例2)
実施例1において、ジャケット11,12内の設定温度を変更した以外は、実施例1と同様にしてヒドロキシエチルメタクリレートの連続蒸留を行った。ジャケット11,12内の設定温度は85℃であった。ストレーナー洗浄頻度は、蒸留を開始した当初、留出側、缶出側共に3日に1回であったが、3週間後には、2日に1回となり、4週間後には1日に1回となった。1ヶ月間稼動した後、蒸留装置を開放点検したところ、ジャケット11,12を設置した部分の装置内壁面に重合物が約4kg付着していた。
【0035】
(比較例3)
実施例1において、ジャケット11,12内の設定温度を変更した以外は、実施例1と同様にしてヒドロキシエチルメタクリレートの連続蒸留を行った。ジャケット11,12内の設定温度は105℃であった。ストレーナー洗浄頻度は、蒸留を開始した当初、留出側、缶出側共に3日に1回であったが、3週間後には、2日に1回となった。1ヶ月間稼動した後、蒸留装置を開放点検したところ、ジャケット11,12を設置した部分の装置内壁面に重合物が約3kg付着していた。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、易重合性物質を含む気相が通過する経路での易重合性物質の重合を防止して、易重合性物質の蒸留・精製する工程および易重合性物質の蒸気を通過させる工程において、易重合性物質の蒸気移動部分での重合を防止する、易重合性物質の通過装置とその用途を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる蒸留・精製法の一実施例を表す側断面図である。
【図2】ジャケット接合部の拡大側断面図である。
【符号の説明】
1 蒸留塔
2 蒸気送り出しライン
3 コンデンサ
11 蒸留塔空塔部分のジャケット
12 蒸気送り出しラインのジャケット
4 蒸気ドレンの排出パイプ
5 蒸気ドレンの排出口
41 U字形部分

Claims (2)

  1. 蒸留塔と蒸気送り出しラインとコンデンサを用いて易重合性物質を蒸留する方法であって、前記蒸留塔の空塔部分から前記蒸気送り出しラインに掛けての筒体にそれらの外周を囲むジャケットを設けジャケット内に減圧水蒸気を通すことにより、前記易重合性物質の蒸気を含む100℃未満の気相が通過する筒体を、前記気相の温度よりも0.1〜15℃高い温度で均一に加熱および保温することで、前記易重合性物質の凝縮および重合を起こさせないようにして前記気相を前記筒体に通過させる、ことを特徴とする易重合性物質の蒸留方法
  2. 易重合性物質がヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ−トである、請求項1に記載の易重合性物質の蒸留方法。
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