JP2016113555A - 液晶性組成物、円偏光分離素子及びその製造方法、偽造防止用媒体及びその製造方法、輝度向上フィルム並びにセキュリティ媒体 - Google Patents

液晶性組成物、円偏光分離素子及びその製造方法、偽造防止用媒体及びその製造方法、輝度向上フィルム並びにセキュリティ媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016113555A
JP2016113555A JP2014254043A JP2014254043A JP2016113555A JP 2016113555 A JP2016113555 A JP 2016113555A JP 2014254043 A JP2014254043 A JP 2014254043A JP 2014254043 A JP2014254043 A JP 2014254043A JP 2016113555 A JP2016113555 A JP 2016113555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
group
liquid crystalline
crystalline composition
liquid crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014254043A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6447084B2 (ja
Inventor
弘昌 橋本
Hiromasa Hashimoto
弘昌 橋本
草野 賢次
Kenji Kusano
賢次 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2014254043A priority Critical patent/JP6447084B2/ja
Publication of JP2016113555A publication Critical patent/JP2016113555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6447084B2 publication Critical patent/JP6447084B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Printing Methods (AREA)

Abstract

【課題】液安定性に優れる液晶性組成物を提供する。
【解決手段】例えば(I)、(2)、(3)で表される化合物及び溶媒を含む液晶組成物。
Figure 2016113555

Figure 2016113555

Figure 2016113555

【効果】前記液晶性組成物は、液安定性に優れ、円偏光分離素子及び、円偏光分離素子を備える輝度向上フィルム;並びに、偽造防止用媒体を備えるセキュリティ媒体等に有用である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶性組成物と;その液晶性組成物を用いた円偏光分離素子及びその製造方法、偽造防止用媒体及びその製造方法、輝度向上フィルム並びにセキュリティ媒体;に関する。
従来から、液晶性組成物を用いて光学フィルムを製造する技術が知られていた。このような光学フィルムは、通常、液晶性組成物に配向処理を施して製造される。この光学フィルムによれば、例えば、光学補償板等の位相差フィルム、円偏光分離素子などのように、多様な光学フィルムを製造できる。そこで、従来から、光学フィルムの製造に用いうる液晶性組成物について様々な検討がなされていた(特許文献1〜6参照)。
特開2008−291218号公報 国際公開第2009/28576号 国際公開第2009/41512号 特開2010−202517号公報 特開2012−53388号公報 特開2014−139310号公報
しかしながら、従来の液晶性組成物は、液安定性において更なる性能向上が求められていた。ここで、液安定性とは、液晶性組成物を保存した場合に経時的に結晶の析出が生じ難い性質をいう。
本発明は前記課題に鑑みて創案されたものであって、液安定性に優れる液晶性組成物;前記の液晶性組成物を用いて製造された円偏光分離素子及びその製造方法;前記の液晶性組成物を用いて製造された偽造防止用媒体及びその製造方法;前記の円偏光分離素子を備える輝度向上フィルム;並びに、前記の偽造防止用媒体を備えるセキュリティ媒体を提供することを目的とする。
本発明者は上述した課題を解決するべく鋭意検討した結果、後述する化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)を組み合わせて用いることにより、液晶性組成物の液安定性を改善できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕 下記式(I)で表される化合物(I)、下記式(II)で表される化合物(II)、下記式(III)で表される化合物(III)、及び、溶媒を含む、液晶性組成物。
Figure 2016113555
Figure 2016113555
Figure 2016113555
〔Y〜Yは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
及びGは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜20の2価の脂肪族基を表す。該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
及びZは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル基を表す。
及びAは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜30の2価の有機基を表す。
〜Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−OR、−NR−C(=O)−R、−C(=O)−NR、−O−C(=O)−R、又は、−NRを表す。ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。R及びRがアルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜2個のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、又は、シアノ基を表す。
MGは、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、2,6−ナフチレン基、又は、4,4’−ベンズアルデヒドアジン基を表す。
n1は、0〜6の整数を表す。
11は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH−、−OCH−、−NHCO−、−OCOO−、−CHCOO−、又は、−CHOCO−を表す。
は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル基を表す。〕
〔2〕 前記化合物(I)、前記化合物(II)及び前記化合物(III)の合計100重量部に対し、前記化合物(I)が70重量部〜90重量部、前記化合物(II)が2重量部〜10重量部、前記化合物(III)が6重量部〜28重量部であり、かつ、
前記液晶性組成物における前記化合物(I)、前記化合物(II)及び前記化合物(III)の合計割合が10重量%〜60重量%である、〔1〕記載の液晶性組成物。
〔3〕 前記溶媒が、ケトン溶媒である、〔1〕又は〔2〕記載の液晶性組成物。
〔4〕 更に、カイラル剤、界面活性剤及び重合開始剤を含む、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の液晶性組成物。
〔5〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の液晶性組成物を、基材フィルムに塗布し、硬化する工程を経て得られる、円偏光分離素子。
〔6〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の液晶性組成物を、基材フィルムに塗布し、硬化する工程を経て得られる、偽造防止用媒体。
〔7〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の液晶性組成物を、基材フィルムに塗布して、液晶性組成物層を形成する工程、及び、
前記液晶性組成物層を硬化する工程、を含む、円偏光分離素子の製造方法。
〔8〕 〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の液晶性組成物を、基材フィルムに塗布して、液晶性組成物層を形成する工程、及び、
前記液晶性組成物層を硬化する工程、を含む、偽造防止用媒体の製造方法。
〔9〕 〔5〕記載の円偏光分離素子及び位相差フィルムを備える、輝度向上フィルム。
〔10〕 〔6〕記載の偽造防止用媒体を備える、セキュリティ媒体。
本発明によれば、液安定性に優れる液晶性組成物;前記の液晶性組成物を用いて製造された円偏光分離素子及びその製造方法;前記の液晶性組成物を用いて製造された偽造防止用媒体及びその製造方法;前記の円偏光分離素子を備える輝度向上フィルム;並びに、前記の偽造防止用媒体を備えるセキュリティ媒体を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る偽造防止用媒体を模式的に示す平面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る偽造防止用媒体の、図1中の破線に沿って切断した断面を模式的に示す断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る偽造防止用媒体の、表示領域F内の層、並びに、これらの層を透過し又はこれらの層において反射する光の経路を模式的に示す部分断面図である。
以下、実施形態及び例示物を示して本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態及び例示物に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。
以下の説明において、フィルムの面内レターデーションReは、別に断らない限り、Re=(nx−ny)×dで表される値である。ここで、nxは、フィルムの厚み方向に垂直な方向(面内方向)であって最大の屈折率を与える方向の屈折率を表す。nyは、前記面内方向であってnxの方向に直交する方向の屈折率を表す。dは、フィルムの厚みを表す。測定波長は、別に断らない限り、590nmである。
以下の説明において、「偏光板」及び「1/4波長板」とは、別に断らない限り、剛直な部材だけでなく、例えば樹脂製のフィルムのように可撓性を有する部材も含む。
[1.液晶性組成物の概要]
本発明の液晶性組成物は、式(I)で表される化合物(I)、式(II)で表される化合物(II)、式(III)で表される化合物(III)、及び、溶媒を含む。化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)は、通常、液晶性組成物の固形分であり、溶媒中に溶解又は分散している。
Figure 2016113555
Figure 2016113555
Figure 2016113555
〔Y〜Yは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
及びGは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜20の2価の脂肪族基を表す。該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
及びZは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル基を表す。
及びAは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜30の2価の有機基を表す。
〜Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−OR、−NR−C(=O)−R、−C(=O)−NR、−O−C(=O)−R、又は、−NRを表す。ここで、記R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。R及びRがアルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜2個のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、又は、シアノ基を表す。
MGは、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、2,6−ナフチレン基、又は、4,4’−ベンズアルデヒドアジン基を表す。
n1は、0〜6の整数を表す。
11は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH−、−OCH−、−NHCO−、−OCOO−、−CHCOO−、又は、−CHOCO−を表す。
は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル基を表す。〕
本発明の液晶性組成物は、前記のように化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)を組み合わせて含むことにより、液安定性に優れる。液晶性組成物の液安定性は、液晶性組成物を室温で1週間放置し、このときの液晶性組成物を観察して結晶の析出の程度を測定することにより評価しうる。
また、本発明の液晶性組成物は、通常、配向性に優れる。ここで配向性とは、液晶性組成物を用いて液晶硬化膜を形成した時に、その液晶硬化膜において配向欠陥を少なくできる性質を表す。ここで液晶硬化膜とは、液晶性組成物の膜を硬化させて得られる膜を表す。配向性は、液晶硬化膜を偏光顕微鏡で観察することにより評価しうる。
[2.化合物(I)]
化合物(I)は、式(I)で表される化合物であり、後述する化合物(II)でも化合物(III)でもないものである。この化合物(I)は、通常、重合性及び液晶性を有する重合性液晶性化合物である。
Figure 2016113555
式(I)において、Y〜Yは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。Rは、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
〜Yの好ましい組み合わせは、Y及びYが−C(=O)−O−であり、Y及びYが−O−C(=O)−であり、且つ、Y及びYが−O−である組み合わせ;並びに、Y〜Yが−C(=O)−O−であり、且つ、Y〜Yが−O−C(=O)−である組み合わせ;が挙げられる。これらの組み合わせを採用することにより、化合物(I)の合成を容易に行うことができ、更に、本発明の所望の効果をより良好に発現させることができる。
式(I)において、G及びGは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜20の2価の脂肪族基を表す。G及びGの脂肪族基の炭素原子数は、好ましくは1〜12である。
及びGの脂肪族基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基、炭素数2〜20のアルケニレン基等の、鎖状の脂肪族基が挙げられる。中でも、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、エチレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等のアルキレン基が好ましい。
及びGの脂肪族基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、前記の脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。Rは、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(I)において、Z及びZは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル基を表す。Z及びZのアルケニル基の炭素原子数は、好ましくは2〜6である。
及びZのアルケニル基としては、例えば、CH=CH−、CH=C(CH)−、CH=CH−CH−、CH−CH=CH−、CH=CH−CH−CH−、CH=C(CH)−CH−CH−、(CHC=CH−CH−、(CHC=CH−CH−CH−、CH=C(Cl)−、CH=C(CH)−CH−、CH−CH=CH−CH−等が挙げられる。
また、Z及びZのアルケニル基の置換基であるハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。
中でも、Z及びZとしては、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、CH=CH−、CH=CH(CH)−、CH=C(Cl)−、CH=CH−CH−、CH=C(CH)−CH−、及び、CH=C(CH)−CH−CH−が好ましい。
前記式(I)において、Aに結合する式:−Y−G−Y−Zで表される基、及び、Aに結合する式:−Y−G−Y−Zで表される基の具体例としては、下記の式(C)で表されるものが挙げられる。
Figure 2016113555
式(C)において、−C(=O)−O−はY又はYに対応し、ヘキシレン基はG又はGに対応し、−O−C(=O)−はY又はYに対応し、ビニル基はZ又はZに対応する。
更に、その具体例を以下に示す。
Figure 2016113555
Figure 2016113555
Figure 2016113555
式(I)において、A及びAは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜30の2価の有機基を表す。A及びAの有機基の炭素原子数は、好ましくは6以上であり、好ましくは20以下である。中でも、A及びAは、芳香族環を有することが好ましい。
及びAの具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2016113555
Figure 2016113555
及びAの具体例として挙げた前記の有機基は、置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、−C(=O)−OR基;等が挙げられる。ここでRは、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。これらの置換基の中でも、ハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。また、ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましく、アルキル基としてはメチル基、エチル基及びプロピル基が好ましく、アルコキシ基としては、メトキシ基及びエトキシ基が好ましい。
前記A及びAとしては、本発明の所望の効果をより良好に発現させる観点から、置換基を有していてもよいフェニレン基、置換基を有していてもよいビフェニレン基、又は置換基を有していてもよいナフチレン基が好ましい。ここで、好ましいフェニレン基は下記式(A11)で示される基であり、好ましいビフェニレン基は式(A21)で示される基であり、好ましいナフチレン基は式(A31)で示される基である。中でも、置換基を有していてもよいフェニレン基がより好ましい。
Figure 2016113555
式(I)において、X〜Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−OR、−NR−C(=O)−R、−C(=O)−NR、−O−C(=O)−R、又は、−NRを表す。X〜Xが置換基を有するアルキル基である場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基が挙げられる。ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。R及びRがアルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。R及びRが置換基を有するアルキル基である場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基が挙げられる。
〜Xの好ましい組み合わせは、原料の入手しやすさの観点から、下記(i)〜(iv)の組み合わせが挙げられる。
(i)X〜Xがいずれも水素原子である組み合わせ。
(ii)X〜X及びXがいずれも水素原子であり、かつ、X及びXが−OCH、−OCHCH若しくは−CHである組み合わせ。
(iii)X〜X、X及びXがいずれも水素原子であり、かつ、Xが−C(=O)−OR、−OCH、−OCHCH、−CH、−CHCH、−CHCHCH若しくはフッ素原子である組み合わせ。
(iv)X〜X及びX〜Xがいずれも水素原子であり、かつ、Xが−C(=O)−O−R、−OCH、−OCHCH、−CH、−CHCH、−CHCHCH若しくはフッ素原子である組み合わせ。
式(I)において、Z−Y−G−Y−A−Y−で表される基と、−Y−A−Y−G−Y−Zで表される基とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(I)で表される化合物(I)の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2016113555
化合物(I)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
化合物(I)の屈折率異方性Δnは、好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上である。化合物(I)としてΔnが0.30以上の化合物を用いると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端が可視域に及ぶ場合があるが、該スペクトルの吸収端が可視域に及んでも所望する光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。このような高いΔnを有することにより、高い光学的性能(例えば、円偏光分離特性)を有する液晶硬化膜が得られる。化合物(I)のΔnの上限は、特に限定されないが、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30以下である。
化合物(I)は、例えば−O−、−S−、−NH−C(=O)−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)NH−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−等の種々の化学結合を形成しうる公知の方法(例えば、サンドラー・カロ官能基別有機化合物合成法[I]、[II] 廣川書店、1976年発行参照)を組み合わせて製造できる。化合物(I)は、典型的には、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)NH−)、及び酸クロライド(−COCl)の形成反応を任意に組み合わせて、所望の構造を有する複数の公知化合物を適切に結合及び修飾することにより製造できる。
エーテル結合の形成は、例えば、以下のようにして行いうる。
1)式:Q−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OM(M:アルカリ金属(主にナトリウム))で表される化合物とを混合して縮合させる。なお、式中、Q及びQは任意の有機基を表す(以下、同様である。)。この反応は一般的にウイリアムソン合成と呼ばれる。
2)式:Q−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下、混合して縮合させる。
3)式:Q−E(Eはエポキシ基を表す。)で表される化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下、混合して縮合させる。
4)式:Q−OFN(OFNは不飽和結合を有する基を表す。)で表される化合物と、式:Q−OM(M:アルカリ金属(主にナトリウム))を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基の存在下、混合して付加反応させる。
5)式:Q−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OM(M:アルカリ金属(主にナトリウム))で表される化合物とを銅あるいは塩化第一銅の存在下、混合して縮合させる。この反応は一般的にウルマン縮合と呼ばれる。
エステル結合及びアミド結合の形成は、例えば、以下のようにして行いうる。
1)式:Q−COOHで表される化合物と、式:Q−OH又はQ−NHで表される化合物とを、脱水縮合剤(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド等)の存在下に脱水縮合させる。
2)式:Q−COOHで表される化合物にハロゲン化剤を作用させることにより、式:Q−COX(Xはハロゲン原子を表す。)を得、このものと式:Q−OH又はQ−NHで表される化合物とを、塩基の存在下に反応させる。
3)式:Q−COOHで表される化合物に、酸無水物を作用させることにより、混合酸無水物を得た後、このものに、式:Q−OH又はQ−NHで表される化合物を反応させる。
4)式:Q−COOHで表される化合物と、式:Q−OH又はQ−NHで表される化合物とを、酸触媒あるいは塩基触媒の存在下に脱水縮合させる。
酸クロライドの形成は、例えば、以下のようにして行いうる。
1)式:Q-COOHで表される化合物に三塩化リンあるいは五塩化リンを作用させる。
2)式:Q-COOHで表される化合物に塩化チオニルを作用させる。
3)式:Q-COOHで表される化合物に塩化オキサリルを作用させる。
4)式:Q-COOAg(Ag:銀元素)で表される化合物に塩素または臭素を作用させる。
5)式:Q-COOHで表される化合物に赤色酸化第二水銀の四塩化炭素溶液を作用させる。
化合物(I)の合成では、中間体に存在する水酸基を保護することで収率を向上させることができる。水酸基を保護する方法としては、公知の方法を利用でき、例えば、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis 第3版 出版:Wiley−Interscience、1999年発行」記載の方法を利用しうる。
水酸基の保護は、例えば、以下のようにして行いうる。
1)式:Q−Si−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを、イミダゾール、ピリジン等の塩基の存在下、混合して反応させる。式中、QからQは、任意の有機基を表す(以下、同様である。)。
2)3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのビニルエーテルと式:Q−OHで表される化合物とを、パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩、塩化水素等の酸の存在下、混合して反応させる。
3)式:Q−C(=O)−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下、混合して反応させる。
4)式:Q−C(=O)−O−C(=O)−Qで表される酸無水化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを、混合して反応させるか、あるいは水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基の存在下で混合して反応させる。
5)式:Q−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等の塩基の存在下、混合して反応させる。
6)式:Q−O−CH−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下、混合して反応させる。
7)式:Q−O−CH−C(=O)−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基の存在下、混合して反応させる。
8)式:Q−O−C(=O)−X(Xはハロゲン原子を表す。)で表される化合物と、式:Q−OHで表される化合物とを、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下、混合して反応させる。
脱保護は、保護基の構造、種類によって、公知の方法を利用することで行うことができ、例えば、以下のようにして行いうる。
1)テトラブチルアンモニウムフルオライドなどのフッ素イオンを混合して脱保護させる。
2)パラトルエンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸ピリジン塩、塩化水素、酢酸等の酸の存在下、混合して脱保護させる。
3)水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下、混合して脱保護させる。
4)Pd−Cなどの触媒の存在下、水素添加することにより脱保護させる。
いずれの反応においても、反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作を行い、所望により、カラムクロマトグラフィー、再結晶法、蒸留法等の公知の分離又は精製手段を施すことにより、目的物を単離することができる。
目的物の構造は、NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトル等の測定、元素分析等により、同定することができる。
本発明の液晶性組成物における化合物(I)の量は、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の合計100重量部に対し、好ましくは70重量部以上、より好ましくは72重量部以上、特に好ましくは75重量部以上であり、好ましくは90重量部以下、より好ましくは85重量部以下、特に好ましくは80重量部以下である。化合物(I)の量を前記範囲に収めることにより、液晶性組成物の濾過性を向上させることができる。ここで濾過性とは、濾過し易い性質を表す。液晶性組成物の濾過性は、液晶性組成物を室温まで放冷した後、その液晶性組成物10mlをポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(孔径0.45μm、直径1cm)によって濾過し、全量濾過するために要する時間を測定することにより、評価しうる。
[3.化合物(II)]
化合物(II)は、式(II)で表される化合物であり、化合物(I)でも後述する化合物(III)でもないものである。この化合物(II)は、通常、重合性及び液晶性を有する重合性液晶性化合物である。
Figure 2016113555
式(II)において、記号Y〜Y、G、G、Z、Z、A、A及びX〜Xは、それぞれ独立して、式(I)における定義と同様に定義されるものを表す。したがって、式(II)において、Y〜Y、G、G、Z、Z、A、A及びX〜Xは、それぞれ独立して、式(I)においてY〜Y、G、G、Z、Z、A、A及びX〜Xとして説明した範囲から任意のものを選択して用いうる。式(I)及び式(II)において共通の記号で表されるものは、式(I)と式(II)とで異なっていてもよいが、式(I)と式(II)とで同じであることが好ましい。これにより、化合物(I)と化合物(II)とを同時に製造できるので、本発明の液晶性組成物の製造を容易に行うことができる。
式(II)で表される化合物(II)の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2016113555
化合物(II)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
化合物(II)の屈折率異方性Δnは、好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上である。化合物(II)としてΔnが0.30以上の化合物を用いると、紫外線吸収スペクトルの長波長側の吸収端が可視域に及ぶ場合があるが、該スペクトルの吸収端が可視域に及んでも所望する光学的性能に悪影響を及ぼさない限り、使用可能である。このような高いΔnを有することにより、高い光学的性能(例えば、円偏光分離特性)を有する液晶硬化膜が得られる。化合物(II)のΔnの上限は、特に限定されないが、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30以下である。
化合物(II)は、例えば、化合物(I)と同様に、種々の化学結合を形成しうる公知の方法を組み合わせて製造できる。中でも、式(I)において記号Y〜Y、G、G、Z、Z、A、A及びX〜Xで表されるものと、式(II)において記号Y〜Y、G、G、Z、Z、A、A及びX〜Xで表されるものとがそれぞれ同じである場合、式(I)で表される化合物(I)を製造することにより、式(II)で表される化合物(II)を同時に製造することができる。このように化合物(I)と化合物(II)とを同時に製造する場合、例えば、特開2010−202517号公報に記載の方法を採用してもよい。
本発明の液晶性組成物における化合物(II)の量は、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の合計100重量部に対し、好ましくは2重量部以上、より好ましくは3重量部以上、特に好ましくは5重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは9重量部以下、特に好ましくは7重量部以下である。化合物(II)の量を前記範囲に収めることにより、液晶性組成物の濾過性を向上させることができる。
[4.化合物(III)]
化合物(III)は、式(III)で表される化合物であり、化合物(I)でも化合物(II)でもないものである。
Figure 2016113555
式(III)において、Zは、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜2個のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、又は、シアノ基を表す。Zが置換基を有するアルキル基である場合の置換基としては、例えばハロゲン原子を挙げることができる。これらの中でも、Zは、好ましくはシアノ基である。
式(III)において、MGは、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、2,6−ナフチレン基、又は、4,4’−ベンズアルデヒドアジン基(−C−CH−=N−N=CH−C−。ここで、−C−はp−フェニレン基である。)を表す。このMGは、通常、メソゲン基である。これらの中でも、MGは、好ましくは4,4’−ビフェニレン基である。
式(III)において、n1は、通常0〜6の整数を表し、好ましくは0〜2の整数を表す。
式(III)において、Y11は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH−、−OCH−、−NHCO−、−OCOO−、−CHCOO−、又は、−CHOCO−を表す。中でも、Y11は、好ましくは−OCO−である。
式(III)において、Zは、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル基を表す。中でも、Zは、好ましくはCH=CH−である。
化合物(III)の屈折率異方性Δnは、好ましくは0.18以上、より好ましくは0.22以上である。化合物(III)がこのように高いΔnを有することにより、液晶性組成物のΔnを向上させることができ、広い波長帯域で円偏光分離機能を発揮しうる円偏光分離素子を得ることができる。Δnの上限は、特に限定されないが、好ましくは0.35以下、より好ましくは0.30としうる。
化合物(III)の好ましい例としては、下記の化合物(2−1)〜(2−4)を挙げることができる。
Figure 2016113555
化合物(III)は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
化合物(III)の製造方法は、特に限定されず、当該技術分野において知られた方法を用いうる。化合物(III)は、例えば、特開昭62−70406号公報及び特開平11−100575号公報に記載の方法により製造しうる。
本発明の液晶性組成物における化合物(III)の量は、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の合計100重量部に対し、好ましくは6重量部以上、より好ましくは10重量部以上、特に好ましくは15重量部以上であり、好ましくは28重量部以下、より好ましくは25重量部以下、特に好ましくは20重量部以下である。化合物(III)の量を前記範囲に収めることにより、液晶性組成物の濾過性を向上させることができる。
[5.化合物(I)〜化合物(III)の分子量及び合計割合]
本発明の液晶性組成物においては、化合物(III)の分子量が600未満であり、且つ、化合物(I)及び化合物(II)の分子量が600以上であることが好ましい。これにより、分子量が小さい化合物(III)が、それよりも分子量の大きい化合物(I)及び化合物(II)の隙間に入り込むことができ、配向均一性を向上させることができる。化合物(I)及び化合物(II)の分子量はより好ましくは750以上であり、化合物(III)の分子量はより好ましくは250〜450である。
本発明の液晶性組成物における化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の合計割合は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であり、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下、特に好ましくは40重量%以下である。化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の合計割合を前記範囲の下限値以上にすることにより、表面平滑性が向上した膜を形成できるとともに、厚みムラを防止して塗工性を向上させることができ、上限値以下にすることにより、塗布ノズル先端と基材フィルムとの間に安定したメニスカスを形成することができる。
[6.溶媒]
溶媒としては、通常、有機溶媒を用いる。溶媒の例としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;酢酸ブチル、酢酸アミル等の酢酸エステル溶媒;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒;などが挙げられる。これらの中でも、ケトン溶媒が好ましい。ケトン溶媒を含む溶媒を用いることにより、液晶性化合物を効果的に溶解させることができる。溶媒は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
溶媒の量は、本発明の液晶性組成物における化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の合計割合を上述した範囲に収められる範囲で任意に設定しうる。通常、溶媒の量は、液晶性組成物に含まれる溶媒以外の固形分全量に対する割合として、40重量%〜90重量%としうる。
[7.任意の成分]
本発明の液晶性組成物は、上述した化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)及び溶媒以外に、更に任意の成分を含みうる。また、任意の成分は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
任意の成分としては、例えば、カイラル剤を用いうる。本発明の液晶性組成物において、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)は、カイラル剤と組み合わせて用いることにより、コレステリック規則性を安定して呈することができる。
カイラル剤としては、分子内にカイラルな炭素原子を有するカイラル化合物を用いうる。ただし、分子内にカイラルな炭素原子を有する化合物であっても、上述した化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)に該当する化合物は、カイラル剤に含めない。前記のカイラル化合物の中でも、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の配向を乱さないものが好ましい。さらに、その中でも、カイラル剤としては、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)と重合可能な重合性カイラル化合物がより好ましい。ここで「重合」には、通常の重合反応のほか、架橋反応を含む広い意味での化学反応を含む。
重合性カイラル化合物としては、例えば、市販のもの(例えば、BASF社製「LC756」;ADEKA社製「キラコールCNL17R」、「キラコールCNL686L」等)を用いることができるほか、特開平11−193287号公報及び特開2003−137887号公報に記載されているものを使用しうる。かかるカイラル化合物としては、例えば、以下の3つの式のいずれかで示される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2016113555
前記の式において、R及びRとしては、それぞれ独立して、例えば、水素原子、メチル基、メトキシ基等が挙げられる。Y及びY10としては、それぞれ独立して、例えば、−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−等が挙げられる。また、m及びmは、それぞれ独立して、2、4又は6を示す。これらの式で表される化合物の具体例としては、下記に示される化合物が挙げられる。
Figure 2016113555
カイラル剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
液晶性組成物においてカイラル剤の量は、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上であり、好ましくは100重量以下、より好ましくは10重量部以下である。カイラル剤の量は所望の特性(特に選択反射波長)を得るために適宜調整しうる。
任意の成分としては、例えば、重合開始剤を用いうる。重合開始剤を用いることにより、重合反応を効率的に行うことができる。
重合開始剤としては、通常、光重合開始剤を用いる。光重合開始剤の具体的な種類は、化合物(I)〜化合物(III)に存在する重合性の基の種類に応じて適切なものを選択しうる。例えば、重合性の基がラジカル重合性の基であればラジカル重合開始剤を用いてもよく、重合性の基がアニオン重合性の基であればアニオン重合開始剤を用いてもよく、重合性の基がカチオン重合性の基であればカチオン重合開始剤を用いてもよい。
光重合開始剤としては、紫外線又は可視光線によってラジカル又は酸を発生させる化合物を用いうる。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンジルメチルケタール、ベンゾフェノン、ビアセチル、アセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンジルイソブチルエーテル、テトラメチルチウラムモノ(ジ)スルフィド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、メチルベンゾイルフォーメート、2,2−ジエトキシアセトフェノン、β−アイオノン、β−ブロモスチレン、ジアゾアミノベンゼン、α−アミルシンナックアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、pp’−ジクロロベンゾフェノン、pp’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(2,6−メトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、アントラセンベンゾフェノン、α−クロロアントラキノン、ジフェニルジスルフィド、ヘキサクロルブタジエン、ペンタクロルブタジエン、オクタクロロブテン、1−クロルメチルナフタリン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]や1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(o−アセチルオキシム)などのカルバゾールオキシム化合物、(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート、3−メチル−2−ブチニルテトラメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−(p−フェニルチオフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。また、所望する物性に応じて2種以上の化合物を混合することができ、必要に応じて光増感剤及び重合促進剤としての三級アミン化合物を組み合わせて用いて硬化性をコントロールしてもよい。
光ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、チバスペシャルティーケミカルズ社製の商品名「Irgacure907」、商品名「Irgacure184」、商品名「Irgacure369」、商品名「Irgacure651」及び商品名「IrgacureOXE02」等が挙げられる。
アニオン重合開始剤としては、例えば、アルキルリチウム化合物;ビフェニル、ナフタレン、ピレン等の、モノリチウム塩又はモノナトリウム塩;ジリチウム塩やトリリチウム塩等の多官能性開始剤;等が挙げられる。
カチオン重合開始剤としては、例えば、硫酸、リン酸、過塩素酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のプロトン酸;三フッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズのようなルイス酸;芳香族オニウム塩又は芳香族オニウム塩と、還元剤との併用系;が挙げられる。
重合開始剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
液晶性組成物において重合開始剤の量は、好ましくは0.03重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは7重量%以下、より好ましくは6重量%以下、特に好ましくは5重量%以下である。重合開始剤の量を前記範囲の下限値以上にすることにより重合反応を特に効率的に行うことができ、上限値以下にすることにより液晶の配向を阻害することなく液晶相を安定化し、膜強度を強くすることができる。
任意の成分としては、例えば、界面活性剤を用いうる。界面活性剤を用いることにより、液晶性組成物の表面張力を調整することができる。
界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好ましい。当該ノニオン系界面活性剤としては、例えば、分子量が数千程度のオリゴマーであるノニオン系界面活性剤が挙げられ、具体的には、セイミケミカル社製「KH−40」等が挙げられる。また、界面活性剤は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
液晶性組成物において界面活性剤の量は、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の合計量100重量部に対し、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、好ましくは10重量部以下、より好ましくは2重量部以下である。界面活性剤の量を前記範囲に収めることにより、空気界面における配向規制力が低下したり、液晶分子間に界面活性剤が入り込んで配向均一性を低下させたりすることを抑制でき、液晶性組成物の表面張力を適切な範囲に収めやすい。
さらに、任意の成分としては、例えば、金属、金属錯体、染料、顔料、蛍光材料、燐光材料、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、酸化防止剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物、などを用いうる。
[8.液晶性組成物の製造方法]
本発明の液晶性組成物は、通常、上述した化合物(I)、化合物(II)、化合物(III)及び溶媒、並びに、必要に応じて任意の成分を混合することにより、製造しうる。この際、混合の順番は任意である。
[9.液晶性組成物の用途]
本発明の液晶性組成物は、通常、液晶硬化膜の製造に用いられる。液晶硬化膜は、液晶性組成物層を硬化させて得られる膜であり、通常は、本発明の液晶性組成物を基材フィルムに塗布し、硬化する工程を経て得られる。このような液晶硬化膜は、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の配向を調整することにより、多様な光学特性を発揮しうる。
例えば、面内方向又は厚み方向に所望の複屈折が発現するように化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)を配向させた液晶性組成物層を硬化することにより、所望のレターデーションを有する液晶硬化膜が得られる。このような所望のレターデーションを有する液晶硬化膜を備えるフィルムは、例えば位相差フィルムとして用いうる。
また、例えば、コレステリック規則性を呈するように化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)を配向させた液晶性組成物層を硬化することにより、円偏光分離機能を有する液晶硬化膜が得られる。ここで円偏光分離機能とは、右円偏光及び左円偏光のうちの一方の円偏光を透過させ、他方の円偏光の一部又は全部を反射させる機能をいう。このような円偏光分離機能を有する液晶硬化膜を備えるフィルムは、例えば円偏光分離素子として用いうる。
中でも、本発明の液晶性組成物は、円偏光分離機能を有する液晶硬化膜の製造に用いることが好ましい。
[10.円偏光分離素子]
本発明の円偏光分離素子は、本発明の液晶性組成物を基材フィルムに塗布し、硬化する工程を経て得られる素子であり、円偏光分離機能を有する液晶硬化膜を備える。この液晶硬化膜では、通常、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)がコレステリック規則性を呈した状態で固定されている。具体的には、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)がコレステリック規則性を呈した状態で重合されている。そのため、液晶硬化膜は、通常、当該液晶硬化膜に含まれる分子がコレステリック規則性を呈したまま硬化した非液晶性の樹脂層となっている。
前記のコレステリック規則性とは、一平面上では分子軸が一定の方向に並んでいるが、それに重なる次の平面では分子軸の方向が少し角度をなしてずれ、更に次の平面ではさらに角度がずれるというように、重なって配列している平面を順次透過して進むに従って当該平面中の分子軸の角度が連続的にずれて(ねじれて)いく構造を示す。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造は、光学的にカイラルな構造となる。コレステリック規則性を呈した化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)を含む液晶性組成物層を硬化させた前記の液晶硬化膜は、円偏光分離機能を発揮できる。また、このような液晶硬化膜における円偏光の反射は、通常、円偏光のキラリティを維持したままの反射となる。
液晶硬化膜が円偏光分離機能を発揮する波長は、一般に、液晶硬化膜におけるらせん構造のピッチに依存する。らせん構造のピッチとは、らせん構造において分子軸の方向が平面を進むに従って少しずつ角度が連続的にずれていき、そして再びもとの分子軸方向に戻るまでの平面法線方向の距離である。このらせん構造のピッチの大きさを変えることによって、円偏光分離機能を発揮する波長を変えることができる。広い波長範囲において円偏光分離機能を発揮しうる液晶硬化膜は、例えば、(i)らせん構造のピッチの大きさを段階的に変化させた液晶硬化膜、(ii)らせん構造のピッチの大きさを連続的に変化させた液晶硬化膜、などが挙げられる。
前記のように円偏光分離機能を有する液晶硬化膜を備えた円偏光分離素子は、例えば、本発明の液晶性組成物を基材フィルムに塗布して液晶性組成物層を形成する工程、及び、前記液晶性組成物層を硬化して液晶硬化膜を得る工程を含む製造方法により製造しうる。以下、この製造方法について説明する。
基材フィルムとしては、通常、樹脂フィルムを用いる。また、この樹脂フィルムは、1mm厚で全光透過率80%以上であることが好ましい。このような樹脂フィルムに用いうる樹脂としては、例えば、脂環式オレフィン樹脂、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などの鎖状オレフィン樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィン樹脂及び鎖状オレフィン樹脂のフィルムが好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィン樹脂が特に好ましい。
基材フィルムの液晶性組成物層を形成する面には、必要に応じて、液晶性組成物層を形成する前に、配向膜を設けてもよい。配向膜により、当該配向膜上に塗布された液晶性組成物を所望の方向に容易に配向させることができる。配向膜は、例えば、セルロース、シランカップリング剤、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エポキシアクリレート、シラノールオリゴマー、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、ポリオキサゾール、環化ポリイソプレンなどで形成しうるが、中でも変性ポリアミドが好ましい。変性ポリアミドとしては、例えば、芳香族ポリアミド又は脂肪族ポリアミドに変性を加えたものを用いうる。その中でも特に、脂肪族ポリアミドに変性を加えたものが好ましい。好適な例を挙げると、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、3元ないし4元共重合ナイロン、脂肪酸系ポリアミド、又は脂肪酸系ブロック共重合体(例えばポリエーテルエステルアミド、ポリエステルアミド)に変性を加えたものを挙げることができる。また、変性としては、例えば、末端アミノ変性、カルボキシル変性、ヒドロキシル変性などの変性、並びに、アミド基の一部をアルキルアミノ化又はN−アルコキシアルキル化する変性を挙げることができる。N−アルコキシアルキル化変性ポリアミドとしては、例えば、ナイロン−6、ナイロン−66、又はナイロン−12等の共重合ナイロンのアミド基の一部をN−メトキシメチル化したものが挙げられる。変性ポリアミドの重量平均分子量は、好ましくは5000〜500000、より好ましくは10000〜200000である。
配向膜は、例えば、前記の材料を含む溶液を基材フィルム上に塗布し、乾燥させ、ラビング処理を施すことにより製造しうる。この際の塗布方法としては、例えば、リバースグラビアコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法等が挙げられる。
配向膜の厚さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは5μm以下、より好ましくは2μm以下である。基材フィルムが配向膜を備える場合、通常、この配向膜上に液晶性組成物層を設ける。
さらに、液晶性組成物層を設ける前、又は、配向膜を設ける前に、必要に応じて、基材フィルムの表面にコロナ放電処理及びラビング処理等の表面処理を施してもよい。
必要に応じて配向膜を設けたり表面処理を施したりした後で、基材フィルムに液晶性組成物を塗布して液晶性組成物層を形成する工程を行う。液晶性組成物の塗布は、例えば、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法、バーコーティング法等により実施することができる。
基材フィルム上に液晶性組成物層を設けた後で、必要に応じて、配向処理を行ってもよい。配向処理は、例えば液晶性組成物層を50℃〜150℃で0.5分間〜10分間加温することにより行いうる。配向処理を施すことにより、液晶性組成物を配向させられるので、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)の分子はコレステリック規則性を呈した状態となる。
その後、液晶性組成物層を硬化させて液晶硬化膜を得る工程を行う。液晶性組成物層の硬化は、通常、少なくとも1回の光照射処理及び/又は加熱処理により行う。中でも、液晶性組成物層の硬化は、1回以上の光照射処理と加温処理との組み合わせにより行うことが好ましい。
加温条件は、例えば、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、また、好ましくは200℃以下、より好ましくは140℃以下の温度において、好ましくは1秒以上、より好ましくは5秒以上、また、好ましくは3分以下、より好ましくは120秒以下の時間としうる。
光照射処理に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射処理は、例えば、波長200nm〜500nmの光を0.01秒〜3分照射することにより行いうる。
前記の光照射処理において、照射する光のエネルギーは、0.01mJ/cm〜50mJ/cmとしてもよい。0.01mJ/cm〜50mJ/cmの微弱な光照射と加温とを複数回交互に繰り返すことにより、らせん構造のピッチの大きさを連続的に大きく変化させることができるので、広い波長帯域で円偏光分離機能を発揮できる液晶硬化膜を得ることができる。さらに、上記の微弱な光照射等によって円偏光分離機能を発揮しうる波長帯域(以下、適宜「選択反射帯域」という。)の拡張を行った後に、50mJ/cm〜10,000mJ/cmといった比較的強い光を照射し、化合物(I)、化合物(II)及び化合物(III)を含む液晶性化合物を完全に重合させることにより、機械的強度の高い液晶硬化膜を得ることができる。上記の選択反射帯域の拡張及び強い光の照射は、空気下で行ってもよく、又はその工程の一部又は全部を、酸素濃度を制御した雰囲気(例えば、窒素雰囲気下)で行ってもよい。
前記のような液晶性組成物の塗布及び硬化の工程は、1回に限られず、塗布及び硬化を複数回繰り返して行ってもよい。これにより、2層以上を含む液晶硬化膜を形成できる。ただし、本発明の液晶性組成物を用いることにより、1回のみの液晶性組成物の塗布及び硬化によっても、良好に配向した液晶性化合物を含み、かつ5μm以上といった厚みの厚い液晶硬化膜を容易に形成することができる。
このような製造方法によって液晶硬化膜を製造した場合、液晶硬化膜における分子のねじれ方向は、使用するカイラル剤の種類(構造)により適宜選択できる。通常は、ねじれを右方向とする場合には右旋性を付与するカイラル剤を用い、ねじれ方向を左方向とする場合には左旋性を付与するカイラル剤を用いる。
上述した製造方法により、基材フィルム及び当該基材フィルム上に形成された液晶硬化膜を備える円偏光分離素子が得られる。また、液晶硬化膜を得た後で、液晶硬化膜から基材フィルムを剥離し、液晶硬化膜のみを円偏光分離素子として用いてもよい。さらに、液晶硬化膜を得た後で、液晶硬化膜とは反対側の基材フィルムの面に任意の層を形成してもよい。
液晶硬化膜の厚みは、十分な反射率を得る上で、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは1μm以上、特に好ましくは3μm以上であり、また、液晶硬化膜の透明性を得る上で、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下、特に好ましくは8μm以下である。ここで、液晶硬化膜の厚みは、液晶硬化膜が2以上ある場合には各膜の厚みの合計を指し、液晶硬化膜が1層である場合にはその厚さを指す。
上述したようにして製造された円偏光分離素子の用途は任意であり、例えば、輝度向上フィルムの製造に用いてもよい。輝度向上フィルムは、前記の円偏光分離素子及び位相差フィルムを備える複層構造のフィルムである。
位相差フィルムは、当該位相差フィルムを透過する光にレターデーションを生じさせうる光学素子である。輝度向上フィルムに設ける位相差フィルムとしては、通常、1/4波長板を用いる。ここで1/4波長板とは、1/4波長の面内レターデーションReを有するフィルムをいう。具体的には、測定波長590nmにおける1/4波長板の面内レターデーションReは、測定波長である590nmの1/4の値から、好ましくは±65nm、より好ましくは±30nm、特に好ましくは±10nmの範囲にあるか、または、測定波長である590nmの3/4の値から、好ましくは±65nm、より好ましくは±30nm、特に好ましくは±10nmの範囲にある。
1/4波長板等の位相差フィルムとしては、例えば、樹脂により形成された延伸フィルムを用いうる。このような樹脂としては、例えば、鎖状オレフィン樹脂、脂環式オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメタクリレート樹脂などが挙げられる。これらの中でも、鎖状オレフィン樹脂、脂環式オレフィン樹脂が好ましく、透明性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、脂環式オレフィン樹脂が特に好ましい。また、これらの樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。さらに、樹脂には、本発明の効果を著しく損なわない限り、任意の配合剤を含ませてもよい。位相差フィルムとしては、単層構造のフィルムを用いてもよく、複層構造のフィルムを用いてもよい。好適な位相差フィルムの例を挙げると、市販の長尺の斜め延伸フィルム、横延伸フィルムなどが挙げられる。またその具体例としては、日本ゼオン社製、製品名「斜め延伸位相差フィルム」、「横一軸延伸ゼオノアフィルム」を挙げることができる。
また、位相差フィルムとして、液晶性の材料を任意の基材上に塗布し、配向させ、硬化させて得られるフィルムを用いてもよい。
輝度向上フィルムは、円偏光分離素子及び位相差フィルム以外にも、更に別の層を備えていてもよい。例えば、光を拡散させうる光拡散シート;光を集光しうる集光シート;輝度向上フィルムに含まれる光学素子同士を接着しうる粘着層及び接着層;輝度向上フィルムに防汚性、傷つき防止性等の機能を付与しうる保護フィルム;ハードコート層;アンチブロッキング層等が挙げられる。
前記のような輝度向上フィルムは、通常、光源に近い方から円偏光分離素子及び位相差フィルムがこの順になるようにして、液晶表示装置に設けられる。液晶表示装置において、バックライト等の光源からの光が輝度向上フィルムを透過する際、円偏光分離素子により所定の偏光のみが選択的に反射し、残りの光が透過される。透過した光はさらに位相差フィルムを透過することにより所定の偏光に変換され、液晶セルに入射する。他方、円偏光分離素子により反射された光は、液晶表示装置の他の構成要素(反射板等)により反射されて偏光状態を変化された後に再度円偏光分離フィルムに入射し、円偏光分離素子を透過できる所定の偏光となったものは当該円偏光分離素子を透過し、位相差フィルムにより所定の偏光に変換され、液晶セルに入射する。このように、輝度向上フィルムにより、液晶セルによる表示に必要な所定の偏光を増加させて液晶セルに供給することができる。
[11.偽造防止用媒体]
本発明の偽造防止用媒体は、本発明の液晶性組成物を基材フィルムに塗布し、硬化する工程を経て得られる部材であり、液晶硬化膜を備える。偽造防止用媒体において液晶硬化膜は、通常、円偏光分離機能を有する。このように円偏光分離機能を有する液晶硬化膜を備えた偽造防止用媒体は、上述した円偏光分子素子と同様に、本発明の液晶性組成物を基材フィルムに塗布して液晶性組成物層を形成する工程、及び、前記液晶性組成物層を硬化して液晶硬化膜を得る工程を含む製造方法により製造しうる。
以下、液晶硬化膜を備える偽造防止用媒体の実施形態について、図面を示して説明する。ただし、本発明の偽造防止用媒体は以下に説明する実施形態によっては制限されない。
以下に説明する実施形態で示す偽造防止用媒体は、真正性識別用の表示領域を有する偽造防止用媒体である。この偽造防止用媒体は、表示領域において、下地層、及びこの下地層上に設けられた円偏光分離機能を有する液晶硬化膜を有する。以下に説明する実施形態においては、別に断らない限り、偽造防止用媒体は、その観察される面を上に向けて水平に載置したものとして説明する。したがって、観察された際に相対的に観察者に近い側(平面図における手前側、断面図における上側)を単に上側、相対的に観察者から遠い側を単に下側と表現することがある。
図1は、本発明の一実施形態に係る偽造防止用媒体100を模式的に示す平面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る偽造防止用媒体100の、図1中の破線に沿って切断した断面を模式的に示す断面図である。
図1及び図2に示される偽造防止用媒体100は、基材110と、基材110の上面に設けられた下地層120と、下地層120の上面に設けられた液晶硬化膜140とを有する。
液晶硬化膜140は、粘着層130を介して下地層120に粘着している。この実施形態において、液晶硬化膜140は、可視光領域において、右円偏光及び左円偏光のうちの一方の円偏光を透過させ、他方の円偏光の一部又は全部を反射させうる円偏光分離機能を有する。
また、下地層120は、液晶硬化膜140が円偏光分離機能を発現できる波長領域の光の少なくとも一部を吸収しうる層であり、例えば黒色の層を用いうる。
図1及び図2に示される通り、偽造防止用媒体100は、矩形の境界枠F内の領域として、表示領域Fを有する。表示領域Fは、基材110の面に平行に二次元的に規定される領域である。
表示領域F内において、下地層120が、表示領域Fの全部を覆って設けられている。また、表示領域F内において、液晶硬化膜140は、文字に対応する領域F内のみに設けられ、これにより、文字に対応する形の模様が形成されている。
図3は、本発明の一実施形態に係る偽造防止用媒体100の、表示領域F内の層、並びに、これらの層を透過し又はこれらの層において反射する光の経路を模式的に示す部分断面図である。ただし、図2において示した粘着層130は、簡略化のため図3においては図示していない。また、偽造防止用媒体100の上面に入射した光の反射は、層の表面だけでなく層の内部でも発生しうるが、図3においては模式的な表現として、反射は層の表面において発生しているものとして図示する。
図3を参照して、偽造防止用媒体100の真正性識別の作用を説明する。実際の偽造防止用媒体においては、下記に説明する以外にも、例えば様々な吸収及び反射が発生しうるが、以下の説明では、作用の説明の便宜上、主な光の経路を模式的に説明する。また、図3に示す例では、液晶硬化膜140として、可視光領域において右円偏光の大部分を反射させ、右円偏光の残りの一部及び左円偏光の全部を透過させる層を設けている例を示す。
図3に示す偽造防止用媒体100の上面に、右円偏光A1Rが入射した場合、その大部分は反射光A2Rとなり、残りの一部は透過光A3Rとなる。透過光A3Rは、液晶硬化膜140の下側にある下地層120の上面に到達し、ここで一部が吸収され、残りの一部は反射される。反射された光は反射光A4Rとして出射する。
一方、偽造防止用媒体100の上面に、左円偏光A1Lが入射した場合、その全部が、液晶硬化膜140の下側にある下地層120の上面に到達し、ここで一部が吸収され、残りの一部は反射される。反射された光は反射光A2Lとして出射する。
このような作用を有する偽造防止用媒体100の、真正性識別の操作の例としては、下記(i)及び(ii)の操作が挙げられる。
(i)入射光として、右円偏光及び左円偏光の両方を含む光を用い、
(i−R)偽造防止用媒体100を、右円偏光のみを透過するフィルターを通して観察した場合と、
(i−L)偽造防止用媒体100を、左円偏光のみを透過するフィルターを通して観察した場合と
での、観察される像を対比する。
(ii)(ii−R)入射光として右円偏光のみを含む光を用いて偽造防止用媒体100を観察した場合と、
(ii−L)入射光として左円偏光のみを含む光を用いて偽造防止用媒体100を観察した場合と
での、観察される像を対比する。
上記(i)の操作において、入射光としては、自然光等の通常の非偏光を用いうる。このような入射光に照らされた偽造防止用媒体100を、右円偏光のみを透過するフィルターを通して観察した場合((i−R)の場合)、観察者は右円偏光の反射光A2R及びA4Rを観察することとなる。したがって、液晶硬化膜140は、光を強く反射する層として観察される。そのため、表示領域Fにおいては、液晶硬化膜140における反射に基づく色が主に観察され、液晶硬化膜140が設けられた領域Fによって規定される模様が像として観察される。
他方、入射光に照らされた偽造防止用媒体100を、左円偏光のみを透過するフィルターを通して観察した場合((i−L)の場合)、観察者は左円偏光の反射光A2Lを観察することとなる。したがって、液晶硬化膜140は透明な層として観察される。そのため、表示領域Fにおいては、液晶硬化膜140により規定される模様は観察されず、液晶硬化膜140により規定される模様の無い像が観察される。
したがって、このような像の差異が観察された場合、この偽造防止用媒体100は真正なものであると判断することができる。また、このような像の差異が観察されない場合、偽造防止用媒体は、非真正なものであると判断することができる。
また、上記(ii)の操作において、入射光として右円偏光のみを含む光を用いて偽造防止用媒体100を観察した場合((ii−R)の場合)、右円偏光のみに基づく像を観察することになり、一方、入射光として左円偏光のみを含む光を用いて偽造防止用媒体100を観察した場合((ii−L)の場合)、左円偏光のみに基づく像を観察することになり、それぞれ、上記(i−R)及び(i−L)の場合と同様の像が観察される。したがって、上記(ii)の操作によっても、上記(i)の操作と同様に、真正性が識別できる。
このように、偽造防止用媒体100を用いれば、真正か否かを判断できる。そのため、この偽造防止用媒体100を用いれば、物品の偽造を防止することが期待できる。
また、前記の実施形態で説明した偽造防止用媒体100は、更に変更して実施してもよい。
例えば、液晶硬化膜140の上面141は、回折格子として機能しうる凹凸形状(図示省略)を形成してもよい。これにより、液晶硬化膜140の上面141で反射された光を、見る角度により色が変化するホログラム光として表示させることができる。このような場合、例えば図3に示す光A2Rのうち、液晶硬化膜140の上面141で反射された光はホログラム光として観察されるので、液晶硬化膜140で反射される光A2Rによって表示される模様を、見る角度により色が変化する模様として表示することができる。これにより、物品の偽造困難性を高めることが可能である。
また、例えば、前記の偽造防止用媒体100において、表示領域Fの全体に液晶硬化膜140を形成し、且つ、表示領域Fの一部に模様を形成するように下地層120を設けることによっても、同様の要領で真正性を識別しうる偽造防止用媒体を得ることができる。
前記のような偽造防止用媒体は、例えば、セキュリティ媒体に用いうる。上述した偽造防止用媒体を備えるセキュリティ媒体は、偽造が困難であるので、その信頼性を向上させることが可能である。このようなセキュリティ媒体は、例えば、金券、商品券、チケット、証明書、セキュリティカード等の認証媒体等に適用しうる。
また、偽造防止用媒体は、セキュリティ媒体以外の物品に用いてもよい。そのような物品の例としては、医薬品、化粧品、香水およびトナーなどの容器、開封シール、包装物、電子機器、バッグ、衣服、布地、クレジットカード、情報を図形化したコード(例えばバーコード等の1次元のコード、並びにQRコード(登録商標)等の2次元のコード)を付した物品、並びに各種証明等に施す偽造防止のための識別標識等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものでは無く、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施しうる。以下の説明において、量を表す「%」及び「部」は、別に断らない限り重量基準である。また、以下に説明する操作は、別に断らない限り、常温及び常圧の条件において行った。
[評価方法の説明]
(液安定性の評価方法)
液晶性組成物を室温で1週間放置した。この際、液晶性組成物を観察し、下記の基準で液安定性を評価した。
「良」:配合液を室温で1週間放置しても結晶の析出なし。
「可」:配合液を室温で1日放置すると一部、結晶が析出する。
「不良」:配合液を室温で1日放置すると全体が結晶化する。
(濾過性の評価方法)
液晶性組成物を調製した後で、その液晶性組成物を室温まで放冷した。放冷後の液晶性組成物10mlをポリテトラフルオロエチレン製のフィルター(孔径0.45μm、直径1cm)によって濾過した。濾過の様子を観察し、下記の基準で濾過性を評価した。
「良」:目詰まりを生じず、全量濾過するために要する時間が5秒以内であった。
「可」:目詰まりを生じず、全量濾過するために要する時間が5秒を超え30秒以下であった。
「不良」:目詰まりを生じて、全量濾過できなかった。
(配向性の評価方法)
液晶硬化膜を偏光顕微鏡で観察し、下記の基準で配向性を評価した。
「良」:配向欠陥が全く見られない。
「可」:配向欠陥が部分的に見られる。
「不良」:配向欠陥が全面にわたって見られる。
[試薬の説明]
実施例及び比較例において使用した試薬は、以下の通りである。
化合物1としては、下記式(1)で表される化合物を用いた。
Figure 2016113555
化合物2としては、下記式(2)で表される化合物を用いた。
Figure 2016113555
化合物3としては、下記式(3)で表される化合物を用いた。
Figure 2016113555
カイラル剤としては、BASF社製「LC756」を用いた。
重合開始剤としては、チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガキュアOXE02」を用いた。
界面活性剤としては、セイミケミカル社製「KH−40」を用いた。
[実施例1]
下記表1に示す比率で試薬を混合し、温度60℃で1時間撹拌して、流体状の液晶性組成物を得た。この液晶性組成物について、上述した評価方法で、液安定性及び濾過性を評価した。
基材フィルムとして、面内の屈折率が等方性で、A4サイズのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製「PETフィルムA4100」;厚み100μm)を用意した。この基材フィルムの一方の面を一方向に擦ることにより、ラビング処理を施した。ラビング処理を施した面に、前記の液晶性組成物を、♯10のワイヤーバーを使用して塗布した。これにより、基材フィルムの片面に、未硬化状態の液晶性組成物層を形成した。
前記の液晶性組成物層に、80℃で5分間加熱する配向処理を施した。これにより、液晶性組成物層に含まれる化合物1、化合物2及び化合物3を配向させた。その後、液晶性組成物層に対して、窒素雰囲気下で、基材フィルムとは反対側から積算光量800mJ/cmの紫外線を照射して液晶性組成物層を硬化させることにより、基材フィルム上に乾燥膜厚5.0μmの液晶硬化膜を形成した。この液晶硬化膜の配向性を上述した評価方法で評価したところ、全面に配向欠陥が全く見られず、配向性は良好であった。
[実施例2〜5]
液晶性組成物の組成を表1に示すように変更した。以上のこと以外は実施例1と同様にして、液晶性組成物の製造及び評価、並びに、液晶硬化膜の製造及び評価を行った。
[実施例6]
下記表1に示す比率で試薬を混合し、温度60℃で1時間撹拌して、流体状の液晶性組成物を得た。この液晶性組成物について、上述した評価方法で、液安定性及び濾過性を評価した。
基材フィルムとして、実施例1と同様のポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。この基材フィルムの一方の面を一方向に擦ることにより、ラビング処理を施した。ラビング処理を施した面に、前記の液晶性組成物を、♯10のワイヤーバーを使用して塗布した。これにより、基材フィルムの片面に、未硬化状態の液晶性組成物層を形成した。
前記の液晶性組成物層に、80℃で5分間加熱する配向処理を施した。これにより、液晶性組成物層に含まれる化合物1、化合物2及び化合物3を配向させた。その後、液晶性組成物層に対して、空気雰囲気下で、基材フィルムを通して積算光量10mJ/cmの微弱な紫外線照射処理と、それに続く100℃で1分間の加温処理からなるプロセスを2回繰り返した。その後、窒素雰囲気下で、800mJ/cmの紫外線を液晶性組成物層に照射して液晶性組成物層を硬化させることにより、基材フィルム及び当該基材フィルム上に形成された乾燥膜厚5μmの液晶硬化膜を備える円偏光分離素子を得た。この円偏光分離素子の液晶硬化膜の配向性を、上述した評価方法で評価した。
前記の円偏光分離素子の光学特性を測定したところ、その最低光線透過率は53.8%であり、その選択反射中心波長は570nmであった。
また、円偏光分離素子の透過スペクトルを、分光器(大塚電子社製「瞬間マルチ測光システムMCPD−3000」)及び顕微鏡(ニコン社製「偏光顕微鏡ECLIPSE E600−POL」)を使用して測定し、選択反射帯域の半値幅を求めた。
[実施例7〜10]
液晶性組成物の組成を表1に示すように変更した。以上のこと以外は実施例6と同様にして、液晶性組成物の製造及び評価、並びに、円偏光分離素子の製造及び評価を行った。
[比較例1及び2]
液晶性組成物の組成を表1に示すように変更した。以上のこと以外は実施例1と同様にして、液晶性組成物の製造及び評価、並びに、液晶硬化膜の製造及び評価を行った。
[実施例1〜10及び比較例1〜2の結果]
実施例1〜10及び比較例1〜2の結果を、下記の表1に示す。
Figure 2016113555
[検討]
表1から、実施例1〜10において比較例1及び2よりも優れた液安定性が得られていることが分かる。このことから、本発明により、液安定性に優れる液晶性組成物を実現できることが確認された。
また、表1から、実施例4及び5よりも実施例1〜3及び6〜10の方が濾過性に優れていることが分かる。このことから、化合物1〜3を組み合わせて含む液晶性組成物において化合物1〜3の量を適切に調整することで、液晶性組成物の濾過性を向上させられることが確認された。
さらに、実施例6〜10において半値幅が380nm以上と広い選択反射帯域が得られていることから、本発明の液晶性組成物を用いることにより、可視光において広い選択反射帯域を有する円偏光分離素子を実現しうることが確認された。
[実施例11:輝度向上フィルムの製造]
実施例6で製造した円偏光分子素子の液晶硬化膜側の面と、位相差フィルム(日本ゼオン製「斜め延伸フィルム」、面内レターデーション150nm)の片面とを、接着剤(大同化成製のアクリル系粘着剤「E−5301」)にて貼り合わせた。これにより、基材フィルム、液晶硬化膜層、接着剤層及び位相差フィルムをこの順に備える評価用の輝度向上フィルムを得た。
市販の液晶テレビ(シャープ社製「AQUOS LC−19K20」)を分解し、液晶セルとバックライトとの間に設けられていた輝度向上フィルムを取り出した。取り出した輝度向上フィルムの代わりに、上記で得た評価用の輝度向上フィルムを、円偏光分離素子側をバックライトに向けるように組み込み、液晶表示装置を得た。
この液晶表示装置を白表示モードで表示させた。そのとき、正面方向の輝度(即ち、画面の法線方向の輝度。以下、適宜「正面輝度」ということがある。)を、視野角測定評価装置(Autronic−MELCHERS社製「ErgoScope」)を用いて測定した。その結果、輝度向上フィルムを装着しない時の正面輝度を1として、輝度向上フィルムを実装した時の正面輝度は1.2であった。
[実施例12:偽造防止用媒体の製造]
実施例1と同様にして、基材フィルムの片面に、未硬化状態の液晶性組成物層を形成した。
前記の液晶性組成物層に、80℃で5分間加熱する配向処理をした。これにより、液晶性組成物層に含まれる化合物1、化合物2及び化合物3を配向させた。その後、液晶性組成物層に対して、空気雰囲気下で、基材フィルムを通して積算光量100mJ/cmの紫外線照射処理(半硬化処理)を行い、乾燥膜厚4μmの半硬化膜を得た。
頂角90°、高さ2μm、ピッチ4μmのピラミッド形状の複数の凸部が設けられた面を有する型を用意した。この型を、前記の半硬化膜に圧力5MPa、温度80℃で1分間押し当てて、半硬化膜に前記の型の形状を付与した。形状を付与した後、半硬化膜に窒素雰囲気下で500mJ/cmの紫外線照射処理(本硬化処理)を行って半硬化膜を硬化させることにより、基材フィルム上に乾燥膜厚3.8μmの液晶硬化膜を形成した。この液晶硬化膜の表面は、前記の型から転写された凹凸形状を有していた。また、この液晶硬化膜を130℃で6時間加熱する耐熱試験を行ったが、試験後に液晶硬化膜の表面の凹凸形状は維持されていた。
ポリエチレンテレフタレート製の支持フィルムに、所定の形状のパターンを印刷した。この支持フィルムの印刷面と、前記の液晶硬化膜の凹凸形状を有する面とを粘着剤で貼り合わせた後、基材フィルムを剥離して、支持フィルム、粘着層及び液晶硬化膜をこの順で備える偽造防止用媒体を製造した。
この偽造防止用媒体の液晶硬化膜側の面に非偏光を照射した。このとき、右円偏光板を通して偽造防止用媒体を観察すると、前記パターンが印刷された領域に、凹凸形状に起因する干渉縞が観察された。また、左円偏光板を通して偽造防止用媒体を観察すると、前記干渉縞は観察されなかった。このように、前記の偽造防止用媒体は、右円偏光板を通して観察した場合と左円偏光板を通して観察した場合とで、干渉縞により表示されるパターンの視認性が異なるので、セキュリティ媒体として利用しうる。
100 偽造防止用媒体
110 基材
120 下地層
130 粘着層
140 液晶硬化膜
141 液晶硬化膜の上面

Claims (10)

  1. 下記式(I)で表される化合物(I)、下記式(II)で表される化合物(II)、下記式(III)で表される化合物(III)、及び、溶媒を含む、液晶性組成物。
    Figure 2016113555
    Figure 2016113555
    Figure 2016113555
    〔Y〜Yは、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−O−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−NR−、−O−NR−、又は、−NR−O−を表す。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
    及びGは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい、炭素原子数1〜20の2価の脂肪族基を表す。該脂肪族基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
    及びZは、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル基を表す。
    及びAは、それぞれ独立して、炭素原子数1〜30の2価の有機基を表す。
    〜Xは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、シアノ基、ニトロ基、−OR、−O−C(=O)−R、−C(=O)−OR、−O−C(=O)−OR、−NR−C(=O)−R、−C(=O)−NR、−O−C(=O)−R、又は、−NRを表す。ここで、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有してもよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。R及びRがアルキル基である場合、当該アルキル基には、−O−、−S−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−NR−C(=O)−、−C(=O)−NR−、−NR−、又は、−C(=O)−が介在していてもよい(ただし、−O−及び−S−がそれぞれ2以上隣接して介在する場合を除く。)。ここで、Rは、水素原子又は炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。
    は、水素原子、置換基を有してもよい炭素原子数1〜2個のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、又は、シアノ基を表す。
    MGは、4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロヘキシレン基、2,6−ナフチレン基、又は、4,4’−ベンズアルデヒドアジン基を表す。
    n1は、0〜6の整数を表す。
    11は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−OCO−、−CH−、−OCH−、−NHCO−、−OCOO−、−CHCOO−、又は、−CHOCO−を表す。
    は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数2〜10のアルケニル基を表す。〕
  2. 前記化合物(I)、前記化合物(II)及び前記化合物(III)の合計100重量部に対し、前記化合物(I)が70重量部〜90重量部、前記化合物(II)が2重量部〜10重量部、前記化合物(III)が6重量部〜28重量部であり、かつ、
    前記液晶性組成物における前記化合物(I)、前記化合物(II)及び前記化合物(III)の合計割合が10重量%〜60重量%である、請求項1記載の液晶性組成物。
  3. 前記溶媒が、ケトン溶媒である、請求項1又は2記載の液晶性組成物。
  4. 更に、カイラル剤、界面活性剤及び重合開始剤を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶性組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶性組成物を、基材フィルムに塗布し、硬化する工程を経て得られる、円偏光分離素子。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶性組成物を、基材フィルムに塗布し、硬化する工程を経て得られる、偽造防止用媒体。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶性組成物を、基材フィルムに塗布して、液晶性組成物層を形成する工程、及び、
    前記液晶性組成物層を硬化する工程、を含む、円偏光分離素子の製造方法。
  8. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶性組成物を、基材フィルムに塗布して、液晶性組成物層を形成する工程、及び、
    前記液晶性組成物層を硬化する工程、を含む、偽造防止用媒体の製造方法。
  9. 請求項5記載の円偏光分離素子及び位相差フィルムを備える、輝度向上フィルム。
  10. 請求項6記載の偽造防止用媒体を備える、セキュリティ媒体。
JP2014254043A 2014-12-16 2014-12-16 液晶性組成物、円偏光分離素子及びその製造方法、偽造防止用媒体及びその製造方法、輝度向上フィルム並びにセキュリティ媒体 Active JP6447084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254043A JP6447084B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 液晶性組成物、円偏光分離素子及びその製造方法、偽造防止用媒体及びその製造方法、輝度向上フィルム並びにセキュリティ媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014254043A JP6447084B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 液晶性組成物、円偏光分離素子及びその製造方法、偽造防止用媒体及びその製造方法、輝度向上フィルム並びにセキュリティ媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016113555A true JP2016113555A (ja) 2016-06-23
JP6447084B2 JP6447084B2 (ja) 2019-01-09

Family

ID=56139731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014254043A Active JP6447084B2 (ja) 2014-12-16 2014-12-16 液晶性組成物、円偏光分離素子及びその製造方法、偽造防止用媒体及びその製造方法、輝度向上フィルム並びにセキュリティ媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6447084B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018123396A1 (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 Dic株式会社 液晶組成物及び液晶表示素子
JP2018161815A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 日本ゼオン株式会社 操作パネル用積層体及びその製造方法

Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008291218A (ja) * 2007-04-24 2008-12-04 Nippon Zeon Co Ltd 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子および光学異方体
WO2009028576A1 (ja) * 2007-08-31 2009-03-05 Asahi Glass Company, Limited ポリマー液晶、光学異方性膜、および光学素子
WO2009041512A1 (ja) * 2007-09-28 2009-04-02 Zeon Corporation 液晶組成物及びその用途
JP2009223189A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Nippon Zeon Co Ltd 輝度向上フィルム、その製造方法及び液晶表示装置
JP2010070505A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Nippon Zeon Co Ltd 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体
JP2010202517A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Nippon Zeon Co Ltd 液晶化合物の製造中間体混合物、その製造方法及び液晶化合物混合物
JP2010256625A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Nippon Zeon Co Ltd 断熱部材
JP2011057635A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Nippon Zeon Co Ltd 液晶化合物の製造方法
JP2011207940A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Fujifilm Corp 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム
JP2012053388A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Nitto Denko Corp 液晶性コーティング液の製造方法、及び光学異方性フィルム
JP2014139310A (ja) * 2011-08-08 2014-07-31 Dic Corp 重合性液晶組成物、及びこれを用いた光学異方体の製造方法
JP2014164111A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Nippon Zeon Co Ltd 機能性フィルム
JP2014174321A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Nippon Zeon Co Ltd 表面形状を有する光学フィルムの製造方法、重合性液晶フィルム、および表面形状を有する重合性液晶フィルム
JP2014174471A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Nippon Zeon Co Ltd 識別媒体、物品の識別方法、及び積層構造体
WO2016031946A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 富士フイルム株式会社 輝度向上フィルムおよび液晶表示装置

Patent Citations (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008291218A (ja) * 2007-04-24 2008-12-04 Nippon Zeon Co Ltd 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子および光学異方体
WO2009028576A1 (ja) * 2007-08-31 2009-03-05 Asahi Glass Company, Limited ポリマー液晶、光学異方性膜、および光学素子
WO2009041512A1 (ja) * 2007-09-28 2009-04-02 Zeon Corporation 液晶組成物及びその用途
JP2009223189A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Nippon Zeon Co Ltd 輝度向上フィルム、その製造方法及び液晶表示装置
JP2010070505A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Nippon Zeon Co Ltd 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体
JP2010202517A (ja) * 2009-02-27 2010-09-16 Nippon Zeon Co Ltd 液晶化合物の製造中間体混合物、その製造方法及び液晶化合物混合物
JP2010256625A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Nippon Zeon Co Ltd 断熱部材
JP2011057635A (ja) * 2009-09-11 2011-03-24 Nippon Zeon Co Ltd 液晶化合物の製造方法
JP2011207940A (ja) * 2010-03-29 2011-10-20 Fujifilm Corp 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、高分子、及びフィルム
JP2012053388A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Nitto Denko Corp 液晶性コーティング液の製造方法、及び光学異方性フィルム
JP2014139310A (ja) * 2011-08-08 2014-07-31 Dic Corp 重合性液晶組成物、及びこれを用いた光学異方体の製造方法
JP2014164111A (ja) * 2013-02-25 2014-09-08 Nippon Zeon Co Ltd 機能性フィルム
JP2014174321A (ja) * 2013-03-08 2014-09-22 Nippon Zeon Co Ltd 表面形状を有する光学フィルムの製造方法、重合性液晶フィルム、および表面形状を有する重合性液晶フィルム
JP2014174471A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Nippon Zeon Co Ltd 識別媒体、物品の識別方法、及び積層構造体
WO2016031946A1 (ja) * 2014-08-29 2016-03-03 富士フイルム株式会社 輝度向上フィルムおよび液晶表示装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018123396A1 (ja) * 2016-12-26 2018-07-05 Dic株式会社 液晶組成物及び液晶表示素子
JPWO2018123396A1 (ja) * 2016-12-26 2019-01-10 Dic株式会社 液晶組成物及び液晶表示素子
JP2018161815A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 日本ゼオン株式会社 操作パネル用積層体及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6447084B2 (ja) 2019-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5365519B2 (ja) 液晶組成物及びその用途
US8158021B2 (en) Polymerizable liquid crystal compound, polymerizable liquid crystal composition, liquid crystalline polymer, and optical anisotropic article
US8454857B2 (en) Polymerizable liquid crystal compounds, polymerizable liquid crystal compositions, liquid crystalline polymers and optically anisotropic materials
JP5401822B2 (ja) 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子および光学異方体
US11975557B2 (en) Identification medium, authenticity determination method, and article
JP5532974B2 (ja) 液晶層形成用組成物、円偏光分離シート及びその製造方法、並びに輝度向上フィルム及び液晶表示装置
CN115651667A (zh) 液晶性组合物、高分子液晶化合物、吸光各向异性膜、层叠体及图像显示装置
US20170157972A1 (en) Identification medium, method for producing identification medium, and method for using identification medium
EP3330079B1 (en) Cholesteric resin laminate, production method, and use
JPWO2008105538A1 (ja) 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体
JP2014174471A (ja) 識別媒体、物品の識別方法、及び積層構造体
JP6307864B2 (ja) 真正性識別用の識別媒体の製造方法
KR20120138665A (ko) 패턴 위상차 필름, 디스플레이 장치 및 입체 화상 표시 시스템
JP5401823B2 (ja) 重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子および光学異方体
JP6492397B2 (ja) 光制御素子及び車載用液晶表示装置
JP5396815B2 (ja) 重合性化合物、重合性液晶化合物、重合性液晶組成物、液晶性高分子及び光学異方体
JP2017015897A (ja) 画像投射システム及び投影面部材
JP6447084B2 (ja) 液晶性組成物、円偏光分離素子及びその製造方法、偽造防止用媒体及びその製造方法、輝度向上フィルム並びにセキュリティ媒体
WO2019230840A1 (ja) 識別媒体及び識別媒体の真正性を識別する方法
US7794802B2 (en) Polymerizable liquid crystal compound, composition and polymer
JP7454649B2 (ja) 反射フィルム、ウインドシールドガラスおよびヘッドアップディスプレイシステム
JP2005215435A (ja) 可視角度制御部材及びその製造方法
WO2017033929A1 (ja) 可搬表示装置及び半鏡面フィルム
WO2023189967A1 (ja) 識別媒体
JP6032238B2 (ja) 液晶層形成用組成物、円偏光分離シート及びその製造方法、並びに輝度向上フィルム及び液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6447084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250