JP2016113364A - 窒素含有炭素材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボンナノチューブ等の炭素材料に、構造欠陥の発生を抑制しつつ窒素原子を導入した窒素含有炭素材料及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の窒素含有炭素材料は、炭素原子からなる炭素骨格を備える炭素材料に、窒素原子が導入された窒素含有炭素材料であって、前記炭素骨格中の炭素原子の一部が窒素原子で置換されたものであり、炭素材料にフッ素含有ガスを含む第1処理ガスを接触させて、当該炭素材料の表面をフッ素化処理する工程と、前記フッ素化処理後の炭素材料に窒素含有ガスを含む第2処理ガスを加熱しながら接触させて窒化処理する工程とを含む製造方法により製造することができる。【選択図】 図1

Description

本発明は、窒素含有炭素材料及びその製造方法に関し、より詳細にはカーボンナノチューブ等の炭素原子からなる炭素骨格を備えた炭素材料に、窒素原子を含有させた窒素含有炭素材料及びその製造方法に関する。
単層カーボンナノチューブ(Single−Walled Carbon Nanotubes:SWCNTs)はsp混成した炭素原子のみからなる中空円筒状の物質であり、その高い導電性及び優れたキャリア輸送特性から様々なエネルギーデバイスや電子デバイスへの応用が期待されている。中でも窒素原子を含有したカーボンナノチューブは、電界放出特性、ガス貯蔵特性、及び電子移動特性などに優れた特性を示すことから、近年多大な関心を集めており、例えば、下記非特許文献1では、燃料電池の空気極への利用なども報告されている。
窒素原子を含有したカーボンナノチューブの製造方法としては、例えば、化学的気相成長法(CVD法)が挙げられる。しかしながら、この方法では、窒素原子の導入率が低く、原料の種類や触媒、反応温度、ガス流量等の合成条件に大きく依存するため、当該導入率をいかに向上させるかが問題となっている。
また、予め製造したカーボンナノチューブに窒素原子を導入する方法も挙げられる。そのような方法としては、例えば、下記特許文献1に開示のものがある。即ち、当該特許文献によれば、カーボンナノチューブを気相中で酸化処理した後に、さらに気相中で窒化処理を行い、窒素含有カーボンナノチューブを製造することが可能とされている。
しかしながら、前記の方法であると、カーボンナノチューブを酸化処理することにより、当該カーボンナノチューブにダメージを与えたり分解させるなど、構造欠陥が生じるという問題がある。
特開2012−6817号公報
Kuanping Gonng, et al. Science Vol.323(2009), 760-764
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、カーボンナノチューブ等の炭素材料に、構造欠陥の発生を抑制しつつ窒素原子を導入した窒素含有炭素材料及びその製造方法を提供することにある。
本発明の窒素含有炭素材料は、前記の課題を解決する為に、炭素原子からなる炭素骨格を備える炭素材料に、窒素原子が導入された窒素含有炭素材料であって、前記炭素骨格中の炭素原子の一部が窒素原子で置換されたものであることを特徴とする。
前記の構成に於いては、さらに前記炭素材料の表面にアミノ基が導入されたものにすることができる。
さらに、前記の構成に於いては、前記炭素骨格中に、炭素原子の一部を置換することにより導入された前記窒素原子が、主としてピリジン型、又はピリジン型とピロール型であることを特徴とする。
また、前記の構成に於いて、窒素含有炭素材料の表面には、炭素−フッ素結合が存在することを特徴とする。
また、前記の構成に於いては、前記窒素原子が導入される前の炭素材料が、カーボンナノコイル、グラファイト、カーボンブラック、ダイヤモンドライクカーボン、炭素繊維、グラフェン、非晶質カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ及びダイヤモンドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の窒素含有炭素材料の製造方法は、前記の課題を解決する為に、炭素原子からなる炭素骨格を備える炭素材料に、窒素原子を導入する窒素含有炭素材料の製造方法であって、前記炭素材料にフッ素含有ガスを含む第1処理ガスを接触させて、当該炭素材料の表面をフッ素化処理する工程と、前記フッ素化処理後の炭素材料に窒素含有ガスを含む第2処理ガスを加熱しながら接触させて窒化処理する工程とを含むことを特徴とする。
前記の構成に於いて、前記フッ素化処理は、前記第1処理ガスとして、全体積に対し0.01〜100vol%のフッ素含有ガスを含むものを用いて、処理時間1秒〜24時間、処理温度0℃〜600℃の条件下で行うものであり、前記窒化処理は、前記第2処理ガスとして、全体積に対し0.01〜100vol%の窒素含有ガスを含むものを用いて、処理時間1秒〜24時間の条件下で行うものであることが好ましい。
前記の構成に於いては、前記窒化処理を、25℃以上、300℃未満の処理温度で行うことにより、フッ素化処理後の炭素材料表面にアミノ基を導入すると共に、前記炭素骨格中の炭素原子の一部を窒素原子に置換することができる。
また、前記の構成に於いては、前記窒化処理を、300℃以上、1500℃以下の処理温度で行うことにより、フッ素化処理後の炭素材料における前記炭素骨格中の炭素原子の一部を窒素原子に置換することができる。
さらに、前記の構成に於いては、前記炭素骨格中に、炭素原子の一部を置換することにより導入された窒素原子が、主としてピリジン型、又はピリジン型とピロール型であることを特徴とする。
また、前記の構成に於いては、窒化処理後の窒素含有炭素材料の表面に、炭素−フッ素結合により存在するフッ素原子を除去するための工程を含まないことも可能である。
また、前記の構成に於いては、前記フッ素化処理を行う前の炭素材料が、カーボンナノコイル、グラファイト、カーボンブラック、ダイヤモンドライクカーボン、炭素繊維、グラフェン、非晶質カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ及びダイヤモンドからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の燃料電池用空気極触媒は、前記の課題を解決する為に、燃料電池の空気極触媒に用いられる燃料電池用空気極触媒であって、前記に記載の窒素含有炭素材料を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、炭素材料にフッ素含有ガスを含む第1処理ガスを接触させて、当該炭素材料の表面をフッ素化処理し、フッ素基を導入して反応足場を形成する。次いで、窒素含有ガスを含む第2処理ガスを加熱しながら接触させて窒化処理することにより、反応足場において窒素原子を導入することができる。即ち、本発明によれば、炭素材料に対し気相中で窒素原子を含有させることが可能になるので、例えば、基板上に垂直配向された単層カーボンナノチューブの配向膜に対しても、当該単層カーボンナノチューブの垂直配向特性を阻害することなく窒素原子の導入が可能になる。これにより、単層カーボンナノチューブの電子状態を変化させ、電界放出特性やガス貯蔵性、電子移動性等に一層優れたものを得ることができる。
本発明の実施の形態に係る窒素含有炭素材料の製造方法を説明するための説明図であって、同図(a)は炭素骨格中への窒素導入工程を表し、同図(b)は炭素材料の表面にアミノ基導入工程を表す。 本実施例の窒素含有単層カーボンナノチューブにおけるアミノ基の導入量、又は窒素原子の原子組成百分率と、窒化処理の処理温度との関係を表すグラフである。 本実施例に係る窒素含有単層カーボンナノチューブにおける窒化処理の際の処理温度と、窒素種の含有濃度を表すグラフである。 本実施例5に係る窒素含有単層カーボンナノチューブのTEM写真である。 処理前の単層カーボンナノチューブ及び実施例5に係る窒素含有単層カーボンナノチューブにおける熱起電力と温度差との関係を表すグラフである。 処理前の単層カーボンナノチューブ、フッ素化処理後の単層カーボンナノチューブ及び実施例5に係る窒素含有単層カーボンナノチューブにおけるpHとゼータ電位との関係を表すグラフである。 本実施例5に係る窒素含有単層カーボンナノチューブにおける酸素還元活性を表すグラフである。
本発明の実施の形態について、以下に説明する。
本実施の形態の窒素含有炭素材料は、炭素材料の表面をフッ素化処理する工程と、当該フッ素化処理後の炭素材料を窒化処理する工程とを少なくとも含む製造方法により製造することができる。
前記炭素材料としては、炭素原子からなる炭素骨格を備えるものであれば特に限定されず、好ましくは炭素原子が環状に結合した環状骨格を備える炭素材料やダイヤモンド等が挙げられる。炭素原子の環状骨格を備える炭素材料としては、例えば、カーボンナノコイル、グラファイト、カーボンブラック、ダイヤモンドライクカーボン、炭素繊維、グラフェン、非晶質カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ等が挙げられる。さらに、前記カーボンナノチューブとしては、6角網目のチューブ(グラフェンシート)が1枚の構造である単層カーボンナノチューブ(SWNT:Single Wall Carbon Nanotube)や、多層のグラフェンシートから構成されている多層カーボンナノチューブ(MWNT:Maluti Wall Carbon Nanotube)、フラーレンチューブ、バッキーチューブ、グラファイトフィブリルが挙げられる。尚、「炭素骨格」とは、水素原子及び置換基を含まない骨組みであって、全て炭素原子からなるものを意味する。
前記フッ素化処理を行う工程は、炭素材料に少なくともフッ素含有ガスを含む第1処理ガスを接触させることにより、気相中でその表面をフッ素化処理する工程である。当該工程は、具体的には、図1(a)及び1(b)に示すように、炭素材料の表面に炭素−フッ素結合によるフッ素基を導入するものである。従って、例えば、炭素六角網面のエッジ部分に水酸基、カルボニル基、カルボキシル基等の含酸素官能基を付与する酸化処理とは異なる。
前記第1処理ガスとしては、全体積に対し好ましくは0.01〜100vol%、より好ましくは0.1〜80vol%、さらに好ましくは1〜50vol%のフッ素含有ガスを含むものが用いられる。フッ素含有ガスの濃度を0.01vol%以上にすることにより、炭素材料表面のフッ素化が不十分となるのを防止することができる。
前記フッ素含有ガスとはフッ素原子を含む気体を意味し、本実施の形態に於いてはフッ素原子を含むものであれば特に限定されない。そのようなフッ素含有ガスとしては、例えば、フッ化水素(HF)、フッ素(F)、三フッ化塩素(ClF)、四フッ化硫黄(SF)、三フッ化ホウ素(BF)、三フッ化窒素(NF)、フッ化カルボニル(COF)等が挙げられる。これらは単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。
前記第1処理ガスには不活性ガスが含まれていてもよい。不活性ガスとしては特に限定されないが、フッ素含有ガスと反応して炭素材料のフッ素化処理に悪影響を与えるもの、炭素材料と反応して悪影響を与えるもの、及び当該悪影響を与える不純物を含むものは好ましくない。具体的には、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、不活性ガスの純度としては特に限定されないが、該悪影響を与える不純物については100ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることが特に好ましい。
尚、第1処理ガス中には酸素原子を含むガスを含まないことが好ましい。酸素原子を含むガスを含有させることにより、炭素材料の表面に水酸基やカルボキシル基等が導入され、炭素材料に大きなダメージを与える場合があるからである。尚、酸素原子を含むガスとは、酸素ガスや硝酸ガスを意味する。
フッ素化処理を行う際の処理温度は特に限定されないが、好ましくは0℃〜600℃の範囲内であり、より好ましくは10℃〜400℃、更に好ましくは25℃〜350℃である。処理温度を0℃以上にすることにより、フッ素化処理を促進させることができる。その一方、処理温度を600℃以下にすることにより、形成した炭素−フッ素結合からフッ素原子の脱離を抑制し、処理効率の低減を防止することができる。また、炭素材料に熱変形が生じ、歩留まりの低下を抑制することができる。
フッ素化処理の処理時間(反応時間)は特に限定されないが、好ましくは1秒〜24時間の範囲内であり、より好ましくは1分〜12時間、さらに好ましくは1分〜9時間である。処理時間を1秒以上にすることにより、炭素材料表面のフッ素化が不十分となるのを防止することができる。その一方、処理時間を24時間以下にすることにより、製造時間の長期化による製造効率の低下を防止することができる。
フッ素化処理を行う際の圧力条件としては特に限定されず、加圧下、又は減圧下で行ってもよい。経済上・安全上の観点からは、常圧で行う方が好ましい。フッ素化処理を行うための反応容器としては特に限定されず、固定床、流動床等の従来公知のものを採用することができる。
炭素材料に対する第1処理ガスの接触方法としては特に限定されず、例えば、当該第1処理ガスのフロー下で接触させることができる。
前記窒化処理を行う工程は、フッ素化処理後の炭素材料に少なくとも窒素含有ガスを含む第2処理ガスを接触させることにより、気相中で窒素原子を当該炭素材料に導入する工程である。当該工程は、処理温度に応じて、炭素材料に対する窒素原子の導入形態を変化させることができる(詳細については後述する)。
前記第2処理ガスとしては窒素含有ガスを含むものであれば特に限定されないが、当該窒素含有ガスが、第2処理ガスの全体積に対し好ましくは0.01〜100vol%、より好ましくは0.1〜80vol%、さらに好ましくは1〜50vol%含むものが用いられる。窒素含有ガスの濃度を0.01vol%以上にすることにより、炭素材料の窒化が不十分となるのを防止することができる。
前記窒素含有ガスとは窒素原子を含む気体を意味し、本実施の形態に於いては窒素原子を含むものであれば特に限定されない。そのような窒素含有ガスとしては、例えば、アンモニア(NH)、ジアゼン(N)、ヒドラジン(N)、塩化アンモニウム(NHCl)、N、アミン化合物等が挙げられる。これらは単独で、又は二種以上を混合して用いてもよい。また、これらの化合物が常温において液体や固体である場合には、後述の処理温度の範囲内で加熱して気化することにより窒化処理が行われる。
尚、前記アミン化合物としては特に限定されず、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン等が挙げられる。さらに、第1級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。第2級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン等が挙げられる。第3級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。
第2処理ガスには不活性ガスが含まれていてもよい。不活性ガスとしては特に限定されないが、前記窒素含有ガスと反応して炭素材料の窒化処理に悪影響を与えるもの、炭素材料と反応して悪影響を与えるもの、及び当該悪影響を与える不純物を含むものは好ましくない。具体的には、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。また、不活性ガスの純度としては特に限定されないが、該悪影響を与える不純物については100ppm以下であることが好ましく、10ppm以下であることがより好ましく、1ppm以下であることが特に好ましい。
ここで、炭素材料に窒素原子を導入する際の導入形態は、窒化処理工程での処理温度により制御することができる。より詳細には、窒化処理の処理温度を、好ましくは25℃以上、300℃未満、より好ましくは50℃〜250℃、さらに好ましくは100℃〜200℃の範囲で行うことにより、フッ素化処理後の炭素材料表面にアミノ基を導入すると共に、前記炭素骨格中の炭素原子の一部を窒素原子に置換することができる。この場合、処理温度を25℃以上にすることにより、炭素材料表面にアミノ基の導入が不十分となることを防止することができる。また、処理温度を好ましくは300℃以上、1500℃以下、より好ましくは400℃〜1500℃、さらに好ましくは400℃〜1200℃の範囲で行うことにより、炭素材料表面にアミノ基を導入することなく、前記炭素骨格中の炭素原子のみを一部窒素原子に置換することができる。この場合、処理温度を1500℃以下にすることにより、炭素材料に熱変形が生じ、歩留まりの低下を抑制することができる。
ここで、炭素材料表面に導入される前記アミノ基としては、NH基の他に、一置換アミノ基、二置換アミノ基等が挙げられる。一置換アミノ基としては炭素数1〜10のモノアルキルアミノ基、より具体的には、メチルアミノ基(NHCH基)、エチルアミノ基(NHC基)等が好ましい。また、二置換アミノ基としては炭素数1〜10のジアルキルアミノ基、より具体的には、ジメチルアミノ基(N(CH基)、ジエチルアミノ基(N(C基)等が好ましい。
炭素骨格中の炭素原子の一部を置換することにより導入された窒素原子(窒素種)は、主としてピリジン型、又はピリジン型とピロール型とからなる。より詳細には、例えば、窒化処理の処理温度が25℃の場合では、前記窒素原子は、主としてピリジン型であり、当該窒化処理の処理温度が25℃より大きく、1500℃以下の場合では、主としてピリジン型及びピロール型である。また、前記窒素原子は、炭素骨格中に、その構造欠陥が発生するのを抑制しつつ導入されている。尚、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、炭素材料の炭素骨格中に窒素原子を導入した場合には、グラファイト型とピリジン型からなる。
さらに、炭素骨格中には、グラファイト型の窒素原子が導入されていてもよく、この場合、n型ドーパントとして有効に機能する結果、n型キャリア輸送特性を発現させることができる。
窒化処理の処理時間(反応時間)は特に限定されないが、好ましくは1秒〜24時間の範囲内であり、より好ましくは2分〜6時間、さらに好ましくは30分〜4時間である。処理時間を1秒以上にすることにより、炭素材料への窒素原子の導入が不十分となるのを防止することができる。その一方、処理時間を24時間以下にすることにより、製造時間の長期化による製造効率の低下を防止することができる。
ここで、窒化処理は、フッ素化処理後の炭素材料を反応容器から取り出すことなく、少なくとも窒素含有ガスを含む第2処理ガスを当該反応容器に導入して連続的に行ってもよい。これにより、煩雑な作業を省略することができ、処理時間の短縮が図れる。さらに、フッ素化処理後の炭素材料が大気中の水分や酸素の影響を受けずに窒素原子を当該炭素材料に導入することができる。
窒化処理を行う際の圧力条件としては特に限定されず、加圧下、又は減圧下で行ってもよい。経済上、安全上の観点からは、常圧で行う方が好ましい。窒化処理を行うための反応容器としては特に限定されず、固定床、流動床等の従来公知のものを採用することができる。
炭素材料に対する第2処理ガスの接触方法としては特に限定されず、例えば、当該第2処理ガスのフロー下で接触させることができる。
ここで、窒化処理後の窒素含有炭素材料の表面には、炭素−フッ素結合によりフッ素原子が存在している。そのため、窒素含有炭素材料の分散媒への分散性を維持することを目的とする場合には、前記フッ素原子を除去する工程を含まないことが好ましい。前記フッ素原子が存在している場合、窒素含有炭素材料には極性が付与されており、当該窒素含有炭素材料同士が分散媒中で凝集・沈殿するのを防止することができる。すなわち、本実施の形態の窒素含有炭素材料であると、分散媒中へ均一に分散させることができ、結果、高い分散安定性を持った窒素含有炭素材料の分散液を得ることができる。尚、窒素含有炭素材料の分散媒への分散性を維持しない場合には、従来公知の方法により前記フッ素原子を除去する工程を行ってもよい。
前記分散媒としては特に限定されないが、本実施の形態に於いては極性溶媒が好ましい。前記極性溶媒としては特に限定されず、例えば、水や有機溶媒、又はこれらの混合溶液が挙げられる。前記有機溶媒としては特に限定されず、例えば、2−プロパノール、エタノール等のアルコール、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、THF(テトラヒドロフラン)、シクロヘキサン、イオン液体等が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、本実施の形態に於いてはアルコールが炭素材料の分散性を高くすることができる。また、本実施の形態においては、各種無機材料、各種金属材料、各種カーボン材料などの分散媒にも添加することができ、この様な場合であっても使用時の取扱い性に優れ、分散性も良好である。本実施の形態においては、前記分散媒を単独で、あるいはこれらを混合して用いてもよい。
また、本実施の形態に係る炭素材料の分散液には、分散剤としての界面活性剤は添加されないことが好ましい。これにより、炭素材料と分散媒のみからなる分散液を提供できる。更に、界面活性剤中に混入しているアルカリ金属や有機物等が分散液中に含まれるのを防止することができる。
以上より、本実施の形態の製造方法であると、炭素骨格中の炭素原子の一部が窒素原子で置換され、あるいは炭素骨格中の炭素原子の一部が窒素原子で置換されると共に、当該炭素材料の表面にアミノ基が導入された窒素含有炭素材料を得ることができる。そして、当該製造方法により得られた窒素含有炭素材料は、炭素骨格の構造欠陥を生じさせることなく、窒素原子が当該炭素骨格中に導入されたものである。また、本実施の形態の窒素含有炭素材料は、例えば、窒素原子が導入された単層カーボンナノチューブ等の場合には、その表面の荷電状態やキャリア輸送特性を適切に制御可能となり、電気二重層キャパシタの分極性電極や有機薄膜型太陽光発電セルの活性層、燃料電池の空気極等への応用が可能となる。尚、燃料電池の空気極への応用としては、具体的には、空気極の触媒として用いることが考えられる。
(実施例1)
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)容器(容量5mL)に単層カーボンナノチューブ(10mg)を導入し、本容器を電解研磨されたSUS316L製チャンバー(容量30mL)に設置した。更に、チャンバー内を窒素に真空置換し、窒素気流(20mL/min)下、4℃/minで250℃に昇温して、2時間の恒温処理を行った。
次に、窒素でフッ素ガスを20vol%に希釈した第1処理ガスに真空置換し、流量25mL/minで前記チャンバー内に流した。更に、チャンバーを4℃/minで250℃に昇温して、4時間フッ素化処理をした。その後、チャンバー内を窒素に真空置換し、窒素気流(20mL/min)の下、室温まで放冷し、フッ素化処理後の単層カーボンナノチューブを取り出した。
次に、フッ素化処理後の単層カーボンナノチューブを電気管状炉内に入れ、処理温度を25℃にした。その後、窒素でNHガスを1.0vol%に希釈した第2処理ガスを流し、窒化処理を行った。処理時間を30分間とした。その後、窒素に真空置換し、窒素気流(250mL/min)の下、室温まで放冷して、窒素に真空置換し、窒素含有単層カーボンナノチューブを製造した。
(実施例2〜7)
実施例2〜7においては、窒化処理の際の処理温度を100℃から600℃まで100℃刻みで変更した。それ以外は、実施例1と同様の方法にて各窒素含有単層カーボンナノチューブを作製した。
(実施例8)
実施例8においては、単層カーボンナノチューブに代えて多層カーボンナノチューブを用いた。また、窒化処理の際の温度を600℃に変更した。それ以外は、実施例1と同様の方法にて窒素含有多層カーボンナノチューブを作製した。
(実施例9)
実施例9においては、単層カーボンナノチューブに代えてカーボンブラック( ライオン(株)製、ケッチェンブラックECP600JD)を用いた。また、フッ素化処理の際の温度を50℃、窒化処理の際の温度を400℃に変更した。それ以外は、実施例1と同様の方法にて窒素含有カーボンブラックを作製した。
(実施例10、11)
実施例10及び11においては、フッ素化処理の際の温度をそれぞれ100℃又は150℃に変更した。それ以外は、実施例9と同様の方法にて窒素含有カーボンブラックを作製した。
(実施例12)
実施例12においては、窒化処理の際の温度を600℃に変更した。それ以外は、実施例11と同様の方法にて窒素含有カーボンブラックを作製した。
(参考例1)
実施例2で作製した窒素含有単層カーボンナノチューブをヒドラジン水溶液に添加し、当該窒素含有単層カーボンナノチューブに残存するフッ素を除去して、本参考例に係る窒素含有単層カーボンナノチューブを得た。
(参考例2)
実施例5で作製した窒素含有単層カーボンナノチューブをヒドラジン水溶液に添加し、当該窒素含有単層カーボンナノチューブに残存するフッ素を除去して、本参考例に係る窒素含有単層カーボンナノチューブを得た。
(元素分析)
実施例1〜7で得られたそれぞれの窒素含有単層カーボンナノチューブ、実施例8で得られた窒素含有多層カーボンナノチューブ及び実施例9〜12で得られた窒素含有カーボンブラックについて、X線光電子分光法(株式会社島津製作所KRATOS AXIS−HSi)を用いて元素分析を行った。また、アミノ基の有無を確認するためにKaiser試験を行った。さらに、各実施例の窒素含有単層カーボンナノチューブ、窒素含有多層カーボンナノチューブ及び窒素含有カーボンブラックにおける窒素原子の原子組成百分率についても算出した。結果を下記表1及び図2に示す。
また、実施例1〜7に係る窒素含有単層カーボンナノチューブについて、XPS分析により炭素骨格中に導入された窒素原子の化学状態を確認した。結果を下記表2及び図3に示す。
(窒素含有炭素材料の構造分析)
先ず、実施例5で作製した窒素含有単層カーボンナノチューブについて、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察を行った。そのTEM写真を図4に示す。TEM写真から、カーボンナノチューブの炭素骨格に対してダメージが与えられておらず、構造欠陥がないことが確認された。
(分散性)
実施例2、5及び参考例1、2で作製した窒素含有単層カーボンナノチューブを、それぞれIPA(2−プロパノール)に添加し、超音波処理を2時間施して、濃度100ppmの窒素含有単層カーボンナノチューブ分散液を調製した。これらの分散液を静置したところ、実施例2及び5に係る窒素含有単層カーボンナノチューブの場合では、150時間以上、良好な分散状態を維持していることが確認された。
その一方、参考例1に係る窒素含有単層カーボンナノチューブの場合では、50時間経過後に窒素含有単層カーボンナノチューブが凝集し、沈殿することが確認された。また、参考例2に係る窒素含有単層カーボンナノチューブの場合では、24時間経過後に窒素含有単層カーボンナノチューブが凝集し、沈殿することが確認された。
(体積抵抗率)
処理前の単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)、フッ素化処理後の単層カーボンナノチューブ(F−SWCNTs)及び実施例4〜7に係る窒素含有単層カーボンナノチューブについて、それぞれの体積抵抗率を、抵抗率計(ロレスタGP MCPT600、(株)三菱アナリテック製)を用いて、4端子4探針法により測定した(温度25℃、湿度35%)。尚、測定するための試料は、直径16mm、厚さ100μmのサイズとした。測定の結果を下記表3に示す。
(ゼーベック係数の測定)
処理前の単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)及び実施例5に係る窒素含有単層カーボンナノチューブについて、ゼーベック係数の測定を行った。すなわち、測定用として、サイズが5.0×12mmの試料を用意し、各試料の長辺方向の端に温度差(ΔT)を設け、長辺方向の両端の間に設けた2点の電極間の温度差と誘起された電位差(ΔV)を測定して(電位差)/(温度差)を計算することにより算出した。結果を図5(a)〜5(d)に示す。
(表面の荷電状態)
処理前の単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)、フッ素化処理後の単層カーボンナノチューブ(F−SWCNTs)及び実施例5に係る窒素含有単層カーボンナノチューブ(N400−doped SWCNTs)を、5つの異なるpH値(3、5、7、9及び11)になる様に、それぞれ塩酸水溶液、又は水酸化ナトリウム水溶液中に分散させた。その後、ゼータ電位測定装置(ZEECOM ZC2000、Microtec、Japan)を用いて室温下(25℃)で測定を行った。結果を図6に示す。
(酸素還元反応の触媒活性)
処理前の単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)及び実施例5に係る窒素含有単層カーボンナノチューブについて、それぞれの酸素還元反応(oxygen reduction reaction:ORR)の触媒活性を評価した。具体的には、実施例5で作製した試料、5%Nafion溶液、エタノールを質量比で1:10:100となるように混合し、30分以上超音波分散した懸濁液を調製する。この懸濁液12μLをグラッシーカーボン電極(直径:6mm)上に滴下し、室温、エタノール飽和蒸気圧下で一晩静置し十分に乾燥させたものを作用極として用い、サイクリックボルタンメトリー(CV)測定を行った。結果を図7に示す。
CV測定の測定条件は、下記の通りとした、
・電解液:0.5M 硫酸水溶液
・掃引速度:10mV/sec
・電位掃引範囲(電位窓):−0.5〜1.0V(vs.Ag/AgCl)
・参照極:Ag/AgCl
・対極:白金線・プレート
(結果)
表1から分かる通り、本実施例の窒素含有炭素材料であると、炭素骨格中に高濃度の窒素原子を導入できることが確認された。例えば、炭素材料が単層カーボンナノチューブの場合、窒化処理の処理温度が100℃以上であると、1.4〜3.0at.%の範囲内で窒素原子を導入することができた。
また、図2から分かる通り、窒化処理の処理温度が300℃未満であると、窒素含有単層カーボンナノチューブの表面に第1級アミノ基が導入されていることが確認された。その一方、窒化処理の処理温度が300℃以上であると、第1級アミノ基が確認されないにも関わらず、窒素原子の濃度が増加していることが確認された。これにより、処理温度が300℃以上の領域では、単層カーボンナノチューブを構成する環状骨格中の炭素原子の一部が窒素原子に置換されていることが分かった。
また、表2及び図3から明らかな通り、実施例1の窒素含有単層カーボンナノチューブにおいては、炭素骨格中に導入された窒素原子が、主としてピリジン型であることが確認された。また、実施例2〜7の窒素含有単層カーボンナノチューブにおいては、炭素骨格中に導入された窒素種が、主としてピロール型及びピリジン型であることが確認された。
体積抵抗率については、表3に示す通り、フッ素化処理後の単層カーボンナノチューブが7.1±3.9×10Ω・cmであったのに対し、フッ素化処理及び窒化処理後の窒素含有単層カーボンナノチューブでは、いずれも値は小さくなっており、キャリア輸送特性に優れていることが確認された。
また、ゼーベック係数の測定結果から、処理温度400℃で窒化処理を行った実施例5の窒素含有単層カーボンナノチューブにおいては、大気中でn型キャリア輸送特性を示すことが明らかとなった(図5(c)及び5(d)参照)。その一方、処理前の単層カーボンナノチューブにおいては、p型特性を示した(図5(a)及び5(b)参照)。実施例5の窒素含有単層カーボンナノチューブでは、他の窒素含有単層カーボンナノチューブと比べて、炭素骨格中に導入された窒素原子にグラファイト型が多いことから、当該グラファイト型の窒素原子がn型ドーパントとして有効に機能する可能性を示唆している。
表面の荷電状態については、図6から分かる通り、処理温度400℃で窒化処理を行った場合の窒素含有単層カーボンナノチューブにおいて、pHが5以下のときでもゼータ電位がプラスになっていることが確認できた。このことから、例えば、電気二重層キャパシタにおいて、本実施例の窒素含有単層カーボンナノチューブを電極の材料に用い、酸性の電解液を用いた場合などで、電気容量の増大が図れる。
ORR触媒活性に関し、図7から分かる通り、処理前の単層カーボンナノチューブと比較して、酸素還元電位が0.5V以上貴側(図中の矢印で示す方向)にシフトした。実施例5の窒素含有単層カーボンナノチューブにおいて、炭素骨格中に導入される窒素原子は、主としてピリジン型及びピロール型であることから、これらの窒素原子が単層カーボンナノチューブの電子状態を変化させ、ORR触媒活性を向上させたものと推察される。本実施例に係る窒素含有単層カーボンナノチューブを、例えば、燃料電池の空気極の触媒材料に用いた場合、当該空気極において酸素還元反応が大幅に促進させることが可能になり、電池性能の向上が図れる。

Claims (13)

  1. 炭素原子からなる炭素骨格を備える炭素材料に、窒素原子が導入された窒素含有炭素材料であって、
    前記炭素骨格中の炭素原子の一部が窒素原子で置換された窒素含有炭素材料。
  2. さらに前記炭素材料の表面にアミノ基が導入された請求項1に記載の窒素含有炭素材料。
  3. 前記炭素骨格中に、炭素原子の一部を置換することにより導入された前記窒素原子が、主としてピリジン型、又はピリジン型とピロール型である請求項1又は2に記載の窒素含有炭素材料。
  4. 窒素含有炭素材料の表面には、炭素−フッ素結合が存在する請求項1〜3の何れか1項に記載の窒素含有炭素材料。
  5. 前記窒素原子が導入される前の炭素材料が、カーボンナノコイル、グラファイト、カーボンブラック、ダイヤモンドライクカーボン、炭素繊維、グラフェン、非晶質カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ及びダイヤモンドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4の何れか1項に記載の窒素含有炭素材料。
  6. 炭素原子からなる炭素骨格を備える炭素材料に、窒素原子を導入する窒素含有炭素材料の製造方法であって、
    前記炭素材料にフッ素含有ガスを含む第1処理ガスを接触させて、当該炭素材料の表面をフッ素化処理する工程と、
    前記フッ素化処理後の炭素材料に窒素含有ガスを含む第2処理ガスを加熱しながら接触させて窒化処理する工程とを含む窒素含有炭素材料の製造方法。
  7. 前記フッ素化処理は、前記第1処理ガスとして、全体積に対し0.01〜100vol%のフッ素含有ガスを含むものを用いて、処理時間1秒〜24時間、処理温度0℃〜600℃の条件下で行うものであり、
    前記窒化処理は、前記第2処理ガスとして、全体積に対し0.01〜100vol%の窒素含有ガスを含むものを用いて、処理時間1秒〜24時間の条件下で行うものである請求項6に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
  8. 前記窒化処理を、25℃以上、300℃未満の処理温度で行うことにより、フッ素化処理後の炭素材料表面にアミノ基を導入すると共に、前記炭素骨格中の炭素原子の一部を窒素原子に置換する請求項6又は7に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
  9. 前記窒化処理を、300℃以上、1500℃以下の処理温度で行うことにより、フッ素化処理後の炭素材料における前記炭素骨格中の炭素原子の一部を窒素原子に置換する請求項6又は7に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
  10. 前記炭素骨格中に、炭素原子の一部を置換することにより導入された窒素原子が、主としてピリジン型、又はピリジン型とピロール型である請求項6〜9の何れか1項に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
  11. 窒化処理後の窒素含有炭素材料の表面に、炭素−フッ素結合により存在するフッ素原子を除去するための工程を含まない請求項6〜10の何れか1項に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
  12. 前記フッ素化処理を行う前の炭素材料が、カーボンナノコイル、グラファイト、カーボンブラック、ダイヤモンドライクカーボン、炭素繊維、グラフェン、非晶質カーボン、フラーレン、カーボンナノチューブ及びダイヤモンドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項6〜11の何れか1項に記載の窒素含有炭素材料の製造方法。
  13. 燃料電池の空気極触媒に用いられる燃料電池用空気極触媒であって、
    前記請求項1〜5に記載の窒素含有炭素材料を用いた燃料電池用空気極触媒。
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