JP2016112688A - 中空円筒状樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

中空円筒状樹脂成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 中空円筒状成形体の射出成形において、成形体外周面の軸方向に沿って発生するバリや段差を小さくする。【解決手段】 中空円筒状樹脂成形体1は熱可塑性樹脂の射出成型により製造される。前記成形体の外周面14を形成するキャビティ型の少なくとも一部は、成形体の中心軸と略直交する方向に型開きされるスライド金型23,23とされている。成形体外周面14の少なくとも一部は、成形体の中心軸Lを回転中心とする回転体形状とされていて、当該回転体形状部分は前記スライド金型23,23により形成される。成形体1の取り出しに先行して、前記回転体形状部分を形成するスライド金型23,23を型閉じした状態で、コア型24を回転させることにより、成形体1を中心軸L回りに回転させて、成形体外周面のバリや段差がならされる。【選択図】 図6

Description

本発明は、射出成型を利用した中空樹脂成形体の製造方法に関する。特に熱可塑性樹脂の射出成形によって中空円筒状の樹脂成形体を製造する方法に関する。
中空円筒状の樹脂成形体は、チューブや管路を接続するためのコネクタ部材などとして広く使用されている。例えば、自動車の自動変速機の油圧回路や、空調装置の冷媒循環回路などにおいて、このような中空円筒状の樹脂成形体が、コネクタ部材として採用されている。このような中空円筒状の樹脂成形体は、合成樹脂の、好ましくは熱可塑性樹脂の、射出成形により形成することができる。射出成形によりこれら成形体を形成すると、樹脂成形体を精度よく効率的に製造できるというメリットがある。
こうした中空円筒状樹脂成形体の製造に関し、例えば、特許文献1には、成形体の内周面側を形成するコア型と、成形体の外周面側を形成するとともに成形体中心軸を含む面で分割されたキャビティ型とを含む金型を用いて、成形体を射出成型する技術が開示されており、当該成形方法によれば、サブマリンゲートの採用と、ゲート部の温度管理およびゲート部周辺の成形体表面形状の工夫によって、成形品の生産性を高めつつ歩留まりを改善できることが開示されている。
実用新案出願公告昭64−4499号公報
ところで、特許文献1の製造方法のように、キャビティ金型を成形品9の中心軸を含む面で分割したキャビティ型(たとえば、いわゆるスライド金型91,91)として、成形品を成形すると、図8に示したように、分割したキャビティ型91,91の合わせ面に対応する位置で、成形体9にバリBや段差が生じやすい。通常、金型の調整により、バリや段差を小さくする工夫が行われるが、バリや段差を完全になくすことは難しかった。また、金型を用いた生産を繰り返す間に、金型91,91が劣化し、バリや段差が調整しきれなくなることもあった。
また、射出成形される中空円筒状成形体が、エラストマ製チューブを接続するコネクタ部材などとして使用される場合においては、特許文献1に代表される従来の製造方法では、バリや段差が成形体の軸方向に沿って発生することになり、バリや段差部分でシール性が不十分となるおそれがある。
また、金型を用いた射出成型においては、必ず、金型のキャビティに樹脂を射出するためのゲートが設けられ、成形完了後に、スプルーやランナーなどの樹脂供給路と、成形体とをゲートGで切り離すことが行われる。通常、ゲートGは、断面積が小さくされていて、その部分を引きちぎるようにしてゲートの切り離しが行われることが多い。その場合、ゲート切断部がバリ状に成形体に残存することになる。たとえば、図9に示すようにゲートを切り離すと、成形体にバリ状のゲート痕Rが残る。ゲート切断部がバリ状に残存すると、製品の外観品質が低下するほか、成形品の寸法精度に影響したりするなど、好ましくない。また、円筒状成形体が耐圧性を要求される場合などには、ゲート切断部のバリ状部分が破壊の起点となって成形体の強度低下をもたらすおそれもある。
したがって、本発明の目的は、中空円筒状成形体の射出成形において、成形体外周面の軸方向に沿って発生するバリや段差を小さくできる射出成形の方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ゲートの切り離しを行ったゲート痕がバリ状になってしまうことを抑制し、ゲート痕がきれいになる射出成型の方法を提供することにある。
発明者は、鋭意検討の結果、成形体外周面の少なくとも一部を成形体の中心軸を回転中心とする回転体形状とするとともに、キャビティに樹脂の射出を行った後に、キャビティ型を型閉じした状態で、コア型を回転させて成形体を中心軸回りに回転させると、成形体外周面に中心軸方向に沿うバリの発生が抑制されることを知見し、本発明を完成させた。
本発明は、中空円筒状の形状を有する樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成型により製造する方法であって、成形体の外周面を形成するキャビティ型と、成形体の内周面を形成するコア型とを有する金型を準備する第1工程、金型を型閉じして、キャビティ型とコア型により形成されるキャビティに樹脂を射出し、成形体を形成する第2工程、金型を開いて成形体を取り出す第3工程を有し、前記キャビティ型の少なくとも一部は、成形体の中心軸と略直交する方向に型開きされるスライド金型とされていて、成形体外周面の少なくとも一部は、成形体の中心軸を回転中心とする回転体形状とされていて、当該回転体形状部分は前記スライド金型により形成され、第3工程の成形体取り出しに先行して、前記回転体形状部分を形成するスライド金型を型閉じした状態で、コア型を回転させることにより、成形体を中心軸回りに回転させる、中空円筒状樹脂成形体の製造方法である(第1発明)。
第1発明においては、成形体の内周面の少なくとも一部は、成形体の中心軸を回転中心とするリング状に形成されるとともに、前記キャビティへの樹脂の射出が、ディスクゲートを通じて行われ、当該ディスクゲートの周縁が当該リング状部位に接続されるよう、金型が準備され、第3工程において、コア型と成形体を中心軸回りに回転させることにより、ディスクゲートを成形体から切り離すことが好ましい(第2発明)。さらに、第1発明または第2発明においては、成形体の内周面の一部が、中心軸に沿って見て多角形形状となるように形成されることが好ましい(第3発明)。
第1発明の中空円筒状樹脂成形体の製造方法によれば、成形体外周面の軸方向に沿って発生するバリや段差を小さくできる。
さらに、第2発明のように、ディスクゲートを成形体のリング状内周面に接続し、成形体を回転させてディスクゲートの切り離しをする場合には、ゲート痕にバリが出ることが抑制され、ゲート痕をきれいにすることもできる。また、第3発明のように、成形体の内周面の一部が、中心軸に沿って見て多角形形状となるように形成されると、確実にコア型と成形体を一緒に回転させることができ、第1発明や第2発明の有する効果が確実に得られる。
第1実施形態にかかる成形体の形状を示す図である。 第1実施形態の製造工程に用いられる金型の構造を示す断面模式図である。 第1実施形態の金型に樹脂が射出された状態を示す断面模式図である。 第1実施形態の金型内で、成形体を回転させる動作を示す断面模式図である。 第1実施形態の金型を開いて、成形体を取り出す動作を示す断面模式図である。 金型内で成形体が回転してバリがならされる動作を示す図である。 成形体の他の実施形態例の形状を示す図である。 従来技術において、キャビティ型の合わせ面にバリが発生する状況を示す図である。 従来技術において、成形体とゲートを切り離す際に、ゲート痕にバリが発生する状況を示す図である。
以下図面を参照しながら、エラストマチューブの接続に使用されるコネクタ部材を例として、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
図1には第1実施形態の成形体1(以下、「コネクタ部材」とも書く)を示す。図1の右側の図は管の軸線に沿った断面図と、軸方向から見た上面図および下面図を示し、左側の図は成形体の斜視図として示している。コネクタ部材1は、合成樹脂製の部材であり、熱可塑性樹脂の射出成形により、円筒断面を有する直管状に形成されている。すなわち、コネクタ部材1は、中空円筒状の形状に形成されており、コネクタ部材1は、管体の長さ方向の両端に位置する端面12,13と、円筒状の外周面14、筒状の内周面15a、15bを有する。
成形体1の外周面14は、成形体の中心軸Lを回転中心とする回転体形状に設けられる。本実施形態の成形体1では、外周面14は円筒状に設けられている。本実施形態のように、外周面全体が、中心軸Lを回転中心とする回転体形状とされていることが好ましい。回転体の具体的形状は、円筒状、円錐状のほか、球状、つづみ状、たいこ状であってもよい。なお、必ずしも成形体1の外周面の全体が回転体形状とされていなければならないわけではなく、外周面の一部が回転体形状とされていなくてもよい。また、後述する他の実施形態のように、成形体1の外周面にシール溝が設けられるようにしてもよく、シール溝にOリングを装着して、Oリングによりコネクタ部材と相手部材との間をシールするようにしてもよい。シール溝が成形体中心軸を回転中心とする回転体形状に設けられることが好ましい。
本実施形態では、成形体の1の内周面15aは円筒状に形成されている。内周面15aの部分は、成形体の中心軸Lを回転中心とする回転体形状にされている。本実施形態では内周面15aは抜きテーパを有するほぼ円筒状の円錐面とされている。また、本実施形態では、中心軸方向に内周面15aとは隔たって位置する内周面15bの部分が、中心軸に沿って見て多角形形状となるように角筒状に形成されている。本実施形態では、内周面15bの部分は6角柱形状にされている。内周面15bの部分を多角柱形状とする場合には、その形状は、4角柱でも5角柱でも8角柱でもその他の多角柱状であってもよい。
成形体1は、合成樹脂の射出成形により形成された部材であり、成形体1には、射出成形の際に樹脂をキャビティ内に射出したゲートに対応したゲート痕16が存在する。図1ではゲート痕を破線で示している。ゲート痕16は、コネクタ部材1の内周面15aの部分に、リング状に存在している。即ち、成形体1の成形において、樹脂の射出は、成形体1の内周面に接続されたディスクゲートによって行われている。成形体1において、少なくともゲート痕16が存在する部分は、成形体の中心軸Lを回転中心とするリング状に形成されている。
また、本実施形態では、ゲート痕16は、コネクタ部材1の長さ方向(管軸方向)における端部、即ち管端に近接した位置に存在している。
コネクタ部材1を構成する合成樹脂は、射出成形により成形可能な熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。好ましくは、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂が使用できる。本実施形態のコネクタ部材1はポリアミド樹脂により形成されている。
成形体(コネクタ部材)1は、エラストマ製のチューブの端部に挿入されて、チューブの接続に使用されうる。また、成形体にシール溝を備えさせてOリングを装着するようにすれば、特開2005−207463号公報などに開示される技術のように、油圧回路の管路を接続することもできる。
本実施形態の成形体1の製造方法について説明する。成形体1は、樹脂の射出成型により製造され、その製造工程は、射出成形金型を準備する第1工程と、金型を型閉じして樹脂をキャビティに射出し成形体を形成する第2工程と、金型を開いて成形体を取り出す第3工程を有する。金型を準備する第1工程においては、金型が、成形体1の外周面14を形成するキャビティ型と、成形体の内周面15a、15bを形成するコア型とを有するとともに、キャビティ型とコア型により形成されるキャビティに、ディスクゲートを通じて樹脂が供給されるように構成される。また、成形体を取り出す第3工程においては、ディスクゲートを成形体から切り離すと共に、金型を開いて成形体を取り出す。
第1工程で準備する金型について説明する。図2は金型の断面を示す模式図である。図では型閉じした状態で金型を示している。
金型には、成形体1の外面形状に一致するような内面形状を有するキャビティを形成する一組のキャビティ型21,22,23が設けられ、キャビティ型内に、管状成形体1の内周面形状に一致するような円柱状のコア型24が設けられる。図2には、キャビティ型21,22,23を断面図で、コア型24を外観図で示している。なお、図2においては、図を見やすくするために、キャビティ型21,22,23の断面のハッチングは省略している。
なお、金型には、これらキャビティ型21,22,23とコア型24のほか、適宜、開閉機構やスライド機構、ロッキングブロックや、押出ピンなどが設けられ、型締め、射出成形及び成形品の取出しが可能とされているが、その詳細な図示及び説明は省略する。
金型の構造をより詳細に説明する。金型のキャビティ型は、固定側金型21と移動側金型22とスライド金型23,23とを有している。固定側金型21は、金型の開閉に伴って移動しない金型、もしくは、移動しない金型に隣接して配置される金型であり、固定側金型21には、溶融状態の樹脂がキャビティに向けて供給されるスプルーSが設けられている。本実施形態の金型では、固定側金型21は、スプルーSを有する移動しない金型とされている。
移動側金型22は、金型の開閉に伴って、固定側金型21に対し型開き方向(図2の上下方向)に移動可能に設けられた金型である。スライド金型23,23は、固定側金型21と移動側金型22の間に設けられ、金型の開閉に伴って、型開き方向と交差する方向(図2の左右方向)、好ましくは型開き方向と直交する方向に移動可能に設けられた金型である。
成形体は、金型によって、管状成形体の管軸方向が金型の型開き方向に一致するような姿勢で成形される。
成形体1の一方の端面である第1端面12の形状は、固定側金型21により規定される。同様に、成形体1の他方の端面である第2端面13の形状は、移動側金型22により規定される、本実施形態においては、第1端面12や第2端面13は平面状に形成されているが、テーパ面状や、曲面状、階段状など、他の形態に端面形状を規定しても良い。
スライド金型23,23は、固定側金型21と移動側金型22の間に配置されており、成形体1の円筒状外周面14の形状の少なくとも一部を規定している。本実施形態においては、成形体1の円筒状外周面14の全体がスライド金型23,23により規定される。
なお、成形体の外周面の一部が回転体形状でない場合には、その部分を、スライド金型23,23とは別タイミングでの開閉動作が可能な第2のスライド金型により成形すればよい。
コア型24は、いわゆるコアピンとして、移動側金型22に対して回転可能に設けられている。コア型24により管状成形体1の内周面の形状が規定される。本実施形態では、コア型24は円柱状部分と6角柱状部分をつなぎ合わせた形状とされている。
さらに、コア型24の端面が、固定側金型21のスプルーSに対向し、若干の隙間を残すように配置されており、この部分に円盤状の空間Dが形成され、いわゆるディスクゲートが構成されている。即ち、型閉じした金型に対し、スプルーSを通じ射出された溶融樹脂は、この円盤状の空間Dを通じて、成形体が形成されるべきキャビティCに充填される。なお、ディスクゲートが構成できれば、必ずしもコア金型の端面がスプルーSに対向する必要は無い。
ここで、成形体1はその内周面に成形体中心軸Lを回転中心とするリング状の部分(すなわち成形体内周面のうち15aの部分)を有しているが、成形体内周面のそのリング状部位にディスクゲートの周縁が連続して接続されるように、ディスクゲートが構成される。また、ディスクゲートは、接続部が、成形体中心軸Lと直交する平面内に位置するよう設けられる。
コア型24は移動側金型22を貫通するように、移動側金型に対し回転可能に取り付けられている。キャビティとは反対側のコア型の端部には、ギア24Gが設けられており、ギア24Gとかみ合うよう設けられた棒状のラックギア(駆動ギア)RGを駆動する(図2の左右方向に)ことにより、コア型24を成形体1の中心軸L回りに回転駆動できるよう構成されている。なお、コア型の回転駆動には、公知の駆動機構が採用できる。駆動は、金型の開閉動作を利用する機械的結合による駆動であってもよいし、油圧や電気(モータ、ソレノイド)を利用するものであってもよい。油圧や電気により回転駆動を行えば、回転のタイミングや速度の調整がしやすくなり、特に好ましい。
準備された金型を用いて、樹脂の射出成形を行う。射出成形工程(第2工程)においては、型締めされた金型のキャビティCに対し、固定側金型21に設けられたスプルーSから樹脂が注入される。注入された樹脂は、コア型24の端面と固定側金型21により形成されたディスクゲートを通って、管状成形体1が形成されるキャビティ空間Cへと供給される。型閉じした金型に樹脂が射出され、充填された状態を図3に示す。図3では、成形された成形体1と、樹脂通路の残渣物として同時形成されたディスクゲートDGの部分とをハッチングして示している。
樹脂をキャビティに充填し、樹脂を冷却・固化させた後に、図4、図5に示すように、ゲートカットと型開きを順次行って、成形体(コネクタ部材)1を取り出す。この際、ディスクゲートの部分DGは、成形体1から取り外され、成形体1には、ディスクゲートが接続されていたゲート痕16が残る。
本実施形態の成形体1や金型においては、まず図4のように、キャビティ型を型閉じしたままで、コア型24を回転させることにより、成形体1を中心軸L回りに回転させる。この操作によって、ディスクゲートDGを成形体1から切り離す、ゲート切り離し操作を行うことができる。すなわち、キャビティ型21,22,23を型締めしたままの状態で、もしくは、キャビティ型を少し緩めた状態で、成形体1を回転させる。この時、ディスクゲートの部分DGは金型に対し回転しないようにされる。すると、ディスクゲートDGと成形体1が接続された部分、すなわち、成形体内周面のリング状部分に接する位置でせん断ひずみが集中的に発生してこの部分を切断面CSとして、ゲートが切り離される。
ゲートが切り離されたのちに、図5のように型開きして成形体1を取り出す。この時、ディスクゲートDGはすでに切り離されているので、適宜回収する。
作用と効果について説明する。上記製造方法によれば、金型、特に成形体外周面の回転体形状の部分を形成するスライド金型23,23が型閉じしたままの状態で、成形体1が金型の内部で中心軸Lの周りに回転するので、スライド金型23,23の合わせ面の部分にバリや段差が出ることが抑制される。
従来技術では、図8に示すように、成形体9の外周面を形成するスライド金型91,91の合わせ面位置に、どうしてもバリBや段差が生じがちであった。金型から取り出した成形体には、バリBや段差が、成形体軸方向に沿って現れ、外管品質やシール性の低下につながっていた。
一方、上記製造方法では、成形体外周面を形成するスライド金型23,23が型閉じしたままで、金型の内部で成形体1が中心軸Lの周りに回転するので、図6に示したように、たとえ、成形された成形体にバリBや段差があったとしても(図6(a))、図6(b)のように、スライド金型23,23が型閉じしたままで、金型の内部で成形体1が中心軸Lの周りに回転することによって、スライド金型の内部で、バリBや段差がならされて平らになり、型開きして得られる成形体1に残存するバリや段差を小さくすることができる。また、バリBが比較的大きなものである場合には、成形体1の回転により、バリBと成形体1が型閉じされたスライド金型の内部で切り離され、成形体1からバリBが除去される。
このようにして、上記製造方法によれば、成形体外周面の軸方向に沿って発生するバリや段差を小さくできる。なお、このような効果を得るための、金型が型閉じした状態とは、金型を型締めした状態だけを指すのではなく、金型の型締めを解除しながらいまだ金型が開かれていない状態を含む。
また、上記製造方法によれば、成形体のゲート痕におけるバリの発生を抑制できる。
従来の技術においては、ゲートの切断の際に、ゲート部分の樹脂が存在しない方向にゲートと成形体を相対運動させて両者を分離していた。たとえば、ピンゲートやサイドゲートを横に引きちぎるような切り離し方法や、コアピンを押し出してディスクゲートをディスクの中心軸に沿って強制変位させて引きちぎるような切り離し方法では、成形体とゲートの相対運動の方向が、「ゲートの樹脂がある」部分を「ゲートの樹脂がない」方向へと運動させる動きとなっていた。
このような、従来技術でのゲートの切り離し運動では、どうしても、樹脂の有無によるゲート部の微小な変形が抑えられず、図9に示したように、ゲートを切り離した方向にバリが生ずることになる。
一方、上記製造方法のように、成形体1とディスクゲートDGを、成形体1の中心軸Lの周りに相対回転させるようにすると、成形体とゲートの相対運動が、成形体とディスクゲートが連続的に接続された周方向に沿って起こることになる。すると、両者の運動方向に樹脂が連続して配置されているために、ゲート部の樹脂同士が運動方向に互いに支え合うようになり、運動方向への無用な変形が抑制される。その結果、相対運動により発生するせん断ひずみが、断面積が最小にされたゲート接続部に集中して発生し、その部分のせん断ひずみが大きくなって切断面CSが形成されて、切断面CSで成形体1とディスクゲートDGが分離される。そのため、切断部にバリが発生しにくくなり、成形体に残るゲート痕16がきれいになる。
上記効果を確実に生じさせるためには、成形体の内周面形状の一部を、中心軸回りの回転体形状とは異なる形状、たとえば、上記実施形態のような多角柱形状とすることが好ましい。このようにされていると、成形体1をコア型24と一緒に、確実に回転させることができ、所定のタイミングで外周面のバリBや段差がより確実にならされて、成形体外周面の品質が向上する。
成形体を確実に回転させるための内周面形状は、内周面の一部を多角柱形状とするほか、
内周面の一部もしくは全体に、キーや溝、スプラインを設けたりして、成形体1とコア型24の係合を行うような形状であってもよい。
なお、成形体1とコア型24が一緒に回転できるのであれば、成形体内周面形状は円筒や円錐形状であってもよい。この場合、コア型24とスライド型23,23の間で、成形面の表面粗度に差をつけて、スライド型23,23よりも、コア型24の方に成形体1がより密着するようにすることも、好ましい実施の形態である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分については、その詳細な説明を省略する。また、これら実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を互いに置き換えて実施することができる。
上記実施形態の製造方法では、ゲートをディスクゲートとして成形体内周面にゲートを接続することにより、コア型24と成形体1を回転させる際に同時にゲートを切断していたが、ゲートの形式や切断のタイミングは、他の形態とすることもできる。たとえば、ゲートは成形体を金型から取り出した後に切り離すようにしてもよい。
また、ゲートは、たとえばピンゲートや、サブマリンゲート等であってもよく、こうしたゲートを、成形体1の外周面や端面に接続するように設けてもよい。特に、ピンゲートやサブマリンゲートやリングゲートを、成形体1の外面(第1実施形態の成形体1においては、外周面14や端面12,13)に接続するようにすることが好ましく、外周面に接続することが特に好ましい。このようにすると、コア金型24と成形体1の回転の際に、外面に接続されたゲートが切り離されるとともに、ゲート痕が型閉じされた金型によってならされ、成形体の外管品質が向上する。
図7には、成形体の形状の変更例を示す。図7(a)に示すように、成形体3は、成形体外周面の少なくとも一部が中心軸Lを回転中心とする回転体形状とされている限りにおいて、外周面にOリングを装着するためのリング状の溝31,31を有するものであってもよい。このような成形体3は、油圧回路等の管路ブロックの接続に使用できる。
また、成形体4は、図7(b)に示すように、成形体外周面の両端部から軸方向中央部にかけての部分44a,44aが、中心軸Lを回転中心とする円筒状の外周面とされ、成形体4の軸方向略中央部に、四角形板状の部分44bが、中心軸と略垂直となるように突出形成された形態であってもよい。すなわち、本実施形態においては、外周面の一部44a,44aは回転体形状とされ、外周面の他の部分44bは回転体形状とはされていない。
本実施形態においては、成形体外周面のうち回転体形状の部分(外周面回転体形状部分)44a,44aを形成するスライド金型と、成形体外周面のうち回転体形状ではない部分(外周面非回転体形状部分)44bを形成するスライド金型とを、別々のタイミングで開閉可能なスライド金型として準備しておく。型締めして成形体4を射出成型した後に、成形体外周面のうち回転体形状ではない部分44bを形成するスライド金型だけを型開きして、成形体を金型内部で回転可能にする。そして、成形体外周面のうち回転体形状の部分44a,44aを形成するスライド金型は型閉じした状態のままで、コア金型と成形体4を回転させるようにすれば、成形体外周面のうち回転体形状の部分44a,44aにおけるバリや段差の発生を抑制できる。なお、本実施形態において回転体形状でない部分44bは成形体中央部でストッパーの役割を果たすことができる。
このように、成形体において、外周面に回転体形状でない部分がある場合には、回転体形状でない部分を形成するスライド金型は開いて、成形体を回転可能としつつ、外周面の回転体形状部分を形成するスライド金型を閉じた状態のまま、コア金型と成形体を回転させればよい。すなわち、バリや段差をならしたい成形体外周面の回転体形状部分以外の部分は、成形体が回転可能となるように、適宜、金型を型開きさせればよい。
また、成形体の内周面形状は、第1実施形態のように円筒状の部分を有していてもよいが、これは必須ではなく、成形体の内周面形状は、たとえば、全体が四角柱状であってもよい。多角柱形状や、楕円柱状の形状など、成形体の内周面形状を、成形体中心軸L回りの回転体形状ではない形状とすると、コア金型24とともに成形体が確実に回転するようにできて、成形体外周面のバリの発生抑制が確実になって好ましい。
金型の細部構造や、どの金型で成形体のどの部分を成形するかは、成形体の形状や、金型の動作等に合わせて、適宜変更できる。
たとえば、固定側金型21や移動側金型22で、成形体の端面だけでなく、成形体の外周側側面や内周面の一部(端部)を形成するようにしてもよい。
また、スプルーSおよびディスクゲートDGの部分は、金型内で成形体が回転する際に、成形体やコア型とともに回転してしまわないように構成することが好ましい。そのようにされていると、ディスクゲートの切断が確実に行われうる。通常、ディスクゲートが回転することはないが、ディスクゲートDGの回転を確実に防止するためには、スプルーの中心をディスクゲートの中心とオフセットさせたり、スプルーやディスクゲートの固定側金型の成形面に、凹凸等をつけて回転防止をすることが好ましい。
上記製造方法で製造された成形体が使用される具体的な適用分野は特に限定されず、合成樹脂製のコネクタ部材が適用可能な分野のほか、スペーサ、カラーなど、中空円筒状の成形体が利用可能な分野に広く適用できる。典型的には、中空円筒状成形体は、エラストマ製チューブの接続に使用できる。また、中空円筒状成形体は、油圧回路や、冷媒配管、冷却水循環系、圧力伝達系、流量調整弁などの管路ブロックに使用できる。更に、油圧や水圧などの液圧が伝達される回路の管路だけでなく、空気圧などの気体の圧力を伝達する回路の管路など、多様な圧力伝達回路の管路が、中空円筒状成形体によって連結できる。
本発明の製造方法によれば、射出成形される中空円筒状成形体の外周面のバリや段差の発生が抑制でき、産業上の利用価値が高い。
1 成形体
12 第1端面
13 第2端面
14 外周面
15a、15b 内周面
16 ゲート痕
21 固定側金型
22 移動側金型
23 スライド金型
24 コア金型
3 成形体
31 溝部
4 成形体
44a 外周面回転体形状部分
44b 外周面非回転体形状部分

Claims (3)

  1. 中空円筒状の形状を有する樹脂成形体を熱可塑性樹脂の射出成型により製造する方法であって、
    成形体の外周面を形成するキャビティ型と、成形体の内周面を形成するコア型とを有する金型を準備する第1工程、
    金型を型閉じして、キャビティ型とコア型により形成されるキャビティに樹脂を射出し、成形体を形成する第2工程、
    金型を開いて成形体を取り出す第3工程を有し、
    前記キャビティ型の少なくとも一部は、成形体の中心軸と略直交する方向に型開きされるスライド金型とされていて、
    成形体外周面の少なくとも一部は、成形体の中心軸を回転中心とする回転体形状とされていて、当該回転体形状部分は前記スライド金型により形成され、
    第3工程の成形体取り出しに先行して、前記回転体形状部分を形成するスライド金型を型閉じした状態で、コア型を回転させることにより、成形体を中心軸回りに回転させる、
    中空円筒状樹脂成形体の製造方法。
  2. 成形体の内周面の少なくとも一部は、成形体の中心軸を回転中心とするリング状に形成されるとともに、
    前記キャビティへの樹脂の射出が、ディスクゲートを通じて行われ、当該ディスクゲートの周縁が当該リング状部位に接続されるよう、金型が準備され、
    第3工程において、コア型と成形体を中心軸回りに回転させることにより、ディスクゲートを成形体から切り離す、
    請求項1に記載の中空円筒状樹脂成形体の製造方法。
  3. 成形体の内周面の一部が、中心軸に沿って見て多角形形状となるように形成される、
    請求項1または請求項2に記載の中空円筒状樹脂成形体の製造方法。
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