JP2016111172A - 複合型電磁波抑制体 - Google Patents

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武司 橋本
服部 琢磨
Takuma Hattori
琢磨 服部
光次郎 鶴田
Kojiro Tsuruta
光次郎 鶴田
山本 一美
Kazumi Yamamoto
一美 山本
敬介 國森
Keisuke Kunimori
敬介 國森
芳輝 河野
Yoshiteru Kono
芳輝 河野
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Abstract

【課題】 本発明は、十分な柔軟性と耐リフロー性および150℃での長期耐熱信頼性試験後も柔軟性を有する、低周波から高周波まで広い周波数帯域で低域通過フィルタ特性を持つ難燃性の複合型電磁波抑制体を提供する。
【解決手段】 (A)成分:架橋性官能基を有するアクリル共重合体と、(B)成分:フェノール樹脂とを含有する樹脂組成物中に、導電性フィラーが分散されている導電層と、(A)成分:架橋性官能基を有するアクリル共重合体と、(B)成分:フェノール樹脂とを含有する樹脂組成物中に、軟磁性金属粉末が分散されている磁性層とを積層した複合型電磁波抑制体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子機器等から発生する電磁波ノイズを吸収し、外部への放出や外部からの侵入を抑制する、あるいは電子機器内部における部品間の干渉による誤動作を防止する等の目的のために使用される電磁波抑制体であって、導電性フィラーを分散した導電層と軟磁性金属粉末を分散した磁性層とを積層してなり、回路基板、電子部品、フレキシブルプリント配線板等の凹凸等に追従できる柔軟性を有し、さらに、150℃での長期耐熱信頼性試験後も柔軟性、寸法安定性を有し、チップ部品等の電子部品の基板への表面実装技術の基本プロセスとなっているリフローはんだ付けに使用できる複合型電磁波抑制体に関する。
近年、電子機器の高機能化により、電子部品の作動周波数は高周波化されており、放射されるノイズ電磁波の強度が増し、かつ、より広範囲の周波数成分を含むようになってきている。これらの電子機器には、さらなる小型化、軽量化の要求が高まっており、この要求に伴い、使用される電子部品は、小型化、薄型化及び高密度実装化される傾向にある。電子機器が高周波化、高密度実装化されるに伴い、電子部品やプリント配線、あるいはモジュール間の配線から放射されるノイズ電磁波が発生しやすくなるという問題がある。
一般に、各種電子機器のノイズ電磁波の抑制策として、複合磁性体が用いられている。
複合磁性体としては、例えば、塩素化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴム等のバインダー樹脂に、軟磁性金属の粉末としてセンダスト(Fe−Si−Al合金)、パーマロイ(Fe−Ni合金)やFe−Cr合金等のアトマイズ粉末を分散させシート状に成形した電磁波抑制シートが知られている。
電子部品や配線基板は、より一層の高密度実装が求められており、ノイズ電磁波の抑制体にも、さらに薄く、かつ、電磁波吸収性能が優れ、電磁波反射の少ない性能が強く求められている。通常、電磁波抑制体を薄くすると、電磁波吸収性能は低下するため、シートをさらに薄くするには軟磁性金属粉末の含有量を高め磁気損失を高くし、かつ電磁波抑制体の実用的な柔軟性や強度を確保する必要がある。しかし、軟磁性金属粉末の透磁率や含有量を高めるには、高度な加工技術が必要であり、磁性材の形状や粒度分布設計など高度な粉体設計や加工が必要となるため高コストとなる問題がある。
ノイズ電磁波抑制体の性能の向上を図った発明として、複合磁性体と導電性シートを積層させた電磁波抑制体(例えば、特許文献1〜3及び8)やカルボニル鉄粉を樹脂中に分散させた電磁波抑制体(例えば、特許文献4)、樹脂中に導電性カーボンと軟磁性金属粉末とを分散させた電磁波抑制体(例えば、特許文献5、6及び7)が提案されている。
さらに、チップ部品等の電子部品の基板への表面実装技術は、リフローはんだ付けが基本プロセスとなっているが、一般的な複合磁性体は、耐熱性に乏しいため、リフローはんだ付け時のリフロー炉での加熱により、軟化して形状が保持できなかったり、局部的な粉化、ひび、割れ、発泡等の形態不良が生じやすく、リフローはんだ付け等の高温雰囲気で使用できない。従って、複合磁性体をリフローはんだ付け後に貼り付けなければならず、これがプロセス上の問題となっている。
耐熱性の向上や柔軟性の向上を図った発明が提案されている。
例えば、偏平状軟磁性粉末をポリウレタン樹脂中に分散させた電磁波抑制シートを半導体部品の上面に塔載し、該電磁波抑制シートを覆うように、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を塗布し固定した後、240℃のはんだリフロー炉を通過させて、熱硬化性樹脂を硬化させ、電磁波抑制シートを熱硬化性樹脂で封じ込めて固定する発明が提案されている(例えば、特許文献9)。特許文献9の発明によれば、リフロー工程後でも、電磁波抑制シートに変質や不具合が発生しなかったと記載されている。
また、軟磁性金属粉末をエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂のいずれかの熱硬化性樹脂シート中に埋設した電磁波抑制シートが提案されている(例えば、特許文献10)。
あるいは、1分子中に2個以上の、カルボキシル基及び/又はその酸無水物基を有する化合物、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物、及び軟磁性粉を含む電磁波吸収材料組成物が提案されている(例えば、特許文献11)。
あるいは、磁性粉末と、アクリルゴム/フェノール樹脂/エポキシ樹脂/硬化促進剤/メラミン構造を有する化合物を含む樹脂組成物を硬化してなるバインダー樹脂と、ホスフィン酸金属塩とを含有した磁性シートが提案されている(例えば、特許文献12)。
特開平10−075088号公報 特開2002−198686号公報 特開2010−135701号公報 特開2006−196747号公報 特開2007−288006号公報 特開2007−129179号公報 特開2008−244358号公報 特開2010−153542号公報 特開平11−307983号公報 特開2002−111276号公報 特開2005−252221号公報 特開2012−212790号公報
特許文献1、2、3、8に記載された方法では、導電層は電磁波の反射層としての機能しか有しておらず、分布定数回路における反射損失が大きい為、高周波の伝送信号が減衰する。
また、特許文献4に記載された方法では、GHz帯域の伝送減衰が充分とは言い難いものである。
また、特許文献5、6、7に記載された方法では、導電フィラーの充填量が多くなると電気抵抗が低下して反射が大きくなり低周波域、すなわち伝送信号域の伝送特性が低下する。
また、特許文献7は800MHz以上の周波数で損失が大きいので、伝送信号が800MHz以下の周波数領域の使用に限定される。
さらに、特許文献9〜12の発明は、リフローはんだ付けにおける形態不良の防止(耐リフロー性)が図られているものの、柔軟性を満足できるものではなかった。
そこで、本発明は、十分な柔軟性と耐リフロー性および150℃での長期耐熱信頼性試験後も柔軟性を有する、近傍電磁界における低域通過フィルタ特性に優れた電磁波抑制体を得ることを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、導電性フィラーを特定の架橋性官能基を有するアクリル共重合体とフェノール樹脂とを特定の比率で配合した樹脂組成物に分散した導電層と軟磁性金属粉末を前記樹脂組成物に分散した磁性層を積層することで、十分な柔軟性と耐リフロー性、および、150℃での長期耐熱信頼性試験後も柔軟性を有する、近傍電磁界における低域通過フィルタ特性に優れた難燃性の電磁波抑制体を効率的に製造できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の複合型電磁波抑制体は、(A)成分:架橋性官能基を有するアクリル共重合体と、(B)成分:フェノール樹脂とを含有する樹脂組成物中に、導電性フィラーが分散されている導電層と、(A)成分:架橋性官能基を有するアクリル共重合体と、(B)成分:フェノール樹脂とを含有する樹脂組成物中に、軟磁性金属粉末が分散されている磁性層とを積層したことを特徴とする。
前記(A)成分は、ガラス転移点温度が−30〜40℃の架橋性官能基を有するアクリル共重合体であることが好ましく、重量平均分子量が10万〜300万であることがさらに好ましい。架橋性官能基は、ポリマー側鎖中に有していても、ポリマー鎖末端に有していてもよく、架橋性官能基としては、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基等があげられるが、エポキシ基が好ましい。
前記成分(B)は、フェノール成分がp−t−ブチルフェノール、ビスフェノールA、クレゾールよりなる群から選択された1種又はそれ以上よりなる、p−t−ブチルフェノール型、ビスフェノールA型、クレゾール型、またはそれらの共縮合型のレゾール型フェノール樹脂が好ましく、ビスフェノールA型レゾール型フェノール樹脂がさらに好ましい。
また、前記導電層の電気抵抗値が30〜300Ωであり、磁性層の100MHzの複素比透磁率の実数項が3〜45であることが好ましい。
さらに、複合型電磁波抑制体の厚みが100μm以下のシートにおけるマイクロストリップライン測定によるRtpが0.1GHzにおいて0.2以下、1.0GHzにおいて0.5以下、5GHzにおいて0.8以上であることが好ましい。
本発明によれば、十分な柔軟性と耐リフロー性および150℃での長期耐熱信頼性試験後も柔軟性を有する、近傍電磁界における低域通過フィルタ特性に優れた電磁波干渉抑制体を得ることができる。
(複合型電磁波抑制体)
本発明の複合型電磁波抑制体は、樹脂組成物中に導電性フィラーが分散された導電層と樹脂組成物中に軟磁性金属粉末が分散された磁性層が積層されたものであり、例えば、シート状に成形されたものである。
本発明の複合型電磁波抑制体の厚さは300μm以下であることが好ましい。より好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは70〜150μmであり、更により好ましくは80〜120μmである。300μm超では高密度実装された電子回路への積層には厚すぎる。
本発明の複合型電磁波抑制体の導電層と磁性層との厚さの比は特に限定されないが、導電層を1として1:1〜1:5が好ましく、1:1〜1:4がより好ましい。
導電層の厚さは20〜100μmであることが好ましく,磁性層の厚さが50〜200μmであることが好ましい。
前記導電層の電気抵抗値は30〜300Ωであることが好ましい。電気抵抗値が30Ω未満である場合は、複合型電磁波抑制体の厚みが100μm以下のシートにおけるマイクロストリップライン測定によるRtpが0.1GHzにおいて0.2以上になりやすく、300Ω超では同Rtpが5GHzにおいて0.8以下になりやすい。
また、厚みが100μm以下の前記複合型電磁波抑制体のマイクロストリップライン測定によるRtpが0.1GHzにおいて0.2以下、1.0GHzにおいて0.5以下、5GHzにおいて0.8以上であることが、低周波領域の伝送信号は減衰せず、高周波領域の伝送ノイズは吸収する低域通過フィルターとしての性能を満たすために好ましい。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、(A)成分:架橋性官能基を有するアクリル共重合体と、(B)成分:フェノール樹脂とを含有するものである。
導電層中の樹脂組成物の含有量は、5〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、10〜50質量%がさらに好ましい。上記下限値未満であると、導電性フィラーのバインダーとしての機能が損なわれ、導電層の成形性が損なわれるおそれがあり、上記上限値超であると、複合型電磁波抑制体の電磁波制御性能が不十分になるおそれがある。
磁性層中の樹脂組成物の含有量は、2〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%がさらに好ましい。上記下限値未満であると、軟磁性金属粉末のバインダーとしての機能が損なわれ、磁性層の成形性が損なわれるおそれがあり、上記上限値超であると、複合型電磁波抑制体の電磁波制御性能が不十分になるおそれがある。
≪(A)成分:架橋性官能基を有するアクリル共重合体≫
(A)成分は、架橋性官能基を有するアクリル共重合体であり、架橋性官能基は、ポリマー側鎖中に有していても、ポリマー鎖末端に有していてもよい。架橋性官能基としては、エポキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基等が挙げられるが、エポキシ基が好ましく、エポキシ基を有するアクリル酸エステル(メタクリル酸エステルも含む、以下同様)とアクリル酸アルキルエステル(メタクリル酸エステルも含む、以下同様)を主成分とし、必要に応じてエチレン、アクリロニトリル、スチレン等を含む共重合体である。アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸メチル(メタクリル酸メチルも含む、以下同様)、アクリル酸エチル(メタクリル酸エチルも含む、以下同様)、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル(メタクリル酸ブチルも含む、以下同様)、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ラウリル、等の単量体および、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール等の水酸基を有する単量体があげられる。これらの中から、1種類または2種類以上を選択して使用できる。中でも、複合磁性体の柔軟性を考慮するとアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルが好ましい。エポキシ基を有するアクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。エポキシ基の含有量としては、エポキシ価で0.03〜0.5eq/kgが好ましく、0.05〜0.4eq/kgがより好ましく、0.07〜0.3eq/kgがさらに好ましい。エポキシ価が、下限値未満であると、耐リフロー性の向上が図りにくく、上記上限値超であると、柔軟性が低下する傾向にある。
(A)成分は、1種類単独で用いても、2種類以上を併用しても良い。
架橋性官能基を有するアクリル共重合体としては、高圧ラジカル重合により合成されたもの、乳化重合により合成されたもの等が例示されるが、副生成物の発生が少なく、乳化剤等の添加の必要のない高圧ラジカル重合により合成されたものが好ましい。高圧ラジカル重合の方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
架橋性官能基を有するアクリル共重合体のガラス転移点温度は−30〜40℃であることが好ましく、−25〜30℃がより好ましく、−20〜20℃がさらに好ましい。ガラス転移点温度が下限値未満であると、耐リフロー性の向上が図りにくく、上記上限値超であると、柔軟性が低下したり、半硬化状シート物同士を積層しにくくなることにより、複合磁性体の製造作業性が低下したりするおそれがある。
ガラス転移点温度は、JIS K7121に準拠して、示差熱分析装置(セイコーインスツル株式会社製)を用いて測定される値である。
架橋性官能基を有するアクリル共重合体の重量平均分子量は10万〜300万であることが好ましく、30万〜200万がより好ましく、50万〜150万がさらに好ましい。重量平均分子量が上記範囲内であると、複合磁性体の熱安定性が良好になり、耐リフロー性がより高まる。加えて、重量平均分子量が上記範囲内であると、溶剤溶解性の向上、溶融粘度の低下により、磁性体塗料の加工性、接着性が良好となる。重量平均分子量が上記下限値未満であると、樹脂組成物の耐熱性が低下し、耐リフロー性が低下するおそれがある。また、半硬化状シート物における溶融粘度が低下し、後述する製膜工程で磁性体塗料の流れ出しが多くなり、加工性を低下させるおそれがある。重量平均分子量が上記上限値超であると、後述する塗料調製工程で、溶剤への溶解性が低下したり、後述する製膜工程で、磁性体塗料の流動性が低下し、製膜が困難になったり、半硬化状シート物同士を積層しにくくなったりして、複合磁性体の製造効率が低下するおそれがある。
重量平均分子量は、JIS K7252に準拠して、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(日本分光株式会社製)を用いて測定される値である。
≪(B)成分:フェノール樹脂≫
(B)成分は、フェノ−ル樹脂である。(B)成分としては、公知のものが使用できるが、半硬化状シート物を重ねて、熱プレスを施して積層する場合の温度、半硬化状シート物を硬化状態にする場合の温度を低温化でき、また、半硬化状シート物間の充分な接着力を得られることから、レゾール型フェノール樹脂であることが好ましい。レゾール型フェノール樹脂としては、フェノール成分がp−t−ブチルフェノール、ビスフェノールA、クレゾールよりなる群から選択された1種又はそれ以上よりなる、p−t−ブチルフェノール型、ビスフェノールA型、クレゾール型、またはそれらの共縮合型レゾールフェノール樹脂が挙げられる。
(B)成分としては、最も汎用で、低価格であることから、ビスフェノールA型レゾールフェノール樹脂が好ましい。
樹脂組成物中の(A)成分/(B)成分で表される質量比が4〜99であることが好ましく、4〜19であることがより好ましく、4〜9であることがさらに好ましい。質量比が、上記下限値未満であると、150℃超耐熱信頼性試験後のシート物の柔軟性が損なわれやすくなり、上記上限値超であると、耐リフロー性が不十分となりやすくなる。
樹脂組成物中の必須成分である(A)成分と(B)成分の合計量は、多ければ多いほど、本発明の効果を高められ、90質量%以上が好ましく、95質量%以上が好ましく、100質量%がさらに好ましい。
≪樹脂組成物中の任意成分≫
樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、(A)および(B)成分以外の樹脂(任意樹脂)、架橋性官能基を有するアクリル共重合体の硬化促進剤等の任意成分(以下、総じて樹脂組成物の任意成分という)を含有してもよい。
任意樹脂としては、例えば、(A)成分以外の天然ゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。これらの任意樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。樹脂組成物中の任意樹脂の含有量は、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、実質的に含まれない(1質量%以下)ことがさらに好ましい。
硬化促進剤としては、アクリル共重合体が有する架橋性官能基の架橋反応を促進できるものであればよく、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物中の硬化促進剤の含有量は、架橋性官能基を有するアクリル共重合体100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましい。
<軟磁性金属粉末>
磁性層に用いる軟磁性金属粉末としては、例えば、純鉄粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末、Fe−Ni−Mo系合金粉末、Fe−Ni−Mo−Cu系合金粉末、Fe−Co系合金粉末、Fe−Ni−Co系合金粉末、Fe−Cr系合金粉末、Fe−Cr−Si系合金粉末、Fe−Ni−Cr系合金粉末、あるいはFe−Cr−Al系合金粉末等が挙げられ、中でも、それ自体の保磁力が低い、PCパーマロイ粉末等のFe−Cr系合金粉末、Fe−Si系合金粉末、Fe−Si−Al系合金粉末、Fe−Co系合金粉末、Fe−Ni系合金粉末が好ましい。軟磁性金属粉末は、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、粉砕法又は化学処理を用いた湿式法により得られる。
軟磁性金属粉末としては、前記アトマイズ粉末をアトライタ又はビーズミルにより処理したものが好ましい。このような処理を施すことで、軟磁性金属粉末を所望する平均粒径又は扁平度とすることができる。
軟磁性金属粉末の平均粒径は、30〜200μmが好ましい。平均粒径が上記下限値未満であると磁気特性が低位となりやすく、平均粒径が上記上限値超であると所望する形状を維持しにくくなる。
平均粒径は、レーザー回析・散乱式粒子径・粒度分布測定装置により求められる値である。
軟磁性金属粉末の扁平度は、30〜200が好ましい。扁平度が上記下限値未満であると、磁気特性が低位となりやすく、扁平度が上記上限値超であると所望する形状を維持しにくくなる。
ここで、「扁平度」の値は、L/dで表されるものである。Lは軟磁性金属粉末の平均径であり、軟磁性金属粉末を面方向からSEM観察し、長軸Lと短軸Sとを測定し、その平均値(L+S)/2で求められるものである。dは、軟磁性金属粉末の厚さであり、軟磁性金属粉末を樹脂に埋め込んで研磨し、粉末の厚さ方向を光学顕微鏡で観察して最大厚さdmaxと最小厚さdminとを測定して、その平均値(dmax+dmin)/2で求められるものである。
軟磁性金属粉末は、必要に応じてチタネート系、シラン系等のカップリング処理剤で表面処理を行ってもよい。カップリング処理剤の処理量は、軟磁性金属粉末に対し、0.1〜1.0質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%がさらに好ましい。カップリング剤の処理量が上記下限値未満では、樹脂に対する親和性を十分に高めることができないので酸化安定性を十分に維持できず、上記上限値超では、インピーダンスが高くなり電磁波吸収量が低下する。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、エラストマーのカップリング剤として好適なビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等が挙げられる。
軟磁性金属粉末は、リン酸系化合物による表面処理を行ってもよく、さらに、シランカップリング材で表面処理を行うことが好ましい。リン酸系化合物の処理量は、軟磁性金属粉末に対して、リン酸基準で0.1〜0.5質量%が好ましく、0.1〜0.4質量%がより好ましい。リン酸量が上記下限値未満であると、酸化安定性が低下する場合があり、上記上限値超であると、透磁率が小さくなり抑制効果が低下する。
磁性層中の軟磁性金属粉末の含有量は、樹脂組成物の含有量を勘案して決定でき、軟磁性金属粉末/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比は、1〜49が好ましく、1.5〜19がより好ましく、4〜19がさらに好ましい。軟磁性金属粉末/[(A)成分+(B)成分]が上記下限値未満であると、電磁波抑制特性が低下するおそれがあり、軟磁性金属粉末/[(A)成分+(B)成分]が上記上限値超であると、樹脂組成物による軟磁性金属粉末の密着性が不十分になるおそれがある。
磁性層の100MHzの複素比透磁率は、実数項が3〜45であることが好ましく、4〜44より好ましく、8〜42がさらに好ましい。磁性層の複素比透磁率の実数項が上記下限値未満であると、反射損失が大きくなるので伝送信号が減衰し、上記上限値超であると、回路インピーダンスが大きくなるので反射損失が大きくなる。
<導電性フィラー>
導電層に用いる導電性フィラーとしては、導電カーボンを挙げることができる。該導電カーボンとしては、導電性カーボンブラック、炭素繊維を加工した繊維状カーボン、カーボンナノチューブが好ましい。導電性カーボンブラックには粒径20〜60nm、BET比表面積30〜1300m/gのものが好ましく、粒径30〜40nm、BET比表面積700〜1300m/gの中空シェル構造を持つ高導電性カーボンブラックがより好ましい。炭素繊維を加工した繊維状カーボンには繊維長30〜150μmのミルドファイバー、あるいは繊維長3〜24mmのカットファイバーが好ましい。カーボンナノチューブには繊維径40〜90μm、比表面積16〜28m/g、純度99%以上のものが好ましく、繊維径40〜160μm、BET比表面積16〜34m/g、純度99.5%以上がより好ましい。
導電層中の導電性フィラーの含有量は、樹脂組成物の含有量を勘案して決定でき、導電性フィラー/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比は、0.07〜1.20が好ましく、0.12〜1.00がより好ましく、0.15〜0.90がさらに好ましい。含有量が上記下限値未満であると、Rtpが低く、含有量が上記上限値超であると、電気抵抗値が30Ωより低くなり、挿入損失が大きくなり低域通過性が悪化する。また、シートの強度や柔軟性も低下するおそれがある。
<磁性層及び導電層中の任意成分>
磁性層および導電層は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、充填剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等の任意成分(以下、総じて、複合型電磁波抑制体の任意成分という)を含有してもよい。
導電層は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、導電性フィラーの分散助剤としてマグネタイトを含有しても良い。
難燃剤としては、従来公知の難燃剤が挙げられ、ハロゲンフリーと、耐リフロー性のさらなる向上との観点から、平均粒径0.1〜3μmの水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムが挙げられる。
磁性層中および導電層中の難燃剤の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して40〜150質量部が好ましい。上記下限値未満であると、十分な難燃性が得られないおそれがあり、上記上限値超であると樹脂組成物のバインダー能力が不十分となる場合がある。
難燃助剤としては、従来公知の難燃助剤が挙げられ、ハロゲンフリーの観点から、例えば、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン及びリン酸エステルから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
磁性層中および導電層中の難燃助剤の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して1〜10質量部が好ましい。上記下限値未満であると、十分な難燃性が得られないおそれがあり、上記上限値超であると耐熱性が低下するおそれがある。
前記難燃剤/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が0.4〜1.5であり、前記難燃助剤/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が0.01〜0.1であることが複合型電磁波抑制体に難燃性を付与する質量比として好ましい。
(製造方法)
本発明の複合型電磁波抑制体の製造方法は、(1)例えば、(A)成分及び(B)成分と軟磁性金属粉末とが溶剤に分散された磁性体塗料を得る工程(磁性体塗料調製工程)、及び、磁性体塗料を所望の厚さに塗布、乾燥して半硬化状磁性体シート物を得る工程(磁性体製膜工程)と、(2)例えば、(A)及び(B)成分と導電性フィラーとが溶剤に分散された導電体塗料を得る工程(導電体塗料調製工程)、及び、導電体塗料を所望の厚さに塗布、乾燥して半硬化状導電体シート物を得る工程(導電体製膜工程)と、(3)半硬化状磁性体シート物と半硬化状導電体シート物の積層体を得る工程(積層工程)と、(4)積層体を加熱して硬化させる工程(硬化工程)とを有するものが挙げられる。
磁性体塗料の調製方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、溶剤に(A)成分及び(B)成分と、必要に応じて前記≪樹脂組成物中の任意成分≫とを添加し、攪拌して樹脂溶液とし、この樹脂溶液に軟磁性金属粉末と必要に応じて前記<磁性層及び導電層中の任意成分>とを添加し、攪拌する方法が挙げられる。また、例えば、(A)成分及び(B)成分と、必要に応じて≪樹脂組成物中の任意成分≫、<磁性層及び導電層中の任意成分>とを溶剤に添加し、攪拌し、次いで、軟磁性金属粉末を添加し、攪拌する方法が挙げられる。
導電体塗料の調製方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、溶剤に(A)成分及び(B)成分と、必要に応じて前記≪樹脂組成物中の任意成分≫とを添加し、攪拌して樹脂溶液とし、この樹脂溶液に導電性フィラーと必要に応じて前記<磁性層及び導電層中の任意成分>とを添加し、攪拌する方法が挙げられる。また、例えば、(A)成分及び(B)成分と、必要に応じて≪樹脂組成物中の任意成分≫、<磁性層及び導電層中の任意成分>とを溶剤に添加し、攪拌し、次いで、導電性フィラーを添加し、攪拌する方法が挙げられる。
塗料調製工程に用いられる溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ溶剤、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル溶剤、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶剤が挙げられる。
磁性体塗料中、及び、導電体塗料中の溶剤の含有量は、それぞれの塗料に求める粘度等を勘案して、適宜決定される。
製膜工程は、従来公知の製膜方法を用いることができ、例えば、剥離性フィルムに、磁性体塗料、または、導電体塗料を任意の厚さで塗布し、これを乾燥するものが挙げられる。
塗布方法としては、バーコーター、コンマコーター、ダイコーター等を用いた方法が挙げられる。
半硬化状磁性体シート物および半硬化状導電体シート物の厚さは、特に限定されないが、例えば、50〜500μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。
剥離性フィルムとしては、ポリプロピレンフィルム、フッ素樹脂系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、紙及びこれらにシリコーン樹脂で剥離処理を施したもの(剥離処理フィルム)等が挙げられる。
剥離性フィルムの厚さは、特に限定されないが、1〜200μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
剥離性フィルムは、ピール強度が0.01〜7.0g/cmが好ましい。上記下限値以上であれば、半硬化状磁性体シート物および半硬化状導電体シート物と剥離性フィルムとが容易に剥離せず、半硬化状磁性体シート物および半硬化状導電体シート物の取扱いが容易であり、上記上限値未満であれば、半硬化状磁性体シート物および半硬化状導電体シート物を剥離性フィルムから剥離する際に、欠損等を生ぜず、製造効率が高まる。
乾燥方法は、剥離性フィルムに塗布された磁性体塗料中の溶剤、たまは、剥離性フィルムに塗布された導電体塗料中の溶剤を蒸発させ、樹脂組成物を半硬化状態にするものであれば特に限定されず、例えば、剥離性フィルムに塗布された磁性体塗料、または、導電体塗料を任意の温度で加熱する方法が挙げられる。
製膜工程における加熱温度は、(A)成分、(B)成分や溶剤の種類等を勘案して決定できる。
半硬化状磁性体シート物および半硬化状導電体シート物は、乾燥後、直ちに硬化工程に供されてもよいし、仕掛品として保管されてもよい。
積層工程は、半硬化状磁性体シート物と半硬化状導電体シート物を圧力または/及び温度を使用しての磁性体と導電体の積層物を得る工程である。
積層方法は、従来、公知の積層方法を用いることができ、例えば、任意の温度で加熱する方法、任意の圧力でプレスする方法、任意の圧力でプレスしながら任意の温度で加熱する方法が挙げられる。
硬化工程は、磁性体と導電体の積層物を加熱し、樹脂組成物を硬化させ、複合電磁波抑制体を得る工程である。
硬化方法は、従来、公知の硬化方法を用いることができ、例えば、任意の温度で加熱する方法、任意の圧力でプレスしながら任意の温度で加熱する方法が挙げられる。
硬化工程における加熱温度は、(A)成分及び(B)成分の種類等を勘案して決定できる。
硬化工程でプレスする場合、その圧力は、特に限定されないが、例えば、5〜30MPaとされる。
必要に応じて、複合電磁波抑制体には、片面又は両面に耐熱粘着層が設けられていてもよい。耐熱粘着層が設けられていることで、複合電磁波抑制体を貼付対象に容易に固定できる。
耐熱粘着層を構成する粘着剤としては、従来公知のものが挙げられ、例えば、メチルフェニル系シリコーン粘着剤、付加反応型シリコーン粘着剤、過酸化物硫化型シリコーン粘着剤等が挙げられる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
[磁性層]
Fe−Si−Al合金の溶湯をガスアトマイズして、平均粒径が100μmの球状粉末を得た。これをアトライターに入れて攪拌することにより、平均粒径50μm、厚さ1μm、扁平度50の軟磁性金属粉末を得た。
(A)成分:エポキシ価0.21eq/kg、ガラス転移点温度12℃、重量平均分子量85万のエポキシ基を有するアクリル共重合体(商品名:「テイサンレジンSG−P3(固形分15%)」、ナガセケムテックス社製)8質量部、(B)成分:ビスフェノールA型共縮合レゾールフェノール樹脂(商品名:「CKM−908」:昭和電工社製)2質量部、難燃剤:水酸化アルミニウム10質量部、難燃助剤:赤リン0.6質量部をメチルエチルケトン103質量部に加え攪拌し、さらに、上記軟磁性金属粉末80質量部を加え、攪拌して、磁性体塗料を得た。
得られた磁性体塗料を、乾燥後の厚さが100μmになるように剥離処理フィルム(PET製)の剥離処理面に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて150℃で2分間加熱し、半硬化状磁性体シート物を得た。
[導電層]
(A)成分:エポキシ価0.21eq/kg、ガラス転移点温度12℃、重量平均分子量85万のエポキシ基を有するアクリル共重合体(商品名:「テイサンレジンSG−P3(固形分15%)」、ナガセケムテックス社製)8質量部、(B)成分:ビスフェノールA型共縮合レゾールフェノール樹脂(商品名:「CKM−908」:昭和電工社製)2質量部、難燃剤:水酸化アルミニウム10質量部、難燃助剤:赤リン0.6質量部をメチルエチルケトン188質量部に加え攪拌し、さらに、粒状マグネタイト(商品名:「MAT305」戸田工業社製)94.6質量部、繊維状導電カーボン(商品名:「グラノックミドルファイバーHC−600−15M」日本グラファイトファイバー社製)10.4質量部を加え、攪拌して、導電体塗料を得た。
得られた導電体塗料を、乾燥後の厚さが30μmになるように剥離処理フィルム(PET製)の剥離処理面に塗布し、熱風循環型乾燥機中にて150℃で2分間加熱し、半硬化状導電体シート物を得た。
得られた半硬化状磁性体シート物と半硬化状導電体シート物を重ね合わせ、熱圧プレス機にて100℃、1分間、4MPaでプレスして、厚さ99μmの積層体を得た。さらに、熱風循環型乾燥機中にて160℃で10時間加熱硬化させ、複合型電磁波抑制体を得た。
(実施例2)
磁性層の軟磁性金属粉末として、平均粒径30μm、厚さ1μm、扁平度30の軟磁性金属粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μmの複合型電磁波抑制体を得た。
(実施例3)
磁性層の軟磁性金属粉末として、平均粒径50μm、厚さ2μm、扁平度25の軟磁性金属粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例4)
磁性層の軟磁性金属粉末として、平均粒径49μm、厚さ1μm、扁平度30のFe−Si合金の軟磁性金属粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ98μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例5)
磁性層の軟磁性金属粉末として、平均粒径52μm、厚さが1μm、扁平度52のFe−Ni合金の軟磁性金属粉末を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚さ98μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例6)
磁性層における軟磁性金属粉末を180質量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例7)
磁性層および導電層における(A)成分をエポキシ価0.07eq/kg、ガラス転移点温度−14℃、重量平均分子量70万のエポキシ基を有するアクリル共重合体とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ103μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例8)
磁性層および導電層における(A)成分をエポキシ価0.21eq/kg、ガラス転移点温度12℃、重量平均分子量120万のエポキシ基を有するアクリル共重合体(商品名:「テイサンレジン(固形分15%)」とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例9)
磁性層および導電層における(B)成分をp−t−ブチルフェノール型レゾールフェノール樹脂(CKM−1282:昭和高分子社製)とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ101μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例10)
磁性層における(A)成分を9質量部、(B)成分を1質量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ99μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例11)
磁性層および導電層における(A)成分を9.9質量部、(B)成分を0.1質量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ99μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例12)
導電層における粒状マグネタイトを94.5質量部、繊維状導電カーボンを6.1質量部、メチルエチルケトンを181質量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例13)
導電層における繊維状導電カーボンに換えて、繊維状導電カーボン5.2質量部、導電性カーボン粉末(商品名:「ケッチェンブラックEC」ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)5.2質量部とした以外は、実施例2と同様にして、厚さ98μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例14)
導電層における粒状マグネタイトを94.5質量部、繊維状導電カーボンに換えてカーボンナノチューブ(商品名:「NT−7」保土谷化学工業社製)2.9質量部、メチルエチルケトンを175質量部とした以外は、実施例3と同様にして、厚さ100μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例15)
導電層における粒状マグネタイトを0質量部、繊維状導電カーボンを7.8質量部、メチルエチルケトンを42.6質量部とした以外は、実施例4と同様にして、厚さ101μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(実施例16)
導電層における粒状マグネタイトを0質量部、繊維状導電カーボンに換えて導電性カーボン粉末7.8質量部、メチルエチルケトンを42.6質量部とした以外は、実施例5と同様にして、厚さ101μmの複合型電磁波抑制体をえた。
(比較例1)
磁性層および導電層における(A)成分及び(B)成分に換えて、塩素化ポリエチレン(塩素化PE)を用いた以外は、実施例1と同様にして、厚さ100μmの複合型電磁波抑制体を得た。
(比較例2)
磁性層および導電層における(A)成分を10質量部、(B)成分を0質量部とした以外は、実施例4と同様にして、厚さ99μmの複合型電磁波抑制体を得た。
(比較例3)
実施例5と同様の組成で厚さ140μmの半硬化状磁性体シート物を得た。その後、熱圧プレス機にて100℃、1分間、4MPaでプレスして、さらに、熱風循環型乾燥機中にて160℃で10時間加熱硬化させ、厚さ101μmの磁性体シートを得た。
(比較例4)
実施例1と同様の組成で厚さ33μmの半硬化状導電体シート物を得た。その後、該半硬化状導電体シート物を3枚重ね合わせ、熱圧プレス機にて100℃、1分間、4MPaでプレスして、さらに、熱風循環型乾燥機中にて160℃で10時間加熱硬化させ、厚さ98μmの導電体シートを得た。
(比較例5)
磁性層および導電層における(A)成分を16質量部、(B)成分を4質量部、水酸化アルミニウムを0質量部、赤リンを0質量部とした以外は、実施例1と同様にして、厚さ99μmの複合型電磁波抑制体を得た。
前記で得られた実施例1〜16及び比較例1、2、4及び5の複合型電磁波抑制体について、100MHzにおける複素比透磁率μ’、電気抵抗値、低域通過フィルタ特性、耐リフロー性、150℃長期耐熱信頼性について評価し、複合型電磁波抑制体の組成と共に評価結果を表1〜表4に示した。
また、比較例3で得られた磁性体シートについては、100MHzにおける複素比透磁率μ’、低域通過フィルタ特性、耐リフロー性、150℃長期耐熱信頼性について評価し、磁性体シートの組成と共に評価結果を表4に示した。
また、比較例6で得られた導電体シートについては、電気抵抗値、低域通過フィルタ特性、耐リフロー性、150℃長期耐熱信頼性について評価し、導電体シートの組成と共に評価結果を表4に示した。
(評価方法)
<複素比透磁率>
実施例1〜16及び比較例1〜4の複合型電磁波抑制体および比較例5で得られた磁性体シートを磁性層を外径7mm、内径3mmのリング状に打ち抜き、これを重ね成形圧力0.1MPa×金型温度85℃×成形時間1分間の条件で成形し、外径7mm、内径3mm、厚み3.0mmの円筒ドーナツ状の透磁率測定用成形体(同軸管試験用成形物)を作製した。
作製した成形体について、アジレントテクノロジー社製の「ネットワークアナライザーN5230C」を用い、周波数100MHzでの複素透磁率測定用成形体の複素透磁率の実数部μ’を測定した。実数項3以上のものを合格「○」とし、実数項3未満のものを不合格「×」と評価した。
<電気抵抗値>
実施例1〜16及び比較例1〜4の複合型電磁波抑制体における導電層および比較例6で得られた導電体シートの電気抵抗値は、JIS K 7194法に準拠して、三菱化学アナリテック株式会社製、表面抵抗計LorestaAX MCP−T370の四探針プローブをシート中央部に圧着して測定し、50〜500Ωのものを合格「○」とし、50Ω未満及び500Ω超のものを不合格「×」と評価した。
<伝送減衰率(Rtp)>
実施例1〜16及び比較例1〜4の複合型電磁波抑制体、比較例5で得られた磁性体シート及び比較例6で得られた導電体シートを幅40mm、長さ50mmの試験片とした。この試験片について、IEC-62333の規定に基づき、長さ75mm、幅2.3mm、厚さ35μm、インピーダンス50Ωに調整したマイクロストリップラインを施工した基板を使用して、アジレントテクノロジー社製、ネットワークアナライザーN5230Cを用い、試験片上に該試験片と同一サイズの発泡倍率20から30倍の発泡ポリスチレンの厚さ10mmの板を重ね、その上に500gの荷重を載せた状態で周波数10MHzから10GHzのRtpを測定し、0.1GHzにおいて0.2以下、1.0GHzにおいて0.5以下、5GHzにおいて0.8以上のものを合格「○」とし、0.1GHzにおいて0.2超、1.0GHzにおいて0.5超、5GHzにおいて0.8未満のものを不合格「×」と評価した。
<耐リフロー性>
実施例1〜16及び比較例1〜4の複合型電磁波抑制体、比較例5で得られた磁性体シート及び比較例6で得られた導電体シートを50mm長×50mm幅の試験片とした。この試験片について、JIS C−5012「プリント配線板試験方法」10.4.1「はんだフロート法」に準拠し、はんだリフロー試験(260℃で10秒間×2回)を施した。はんだリフロー試験後の試験片を肉眼で観察し、下記評価基準に従って評価し、「◎」及び「○」を合格とし、「△」及び「×」を不合格とした。
[評価基準]
◎:リフロー試験後に、外観に全く変化が認められない。
○:リフロー試験後に、外観に殆ど変化が認められない。
△:リフロー試験後に、歪みが認められるものの、膨れ、粉化、ひび及び割れは認められない。
×:リフロー試験後に、膨れ、粉化、ひび又は割れが認められる。
<150℃長期耐熱信頼性>
≪寸法安定性≫
実施例1〜16及び比較例1〜4の複合型電磁波抑制体、比較例5で得られた磁性体シート及び比較例6で得られた導電体シートを100mm長×100mm幅の試験片とした。この試験片について、150℃長期耐熱信頼性試験(150℃で2,000時間)を施した。150℃長期耐熱信頼性試験前後の試験片について、マイクロメーターを使用して、厚さ変化を測定し、下記評価基準に従って評価し、「◎」及び「○」を合格とし、「△」及び「×」を不合格とした。
[評価基準]
◎:厚さ変化が5%以内。
○:厚さ変化が6〜10%。
△:厚さ変化が11〜15%。
×:厚さ変化が15%超。
≪柔軟性≫
実施例1〜16及び比較例1〜4の複合型電磁波抑制体、比較例5で得られた磁性体シート及び比較例6で得られた導電体シートを50mm長×50mm幅の試験片とした。この試験片について、150℃長期耐熱信頼性試験(150℃で2,000時間)を施した。150℃長期耐熱信頼性試験前後の試験片について、株式会社東洋精機製作所製、MIT耐揉疲労試験機、型番:DA、試験条件を屈曲速度175回/分、屈曲角度135°、荷重4.9Nとして、屈曲させた。屈曲後の試験片を肉眼で観察し、下記評価基準に従って評価し、「◎」及び「○」を合格とし、「△」及び「×」を不合格とした。
[評価基準]
◎:屈曲部に白化、ひび及び割れが全く認められない。
○:屈曲部にひび及び割れは認められないが、白化が認められる。
△:屈曲部にひび又は割れが認められる。
×:屈曲部で切断された。
<難燃性の測定>
難燃性は、難燃規格UL94Vの垂直燃焼試験によりシートの自己消火性である難燃特性を評価した。測定方法はUL94Vに準拠した。具体的には、幅12.5mm、長さ100mmの試験片を用意し、垂直に支持した試験片の下端にバーナー炎を10秒間あてた後、炎を離す。炎を離した後の消火時間を測定し、UL94Vに準拠して判定した。V0相当を合格「○」とし、V0相当以下を「×」と評価した。
Figure 2016111172
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表1、2、3に示すように、本発明を適用した実施例1〜16は、いずれも磁性層の複素比透磁率、導電層の電気抵抗地、複合型電磁波抑制体のRtpが「○」であり、近傍電磁界における低域通過フィルタ特性に優れたものであった。加えて、実施例1〜16は、150℃耐熱信頼性試験後柔軟性が「◎」であり、長期の使用においても品質劣化が生じにくいものであった。さらに、実施例1〜16は、耐リフロー性が「◎」であり、難燃性が「○」であった。
樹脂組成物を塩素化ポリエチレンとした比較例1と(B)成分を用いなかった比較例2は、耐リフロー性が「×」であり、はんだリフロー後には、変形が著しかった。
導電層を使用しなかった比較例3は、5GHzでの損失が小さく、また、磁性層を使用しなかった比較例4は、0.1GHz及び1GHzでの損失が大きく伝送信号が減衰するため、低域通過フィルターとしての性能を満たしていなかった。
難燃剤および難燃助剤を使用しなかった比較例5は、難燃性が「×」であり、性能を満たしていなかった。
これらの結果から、本発明を適用することで、十分な柔軟性を有すると共に、リフローはんだ付けにおいて形態不良を生じず、近傍電磁界における低域通過フィルター特性に優れた難燃性の複合型電磁波抑制体を得られることが判った。

Claims (14)

  1. (A)成分:架橋性官能基を有するアクリル共重合体と、(B)成分:フェノール樹脂とを含有する樹脂組成物中に、導電性フィラーが分散されている導電層と、(A)成分:架橋性官能基を有するアクリル共重合体と、(B)成分:フェノール樹脂とを含有する樹脂組成物中に、軟磁性金属粉末が分散されている磁性層とを積層したことを特徴とする複合型電磁波抑制体。
  2. 前記導電層の電気抵抗値が30〜300Ωであることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  3. 前記磁性層の100MHzの複素比透磁率の実数項が3〜45であることを特徴とする請求項1記載の複合型電磁波抑制体。
  4. 前記導電性フィラーが導電カーボンであり、導電性フィラー/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が、0.07〜1.20であることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  5. 前記軟磁性金属粉末が、軟磁性の金属または合金からなるアトマイズ粉末を扁平にした平均粒径30〜200μm、扁平度30〜200のフレーク状粉末であり、軟磁性金属粉末/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が、1〜49であることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  6. 前記導電層または磁性層における(A)成分の架橋性官能基がエポキシ基であることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  7. 前記導電層または磁性層における(A)成分が、ガラス転移点温度が−30〜40℃のアクリル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  8. 前記導電層または磁性層における(A)成分が、重量平均分子量が10万〜300万のアクリル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  9. 前記導電層または磁性層における(B)成分が、レゾール型のフェノ−ル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  10. 前記導電層または磁性層における(A)成分/(B)成分で表される質量比が、4〜99であることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  11. 前記導電層または磁性層に、平均粒径0.1〜3μmの水酸化アルミニウム又は/及び水酸化マグネシウムからなる難燃剤と、赤リン、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン、リン酸エステルから選ばれる少なくとも1種からなる難燃助剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  12. 前記難燃剤/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が、0.4〜1.5であり、前記難燃助剤/[(A)成分+(B)成分]で表される質量比が、0.01〜0.1であることを特徴とする請求項11に記載の複合型電磁波抑制体。
  13. 複合型電磁波抑制体の片面ないし両面に耐熱粘着層を積層したことを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
  14. 厚みが100μm以下の前記複合型電磁波抑制体のマイクロストリップライン測定によるRtpが0.1GHzにおいて0.2以下、1.0GHzにおいて0.5以下、5GHzにおいて0.8以上であることを特徴とする請求項1に記載の複合型電磁波抑制体。
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