JP2016108969A - 圧縮機におけるアフタクーラドレンの回収部 - Google Patents

圧縮機におけるアフタクーラドレンの回収部 Download PDF

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Abstract

【課題】ドレンタンクを防音箱内に配置した構成を採用しつつ,ドレン配管内にドレンが溜まらないようにする。【解決手段】圧縮機1の構成機器を収容する防音箱10を,該防音箱10の底部を成すフレーム20と,前記フレーム20上を覆うボンネット30により形成し,アフタクーラ40による冷却によって圧縮気体中に生じたドレンを捕集するドレンセパレータ41を,ボンネット30で覆われたフレーム20上の空間(作業機室10a)に配置する。一方,前記ドレンセパレータ41で捕集されたドレンを回収するドレンタンク50を,少なくともその底部が前記フレーム20内に収容されるように防音箱10内に配置して,ドレンセパレータ41のドレン排出口41aに対し,前記ドレン排出口41aとドレン配管42を介して連通されるドレンタンク50の入口51を低位置に配置する。【選択図】図3

Description

本発明は圧縮機におけるアフタクーラドレンの回収部に関し,より詳細には,圧縮機本体が生成した圧縮気体を乾燥させて消費側に供給するために,圧縮気体を冷却するアフタクーラと,前記アフタクーラによる冷却で凝集した水蒸気をドレンとして捕集するドレンセパレータを備えた圧縮機において,前記ドレンセパレータが捕集したドレンを回収する回収部の構成構造に関する。
空気などの被圧縮気体を圧縮して圧縮気体を生成する圧縮機は,空気作業機等に対する圧縮気体の供給源として種々の場面で使用されている。
このような圧縮機の一例として,油冷式のスクリュ圧縮機を例に挙げて説明すると,この油冷式のスクリュ圧縮機では,圧縮機本体の圧縮作用空間を潤滑,密封及び冷却するための冷却油を圧縮作用空間内に導入する構成を採用しており,圧縮機本体は,冷却油との気液混合流体として圧縮気体を吐出する。
そのため,圧縮機本体が冷却油と共に吐出した圧縮気体は,セパレータレシーバタンクに導入され,このセパレータレシーバタンク内で冷却油の一次分離が行われた後,更にオイルセパレータによって圧縮気体中に含まれる油分が二次分離され,その後,消費側に供給される。
このような圧縮機において,消費側に乾燥した圧縮気体を供給することが要求される場合,オイルセパレータを通過した後の圧縮気体を,更にアフタクーラに導入して冷却することで,圧縮気体中に含まれる水蒸気を凝縮させ,凝集させた水蒸気をドレンセパレータでドレンとして分離し捕集することにより,水分が除去されて乾燥した圧縮気体を消費側に供給することができるようにしている。
このドレンセパレータの下部には,ホース等によって構成されたドレン配管が接続されており,このドレン配管を機外に延長することで,ドレンセパレータで捕集したドレンを,圧縮気体の圧力によって機外に排出する構成が一般的に採用されている。
しかし,ドレンセパレータで捕集されたドレンには,オイルセパレータで取り切れなかった冷却油等も混入するため,ドレン配管を介してドレンを直接,機外に排出して地面等に吸収させると,ドレンに含まれる冷却油等によって圧縮機の設置場所周辺が汚染されるという問題がある。
このようなアフタクーラドレンの排出に伴う汚染を防止するために,ドレン配管を介して機外に排出されたドレンを貯溜タンク内に回収することで,アフタクーラドレンの排出に伴う汚染を防止できるようにした圧縮機も提案されている(特許文献1の図1,[0020]欄他参照)。
特開2004−19443号公報
前掲の特許文献1として紹介した圧縮機では,ドレン配管によって機外に排出したアフタクーラドレンを貯溜タンク内に回収する構成を採用しているため,貯溜タンク内に回収されたドレンが適切に廃棄されることで圧縮機の周辺環境が汚染されることを防止できる。
しかし,前掲の特許文献1に記載の構成では,貯溜タンクを機外に配置する構成を採用しているために,圧縮機の設置には,圧縮機自体の設置スペースを確保する他,貯溜タンクの設置スペースについても確保する必要があり,また,保管,運搬に際しても貯溜タンク分のスペースが必要となる。
このように,ドレンを回収するための貯溜タンクを機外に配置することに伴い生じる問題を解消するために,貯溜タンクを防音箱内に収容することも考えられるが,貯溜タンクを防音箱内に収容しようとした場合,防音箱内に貯溜タンクを収容するための空間を新たに確保する必要があり,防音箱が大型化する結果,圧縮機全体も大型化する。
また,貯溜タンクを単純に防音箱内に配置する構成に変更した場合,ドレンセパレータのドレン排出口を,貯溜タンクの上端位置よりも高所に配置する構成を採用することが難しく,ドレン配管を,ドレンセパレータのドレン排出口からドレンタンクに向かって上向きに配置することとなるために,ドレン配管内にドレンが溜まって凍結するおそれがある。
すなわち,図6に示すように,圧縮機100の構成機器を防音箱内110に収容した所謂「パッケージ型」の圧縮機では,構成機器を搭載する基台を成すフレーム120上にエンジン103,圧縮機本体105,アフタクーラ140,ドレンセパレータ141等の構成機器を搭載すると共に,これらをボンネット130によって覆うことでパッケージ化しているが,このうちのドレンセパレータ141は,アフタクーラ140による冷却時に凝集したドレンを捕集するためのものであるためアフタクーラ140よりも低位置に配置する必要があり,また,ドレンセパレータ141で捕集されたドレンは,ドレンセパレータ141の底部に溜まるため,ドレンセパレータ141のドレン排出口141aは,ドレンセパレータ141の下端部に設ける必要があり,圧縮機100のドレンセパレータ141は一般に縦長の形状を有することから,ドレン排出口141aは,必然的に防音箱110内に形成された収容空間111の底面近くに配置されることとなる。
特に,前掲の特許文献1に記載の構成では,ドレンセパレータ141の下端に消音器と,この消音器を収容するタンクを取り付け,このタンクの下端位置までドレン排出口を下方に延長していることから,ドレン排出口は更に低位置に配置されることとなる。
一方で,ドレンを回収して貯溜する前述の貯溜タンク150を必要な容量を備えたものとするためには,ある程度高さのあるものとすることが必要で,この貯溜タンク150を,他の構成機器と同様にフレーム120上に搭載した場合,図6に示すように貯溜タンク150の上端は,ドレン排出口141aよりも高所に配置されることとなる。
その結果,図6に示すように,ドレン配管142が,ドレンセパレータ141のドレン排出口141aから貯溜タンク150の入口に向かって上向きに曲がったU字状の配管となり,圧縮機100の停止によってドレンに対し圧縮気体の圧力が加わらなくなると,ドレン配管142内にドレンが溜まり,このような圧縮機100を寒冷地等で使用する場合,ドレン配管142内のドレンが凍結して,その後に圧縮機を始動させた際,ドレンを排出できなくなる。
本発明は,上記従来技術における欠点,あるいは,防音箱内にドレンを回収するためのタンクを配置した場合に生じ得る問題を解消するためになされたもので,ドレンを回収して貯溜するドレンタンクを防音箱内に配置した構造を採用するものでありながら,圧縮機全体の大型化を防止することができると共に,ドレン配管内にドレンが溜まること,従ってドレン配管内でドレンが凍結等することによるドレンの排出不良が生じることを防止できる圧縮機におけるアフタクーラドレン回収部の構造を提供することを目的とする。
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
上記目的を達成するために,本発明の圧縮機におけるアフタクーラドレン回収部は,
被圧縮気体を圧縮して圧縮気体を生成する圧縮機本体5と,前記圧縮機本体5が生成した圧縮気体を冷却するアフタクーラ40と,前記アフタクーラ40で冷却した後の圧縮気体からドレンを分離して捕集するドレンセパレータ41を構成機器に含み,前記構成機器を防音箱10内に収容した圧縮機において,
前記防音箱10を,前記防音箱10の底部を成すフレーム20と,前記フレーム20上を覆うボンネット30により形成し,
前記ドレンセパレータ41を,前記ボンネット30で覆われた前記フレーム20上の空間(図示の例では作業機室10a)に配置すると共に,
前記ドレンセパレータ41で捕集されたドレンを回収するドレンタンク50の少なくとも底部を,前記フレーム20内に収容し,
前記ドレンセパレータ41のドレン排出口41aに対し,前記ドレン排出口41aとドレン配管42を介して連通される前記ドレンタンク50の入口51を低位置に配置したことを特徴とする(請求項1:図1参照)。
前記ドレンタンク50を収容する前記フレーム20(下フレーム21)に,該フレーム20の底板211より立設した防油壁212〜215を設け,前記底板211と防油壁212〜215によって囲まれた空間S内に,前記構成機器から漏出したオイル及び/又は燃料を溜めて機外への漏出を防止する防油堰(オイルフェンス,オイルパン)を形成するものとしても良い(請求項2:図5参照)。
以上で説明した本発明の構成により,本発明のアフタクーラドレン回収部を備えた圧縮機1では,以下の顕著な効果を得ることができた。
ドレンセパレータ41で捕集したドレンを回収するドレンタンク50を防音箱10内に配置したことで,設置時において圧縮機1の他にドレンタンク50の設置スペースを確保する必要がなく,また,保管や移動に際しても圧縮機1の他にドレンタンク50を別途保管,移動等することが不要となった。
特に,防音箱10内にドレンタンク50を収容するに際し,従来,構成機器の収容に使用されていなかったフレーム20内の空間をドレンタンク50の収容スペースとして活用することで,防音箱10を大型化することなくドレンタンク50の収容スペースを確保することができると共に,フレーム20内には水平方向に広がる空間が形成されているため,ドレンタンク50を幅あるいは長さ方向に拡張して容量を確保することで,ドレンタンク50の高さを減じることが可能であった。
しかも,ドレンタンク50をフレーム20上に載置する場合に比較して,ドレンタンク50の少なくとも底部をフレーム20内に収容したことで,防音箱10内におけるドレンタンク50上端位置を更に低くすることができ,これにより,十分な容量を備えた比較的大型のドレンタンク50を防音箱10内に配置した場合であっても,ドレンセパレータ41のドレン排出口41aに対し,ドレンタンク50の入口51を低位置に配置することが可能となった。
その結果,ドレンに対し圧縮気体の圧力が加わっていない圧縮機1の停止時においても,ドレン配管42内のドレンは重力によってドレンタンク50内に回収されるため,ドレン配管42内にドレンが溜まることがなく,寒冷地等において圧縮機1を使用した場合であっても,ドレン配管42内でドレンが凍結することによるドレンの排出不良が発生することを好適に防止することができた。
前記ドレンタンク50を収容する前記フレーム20に,防油堰(オイルフェンス,オイルパン)を一体的に形成した構成にあっては,別途防油堰を設ける場合に比較して,狭い設置スペース内に圧縮機1を配置することが可能である一方,防油堰を設けた分,フレーム20の高さが増すことで,フレーム20内にドレンタンク50の収容スペースを確保することが容易である。
前記フレーム20の側壁の一部を開閉扉28によって構成すると共に,前記開閉扉28によって開閉される室であるドレンタンク収容部27を前記フレーム20内に形成し,前記ドレンタンク収容部27内に前記ドレンタンク50を収容した構成では,開閉扉28の開放によってドレンタンク50の着脱等の作業を容易に行うことができた。
前記開閉扉28の内面に,前記開閉扉28を閉じた際,前記ドレンタンク50に圧接して前記ドレンタンク50を固定する弾性部材(弾性ゴム)29を取り付けた構成にあっては,ドレンタンク収容部27にドレンタンク50を配置し,開閉扉28を閉じるだけで,ボルト止め等を行うことなくドレンタンク50をドレンタンク収容部27内の所定位置に固定することが可能であり,ドレンタンク50の着脱時における作業性を向上させることができた。
前記ドレンタンク50の底面と接触する前記ドレンタンク収容部27の床面に,ナイロン板等の摩擦係数の低い材質で形成した摺動材55を設けた構成にあっては,ドレンを回収して重くなったドレンタンク50を容易に摺動させてドレンタンク収容部27より引き出すことが可能であり,ドレンタンク50の着脱作業をより一層容易に行うことができた。
更に,前記ドレン配管42の一部を雄雌一対の継手の組み合わせからなるホースジョイント421により形成した構成にあっては,ドレンタンク50の着脱に伴う配管作業を,ホースジョイント421を構成する雄の継手と雌の継手の分離,接合を行うことで極めて容易に行うことができ,作業性の良いアフタクーラドレン回収部を提供することができた。
本発明のアフタクーラドレン回収構造を備えた圧縮機の正面透視図。 本発明のアフタクーラドレン回収構造を備えた圧縮機の平面透視図。 図1に矢示Aで示した破線部分の拡大図。 図3の矢示B方向より見たアフタクーラドレン回収部。 下フレームの斜視図。 防音箱内にアフタクーラドレンを回収する貯溜タンクを収容した場合に想定されるドレンセパレータの排出口と貯溜タンクの位置関係の説明図。
以下に,添付図面を参照しながら本発明のアフタクーラドレン回収部を備えた圧縮機の構成について説明する。
図1は,本発明のアフタクーラドレン回収部を備えた圧縮機の正面透視図であり,図1に示した圧縮機1は,フレーム20とボンネット30によって構成された防音箱10内に必要な機器を収容した,防音型のエンジン駆動型圧縮機1として構成されている。
本実施形態において,防音箱10を構成する前述のフレーム20は,圧縮機1の構成機器を搭載するための基台としての機能と,構成機器より漏出したオイルや燃料が機外に漏出することを防止する防油堰(一般には,オイルフェンスあるいはオイルパンと呼ばれる場合もある)としての機能を備えた,防油堰一体型の構造として形成したもので,図示の実施形態にあっては,有底の箱型に形成された下フレーム21上に,平面視矩形の枠状に組み合わせたチャネル材によって構成された上フレーム25を載置固定してフレーム20を形成している。
前述の下フレーム21は,フレーム20に主として防油堰としての機能を付与するもので,一例として図5に示すように,平面視矩形状の底板211と,前記底板211上より立ち上げた4枚の防油壁212〜215によって形成されており,底板211と4枚の防油壁212〜215によって囲まれた空間S内に漏出したオイルや燃料を貯めることができる防油堰として構成されている。
図示の実施形態にあっては,この防油堰の空間S内にエンジン3に供給する燃料を貯溜した燃料タンク4を収容することで,燃料タンク4より燃料が漏出した場合であってもこの防油堰外に燃料が漏出することを防止できると共に,防音箱10内に別途燃料タンク4を収容するためのスペースの確保を不要とすることで,圧縮機1の小型化を図っている。
図示の例では,防油壁212,213,214を,底板211長手方向の2辺と幅方向の1辺より立ち上げると共に,底板211の残りの幅方向の1辺211aに対し所定の長さ内側に入った位置より防油壁215を立ち上げて,底板211と防油壁212〜215によって囲まれた空間Sを,漏出したオイルや燃料を貯める防油堰として構成すると共に,防油壁215と底板211の前記一辺211a間に形成された空間に,後述するドレンタンク50を収容する,ドレンタンク収容部27を形成している。
前述の上フレーム25は,フレーム20に主として構成機器を搭載する基台としての機能を付与するもので,本実施形態にあっては,断面コ字状の4本のチャネル材を,前記コ字が内向きに開口するように枠状に組み立てて上フレーム25を形成し,この上フレーム25を,下フレームの防油壁212〜215上に載置すると共にボルト等で着脱可能に固定して,下フレーム21の防油壁212〜215を上方に延長し,この上フレーム25上に,圧縮機の構成機器中,エンジン3,圧縮機本体5,レシーバタンク7,オイルセパレータ9,ラジエータ6,エンジンの排気系統8,アフタクーラ40,ドレンセパレータ41等の構成機器を搭載可能としている。
本実施形態にあっては,前述した上フレーム25上に床板251が設けられており,エンジン3の搭載位置の下部における床板251に開口252を形成することで,床板251上に形成された空間と,床板251の下方に形成された空間Sとを連通して,エンジン3等の搭載機器より漏出したオイルや燃料を防油堰内の空間Sに導入可能としている。
このようにフレーム20を,防油堰としての機能を備えた防油堰一体型の構成としたことで,圧縮機1の設置に際し別途,防油堰を設ける必要がないだけでなく,フレーム20の高さが増すことでフレーム20内にドレンタンク50を収容するための空間を確保し易く,比較的大型のドレンタンク50であっても搭載することが可能となる。
また,このようにフレーム20を上フレーム25と下フレーム21の組み合わせによって構成することで,上フレーム25のみで上部に載置された機器の基台としての機能を発揮させることが可能で,上フレーム25と下フレーム21を固定するボルトを取り外した状態で,上フレーム25を,上フレーム25上に搭載されている機器やボンネット30と共にクレーンで吊り上げる等することで,下フレーム21より容易に切り離すことが可能となり,このようにして下フレーム21の切り離しを可能とすることで,下フレーム21内に形成された空間Sを露出させて,空間S内の掃除や燃料タンク4の点検等のメンテナンス作業を容易にしている。
防音箱10内に形成された空間のうち,前述したフレーム20の上方(床板251の上方)に形成された空間は,前述した燃料タンク4や後述するドレンタンク50を除いた圧縮機1のその他の構成機器を収容するための空間となっている。
この空間は,図1に示すように仕切壁13によって作業機室10aと排風室10bの2室に区画されており,好ましくは,このうちの作業機室10aを,フレーム20のドレンタンク収容部27を設けた側と同一側に形成し,この作業機室10a内に,エンジン3,油冷式のスクリュ圧縮機である圧縮機本体5,レシーバタンク7,オイルセパレータ9,アフタクーラ40,ドレンセパレータ41等の機器を収容する。
前述の作業機室10a内における各構成機器の配置は特に限定されないが,好ましくは収容機器のうち,ドレンセパレータ41が前述したドレンタンク収容部27の真上,あるいはこれに近い位置に配置されるよう作業機室10a内に各機器を配置し,ドレンセパレータ41で捕集されたドレンを,ドレンタンク50に対し,下向きに,短距離で,かつ,直線的に導入できるように構成する。
一方,前述した排風室10b内にはエンジンの排気系統8を成すマフラー8aやテールパイプ8b等を収容する。
更に,前述の作業機室10aと排風室10bとを仕切る仕切壁13には,作業機室10aと排風室10bとを連通する連通口14を形成し,この連通口14に対向してエンジン3を冷却した冷却水を熱交換するラジエータ6を配置し,エンジン3に設けた冷却ファンを,このラジエータ6に向けて配置し,冷却ファンが回転して冷却風が発生すると,作業機室10a内の空気がラジエータ6を通過して,ラジエータ6内の冷却水と熱交換された後,排風室10bに導入され,排風室10bの上部に設けられた放気口15を介して防音箱10外に放出されるように構成している。
フレーム20に設けたドレンタンク収容部27に収容されるドレンタンク50は,作業機室10a内に収容されているドレンセパレータ41で捕集されたドレンを回収して貯溜するもので,本実施形態にあっては,このドレンタンク50を,図3に示すように前記ドレンセパレータ41に連通される入口51と,前記防油堰内の空間Sに連通される出口52を備えた構成と成すと共に,圧縮機1に対する搭載時,この入口51と出口52の二カ所を除き密閉された構造に形成している。
このドレンタンク50やドレンタンク収容部27は,ドレンタンク収容部27にドレンタンク50を収容した際,ドレンタンク50の入口51がドレンセパレータ41の下端部に設けたドレン排出口41aよりも低位置に配置されるよう構成されている。
図3に示す実施形態にあっては,ドレンタンク50の全高を,フレーム20の高さよりも低く形成し,ドレンタンク収容部27にドレンタンク50を収容した際,下フレーム21の底板211と,上フレーム25に設けた床板251間にドレンタンク50の全体が収まるように構成しているが,この構成に代え,ドレンタンク収容部27にはドレンタンクの底部のみを収容するように形成し,ドレンタンク50の上端を床板251を貫通して作業機室10a内迄突設するように構成しても良い。
このように,ドレンタンク50の上端を床板251よりも上方に突設させる構成とした場合であっても,ドレンタンク50の全体を床板251上に搭載する場合に比較して高さを減じることができ,ドレンセパレータ41の下端部に設けたドレン排出口41aに対し,ドレンタンク50の入口51を低位置に設けることが容易となる。
ドレンセパレータ41に設けられているドレン排出口41aと,このドレン排出口41aに対し低位置に配置されているドレンタンク50の入口51は,ドレン配管42を介して連通されており,前述したドレン排出口41aと入口51の位置関係より,ドレン配管42をドレンセパレータ41のドレン排出口41aからドレンタンク50の入口51に向かって下向きに取り付け可能であることから,圧縮機1が停止してドレンに対し圧縮気体の圧力が加わらなくなった状態でも,ドレン配管42内のドレンは重力により落下してドレンタンク50内に回収されるため,ドレン配管42内にドレンが溜まることを防止でき,ドレンの凍結等によってドレンの排出不良が発生することが防止されている。
なお,ドレンタンク50に設けた前述の出口52には,上フレーム25の側壁255を貫通して防油堰内の空間S上で一端を開口するオーバーフロー配管44を連通し,ドレンタンク50内に回収されたドレンの液面が上昇して出口52に至るとオーバーフローして,このオーバーフローしたドレンが防油堰内の空間Sに回収されるように構成している。
また,図示の実施形態にあっては,前述した入口51及び出口52を,いずれもドレンタンク50の天板において開口させているが,入口51および出口52は,ドレンタンク50の側壁において開口させるものとしても良く,また,ドレンタンク50の外壁を貫通してドレンタンク50内に突設された管の先端開口を前記出口52とする等しても良く,この構成では,出口52をドレンタンク50の高さ方向のいずれの位置で開口させるかによりオーバーフローが開始するドレン回収量が決定される。
このように圧縮機1に対する装着時,ドレンタンク50を入口51と出口52を除き密閉した構造としたことで,ドレンタンク50内にドレンが溜まっていない状態では,ドレンセパレータ41よりドレン配管42,及び入口51を介してドレンタンク50内に圧縮気体と共にドレンが導入されると,このうちのドレンはドレンタンク50の底部に溜まる一方,圧縮気体は,出口52,オーバーフロー配管44を介して防油堰内の空間Sに放出される。
そして,ドレンタンク50内に回収されるドレンの量が増加してドレンタンク50内の液面が上昇し,ドレンの液面が出口52の形成位置に至ると,前述の出口52を介したドレンのオーバーフローが始まり,ドレンタンク50内に回収しきれなかったオーバーフローしたドレンは,防油堰内の空間S内に回収される。
従って,ドレンタンク50内に回収されたドレンの廃棄を怠る等してドレンをオーバーフローさせてしまった場合であっても,オーバーフローしたドレンを防油堰内の空間Sに回収して機外に漏出しないようにすることで,アフタクーラドレンによって圧縮機1周辺が汚染されることを防止できる。
また,上記の構成により,オーバーフローが開始される前の状態では,ドレンタンク50は,導入された圧縮気体を膨張させる膨張室として機能するものとなっており,ドレンタンク50内で一旦膨張した圧縮気体が,出口52及びオーバフロー配管44を介して排出されることとなるから,ドレンタンク50を,圧縮気体の排気音を低減するための消音器(膨張室)としても機能させることができる。
更に,圧縮機1自体が傾き,あるいは揺れた場合であっても,密閉されたドレンタンク50からはドレンが漏れ出ることがなく,また,出口52を介してドレンの一部が漏出したとしても,このドレンは防油堰内の空間Sに回収されるため,ドレンタンク50内にドレンが溜まったままの状態で圧縮機1をクレーンで吊り上げ,トラック等に積載して運搬等を行った場合であっても,ドレンが機外に漏出することがない。
なお,図3〜5中の符号53はキャップであり,このキャップ53を外すことでドレンタンク50に設けた排水口54を開放することができ,この排水口54を介して回収したドレンの排水を行うことができるように構成されている。
ドレンの排出は,排水口54を介して回収されたドレンを汲み出す等して行うものとしても良いが,本実施形態にあっては,ドレンタンク50をドレンタンク収容部27より取り出し可能とし,取り出したドレンタンク50を,ドレンの廃棄場所に運んで排水できるようにしている。
このようなドレンタンク50の取り出しを容易とするために,本実施形態にあっては,ドレンタンク収容部27内に配置されたドレン配管42及びオーバーフロー配管44の一部を,雄の継手と雌の継手を着脱可能に組合せて成るホースジョイント421,441によって形成し,この位置でドレン配管42及びオーバーフロー配管44を2分割できるようにすることで,ドレンタンク50の取り出し及び取り付け時に,各配管42,44の着脱作業を容易に行うことができるようにしている。
なお,ドレンタンク収容部27の形成位置におけるフレームの側面は,図3に示すように開閉扉28を設け,この開閉扉28によってドレンタンク収容部27の入口を閉じることができるようにすることで,防音箱10内で発生した騒音がこの部分を介して機外に漏出することを防止できると共に,機外よりドレンタンク50の存在を隠すことができ圧縮機1の外観が向上する。
この開閉扉28の内面には,開閉扉28を閉じた際にドレンタンク50の側壁に圧接される弾性ゴム29等の弾性材料を取り付けており,また,前記開閉扉28には図示しないドアハンドルが設けられていて,このドアハンドルの操作により前記開閉扉28がフレーム20に係合又は解除するようになっており,これによりドレンタンク50をドレンタンク収容部27に配置した後,開閉扉28を閉じるだけで,ボルト止め等を行うことなく,ドレンタンク50をドレンタンク収容部27内の所定の位置に動かないように固定することができる。
また,図3〜5中の符号55は,例えばナイロン製の板等の,摩擦係数の低い材質で形成された板材からなる摺動材であり,このような摺動材55をドレンタンク50の底面と接触する位置でドレンタンク収容部27の床面(下フレーム21の底板211)に取り付けることで,ドレンの回収によって重たくなったドレンタンク50を,ドレンタンク収容部27より容易に引き出すことができるようにしている。
なお,図1及び図3に示した構成では,ドレンセパレータ41の下部をドレンタンク50にのみ連通した構成を示したが,例えば図4及び図5に示したように,ドレンセパレータ41の下部に設けた出口に切替弁であるドレンコック45を取り付けてドレンの流路を2方向に分岐し,一方をドレンタンク50に連通した前述のドレン配管42と成すと共に,他方を直接機外にドレンを排出するドレン放出管42’として形成し,いずれの経路を介してドレンの排出を行うかをドレンコック45の切替によって選択できるように構成しても良い。
このように構成することで,例えば極寒地での使用によりドレンタンク50内のドレンが凍結してドレンの回収を行えない場合,あるいは,ドレンタンク50の入口や出口の目詰まりによってドレンの回収が行えない場合等に,ドレンを回収せずに直接機外に排出することを選択できるようにしても良い。
以上で説明した本発明のアフタクーラドレン回収部を備えたエンジン駆動型圧縮機のエンジン3を始動して圧縮機本体5を駆動すると,圧縮機本体5は被圧縮気体の圧縮を開始する。
圧縮機本体5として油冷式のスクリュ圧縮機を採用する本実施形態にあっては,圧縮機本体5は冷却油と共に被圧縮気体の圧縮を行うことから,冷却油との気液混合流体として圧縮気体を吐出し,このようにして冷却油と共に吐出された圧縮気体は,レシーバタンク7内に導入され,レシーバタンク7内で冷却油の一次分離が行われた後,更にオイルセパレータ9に導入されて圧縮気体中に残る油分が二次分離される。
オイルセパレータ9によって冷却油の二次分離が終了した圧縮気体は,アフタクーラ40に導入されて冷却され,この冷却の際に圧縮気体中の水蒸気が凝集して生じたドレンをドレンセパレータ41によって除去した後,ドレンが除去された乾燥した圧縮気体が,図示せざる空気作業器等が接続された消費側に供給される。
ドレンセパレータ41で捕集されたドレンは,ドレンセパレータ41の下部に設けたドレン排出口41aに連通されたドレン配管42を介して圧縮気体と共にドレンタンク50内に導入され回収される。
前述したように,ドレンタンク50を防音箱10のフレーム20内に収容して防音箱10内における収容高さを減じて,ドレンタンク50の入口51をドレンセパレータ41のドレン排出口41aに対し低位置に配置していることから,ドレン配管42をドレンセパレータ41のドレン排出口41aからドレンタンク50の入口51に向かって下向きに傾斜させて取り付けることが可能で,ドレンは,圧縮機1の作動時はもとより,圧縮機1の停止時に圧縮気体の圧力を受けていない状態でも重力により落下してドレン配管42内に溜まることなく,ドレンタンク50内に回収されることから,ドレン配管42内でドレンが凍結等することによる回収不良が防止される。
一方,ドレンと共にドレンタンク50内に導入された圧縮気体は,出口52およびオーバーフロー配管44を介して防油堰内の空間Sに放出される。
このように,本発明のアフタクーラドレン回収部では,ドレンセパレータ41を介してドレンと共に放出される圧縮気体は,ドレンタンク50内に導入された際に膨張し,その後前記防油堰内の空間Sに放出されることから,ドレンタンク50が圧縮気体の放気音を低減させる消音器(膨張室)としても機能することで,圧縮気体の放出に伴う騒音が低減される。
圧縮機の運転を継続することにより,ドレンタンク50には徐々にドレンが溜まり,このようにして,ドレンタンク50内に溜まったドレンは,オーバーフローが生じる前にドレンタンク50をドレンタンク収容部27より取り出して廃棄することが好ましい。
このようなドレンの廃棄は,ドレンタンク収容部27を覆う開閉扉28を開き,ドレンタンク50とドレンセパレータ41間を連通するドレン配管42をホースジョイント421部分で切り離すと共に,ドレンタンク50と防油堰内の空間Sを連通するオーバーフロー配管44をホースジョイント441部分で切り離し,この状態でドレンタンク50をドレンタンク収容部27より機外に引き出す。
ドレンタンク50の底面と接触する位置の底板211上に摺動材55を取り付けた本実施形態の構成では,ドレンを回収して重たくなったドレンタンク50であっても,この摺動材55によって比較的容易に引き出すことが可能であり,このようにして引き出したドレンタンク50は,取っ手56を把持する等してドレンの廃棄位置まで運び,キャップ53を外して排水口54より排出する。
ドレンを排出した後のドレンタンク50は,キャップ53により排水口54を閉じた後,再度,ドレンタンク収容部27内に収容し,ドレン配管42及びオーバーフロー配管44のホースジョイント421,441を接続した後,開閉扉28を閉じると,開閉扉28に設けた押圧用の弾性ゴム29によってドレンタンク50の側面が押圧されて,ドレンタンク50がドレンタンク収容部27内の所定の位置に固定されて,圧縮機1に対するドレンタンク50の装着が完了する。
ドレンタンク50内に溜まったドレンを廃棄する前述の作業を怠る等して,ドレンタンク50内のドレンが所定量以上に溜まると,ドレンタンク50内に溜まったドレンは出口52及びオーバーフロー配管44を介して防油堰内の空間Sに導入されて回収される。
出口52をドレンタンク50の天板に開口した図示の実施形態にあっては,ドレンタンク50の天板位置までドレンが一杯に溜まる迄,オーバーフローが生じない構成となっているが,出口52をドレンタンク50の側面における所定の高さ位置に設ける等することで,ドレンタンク50が一杯になる前の所定量迄溜まった段階でオーバーフローを生じさせるようにすることもできる。
このように,ドレンタンク50内に回収されたドレンの廃棄を怠る等して,ドレンタンク50がドレンで一杯になった場合であっても,オーバーフローさせたドレンは防油堰内の空間Sに回収され,機外に漏出することがないため,ドレン中に混入する冷却油等によって圧縮機の設置位置周辺が汚染されることがなく,周辺環境に対するより一層の配慮がなされた圧縮機を提供することができた。
なお、防油堰内の空間Sに回収されたドレンは,防油堰の底部に設けた排出口57のプラグ58を外して別途用意した受け皿に排出することができる。
1 圧縮機(防音型エンジン駆動圧縮機)
3 エンジン
4 燃料タンク
5 圧縮機本体
6 ラジエータ
7 レシーバタンク
8 排気系統
8a マフラー
8b テールパイプ
9 オイルセパレータ
10 防音箱
10a 作業機室
10b 排風室
13 仕切壁
14 連通口
15 放気口
20 フレーム
21 下フレーム
211 底板
211a 幅方向の一辺(底板211の)
212〜215 防油壁
25 上フレーム
251 床板
252 開口
255 側壁
27 ドレンタンク収容部
28 開閉扉
29 弾性ゴム
30 ボンネット
40 アフタクーラ
41 ドレンセパレータ
41a ドレン排出口
42 ドレン配管
421 ホースジョイント
42’ ドレン放出管
44 オーバーフロー配管
441 ホースジョイント
45 ドレンコック
50 ドレンタンク
51 入口
52 出口
53 キャップ
54 排水口
55 摺動材
56 取っ手
57 排出口
58 プラグ
100 圧縮機
103 エンジン
105 圧縮機本体
110 防音箱
111 収容空間
120 フレーム
130 ボンネット
140 アフタクーラ
141 ドレンセパレータ
141a ドレン排出口
142 ドレン配管
150 貯溜タンク

Claims (2)

  1. 被圧縮気体を圧縮して圧縮気体を生成する圧縮機本体と,前記圧縮機本体が生成した圧縮気体を冷却するアフタクーラと,前記アフタクーラで冷却した後の圧縮気体からドレンを分離して捕集するドレンセパレータを構成機器に含み,前記構成機器を防音箱内に収容した圧縮機において,
    前記防音箱を,前記防音箱の底部を成すフレームと,前記フレーム上を覆うボンネットにより形成し,
    前記ドレンセパレータを,前記ボンネットで覆われた前記フレーム上の空間に配置すると共に,
    前記ドレンセパレータで捕集されたドレンを回収するドレンタンクの少なくとも底部を,前記フレーム内に収容し,
    前記ドレンセパレータのドレン排出口に対し,前記ドレン排出口とドレン配管を介して連通される前記ドレンタンクの入口を低位置に配置したことを特徴とする圧縮機におけるアフタクーラドレン回収部。
  2. 前記ドレンタンクを収容する前記フレームに,該フレームの底板より立設した防油壁を設け,前記底板と防油壁によって囲まれた空間内に,前記構成機器から漏出したオイル及び/又は燃料を溜めて機外への漏出を防止する防油堰を形成したことを特徴とする請求項1記載の圧縮機におけるアフタクーラドレン回収部。
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