以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
画像形成装置は、スキャナ機能、複写機能、プリンタとしての機能、ファクシミリ機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)である。スキャナ機能は、セットされた原稿の画像を読み取ってそれをHDD(Hard Disk Drive)等に蓄積する機能である。複写機能は、さらにそれを用紙等に印刷(プリント)する機能である。プリンタとしての機能は、PC等の外部端末から印刷指示を受けるとその指示に基づいて用紙に印刷を行う機能である。ファクシミリ機能は、外部のファクシミリ装置等からファクシミリデータを受信してそれをHDD等に蓄積する機能である。データ通信機能は、接続された外部機器との間でデータを送受信する機能である。サーバ機能は、複数のユーザでHDD等に記憶したデータなどを共有可能にする機能である。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置を示す斜視図である。
図1に示されるように、画像形成装置1は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、操作部11と、CPU20と、画像形成部30と、画像読取部40とを備える。CPU20は、画像形成装置1の動作を制御する。CPU20、画像形成部30、及び画像読取部40などは、画像形成装置1の筐体の内部に配置されている。
この画像形成装置1は、3つの給紙カセット3(給紙カセット3a,3b,3c)を有している。それぞれの給紙カセット3には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット3は、画像形成装置1の下部に、画像形成装置1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット3に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3から給紙され、画像形成部30に送られる。なお、給紙カセット3の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
排紙トレイ5は、画像形成装置1の筐体のうち画像形成部30が収納されている部位の上方で画像読取部40が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ5には、画像形成部30により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
操作部11は、画像形成装置1の上部前面(図において正面)側に配置されている。操作部11には、ユーザにより押下操作可能な複数の操作ボタン11aが配置されている。また、操作部11には、情報をユーザに表示する表示パネル(表示部の一例)13が配置されている。
表示パネル13は、タッチパネルである。表示パネル13は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル13は、ユーザに案内画面を表示したり、操作ボタンを表示してユーザからのタッチ操作を受け付けたりする。表示パネル13は、CPU20の制御の下、画面制御部17により制御されて、このような表示画面(図3に一例を示す。)を表示する。操作部11は、ユーザにより操作ボタン11aや表示パネル13へなされる操作入力を受け付ける。操作部11は、操作ボタン11aや表示パネル13がユーザにより操作されると、その操作に応じた操作信号又は所定のコマンドをCPU20に送信する。すなわち、ユーザは、操作ボタン11aや表示パネル13に操作を行うことにより、画像形成装置1に種々の動作を実行させることができる。
画像形成部30は、大まかに、トナー像形成部(図示せず)と、用紙搬送部(図示せず)と、定着装置(図示せず)とを有している。画像形成部30は、例えば電子写真方式で用紙に画像を形成する。
用紙搬送部は、給紙ローラ、搬送ソーラ、及びそれらを駆動するモータなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセット3から給紙して、画像形成装置1の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置1の筐体から排紙トレイ5などに排出する。
定着装置は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着装置は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱及び加圧を行う。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。
画像読取部40は、画像形成装置1の筐体の上部に配置されている。画像読取部40は、ADF(Auto Document Feeder)41を有している。画像読取部40は、上述のスキャナ機能を実行する。画像読取部40は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、画像読取部40は、原稿トレイにセットされた複数の原稿を1枚ずつADF41により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサにより原稿を読み取り、画像データとする。
画像読取部40により読み取られた画像は、CPU20により、仕上がり画像に変換される。CPU20は、生成した仕上がり画像を外部装置などに送信したり、仕上がり画像に基づいて画像形成部30により用紙に画像を形成したりできる。
図2は、画像形成装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成装置1は、上述の各部のほか、ROM23、RAM25、及び不揮発メモリ27を有している。
不揮発メモリ27は、例えばフラッシュメモリやHDDなどである。不揮発メモリ27は、補助記憶装置として用いられる。すなわち、不揮発メモリ27は、画像形成装置1に接続されている外部装置などから送られた印刷ジョブのデータや、画像読取部40で読み取った画像データなどを記憶する。また、不揮発メモリ27は、画像形成装置1の設定情報や、画像形成装置1の種々の動作を行うための制御プログラム27aなどを記憶する。CPU20は、不揮発メモリ27から制御プログラム27aを読み出して、制御プログラム27aを実行することで、画像形成装置1の動作の制御などを行うことができる。
ROM23は、例えばフラッシュROM(Flash Memory)である。ROM23には、画像形成装置1が動作するときに用いられるデータが記憶されている。ROM23には、不揮発メモリ27と同様に、種々の制御プログラムや、画像形成装置1の機能設定データなどが記憶されていてもよい。CPU20は、ROM23からのデータの読み込みや、ROM23へのデータの書き込みを行う。なお、ROM23は、書換え不可能なものであってもよい。
RAM25は、CPU20のメインメモリである。RAM25は、CPU20が制御プログラム27aを実行するときに必要なデータなどを記憶するのに用いられる。
CPU20は、画像形成装置1の各部に、信号を送受可能に接続されている。CPU20は、ROM23、RAM25、又は不揮発メモリ27などに記憶された制御プログラム27aなどを実行することにより、画像形成装置1の種々の動作を制御する。CPU20は、操作部11から操作信号が送られたり、画像形成装置1に接続されている外部機器などから操作コマンドが送信されたりすると、それらに応じて所定の制御プログラム27aを実行する。これにより、ユーザによる操作部11の操作などに応じて、画像形成装置1の所定の機能が実行される。
CPU20は、例えば、画像データの文字幅の調整やコントラストや配色変換を行う画像処理部としても機能する。なお、画像処理部は、CPU20そのものとは別に設けられていてもよい。
図2に示すように、画像形成装置1は、さらに、画面制御部17、通信部50、及び認証管理部80などを有している。
画面制御部17は、表示パネル13の表示を制御する。画面制御部17は、表示パネル13に表示する表示画面を取得する処理を行う。すなわち、画面制御部17は、例えば予め用意されて不揮発メモリ27やROM23などに記憶されている画像を読み込み、表示パネル13に表示したり、表示画面を生成して表示パネル13に表示したりする。
通信部50は、例えば所定の方式による無線通信や有線通信を外部端末との間で行うことができるように構成されている。このとき、通信部50は外部端末と画像形成装置1との間で接続が確立している状態において、データ(文書データ、画像データなど)の通信を行うことができる。接続が確立していない状態においては、両者間でデータの通信を行うことができない。
認証管理部80は、画像形成装置1について、ユーザ認証を行う。ユーザ認証は、画像形成装置1を利用するユーザを識別し、認証するジョブである。ユーザは、ユーザ認証による認証を経て、画像形成装置1にログインし、画像形成装置1を利用することができる。
ユーザ認証では、例えば不揮発メモリ27に記憶されている認証データベース(図示せず)が用いられる。認証データベースには、ユーザ認証可能なユーザの情報とそのユーザの認証に必要な認証情報とが対応付けられて記録されている。認証情報は、例えばユーザ毎に設定されたパスワードである。認証データベースには、各ユーザについて実行を許可する機能に関する情報が、そのユーザに対応付けて記録されている。
ユーザ認証は、例えば、次に示すようにして行われる。すなわち、まず、ユーザに、ユーザ認証画面が提示される。ユーザ認証画面は、表示パネル13に表示される。ユーザは、操作部11を操作し、画像形成装置1にそのユーザの情報(例えば、アカウント名など)とパスワードとを入力する。操作部11にこれらの情報が入力されると、CPU20は、認証データベースを参照し、入力されたデータに基づいて、そのユーザの認証可否を判断する。認証可能であれば、CPU20は、そのユーザについて認証成立とし、認証が成立した認証ユーザについて実行を許可されている機能を実行可能とする。このとき、認証ユーザは画像形成装置1にログインした状態になる。これにより、画像形成装置1は、画像形成装置1を用いるユーザを識別できる。
ユーザ認証を行ってユーザを識別することで、表示パネル13の表示や利用可能な機能などを認証されたユーザに適合するものにして、画像形成装置1の利便性を高められる。また、認証されたユーザが画像形成装置1の近くにいるときに、他のユーザの目に触れないようにして印刷物を出力できるなど、高いセキュリティ効果が得られる。
画像形成装置1において、CPU20は、ユーザ認証により識別したユーザに応じて、画像形成装置1の機能についてのユーザの使用権限を管理する。使用権限の管理が行われることで、ユーザ毎に、後述のような印刷の実行操作など、所定の機能の使用を制限することができ、高いセキュリティ効果が得られる。
なお、ユーザ認証の方式は上記に限られるものではなく、公知の方法を適宜採用することができる。認証情報の参照先や認証を行う主体などは、上記のものとは異なっていてもよい。例えば、画像形成装置1自身がユーザ認証を行うための認証情報を保有しており、画像形成装置1がユーザからの認証要求を受け付けて、認証情報に基づいて、そのユーザを認証してもよい。また、例えば接触式・非接触式のIDカードを用いたカード認証方式や、ユーザの指紋情報や静脈情報などを利用した生体認証方式などを採用し、ユーザにアカウント名などの情報やパスワードの入力を要求しないようにしてもよい。認証データベースは、画像形成装置1とは別に設けられたサーバ(図示せず)などで管理されていてもよい。
本実施の形態において、不揮発メモリ27には、データの保管場所として、複数のBOXが設定されている。BOXは、個々のユーザや、所定のユーザのグループなどに関連付けて設定された記憶領域である。個々のBOXは、それぞれ、複数のデータを記憶可能である。例えば、CPU20は、外部から送信されたジョブのデータや、画像読取部40で読み取った画像データなどを、BOXに記憶させる。これにより、データを分類・整理して不揮発メモリ27に記憶させることができる。また、CPU20は、BOX毎に認証の有無などに応じたアクセス制限を行う。これにより、BOXに記憶されているデータのセキュリティを確保することができる。さらにまた、CPU20は、BOX間でデータを移動したり複製したりすることができる。読み取られた画像データは、CPU20によりアプリケーションデータ形式に変換され、BOXなどに記憶される。
CPU20は、BOXなどに記憶された画像データなど(原稿)について、所定の機能による処理を実行できる。本実施の形態において、画像形成装置1には、印刷、FAX,送信、BOX、プログラムといった各機能が設けられており、原稿について、印刷、送信、データ移動を行うことができる。このような処理は、例えば後述のように、BOX内の原稿画像を選択する操作を行うことで、実行させることができる。
ここで、操作部11には、操作位置検出部15が設けられている。操作位置検出部15は、ユーザが表示パネル13を操作したとき、表示パネル13上においてその操作入力が行われた位置を検出する。操作位置検出部15は、例えば、表示パネル13上のユーザの指先などで触れられた位置をユーザの操作位置として検出できる。CPU20は、操作位置検出部15で検出されたユーザの操作位置に応じて、制御を行うことができる。
図3は、表示パネル13に表示される表示画面の一例を示す図である。
図3に示されるように、表示パネル13には、例えば、画像形成装置1の操作を行うための表示画面501が表示される。表示画面501には、大まかに、原稿アイコンエリア510と機能アイコンエリア520とが設けられている。原稿アイコンエリア510は、表示画面501のうち左側に配置されている。他方、機能アイコンエリア520は、表示画面501のうち右側に配置されている。
原稿アイコンエリア510には、例えば、BOXのうち1つ(図3においては、boxA)の内容が表示される。BOXの内容は、アイコン表示される。すなわち、図3に示されている例では、4つの原稿アイコン511,512,513,514が表示されている。各原稿アイコン511〜514は、それぞれ、原稿1,原稿2,原稿3,原稿4に対応するものである。ここで原稿1〜4は、例えば、テキストデータであったり、画像データであったり、PDF(Portable Document Format)形式のデータであったり、その他のアプリケーションのデータ形式のデータである。画像形成装置1は、これらの形式の原稿について、印刷等を行うことができる。
機能アイコンエリア520には、5つの機能アイコン521〜525が表示されている。すなわち、印刷アイコン521、ファクシミリアイコン522、送信アイコン523、BOXアイコン524、プログラムアイコン525である。印刷アイコン521は、画像形成装置1の印刷機能(プリンタとしての機能)に対応する。ファクシミリアイコン522は、画像形成装置1のファクシミリ機能に対応する。送信アイコン523は、画像形成装置1の送信機能(情報送信機能)に対応する。BOXアイコン524は、画像形成装置1のBOXへの記憶機能に対応する。プログラムアイコン525は、画像形成装置1の登録プログラム機能に対応する。
ユーザは、表示画面501に表示された原稿アイコン511〜514のそれぞれを操作することにより、画像形成装置1に、操作した原稿アイコン511〜514に対応する原稿についての処理を実行させることができる。また、ユーザは、機能アイコン521〜525のそれぞれを操作することにより、画像形成装置1に、操作した機能アイコン521〜525に対応する機能を実行させることができる。ユーザは、表示パネル13上に触れることにより(タッチ操作)、これらの操作を行うことができる。
ここで、原稿アイコン511〜514は、ユーザのドラッグ操作に応じて、表示画面501上で移動可能に表示されている。すなわち、原稿アイコン511〜514をユーザが指しながら、その指した位置を表示画面501上で移動させると(ドラッグ操作)、ユーザが指している位置に、指された原稿アイコン511〜514が移動する。換言すると、ユーザにより指された原稿アイコン511〜514は、ユーザが指す位置が変化するのに追従して、表示画面501上で移動する。
ユーザは、原稿アイコン511〜514について、機能アイコン521〜525に向けてドラッグ操作やフリック操作などの方向性を伴う操作を行ったり、ドロップ操作を行ったりすることができる。このような操作が行われると、画像形成装置1は、操作された原稿アイコン511〜514に対応する原稿について、処理を実行する。処理は、ユーザが行った操作態様に応じて行われる。また、ユーザが上記方向性を伴う操作を行ったときには、処理は、ユーザが行った操作の方向性と機能アイコン521〜525の位置などに応じて行われる。
これらの処理は、例えば、CPU20が、制御プログラム27aを実行し、画像形成装置1の各部を制御することで実現される。以下、原稿アイコン511〜514のうち例えば原稿アイコン511がユーザにより操作された場合を想定して、そのとき行われる画像形成装置1の動作について説明する。
図4は、原稿アイコン511の操作が行われたときに画像形成装置1で行われる動作の一例を説明するフローチャートである。
図4に示されるように、ステップS101において、原稿アイコン511が押下操作されると、ドラッグ操作が開始される。CPU20は、ユーザによる当該ドラッグ操作が行われたことを検知し、受け付ける。
ステップS102において、CPU20は、操作された原稿アイコン511の位置Xを取得する。位置Xは、ドラッグ操作が検出される前の原稿アイコン511の位置である。位置Xは、表示画面501上の位置であり、例えば二次元の座標として示される。
ステップS103において、CPU20は、ドラッグ操作が続けられることにより、原稿アイコン511が所定の距離だけ移動したか否かを判断する。本実施の形態では、例えば、原稿アイコン511が位置Xから所定の距離だけ離れたとき、CPU20は、所定の距離だけ移動したと判断する。なお、これに限られず、CPU20は、原稿アイコン511の移動軌跡の距離が所定の距離に達したとき、所定の距離だけ移動したと判断するようにしてもよい。
ステップS103で所定の距離だけ移動したと判断された場合には、ステップS104の処理を行う。ステップS104において、CPU20は、そのときの原稿アイコン511の位置Yを取得する。すなわち、CPU20は、ドラッグ操作により所定距離だけ移動した後の原稿アイコン511の位置Yを取得する。
ステップS105において、CPU20は、取得した位置Xと位置Yとを用いて、原稿アイコン511の移動方向を算出する。
ステップS106において、CPU20は、例えば原稿アイコン511の当初の位置Xを始点として、その始点から見て、算出した移動方向上に、機能アイコン521〜525のいずれかがあるか否かを判断する。CPU20は、移動方向上に機能アイコン521〜525がある場合、ユーザのドラッグ操作は、その機能アイコン521〜525と原稿アイコン511とを対応付けるものであると判定できる。この判定は、原稿アイコン511の表示画面501における位置、機能アイコン521〜525の表示画面における位置、及びユーザのドラッグ操作の方向性に基づいて行われるものである。
ステップS106において機能アイコン521〜525がなければ、CPU20は、ここまでの一連の処理を終了する。なお、このとき、CPU20は、ユーザによる操作が継続して行われていれば、原稿アイコン511についてのドラッグ操作が引き続き行われているものとして以降の操作を受け付ける。これに限られず、CPU20は、ユーザによる操作が継続して行われているか否かにかかわらず、ドラッグ操作がキャンセルされたものと判断するようにしてもよい。
他方、ステップS106において機能アイコン521〜525のいずれかがあれば、ステップS107において、CPU20は、その機能アイコン521〜525の表示態様を変更する。表示態様の変更は、例えば、ユーザが表示画面501を見て把握できるように行われる。表示態様の変更の詳細については、後述する。
ステップS108において、CPU20は、原稿アイコン511についてドロップ操作(原稿アイコン511を離す操作)が行われたか否かを判断する。CPU20は、ドロップ操作が行われるまで、待機する。
ステップS108でドロップ操作が行われたことが検出されると、ステップS109において、CPU20は、ステップS107において表示態様を変更した機能アイコン521〜525に対応する機能により、原稿アイコン511に対応する原稿についての処理を実行させる。
このとき、CPU20は、原稿アイコン511に対応する原稿についての処理を、実行する機能に対応する機能アイコン521〜525についての初期モードで実行する。初期モードは、予め、その機能アイコン521〜525について設定された実行モードである。例えば、印刷機能に関しては、カラー印刷であるかモノクロ印刷であるかの別や、用紙サイズや、トナー濃度などの設定事項に関する設定値が、実行モードについて設定可能である。初期モードは、例えば、これらの設定事項について標準的な設定値が設定されている実行モードである。なお、初期モードは、適宜ユーザが変更可能なものであってもよい。
このようにして原稿アイコン511に対応する原稿について機能アイコン521〜525に対応する機能により処理が行われると、原稿アイコン511のドラッグ操作が行われてからの一連の動作が終了する。ドラッグ操作が継続して行われることによって、表示画面501において原稿アイコンが機能アイコンに近接する(例えば、表示画面501において原稿アイコン511が機能アイコン521〜525のいずれかに重なったり、互いの距離が極めて近くなったりする状態をいう。)よりも前に、この処理は行われることとなる。
図5は、原稿アイコン511のドラッグ操作について説明する第1の図である。
図5においては、原稿アイコンエリア510に原稿アイコン511のみが表示されている場合を仮定して示している。図5において、ユーザの手の形は、ユーザの操作位置(原稿アイコン511を押下してからの押下位置)を示している。
原稿アイコン511についてユーザがドラッグ操作した場合を想定する。このとき、ユーザの操作位置が変わるにつれて、原稿アイコン511の位置が移動する。例えば、ユーザが、操作位置530から操作位置531までドラッグ操作を行うと、原稿アイコン511は、原稿アイコン511aとして示される位置まで移動する。
ここで、操作位置530(位置X)から、所定の距離D1だけ離れた位置の操作位置531(位置Y)までユーザがドラッグ操作を行うと、CPU20により、ドラッグ操作の方向性が算出される。そして、CPU20は、ドラッグ操作の操作方向に、機能アイコン521〜525が位置するか否かを判定する。
図6は、原稿アイコン511のドラッグ操作について説明する第2の図である。
ドラッグ操作の操作方向に、機能アイコン521〜525が位置すると判定されると、当該機能アイコン521〜525の表示態様が変更される。例えば、図5に示される例においては、ユーザの操作方向に、印刷アイコン521が位置している。このとき、図6に示されるように、印刷アイコン521は、若干通常時よりも拡大された印刷アイコン521aとして表示される。これにより、その存在が強調されるようにして、印刷アイコン521aが表示される。
本実施の形態において、ドラッグ操作の操作方向に、機能アイコン521〜525が位置すると判定されると、CPU20は、原稿アイコン511と、当該機能アイコン521とを対応付ける線541を表示画面501に描画する。原稿アイコン511と印刷アイコン521とを対応付ける線541が表示画面501上に線541が表示される。線541は、ユーザの操作方向を示すものとなる。ユーザは、この線541を見て、ドラッグ操作の操作方向が、印刷アイコン521に向く方向であることを容易に確認できる。
線541は、例えば点線である。これに限られず、矢印や実線によって、操作方向や、原稿アイコン511と印刷アイコン521との対応付けが示されるようにしてもよい。
なお、ユーザの操作の方向性が算出されたとき、ユーザの操作方向に機能アイコン521〜525が位置するか否かにかかわらず、線541が表示されるようにしてもよい。ユーザは、この線541を見て、ドラッグ操作の操作方向がどのようであるか、容易に確認できる。
図7は、機能アイコン521〜525の表示態様の変更例について説明する図である。
なお、機能アイコン521〜525の表示態様の変更は、上述のようにそのアイコンを拡大表示することにより行われるものに限られない。例えば、図5に示されるようにユーザの操作方向に印刷アイコン521が位置しているとき、図7に示されるように、印刷アイコン521は、若干通常時よりも表示色が変更された印刷アイコン521bとして表示されるようにしてもよい。このような表示色を変更することによっても、印刷アイコン521bの存在が強調されるように表示できる。これにより、ドラッグ操作の操作方向に印刷アイコン521があることがユーザにより容易に認識される。
ユーザにより、例えば原稿アイコン511について操作方向に印刷アイコン521が位置するようにドラッグ操作を行われると、このように、原稿アイコン511に関連付いている印刷アイコン521の表示態様が変更されたり、線541が表示されたりする。ユーザは、これを表示画面501で確認すると、原稿アイコン511のドロップ操作を行う。ドロップ操作が行われると、そのとき原稿アイコン511に関連付いている印刷アイコン521の印刷機能が、原稿アイコン511に対応する原稿の情報について実行される。印刷機能は、印刷機能の初期モードで実行される。例えば印刷機能について、初期モードとして、両面印刷及びいわゆる2in1印刷を行うことが設定されている場合には、印刷ジョブの実行時において、原稿が、いわゆる2in1で、両面印刷される。
なお、ユーザは、表示画面上で所定の入力を行うことにより、所定の実行モード(印刷機能の実行モード、ファクシミリ機能の実行モード、…など)での機能の実行時に用いられる設定値を設定することができる。例えば、ユーザは、印刷機能について、初期モードとして両面印刷及び2in1印刷を行うことが設定されている場合において、初期モードとして片面印刷及び1枚の用紙に1ページの印刷を行うように、設定できる。
このように、第1の実施の形態においては、ユーザは、処理対象とする原稿アイコン511〜514について、所望の機能に対応する機能アイコン521〜525に向けてドラッグ操作を行い、ドロップ操作を行うことで、容易にその機能の初期モードで処理を実行させることができる(以下、このような操作方法を、短縮操作ということがある。)。原稿アイコン511〜514を機能アイコン521〜525に近接させる前に処理を実行させることができるので、ユーザによるドラッグ操作は短時間、短距離でよい。したがって、初期モードによる処理の実行を速やかに指示可能である。例えば、出力態様にこだわらない、初期モードで出力してよい原稿については、すばやく、容易な操作で、印刷ジョブを投入することができる。その結果、ユーザは、速やかに印刷物を得ることができる。
なお、原稿アイコン511〜514についてドラッグ操作が行われたとき、その移動方向にある機能アイコン521〜525(原稿アイコン511〜514に対応付けられている機能アイコン521〜525)について、表示態様の変更は行われなくてもよい。また、両者を結ぶような線541は、表示されなくてもよい。
また、原稿アイコン511〜514についてドラッグ操作が行われた結果、その操作された原稿アイコン511〜514が所定距離だけ移動した場合に、ドロップ操作が行われなくても、移動方向にある機能アイコン521〜525の機能で、初期モードによる処理が実行されるようにしてもよい。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。ユーザは、初期モードによる処理の実行方法も、第1の実施の形態における短縮操作と同様にして行うことができる。第2の実施の形態においては、初期モードによる処理の実行と詳細設定したうえでの処理の実行とを容易に区別して画像形成装置1に指示可能である点が第1の実施の形態と異なる。
第2の実施の形態に係る画像形成装置1では、原稿アイコン511〜514がドラッグ操作され、機能アイコン521〜525にドロップ操作されたとき、機能アイコン521〜525に対応する機能の詳細設定モードに動作モードが移行する。詳細設定モードでは、ドロップ操作がされた機能アイコン521〜525に対応する詳細設定画面が、表示画面501に表示される。ユーザは、詳細設定画面で、ドロップ操作された機能アイコン521〜525に対応する機能について詳細設定を行った上で、その機能を実行させることができる。
図8は、第2の実施の形態における画像形成装置1を用いた操作と表示画面501との関係の一例を説明する図である。
以下、一例として、原稿アイコン511に対応する原稿を詳細設定を行ったうえで印刷する場合について、ユーザが行う操作と画像形成装置1の動作とを説明する。
図8に示されるように、ユーザは、原稿アイコン511を押下操作し(操作位置530)、印刷アイコン521に向けてドラッグする(ドラッグ操作)。ここで、印刷アイコン521に向けてドラッグ操作が行われ、所定距離原稿アイコン511が移動すると、原稿アイコン511と印刷アイコン521とが関連付いていると判断される。その結果、第1の実施の形態と同様に、印刷アイコン521が拡大表示される(印刷アイコン521a)。このように印刷アイコン521の表示態様が変更された後に、印刷アイコン521とは離れた位置でドロップ操作が行われると、原稿について、初期モードでの印刷が実行されることになる(短縮操作による初期モードでの印刷実行。)。
ドロップ操作が行われずに操作が継続され、図8に示されるように原稿アイコン511が印刷アイコン521に重なるまで移動されると(図8において操作位置532、原稿アイコン511bとして示されている。)、ユーザは、ドロップ操作を行う。ユーザがドロップ操作を行うと、印刷機能に関する詳細設定画面が、表示パネル13に表示画面として表示される。すなわち、印刷機能の詳細設定モードに画像形成装置1の動作モードが移行する。
図9は、印刷機能に関する詳細設定画面の一例を示す図である。
図9に示されるように、印刷機能に関する詳細設定画面551には、5つの機能設定ボタン561〜565が設けられている。ユーザは、各機能設定ボタン561〜565を操作することで、そのボタンに対応する設定を行うことができる。原稿画質設定ボタン561は、印刷画質に関する設定を行うためのボタンである。カラー設定ボタン562は、印刷をカラーで行うかモノクロで行うかなどを設定するためのボタンである。濃度設定ボタン563は、印刷濃度を設定するためのボタンである。用紙設定ボタン564は、印刷する用紙の大きさや、厚みなどに関する設定を行うためのボタンである。倍率設定ボタン565は、小さい用紙に原稿を縮小して印刷するときや、大きい用紙に原稿を拡大して印刷するときなどに設定を行うためのボタンである。ユーザは、このような詳細設定画面551を経て、設定を行った後、所定の操作を行うことで、印刷を実行させることができる。
これらの処理は、例えば、CPU20が、制御プログラム27aを実行し、画像形成装置1の各部を制御することで実現される。以下、原稿アイコン511〜514のうち例えば原稿アイコン511がユーザにより操作された場合を想定して、そのとき行われる画像形成装置1の動作について説明する。
図10は、第2の実施の形態において原稿アイコン511の操作が行われたときに画像形成装置1で行われる動作の一例を説明する第1のフローチャートである。
図10において、ステップS201からステップS208までの処理は、第1の実施の形態のステップS101からステップS108までの処理と同様である。すなわち、CPU20は、原稿アイコン511についてドラッグ操作が行われると、その移動方向にある機能アイコン521〜525についての表示態様を変更する。そして、CPU20は、原稿アイコン511が離されたか否か(ドロップ操作が行われたか否か)について、判断する。
ステップS208で原稿アイコン511が離されると、ステップS209において、CPU20は、離された位置に機能アイコン521〜525が存在するか否かを判断する。
ステップS209において存在しない場合には(NO)、ステップS210において、CPU20は、初期モードで、操作方向に対応する機能アイコン521〜525の機能を実行する。
ステップS209において存在する場合には(YES)、ステップS211において、CPU20は、機能アイコン521〜525に対応する機能について設定するための詳細設定モードに動作モードを移行する。これにより、詳細設定画面が表示される。
図11は、第2の実施の形態において原稿アイコン511の操作が行われたときに画像形成装置1で行われる動作の一例を説明する第2のフローチャートである。
図10のステップS206では、原稿アイコン511の移動方向に機能アイコン521〜525があるか否かが判断される。機能アイコン521〜525がなければ、図11の処理に進む。
ステップS206で移動方向に機能アイコン521〜525がなければ、ステップS212の処理が行われる。すなわち、図11に示されるように、ステップS212において、CPU20は、原稿アイコン511がドロップ操作されたか否かを判断する。ドロップ操作された途判断されれば、ステップS213の処理に移る。
ステップS213において、CPU20は、原稿アイコン511が離された位置に、機能アイコン521〜525があるか否かを判断する。
ステップS213で機能アイコン521〜525があれば、ステップS214において、CPU20は、ステップS211と同様に、その機能アイコン521〜525に対応する機能について設定するための詳細設定モードに動作モードを移行する。
他方、ステップS213で機能アイコン521〜525がなければ、ステップS215において、CPU20は、ドラッグ処理をキャンセルする。すなわち、原稿アイコン511についての処理は実行されず、表示画面501の表示が操作前の状態に戻る。
第2の実施の形態において、印刷アイコン521とは異なる機能アイコン522〜525に原稿アイコン511がドロップ操作されたときには、それぞれの機能アイコン522〜525に応じて、例えば次のように詳細設定画面が表示される。
例えば、ファクシミリアイコン522にドロップ操作が行われると、ファクシミリ送信機能についての詳細設定画面として、ファクシミリ送信の送信先選択画面が表示される。送信先選択画面では、ファクシミリ送信の送信先を、予め登録されている送信先候補から選択することで指定したり、直接に番号入力を行って指定したりできる。なお、ファクシミリアイコン522について短縮操作が行われ、初期モードで処理が行われる場合にも、送信先選択画面が表示されるようにしてもよいし、所定の送信先に送信する処理が実行されるようにしてもよい。
また、例えばプログラムアイコン525にドロップ操作が行われると、登録プログラム機能についての詳細設定画面が表示される。画像形成装置1では、予め、ユーザにより選択された機能について、所望の設定値を関連付けたうえで登録されている(登録プログラム)。この詳細設定画面では、このような、予め特定の印刷設定や送信設定が行われた登録プログラムについての設定画面が表示される。ユーザは、詳細設定画面の登録プログラムを選択したり、設定値を用いて指定したり、直接に番号入力を行って指定したりできる。これにより、ユーザは、容易に、原稿について、その登録プログラムで設定された内容に基づいて機能を実行させることができる。
ここで、詳細設定画面は、プログラム登録された設定値が反映された状態で表示される。例えば、登録プログラムとして、両面印刷及びいわゆる4in1印刷を行うことが設定されているとき、詳細設定モードに動作モードが移行すると、4in1設定及び両面印刷設定が既に選択されている状態で、詳細設定画面が表示される。なお、プログラムアイコン525について、短縮操作が行われ、初期モードで処理が実行がされるときには、選択原稿に対して、両面印刷及び4in1印刷を行うように、ジョブが実行される。
図12は、原稿アイコン511が送信アイコン523にドロップ操作されるときの画像形成装置1の動作の一例を説明する図である。
図12に示されるように、原稿アイコン511が、送信アイコン523上までドラッグされた場合を想定する(図12において、原稿アイコン511c及び操作位置533で示されている。なお、図12では、機能アイコン521〜525に関する表示態様の変更は示されていない。)。この場合において、送信アイコン523にドロップ操作が行われると、情報送信機能についての詳細設定画面として、情報送信の送信先選択画面が表示される。ここで、情報送信機能では、例えば、FTP(File Transfer Protocol)や電子メールにより、原稿のデータが送信先に送信される。
図13は、情報送信機能に関する送信先選択画面の一例を示す図である。
図13に示されるように、情報送信機能に関する送信先選択画面553には、カラー設定ボタン572と、濃度設定ボタン573と、倍率設定ボタン574と、送信先選択ボタン575とが配置されている。機能設定ボタン572〜574は、印刷機能に関する詳細設定画面551における機能設定ボタン562,563,565と同様のはたらきをするものである。送信先選択ボタン575は、ここでは例えば4人のユーザについて送信先とする選択操作を受け付け可能に表示されている。各ユーザのボタンについては、そのユーザの連絡先情報(例えば、電子メールアドレスや、FTPサーバのアドレス及びアカウントなど)が関連付けられている。
ユーザは、このように表示された送信先選択画面553から、送信先とするユーザの選択操作を行う。あわせて、必要であれば、送信する原稿の情報についてのカラー、濃度、倍率などを設定する操作を、機能設定ボタン572〜574を利用して行うことができる。これにより、機能設定ボタン572〜574を通じて設定された状態で、原稿の情報が、選択されたユーザに送信される。
なお、原稿アイコン511について、送信アイコン523に向けた短縮操作が行われると、CPU20は、所定の送信先に、原稿アイコン511に対応する原稿の情報の送信を行う。例えば、個人ユーザが画像形成装置1にログインし、BOX内の原稿を送信する場合を想定する。この場合、初期モードでは、操作した個人ユーザの送信宛先に原稿を送信するジョブが実行される(Scan−to−me機能)。Scan−to−me機能は、予め、個人ユーザの情報の1つとして、そのユーザの電子メールアドレスを設定しておくことで、自分あてに原稿を送信する機能である。送信機能が初期モードで実行されると、選択された原稿が、自分の電子メールアドレスあてに送信される。これにより、速やかに情報送信を行うことができる。
図14は、原稿アイコン511がBOXアイコン524にドロップ操作されるときの画像形成装置1の動作の一例を説明する図である。
図14に示されるように、原稿アイコン511が、BOXアイコン524上までドラッグされた場合を想定する(図14において、原稿アイコン511d及び操作位置534で示されている。なお、図14では、機能アイコン521〜525に関する表示態様の変更は示されていない。)。この場合において、BOXアイコン524にドロップ操作が行われると、BOXへの情報記憶機能についての詳細設定画面として、記憶領域選択画面が表示される。ここで、情報記憶機能では、例えば、スキャンにより読み取られた画像等、種々の原稿が、あるBOXから、記憶先のBOXに記憶される。
図15は、BOXへの情報記憶機能に関する記憶領域選択画面の一例を示す図である。
図15に示されるように、情報記憶機能に関する記憶領域選択画面555には、例えば4つのBOX選択ボタン581〜584が配置されている。BOX選択ボタン581は、例えば「ボックス1」のBOXに対応する。BOX選択ボタン582は、例えば「ボックス2」のBOXに対応する。BOX選択ボタン583は、例えば「ボックス3」のBOXに対応する。BOX選択ボタン584は、例えば「ボックス4」のBOXに対応する。
ユーザは、このように表示された記憶領域選択画面555において、記憶先とするBOXの選択操作を行う。原稿の情報は、このようにして選択されたBOX選択ボタン581〜584に対応するBOXに、記憶される。
なお、原稿アイコン511について、BOXアイコン524に向けた短縮操作が行われると、CPU20は、所定の記憶領域に、原稿アイコン511に対応する原稿の情報の記憶を行う。例えば、操作したユーザのBOXに、原稿の情報が記憶される。これにより、速やかに情報記憶を行うことができる。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、短縮操作により初期モードで各機能を実行させられ、かつ、原稿アイコン511〜514をドラッグ操作した後、機能アイコン521〜525にドロップ操作することで、詳細設定画面を表示させて各機能を実行させることができる。したがって、直感的な操作で、様々な態様で機能を実行させることができる。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第2の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。ユーザは、初期モードによる処理の実行方法も、第2の実施の形態における短縮操作と同様にして行うことができる。第3の実施の形態においては、第2の実施の形態と同様に短縮操作が行われた後に、ドラッグ操作の方向が変化すると、その変化後のドラッグ操作の方向に応じて、機能アイコンとの対応付けが行われる。
第3の実施の形態に係る画像形成装置1では、CPU20は、原稿アイコン511〜514がドラッグ操作された後、ドラッグ操作の操作方向(原稿アイコン511〜514の移動方向)が変化すると、それを検出する。そして、その後、CPU20は、ドラッグ操作により原稿アイコン511〜514が所定距離だけ移動すると、移動後の原稿アイコン511〜514の位置を検出する。CPU20は、ドラッグ操作の操作方向が変わってからの操作方向を、原稿アイコン511〜514の操作方向が変化したときの位置(ここが基点となる。)と、移動後の位置とから算出する。そして、その算出した原稿アイコン511〜514の移動方向に機能アイコン521〜525があるか否かを判定する。機能アイコン521〜525があれば、その機能アイコン521〜525と原稿アイコン511〜514とを対応付ける。すなわち、その後原稿アイコン511〜514がドロップ操作がされたときには、対応付けられている機能アイコン521〜525の機能で、当該原稿アイコン511〜514の原稿についての処理が初期モードで実行される。
図16は、第3の実施の形態における画像形成装置1を用いた操作と表示画面501との関係の一例を説明する図である。
以下、一例として、原稿アイコン511に対応する原稿の情報について、初期モードでBOXに送信詳細設定を行う場合について、ユーザが行う操作と画像形成装置1の動作とを説明する。以下の説明では、原稿アイコン511のドラッグ操作が開始されてから、いったん印刷アイコン521に向けてドラッグ操作が行われ、その後、BOXアイコン524に向けて操作方向が変更された場合を想定する。
原稿アイコン511のドラッグ操作が印刷アイコン521に向けて開始されると(操作位置531から操作位置531)、印刷アイコン511の表示態様が変更される。そして、操作位置531からドラッグ操作の操作方向が変更され、操作位置531から所定距離だけ移動した位置(操作位置531a)までドラッグ操作が継続されると、操作位置531及び操作位置531aから特定される操作方向に、機能アイコン521〜525があるか否かが確認される。ここでは、ドラッグ操作はBOXアイコン524に向けて行われているところ、図16に示されるように、操作方向にはBOXアイコン524が存在する。そのため、原稿アイコン511aとBOXアイコン524とが対応付けられ、BOXアイコン524の表示態様は変更される(524a)。
このとき、表示画面501において、第1の実施の形態と同様に、操作位置531に対応する原稿アイコン511aとBOXアイコン524との間を結ぶように、線541aが表示される。これにより、原稿アイコン511とBOXアイコン524とが対応付けられていることを、ユーザが容易に把握できる。なお、線541aは表示されなくてもよい。
ここで、先に表示態様が変更された印刷アイコン521は、ドラッグ操作の操作方向が変更されたときに、表示態様が通常どおりのものに戻される。換言すると、ドラッグ操作の操作方向が変更され、操作方向に印刷アイコン521があるとはいえなくなったときに、原稿アイコン511と印刷アイコン521との対応付けは解除される。
このようにして原稿アイコン511がBOXアイコン524と対応付けられると、ユーザは、ドロップ操作を行うことで、原稿アイコン511に対応する原稿の情報について、初期モードで、BOXへの情報記憶機能を実行させることができる。
第3の実施の形態においては、ユーザは、ドラッグ操作を開始した後でも、最初からドラッグ操作をやり直すことなく、実行対象の機能を変更できる。したがって、画像形成装置1がより使いやすいものとなる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態における画像形成装置の基本的な構成は、第2の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。ユーザは、初期モードによる処理の実行方法も、第2の実施の形態における短縮操作と同様にして行うことができる。第4の実施の形態においては、原稿アイコンについてフリック操作が行われた場合においても、機能アイコンとの対応付けが行われる。
図17は、第4の実施の形態において原稿アイコンのフリック操作が行われた場合の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
図17に示されるように、ステップS301において、原稿アイコン511〜514についてユーザによるフリック操作が行われると、CPU20はそれを検知する。
ステップS302において、CPU20は、フリック操作の方向(フリック方向)を取得する。
ステップS303において、CPU20は、フリック方向に機能アイコン521〜525があるか否かを判断する。判断は、フリック方向と、機能アイコン521〜525のそれぞれの位置と、フリック操作が行われた原稿アイコン511〜514の位置とに応じて行われる。
ステップS303において機能アイコン521〜525がなければ、ステップS304において、CPU20は、フリック操作に対する処理を行わず、処理をキャンセルする。
他方、ステップS303において機能アイコン521〜525があれば、ステップS305において、CPU20は、機能アイコン521〜525の表示態様を変更する。すなわち、機能アイコン521〜525と原稿アイコン511〜514とを対応付ける。
ステップS306において、CPU20は、該当する機能アイコン511〜514に対応する機能で、フリック操作が行われた原稿アイコン511〜514の原稿についての処理を実行する。処理は、その機能の初期モードで行われる。
図18は、第4の実施の形態における画像形成装置1を用いた操作と表示画面501との関係の一例を説明する図である。
以下、一例として、原稿アイコン511に対応する原稿について、初期モードで印刷機能を実行させる場合について、ユーザが行う操作と画像形成装置1の動作とを説明する。
図18に示されるように、ユーザは、原稿アイコン511について、アイコン画像に指で触れた後、その指をはじくようにして、フリック操作を行う。図18において、フリック操作の方向は、矢印F1で示されている。フリック操作が、印刷アイコン521に向けて行われると、CPU20は、印刷アイコン521と原稿アイコン511とを対応付ける。これにより、原稿アイコン511に対応する原稿について、初期モードで、印刷する処理が実行される。
他の機能アイコン522〜525に向けてフリック操作が行われたときの動作も、これと同様である。すなわち、原稿アイコン511に対応付けられた機能アイコン522〜525が次のそれぞれである場合において、実行される処理は、例えば、次のようである。
ファクシミリアイコン522の場合、例えば、宛先選択画面が表示される。なお、原稿アイコン511のファクシミリアイコン522へのドロップ操作が行われた場合にも、第2の実施の形態と同様に、宛先選択画面が表示される。
送信アイコン523の場合、Scan−to−me機能により原稿が送信される。なお、原稿アイコン511の送信アイコン523へのドロップ操作が行われた場合には、第2の実施の形態と同様に、原稿設定も行うことができる送信先選択画面553が表示されればよい。
BOXアイコン524の場合、フリック操作を行ったユーザの個人BOXに原稿が移動(記憶)される。なお、原稿アイコン511のBOXアイコン524へのドロップ操作が行われた場合には、第2の実施の形態と同様に、移動先BOXの選択画面(記憶領域選択画面555)が表示される。
プログラムアイコン525の場合、プログラム登録された設定にてジョブが実行される。なお、プログラムアイコン525にドロップ操作が行われると、第2の実施の形態と同様に、プログラム登録された設定値が反映された状態で、登録プログラム機能についての詳細設定画面(印刷設定画面など))が表示される。
なお、第4の実施の形態において、原稿アイコン511〜514を機能アイコン521〜525に対応付けるようにするフリック操作が行われたとき、対応付けられる機能アイコン521〜525の表示態様が変更される。これにより、ユーザは、どの機能アイコン521〜525について実行させる操作を行うことができたか、容易に知ることができる。なお、このようにして機能アイコン521〜525についての表示態様を変更してから、実際にその機能アイコン521〜525に対応する処理が実行されるまでに、所定時間の猶予期間を設けるようにし、ユーザのキャンセル操作を受け付けられるようにしてもよい。
このように、第4の実施の形態においては、ユーザは、原稿アイコン511〜514についてフリック操作を行うだけで、それに対応する原稿についての処理を実行させることができる。したがって、より直感的に、すばやく、画像形成装置1に処理を実行させることができるようになる。
[その他]
上述の各実施の形態に記載のそれぞれの特徴が適宜組み合わされて、画像形成装置が構成されていてもよい。また、例えば第4の実施の形態において、第1の実施の形態のようなドラッグ操作時の動作は行われず、フリック操作が行われたときにのみ、初期モードでの処理が実行されるようにしてもよい。
操作された原稿アイコンと対応付けられた機能アイコンについて、表示態様の変更は、ユーザにその機能アイコンを実行可能であることを示せるような態様のものであれば、どのような方法を用いてもよい。
CPUは、原稿アイコンと機能アイコンとが対応付けられ、機能アイコンの表示態様が変更された後で、フリック操作が行われたときに、当該機能アイコンに対応する処理を初期モードで行うようにしてもよい。
原稿アイコンと対応付けられた機能アイコンについて、表示態様の変更は行われなくてもよい。この場合、例えば短縮操作が行われた後、ドロップ操作が行われたりフリック操作が行われたりした場合に、初期モードでの動作が実行されるようにすればよい。
上述の各実施の形態について、CPUは、ドラッグ操作、ドロップ操作やフリック操作が行われた原稿アイコンを、それと対応付けられた機能アイコンまで移動させるアニメーション表示を行うようにしてもよい。例えば、アニメーション表示は、機能アイコンの表示態様を変更するときに行われるようにして、原稿アイコンと機能アイコンとが対応付けられていることをユーザが容易に把握できるようにしてもよい。また、例えば、アニメーション表示は、処理が実行されるときに行われ、これから画像形成装置で行われる処理についてユーザが容易に把握できるようにしてもよい。
ドラッグ操作が行われてから所定距離だけ移動した後の位置でなくても、ドラッグ操作が行われてから所定時間だけ移動した後の位置を用いて、ドラッグ操作の移動方向(操作方向)を算出するようにしてもよい。また、ドラッグ操作の方向性を判断するときの閾値となる所定距離や所定時間は、画像形成装置を操作するすべてのユーザにおいて一律に設定されていてもよいし、操作するユーザ毎に(例えば管理者と一般ユーザなどを区別して)設定されていてもよい。
表示画面に表示される機能アイコンは、上述に限られない。画像形成装置1が有する機能に応じて、適当なものが表示されるようにしてもよい。
また、原稿アイコンに替えて、又は原稿アイコンと共に、例えば原稿読取部を示すアイコンなど、これから画像形成装置1において生成される情報についてのアイコンが表示されるようにしてもよい。例えば、原稿読取部を示すアイコンについて、送信アイコンに対応付けるようにする短縮操作が行われることで、画像読取部にセットされた原稿が初期モードで読み込まれ、生成された情報が、初期モードで情報送信される用に構成されていてもよい。
画像形成装置の表示パネルは、タッチパネルでなくてもよい。この場合であっても、ユーザは、画像形成装置に接続されたポインティングデバイスを用いて、例えば表示画面中に表示されるカーソルアイコンを移動させながらドラッグ操作等を行うことで、上記動作を実行させることができる。
画像形成装置は、画像形成装置と通信可能な外部端末を用いて遠隔操作可能であってもよい。例えば、外部端末の表示パネルにおいて、画像形成装置の表示パネルと同等の表示が行われ、外部端末において、画像形成装置の表示パネルについて行われる操作と同等の操作が受け付けられるようにしてもよい。
画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。