JP2016105575A - 制御装置、電子機器および制御方法 - Google Patents

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健一 宮麻
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Abstract

【課題】プラグインユニットの接続状況に応じて、信号の伝送速度を適正化すること。【解決手段】制御装置110は、マザーボードとプラグインユニットを制御する。マザーボードは、共通の信号線104を介して複数のプラグインユニットと接続可能である。プラグインユニットは、マザーボードから受信した信号のレベル判定を行う。取得部111は、共通の信号線104を介してマザーボードに接続されているプラグインユニットがマザーボードから受信した信号のレベルが、マザーボードが送信する信号のレベルの切り替わりにより不定となる不定期間の長さの測定結果を取得する。第1制御部112は、プラグインユニットがマザーボードから受信した信号のレベル変化時にプラグインユニットがレベル判定の結果を一定にする保護時間の長さを、測定結果に基づいて制御する。第2制御部113は、測定結果に基づいて、マザーボードからの送信信号の速度を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置、電子機器および制御方法に関する。
従来、伝送装置では、複数のプラグインユニットと、当該プラグインユニットを制御するマザーボードとが、例えばバス配線等、複数のプラグインユニットで共通に使用される共用信号線を介して接続される。前記共用信号線は、マザーボード内で分岐されて複数のプラグインユニットと接続される。
このような共用信号線に発生するノイズに関して、生成したマスクパルスがアクティブの間に、同期分離部の出力に含まれる所定レベル以上のノイズの発生回数を計測する方法が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、生成した遅延パルスをトリガとして所定時間幅に設定されたマスクパルスを生成することにより、測定したジッタ中のトラックジャンプ位置のノイズを抑圧する装置が提案されている(例えば、下記特許文献2参照。)。
また、光ディスク記録媒体に関するトラッキングエラー信号生成回路において、信号成分であってもノイズ成分に埋もれてしまう可能性が高い部分については2値化を行わないようにする装置が提案されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
特開平7−162898号公報 特開2007−115355号公報 特開2006−053968号公報
上記のような構成において、共用信号線における反射ノイズは、搭載されるプラグインユニットの状況(接続数や接続箇所)に応じて変動する。その結果、搭載されるプラグインユニットの接続状況に応じて、信号のレベルが安定せず論理が確定しない不定期間の長さが変化する。そのため、伝送装置では、不定期間が最も長くなるワーストケースを想定し、ワーストケースにおける不定期間に合わせた制御が行われている。したがって、共用信号線に伝送される信号の伝送速度が、プラグインユニットがどのような接続状況であっても、一律に低く抑えられてしまう、という問題がある。
1つの側面では、本発明は、共用信号線に伝送される信号の伝送速度を、プラグインユニットの接続状況に合わせて適正化することを目的とする。
本発明の一側面によれば、複数の通信装置と接続可能な共用信号線を有する第1通信装置と、前記共用信号線に接続されるとともに前記共用信号線を介して受信した信号の論理レベルの判定を行う第2通信装置と、を制御し、前記第2通信装置から、前記信号のレベルが不定となる不定期間の長さを取得し、受信した前記信号の論理レベルを変化させずに維持する保護期間の長さを前記不定期間の長さに基づいて制御し、前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する、制御装置、電子機器および制御方法が提案される。
本発明の一態様によれば、共用信号線に伝送される信号の伝送速度を、プラグインユニットの接続状況に合わせて適正化することができる。
図1は、実施の形態1にかかる伝送装置の構成の一例を示す図である。 図2は、実施の形態2にかかる伝送装置の装置構成の一例を示す図である。 図3は、実施の形態2にかかる伝送装置の回路構成の一例を示す図である。 図4は、動作モード設定回路における動作モードの状態遷移の一例を示す図である。 図5は、実施の形態2の送信端回路が送信する信号の波形および受信端回路が受信する信号の波形の一例を示す図である。 図6は、サンプリング回路および連続一致保護回路のハードウェア構成の一例を示す図である。 図7は、不定領域測定回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、受信端回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。 図9は、実施の形態2にかかるクロック生成回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図10は、受信端回路が切断された場合の反射ノイズの一例を示す図である。 図11は、受信端回路が接続された場合の反射ノイズの一例を示す図である。 図12は、実施の形態2の信号波形および従来の信号波形の比較例を示す図である。 図13は、入力信号の不定期間を特定する動作の変形例1を示すフローチャートである。 図14は、入力信号の不定期間を特定する動作の変形例2を示すフローチャートである。 図15は、実施の形態3にかかる伝送装置の回路構成の一例を示す図である。 図16は、実施の形態3の送信端回路が送信する信号の波形および受信端回路が受信する信号の波形の一例を示す図である。 図17は、サンプリング回路、ラッチ回路およびマスクパルス生成回路のハードウェア構成の一例を示す図である。 図18は、実施の形態3にかかるクロック生成回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図19は、実施の形態3の信号波形および従来の信号波形の比較例を示す図である。 図20は、実施の形態4にかかる伝送装置の回路構成の一例を示す図である。 図21は、実施の形態5にかかる伝送装置の一例を示す図である。 図22は、実施の形態5にかかる伝送装置の装置構成の一例を示す図である。 図23は、実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成の一例を示す図である。 図24は、実施の形態5にかかる送信端回路ごとの不定期間の測定結果の一例を示す図である。 図25は、実施の形態5にかかる送信端回路ごとの伝送速度の計算結果の一例を示す図である。 図26は、実施の形態5にかかる動作モード設定回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図27は、実施の形態5にかかる測定結果記憶回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図28は、実施の形態5にかかる測定結果選択回路の一例を示す図である。 図29は、実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成の他の一例を示す図である。 図30は、実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成のさらに他の一例を示す図である。 図31は、実施の形態5にかかる測定結果選択記憶回路の動作の一例を示すフローチャートである。
以下に図面を参照して、開示技術の好適な実施の形態1〜5を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる伝送装置の構成の一例)
図1は、実施の形態1にかかる伝送装置の構成の一例を示す図である。伝送装置100は、第1通信装置101と、第2通信装置102と、制御装置110と、を有する電子機器である。
第1通信装置101には、複数の通信装置を共通の信号線104を介して接続可能である。共通の信号線104は、第1通信装置101や第2通信装置102との境界面において反射ノイズが生じる信号線であり、一例としてはバス接続における信号線である。第1通信装置101は、一例としてはマザーボードである。図1に示す例では、第1通信装置101には、第2通信装置102が接続されている。第1通信装置101は、第2通信装置102に信号を送信する。
第2通信装置102は、一例としては、共通の信号線104を介して第1通信装置101に接続されているプラグインユニットである。第2通信装置102は、第1通信装置101から受信した信号のレベル判定を行うことにより、第1通信装置101からの信号を復調する。レベル判定は、例えば信号のレベルがH(High)レベルおよびL(Low)レベルのいずれであるかの判定である。
ここで、共通の信号線104において、特性インピーダンスが異なる第1通信装置101や第2通信装置102との間の境界面では反射ノイズが発生する。反射ノイズが発生すると、第1通信装置101が送信した信号の立ち上がりや立ち下がりなどのレベルが変化する際に、信号の擾乱が生じ、第2通信装置102において信号のレベルが不定となる不定期間が生じる。
信号のレベルが不定となる不定期間は、例えば、第1通信装置101が一定レベルの信号を送信しているにもかかわらず、第2通信装置102が受信した信号のレベルが一定にならない期間である。例えば、第1通信装置101に対する通信装置の抜き差しにより第1通信装置101に接続される通信装置の数や配置などが変化することによって、バス接続の状態が変化する。このバス接続の状態が変化すると、共通の信号線104における反射ノイズが変化し、これにより、第2通信装置102における不定期間が変化する。
これに対して、第2通信装置102は、第2通信装置102が第1通信装置101から受信した信号のレベルの変化時に第2通信装置102がレベル判定の結果を一定にする期間を設定する。以下において、第2通信装置102がレベル判定の結果を一定にする期間を「保護時間」という。例えば、保護時間においては、第2通信装置102は、第1通信装置101から受信した信号のレベルにかかわらず、第1通信装置101から受信した信号のレベルの判定結果として一定のレベルを示す判定結果を出力する。
制御装置110は、第1通信装置101と第2通信装置102とを制御する制御装置である。制御装置110は、例えば、第1通信装置101および第2通信装置102のいずれかに設けられる。または、制御装置110は、第1通信装置101および第2通信装置102とは異なる装置であってもよい。図1に示す例では、制御装置110は、第1通信装置101および第2通信装置102とは異なる装置である。
制御装置110は、取得部111と、第1制御部112と、第2制御部113と、を有する。取得部111は、共通の信号線104を介して第1通信装置101に接続された通信装置のうちの所定の通信装置102aにおける不定期間の長さの測定結果を取得する。図1に示す例では、所定の通信装置102aは、第2通信装置102である。ただし、所定の通信装置102aは、第2通信装置102と異なる通信装置であってもよい。
例えば、取得部111は、制御装置110が所定の通信装置102aと異なる通信装置である場合、所定の通信装置102aから、所定の通信装置102aにおいて得られた測定結果を受信することにより、測定結果を取得する。測定結果の受信は、共通の信号線104を用いてもよいし、共通の信号線104とは異なる信号線を用いてもよい。また、取得部111は、制御装置110が所定の通信装置102aに設けられている場合、自装置である所定の通信装置102aから測定結果を取得する。
また、例えば、取得部111は、所定の通信装置102aを宛先として第1通信装置101が送信する信号のレベルの切り替わりによる不定期間の長さの測定結果を取得する。また、取得部111は、共通の信号線104を介して第1通信装置101に接続されている他の通信装置を宛先として第1通信装置101が送信する信号のレベルの切り替わりによる所定の通信装置102aにおける不定期間の長さの測定結果を取得してもよい。上述した第1通信装置101が送信する信号は、例えば、データ信号であってもよいし、測定用の信号であってもよい。
第1制御部112は、取得部111によって取得された測定結果に基づいて第2通信装置102の保護時間の長さを制御する。例えば、第1制御部112は、取得部111によって取得された測定結果が示す不定期間の長さが短いほど、保護時間の長さを短くする。
例えば、第1制御部112は、制御装置110が第2通信装置102と異なる通信装置である場合、第2通信装置102へ制御信号を送信することにより第2通信装置102の保護時間の長さを制御する。制御信号は、例えば保護時間の調整量を含み該調整量により保護時間の調整を指示する信号である。または、制御信号は、測定結果を含み測定結果に応じた保護時間の調整を指示する信号でもよい。制御信号の送信は、共通の信号線104を用いてもよいし、共通の信号線104とは異なる信号線を用いてもよい。
第2制御部113は、取得部111によって取得された測定結果に基づいて、第1通信装置101が第2通信装置102へ送信する信号の速度を制御する。また、例えば、第2制御部113は、取得部111によって取得された測定結果が示す不定期間の長さが短いほど、第1通信装置101が第2通信装置102へ送信する信号を高速にする。
例えば、第1通信装置101がクロック信号の周波数に応じた速度のデータ信号を送信する場合には、第2制御部113は、クロック信号の周波数を調整することによって第1通信装置101が第2通信装置102へ送信する信号の速度を制御できる。
例えば、第2制御部113は、制御装置110が第1通信装置101と異なる通信装置である場合、第1通信装置101へ制御信号を送信することにより第1通信装置101のクロック信号の速度を制御する。制御信号は、例えばクロック信号の調整量を含み該調整量によりクロック信号の調整を指示する信号である。または、制御信号は、測定結果を含み測定結果に応じたクロック信号の調整を指示する信号でもよい。制御信号の送信は、共通の信号線104を用いてもよいし、共通の信号線104とは異なる信号線を用いてもよい。
このように、実施の形態1にかかる制御装置110は、不定期間の測定結果を取得し、取得した不定期間の測定結果に応じて、第2通信装置102における保護時間と第1通信装置101における信号の送信速度とを制御する。これにより、第1通信装置101に対して共通の信号線104を介して接続された通信装置の数や配置などにより変化する不定期間に応じた保護時間を第2通信装置102に設定することができる。
したがって、例えば最長の期間を想定して保護時間を予め長く設定する構成に比べて、保護時間を短く設定し、設定した短い保護時間に合わせて第1通信装置101からの信号を高速にすることができる。このため、伝送速度の向上を図ることができる。
(測定結果の取得および各制御のタイミングについて)
次に、測定結果の取得および各制御のタイミングについて説明する。取得部111は、例えば、第1通信装置101への通信装置の接続があった場合に、通信装置の接続の後の測定結果を取得する。例えば、取得部111は、第1通信装置101への通信装置の接続を検出すると、通信装置の接続の後における不定期間の測定結果を取得する。
また、取得部111は、第1通信装置101からの通信装置の切断があった場合に、通信装置の切断の後の測定結果を取得してもよい。例えば、取得部111は、第1通信装置101からの通信装置の切断を検出すると、通信装置の切断の後における不定期間の測定結果を取得する。この場合、第2通信装置102および所定の通信装置102aは、第1通信装置101から切断された通信装置と異なる通信装置である。
これにより、第1通信装置101に対して共通の信号線104を介して接続された通信装置の数や配置などが変化した場合に、変化後の不定期間の測定結果を迅速に取得することができる。このため、第1通信装置101に対して共通の信号線104を介して接続された通信装置の数や配置などが変化した場合に、変化後の不定期間に応じた保護時間と信号の送信速度とを迅速に設定することができる。これにより、例えば、不定期間が長くなった場合に保護時間の長さが不足して誤判定が生じることを回避できる。また、不定期間が短くなった場合に信号の伝送速度を向上させることができる。
ただし、測定結果の取得および各制御のタイミングはこれに限らない。例えば、取得部111は、第1通信装置101への通信装置の接続や切断があってから所定期間が経過した場合に、測定結果を取得してもよい。または、取得部111は、測定結果の取得を指示するユーザからの操作があった場合に測定結果を取得してもよい。
(不定期間について)
次に、不定期間について説明する。取得部111は、例えば、第1通信装置101が送信する信号の立ち上がりによる不定期間の長さの測定結果と、第1通信装置101が送信する信号の立ち下がりによる不定期間の長さの測定結果と、を取得する。
この場合、第1制御部112は、第1通信装置101が送信する信号の立ち上がりによる不定期間の長さの測定結果に基づいて、第2通信装置102が受信する信号の立ち上がりにおける保護時間の長さを制御する。また、第1制御部112は、第1通信装置101が送信する信号の立ち下がりによる不定期間の長さの測定結果に基づいて、第2通信装置102が受信する信号の立ち下がりにおける保護時間の長さを制御する。
また、例えば、第2制御部113は、第1通信装置101が送信する信号の立ち上がりによる不定期間の長さの測定結果に基づいて、第1通信装置101が第2通信装置102へ送信する信号に用いられるクロック信号のHレベルの期間を制御する。また、第2制御部113は、第1通信装置101が送信する信号の立ち下がりによる不定期間の長さの測定結果に基づいて、第1通信装置101が第2通信装置102へ送信する信号に用いられるクロック信号のLレベルの期間を制御する。
ただし、取得部111は、第1通信装置101が送信する信号の立ち上がりによる不定期間の長さの測定結果と、第1通信装置101が送信する信号の立ち下がりによる不定期間の長さの測定結果と、のうちのいずれか一方の測定結果を取得してもよい。
この場合、第1制御部112は、取得部111によって取得された一方の測定結果に基づいて、第2通信装置102が受信する信号の立ち上がりおよび立ち下がりにおける保護時間の長さを制御する。また、第2制御部113は、取得部111によって取得された一方の測定結果に基づいて、第1通信装置101が第2通信装置102へ送信する信号の速度を制御する。
(第2通信装置102が連続一致保護回路を用いてレベル判定を行う場合について)
次に、第2通信装置102が連続一致保護回路を用いてレベル判定を行う場合について説明する。連続一致保護回路を有する第2通信装置102は、第2通信装置102が受信した信号のレベルが第1レベルから第2レベルに変化してから、当該信号のレベルが所定期間の間連続して第2レベルとなるまでレベル判定の結果を第1レベルにする。第1レベルと第2レベルとは異なるレベルである。例えば、第1レベルがHレベルであれば、第2レベルはLレベルである。また、第1レベルがLレベルであれば、第2レベルはHレベルである。
この場合における保護時間は、例えば、連続一致保護時間である。例えば、第2通信装置102は、第2通信装置102が受信した信号のレベルが第1レベルから第2レベルに変化してから所定期間の間連続して第2レベルとなるまで、受信した信号のレベルにかかわらずレベル判定の結果を第1レベルにする。
そして、第2通信装置102は、所定期間の経過後には、第2通信装置102が受信した信号のレベルに応じたレベル判定を行う。例えば、第2通信装置102は、所定期間の経過後には、第2通信装置102が受信した信号のレベルが第1レベルであれば第1レベルであると判定する。また、第2通信装置102は、所定期間の経過後には、第2通信装置102が受信した信号のレベルが第2レベルであれば第2レベルであると判定する。第1制御部112は、取得部111によって取得された測定結果に基づいて、所定期間の長さを制御することにより保護時間を制御する。
(第2通信装置102がマスク保護回路を用いてレベル判定を行う場合について)
次に、第2通信装置102がマスク保護回路を用いてレベル判定を行う場合について説明する。マスク保護回路を有する第2通信装置102は、第2通信装置102が受信した信号のレベルが第1レベルから第2レベルに変化してから所定期間が経過するまでレベル判定の結果を第2レベルにする。
この場合における保護時間は、例えばマスク保護時間である。第2通信装置102は、第2通信装置102が受信した信号のレベルが第1レベルから第2レベルに変化してから所定期間が経過するまでは、受信した信号のレベルにかかわらずレベル判定の結果を第2レベルにする。
そして、第2通信装置102は、所定期間の経過後には、第2通信装置102が受信した信号のレベルに応じたレベル判定を行う。例えば、第2通信装置102は、所定期間の経過後には、第2通信装置102が受信した信号のレベルが第1レベルであれば第1レベルであると判定する。また、第2通信装置102は、所定期間の経過後には、第2通信装置102が受信した信号のレベルが第2レベルであれば第2レベルであると判定する。第1制御部112は、取得部111によって取得された測定結果に基づいて、所定期間の長さを制御することにより保護時間を制御する。
(取得部111が取得する測定結果について)
次に、取得部111が取得する測定結果について説明する。取得部111は、例えば、一つの所定の通信装置102aにおける、不定期間の長さの複数回の測定の結果を示す測定結果を取得する。この場合、第1制御部112は、例えば、取得部111によって取得された測定結果が示す不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて、第2通信装置102における保護時間の長さを制御する。
また、第2制御部113は、例えば、取得部111によって取得された測定結果が示す不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて、第1通信装置101が第2通信装置102へ送信する信号の速度を制御する。これにより、最も長い不定期間の長さに応じた保護時間および信号の速度にすることができる。このため、信号レベルの誤判定をより抑えつつ、伝送速度を向上させることができ、通信品質を向上させることができる。
また、共通の信号線104上における第1通信装置101からの伝送距離が最も小さい通信装置は、反射ノイズの影響を最も受けやすく、信号の擾乱が生じる期間が長くなりやすいため、不定期間が長くなる。そのため、例えば、所定の通信装置102aは、第1通信装置101に接続されている複数の通信装置のうちの共通の信号線104上における第1通信装置101からの伝送距離が最も小さい通信装置としてもよい。これにより、最も長い不定期間の長さに応じた保護時間および信号の速度にすることができる。このため、信号レベルの誤判定をより抑えつつ、伝送速度を向上させることができ、通信品質を向上させることができる。
また、所定の通信装置102aが第1通信装置101に接続されている複数の通信装置である場合、取得部111は、所定の通信装置102aのそれぞれについて不定期間の長さの測定結果を取得してもよい。この場合、第1制御部112は、例えば、取得部111によって取得された測定結果が示す不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて、第2通信装置102における保護時間の長さを制御する。
また、第2制御部113は、例えば、取得部111によって取得された測定結果が示す不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて、第1通信装置101が第2通信装置102へ送信する信号の速度を制御する。これにより、最も長い不定期間の長さに応じた保護時間および信号の速度にすることができる。このため、信号レベルの誤判定をより抑えつつ、伝送速度を向上させることができ、通信品質を向上させることができる。
(実施の形態2)
次に、伝送装置100(電子機器)の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、連続一致保護回路304を用いて連続一致保護時間を設定する場合について、詳細に説明する。また、実施の形態2においては、実施の形態1に示した第1通信装置101をマザーボードの送信端回路によって実現し、実施の形態1に示した第2通信装置102をプラグインユニットの受信端回路によって実現する場合について説明する。また、実施の形態2においては、実施の形態1に示した所定の通信装置102aおよび制御装置110をプラグインユニットの受信端回路によって実現する場合について説明する。
(実施の形態2にかかる伝送装置の装置構成の一例)
図2は、実施の形態2にかかる伝送装置の装置構成の一例を示す図である。図2に示すように、伝送装置100は、マザーボード210と、複数のプラグインユニット220(220a〜220j)と、を有する。マザーボード210は、送信端回路211と、伝送路212と、複数のコネクタ213(213a〜213j)と、を有する。
送信端回路211は、送信信号を生成し、生成した送信信号を各プラグインユニット220に送信する回路である。伝送路212は、送信端回路211と、各プラグインユニット220とを接続し、相互間で信号を伝送するバスである。
伝送路212は、共通の信号線212aと、個別の信号線212bと、を有する。共通の信号線212aは、例えば、送信端回路211からプラグインユニット220の受信端回路221(221a〜221j)へデータ信号を送る信号線である。図1に示した共通の信号線104は、共通の信号線212aによって実現することができる。
個別の信号線212bは、各プラグインユニット220に割り当てられる。個別の信号線212bは、例えば、共通の信号線212aを介して送信端回路211から送信されたデータ信号のレベルが各受信端回路221において不定となる不定期間の測定結果を、各受信端回路221から送信端回路211へ送る信号線である。図2において、個別の信号線212bは、各プラグインユニット220に割り当てられるが、各プラグインユニット220に共通としてもよい。
コネクタ213(213a〜213j)は、マザーボード210上に、例えば10個配置されている。コネクタ213は、それぞれプラグインユニット220のコネクタ222(222a〜222j)と接続可能な接続部である。
プラグインユニット220は、受信端回路221と、コネクタ222と、を有する。受信端回路221は、マザーボード210からの信号を受信する回路である。コネクタ222は、マザーボード210のコネクタ213と接続可能な接続部である。
プラグインユニット220は、マザーボード210に対して、着脱自在である。例えば、プラグインユニット220は、伝送装置100の運用中に、マザーボード210に接続されたり、マザーボード210と切断されたりする。例えば、プラグインユニット220は、マザーボード210に対して最大で10個接続される。プラグインユニット220は、例えば、光モジュールによって実現することができる。
(実施の形態2にかかる伝送装置の回路構成の一例)
図3は、実施の形態2にかかる伝送装置の回路構成の一例を示す図である。図3に示すように、プラグインユニット220の受信端回路221は、サンプリング回路301と、動作モード設定回路302と、不定領域測定回路303と、連続一致保護回路304と、を有する。マザーボード210の送信端回路211は、クロック生成回路311と、出力信号生成回路312と、を有する。
サンプリング回路301は、送信端回路211の送信端Aから出力された信号をサンプリングして、サンプリング後の入力信号を連続一致保護回路304および不定領域測定回路303へ出力する。
動作モード設定回路302は、「不定領域測定中」または「不定領域非測定中」のいずれか一方の動作モードをとる。動作モード設定回路302は、例えばプラグインユニット220が装着または離脱されたことを示す増減通知等の測定開始通知を受信すると、「不定領域非測定中」から「不定領域測定中」の動作モードに遷移する。動作モード設定回路302は、例えば、「不定領域非測定中」から「不定領域測定中」の動作モードに遷移すると、動作モードを示す動作モード信号を不定領域測定回路303へ出力する。
不定領域測定回路303は、動作モード設定回路302から出力された動作モード信号が示す動作モードが「不定領域測定中」である場合、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号を用いて、入力信号の不定期間Tr,Tfを測定する。
ここで、各受信端回路221の受信端Bでは、送信端回路211および受信端回路221の、特性インピーダンスが異なる2つの異なる部品間の境界面において反射ノイズが発生する。各受信端回路221の受信端Bにおいて発生する反射ノイズは、複合波となり複雑に擾乱する。例えば、信号値の変化時に、反射ノイズによって擾乱が生じる期間では、信号のレベルが不定となる。このため、擾乱が生じる期間によって入力信号の不定期間Trおよび入力信号の不定期間Tfの各期間が変わる。
入力信号の不定期間Trは、受信した信号の立ち上がりにおいて信号のレベルが不定となる期間である。入力信号の不定期間Tfは、受信した信号の立ち下がりにおいて信号のレベルが不定となる期間である。Hレベル保護時間は、例えば入力信号の不定期間Trと同等の期間である。Lレベル保護時間は、例えば入力信号の不定期間Tfと同等の期間である。
不定領域測定回路303は、入力信号の不定期間Tr,Tfの測定が完了すると、動作モード設定回路302に測定完了通知を送信する。動作モード設定回路302は、不定領域測定回路303から測定完了通知を受信すると、「不定領域測定中」の動作モードから「不定領域非測定中」の動作モードに遷移する。また、不定領域測定回路303は、入力信号の不定期間Tr,Tfの測定が完了すると、クロック生成回路311および連続一致保護回路304に測定結果を送信する。
連続一致保護回路304には、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号と、不定領域測定回路303から出力された入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果と、が入力される。連続一致保護回路304は、不定領域測定回路303から出力された測定結果を用いて、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号の連続一致保護を行って、連続一致保護後の信号を後段の信号処理回路へ出力する。
連続一致保護回路304は、不定領域測定回路303によって測定された入力信号の不定期間Trおよび入力信号の不定期間Tfを用いて、Hレベルの連続一致保護時間およびLレベルの連続一致保護時間を設定する。以下において、Hレベルの連続一致保護時間を「Hレベル保護時間」と称する。また、Lレベルの連続一致保護時間を「Lレベル保護時間」と称する。
連続一致保護回路304は、Hレベル保護時間の経過前に信号を受信した場合にLレベルを出力し、Hレベル保護時間の経過後にHレベルの信号を受信した場合にHレベルを出力する。また、連続一致保護回路304は、Lレベル保護時間の経過前に信号を受信した場合にHレベルを出力し、Lレベル保護時間の経過後にLレベルの信号を受信した場合にLレベルを出力する。連続一致保護回路304は、連続一致保護後の信号を後段の信号処理回路へ出力する。
連続一致保護回路304は、不定領域測定回路303から入力信号の不定期間Trの測定結果を受信すると、受信した測定結果を用いて、Hレベル保護時間を制御する。連続一致保護回路304は、不定領域測定回路303から入力信号の不定期間Tfの測定結果を受信すると、受信した測定結果を用いて、Lレベル保護時間を制御する。
このような連続一致保護回路304により、信号の擾乱が生じる入力信号の不定期間Tr,Tfにおける信号レベルの判定において、レベルを切り替えないようにすることができる。このため、信号レベルの誤判定を抑えることができ、受信端回路221の誤動作を抑えることができる。
また、クロック生成回路311は、不定領域測定回路303から入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果を受信すると、受信した測定結果を用いて、クロックの速度を制御する。クロック生成回路311は、測定結果を用いて制御した速度のクロックを生成し、生成したクロックを出力信号生成回路312に送信する。
出力信号生成回路312は、クロック生成回路311によって生成されたクロックを用いて信号を生成し、生成した信号をサンプリング回路301へ出力する。例えば、出力信号生成回路312は、クロック生成回路311によって生成されたクロックを出力する、または出力しない、ことにより、信号を生成する。例えば、出力信号生成回路312は、「1」のデータを送信する場合はクロック信号を出力し、「0」のデータを送信する場合は、クロック信号を出力しないようにする。
このように、伝送装置100は、入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果に応じた信号の速度とすることができる。このため、送信端回路211が受信端回路221へ送信する信号の伝送速度を向上できる。
図1に示した取得部111は、例えば不定領域測定回路303によって実現される。また、図1に示した第1制御部112は、連続一致保護回路304によって実現される。また、図1に示した第2制御部113は、不定領域測定回路303によって実現される。例えば、不定領域測定回路303が、入力信号の不定期間Tr,Tfを含み測定結果に応じたクロック信号の調整を指示する信号をクロック生成回路311へ送信することにより、第2制御部113の機能を実現する。
(動作モード設定回路における動作モードの状態遷移の一例)
図4は、動作モード設定回路における動作モードの状態遷移の一例を示す図である。図4の状態遷移図400に示すように、動作モード設定回路302は、不定領域非測定中と、不定領域測定中と、のいずれか一方の動作モードをとる。動作モード設定回路302は、例えばステートマシンによって実現される。
動作モード設定回路302は、不定領域非測定中の動作モードにおいて、遷移条件として、例えば不図示のCPU(Central Processing Unit)から測定開始通知を受信すると、不定領域測定中の動作モードに遷移する。測定開始通知は、例えば、マザーボード210とプラグインユニット220との接続または切断をCPUが検出することによりCPUから送信される。また、動作モード設定回路302は、不定領域測定中の動作モードにおいて、遷移条件として不定領域測定回路303から測定完了通知を受信すると、不定領域非測定中の動作モードに遷移する。
ここで、連続一致保護回路304を用いた場合における信号の伝送速度Thは、下記(1)式で算出される。
Th[bps]=1/(Tr[S]+Hレベル保護時間[S]+Tf[S]+Lレベル保護時間[S]+マージン[S])…(1)
上記(1)式について、図5を用いて説明する。
(実施の形態2の送信端回路が送信する信号の波形および受信端回路が受信する信号の波形の一例)
図5は、実施の形態2の送信端回路が送信する信号の波形および受信端回路が受信する信号の波形の一例を示す図である。図5において出力信号501は、送信端回路211の送信端Aにおける出力信号の論理値を示している。入力信号502は、受信端回路221の他端の受信端Bにおけるサンプリング前の入力信号を示している。
受信端回路221におけるサンプリング周期はtである。入力信号502において、電圧VIL,VIHは、サンプリング後の入力信号503がHレベルであるかLレベルであるかを検出するための基準電圧である。例えば、電圧VILは電圧VIHよりも低い値である。入力信号502が電圧VIL〜VIHの間にある期間は、入力信号503がLレベルまたはHレベルのいずれかであるかが定まらない入力信号の不定期間Trまたは入力信号の不定期間Tfに相当する。
入力信号504は、信号値の連続一致保護後の入力信号を示している。入力信号504は、Lレベルにおいて、入力信号の不定期間Tr[S]とHレベル保護時間[S]との経過後にHレベルに切り替わることを示している。Hレベル保護時間[S]は、入力信号の不定期間Trによって決定される時間である。Hレベル保護時間[S]は、例えば、入力信号の不定期間Trとほぼ同じ期間であるが、入力信号の不定期間Tr以上の期間であればよい。
また、入力信号504は、レベルHにおいて、マージン[S]と、入力信号の不定期間Tf[S]と、Lレベル保護時間[S]との経過後にレベルHからレベルLに切り替わる。Lレベル保護時間[S]は、入力信号の不定期間Tfによって決定される時間である。Lレベル保護時間[S]は、例えば、入力信号の不定期間Tfとほぼ同じ期間であるが、入力信号の不定期間Tf以上の期間であればよい。
そして、入力信号504は、Lレベルにおいて、マージン[S]と、入力信号の不定期間Tr[S]と、Hレベル保護時間[S]との経過後に、LレベルからHレベルに切り替わる。以降、同様にして、入力信号504は、HレベルとLレベルとが切り替わる。
(サンプリング回路および連続一致保護回路のハードウェア構成の一例)
図6は、サンプリング回路および連続一致保護回路のハードウェア構成の一例を示す図である。図6に示すように、サンプリング回路301は、フリップフロップ(FF)回路601を有する。また、フリップフロップ回路601には、受信端Bにおける信号が入力される。また、フリップフロップ回路601には、サンプリングクロック(CK)が入力される。
フリップフロップ回路601は、例えば、D入力の値をサンプリングクロックに同期して読み込み、次のサンプリングクロックが入力されるまでの期間、その値を保持する。フリップフロップ回路601は、例えば、サンプリングクロックの立ち上がりまたは立ち下がりにおいてD入力をラッチする。フリップフロップ回路601は、サンプリングした出力信号を連続一致保護回路304へ送信する。
連続一致保護回路304は、シフトレジスタ611と、Trエンコード部612と、Tfエンコード部613と、フリップフロップ回路614と、複数のAND回路aと、複数のOR回路rと、を有する。シフトレジスタ611には、フリップフロップ回路601からの出力信号が入力される。
また、シフトレジスタ611には、サンプリングクロックが入力される。シフトレジスタ611は、例えば、複数のフリップフロップ回路を有する。例えば、シフトレジスタ611は、各フリップフロップ回路の入力をサンプリングクロックごとに1bitシフトさせる。これにより、シフトレジスタ611の各フリップフロップ回路では、エッジ検出が1bitずれて立ち上がることになる。
シフトレジスタ611は、Q1〜Q10における各出力信号を、それぞれ対応するOR回路r1〜r10、AND回路a1〜a10へ出力する。Trエンコード部612には、不定領域測定回路303から出力された入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果が入力される。Trエンコード部612は、例えば、入力信号の不定期間Trの測定結果を示す信号を符号化し、符号化した信号をOR回路r1〜r10へ出力する。
Tfエンコード部613には、不定領域測定回路303から出力された入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果が入力される。Tfエンコード部613は、例えば、入力信号の不定期間Tfの測定結果を示す信号を符号化し、符号化した信号をAND回路a1〜a10へ出力する。
OR回路r1〜r10は、それぞれ、シフトレジスタ611からのQ1〜Q10の出力信号およびTrエンコード部612から出力された信号を用いて、HレベルまたはLレベルを示す信号をAND回路a21へ出力する。AND回路a1〜a10は、それぞれ、シフトレジスタ611からのQ1〜Q10の出力信号およびTfエンコード部613から出力された信号を用いて、HレベルまたはLレベルを示す信号をOR回路r21へ出力する。AND回路a21は、OR回路r1〜r10から出力された信号を用いて、HレベルまたはLレベルを示す信号をOR回路r31へ出力する。
OR回路r31は、AND回路a21から出力された信号およびフリップフロップ回路614から出力された信号を用いて、HレベルまたはLレベルを示す信号をAND回路a31へ出力する。OR回路r21は、AND回路a1〜a10から出力された信号を用いて、HレベルまたはLレベルを示す信号をAND回路a31へ出力する。
AND回路a31は、OR回路r21およびOR回路r31から出力された信号を用いて、HレベルまたはLレベルを示す信号をフリップフロップ回路614に出力する。フリップフロップ回路614には、AND回路a31から出力された信号が入力される。また、フリップフロップ回路614には、サンプリングクロックが入力される。フリップフロップ回路614は、AND回路a31から出力された信号と、サンプリングクロックとを用いて連続一致保護を行う。フリップフロップ回路614は、連続一致保護後の信号をOR回路r31および後段の信号処理回路へ出力する。
このようなサンプリング回路301および連続一致保護回路304により、信号の擾乱が生じる入力信号の不定期間Tr,Tfにおける信号レベルの判定において、レベルを切り替えないようにすることができる。このため、入力信号の不定期間Tr,Tfにおける信号レベルの誤判定を防止でき、受信端回路221の誤動作を抑えることができる。
(不定領域測定回路の動作を示すフローチャートの一例)
図7は、不定領域測定回路の動作の一例を示すフローチャートである。図7において、不定領域測定回路303は、動作モード設定回路302から出力された動作モード信号が示す動作モードが不定領域測定中であるか否かを判定する(ステップS701)。不定領域の測定対象となる不定領域測定回路303は、例えば、共通の信号線212a上において送信端回路211からの伝送距離が最も小さいプラグインユニット220に含まれる。
不定領域測定回路303は、動作モードが不定領域測定中になるまで待機する(ステップS701:No)。動作モードが不定領域測定中になると(ステップS701:Yes)、不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がn回連続してLであるか否かを判定する(ステップS702)。nは、入力信号の不定期間Trの測定保護段数であり、例えば任意に設定することが可能な整数である。
不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がn回連続してLレベルになるまで待機する(ステップS702:No)。サンプリング後の入力信号がn回連続してLレベルになると(ステップS702:Yes)、不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がHレベルであるか否かを判定する(ステップS703)。不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がHレベルとなるまで待機する(ステップS703:No)。
サンプリング後の入力信号がHになると(ステップS703:Yes)、不定領域測定回路303は、不定領域測定回路303が有するTr計測カウンタ(図8参照)の動作を開始する(ステップS704)。次に、不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がn回連続してHであるか否かを判定する(ステップS705)。
不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がn回連続してHレベルになるまで待機する(ステップS705:No)。サンプリング後の入力信号がn回連続してHレベルになると(ステップS705:Yes)、不定領域測定回路303は、Tr計測カウンタの動作を停止させる(ステップS706)。次に、不定領域測定回路303は、Tr計測カウンタ値を入力信号の不定期間Trの測定結果として保存する(ステップS707)。
次に、不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がLレベルであるか否かを判定する(ステップS708)。不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がLレベルになるまで待機する(ステップS708:No)。
サンプリング後の入力信号がLレベルになると(ステップS708:Yes)、不定領域測定回路303は、不定領域測定回路303が有するTf計測カウンタ(図8参照)の動作を開始する(ステップS709)。次に、不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がn回連続してLレベルであるか否かを判定する(ステップS710)。
不定領域測定回路303は、サンプリング後の入力信号がn回連続してLレベルになるまで待機する(ステップS710:No)。サンプリング後の入力信号がn回連続してLレベルになると(ステップS710:Yes)、不定領域測定回路303は、Tf計測カウンタの動作を停止させる(ステップS711)。次に、不定領域測定回路303は、Tf計測カウンタ値を入力信号の不定期間Tfの測定結果として保存する(ステップS712)。
次に、不定領域測定回路303は、保存した入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果をクロック生成回路311および連続一致保護回路304へ送信する(ステップS713)。また、不定領域測定回路303は、測定完了通知を動作モード設定回路302に送信し(ステップS714)、一連の処理を終了する。
上述したフローチャートにより、入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果を得ることができる。連続一致保護回路304が測定結果を受信すると、連続一致保護回路304は、例えば、入力信号の不定期間Trと同等のHレベル保護時間を設定し、また、入力信号の不定期間Tfと同等のLレベル保護時間を設定する。また、動作モード設定回路302が測定完了通知を受信すると、動作モード設定回路302は、動作モード設定回路302の動作モードを不定領域非測定中の動作モードに遷移する。
本フローチャートの実行主体となる、送信端回路211からの伝送距離が最も小さい不定領域測定回路303の特定については、例えば、マザーボード210上において、各プラグインユニット220の差し込まれるコネクタ213の位置情報を用いればよい。例えば、いずれかの不定領域測定回路303や送信端回路211がこの位置情報を取得して、信号線212a上において送信端回路211からの伝送距離が最も小さい不定領域測定回路303を特定すればよい。
(受信端回路の動作を示すタイミングチャートの一例)
図8は、受信端回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。図8に示す出力信号501は、送信端回路211の送信端Aにおける出力信号の論理値を示している。入力信号502は、受信端回路221の受信端Bにおける入力信号を示している。入力信号503は、受信端回路221におけるサンプリング後の入力信号を示している。
動作モード設定回路302は、例えば不定領域測定中の動作モードを示している。動作モード設定回路302の動作モードが不定領域測定中である場合(図7のステップS701参照)、不定領域測定回路303は、入力信号503がn回連続してLになるまで待機する(図7のステップS702参照)。
また、動作モード設定回路302が不定領域測定中の動作モードである場合(図7のステップS701参照)、Tr計測カウンタ801は、サンプリング後の入力信号503のHレベルが検出されるまで(図7のステップS703参照)、前値を保持する。サンプリング後の入力信号503のHレベルが検出されると、Tr計測カウンタ801は、カウントアップの動作を開始する(図7のステップS704参照)。
Tr計測カウンタ801は、サンプリング後の入力信号のHが検出されてから、n回(図示では例えば13回)連続してHレベルが検出されるまでカウントアップを継続する(図7のステップS705参照)。n回連続してHレベルが検出されると、Tr計測カウンタ801は、カウントアップを停止する(図7のステップS706参照)。
不定領域測定回路303に含まれるTr測定結果802は、Tr計測カウンタ801のカウントアップの停止まで、前値を保持する。Tr測定結果802は、Tr計測カウンタ801のカウントアップが停止すると、Tr計測カウンタ値(例えば31)を入力信号の不定期間Trの測定結果として保持する(図7のステップS707参照)。
測定保護段数であるn(13)の期間は、マージンとなる。Tr測定結果802は、Tr計測カウンタ値(31)から入力信号の不定期間Trの測定保護段数であるn(13)を減じた値(18)を入力信号の不定期間Trの測定結果として保持してもよい。これにより、マージンを少なくすることができ、その分、クロックの周期を短くすることができるため、伝送速度の向上を図ることができる。また、Tr計測カウンタ値から入力信号の不定期間Trの測定保護段数を減じない場合は、Hレベル保護時間を長く設定できるため、信号レベルの誤判定を抑えることができ、通信品質を向上させることができる。
不定領域測定回路303に含まれるTf計測カウンタ803は、サンプリング後の入力信号503のLレベルが検出されるまで(図7のステップS708参照)、前値を保持する。サンプリング後の入力信号のLレベルが検出されると、Tf計測カウンタ803は、カウントアップの動作を開始する(図7のステップS709参照)。
Tf計測カウンタ803は、サンプリング後の入力信号のLレベルが検出されてから、n回(図示では例えば13回)連続してLレベルが検出されるまでカウントアップを継続する(図7のステップS710参照)。n回連続してLレベルが検出されると、Tf計測カウンタ803は、カウントアップを停止する(図7のステップS711参照)。
不定領域測定回路303に含まれるTf測定結果804は、Tf計測カウンタ803のカウントアップの停止まで、前値を保持する。Tf測定結果804は、Tf計測カウンタ803のカウントアップが停止すると、Tf計測カウンタ値(例えば31)を入力信号の不定期間Trの測定結果として保持する(図7のステップS712参照)。
測定保護段数であるn(13)の期間は、マージンとなる。Tf測定結果804は、Tf計測カウンタ値(31)から入力信号の不定期間Tfの測定保護段数であるn(13)を減じた値(18)を入力信号の不定期間Tfの測定結果として保持してもよい。これにより、マージンを少なくすることができ、その分、クロックの周期を短くすることができるため、伝送速度の向上を図ることができる。また、Tf計測カウンタ値から入力信号の不定期間Tfの測定保護段数を減じない場合は、Lレベル保護時間を長く設定できるため、信号レベルの誤判定を抑えることができ、通信品質を向上させることができる。
(実施の形態2にかかるクロック生成回路の動作の一例)
図9は、実施の形態2にかかるクロック生成回路の動作の一例を示すフローチャートである。図9において、クロック生成回路311は、Hレベルのクロックを出力する(ステップS901)。次に、クロック生成回路311は、Hレベルの出力カウンタの動作を開始させる(ステップS902)。次に、クロック生成回路311は、Hレベルの出力カウンタが、入力信号の不定期間Trの測定結果と、Hレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上であるか否かを判定する(ステップS903)。
Hレベルの出力カウンタが、入力信号の不定期間Trの測定結果と、Hレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上となるまで、クロック生成回路311は待機する(ステップS903:No)。Hレベルの出力カウンタが、入力信号の不定期間Trの測定結果と、Hレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上となると(ステップS903:Yes)、クロック生成回路311はHレベルの出力カウンタの動作を停止させる(ステップS904)。
次に、クロック生成回路311は、Lレベルのクロックを出力する(ステップS905)。次に、クロック生成回路311は、Lレベルの出力カウンタの動作を開始させる(ステップS906)。次に、クロック生成回路311は、Lレベルの出力カウンタが、入力信号の不定期間Tfの測定結果と、Lレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上であるか否かを判定する(ステップS907)。
Lレベルの出力カウンタが、入力信号の不定期間Tfの測定結果と、Lレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上となるまで、クロック生成回路311は待機する(ステップS907:No)。Lレベルの出力カウンタが、入力信号の不定期間Tfの測定結果と、Lレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上となると(ステップS907:Yes)、クロック生成回路311はLレベルの出力カウンタの動作を停止させる(ステップS908)。そして、クロック生成回路311は、一連の処理を終了する。
上述したフローチャートにより、入力信号の不定期間Trの各測定結果に応じたHレベルのクロックを出力することができる。また、入力信号の不定期間Tfの各測定結果に応じたLレベルのクロックを出力することができる。このため、入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果に応じた信号の速度にすることができ、伝送速度を向上させることができる。
(反射ノイズの一例)
図10は、受信端回路が切断された場合の反射ノイズの一例を示す図である。図10においては、プラグインユニット220の離脱に伴う受信端回路221の切断により、例えば受信端回路221が1つだけ接続されている場合を示す。受信端回路221が1つだけ接続されている場合、反射ノイズが最も大きくなる。
図10において、出力信号501は、送信端回路211の送信端Aにおける出力信号の論理値を示している。入力信号1001は、受信端回路221の受信端Bにおける入力信号を示している。
受信端回路221の切断時には、特性インピーダンスが無限大となり、電圧レベルが最も大きくなる。受信端回路221が切断された場合、送信端Aにおける出力信号の論理値に対し、受信端Bにおける入力信号には反射ノイズが発生し、入力信号の不定期間Tr,Tfは、例えば、ともに1[mS]となる。
図11は、受信端回路が接続された場合の反射ノイズの一例を示す図である。図11においては、プラグインユニット220の装着に伴う受信端回路221の接続により、例えば10台全てのプラグインユニット220の受信端回路221が接続された場合を示す。受信端回路221が10台全て接続されている場合、反射ノイズは最も小さくなる。
図11において、出力信号501は、送信端回路211の送信端Aにおける出力信号の論理値を示している。入力信号1101は、受信端回路221の受信端Bにおける入力信号を示している。
受信端回路221の接続時は、例えば、受信端回路221の切断時(図10参照)に比べて反射ノイズの電圧レベルが小さい。受信端回路221の接続時における入力信号の不定期間Tr,Tfは、例えば、ともに0.7[mS]である。
(実施の形態2および従来の伝送速度の比較)
次に、実施の形態2および従来の伝送速度の比較について説明する。まず、従来のデジタル信号伝送回路では、反射ノイズの電圧レベルが最大となる条件を想定して、クロックの速度を予め計算しておく。反射ノイズの電圧レベルが最大となる条件とは、例えば、一の受信端回路221を残して受信端回路221が送信端回路211から切断される条件である。例えば、一の受信端回路221は、反射ノイズの影響を最も受けやすい受信端回路221であり、共通の信号線212a上における送信端回路211からの伝送距離が最も小さい受信端回路221aである。
例えば、入力信号の不定期間Tr,Tfをともに1[mS]、Hレベル保護時間およびLレベル保護時間をともに1[mS]、マージンを0.5[mS]、とする。この場合、従来のデジタル信号伝送回路における信号の伝送速度Thは、上記(1)式を用いて以下のように算出される。
Th[bps]=1/(Tr[S]+Hレベル保護時間[S]+Tf[S]+Lレベル保護時間[S]+マージン[S])=1/(1[mS]+1[mS]+1[mS]+1[mS]+0.5[mS])≒222.2[bps]…(2)
このようなクロックの速度において、10台全てのプラグインユニット220の受信端回路221が送信端回路211に接続された場合、一のプラグインユニット220の受信端回路221が受信できる信号の伝送速度の平均は、以下の式により算出できる。
Th/1台[bps]=伝送速度[bps]/接続される受信端回路台数[台]=222.2[bps]/10[台]=22.22[bps]
一方、実施の形態2にかかる受信端回路221では、10台全てのプラグインユニット220が装着されることにより、全ての受信端回路221が送信端回路211に接続された場合のクロックの速度を設定することができる。
例えば、入力信号の不定期間Tr,Tfをともに0.7[mS]、Hレベル保護時間およびLレベル保護時間をともに0.7[mS]、マージンを0.5[mS]としたとする。この場合の伝送装置100における信号の伝送速度は、上記(1)式を用いて以下のように算出される。
Th[bps]=1/(Tr[S]+Hレベル保護時間[S]+Tf[S]+Lレベル保護時間[S]+マージン[S])=1/(0.7[ms]+0.7[mS]+0.7[mS]+0.7[mS]+0.5[mS])≒303.0[bps]
10台全てのプラグインユニット220の受信端回路221が送信端回路211に接続された場合、一のプラグインユニット220の受信端回路221が受信する信号の伝送速度の平均は、以下の式で算出できる。
Th/1台[bps]=伝送速度[bps]/接続される受信端回路台数[台]=303.0[bps]/10[台]=30.30[bps]
このように、実施の形態2によれば、全ての受信端回路221が送信端回路211に接続された場合において、一の受信端回路221が受信できる伝送信号の量を向上することができる。
ただし、一の受信端回路221のみを接続した場合、つまり、反射ノイズの電圧レベルが最大となる場合の信号の伝送速度は、例えば、従来のデジタル信号伝送回路と同様となる。例えば、入力信号の不定期間Tr,Tfについてはともに1[mS]を測定したものとし、マージンを0.5[mS]としたとすると、上記(2)式と同様の計算式により、222.2[bps]が算出される。
このように、一の受信端回路221が接続されて反射ノイズの電圧レベルが最大となる場合に限って、受信端回路221が受信できる伝送速度は222.2[bps]となり、従来のデジタル信号伝送回路と同等となる。一方で、例えば、少なくとも2以上の受信端回路221が送信端回路211に接続された場合には、従来のデジタル信号伝送回路に比べて伝送速度を向上させることができる。
(実施の形態2の信号波形および従来の信号波形の比較例)
図12は、実施の形態2の信号波形および従来の信号波形の比較例を示す図である。図12において、動作例1200は、実施の形態2の信号の波形を示している。動作例1210は、従来の信号の波形を示している。
出力信号1201,1211は、送信端回路211の送信端Aにおける出力信号の論理値を示している。入力信号1202,1212は、受信端回路221の受信端Bにおける入力信号を示している。入力信号1203,1213は、受信端回路221におけるサンプリング後の入力信号を示している。入力信号1204,1214は、信号値の連続一致保護後の入力信号を示している。
動作例1210の入力信号1214におけるHレベル保護時間およびLレベル保護時間は、反射ノイズの電圧レベルが最大となる条件を想定して予め設定された一定の値である。一方、動作例1200の入力信号1204のHレベル保護時間は、入力信号の不定期間Trの測定結果に基づいて算出される。例えば、入力信号1204のHレベル保護時間は、入力信号の不定期間Trの測定結果と同じ時間である。入力信号1204のHレベル保護時間は、入力信号1214のHレベル保護時間と比較してわかるように、入力信号1214に比べて短いHレベル保護時間を設定することができる。
また、入力信号1204のLレベル保護時間は、入力信号の不定期間Tfの測定結果に基づいて算出される。例えば、入力信号1204のLレベル保護時間は、入力信号の不定期間Tfの測定結果と同じ時間である。入力信号1204のLレベル保護時間は、入力信号1214のLレベル保護時間と比較してわかるように、入力信号1214に比べて短いLレベル保護時間を設定することができる。
また、入力信号1204と入力信号1214とを比較してわかるように、入力信号1204は、入力信号1214に比べて、HレベルおよびLレベルの切り替わる周期が短い。このため、出力信号1201のクロック速度を、出力信号1211のクロック速度よりも大きくすることができる。
実施の形態2では、送信端回路211と受信端回路221とのバス接続の状態により変化する入力信号の不定期間Tr,Tfに応じて、受信端回路221における保護時間と送信端回路211における信号の速度を制御する。これにより、マザーボード210とプラグインユニット220との接続状態に応じた伝送速度にすることができる。例えば、受信端回路221における保護時間を短くすることができ、また、送信端回路211における信号の速度を大きくすることができる。このため、単位時間あたりの伝送量を多くすることができ、伝送速度を向上させることができる。
(入力信号の不定期間を特定する動作の変形例1)
図13は、入力信号の不定期間を特定する動作の変形例1を示すフローチャートである。図13に示す変形例1は、例えば、共通の信号線212a上において送信端回路211からの伝送距離が最も小さい受信端回路221の不定領域測定回路303が複数回、入力信号の不定期間Tr,Tfを測定する場合について説明する。図13に示す各ステップにおいて、図7に示したステップと同じステップについては同様の符号を付して、図7に示したステップと異なるステップについて説明する。
図13において、不定領域測定回路303は、動作モード設定回路302の動作モードが不定領域の測定中の動作モードである場合(ステップS701:Yes)、測定回数m回の「1〜m」の値を示す「j」に「1」を設定する(ステップS1301)。測定回数mは任意の回数である。
ステップS712の後、不定領域測定回路303は、「j」に「1」を加算し(ステップS1302)、「j」が測定回数mより大きいか否かを判断する(ステップS1303)。「j」が測定回数m以下の場合(ステップS1303:No)、不定領域測定回路303は、ステップS702に移行する。「j」が測定回数mより大きい場合(ステップS1303:Yes)、不定領域測定回路303は、入力信号の不定期間Tr,Tfの各m個の測定結果の中から、それぞれ最も長い期間の入力信号の不定期間Tr,Tfを特定する(ステップS1304)。この後、不定領域測定回路303は、ステップS713に移行する。
変形例1によれば、複数回測定した入力信号の不定期間Tr,Tfのうちの最も長い入力信号の不定期間Tr,Tfに応じた保護時間を設定することができる。また、送信端回路211において、最も長い入力信号の不定期間Tr,Tfに応じた信号の速度を設定することができる。したがって、信号レベルの誤判定を抑えつつ、伝送速度を向上させることができるため、通信品質を向上させることができる。
(入力信号の不定期間を特定する動作の変形例2)
図14は、入力信号の不定期間を特定する動作の変形例2を示すフローチャートである。図14に示す変形例2は、マザーボード210に接続される複数のプラグインユニット220のそれぞれの入力信号の不定期間Tr,Tfを測定する場合について説明する。変形例2では、例えば、各プラグインユニット220の不定領域測定回路303において、それぞれ図7に示したフローチャートの各動作が行われることを前提とする。また、本フローチャートの実行主体は、例えば、いずれかの受信端回路221とするが、送信端回路211としてもよい。
図14において、受信端回路221は、動作モード設定回路302の動作モードが不定領域測定中であるか否かを判定する(ステップS1401)。受信端回路221は、動作モードが不定領域測定中になるまで待機する(ステップS1401:No)。動作モードが不定領域測定中になると(ステップS1401:Yes)、受信端回路221は、各プラグインユニット220の不定領域測定回路303から、入力信号の不定期間Tr,Tfを受信する(ステップS1402)。
次に、受信端回路221は、受信した入力信号の不定期間Tr,Tfを保存する(ステップS1403)。次に、受信端回路221は、全ての不定領域測定回路303から入力信号の不定期間Tr,Tfを受信したか否かを判定する(ステップS1404)。全ての不定領域測定回路303から入力信号の不定期間Tr,Tfを受信していない場合(ステップS1404:No)、受信端回路221は、ステップS1402に移行する。
全ての不定領域測定回路303から入力信号の不定期間Tr,Tfを受信した場合(ステップS1404:Yes)、受信端回路221は、それぞれ最も長い期間の入力信号の不定期間Tr,Tfを特定する(ステップS1405)。例えば、ステップS1405では、受信端回路221は、保存した入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果の中から、それぞれ最も長い期間の入力信号の不定期間Tr,Tfを特定する。次に、受信端回路221は、特定した入力信号の不定期間Tr,Tfを、送信端回路211のクロック生成回路311や各受信端回路221の連続一致保護回路304に送信し(ステップS1406)、一連の処理を終了する。
変形例2によれば、複数の受信端回路221の入力信号の不定期間Tr,Tfのうちの最も長い入力信号の不定期間Tr,Tfに応じた保護時間を設定することができる。また、送信端回路211において、最も長い入力信号の不定期間Tr,Tfに応じた信号の速度を設定することができる。したがって、信号レベルの誤判定を抑えつつ、伝送速度を向上させることができるため、通信品質を向上させることができる。
また、変形例2では、各プラグインユニット220の不定領域測定回路303において、それぞれ図7に示したフローチャートの各動作が行われることを前提としたが、図13に示したフローチャートの各動作が行われることを前提としてもよい。つまり、各プラグインユニット220の不定領域測定回路303において複数回測定した入力信号の不定期間Tr,Tfのうちの最も長い入力信号の不定期間Tr,Tfを受信し、さらにその中から最長の入力信号の不定期間Tr,Tfを特定してもよい。これにより、最長の入力信号の不定期間Tr,Tfに応じた保護時間を設定することができるため、通信品質をより向上させることができる。
(実施の形態3)
次に、伝送装置100の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態2では、連続一致保護回路304を用いて連続一致保護時間を設定したが、実施の形態3では、信号変化点マスクパルス生成回路を用いてマスク保護時間を設定する場合について説明する。実施の形態3においては、実施の形態1,2と異なる部分について説明する。
(実施の形態3にかかる伝送装置の回路構成の一例)
図15は、実施の形態3にかかる伝送装置の回路構成の一例を示す図である。図15に示すように、プラグインユニット220の受信端回路221は、サンプリング回路301と、動作モード設定回路302と、不定領域測定回路303と、信号変化点検出回路1501と、信号変化点マスクパルス生成回路1502と、を有する。
サンプリング回路301は、送信端回路211の送信端Aから出力された信号をサンプリングして、サンプリング後の入力信号を信号変化点検出回路1501および不定領域測定回路303へ出力する。
信号変化点検出回路1501には、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号と、信号変化点マスクパルス生成回路1502から出力された信号変化点マスクパルスと、が入力される。信号変化点検出回路1501は、ラッチ回路を含む。信号変化点検出回路1501は、信号変化点マスクパルス生成回路1502から出力された信号変化点マスクパルスを用いて、サンプリング回路301から出力された信号の信号変化点の保護を行って、信号変化点の保護後の信号を後段の信号処理回路へ出力する。
また、信号変化点検出回路1501は、サンプリング回路301から出力された信号と、信号変化点マスクパルス生成回路1502から出力された信号変化点マスクパルスと、を用いて、信号変化点検出パルスを生成する。そして、信号変化点検出回路1501は、生成した信号変化点検出パルスを信号変化点マスクパルス生成回路1502へ出力する。
動作モード設定回路302は、測定開始通知を受信すると、「不定領域非測定中」の動作モードから「不定領域測定中」の動作モードに遷移する。そして、動作モード設定回路302は、動作モードを示す動作モード信号を不定領域測定回路303および信号変化点マスクパルス生成回路1502へ出力する。不定領域測定回路303は、入力信号の不定期間Tr,Tfの測定が完了すると、クロック生成回路311および信号変化点マスクパルス生成回路1502に測定結果を送信する。
信号変化点マスクパルス生成回路1502は、動作モード設定回路302からの動作モード信号が示す「不定領域測定中」に、不定領域測定回路303から出力された入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果を用いて、信号変化点マスクパルスを生成する。
また、信号変化点マスクパルス生成回路1502には、信号変化点検出回路1501から出力された信号変化点検出パルスと、不定領域測定回路303から出力された測定結果と、動作モード設定回路302から出力された動作モード信号と、が入力される。信号変化点マスクパルス生成回路1502は、「不定領域測定中」の動作モードにおいて不定領域測定回路303から出力された測定結果と、信号変化点検出回路1501から出力された信号変化点検出パルスと、を用いて、信号変化点マスクパルスを生成する。信号変化点マスクパルス生成回路1502は、生成した信号変化点マスクパルスを信号変化点検出回路1501へ出力する。
信号変化点マスクパルス生成回路1502は、各受信端Bで発生する反射ノイズによる入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果を用いて、Hレベル信号マスク保護時間およびLレベル信号マスク保護時間を算出する。以下において、Hレベル信号マスク保護時間を「Hレベル保護時間」と称する。また、Lレベル信号マスク保護時間を「Lレベル保護時間」と称する。例えば、信号変化点マスクパルス生成回路1502は、Hレベル保護時間においては入力した信号のレベルにかかわらずHレベルを出力し、Hレベル保護時間の経過後には入力した信号のレベルに応じた信号を出力する。また、信号変化点マスクパルス生成回路1502は、Lレベル保護時間においては入力した信号のレベルにかかわらずLレベルを出力し、Lレベル保護時間の経過後には入力した信号のレベルに応じた信号を出力する。
このように、伝送装置100は、入力信号の不定期間Tr,Tfにおいて一定のレベルを出力するため、信号の擾乱が生じていたとしても、信号変化点マスクパルス生成回路1502から出力される信号のレベルが切り替わらないようにすることができる。このため、例えば、信号の擾乱による信号レベルの誤判定を抑え、各受信端回路221の誤動作を抑えることができる。
図1に示した取得部111は、例えば不定領域測定回路303によって実現される。また、図1に示した第1制御部112は、信号変化点検出回路1501および信号変化点マスクパルス生成回路1502によって実現される。また、図1に示した第2制御部113は、不定領域測定回路303によって実現される。例えば、不定領域測定回路303が、入力信号の不定期間Tr,Tfを含み測定結果に応じたクロック信号の調整を指示する信号をクロック生成回路311へ送信することにより、第2制御部113の機能を実現する。
ここで、信号変化点マスクパルス生成回路1502を用いた場合における信号の伝送速度Thは、下記(3)式で算出される。
Th[bps]=1/(Hレベル保護時間[S]+Lレベル保護時間[S]+マージン[S])…(3)
上記(3)式について、図16を用いて説明する。
(実施の形態3の送信端回路が送信する信号の波形および受信端回路が受信する信号の波形の一例)
図16は、実施の形態3の送信端回路が送信する信号の波形および受信端回路が受信する信号の波形の一例を示す図である。図16において信号変化点検出パルス1601は、信号変化点の検出を示すパルスであり、例えば、入力信号503における、入力信号の不定期間Tr,Tfの開始を示すパルスである。
信号変化点マスクパルス1602は、Hレベル保護時間、または、Lレベル保護時間を示すパルスである。Hレベル保護時間は、入力信号の不定期間Trによって決定される時間であり、例えば入力信号の不定期間Trと同じ時間である。Lレベル保護時間は、入力信号の不定期間Tfによって決定される時間であり、例えば入力信号の不定期間Tfと同じ時間である。
信号変化点保護後の入力信号1603は、信号変化点の保護後の入力信号を示している。信号変化点保護後の入力信号1603は、Lレベルが連続する状況において信号変化点検出パルス1601の立ち上がりがあると、この立ち上がりと同時にHレベルに切り替わる。信号変化点保護後の入力信号1603は、Hレベルに切り替わった後のHレベル保護時間においては、サンプリング後の入力信号のレベルにかかわらず、Hレベルを保持する。また、信号変化点保護後の入力信号1603は、Hレベルが連続する状況においてHレベルマスク保護時間[S]およびマージン[S]の経過後に、信号変化点検出パルス1601の立ち上がりがあると、この立ち上がりと同時にLレベルに切り替わる。
信号変化点保護後の入力信号1603は、Lレベルに切り替わった後のLレベル保護時間においては、サンプリング後の入力信号のレベルにかかわらず、Lレベルを保持する。また、信号変化点保護後の入力信号1603は、Lレベルが連続する状況においてLレベル保護時間[S]およびマージン[S]の経過後に、信号変化点検出パルス1601の立ち上がりがあると、この立ち上がりと同時にHレベルに切り替わる。以降、同様にして、信号変化点保護後の入力信号1603は、HレベルとLレベルとが切り替わる。
(サンプリング回路、ラッチ回路およびマスクパルス生成回路のハードウェア構成)
図17は、サンプリング回路、ラッチ回路およびマスクパルス生成回路のハードウェア構成の一例を示す図である。図17に示すように、サンプリング回路301のフリップフロップ回路601は、出力信号を信号変化点検出回路1501へ送信する。
信号変化点検出回路1501は、フリップフロップ回路1701と、論理回路1702と、を有する。フリップフロップ回路1701には、フリップフロップ回路601から出力された信号と、サンプリングクロックとが入力される。また、フリップフロップ回路1701には、信号変化点マスクパルス生成回路1502のフリップフロップ回路614からのイネーブルの信号変化点マスクパルスが反転入力される。
フリップフロップ回路1701は、フリップフロップ回路601から出力された信号、フリップフロップ回路614からの反転入力された信号変化点マスクパルス、および、サンプリングクロックを用いて、信号変化点の保護を行う。フリップフロップ回路1701は、信号変化点の保護を行った信号を、論理回路1702、信号変化点マスクパルス生成回路1502および後段の信号処理回路へ出力する。
論理回路1702には、フリップフロップ回路601から出力された信号と、フリップフロップ回路1701から出力された信号とが入力される。論理回路1702は、排他的論理和の回路であり、入力した信号に基づいて、信号変化点検出パルスを生成し、生成した信号変化点検出パルスを信号変化点マスクパルス生成回路1502へ出力する。
信号変化点マスクパルス生成回路1502は、カウンタ1711と、セレクタ1712と、マグニチュードコンパレータ1713と、Trエンコード部612と、Tfエンコード部613と、を有する。また、信号変化点マスクパルス生成回路1502は、OR回路r31と、AND回路a31と、フリップフロップ回路614と、を有する。
カウンタ1711には、論理回路1702から出力された信号変化点検出パルスと、サンプリングクロックとが入力される。カウンタ1711は、入力された信号変化点検出パルスをクリアする。また、カウンタ1711には、マグニチュードコンパレータ1713から出力されたイネーブルの信号が反転入力される。カウンタ1711は、入力された各種信号に基づいて、Q1〜Q10の出力信号をマグニチュードコンパレータ1713へ出力する。
Trエンコード部612は、例えば、入力信号の不定期間Trの測定結果を示す信号を符号化し、符号化した信号をセレクタ1712へ出力する。Tfエンコード部613は、例えば、入力信号の不定期間Tfの測定結果を示す信号を符号化し、符号化した信号をセレクタ1712へ出力する。
セレクタ1712には、フリップフロップ回路1701からの信号変化点の保護後の入力信号が反転入力される。また、セレクタ1712には、Trエンコード部612から出力された信号およびTfエンコード部613から出力された信号が入力される。セレクタ1712は、反転入力された信号変化点の保護後の入力信号を用いて、Trエンコード部612から出力された信号およびTfエンコード部613から出力された信号のいずれかを選択して、選択した信号をマグニチュードコンパレータ1713へ出力する。
マグニチュードコンパレータ1713は、カウンタ1711から出力された信号と、セレクタ1712から出力された信号が入力される。マグニチュードコンパレータ1713は、例えば、入力された各種信号の大小比較を行って、比較結果を示す信号をカウンタ1711およびAND回路a31へ出力する。
OR回路r31は、論理回路1702から出力された信号変化点検出パルスとフリップフロップ回路614から出力された信号とを用いて、HレベルまたはLレベルを示す信号をAND回路a31へ出力する。AND回路a31は、マグニチュードコンパレータ1713およびOR回路r31から出力された信号を用いて、HレベルまたはLレベルを示す信号をフリップフロップ回路614に出力する。
フリップフロップ回路614は、AND回路a31から出力された信号と、サンプリングクロックとを用いて信号変化点マスクパルスを生成する。フリップフロップ回路614は、生成した信号変化点マスクパルスを、OR回路r31および信号変化点検出回路1501のフリップフロップ回路1701へ出力する。
このようなサンプリング回路301、信号変化点検出回路1501および信号変化点マスクパルス生成回路1502により、信号の擾乱が生じる入力信号の不定期間Tr,Tfにおける信号レベルの判定において、レベルを切り替えないようにすることができる。このため、入力信号の不定期間Tr,Tfにおける信号レベルの誤判定を防止でき、受信端回路221の誤動作を抑えることができる。
(実施の形態3にかかるクロック生成回路の動作の一例)
図18は、実施の形態3にかかるクロック生成回路の動作の一例を示すフローチャートである。図18に示す各ステップにおいて、図9に示したステップと同じステップについては同様の符号を付して、図9に示したステップと異なるステップについて説明する。
図18に示すように、クロック生成回路311は、ステップS902の後、Hレベルの出力カウンタが、Hレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上であるか否かを判定する(ステップS1801)。Hレベルの出力カウンタが、Hレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上となるまで、クロック生成回路311は待機する(ステップS1801:No)。Hレベルの出力カウンタが、Hレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上となると(ステップS1801:Yes)、クロック生成回路311は、ステップS904に移行する。
また、クロック生成回路311は、ステップS906の後、Lレベルの出力カウンタが、Lレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上であるか否かを判定する(ステップS1802)。Lレベルの出力カウンタが、Lレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上となるまで、クロック生成回路311は待機する(ステップS1802:No)。Lレベルの出力カウンタが、Lレベル保護時間と、半分のマージンと、を加算した値以上となると(ステップS1802:Yes)、クロック生成回路311は、ステップS908に移行する。
(実施の形態3および従来の伝送速度の比較例)
次に、実施の形態3および従来の伝送速度の比較例について説明する。まず、従来のデジタル信号伝送回路では、反射ノイズの電圧レベルが最大となる条件を想定して、クロックの速度を予め計算しておく。
例えば、入力信号の不定期間Tr,Tfをともに1[mS]、Hレベル保護時間およびLレベル保護時間をともに1[mS]、マージンを0.5[mS]、とする。この場合に、従来のデジタル信号伝送回路における信号の伝送速度Thは、上記(3)式を用いて以下のように算出される。
Th[bps]=1/(Hレベル保護時間[S]+Lレベル保護時間[S]+マージン[S])=1/(1[mS]+1[mS]+0.5[mS])=400[bps]…(4)
10台全てのプラグインユニット220が装着されることにより、全ての受信端回路221が送信端回路211に接続された場合、一の受信端回路が受信できる信号の伝送速度の平均は、以下の式により算出できる。
Th/1台[bps]=伝送速度[bps]/接続される受信端回路台数[台]=400[bps]/10[台]=40[bps]
一方、実施の形態3にかかる受信端回路221では、10台全てのプラグインユニット220が装着されることにより、全ての受信端回路221が送信端回路211に接続された場合のクロックの速度を設定することができる。
例えば、入力信号の不定期間Tr,Tfをともに0.7[mS]、Hレベル保護時間およびLレベル保護時間をともに0.7[mS]、マージンを0.5[mS]としたとする。この場合の伝送装置100における信号の伝送速度は、上記(3)式を用いて以下のように算出される。
Th[bps]=1/(Hレベル保護時間[S]+Lレベル保護時間[S]+マージン[S])=1/(0.7[ms]+0.7[mS]+0.5[mS])≒526[bps]
10台全てのプラグインユニット220の受信端回路221が送信端回路211に接続された場合、一のプラグインユニット220の受信端回路221が受信する信号の伝送速度の平均は、以下の式で算出できる。
Th/1台[bps]=伝送速度[bps]/接続される受信端回路台数[台]=526[bps]/10[台]=52.6[bps]
このように、実施の形態3によれば、全ての受信端回路221が送信端回路211に接続された場合において、一の受信端回路221が受信できる伝送信号の量を向上することができる。
ただし、一の受信端回路221のみを接続した場合、つまり、反射ノイズの電圧レベルが最大となる場合の信号の伝送速度は、例えば、従来のデジタル信号伝送回路と同様となる。例えば、入力信号の不定期間Tr,Tfについてはともに1[mS]を測定したものとし、マージンを0.5[mS]としたとすると、上記(4)式と同様の計算式により、400[bps]が算出される。
このように、一の受信端回路221が接続されて反射ノイズの電圧レベルが最大となる場合に限って、受信端回路221が受信できる伝送速度は400[bps]となり、従来のデジタル信号伝送回路と同等となる。一方で、例えば、少なくとも2以上の受信端回路221が送信端回路211に接続された場合には、従来のデジタル信号伝送回路に比べて伝送速度を向上させることができる。
(実施の形態3の信号波形および従来の信号波形の比較例)
図19は、実施の形態3の信号波形および従来の信号波形の比較例を示す図である。図19において、動作例1900は、実施の形態3の信号の波形を示している。動作例1910は、従来の信号の波形を示している。
出力信号1901,1911は、送信端回路211の送信端Aにおける出力信号の論理値を示している。入力信号1902,1912は、受信端回路221の受信端Bにおける入力信号を示している。入力信号1903,1913は、受信端回路221におけるサンプリング後の入力信号を示している。
信号変化点検出パルス1904,1914は、信号変化点の検出を示すパルスであり、例えば、入力信号の不定期間Tr,Tfの開始を示すパルスである。信号変化点マスクパルス1905,1915は、Hレベル保護時間、または、Lレベル保護時間を示すパルスである。信号変化点保護後の入力信号1906,1916は、信号値の信号変化点保護後の入力信号を示している。
信号変化点保護後の入力信号1916におけるHレベル保護時間およびLレベル保護時間は、反射ノイズの電圧レベルが最大となる条件を想定して予め設定された一定の値である。一方、信号変化点マスクパルス1905のHレベル保護時間は、入力信号の不定期間Trの測定結果に基づいて算出される。例えば、信号変化点マスクパルス1905のHレベル保護時間は、入力信号の不定期間Trの測定結果と同じ時間である。また、信号変化点マスクパルス1905のLレベル保護時間は、入力信号の不定期間Tfの測定結果に基づいて算出される。例えば、信号変化点マスクパルス1905のLレベル保護時間は、入力信号の不定期間Tfの測定結果と同じ時間である。
信号変化点マスクパルス1905は、信号変化点マスクパルス1915と比較してわかるように、信号変化点マスクパルス1915に比べて、短いHレベル保護時間を設定することができる。また、信号変化点マスクパルス1905は、信号変化点マスクパルス1915と比較してわかるように、信号変化点マスクパルス1915に比べて、短いLレベル保護時間を設定することができる。
また、信号変化点保護後の入力信号1906と信号変化点保護後の入力信号1916とを比較してわかるように、信号変化点保護後の入力信号1906は、HレベルおよびLレベルの切り替わる周期が短い。このため、出力信号1901のクロック速度を出力信号1911のクロック速度よりも大きくすることができる。
実施の形態3によれば、実施の形態1,2と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態3では、入力信号の不定期間Tr,Tfの開始と同時に保護時間を設定するため、実施の形態2の連続一致保護後の入力信号504(図5参照)の周期に比べて、信号変化点保護後の入力信号1603(図16参照)の周期を短くすることができる。また、実施の形態2よりも信号の速度を大きくすることができる。このため、単位時間あたりの伝送量をより多くすることができ、伝送速度をより向上させることができる。
(実施の形態4)
次に、伝送装置100の実施の形態4について説明する。実施の形態2,3では、動作モード設定回路302および不定領域測定回路303が、受信端回路221に含まれる場合について説明したが、実施の形態4では、送信端回路211に含まれる場合について説明する。実施の形態4では、例えば、実施の形態1に示した所定の通信装置102aを受信端回路221によって実現し、実施の形態1に示した制御装置110を送信端回路211によって実現する場合について説明する。実施の形態4においては、実施の形態1〜3と異なる部分について説明する。
(実施の形態4にかかる伝送装置の回路構成の一例)
図20は、実施の形態4にかかる伝送装置の回路構成の一例を示す図である。図20に示すように、送信端回路211は、サンプリング回路2001と、動作モード設定回路302と、不定領域測定回路303と、クロック生成回路311と、出力信号生成回路312と、を有する。
出力信号生成回路312は、クロック生成回路311によって生成されたクロックを用いて信号を生成し、生成した信号を、受信端回路221のサンプリング回路301および送信端回路211のサンプリング回路2001へ出力する。サンプリング回路2001は、出力信号生成回路312から出力された信号をサンプリングして、サンプリング後の入力信号を不定領域測定回路303へ出力する。
不定領域測定回路303は、動作モード設定回路302から出力された動作モード信号が示す動作モードが「不定領域測定中」である場合、サンプリング回路2001から出力されたサンプリング後の入力信号を用いて、入力信号の不定期間Tr,Tfを測定する。不定領域測定回路303は、入力信号の不定期間Tr,Tfの測定が完了すると、クロック生成回路311および受信端回路221の連続一致保護回路304に測定結果を送信する。不定領域測定回路303は、反射ノイズの影響を最も受けやすい送信端Aの近傍の入力信号の不定期間Tr,Tfを測定する。
受信端回路221は、サンプリング回路301と、連続一致保護回路304と、を有する。サンプリング回路301は、送信端回路211の出力信号生成回路312から出力された信号をサンプリングして、サンプリング後の入力信号を連続一致保護回路304へ出力する。
連続一致保護回路304には、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号と、送信端回路211の不定領域測定回路303から出力された入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果と、が入力される。連続一致保護回路304は、送信端回路211の不定領域測定回路303から出力された測定結果を用いて、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号の連続一致保護を行って、連続一致保護後の信号を出力する。
図1に示した取得部111は、例えば不定領域測定回路303によって実現される。また、図1に示した第1制御部112は、不定領域測定回路303によって実現される。例えば、不定領域測定回路303が、入力信号の不定期間Tr,Tfの測定結果を含み測定結果に応じた保護時間の調整を指示する信号を連続一致保護回路304へ送信することにより、第1制御部112の機能を実現する。また、図1に示した第2制御部113は、クロック生成回路311によって実現される。
実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、実施の形態4では、各受信端回路221にそれぞれ動作モード設定回路302および不定領域測定回路303を設けなくても、送信端回路211のみに動作モード設定回路302および不定領域測定回路303を設けるだけで済む。
また、実施の形態4によれば、反射ノイズの影響を最も受けやすい送信端A付近において入力信号の不定期間Tr,Tfを測定するため、最も長い入力信号の不定期間Tr,Tfに応じた保護時間を設定することができる。また、送信端回路211において、最も長い入力信号の不定期間Tr,Tfに応じた信号の速度を設定することができる。したがって、信号の伝送速度を向上させることができ、通信品質を向上させることができる。
また、実施の形態4においては、入力信号の不定期間Tr,Tfに応じて連続一致保護時間を設定する場合について説明したが、入力信号の不定期間Tr,Tfに応じてマスク保護時間を設定する場合についても同様に実現可能である。例えば、送信端回路211に、動作モード設定回路302、信号変化点検出回路1501および信号変化点マスクパルス生成回路1502を含ませることも可能である。これにより、実施の形態4と同様の効果を得ることができるとともに、クロック信号をより高速にすることができる。このため、単位時間あたりの伝送量をより多くすることができ、伝送速度を向上させることができる。
(実施の形態5)
実施の形態5について、上述した実施の形態1〜4と異なる部分について説明する。実施の形態5においては、受信端回路に対して複数の送信端回路が接続される伝送装置について説明する。
(実施の形態5にかかる伝送装置)
図21は、実施の形態5にかかる伝送装置の一例を示す図である。図21に示すように、実施の形態5にかかる伝送装置100は、n台の送信端回路2111〜211nと、受信端回路2120と、を有する。nは例えば2以上の自然数である。送信端回路2111〜211nは、図1に示した第1通信装置101に対応する。受信端回路2120は、図1に示した第2通信装置102に対応する。このように、図1に示した信号線104には、信号線104に対して複数の第1通信装置101が接続可能であってもよい。
送信端回路2111〜211nは、それぞれ伝送路2101の送信端A1〜Anに対する接続および切断が可能である。受信端回路2120は、伝送路2101の受信端Bに接続されている。このように、切断可能な複数の送信端回路2111〜211nと、1台の受信端回路2120と、をバス接続した伝送装置100においては、送信端A1〜Anおよび受信端Bにおいて反射ノイズが発生して複合波となり、より複雑な擾乱が生じる。
図21に示す伝送装置100のように、複数台の送信端回路2111〜211nと1台の受信端回路2120とを有するデジタル信号伝送回路の伝送路構造を多対一バス接続と称する。伝送装置100において、送信端回路2111〜211nのうちの1台の送信端回路から受信端回路2120へ信号を送信する場合の反射ノイズは、例えば図10,図11に示した反射ノイズと同様である。
多対一バス接続のデジタル信号伝送回路においては、送信端回路2111〜211nのうちのいずれの送信端回路から信号を送信するのかに依拠して特性インピーダンスが変化する。したがって、送信端回路2111〜211nのうちの信号を送信する送信端回路に依拠して反射ノイズの特性が変化し、入力信号の不定期間Tr,Tfが変化する。このように、伝送装置100のように、複数の送信端回路2111〜211nが接続可能な多対一バス接続のデジタル信号伝送回路においては、信号を送信する送信端回路および送信端回路の接続状態に依拠して入力信号の不定期間Tr,Tfが変化する。
仮に、送信端回路2111からの伝送信号を用いて計測された入力信号の不定期間Tr,Tfを用いて、送信端回路2112でクロック速度を決定して伝送信号を送信し、受信端回路2120で連続一致保護を実施したとする。この場合は、送信端回路2111から信号を送信した場合とは特性インピーダンスが異なり、反射ノイズが異なるため、適切な保護を行うことができず、誤動作を除去できない場合がある。
(実施の形態5にかかる伝送装置の装置構成の一例)
図22は、実施の形態5にかかる伝送装置の装置構成の一例を示す図である。図22に示すように、実施の形態5にかかる伝送装置100は、マザーボード2210と、複数のプラグインユニット2220(2220a〜2220j)と、を有する。マザーボード2210は、受信端回路2211と、伝送路2212と、複数のコネクタ2213(2213a〜2213j)と、を有する。
図21に示した送信端回路2111〜211nは、例えばプラグインユニット2220により実現することができる。図21に示した受信端回路2120は、例えば受信端回路2211により実現することができる。図21に示した伝送路2101は、例えば伝送路2212により実現することができる。
複数のプラグインユニット2220のそれぞれは、送信信号を生成し、生成した送信信号を受信端回路2211に送信する回路である。例えば、複数のプラグインユニット2220のそれぞれは、送信信号を受信端回路2211へ送信する際に、受信端回路2211に対して通信開始通知をアサートしてから送信信号を受信端回路2211へ送信する。伝送路2212は、受信端回路2211と、各プラグインユニット2220とを接続し、相互間で信号を伝送するバスである。
伝送路2212は、共通の信号線2212aと、個別の信号線2212bと、を有する。共通の信号線2212aは、例えば、プラグインユニット2220の送信端回路2221(2221a〜2221j)から受信端回路2211へデータ信号を送る信号線である。図1に示した共通の信号線104は、共通の信号線2212aによって実現することができる。
個別の信号線2212bは、各プラグインユニット2220に割り当てられる。信号線2212bは、信号線2212aを介して各プラグインユニット2220から送信されたデータ信号のレベルが受信端回路2211において不定となる不定期間の測定結果を、受信端回路2211から各プラグインユニット2220へ送る信号線である。図2において、個別の信号線2212bは、各プラグインユニット2220に割り当てられるが、各プラグインユニット2220に共通としてもよい。
コネクタ2213(2213a〜2213j)は、マザーボード2210上に、例えば10個配置されている。コネクタ2213は、それぞれプラグインユニット2220のコネクタ2222(2222a〜2222j)と接続可能な接続部である。
プラグインユニット2220は、送信端回路2221とコネクタ2222とを有する。送信端回路2221は、マザーボード2210からの信号を受信する回路である。コネクタ2222は、マザーボード2210のコネクタ2213と接続可能な接続部である。
プラグインユニット2220のそれぞれは、マザーボード2210に対して着脱自在である。例えば、プラグインユニット2220は、伝送装置100の運用中に、マザーボード2210に接続されたり、マザーボード2210と切断されたりする。例えば、プラグインユニット2220は、マザーボード2210に対して最大で10個接続される。プラグインユニット2220は、例えば、光モジュールによって実現することができる。
(実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成の一例)
図23は、実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成の一例を示す図である。図23において、図3または図22に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図23に示すように、マザーボード2210の受信端回路2211は、サンプリング回路301と、動作モード設定回路302と、不定領域測定回路303と、測定結果記憶回路2301と、測定結果選択回路2302と、連続一致保護回路304と、を有する。プラグインユニット2220の送信端回路2221は、クロック生成回路311と、出力信号生成回路312と、を有する。
送信端A1〜A10は、それぞれプラグインユニット2220a〜2220jにおけるコネクタ2222a〜2222jに対応する信号の送信端である。受信端Bは、受信端回路2211における信号の受信端である。
サンプリング回路301は、プラグインユニット2220(2220a〜2220j)の送信端回路2221(2221a〜2221j)の送信端A1〜A10から出力された信号をサンプリングする。
伝送装置100に対してプラグインユニット2220(送信端回路2221)が新たに追加されたり、伝送装置100からプラグインユニット2220(送信端回路2221)が切断されたりすると、動作モード設定回路302に測定開始通知が発行される。
不定領域測定回路303は、動作モード設定回路302から出力された動作モード信号が示す動作モードが「不定領域測定中」になると、送信端回路2221のうちの伝送装置100に接続されている送信端回路を順次選択する。そして、不定領域測定回路303は、選択した送信端回路の不定期間Tr,Tfを測定する。
例えば、不定領域測定回路303は、選択した送信端回路に対して信号の送信を要求することにより、選択した送信端回路からサンプリング回路301へ信号を送信させる。これにより、不定領域測定回路303は、選択した送信端回路についてのサンプリング結果をサンプリング回路301から取得することができる。そして、不定領域測定回路303は、取得したサンプリング結果に基づいて、選択した送信端回路についての不定期間Tr,Tfを測定する。
不定領域測定回路303は、例えば、1台の送信端回路についての不定期間Tr,Tfの測定が完了するごとに、動作モード設定回路302および測定結果記憶回路2301に測定完了通知を送信する。また、不定領域測定回路303は、送信端回路2221のうちの伝送装置100に接続されている送信端回路ごとの不定期間Tr,Tfの測定結果を測定結果記憶回路2301に送信する。
測定結果記憶回路2301は、不定領域測定回路303から受信した、送信端回路2221ごとの不定期間Tr,Tfの測定結果を保持(記憶)する。これにより、送信端回路2221のうちの伝送装置100に接続されている送信端回路の全てについての不定期間Tr,Tfの測定を行い、送信端回路2221ごとの測定結果を保持することができる。
測定結果記憶回路2301によって保持された送信端回路2221ごとの不定期間Tr,Tfの測定結果は、伝送装置100に接続されている送信端回路のうちの測定対象の送信端回路2221のクロック生成回路311へ送信される。例えば、送信端回路2221aについての不定期間Tr,Tfの測定結果は、送信端回路2221aのクロック生成回路311へ送信される。また、送信端回路2221bについての不定期間Tr,Tfの測定結果は、送信端回路2221bのクロック生成回路311へ送信される。
伝送装置100に接続されている送信端回路のうち、受信端回路2211へ送信すべき信号がある送信端回路2221は、送信端回路2221の測定結果選択回路2302に対して通信開始通知をアサートする。そして、その送信端回路2221のクロック生成回路311は、測定結果記憶回路2301から受信した、その送信端回路2221についての不定期間Tr,Tfの測定結果を参照してクロック速度を制御する。
これに対して、測定結果選択回路2302は、測定結果選択回路2302に保持された不定期間Tr,Tfの測定結果の中から、送信端回路2221のうちの通信開始通知をアサートした送信端回路2221に対応する測定結果を選択する。そして、測定結果選択回路2302は、選択した不定期間Tr,Tfの測定結果を連続一致保護回路304へ出力する(測定結果選択出力)。連続一致保護回路304は、測定結果選択回路2302から受信した不定期間Tr,Tfの測定結果に基づいて、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号の連続一致保護を行う。
このように、測定開始通知を受信の都度、送信端回路ごとの不定期間Tr,Tfを測定することで、伝送信号を送信する送信端回路ごとに伝送速度を最適に調整することが可能になる。これにより、受信端回路が受信できる伝送信号の量を向上することが可能になる。また、送信端回路を切断可能な多対一バス接続された伝送装置100は、上述したように送信端回路の切断時よりも接続時の方が反射ノイズの電圧レベルが低く、入力信号の不定期間Tr,Tfが短くなる特性がある。このため、接続された送信端回路が多い場合ほど、最適に調整された伝送速度を高く設定することが可能になり、受信端回路が受信できる伝送信号の量を向上することが可能になる。
図1に示した取得部111は、例えば不定領域測定回路303、測定結果記憶回路2301および測定結果選択回路2302によって実現される。また、図1に示した第1制御部112は、連続一致保護回路304によって実現される。また、図1に示した第2制御部113は、不定領域測定回路303、測定結果記憶回路2301および測定結果選択回路2302によって実現される。例えば、不定領域測定回路303、測定結果記憶回路2301および測定結果選択回路2302が、不定期間Tr,Tfの測定結果に応じたクロック信号の調整を指示する信号をクロック生成回路311へ送信することにより、第2制御部113の機能を実現する。
図23に示した伝送装置100において、全ての送信端回路2221(プラグインユニット2220)が切断された場合の反射ノイズは、例えば図10に示した反射ノイズと同様であり、入力信号の不定期間Tr,Tfは例えばともに1[mS]である。
図23に示した伝送装置100において、全ての送信端回路2221(プラグインユニット2220)が接続された場合の反射ノイズは、例えば図11に示した反射ノイズと同様であり、入力信号の不定期間Tr,Tfは例えばともに0.7[mS]である。
(実施の形態5にかかる送信端回路ごとの不定期間の測定結果と伝送速度の計算結果)
図24は、実施の形態5にかかる送信端回路ごとの不定期間の測定結果の一例を示す図である。図25は、実施の形態5にかかる送信端回路ごとの伝送速度の計算結果の一例を示す図である。例えば測定結果記憶回路2301によって図24に示す測定結果2400が得られ、測定結果2400が測定結果選択回路2302に保持されたとする。
図24に示す送信端回路#1〜#10は、例えばそれぞれ図23に示した送信端回路2221a〜2221jに相当する。測定結果2400においては、伝送装置100に接続されている送信端回路(送信端回路#1〜#10)ごとに、不定期間Tr,Tfの測定結果が対応付けられている。例えば送信端回路#1の不定期間Tr,Tfの測定結果はともに0.7[mS]である。また、送信端回路#2の不定期間Tr,Tfの測定結果はともに0.4[mS]である。
従来のデジタル信号伝送回路は、反射ノイズの電圧レベルが最大となる場合(例えば図10に例示した場合)に基づいて伝送速度が計算される。よって、入力信号の不定期間Tr,Tfはともに1[mS]となる。また、Hレベル信号マスク保護時間およびLレベル信号マスク保護時間はともに1[mS]、マージンは0.5[mS]とする。
この場合に、従来の受信端回路に入力信号マスク保護を用いたデジタル信号伝送回路における受信端回路が受信できる伝送信号の伝送速度は、上記(2)式を用いて以下のように計算できる。
Th[bps]=1/(Tr[S]+Hレベル保護時間[S]+Tf[S]+Lレベル保護時間+マージン[S])=1/(1[mS]+1[mS]+1[mS]+1[mS]+0.5[mS])≒222.2[bps]
一方、実施の形態5にかかる伝送装置100では、10台全ての送信端回路2221が接続された場合の伝送速度は図11および図24に例示した場合に基づいて計算される。例えば、送信端回路#1からの伝送信号の伝送速度は、入力信号の不定期間Tr,Tfはともに0.7[mS]、マージンは0.5[mS]とした場合に、上記(2)式を用いて以下のように計算できる。
Th[bps]=1/(Tr[S]+Hレベル保護時間[S]+Tf[S]+Lレベル保護時間+マージン[S])=1/(0.7[mS]+0.7[mS]+0.7[mS]+0.7[mS]+0.5[mS])≒303.0[bps]
同様に送信端回路#2〜#10について伝送速度を計算した結果を図25の計算結果2500に示す。例えば、送信端回路#1より不定期間Tr,Tfが短い送信端回路#2については、送信端回路#1の伝送速度(303.0[bps])より高い伝送速度(476.2[bps])が計算される。
(実施の形態5にかかる動作モード設定回路の動作)
図26は、実施の形態5にかかる動作モード設定回路の動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態5にかかる動作モード設定回路302は、伝送装置100に対して送信端回路#1〜#10が接続され得る場合に、例えば図26に示す各ステップを実行する。まず、動作モード設定回路302は、「不定領域非測定中」の動作モードとなり、測定開始通知を受信したか否かを判断する(ステップS2601)。
ステップS2601において、測定開始通知を受信していない場合(ステップS2601:No)は、動作モード設定回路302は、「不定領域非測定中」の動作モードを維持し(ステップS2602)、ステップS2601へ戻る。測定開始通知を受信した場合(ステップS2601:Yes)は、動作モード設定回路302は、「不定領域測定中」の動作モードへ移行し、「n」に「1」を設定する(ステップS2603)。「n」は送信端回路#1〜#10のインデックスである。
次に、動作モード設定回路302は、送信端回路#nが伝送装置100に接続されているか否かを判断する(ステップS2604)。送信端回路#nが接続されていない場合(ステップS2604:No)は、動作モード設定回路302は、ステップS2607へ移行する。送信端回路#nが接続されている場合(ステップS2604:Yes)は、動作モード設定回路302は、送信端回路#nについての不定期間Tr,Tfを不定領域測定回路303に測定させる測定中の状態を維持する(ステップS2605)。
次に、動作モード設定回路302は、送信端回路#nについての測定完了通知を不定領域測定回路303から受信したか否かを判断する(ステップS2606)。測定完了通知を受信していない場合(ステップS2606:No)は、動作モード設定回路302は、ステップS2605へ戻る。測定完了通知を受信した場合(ステップS2606:Yes)は、動作モード設定回路302は、「n」が10に達したか否かを判断する(ステップS2607)。
ステップS2607において、「n」が10に達していない場合(ステップS2607:No)は、伝送装置100に接続された送信端回路の全てについての不定期間Tr,Tfの測定が完了していないと判断することができる。この場合は、動作モード設定回路302は、「n」に「1」を加算し(ステップS2608)、ステップS2604へ戻る。
ステップS2607において、「n」が10に達した場合(ステップS2607:Yes)は、伝送装置100に接続された送信端回路の全てについての不定期間Tr,Tfの測定が完了したと判断することができる。この場合は、動作モード設定回路302は、「不定領域非測定中」の動作モードへ移行し、ステップS2601へ戻る。
(実施の形態5にかかる測定結果記憶回路の動作)
図27は、実施の形態5にかかる測定結果記憶回路の動作の一例を示すフローチャートである。実施の形態5にかかる測定結果記憶回路2301は、伝送装置100に対して送信端回路#1〜#10が接続され得る場合に、例えば図27に示す各ステップを実行する。まず、測定結果記憶回路2301は、動作モード設定回路302の動作モードが「不定領域測定中」か否かを判断し(ステップS2701)、動作モード設定回路302の動作モードが「不定領域測定中」になるまで待つ(ステップS2701:Noのループ)。
ステップS2701の判断は、例えば動作モード設定回路302から出力される動作モード信号に基づいて行うことができる。「不定領域測定中」である場合(ステップS2701:Yes)は、測定結果記憶回路2301は、送信端回路#1〜#10のインデックスを示す「n」に「1」を設定する(ステップS2702)。
次に、測定結果記憶回路2301は、送信端回路#nについての不定期間Tr,Tfの測定中か否かを判断する(ステップS2703)。ステップS2703の判断は、例えば動作モード設定回路302や不定領域測定回路303の状態に基づいて行うことができる。送信端回路#nについての不定期間Tr,Tfの測定中でない場合(ステップS2703:No)は、測定結果記憶回路2301は、ステップS2706へ移行する。
ステップS2703において、送信端回路#nについての不定期間Tr,Tfの測定中である場合(ステップS2703:Yes)は、測定結果記憶回路2301は、ステップS2704へ移行する。すなわち、測定結果記憶回路2301は、送信端回路#nについての不定期間Tr,Tfの測定完了通知を不定領域測定回路303から受信したか否かを判断し(ステップS2704)、測定完了通知を受信するまで待つ(ステップS2704:Noのループ)。
ステップS2704において、測定完了通知を受信した場合(ステップS2704:Yes)は、測定結果記憶回路2301は、不定領域測定回路303から出力される送信端回路#nについての不定期間Tr,Tfの測定結果を保持する(ステップS2705)。次に、測定結果記憶回路2301は、「n」が10に達したか否かを判断する(ステップS2706)。
ステップS2706において、「n」が10に達していない場合(ステップS2706:No)は、伝送装置100に接続された送信端回路の全てについての測定結果を保持していないと判断することができる。この場合は、測定結果記憶回路2301は、「n」に「1」を加算し(ステップS2707)、ステップS2703へ戻る。「n」が10に達した場合(ステップS2706:Yes)は、伝送装置100に接続された送信端回路の全てについての測定結果を保持したと判断することができる。この場合は、測定結果記憶回路2301は、ステップS2701へ戻る。
(実施の形態5にかかる測定結果選択回路)
図28は、実施の形態5にかかる測定結果選択回路の一例を示す図である。図23に示した測定結果選択回路2302は、例えば、図28に示すように、論理積部2801〜2810(AND回路)と、論理和回路2820(OR回路)と、により実現することができる。論理積部2801〜2810の第1の入力部には、測定結果記憶回路2301から、それぞれ送信端回路#1〜#10についての不定期間Tr,Tfの測定結果が入力される。
論理積部2801〜2810の第2の入力部には、それぞれ送信端回路#1〜#10からの通信開始通知が入力される。論理積部2801〜2810のそれぞれは、第1の入力部と、第2の入力部と、の乗算結果を論理和回路2820へ出力する。すなわち、論理積部2801〜2810のそれぞれは、第2の入力部に通信開始通知が入力された場合にのみ、第1の入力部に入力された測定結果を論理和回路2820へ出力する。
論理和回路2820は、論理積部2801〜2810からの加算結果を連続一致保護回路304(例えば図23参照)へ出力する。これにより、測定結果記憶回路2301に保持された送信端回路ごとの測定結果の中から、通信開始通知をアサートした送信端回路の測定結果を選択して連続一致保護回路304へ出力することができる。
このように、実施の形態5にかかる伝送装置100によれば、共用信号線に送信端回路(第1通信装置)が複数接続可能である構成において、接続された送信端回路のそれぞれについて不定期間の長さを取得することができる。
そして、接続された送信端回路のそれぞれについての不定期間の長さのうちの、受信端回路(第2通信装置)へ信号を送信する送信端回路についての不定期間の長さに基づき保護期間の長さを制御することができる。また、受信端回路へ信号を送信する送信端回路についての不定期間の長さに基づく保護期間の長さに応じて、送信端回路が受信端回路へ送信する信号の速度を制御することができる。
したがって、共用信号線に送信端回路が複数接続可能である構成において、共用信号線に接続された送信端回路のうちの信号を送信する送信端回路についての不定期間の長さに基づいて保護期間の長さおよび伝送速度を制御することができる。これにより、例えば、送信端回路の接続状態と、いずれの送信端回路が信号を送信するのかと、の組み合わせに応じて変化する不定期間のうちの最長の期間を想定して保護時間を予め長く設定する構成に比べて保護時間を短く設定することができる。そして、設定した短い保護時間に合わせて伝送速度を高速にすることができる。このため、伝送速度の向上を図ることができる。
(実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成の他の一例)
図29は、実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成の他の一例を示す図である。図29において、図23に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図29に示すように、測定結果記憶回路2301によって保持された不定期間Tr,Tfの測定結果は、測定結果記憶回路2301から送信端回路2221へ直接送信するのではなく、測定結果選択回路2302を介して送信端回路2221へ送信してもよい。
この場合に、測定結果選択回路2302は、送信端回路2221のいずれかから通信開始通知がアサートされると、測定結果記憶回路2301によって保持された送信端回路2221ごとの不定期間Tr,Tfの測定結果を取得する。また、測定結果選択回路2302は、取得した測定結果の中から選択した測定結果を、連続一致保護回路304と、通信開始通知をアサートした送信端回路2221のクロック生成回路311と、へ送信する。
例えば、測定結果選択回路2302は、取得した測定結果のうちの最長の測定結果を選択する。また、不定期間Tr,Tfのそれぞれについての測定結果が測定結果記憶回路2301に保持されるようにしてもよい。この場合は、測定結果選択回路2302は、例えば、送信端回路2221ごとの不定期間Tr,Tfの測定結果の中から、不定期間Tr,Tfの合計、平均または最大値が最大の測定結果を選択する。
連続一致保護回路304は、測定結果選択回路2302から受信した不定期間Tr,Tfの測定結果に基づいて、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号の連続一致保護を行う。通信開始通知をアサートした送信端回路2221のクロック生成回路311は、測定結果選択回路2302から受信した不定期間Tr,Tfの測定結果を参照してクロック速度を制御する。
これにより、受信端回路2211が受信できる伝送信号の量を増加させることができるとともに、送信端回路2221への測定結果の送信に要するシグナリング量を低減することが可能になる。例えば、測定結果選択回路2302は、送信端回路2221のいずれに対しても同一の測定結果を送信するため、送信端回路2221のそれぞれに共通の信号線(例えば信号線2212a)を用いて測定結果を送信することができる。
通信開始通知をアサートした送信端回路2221に対して測定結果選択回路2302が選択した不定期間Tr,Tfの測定結果を送信する構成について説明したが、このような構成に限らない。例えば、測定結果選択回路2302は、不定期間Tr,Tfの測定が行われる都度、送信端回路2221ごとの不定期間Tr,Tfの測定結果の中から選択した測定結果を送信端回路2221のそれぞれへ送信してもよい。
このように、実施の形態5にかかる伝送装置100において、接続された送信端回路のそれぞれについての不定期間の長さのうちの最長の長さに基づき保護期間の長さおよび伝送速度を制御してもよい。この場合も、共用信号線に送信端回路が複数接続可能である構成において、共用信号線に接続された送信端回路の各不定期間の長さのうちの最長の不定期間の長さに合わせて保護期間の長さおよび伝送速度を一律に制御することができる。
これにより、例えば、送信端回路の接続状態に応じて変化する不定期間のうちの最長の期間を想定して保護時間を予め長く設定する構成に比べて保護時間を短く設定し、設定した短い保護時間に合わせて伝送速度を高速にすることができる。このため、伝送速度の向上を図ることができる。また、接続された送信端回路のそれぞれについての不定期間の長さのうちの最長の長さのみを他装置へ通知すればよいため、他装置への不定期間の長さの通知に要するシグナリング量を低減することが可能になる。
(実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成のさらに他の一例)
図30は、実施の形態5にかかる伝送装置の回路構成のさらに他の一例を示す図である。図30において、図23,図29に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。図30に示すように、実施の形態5にかかる伝送装置100は、図23,図29に示した測定結果記憶回路2301および測定結果選択回路2302に代えて測定結果選択記憶回路3001を備えていてもよい。
測定結果選択記憶回路3001は、不定領域測定回路303から出力された不定期間Tr,Tfの測定結果を1つのみ記憶する。また、測定結果選択記憶回路3001は、不定領域測定回路303から不定期間Tr,Tfの測定結果が新たに送信される都度、記憶している過去の測定結果と、不定領域測定回路303から新たに出力された測定結果と、を比較する。そして、測定結果選択記憶回路3001は、比較した各測定結果のうちのより長い測定結果のみを保持し、比較した各測定結果のうちのより短い測定結果は破棄する。
これにより、測定結果選択記憶回路3001には、送信端回路2221ごとの不定期間Tr,Tfの測定結果のうちの最長の測定結果のみが保持される。測定結果選択記憶回路3001によって保持された測定結果は、連続一致保護回路304と、伝送装置100に接続されている各送信端回路2221のクロック生成回路311と、へ送信される。
連続一致保護回路304は、測定結果選択記憶回路3001から受信した不定期間Tr,Tfの測定結果に基づいて、サンプリング回路301から出力されたサンプリング後の入力信号の連続一致保護を行う。また、通信を行う送信端回路2221のクロック生成回路311は、測定結果選択記憶回路3001から受信した不定期間Tr,Tfの測定結果を参照してクロック速度を制御する。
これにより、図23,図29に示した伝送装置100と同様に、受信端回路2211が受信できる伝送信号の量を増加させることができるとともに、送信端回路2221への測定結果の送信に要するシグナリング量を低減することが可能になる。また、送信端回路2221ごとの不定期間Tr,Tfの測定結果を保持しなくても最長の測定結果を選択することができるため、最長の測定結果の選択に要するメモリ容量を低減することができる。
(実施の形態5にかかる測定結果選択記憶回路の動作)
図31は、実施の形態5にかかる測定結果選択記憶回路の動作の一例を示すフローチャートである。図30に示した測定結果選択記憶回路3001は、伝送装置100に対して送信端回路#1〜#10が接続され得る場合に、例えば図31に示す各ステップを実行する。図31に示すステップS3101〜S3104は、図27に示した測定結果記憶回路2301によるステップS2701〜S2704と同様である。
ステップS3104において、測定完了通知を受信した場合(ステップS3104:Yes)は、測定結果選択記憶回路3001は、ステップS3105へ移行する。すなわち、測定結果選択記憶回路3001は、不定領域測定回路303から出力される送信端回路#nについての新たな不定期間Tr,Tfの測定結果が、現在保持している過去の不定期間Tr,Tfの測定結果より長いか否かを判断する(ステップS3105)。なお、n=1の時点では測定結果選択記憶回路3001は不定期間Tr,Tfの測定結果を保持していないが、この場合は、測定結果選択記憶回路3001は、新たな測定結果が保持している過去の測定結果より長いと判断する。
ステップS3105において、新たな測定結果が保持している過去の測定結果より長くない場合(ステップS3105:No)は、測定結果選択記憶回路3001は、ステップS3107へ移行する。新たな測定結果が保持している過去の測定結果より長い場合(ステップS3105:Yes)は、測定結果選択記憶回路3001は、新たな不定期間Tr,Tfの測定結果を保持し(ステップS3106)、ステップS3107へ移行する。ステップS3106において、測定結果選択記憶回路3001は、以前保持していた過去の測定結果については破棄する。
図31に示すステップS3107,S3108は、図27に示したステップS2706,S2707と同様である。ステップS3107において、「n」が10に達した場合(ステップS3107:Yes)は、測定結果選択記憶回路3001は、現在保持している不定期間Tr,Tfの測定結果を破棄し(ステップS3109)、ステップS3101へ戻る。
このように、実施の形態5にかかる伝送装置100は、不定期間の長さを新たに取得するごとに、新たに取得した不定期間の長さと、過去に取得した不定期間の長さと、を比較し、比較した各不定期間の長さのうちのより長い不定期間の長さのみを保持してもよい。そして、伝送装置100は、保持した不定期間の長さに基づいて保護期間の長さおよび伝送速度を制御する。これにより、図29に示した伝送装置100と同様に最長の不定期間の長さに合わせて保護期間の長さおよび伝送速度を一律に制御することができるとともに、最長の不定期間の長さの選択に要するメモリ容量を低減することができる。
また、実施の形態5は、上述した各実施の形態の構成と組み合わせて実施することも可能である。例えば、実施の形態5において、実施の形態3のように、信号変化点マスクパルス生成回路を用いてマスク保護時間を設定する構成としてもよい。
また、実施の形態5において、実施の形態4のように、動作モード設定回路302および不定領域測定回路303が受信端回路2211ではなく送信端回路2221に含まれる構成としてもよい。この場合は、例えば図23,図29に示した測定結果記憶回路2301および測定結果選択回路2302や、図30に示した測定結果選択記憶回路3001も送信端回路2221に含める構成としてもよい。
また、実施の形態5において、多対一バス接続の構成について説明したが、例えば実施の形態2〜4と、実施の形態5と、を組み合わせて多対多バス接続の構成としてもよい。この場合は、不定期間Tr,Tfは、送信端回路および受信端回路の接続状態と、いずれの送信端回路からいずれの受信端回路へ信号を送信するのかと、の組み合わせに応じて変化する。これに対して、伝送装置100は、例えば、信号を送信する送信端回路と、信号を受信する受信端回路と、の組み合わせごとに不定期間Tr,Tfを測定する。
そして、伝送装置100は、送信端回路から受信端回路へ信号を送信する際に、それらの送信端回路および受信端回路の組み合わせに対応する不定期間Tr,Tfの測定結果に基づいて保護期間の長さおよび伝送速度を制御する。または、伝送装置100は、送信端回路から受信端回路へ信号を送信する際に、送信端回路および受信端回路の組み合わせごとに測定した不定期間Tr,Tfの測定結果のうちの最長の測定結果に基づいて保護期間の長さおよび伝送速度を制御してもよい。
上述した実施の形態1〜5に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)複数の通信装置と接続可能な共用信号線を有する第1通信装置と、前記共用信号線に接続されるとともに前記共用信号線を介して受信した信号の論理レベルの判定を行う第2通信装置と、を制御する制御装置において、
前記第2通信装置から、前記信号のレベルが不定となる不定期間の長さを取得する取得部と、
受信した前記信号の論理レベルを変化させずに維持する保護期間の長さを前記不定期間の長さに基づいて制御する第1制御部と、
前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する第2制御部と、
を有することを特徴とする制御装置。
(付記2)前記取得部は、前記第1通信装置への通信装置の接続があった場合に、前記通信装置の接続の後の前記不定期間の長さを取得することを特徴とする付記1に記載の制御装置。
(付記3)前記取得部は、前記第1通信装置からの通信装置の切断があった場合に、前記通信装置の切断の後の前記不定期間の長さを取得し、
前記第2通信装置は、前記第1通信装置から切断された通信装置と異なる通信装置である
ことを特徴とする付記1または2に記載の制御装置。
(付記4)前記第2通信装置は、前記第2通信装置が前記第1通信装置から受信した信号の論理レベルが第1レベルから第2レベルに変化してから、前記第2通信装置が前記第1通信装置から受信した信号の論理レベルが所定期間の間連続して前記第2レベルとなるまで前記判定の結果を前記第1レベルにし、
前記第1制御部は、前記不定期間の長さに基づいて前記所定期間の長さを制御する
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記5)前記第2通信装置は、前記第2通信装置が前記第1通信装置から受信した信号の論理レベルが第1レベルから第2レベルに変化してから所定期間が経過するまで前記判定の結果を前記第2レベルにし、
前記第1制御部は、前記不定期間の長さに基づいて前記所定期間の長さを制御することを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記6)前記取得部は、前記第1通信装置が送信する信号の立ち上がりによる前記不定期間の長さ、または、前記第1通信装置が送信する信号の立ち下がりによる前記不定期間の長さ、のうちの少なくともいずれか一方を取得することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記7)前記第2通信装置は、前記第1通信装置に接続されている複数の通信装置のうちの前記共用信号線上における前記第1通信装置からの伝送距離が最も小さい通信装置であることを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記8)前記第2通信装置は、前記第1通信装置に接続されている複数の通信装置であり、
前記取得部は、前記第2通信装置のそれぞれについて前記不定期間の長さを取得し、
前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて、前記保護期間の長さを制御し、
前記第2制御部は、前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
ことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記9)前記取得部は、前記不定期間の長さの複数回の測定結果を取得し、
前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記測定結果が示す前記不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて、前記保護期間の長さを制御し、
前記第2制御部は、前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
ことを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記10)前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記不定期間の長さが短いほど、前記保護期間の長さを短くし、
前記第2制御部は、前記保護期間の長さが短いほど、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号を高速にする
ことを特徴とする付記1〜9のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記11)前記第1通信装置または前記第2通信装置に設けられていることを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記12)前記共用信号線には前記第1通信装置を複数接続可能であり、
前記取得部は、前記共用信号線に接続された前記第1通信装置のそれぞれについて前記不定期間の長さを取得し、
前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記不定期間の長さのうちの、前記第2通信装置へ信号を送信する前記第1通信装置についての不定期間の長さに基づいて前記保護期間の長さを制御し、
前記第2制御部は、前記第2通信装置へ信号を送信する前記第1通信装置についての不定期間の長さに基づく前記保護期間の長さに応じて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
ことを特徴とする付記1〜11のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記13)前記共用信号線には前記第1通信装置を複数接続可能であり、
前記取得部は、前記共用信号線に接続された前記第1通信装置のそれぞれについて前記不定期間の長さを取得し、
前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて前記保護期間の長さを制御し、
前記第2制御部は、前記第2通信装置へ信号を送信する前記第1通信装置についての不定期間の長さに基づく前記保護期間の長さに応じて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
ことを特徴とする付記1〜11のいずれか一つに記載の制御装置。
(付記14)前記取得部は、前記不定期間の長さを新たに取得するごとに、新たに取得した前記不定期間の長さと、過去に取得した前記不定期間の長さと、を比較し、比較した各不定期間の長さのうちのより長い不定期間の長さのみを保持し、
前記第1制御部は、前記取得部によって保持された前記不定期間の長さに基づいて前記保護期間の長さを制御し、
前記第2制御部は、前記取得部によって保持された前記不定期間の長さに基づく前記保護期間の長さに応じて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
ことを特徴とする付記13に記載の制御装置。
(付記15)複数の通信装置と接続可能な共用信号線を有する第1通信装置と、
前記共用信号線に接続されるとともに前記共用信号線を介して受信した信号の論理レベルの判定を行う第2通信装置と、
前記第2通信装置から、前記信号のレベルが不定となる不定期間の長さを取得し、受信した前記信号の論理レベルを変化させずに維持する保護期間の長さを前記不定期間の長さに基づいて制御し、前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する制御装置と、
を有することを特徴とする電子機器。
(付記16)複数の通信装置と接続可能な共用信号線を有する第1通信装置と、前記共用信号線に接続されるとともに前記共用信号線を介して受信した信号の論理レベルの判定を行う第2通信装置と、を制御する制御装置の制御方法において、
前記第2通信装置から、前記信号のレベルが不定となる不定期間の長さを取得し、
受信した前記信号の論理レベルを変化させずに維持する保護期間の長さを前記不定期間の長さに基づいて制御し、
前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
ことを特徴とする制御方法。
100 伝送装置
101 第1通信装置
102 第2通信装置
102a 所定の通信装置
104,212a,212b,2212a,2212b 信号線
110 制御装置
111 取得部
112 第1制御部
113 第2制御部
210,2210 マザーボード
211,2111〜211n,2221(2221a〜2221j) 送信端回路
212,2101,2212 伝送路
213,222,2213(2213a〜2213i),2222(2222a〜2222j) コネクタ
220,2220(2220a〜2220j) プラグインユニット
221(221a〜221j),2120,2211 受信端回路
301,2001 サンプリング回路
302 動作モード設定回路
303 不定領域測定回路
304 連続一致保護回路
311 クロック生成回路
312 出力信号生成回路
501,1201,1211,1901,1911 出力信号
502〜504,1001,1101,1202〜1204,1212〜1214,1603,1902,1903,1906,1912,1913,1916 入力信号
601,614,1701 フリップフロップ回路
611 シフトレジスタ
612 Trエンコード部
613 Tfエンコード部
801 Tr計測カウンタ
802 Tr測定結果
803 Tf計測カウンタ
804 Tf測定結果
1501 信号変化点検出回路
1502 信号変化点マスクパルス生成回路
1601,1904,1914 信号変化点検出パルス
1602,1905,1915 信号変化点マスクパルス
1702 論理回路
1711 カウンタ
1712 セレクタ
1713 マグニチュードコンパレータ
2301 測定結果記憶回路
2302 測定結果選択回路
2400 測定結果
2500 計算結果
2801〜2810 論理積部
2820 論理和回路
3001 測定結果選択記憶回路

Claims (10)

  1. 複数の通信装置と接続可能な共用信号線を有する第1通信装置と、前記共用信号線に接続されるとともに前記共用信号線を介して受信した信号の論理レベルの判定を行う第2通信装置と、を制御する制御装置において、
    前記第2通信装置から、前記信号のレベルが不定となる不定期間の長さを取得する取得部と、
    受信した前記信号の論理レベルを変化させずに維持する保護期間の長さを前記不定期間の長さに基づいて制御する第1制御部と、
    前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する第2制御部と、
    を有することを特徴とする制御装置。
  2. 前記取得部は、前記第1通信装置への通信装置の接続があった場合に、前記通信装置の接続の後の前記不定期間の長さを取得することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記取得部は、前記第1通信装置からの通信装置の切断があった場合に、前記通信装置の切断の後の前記不定期間の長さを取得し、
    前記第2通信装置は、前記第1通信装置から切断された通信装置と異なる通信装置である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。
  4. 前記第2通信装置は、前記第1通信装置に接続されている複数の通信装置のうちの前記共用信号線上における前記第1通信装置からの伝送距離が最も小さい通信装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の制御装置。
  5. 前記第2通信装置は、前記第1通信装置に接続されている複数の通信装置であり、
    前記取得部は、前記第2通信装置のそれぞれについて前記不定期間の長さを取得し、
    前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて、前記保護期間の長さを制御し、
    前記第2制御部は、前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の制御装置。
  6. 前記取得部は、前記不定期間の長さの複数回の測定結果を取得し、
    前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記測定結果が示す前記不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて、前記保護期間の長さを制御し、
    前記第2制御部は、前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の制御装置。
  7. 前記共用信号線には前記第1通信装置を複数接続可能であり、
    前記取得部は、前記共用信号線に接続された前記第1通信装置のそれぞれについて前記不定期間の長さを取得し、
    前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記不定期間の長さのうちの、前記第2通信装置へ信号を送信する前記第1通信装置についての不定期間の長さに基づいて前記保護期間の長さを制御し、
    前記第2制御部は、前記第2通信装置へ信号を送信する前記第1通信装置についての不定期間の長さに基づく前記保護期間の長さに応じて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の制御装置。
  8. 前記共用信号線には前記第1通信装置を複数接続可能であり、
    前記取得部は、前記共用信号線に接続された前記第1通信装置のそれぞれについて前記不定期間の長さを取得し、
    前記第1制御部は、前記取得部によって取得された前記不定期間の長さのうちの最長の長さに基づいて前記保護期間の長さを制御し、
    前記第2制御部は、前記第2通信装置へ信号を送信する前記第1通信装置についての不定期間の長さに基づく前記保護期間の長さに応じて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の制御装置。
  9. 複数の通信装置と接続可能な共用信号線を有する第1通信装置と、
    前記共用信号線に接続されるとともに前記共用信号線を介して受信した信号の論理レベルの判定を行う第2通信装置と、
    前記第2通信装置から、前記信号のレベルが不定となる不定期間の長さを取得し、受信した前記信号の論理レベルを変化させずに維持する保護期間の長さを前記不定期間の長さに基づいて制御し、前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する制御装置と、
    を有することを特徴とする電子機器。
  10. 複数の通信装置と接続可能な共用信号線を有する第1通信装置と、前記共用信号線に接続されるとともに前記共用信号線を介して受信した信号の論理レベルの判定を行う第2通信装置と、を制御する制御装置の制御方法において、
    前記第2通信装置から、前記信号のレベルが不定となる不定期間の長さを取得し、
    受信した前記信号の論理レベルを変化させずに維持する保護期間の長さを前記不定期間の長さに基づいて制御し、
    前記保護期間の長さに基づいて、前記第1通信装置が前記第2通信装置へ送信する信号の速度を制御する
    ことを特徴とする制御方法。
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