JP2016103586A - 絶縁シートおよび配線基板ならびに実装構造体 - Google Patents

絶縁シートおよび配線基板ならびに実装構造体 Download PDF

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猛 松井
川井 信也
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Abstract

【課題】 無機絶縁層と銅箔からなるシート部材との接合強度を向上できる絶縁シートおよび配線基板ならびに実装構造体を提供する。【解決手段】 銅箔からなるシート部材2と該シート部材2の表面に配された第1絶縁層4とを備える絶縁シート1であって、前記第1絶縁層4は、互いの一部が接触した複数の第1無機絶縁粒子11と、該複数の第1無機絶縁粒子11同士の間に配された第1樹脂部8とを有するとともに、第1無機絶縁粒子11の表面および第1樹脂部8中に有機官能基を有し、かつ、第1無機絶縁粒子11がシート部材2に接触している。【選択図】 図3

Description

本発明は、絶縁シートおよび配線基板ならびに実装構造体に関する。
従来、電子機器(例えば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ機器およびその周辺機器)における実装構造体としては、配線基板に電子部品を実装したものが使用されている。このような配線基板を形成するための絶縁シートとして、支持シート上に、粒径が3nm以上110nm以下の第1無機絶縁粒子と、粒径が0.5μm以上5μm以下の第2無機絶縁粒子とを含有する無機絶縁層を形成したものが知られている(特許文献1参照)。この特許文献1では、第1無機絶縁粒子同士が互い接着し、第2無機絶縁粒子同士が、第1無機絶縁粒子を介して接着し、3次元網目状構造の骨格を有することが記載されている。
国際公開第2011/037260号
特許文献1の絶縁シートでは、銅箔からなる支持シートと無機絶縁層との接合強度を高めるため、樹脂からなるプライマー層を介在させることが行われているが、プライマー層の形成工程が必要であり、銅箔からなる支持シート上に直接無機絶縁層を形成した場合に、銅箔と無機絶縁層との接合強度向上が要求されていた。
本発明は、無機絶縁層と銅箔からなるシート部材との接合強度を向上できる絶縁シートおよび配線基板ならびに実装構造体を提供するものである。
本発明の絶縁シートは、銅箔からなるシート部材と該シート部材の表面に配された第1絶縁層とを備える絶縁シートであって、前記第1絶縁層は、互いの一部が接触した複数の無機絶縁粒子と、該複数の無機絶縁粒子同士の間に配された第1樹脂部とを有するとともに、前記無機絶縁粒子の表面および前記第1樹脂部中に有機官能基を有し、かつ、前記無機絶縁粒子が前記シート部材に接触していることを特徴とする。
本発明の配線基板は、第1絶縁層と、該第1絶縁層上に配された配線層とを備えてなる配線基板であって、前記第1絶縁層は、互いの一部が接触した複数の無機絶縁粒子と、該複数の無機絶縁粒子同士の間に配された第1樹脂部とを有するとともに、前記無機絶縁粒子の表面および第1樹脂部中に有機官能基を有し、かつ、前記無機絶縁粒子が前記配線層に接触していることを特徴とする。
本発明の実装構造体は、上記の配線基板と、該配線基板に実装され、前記配線層に電気的に接続された電子部品とを備えたことを特徴とする。
本発明の絶縁シートによれば、銅箔からなるシート部材と第1絶縁層との接合強度を向上できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る絶縁シートの概略を示した断面図である。 (a)(b)は、図1のシート部材と絶縁層との界面部分を模式的に示す断面図、(c)は、図1の第1絶縁層と第2絶縁層との界面部分を模式的に示す断面図である。 図1の第1絶縁層とシート部材との界面部分を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る配線基板の概略を示した断面図である。 図4の配線基板の製造方法の一工程を示した断面図である。 図4の配線基板の製造方法の一工程を示した断面図である。 図4の配線基板の製造方法の一工程を示した断面図である。 図4の配線基板の製造方法の一工程を示した断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る絶縁シートについて、図1および図2を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
図1は、絶縁シート1を上下方向(絶縁シートの厚み方向)に切断した断面を模式的に示している。絶縁シート1は、例えば、後述するように配線基板の製造に使用されるものである。この絶縁シート1は、図1に示すように、シート部材2と、シート部材2上に積層されている絶縁層3とを有している。
シート部材2は、絶縁シート1を取り扱う際に、絶縁層3を支持するものであり、配線に加工される。シート部材2は、例えば平板状の銅箔からなる。シート部材2が銅箔からなるため、シート部材2の耐熱性を向上させることができる。
シート部材2は、図2(a)に示すように、平坦状のシート部材2の主面に絶縁層3が積層されている。絶縁層3との接着力を向上させるために、図2(b)に示すように、シート部材2の主面に複数の凹部10を形成し、絶縁層3との接触面積を大きくしてもよい。上下方向に沿った断面において凹部10のそれぞれの開口幅は、例えば0.01μm以上10μm以下に設定されている。なお、凹部10の開口幅は、レーザー変位計、原子間力顕微鏡(ASM)または走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。
シート部材2の厚みは、例えば3μm以上100μm以下に設定されている。シート部材2のヤング率は、例えば70GPa以上150GPa以下に設定されている。シート部材2の熱膨張率は、例えば13ppm/℃以上20ppm/℃以下に設定されている。な
お、シート部材2のヤング率は、MTSシステムズ社製Nano Indentor XP/DCMを用いて測定される。また、シート部材2の熱膨張率は、市販のTMA装置を用いて、JISK7197−1991に準じた測定方法によって測定される。
絶縁層3は、配線基板の配線層間の絶縁を確保するものである。絶縁層3は、シート部材2上に積層された第1絶縁層4と、第1絶縁層4上に積層された第2絶縁層5とを有している。絶縁層3の厚みは、例えば5μm以上50μm以下、望ましくは8μm以上20μm以下に設定されている。
第1絶縁層4は、配線基板の製造時に、配線層となるシート部材2側の表層の一部が除去されて、絶縁層3の表面を粗化する役割を担う場合がある。第1絶縁層4は、例えば層状である。第1絶縁層4の厚みは、例えば1μm以上15μm以下に設定されている。
第1絶縁層4は、図2に示すように、複数の無機絶縁粒子6および第1樹脂部8によって形成されている。具体的に、複数の無機絶縁粒子6が粒子形状を保持したまま互いの一部で3次元的に接触することによって、第1絶縁層4の主要部である骨格が形成されている。複数の無機絶縁粒子6が粒子形状を保持したまま互いの一部で接触し、摩擦力や分子間力により結合しているため、複数の無機絶縁粒子6同士の間には間隙7が存在している。そして、間隙7には、樹脂が充填されて、第1樹脂部8を形成している。なお、図2(c)では、複数の無機絶縁粒子6が離れた状態で記載されているものがあるが、これらの無機絶縁粒子6は3次元的に見ると接触している。
第1絶縁層4の無機絶縁粒子6には、シート部材2に接した接触部9を有しているものがある。また、複数の無機絶縁粒子6は粒子形状を保持したまま互いの一部で結合しているため、間隙7は両主面にわたって貫通した開気孔となっている。そして、間隙7に充填された第1樹脂部8は、単に間隙7内に配されているだけでなく、シート部材2に接している。言い換えれば、第1樹脂部8は、複数の無機絶縁粒子6同士の間に配され、かつ複数の無機絶縁粒子6の表面とシート部材2の一主面に接している。これによって、配線形成時にシート部材2を除去すると接触部9を有していた無機絶縁粒子6が露出する。その結果、無機絶縁粒子6を溶かすことによって絶縁層3の表面を粗化できるため、無機絶縁粒子6の大きさを制御することによって、粗化処理時の絶縁層3の表面の凹部の大きさを制御することができる。
また、配線基板を作製する前の絶縁シート1の段階において、シート部材2に第1樹脂部8を接触させることによって、シート部材2と絶縁層3との接着強度を向上させることができる。その結果、シート部材2から絶縁層3が剥離することを低減し、絶縁シート1の取り扱いを容易にすることができる。
また、第1絶縁層4は、複数の無機絶縁粒子6同士が接触して結合しているため、単に樹脂中に複数の無機絶縁粒子6が分散されている場合と比較して、第1絶縁層4の剛性を向上させることができる。その結果、第1絶縁層4を含む絶縁層3の変形を低減することができる。
また、シート部材2に複数の凹部10が形成されている場合、凹部10の内面に、無機絶縁粒子6が接触していてもよい。その結果、配線基板の形成時において、絶縁層3に凹部10に対応した凸部と、その凸部の表面に微細な複数の凹部を形成することができ、絶縁層3とこの絶縁層3に積層される他の絶縁層3との接着強度を向上させることができる。
また、無機絶縁粒子6は、第1無機絶縁粒子11と第2無機絶縁粒子12とを含んでいてもよい。特に、シート部材2の凹部10の開口部よりも小さい第1無機絶縁粒子11と、シート部材2の凹部10の開口部よりも大きい第2無機絶縁粒子12とを含んでいてもよい。これによって、第1無機絶縁粒子11は、凹部10内に入り込むことができ、第2無機絶縁粒子12は、凹部10内に入り込まないことになる。その結果、第1無機絶縁粒子11によって、絶縁層3の粗化に寄与するとともに、第2無機絶縁粒子12によって絶縁層3の剛性等を向上させることができる。
第1無機絶縁粒子11の粒子径は、例えば5nm以上80nm未満に設定されている。第2無機絶縁粒子12の粒子径は、0.1μm以上5μm以下に設定されている。無機絶縁粒子6(第1無機絶縁粒子11および第2無機絶縁粒子12)の粒子径は、例えば、まず第1絶縁層4の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、20粒子数以上50粒子数以下の粒子を含むように拡大した断面を撮影し、拡大した断面にて各粒子の最大径を測定することによって算出される。
第1無機絶縁粒子11は、例えば、複数の無機絶縁粒子6中に10体積%以上40体積%以下含まれており、第2無機絶縁粒子12は、例えば複数の無機絶縁粒子6中に60体積%以上90体積%以下含まれてもよい。上記の通り、複数の無機絶縁粒子6の粒度分布を設定すれば、第1絶縁層4の間隙7が小さくなりすぎることを抑制して、後述する第2絶縁層5の樹脂をシート部2に接触させるまで入り込ませやすくすることができる。また、さらに望ましくは、第1無機絶縁粒子11の粒子径が8nm以上70nm以下に設定され、第1無機絶縁粒子11は複数の無機絶縁粒子6中に15体積%以上30体積%以下含まれており、第2無機絶縁粒子12の粒子径が0.15μm以上2μm以下に設定され、第2無機絶縁粒子12は複数の無機絶縁粒子6中に70体積%以上85体積%以下含まれているとよい。
無機絶縁粒子6は、第2無機絶縁粒子12の間に複数の第1無機絶縁粒子11が介在し、第1無機粒子11同士が接触し、また第1無機粒子11と第2無機絶縁粒子12とが接触して、第1絶縁層4の主要部(骨格)を形成している。無機絶縁粒子6の形状は、例えば球状である。無機絶縁粒子6は、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸化マグネシウムまたは酸化ジルコニウム等の無機絶縁材料からなる。また、無機絶縁粒子6は単一の材料からなってもよいし、複数種類の材料からなってもよい。なお、無機絶縁粒子6は、熱膨張率が例えば0.6ppm/℃以上12ppm/℃以下である材料からなる。また、無機絶縁粒子6は、ヤング率が例えば10GPa以上300GPa以下である材料からなる。また、複数の無機絶縁粒子6の第1絶縁層4に対する含有率は、例えば70体積%以上に設定され、望ましくは75体積%以上に設定されている。
第1樹脂部8は、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂またはポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂等からなり、また、第1樹脂部8は、熱膨張率が例えば30ppm/℃以上60ppm/℃以下である材料からなる。また、第1樹脂部8は、ヤング率が例えば2GPa以上10GPa以下である材料からなる。第1樹脂部8は、絶縁シート1において未硬化あるいは半硬化状態である。
第2絶縁層5は、配線基板の製造時に、絶縁層3と配線層、または絶縁層3とこの絶縁層3に積層される他の絶縁層3とを接着するものである。第2絶縁層5は、図2(c)に示すように、第2樹脂部13および第2樹脂部13の樹脂内に配されている無機充填材35を有している。
第2絶縁層5の厚みは、第1絶縁層4の厚みよりも小さくてもよい。これにより、第2絶縁層5の熱膨張の影響が小さくなり、第1絶縁層4は、第2絶縁層5の熱膨張量を効果的に低減させることができる。なお、第2絶縁層5の厚みは、例えば1μm以上40μm以下に設定されている。
第2絶縁層5の第2樹脂部13は、第1絶縁層4の第1樹脂部8と接触していてもよい。その結果、第2絶縁層5と第1絶縁層4との接着強度を向上させることができ、例えば第1絶縁層4と第2絶縁層5の熱膨張率の違いによる剥離を低減することができる。
また、第2絶縁層5の第2樹脂部13は、第1絶縁層4の第1樹脂部8と一体的に形成されてもよい。すなわち、第2絶縁層5を形成する樹脂が、第1絶縁層4の間隙7に入り込んで、第1樹脂部8を形成してもよい。その結果、第2絶縁層5と第1絶縁層4との剥離を効果的に低減することができる。
第2樹脂部13は、主に第2絶縁層5を構成するものである。第2樹脂部13は、例え
ばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂またはポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂等からなる。また、第2樹脂部13は、熱膨張率が例えば30ppm/℃以上60ppm/℃以下である材料からなる。また、第2樹脂部13は、ヤング率が例えば2GPa以上10GPa以下である材料からなる。第2樹脂部13は、絶縁シート1において未硬化状態あるいは半硬化状態である。
無機充填材35は、第2絶縁層5の強度を向上させるものである。無機充填材35の形状は、例えば球状である。無機充填材35の粒子径は、第2無機絶縁粒子12の粒子径以上であってもよい。無機充填材35の粒子径は、例えば0.1μm以上5μm以下に設定される。また、第2絶縁層5に対する無機充填材35の含有率は、第1絶縁層4に対する無機絶縁粒子6の含有率よりも小さくてもよい。無機充填材の第2絶縁層5に対する含有率は、例えば60体積%以下に設定されている。第2絶縁層5の無機充填材35は、樹脂中に離れて存在する。
そして、第1絶縁層4中の第1無機絶縁粒子11の表面は、図3に示すように、カップリング処理されており、第1無機絶縁粒子11の表面に有機官能基が存在している。有機官能基は、第1無機絶縁粒子11の表面に化学的に結合し存在していることが望ましい。第1絶縁層4の第1無機絶縁粒子11の一部は、シート部材2に接触しており、接触部9を有している。ここで、第1無機絶縁粒子11がシート部材2に接触しているとは、透過型電子顕微鏡(TEM)にて10万倍の倍率にて観察した画像において、第1無機絶縁粒子11とシート部材2との間に間隙が観察されないことを指す。第1無機絶縁粒子11同士の接触も同様に、TEMにて10万倍の倍率にて観察した画像において、第1無機絶縁粒子11間に間隙が観察されないことを指す。
これにより、従来のプライマー層を形成することがないため、製造工程を簡略化できるとともに、第1無機絶縁粒子11とシート部材2との接触部分で、第1無機絶縁粒子11の有機官能基が、銅箔からなるシート部材2の表面と相互作用し、シート部材2と第1絶縁層4との接合強度を向上できる。また、第1無機絶縁粒子11が接触して結合し、さらには、有機官能基によって第1無機絶縁粒子11同士がさらに強く結合しているため、強固な第1絶縁層4を形成でき、これによりシート部材2と第1絶縁層4との接合強度を向上できる。さらに、接触部9以外の第1無機絶縁粒子11とシート部材2との間には第1樹脂部8が介在することにより、シート部材2と第1絶縁層4との接合強度を向上できる。
また、第1樹脂部8には、第1無機絶縁粒子11の表面の有機官能基と同じ有機官能基を有する化合物を含有していることが望ましい。これにより、第1無機絶縁粒子11とシート部材2との接触部9以外の部分でも、第1無機絶縁粒子11の表面の有機官能基と、第1樹脂部8に含有される同じ有機官能基を有する化合物とが結合することにより第1絶縁層4の機械的強度が向上するとともに、第1無機絶縁粒子11が第1樹脂部8の有機官能基を介してシート部材2bの表面に相互作用し、シート部材2と第1絶縁層4との接合強度を向上できる。なお、有機官能基を有する化合物は、カップリング剤および/または分散剤である。
なお、第2無機絶縁粒子12の表面がカップリング処理されており、第1無機絶縁粒子11および第2無機絶縁粒子12の表面に同じ有機官能基が存在している場合には、第1無機絶縁粒子11および第2無機絶縁粒子12の有機官能基同士が結合し、もしくは絡み合うことによって、第1無機絶縁粒子11同士、第2無機絶縁粒子12同士、並びに第1無機絶縁粒子11と第2無機絶縁粒子12とが強固に結合して、強固な骨格を形成できる。
有機官能基としては、水酸基またはオキサン基以外であり、例えば、炭化水素基、メタクリル基、アクリル基等がある。
このようなカップリング処理としては、例えばシラン系カップリング処理やチタネート系カップリング処理等を用いることができる。
特に、過剰のカップリング剤を用いてカップリング処理することにより、第1無機絶縁粒子11の表面に、同じ有機官能基を存在させることができるとともに、過剰分のカップリング剤が第1無機絶縁粒子11の間に遊離した状態で存在し、骨格(間隙7)中に樹脂を圧入する際に樹脂中に分散し、間隙7の第1樹脂部8中に、第1無機絶縁粒子11の表面に付着した有機官能基と同じ有機官能基を含むカップリング剤が存在することになる。これにより、第1樹脂部8に分散した同じ有機官能基を含むカップリング剤を介して、第1無機絶縁粒子11とシート部材2とを結合させることにより、第1絶縁層4の第1無機絶縁粒子11とシート部材2の接合強度をさらに向上できる。
なお、第1樹脂部8中に有機官能基を存在させるには、過剰のカップリング剤を用いて無機絶縁粒子6を処理する以外に、第1樹脂部8を構成する樹脂中に、予めカップリング剤を添加しても良い。
有機官能基が、第1、第2無機絶縁粒子11、12の表面に存在しているか否か、これらの有機官能基が同じか否か、また、第1、第2無機絶縁粒子11、12の表面に存在している有機官能基と同じ官能基を有するカップリング剤が第1樹脂部8中に存在しているかは、FT−IR(フーリエ変換赤外分光)、MMR(核磁器共鳴)、各種滴定により確認できる。
なお、上記形態ではカップリング剤による有機官能基について説明したが、分散剤による有機官能基であっても良く、さらには、カップリング剤と分散剤による有機官能基であっても良いことは勿論である。カップリング剤と分散剤とを適切に選択し、併用した場合には、理由は明確ではないが、第1絶縁層4とシート部材2との接合強度をさらに向上できる。
次に、上述した絶縁シート1を用いて製造された配線基板14を、図4を参照しつつ詳細に説明する。図4は、配線基板を上下方向に切断した断面を模式的に示している。
配線基板14は、例えば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ装置またはその周辺機器等の電子機器に使用されるものである。配線基板14は、例えばビルドアップ多層配線基板であって、図4に示すように、コア基板15とコア基板15の上下に形成された一対の配線層16とを備えている。
コア基板15は、配線基板14の剛性を高めつつ一対の配線層16間の導通を図るものである。コア基板15は、樹脂基体17と、樹脂基体17を上下方向に貫通して形成されている筒状のスルーホール導体18と、スルーホール導体18に取り囲まれた領域に配された柱状の絶縁体19とを含んでいる。
樹脂基体17は、コア基板15の剛性を高めるものである。この樹脂基体17は、例えば樹脂と、この樹脂に被覆された基材および無機絶縁フィラーとを含んでいる。
樹脂基体17に含まれた樹脂は、樹脂基体17の主要部を形成するものである。この樹脂は、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリパラ
フェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂またはポリエーテルケトン樹脂等の樹脂材料からなる。
樹脂基体17に含まれた基材は、樹脂基体17を高剛性化および低熱膨張化するものである。この基材は、繊維によって構成された織布もしくは不織布または繊維を一方向に配列したものからなる。また、この繊維は、例えばガラス繊維または樹脂繊維等からなる。
樹脂基体17に含まれた無機絶縁フィラーは、樹脂基体17を高剛性化および低熱膨張化するものである。この無機絶縁フィラーは、例えば酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、水酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウム等の無機絶縁材料からなる複数の粒子により構成されている。
スルーホール導体18は、コア基板15の上下の配線層21を電気的に接続するものである。このスルーホール導体18は、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケルまたはクロム等の導電材料からなる。
絶縁体19は、後述するビア導体20の支持面を形成するものである。この絶縁体19は、例えばポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂またはビスマレイミドトリアジン樹脂等の樹脂材料からなる。
一方、コア基板15の上下には、上述した如く、一対の配線層16が形成されている。配線層16は、厚み方向に沿ったビア孔が形成された絶縁層3と、樹脂基体17上または絶縁層3上に部分的に形成された配線層21と、ビア孔内に形成されたビア導体20とを含んでいる。
絶縁層3は、コア基板15側に位置している第2絶縁層5と、第2絶縁層5上に積層されている第1絶縁層4とを含んでいる。なお、第1絶縁層4および第2絶縁層5は、上述した絶縁シート1が備えていたものである。また、絶縁シート1では第1絶縁層4の第1樹脂部8および第2絶縁層5の第2樹脂部13は未硬化であったが、配線基板14では、第1樹脂部8および第2樹脂部13は硬化している。
第2絶縁層5は、配線層21の側面および上面に接着しつつ、樹脂基体17と絶縁層3とを接着、または積層された絶縁層3同士を接着するものである。第1絶縁層4は、絶縁層3の主要部をなし、厚み方向に沿って離れて配された配線層21同士の絶縁部材として機能するものである。第1絶縁層4は、樹脂材料と比較して低熱膨張率および高剛性であるから、絶縁層3の平面方向への熱膨張率を低減することができる。したがって、配線基板14と配線基板14上に実装される電子部品(図示せず)との平面方向への熱膨張率の差を低減し、ひいては配線基板14の反りを低減することができる。
配線層21は、平面方向または厚み方向に沿って互いに離れて配されており、接地用配線、電力供給用配線または信号用配線として機能するものである。この配線層21は、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケルまたはクロム等の導電材料からなる。配線層21の厚みは、例えば3μm以上20μm以下に設定されている。配線層21の熱膨張率は、例えば14ppm/℃以上18ppm/℃以下に設定されている。配線層21のL/S(ライン/スペース)は、例えば3/3μm以上20/20μm以下に設定されている。
ビア導体20は、厚み方向に互いに離れて配された配線層21同士を電気的に接続するものであり、コア基板15に向って幅狭となる柱状に形成されている。ビア導体20は、
例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケルまたはクロムの導電材料からなる。また、ビア導体20は、熱膨張率が例えば14ppm/℃以上18ppm/℃以下に設定されている。
本発明の実施形態に係る絶縁シート1を用いた配線基板14の製造方法について、図5〜図8を参照しつつ説明する。配線基板の製造方法は、主に準備工程、積層工程、露出工程、粗化工程および配線形成工程を有している。なお、本発明は、以下の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。なお、図5〜図8は、本発明の一実施形態に係る絶縁シートを使用して製造する配線基板の製造方法の一工程を示した断面図である。
(1)まず、絶縁シート1を準備する。絶縁シート1は、以下の工程(2)〜(4)を経て準備される。
(2)複数の無機絶縁粒子6、および水あるいは有機溶剤、適切な分散剤を準備し、秤量、混合し、無機絶縁粒子6を含有したスラリーを作製する。複数の無機絶縁粒子6である第1、第2無機絶縁粒子11、12はカップリング処理され、その表面に同じ有機官能基を有している。前記スラリーは、例えば無機絶縁粒子6を10体積%以上60体積%以下含み、水あるいは有機溶剤および分散剤をその合量で40%体積以上90体積%以下含む。前記有機溶剤には、例えばメタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミドまたはこれらから選択された2種以上の混合物を含んだ有機溶剤を使用することができる。
分散剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系等の公知の分散剤が例として挙げられる。
(3)例えば、Cu箔からなるシート部材2を準備する。シート部材2に凹部10を形成するには、シート部材2が銅箔の場合には、銅箔をメッキで形成する際の条件を制御することにより形成できる。
次いで、シート部材2上に前記スラリーを直接塗布し、シート状に成形する。従来のプライマー層は形成しない。成形方法としては、既存の成形方法、例えばドクターブレード法、ディスペンサー法、バーコーター法、ダイコーター法またはグラビア印刷法等を用いて行い、水あるいは溶剤を乾燥除去することにより行うことができる。これにより、第1絶縁層4の無機絶縁粒子6による骨格を形成する。
(4)第2絶縁層5を、第1絶縁層4の骨格上に形成する。具体的には、まず、溶剤、無機充填材および未硬化の樹脂の混合物を第1絶縁層4の骨格の主面に塗布する。次いで、第1絶縁層4の主面に塗布された混合物を乾燥させて混合物から溶剤を蒸発させることによって、第2絶縁層5を形成する。混合物の塗布は、既存の成形方法、例えばドクターブレード法、ディスペンサー法、バーコーター法、ダイコーター法またはグラビア印刷法等を用いて行なうことができる。
第2絶縁層5の一部(第2樹脂部13の一部)を第1絶縁層4の骨格の間隙7に入り込ませて第1樹脂部8を形成する。具体的には、シート部材2、第1絶縁層4の骨格および第2絶縁層5を上下方向に加熱加圧することによって、第1絶縁層4の間隙7に第2絶縁層5(第2樹脂部13)の一部を入り込ませる。シート部材2等の加熱温度は、例えば60℃以上160℃以下に設定される。シート部材2等の加圧圧力は、例えば0.1MPa
以上2MPa以下に設定される。シート部材2等の加熱加圧時間は、例えば0.5分以上10分以下に設定される。第2絶縁層5の樹脂材料の上記加熱時間における溶融粘度は、例えば10000Pa・s以下に設定される。第1絶縁層4の骨格の厚み、シート部材2等の加圧圧力および第2絶縁層5の樹脂材料の溶融粘度を適宜調整することによって、第1絶縁層5の間隙7に入り込んだ樹脂(第1樹脂部8)をシート部材2に接触させることができる。
あるいは、第2絶縁層5をキャリアフィルム上に、前述の溶剤、無機充填材および未硬化の樹脂の混合物を、前述と同様の既存の成形方法によりシート状に成形したものを準備し、第1絶縁層4の一部(第2樹脂部13の一部)上に載置し、前述と同様の方法で加熱加圧することによっても、第1絶縁層4の間隙7に第2絶縁層5(第2樹脂部13)の一部を入り込ませることが可能である。なお、キャリアフィルムは、加熱加圧後に剥離する。
以上のようにして、シート部材2、第1絶縁層4および第2絶縁層5を備える絶縁シート1を作製する。
(5)コア基板15(基板)を準備する。コア基板15の作製には、まず、例えば金属箔上に複数の樹脂層が積層された樹脂基体17を形成する。次いで、例えばドリル加工やレーザー加工等によって樹脂基体17にスルーホールを形成した後、例えば無電解めっき法、電気めっき法、蒸着法、CVD法またはスパッタリング法等により、スルーホールの内壁に筒状のスルーホール導体18を形成する。次いで、スルーホール導体18に取り囲まれた領域に樹脂材料を充填することによって絶縁体19を形成し、導電材料を絶縁体19の露出部に被着させた後、従来周知のフォトリソグラフィー技術またはエッチング等により、金属箔をパターニングして配線21を形成する。
以上のようにして、コア基板15を準備する。
(6)図5に示すように、絶縁シート1をコア基板15上に積層する。具体的には絶縁シート1の積層は、絶縁シート1の第2絶縁層5がコア基板15に接触するように行なう。
(7)第1樹脂部8および第2樹脂部13を熱硬化させる。具体的には、絶縁シート1およびコア基板15を、第1樹脂部8および第2樹脂部13の熱硬化開始温度以上加熱することによって、絶縁シート1中の未硬化状態の第1樹脂部8および第2樹脂部13を熱硬化させる。絶縁シート1等の加熱温度は、例えば80℃以上180℃以下に設定される。
(8)図6に示すように、シート部材2の表面からシート部材2、第1絶縁層4および第2絶縁層5を厚み方向に貫通する貫通穴を形成する。貫通穴の形成は、例えばYAGレーザー装置または炭酸ガスレーザー装置を用いてシート部材2の上面にレーザー光を照射することによって行なう。
(9)貫通孔の表面処理を行う、例えば無機絶縁粒子6が酸化珪素からなる場合であれば、無機絶縁粒子6を溶かす強アルカリ性の水溶液によって行なう、強アルカリ性の水溶液としては、例えば過マンガン酸カリウムまたは過マンガン酸ナトリウム等の水溶液である。
(10)貫通穴にビア導体20を形成する。ビア導体20は、例えば無電解めっき、蒸着法、CVD法またはスパッタリング法を用いて、貫通穴内に導電材料を埋めることによ
って形成される。
(11)銅箔からなるシート部材2を、図7に示すように、例えばフォトリソグラフィー技術を用いてエッチング加工することにより、第1絶縁層4上に配線層21を形成する。
なお、絶縁層3の表面を粗化する場合には、(11)の後に、シート部材2の一部をエッチングして除去して露出した第1絶縁層4の表層の一部(無機絶縁粒子6の一部)を除去し、絶縁層3の表面を粗化することができる。第1絶縁層4の一部の表面の除去は、例えば無機絶縁粒子6が酸化珪素からなる場合であれば、無機絶縁粒子6を溶かす強アルカリ性の水溶液によって行なう、強アルカリ性の水溶液としては、例えば過マンガン酸カリウムまたは過マンガン酸ナトリウム等の水溶液である。なお、第1絶縁層4の無機絶縁粒子6の一部が除去される一方で、第2絶縁層5は残存させることから、第2絶縁層5は上記水溶液には溶けにくい材料で形成する。なお、このとき、無機絶縁粒子6を複数の材料から形成することによって、粗化の度合いを調整することができる。また、複数の無機絶縁粒子6中に、例えば、酸化アルミニウム等の異なる単一の材料からなる無機絶縁粒子6を混ぜることによっても粗化の度合いを調整することができる。
(12)次に、図8に示すように、絶縁層3を複数層形成すべく、表面が粗化された第1絶縁層4の粗化面、および配線層21の表面に、さらに、絶縁シート1の未硬化の第2絶縁層5を積層し、絶縁層3を複数層形成する。第1絶縁層4の粗化面に、未硬化の第2絶縁層5がアンカー効果により、強固に接合できる。なお、図5〜8は、理解を容易にするため、絶縁シート1を拡大して示している。
以上のようにして、図4に示したような、配線基板14を製造する。
配線基板14の上面に電子部品を配置し、配線層21にバンプや半田等の接合部材を介して電子部品を実装することによって、実装構造体を作製する。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良、組合せ等が可能である。
上述した本発明の実施形態は、絶縁層3を2層積層した構成を例に説明したが、1層でも良く、3層以上でも良い。
また、上述した本発明の実施形態は、第1樹脂部8と第2樹脂部13を一体的に形成する例を説明したが、第1樹脂部8と第2樹脂部13は別々に形成しても構わない。この場合、第1樹脂部8を間隙7に配した後に、第2絶縁層5(第2樹脂部)を形成することになる。
また、上述した本発明の実施形態は、絶縁シート1を用いてビルドアップ多層配線基板を製造した構成を例に説明したが、絶縁シート1を用いて製造する配線基板は他のものでも構わない。他の配線基板としては、例えばインターポーザー基板、コアレス基板または単層基板が挙げられる。ここで、インターポーザー基板とは、1層の絶縁層3と、絶縁層3を貫通する貫通導体と、絶縁層3上に配され、貫通導体に電気的に接続する配線21とを備えている配線基板である。また、コアレス基板とは、絶縁層3と、絶縁層3を貫通するビア導体20と、絶縁層3上に配され、ビア導体20に電気的に接続する配線21とを備え、絶縁層3と配線21とが交互に複数積層されてなるものであって、コア基板15を有していない配線基板である。
さらに、上記形態では、第1絶縁層4に第1、第2無機絶縁粒子11、12を含む場合について説明したが、第1、第2無機絶縁粒子11、12以外の無機絶縁粒子を含有していても良い。
シート部材として厚さ18μmの銅箔と、表1に示す平均粒径とシランカップリング処理を施すことにより粒子表面に表1に示す有機官能基を導入した第1、2無機絶縁粒子を準備した。この後、表1に示す割合で第1、2無機絶縁粒子と、溶剤としてMEK(メチルエチルケトン)とカチオン系の表1の第1樹脂部中の有機官能基を有する分散剤を混合しスラリーを作製した。
このスラリーを銅箔の表面にドクターブレード法を用いて厚み5μmとなるように成形乾燥し、第1無機絶縁粒子の一部が銅箔に接触して結合した第1絶縁層の骨格を作製した。
一方、キャリアフィルム上に、平均粒径1.5μmのシリカ粒子を含有するエポキシ樹脂塗布、乾燥することにより形成した第2絶縁層となるエポキシ樹脂フィルムを第1絶縁層の骨格上に載置し、加熱、加圧することにより第1絶縁層の間隙にエポキシ樹脂を含浸、充填するとともに、第1絶縁層上に20μmの第2絶縁層を形成した。
次に、絶縁層と配線とが交互に複数積層されたコア基板を準備し、このコア基板の表面に、絶縁シートの第2絶縁層側の面を当接させ、加熱し、第1、第2絶縁層の樹脂部を硬化させ、図4の配線基板を作製した。
そして、表面のCu箔をコア基板から引き剥がすときのピール強度をJIS C6481に基づき、オートグラフにて測定した。結果を表1に示す。
この表1から、第1無機絶縁粒子に有機官能基を有するとともに、第1樹脂部に有機官能基を有し、銅箔上に第1無機絶縁粒子が接触する場合には、シート部材と第1絶縁層との接合強度が高いことがわかる。特に、第1、第2無機絶縁粒子の表面に同じ有機官能基を有し、第1樹脂部中にも有機官能基が存在する場合には、シート部材との接合強度が高いことがわかる。
1 絶縁シート
2 シート部材
3 絶縁層
4 第1絶縁層
5 第2絶縁層
6 無機絶縁粒子
7 間隙
8 第1樹脂部
11 第1無機絶縁粒子
12 第2無機絶縁粒子
13 第2樹脂部
14 配線基板
21 配線層

Claims (6)

  1. 銅箔からなるシート部材と該シート部材の表面に配された第1絶縁層とを備える絶縁シートであって、前記第1絶縁層は、互いの一部が接触した複数の無機絶縁粒子と、該複数の無機絶縁粒子同士の間に配された第1樹脂部とを有するとともに、前記無機絶縁粒子の表面および前記第1樹脂部中に有機官能基を有し、かつ、前記無機絶縁粒子が前記シート部材に接触していることを特徴とする絶縁シート。
  2. 前記第1樹脂部は、前記無機絶縁粒子の表面の有機官能基と同じ有機官能基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の絶縁シート。
  3. 前記無機絶縁粒子は、粒径が5〜80nmの第1無機絶縁粒子を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁シート。
  4. 前記第1絶縁層における前記シート部材が位置した主面と反対側の主面に、少なくとも無機絶縁粒子および第2樹脂部を有した第2絶縁層をさらに有しており、前記第1樹脂部と前記第2樹脂部は、同じ樹脂材料で形成され、かつ前記第1絶縁層の無機絶縁粒子の含有量が前記第2絶縁層の無機絶縁粒子の含有量よりも多いことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載の絶縁シート。
  5. 第1絶縁層と、該第1絶縁層上に配された配線層とを備えてなる配線基板であって、前記第1絶縁層は、互いの一部が接触した複数の無機絶縁粒子と、該複数の無機絶縁粒子同士の間に配された第1樹脂部とを有するとともに、前記無機絶縁粒子の表面および前記第1樹脂部中に有機官能基を有し、かつ、前記無機絶縁粒子が前記配線層に接触していることを特徴とする配線基板。
  6. 請求項5に記載の配線基板と、該配線基板に実装され、前記配線層に電気的に接続された電子部品とを備えたことを特徴とする実装構造体。
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