JP2016103418A - 全固体リチウム二次電池用正極活物質及び全固体リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体リチウム二次電池用正極活物質及び全固体リチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高容量な全固体リチウム二次電池を提供する。【解決手段】本開示に係る全固体リチウム二次電池の製造方法は、中和滴定、pH測定又はICP発光分析によって、LiNixCoyAlzO2(x+y+z=1)粉末の表面アルカリ度を測定する工程と、閾値以上の表面アルカリ度を有するLiNixCoyAlzO2粉末とLi2Sを含む硫化物系固体電解質とを混合して正極合剤を調製する工程と、正極合剤を用いて正極を作製する工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、全固体リチウム二次電池用正極活物質及び全固体リチウム二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、二次電池の中でも高いエネルギー密度を有し、かつ、高電圧での動作が可能という特徴を有している。そのため、リチウムイオン二次電池は、小型軽量化を図りやすい二次電池として携帯電話などの情報機器に使用されおり、ハイブリッド自動車などの大型の動力としての需要も高まっている。
リチウムイオン二次電池は、正極、負極、及び、これらの間に配置された電解質によって構成されている。電解質は、非水系の液体又は固体である。ただし、広く用いられている電解液は可燃性であるため、電解液を用いたリチウムイオン電池には、安全性を確保するためのシステムを搭載する必要がある。一方、固体電解質は不燃性であるため、そのようなシステムを簡素化できる。したがって、固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池(以下、「全固体リチウム二次電池」という)が提案されている。
固体電解質には大きく分けて、有機系の固体電解質と無機系の固体電解質とがある。前者は高分子固体電解質と呼ばれ、室温におけるイオン伝導度が10-6S/cm程度である。そのため、高分子固体電解質を用いた電池を室温で動作させることは困難である。一方、無機系の固体電解質には、酸化物からなるものと硫化物からなるものとがある。酸化物からなる無機系の固体電解質には、粒界抵抗が大きい、固体電解質に含まれた遷移金属がリチウム金属との接触で還元されて特性が低下するといった課題がある。そのため、これらの課題の少ない硫化物系の固体電解質が近年盛んに研究開発されている。
全固体リチウム二次電池の正極活物質としては、例えば特許文献1に記載されているように、コバルト酸リチウム(LiCoO2:「LCO」と表記することがある)がよく知られている。
しかし、リチウム二次電池には、より高い容量及びより高い出力が要求されている。この要求を満たすために、特許文献2及び特許文献3に記載されているように、ニッケル酸リチウム系の活物質の1つである、LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)(以下、「NCA」と表記することがある)を用いた全固体リチウム二次電池が提案されている。LCOの理論容量が137mAh/gであるのに対して、Ni、Co、Alの組成比により多少幅があるものの、NCAには約200mAh/gの理論容量が見込まれる。したがって、NCAは、リチウム二次電池の高容量化に適した正極材料の1つである。
国際公開第2007/004590号 特開2009−217934号公報 特開2010−245039号公報
しかし、本発明者が種々のNCA粉末と硫化物系固体電解質とを用いた全固体リチウム二次電池を作製及び評価したところ、正常に充放電できるNCA粉末と充放電不可能なNCA粉末とが存在することが判明した。また、充放電可能なNCA粉末であったとしても、その充放電特性に大きな差がある場合も存在することが判明した。
本開示は、大きい充放電容量を有し、かつ優れた充放電効率を達成できる正極活物質を提供することを目的とする。本開示は、また、そのような正極活物質を用いた高容量な全固体リチウム二次電池を提供することを目的とする。
すなわち、本開示は、
中和滴定、pH測定又はICP発光分析によって、LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)粉末の表面アルカリ度を測定する工程と、
閾値以上の前記表面アルカリ度を有する前記LiNixCoyAlz2粉末とLi2Sを含む硫化物系固体電解質とを混合して正極合剤を調製する工程と、
前記正極合剤を用いて正極を作製する工程と、
を含む、全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。
上記の技術によれば、高容量な全固体リチウム二次電池を提供することができる。
本実施形態の全固体リチウム二次電池の構成図 試料1〜6の全固体リチウム二次電池の充放電特性を示すグラフ 中和滴定の結果を示すグラフ pH測定の結果を示すグラフ ICP発光分析の結果を示すグラフ 十分な表面アルカリ度を有するNCA粒子の表面状態を示す図 十分な表面アルカリ度を有さないNCA粒子の表面状態を示す図 図6Aに示すNCA粒子と硫化物系固体電解質との接合界面の状態を示す図 図6Bに示すNCA粒子と硫化物系固体電解質との接合界面の状態を示す図
本開示の第1態様は、
中和滴定、pH測定又はICP発光分析によって、LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)粉末の表面アルカリ度を測定する工程と、
閾値以上の前記表面アルカリ度を有する前記LiNixCoyAlz2粉末とLi2Sを含む硫化物系固体電解質とを混合して正極合剤を調製する工程と、
前記正極合剤を用いて正極を作製する工程と、
を含む、全固体リチウム二次電池の製造方法。
第1態様によれば、Li2Sを含む硫化物系固体電解質とNCA粒子との間に良好な接合界面が形成される。その結果、全固体リチウム二次電池の充放電容量を高めることができる。なお、閾値は、分析方法に応じて定められている。
本開示の第2態様は、第1態様に加え、前記表面アルカリ度を測定する工程は、前記LiNixCoyAlz2粉末の表面に存在するリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を前記中和滴定によって測定することを含み、前記中和滴定によって測定された前記リチウムの質量が前記LiNixCoyAlz2粉末の質量に対して0.14%以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。第2態様によれば、120mAh/g以上の放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られる。
本開示の第3態様は、第2態様に加え、前記中和滴定によって測定された前記リチウムの質量が前記LiNixCoyAlz2粉末の質量に対して0.18%以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。第3態様によれば、130mAh/gを超える高容量の全固体リチウム二次電池が得られる。
本開示の第4態様は、第1態様に加え、前記表面アルカリ度を測定する工程は、前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄することと、洗浄後の前記水のpHを測定することとを含み、前記水のpHが11.3以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。第4態様によれば、120mAh/g以上の放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られる。
本開示の第5態様は、第1態様に加え、前記表面アルカリ度を測定する工程は、前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄することと、洗浄後の前記水に含まれたリチウムの量を前記ICP発光分光分析によって測定することとを含み、単位質量の前記LiNixCoyAlz2粉末から前記水に溶出した前記リチウムの量が1760μg/g以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。第5態様によれば、120mAh/g以上の放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られる。
本開示の第6態様は、第5態様に加え、単位質量の前記LiNixCoyAlz2粉末から前記水に溶出した前記リチウムの量が1890μg/g以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。第6態様によれば、130mAh/gを超える高容量の全固体リチウム二次電池が得られる。
本開示の第7態様は、
LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)粉末を正極活物質として用いて正極を作製する工程を含み、
前記LiNixCoyAlz2粉末は、
(a)前記LiNixCoyAlz2粉末の表面に存在するリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を中和滴定によって測定したとき、前記リチウムの質量が前記LiNixCoyAlz2粉末の質量に対して0.14%以上である、
(b)前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄し、洗浄後の前記水のpHを測定したとき、前記水のpHが11.3以上である、又は、
(c)前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄し、洗浄後の前記水に含まれたリチウムの量をICP発光分光分析によって測定したとき、単位質量の前記LiNixCoyAlz2粉末から前記水に溶出した前記リチウムの量が1760μg/g以上である、全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。
本開示の第8態様は、
LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)粉末を含む全固体リチウム二次電池用正極活物質であって、
前記LiNixCoyAlz2粉末は、
(a)前記LiNixCoyAlz2粉末の表面に存在するリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を中和滴定によって測定したとき、前記リチウムの質量が前記LiNixCoyAlz2粉末の質量に対して0.14%以上である、
(b)前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄し、洗浄後の前記水のpHを測定したとき、前記水のpHが11.3以上である、又は、
(c)前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄し、洗浄後の前記水に含まれたリチウムの量をICP発光分光分析によって測定したとき、単位質量の前記LiNixCoyAlz2粉末から前記水に溶出した前記リチウムの量が1760μg/g以上である、全固体リチウム二次電池用正極活物質を提供する。
第7態様又は第8態様によれば、120mAh/g以上の放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られる。
本開示の第9態様は、
第8態様の全固体リチウム二次電池用正極活物質とLi2Sを含む硫化物系固体電解質とを含む正極と、
負極と、
前記正極と前記負極との間に配置され、前記正極に含まれた硫化物系固体電解質と同一又は異なる組成のLi2Sを含む硫化物系固体電解質で形成された固体電解質層と、
を備えた、全固体リチウム二次電池を提供する。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本開示は、以下の実施形態に限定されない。
(実施形態1)
本実施形態の全固体リチウム二次電池の製造方法は、典型的には、次の6つの工程を含む。
工程1.NCA粉末の表面アルカリ度を測定する工程
工程2.表面アルカリ度に基づき、全固体リチウム二次電池に使用可能なNCA粉末と使用不可能なNCA粉末とを分別する工程
工程3.Li2Sを含む硫化物系固体電解質の粉末を作製する工程
工程4.正極合剤を調製する工程
工程5.全固体リチウム二次電池を作製する工程
工程6.全固体リチウム二次電池の初期特性を評価する工程
以下、各工程を順に詳細に説明する。
[工程1.NCA粉末の表面アルカリ度を測定する工程]
まず、中和滴定によってNCA粉末の表面アルカリ度を測定する。具体的には、NCA粉末の表面に存在するリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を中和滴定によって測定する。NCA粒子の表面には、水酸化リチウム(LiOH)及び炭酸リチウム(Li2CO3)がリチウム含有アルカリ性成分として存在する。なお、NCA粒子の製造方法は、例えば、Minki Jo, Mijung Noh, Pilgun Oh, Youngsik Kim, and Jaephil Cho, “A New High Power LiNi0.81Co0.1Al0.09O2 Cathode Material for Lithium-Ion Batteries”, Adv. Energy Mater., 2014, 4, 1301583に記載されている。
中和滴定は、Winkler法(日本工業規格JIS K8576)に基づいて実施することができる。所定量(例えば2g)のNCA粉末、及び、所定量(例えば2mL)の10%塩化バリウム水溶液を所定量(例えば200mL)のイオン交換水に加え、十分に撹拌する。このようにして、リチウムを含む試験溶液が得られる。その後、試験溶液に指示薬としてフェノールフタレイン溶液を加え、1mol/LのHCl水溶液を用い、窒素雰囲気下で中和滴定を行う。フェノールフタレインで終点(1段目)が検出される反応は以下の通りである。
LiOH+HCl→LiCl+H2
次に、試験溶液に指示薬としてブロモフェノールブルー溶液を加え、1mol/LのHCl水溶液を用い、窒素雰囲気下で中和滴定を行う。ブロモフェノールブルーで終点(2段目)が検出される反応は以下の通りである。
BaCO3+2HCl→BaCl2+H2O+CO2
各反応の終点までに要したHClの量から、試験溶液に含まれていた水酸化リチウムの質量及び試験溶液に含まれていた炭酸リチウムの質量を算出できる。水酸化リチウムの質量から、水酸化リチウムに由来するリチウムの質量を算出できる。炭酸リチウムの質量から、炭酸リチウムに由来するリチウムの質量を算出できる。水酸化リチウムに由来するリチウムの質量と炭酸リチウムに由来するリチウムの質量との合計は、NCA粉末の表面に存在していたリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量である。
なお、中和滴定は、Warder法で実施してもよい。
[工程2.表面アルカリ度に基づき、全固体リチウム二次電池に使用可能なNCA粉末と使用不可能なNCA粉末とを分別する工程]
次に、中和滴定の結果から、NCA粉末が閾値以上の表面アルカリ度を有するものであるかどうかを判断する。具体的には、リチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量がNCA粉末の質量に対して0.14%以上であるとき、そのNCA粉末が閾値以上の表面アルカリ度を有するものと判断する。つまり、中和滴定に使用したNCA粉末の質量をM1、NCA粉末の表面に存在していたリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量をM2としたとき、比(M2/M1)が0.0014以上であるとき、そのNCA粉末が閾値以上の表面アルカリ度を有するものと判断する。この要件を満足するNCA粉末は、全固体リチウム二次電池に使用可能である。
後述する実験結果から理解できるように、比(M2/M1)が0.0014以上のNCA粉末を使用したとき、120mAh/g以上の放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られる。望ましくは、比(M2/M1)は0.0018以上である。比(M2/M1)が0.0018以上のNCA粉末を使用したとき、130mAh/gを超える高容量の全固体リチウム二次電池が得られる。比(M2/M1)の上限は特に限定されない。一例において、比(M2/M1)の上限は0.04であり、0.03であってもよい。
他方、比(M2/M1)が0.0014未満のNCA粉末は、全固体リチウム二次電池に使用不可能なものとして分別される。比(M2/M1)が0.0014未満のNCA粉末を使用すると、十分な充放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られない。
[工程3.Li2Sを含む硫化物系固体電解質の粉末を作製する工程]
硫化リチウム(Li2S)の粉末と五硫化ニリン(P25)の粉末とを80:20〜70:30の重量比で混合し、遊星型ボールミルを用いたメカニカルミリング法でLi2Sを含む硫化物系固体電解質を合成する。ただし、これらの粉末の混合比率は特に限定されない。メカニカルミリング法は、200〜600rpm、5〜24時間の条件で行うことができる。これにより、Li2S−P25ガラス固体電解質の粉末が得られる。メカニカルミリング後、不活性雰囲気下、200〜300℃、1〜10時間の条件でLi2S−P25ガラス固体電解質の粉末をアニールする。これにより、Li2S−P25ガラスセラミックス固体電解質の粉末が得られる。
Li2Sを含む他の硫化物系固体電解質としては、Li2S−SiS2系ガラス、Li2S−B23系ガラス、Li3.25Ge0.250.754、Li10GeP212などを使用できる。また、これらに、LiI、LixMOy(M:P、Si、Ge、B、Al、Ga又はIn、x、y:自然数)などを添加剤として加えたものを使用できる。
硫化物系固体電解質を合成する方法は、メカニカルミリング法に限定されない。溶融超急冷法、封管法などの他の方法で硫化物系固体電解質を合成することもできる。溶融超急冷法とは、原料を溶融させ、溶融物を双ロールに通す又は溶融物を液体窒素に接触させることによって溶融物を急冷し、これにより、目的とする材料を得る方法である。封管法とは、原料を入れた石英管の中を減圧して封じ、熱処理を行い、これにより、目的とする材料を得る方法である。
[工程4.正極合剤を調製する工程]
工程2において分別された(良品であると判断した)NCA粉末と、工程3で作製したLi2Sを含む硫化物系固体電解質の粉末とをそれぞれ所定量秤量し、十分に混合する。これにより、正極合剤が得られる。混合比率は特に限定されない。一例において、質量比にて、NCA:固体電解質=5:5〜9:1である。
混合方法には、公知の混合方法を使用できる。例えば、乳鉢で混合する方法、ボールミル又はビーズミルで混合する方法、ジェットミルで混合する方法などが用いられる。混合方法は、乾式、湿式いずれの方法も採用可能である。湿式の混合方法では、NCA及び固体電解質のいずれとも反応しない液体を用いる必要がある。また、湿式の混合方法に使用される液体は、水分を十分に除去したものである必要がある。そのような液体の例としては、脱水トルエンが挙げられる。ただし、上記条件に沿えば、湿式の混合方法に使用される液体は脱水トルエンに限定されない。
[工程5.全固体リチウム二次電池を作製する工程]
図1に示すように、絶縁管3に下ダイ1を挿入する。絶縁管3の中にLi2Sを含む硫化物系固体電解質の粉末を入れる。絶縁管3に上ダイ2を挿入し、硫化物系固体電解質の粉末を加圧して固体電解質層102を形成する。上ダイ2を外し、絶縁管3の中に正極合剤を入れる。絶縁管3に上ダイ2を再度挿入し、正極合剤を加圧して固体電解質層102の上に正極合剤層101(正極層)を形成する。正極合剤層101を形成するときに正極合剤に加える圧力は、固体電解質層102を形成するときに固体電解質に加える圧力よりも高いことが望ましい。例えば、固体電解質層102を形成するときは0.2〜5MPa、正極合剤層101を形成するときは5〜50MPaの圧力を加えることによって各層を形成することが望ましい。
正極合剤層101を形成したのち、下ダイ1を外し、円盤状に打ち抜いた金属インジウム箔103(又は金属リチウム箔)を絶縁管3の中に入れる。下ダイ1を再度挿入して、金属インジウム箔103(負極層)を加圧する。これにより、発電要素10が形成される。このときの加圧力は特に限定されないが、過大な圧力を加えると金属インジウムが絶縁管3と固体電解質層102との界面を這い上がり、短絡に到ることがある。
発電要素10を形成したのち、下ダイ1及び上ダイ2を絶縁チューブ4、ボルト5及びナット6で固定する。これにより、全固体リチウム二次電池が得られる。
本実施形態においては、負極活物質として金属インジウム又は金属リチウムが使用されている。ただし、負極活物質はこれらに限定されず、炭素材料、Li4Ti512、Si、SiO、Sn、SnOなどの公知の負極活物質を使用できる。炭素材料としては、黒鉛、ハードカーボンなどが挙げられる。これらの負極活物質を用いる場合には、工程4で説明したように、負極活物質と固体電解質とを混合することによって負極合剤を得ることができる。また、成形時の圧力に関していえば、これらの負極活物質を用いる場合には、インジウム箔又はリチウム箔を用いる場合よりも大きい圧力を加える必要がある。
正極合剤層101に使用された硫化物系固体電解質と同一の組成の固体電解質で固体電解質層102が形成されていることは必須ではない。固体電解質層102は、正極合剤層101に使用された硫化物系固体電解質と異なる組成のLi2Sを含む硫化物系固体電解質で形成されていてもよい。
[工程6.全固体リチウム二次電池の初期特性を評価する工程]
工程5で作製した全固体リチウム二次電池の初期の充放電特性を定電流充放電によって評価できる。例えば、正極合剤層における正極活物質(NCA粉末)の重量から算出した理論容量の0.05Cに相当する電流値で充放電を行う。負極に金属リチウムを用いた場合、充電終止電圧及び放電終止電圧は、それぞれ、4.3V及び2.5Vである。負極に金属インジウムを用いた場合、充電終止電圧及び放電終止電圧は、それぞれ、3.7V及び1.9Vである。使用する負極活物質に応じて終止電圧は適宜変更される。放電電気量を充電電気量で割ることによって充放電効率(%)を算出できる。
(実施形態2)
実施形態2は、中和滴定に代えて、pH測定を採用したことを除き、実施形態1と同じである。
[工程1.NCA粉末の表面アルカリ度を測定する工程]
まず、pH滴定によってNCA粉末の表面アルカリ度を測定する。具体的には、所定量のNCA粉末を所定量の水で洗浄し、洗浄後の水のpHを測定する。例えば、2.5gのNCA粉末を50mLのイオン交換水(pH=7.0に調整)に加え、60分間撹拌し、10分間静置する。このようにして、試験溶液が得られる。試験溶液にpHメーターを浸漬し、5分後のpHを測定する。
[工程2.表面アルカリ度に基づき、全固体リチウム二次電池に使用可能なNCA粉末と使用不可能なNCA粉末とを分別する工程]
次に、pH測定の結果から、NCA粉末が閾値以上の表面アルカリ度を有するものであるかどうかを判断する。具体的には、水(試験溶液)のpHが11.3以上であるとき、NCA粉末が閾値以上の表面アルカリ度を有するものと判断する。この要件を満足するNCA粉末は、全固体リチウム二次電池に使用可能である。
後述する実験結果から理解できるように、試験溶液のpHが11.3以上のNCA粉末を使用したとき、120mAh/g以上の放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られる。望ましくは、試験溶液のpHは11.5以上である。試験溶液のpHが11.5以上のNCA粉末を使用したとき、130mAh/gを超える高容量の全固体リチウム二次電池が得られる。試験溶液のpHの上限は特に限定されない。一例において、pHの上限は12.0であり、11.6であってもよい。
他方、試験溶液のpHが11.3未満のNCA粉末は、全固体リチウム二次電池に使用不可能なものとして分別される。試験溶液のpHが11.3未満のNCA粉末を使用すると、十分な充放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られない。
(実施形態3)
実施形態3は、中和滴定に代えて、ICP発光分析を採用したことを除き、実施形態1と同じである。
[工程1.NCA粉末の表面アルカリ度を測定する工程]
まず、ICP発光分析によってNCA粉末の表面アルカリ度を測定する。具体的には、所定量のNCA粉末を所定量の水で洗浄し、洗浄後の水(試験溶液)に含まれたリチウムの量をICP発光分光分析によって測定する。NCA粉末の表面に存在するリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を定量するという点では、本実施形態は、実施形態1と同じである。
例えば、0.2gのNCA粉末と25mLのイオン交換水とをサンプル管に入れ、30分間撹拌した後、5分間静置する。さらに、孔径0.2μmのシリンジフィルターで上澄み液を濾過することによって、リチウムを含む試験溶液が得られる。試験溶液に含まれたリチウムの質量をICP発光分析によって測定する。
[工程2.表面アルカリ度に基づき、全固体リチウム二次電池に使用可能なNCA粉末と使用不可能なNCA粉末とを分別する工程]
次に、ICP発光分析の結果から、NCA粉末が閾値以上の表面アルカリ度を有するものであるかどうかを判断する。具体的には、単位質量(1g)のNCA粉末から水に溶出したリチウムの量が1760μg/g以上であるとき、NCA粉末が閾値以上の表面アルカリ度を有するものと判断する。この要件を満足するNCA粉末は、全固体リチウム二次電池に使用可能である。
後述する実験結果から理解できるように、溶出したリチウムの量が1760μg/g以上のNCA粉末を使用したとき、120mAh/g以上の放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られる。望ましくは、溶出したリチウムの量は1890μg/g以上である。溶出したリチウムの量が1890μg/g以上のNCA粉末を使用したとき、130mAh/gを超える高容量の全固体リチウム二次電池が得られる。溶出したリチウムの量の上限は特に限定されない。一例において、溶出したリチウムの量の上限は3500μg/gであり、2900μg/gであってもよい。
他方、溶出したリチウムの量が1760μg/g未満のNCA粉末は、全固体リチウム二次電池に使用不可能なものとして分別される。溶出したリチウムの量が1760μg/g未満のNCA粉末を使用すると、十分な充放電容量を有する全固体リチウム二次電池が得られない。
(その他の実施形態)
以上の実施形態で説明した方法は、NCA以外の活物質にも適用されうる。具体的には、LiNixMnyCoz2(x+y+z=1)、LiCoO2、LiNixMn2-x4、LiCoPO4、LiNiPO4、LiMnPO4などの活物質に本明細書で説明した方法が適用されうる。アルカリ性成分が活物質の粒子の表面に存在することが共通であれば、これらの活物質にもNCAと同じ傾向が見られることが予測される。また、以上の実施形態は、NCA等の正極活物質の検査方法も提供する。
以下に説明する方法で全固体リチウム二次電池を作製し、その初期特性を評価した。
(1)固体電解質の作製
0.8gの硫化リチウム(Li2S)と0.2gの五硫化二リン(P25)とを遊星型ボールミル(Fritsch社製、P−7型)用ジルコニアポット(内容積45mL)に入れ、510rpm、8時間の条件でミリングを行った。ミリングによって得られた粉末を不活性雰囲気下、270℃、2時間の条件でアニールした。これにより、固体電解質の粉末を得た。得られた固体電解質のリチウムイオン伝導度は、8×10-4S/cmであった。
(2)正極合剤の作製
試料1のNCA粉末と固体電解質の粉末とをメノウ乳鉢で十分に混合し、正極合剤を得た。NCA粉末と固体電解質との重量比は7:3であった。
(3)全固体リチウム二次電池の作製
80mgの固体電解質の粉末をセル容器に入れ、2MPaの圧力を加えることで固体電解質の粉末を予備成形し、固体電解質層を得た。固体電解質層を覆うように10mgの正極合剤の粉末をセル容器に入れ、18MPaの圧力を加えることで正極合剤の粉末を成形し、正極合剤層を得た。その後、固体電解質層を挟んで正極合剤層と対向する側に金属リチウム箔(直径10mm、厚さ200μm)を配置し、2MPaの圧力を正極合剤層、固体電解質層及び金属リチウム箔に加えて、これらを一体化させた。このようにして、試料1の全固体リチウム二次電池を得た。
試料2〜6のNCA粉末を用い、試料1と同じ方法で全固体リチウム二次電池を作製した。
(4)全固体リチウム二次電池の初期特性の評価
全固体リチウム二次電池の初期特性を以下の方法で調べた。70μA(0.05C相当)の定電流で4.3Vまで全固体リチウム二次電池を充電し、20分間の休止の後、70μAの定電流で2.5Vまで全固体リチウム二次電池を放電させた。得られた充放電曲線を図2に示す。また、初回充電容量、初回放電容量及び初回充放電効率を表1に示す。初回充電容量及び初回放電容量は、単位質量のNCA粉末に対する値である。
Figure 2016103418
次に、試料1のNCA粉末2g、イオン交換水200mL、10%塩化バリウム水溶液2mLを200mLビーカーに入れ、十分に撹拌し、試験溶液を得た。1mol/LのHCl水溶液を用い、窒素雰囲気下で試験溶液の中和滴定を行った。中和滴定は、自動滴定装置(京都電子社製 AT−600)を用いて行った。中和滴定の結果から、リチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を算出した。NCA粉末の質量M1に対する、リチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量M2の比(M2/M1)を算出した。
試料2〜6のNCA粉末を用い、試料1と同じ方法で中和滴定を行い、比(M2/M1)を算出した。結果を表2及び図3に示す。
Figure 2016103418
表2及び図3から明らかなように、比(M2/M1)が0.0014以上のとき、120mAh/g以上の放電容量を達成できた。比(M2/M1)が0.0018以上のとき、130mAh/g以上の放電容量を達成できた。
次に、試料1のNCA粉末2.5gを50mLのイオン交換水(pH=7.0に調整)に加え、60分間撹拌し、10分間静置した。このようにして、試験溶液を得た。試験溶液にpHメーターを浸漬し、5分後のpHを測定した。試料2〜6のNCA粉末を用い、試料1と同じ方法でpH測定を行った。結果を表3及び図4に示す。
Figure 2016103418
表3及び図4から明らかなように、試験溶液のpHが11.3以上のとき、120mAh/g以上の放電容量を達成できた。試験溶液のpHが11.5以上のとき、130mAh/g以上の放電容量を達成できた。
次に、試料1のNCA粉末0.2gとイオン交換水25mLとをサンプル管に入れ、30分間撹拌した後、5分間静置した。さらに、孔径0.2μmのシリンジフィルターで上澄み液を濾過することによって、リチウムを含む試験溶液を得た。試験溶液に含まれたリチウムの質量をICP発光分析によって測定した。試料2〜6のNCA粉末を用い、試料1と同じ方法でICP発光分析を行った。結果を表4及び図5に示す。
Figure 2016103418
表4及び図5から明らかなように、単位質量(1g)のNCA粉末から水に溶出したリチウムの量が1760μg/g以上のとき、120mAh/g以上の放電容量を達成できた。さらに、単位質量のNCA粉末から水に溶出したリチウムの量が1890μg/g以上のとき、130mAh/g以上の放電容量を達成できた。
以上の結果が得られた理由は必ずしも明らかではないが、本発明者は、NCA粒子と固体電解質との界面の状態を以下のように推測している。
図6Aは、NCA粉末を合成した直後におけるNCA粒子の表面状態を示している。NCA粒子の表面には、水酸化リチウム(LiOH)及び炭酸リチウム(Li2CO3)のようなアルカリ性成分が残っている。
リチウムイオン二次電池用のNCA粉末には、サイクル特性及び信頼性を向上させるために水洗されたものが存在する。NCAは、本来、大気中の水分にさえ敏感である。NCA粒子を大気中に放置すると、その表面にはアルカリ層が形成される。そのため、NCA粉末を水洗すると、図6Bに示すように、NCA粒子は、アルカリ層を失い、表層のリチウムイオンが欠損した状態になると考えられる。
図6Cは、図6Aに示すNCA粒子と硫化物系固体電解質との接合界面の状態を表している。図6Dは、図6Bに示すNCA粒子と硫化物系固体電解質との接合界面の状態を表している。図6Cでは、少なからずイオン伝導性が期待できるアルカリ層を介してNCA粒子と固体電解質とが接合している。これに対し、図6Dでは、NCA粒子の表層(破線部:リチウムが欠損した層)が高抵抗層になり、NCA粒子と固体電解質との界面でのリチウムイオンの移動を阻害していると考えられる。その結果、表面アルカリ度が低いNCA粉末は、十分な充放電容量を達成できないと推測される。
本明細書に開示された技術によれば、高いエネルギー密度及び優れた信頼性を有する全固体リチウム二次電池を提供できる。このような全固体リチウム二次電池は、ポータブル機器、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、定置用電源などの様々な用途に使用できる。
1 下ダイ
2 上ダイ
3 絶縁管
4 絶縁チューブ
5 ボルト
6 ナット
10 発電要素
101 正極層
102 固体電解質層
103 負極層

Claims (9)

  1. 中和滴定、pH測定又はICP発光分析によって、LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)粉末の表面アルカリ度を測定する工程と、
    閾値以上の前記表面アルカリ度を有する前記LiNixCoyAlz2粉末とLi2Sを含む硫化物系固体電解質とを混合して正極合剤を調製する工程と、
    前記正極合剤を用いて正極を作製する工程と、
    を含む、全固体リチウム二次電池の製造方法。
  2. 前記表面アルカリ度を測定する工程は、前記LiNixCoyAlz2粉末の表面に存在するリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を前記中和滴定によって測定することを含み、
    前記中和滴定によって測定された前記リチウムの質量が前記LiNixCoyAlz2粉末の質量に対して0.14%以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、請求項1に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  3. 前記中和滴定によって測定された前記リチウムの質量が前記LiNixCoyAlz2粉末の質量に対して0.18%以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、請求項2に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  4. 前記表面アルカリ度を測定する工程は、前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄することと、洗浄後の前記水のpHを測定することとを含み、
    前記水のpHが11.3以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、請求項1に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  5. 前記表面アルカリ度を測定する工程は、前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄することと、洗浄後の前記水に含まれたリチウムの量を前記ICP発光分光分析によって測定することとを含み、
    単位質量の前記LiNixCoyAlz2粉末から前記水に溶出した前記リチウムの量が1760μg/g以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、請求項1に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  6. 単位質量の前記LiNixCoyAlz2粉末から前記水に溶出した前記リチウムの量が1890μg/g以上であるとき、前記LiNixCoyAlz2粉末が前記閾値以上の前記表面アルカリ度を有するものと判断する、請求項5に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
  7. LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)粉末を正極活物質として用いて正極を作製する工程を含み、
    前記LiNixCoyAlz2粉末は、
    (a)前記LiNixCoyAlz2粉末の表面に存在するリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を中和滴定によって測定したとき、前記リチウムの質量が前記LiNixCoyAlz2粉末の質量に対して0.14%以上である、
    (b)前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄し、洗浄後の前記水のpHを測定したとき、前記水のpHが11.3以上である、又は、
    (c)前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄し、洗浄後の前記水に含まれたリチウムの量をICP発光分光分析によって測定したとき、単位質量の前記LiNixCoyAlz2粉末から前記水に溶出した前記リチウムの量が1760μg/g以上である、全固体リチウム二次電池の製造方法。
  8. LiNixCoyAlz2(x+y+z=1)粉末を含む全固体リチウム二次電池用正極活物質であって、
    前記LiNixCoyAlz2粉末は、
    (a)前記LiNixCoyAlz2粉末の表面に存在するリチウム含有アルカリ性成分に由来するリチウムの質量を中和滴定によって測定したとき、前記リチウムの質量が前記LiNixCoyAlz2粉末の質量に対して0.14%以上である、
    (b)前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄し、洗浄後の前記水のpHを測定したとき、前記水のpHが11.3以上である、又は、
    (c)前記LiNixCoyAlz2粉末を水で洗浄し、洗浄後の前記水に含まれたリチウムの量をICP発光分光分析によって測定したとき、単位質量の前記LiNixCoyAlz2粉末から前記水に溶出した前記リチウムの量が1760μg/g以上である、全固体リチウム二次電池用正極活物質。
  9. 請求項8に記載の全固体リチウム二次電池用正極活物質とLi2Sを含む硫化物系固体電解質とを含む正極と、
    負極と、
    前記正極と前記負極との間に配置され、前記正極に含まれた硫化物系固体電解質と同一又は異なる組成のLi2Sを含む硫化物系固体電解質で形成された固体電解質層と、
    を備えた、全固体リチウム二次電池。


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