JP2016098005A - 固形物供給装置 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの移送又は移し替えの工程において、例えば、粉体又は粉体を含むスラリーを移送する際に、流路が狭まる等で粉体どうしに圧力が加わると、粉体どうしが互いに固着することで流路内に塊となって滞留する現象、いわゆるブリッジ、ラットホールあるいはファネルフロー等が生じてしまい、粉体が移送できなくなるという問題が発生する場合がある。
このような滞留現象、特にホッパの出口付近の固形物が集中する領域でブリッジ現象が生じた場合には、流路に形成されたブリッジを当該流路又はホッパの壁面に打撃や衝撃を与えて破壊することによって解消する方法及び装置が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
このため、特許文献1の発明においては、サイロ内に形成されたアークブリッジを破壊する際に、サイロのテーパ形ホッパ壁にホッパ壁搖動手段を取り付けて、上記ホッパ壁を押し込む力と引き上げる力とを反復して加えることにより、アークブリッジを破壊する手法が採用されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたアーチブリッジ破壊装置は、サイロのホッパ壁に外側から取り付けたホッパ壁搖動手段により生じる振幅(往復動)をホッパ壁に伝達する構成のため、ホッパ壁に伝達された振幅がサイロ全体や当該サイロの固定構造にも伝わることとなり、また、ホッパ壁搖動手段の駆動源(モータ等)や搖動するホッパ壁から音が発生するため、使用環境によっては振動対策や騒音対策が必要となる。
さらに、ホッパ壁にホッパ壁搖動手段を追加的に取り付けることとなるため、サイロの構造が複雑となるとともに、製造上のコスト高となってしまうという問題があった。
特許文献2に記載されたブリッジの破壊装置は、粉体の流路に直列で配置できる点で引用文献1に記載されたアーチブリッジ破壊装置に比べて追加的な構造物が少なくなるという利点がある。
しかしながら、ホッパと粉体輸送管とで形成される流路の外部から圧縮空気を導入することとなるため、流路内に圧縮空気を介して何らかの不純物が混入することがあり、例えば食品や医薬品等の分野で粉体を扱う場合には適用が難しくなるという問題があった。
また、固形物の流れを検知するセンサーを用いることにより、滞留物の解消動作を含む固形物の供給を自動化することができる。
図1は、本発明の実施例1による固形物供給装置の概要を示す模式図である。
図1に示すように、固形物供給装置5は、貯蔵タンク3から配管2を通って搬送装置又は梱包装置4に至る固形物Pの供給経路を有している。このとき、配管2の中間部には、上記固形物Pの流れをせき止め又は開放するピンチバルブ1が設けられている。
また、固形物の供給経路は、貯蔵タンク3の下端に配管2が接続されて、その後ピンチバルブ1と配管2とを経て搬送装置又は梱包装置4に至る構造となっており、固形物Pはピンチバルブ1が開放時には自重で落下するように構成されている。
センサー6は、ピンチバルブ1周辺で固形物の滞留が発生しているかどうかを検知するため、ピンチバルブ1の下流に接続される配管2のピンチバルブ出口近傍に配置されており、固形物の存在を検知した場合に検知信号を制御装置7に発する。
固形物の滞留が発生しているかどうかを検知するセンサーとしては、例えばレーザセンサーや磁気センサーあるいは高速度カメラによる画像処理機構等の非接触式センサーや、配管内部にプローブ等の接触子を配置して固形物の流れを直接検知する接触式センサー等、いずれの手段を用いてもよい。
しかしながら、ピンチバルブ1に開放指令を発しているにもかかわらず上記センサーで固形物の移送(流れ)を所定時間検知しない場合は、制御装置7がピンチバルブ内で滞留物が発生していると判断し、後述する滞留物の解消動作を実施する指令を発する。
このような制御系を用いることにより、固形物供給装置5は、固形物の滞留(ブリッジ等)が発生してもこれを自動的に解消して自動運転を行うことが可能となる。
図2に示すように、ピンチバルブ1は、円盤状の外観を有するバルブ本体10と、バルブ本体10の内部に設けられた機構を駆動させる駆動装置20とを備えている。
また、図2に示したバルブ本体10は、図3に示すように、第1のバルブハウジング100と、当該第1のバルブハウジング100に設けられた配管取付部102と、第2のバルブハウジング110と、当該第2のバルブハウジングに設けられた配管取付部112と、を備えている。
ローター120の外周部の一部にはギヤ部122が形成され、駆動装置20に設けられたピニオンギア250と噛合している。一方、ローター120の内部には、第1のカム山124及び第2のカム山125が対向して1対設けられる。
また、ローター120の内部には、弾性材料からなるチューブ150が配置されており、その両端部のフランジ部153が、第1のバルブハウジング100と第2のバルブハウジング110の配管取付部102及び配管取付部112にそれぞれ接触するように取り付けられる。チューブ150の材料としては、シリコンゴムやフッ素系樹脂、あるいはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)等の高分子材料が例示できる。
ローター120が回動すると、ローター120の内部に形成された第1のカム山124によりピンチレバー160は内側に押圧されて回動する。当該回動動作により1対のピンチレバー160の間隔が小さくなり、チューブ150の中央部を押しつぶしてピンチする。
図4(a)は、一般的なピンチバルブが閉状態におけるピンチバルブ内部の状態をピンチ方向(ピンチレバー160がチューブ150をピンチする方向)に対して側方から見たときのピンチバルブ内部近傍の断面図である。また、図4(b)は、図4(a)に対応するピンチバルブ内部の状態をピンチ方向から見たものを示している。
このとき、図4(a)に示すように、せき止め領域PSは、側方から見るとピンチ部分に向けて先細の形状となる。
また、図4(b)に示すように、ピンチされたチューブ150は、1対のピンチレバー160に沿って側方に変形するため、せき止め領域PSは、ピンチ方向から見ると元のチューブ径よりも幅広の形状となる。
図4に示したピンチバルブの閉状態において、せき止め領域PSの粉体には後続の粉体から圧力がかかって凝集するため、せき止め領域PSが凝固していわゆるブリッジ等の滞留物が形成されることがある。このような場合、滞留物がバルブの入口に固着して粉体の流れをせき止めてしまうため、粉体の移送が継続できなくなる。
しかしながら、上記のとおり、図1に示す制御装置7がピンチバルブ1に開放指令を発したときにセンサー6が固形物の流れを検知しない場合には、制御装置7はバルブ内に図5に示すような形状の滞留物が残存していると判断し、以下の滞留物の解消動作を実施するよう指令を発する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、本発明のバルブ内の滞留を解消する方法において、バルブ内に固着した滞留物を破砕するために、ピンチバルブ1の1対のピンチレバー160による開閉動作を数回(例えば2〜3回)繰り返し実施する。
このような動作を実施することにより、ピンチバルブ1のチューブ150が滞留物に繰り返しの押圧力を付与するため、凝固した粉体が破砕されて滞留が解消される。
そして、図1に示すセンサー6が再び固形物の流れを検知した場合、制御装置7は固形物の移送が正常に行われていると判断して、通常の自動運転を継続する。
図1〜6に示す実施例1では、ピンチバルブ1とセンサー6と制御装置7とを用いて、バルブ内に固形物の滞留物が形成された場合に自動的にこれを解消する固形物供給装置5の例を示した。
本発明の実施例2による固形物供給装置は、追加的な滞留物の解消動作を行うことができる制御装置を含むものである。
図7に示すように、制御装置70は、主制御部72と、タイマー74と、カウンター76と、警報装置78と、を備えている。
主制御部72は、上記実施例1の制御装置7と同様の制御動作を行う部分であり、配管に設けられた固形物の流れを検知するセンサーからの信号を受信しかつピンチバルブの駆動を制御するとともに、タイマー74による計時動作及びカウンター76による計数動作を制御する。
タイマー74は、主制御部72の計時指令に基づいて計時を開始し、予め設定された時間(例えば30秒間)が経過したときに主制御部72に計時終了信号を発する機能を有する。
また、警報装置78は、主制御部72からの警報指令を受けてオペレータに固形物供給装置の異常を知らせるものであり、例えば赤色光の点灯や点滅で知らせるランプあるいは警報音で知らせるブザー等の手段を組み合わせて適用することができる。
主制御部72は、タイマー74からの計時終了信号を受信する前にセンサーからの検知信号を受信した場合、上記滞留物の解消動作により固形物の供給が正常に戻ったと判断し、通常の自動運転を継続する。
一方、センサーからの検知信号を受信する前にタイマー74からの計時終了信号を受信した場合には、再度、ピンチバルブへの滞留物の解消動作の指令及びタイマー74への計時指令を発するとともに、カウンター76に計数指令を発する。
主制御部72は、カウンター76から警告信号を受信すると、バルブ内に滞留物以外のトラブル(例えばチューブやピンチレバーの破損等)が発生したと判断し、警報装置78に警報指令を発するとともに、固形物供給装置に自動運転を停止する。
これらの構成を用いることにより、実施例2による固形物供給装置は、滞留物の解消動作を自動的に実施するだけでなく、装置に発生した故障等のトラブルを検知して自動運転を停止することもできるため、装置の安全性を高めることができる。
また、滞留物に押圧力を付与する動作として、ピンチバルブにおける1対のピンチレバーによるゆっくりとした開閉動作を繰り返す場合を例示したが、例えば、1対のピンチレバーの回動動作の回動量を小さく設定しかつ繰り返し間隔を短くすることによりチューブを細かく振動させ、この振動を滞留物に伝達することにより滞留物の固着又は凝固を解消するようにしてもよい。
その他、本発明の固形物供給装置及びその構成の一部について、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で、その他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、バルブハウジング内に配置されるチューブのピンチされる領域に筒状の外周部材を設けてもよい。このような構成により、チューブ自体の寿命を延ばすことができる。
さらに、例えば図1では、固形物供給装置の配管が鉛直方向となる、すなわち固形物がピンチバルブを介して下方に移送される態様を例示したが、配管が水平方向に配置された場合、あるいは水平方向に対して傾斜した場合であっても、上記効果を得ることが可能である。
また、滞留物の解消動作を繰り返し実行しても固形物の流れを正常化できないと判断した場合には、制御装置が警報を発するとともに自動運転の停止を行うため、製造ラインの安全化を図ることができるとともに、不良品の発生を抑制できる。
また、このようなすぐれた性能に加え、本発明の固形物供給装置によれば、ピンチバルブ下流の配管にセンサーを設けて固形物の流れの有無を検知し、その検知結果に基づいて滞留物の有無を判断するとともにピンチバルブに解消動作を行う指令を発するため、装置の自動運転を可能とし生産効率を向上させることができる。
2 配管
3 貯蔵タンク
5 固形物供給装置
6 センサー
7、70 制御装置
10 バルブ本体
20 駆動装置
100 第1のバルブハウジング
102 配管取付部
110 第2のバルブハウジング
112 配管取付部
116 支柱
120 ローター
150 チューブ
160 ピンチレバー
Claims (4)
- 固形物が移送される配管と、前記配管に直列に接続されたピンチバルブと、前記ピンチバルブの出口側の前記配管に設けられて前記配管内の前記固形物の流れの有無を検知するセンサーと、前記センサーからの検知信号を受信するとともに前記ピンチバルブに開閉動作の指令を発する制御装置と、を備える
ことを特徴とする固形物供給装置。 - 前記制御装置は、前記ピンチバルブに開放動作を指令している間に前記センサーからの検知信号を受信していない場合に、前記ピンチバルブに対して繰り返しの開閉動作を行う解消動作を指令する
ことを特徴とする請求項1に記載の固形物供給装置。 - 前記制御装置は、主制御部とタイマーとを備え、
前記主制御部は、前記ピンチバルブに開放指令を発している間に前記センサーが固形物の流れを検知しない場合に、前記ピンチバルブに対する前記解消動作を実施する指令と前記タイマーに計時指令とを発し、
前記タイマーは、前記計時指令に基づいて計時を開始し、予め設定された時間が経過したときに前記主制御部に計時終了信号を発し、
前記主制御部は、前記タイマーからの前記計時終了信号を受信する前に前記センサーからの前記検知信号を受信したときに、前記固形物の供給が正常に戻ったと判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の固形物供給装置。 - 前記制御装置は、カウンターと警報装置とをさらに備え、
前記主制御部は、前記センサーからの前記検知信号を受信する前に前記タイマーからの前記計時終了信号を受信したときに、再び前記ピンチバルブに対する前記解消動作を実施する指令と前記タイマーへの計時指令及び前記カウンターに計数指令を発し、
前記カウンターは、前記主制御部からの計数指令を受けた回数を積算し、所定の回数の指令を受けたときに前記主制御部に警告信号を発し、
前記主制御部は、前記警告信号を受信したときに、前記警報装置に警報指令を発するとともに、固形物供給装置に自動運転を停止する
ことを特徴とする請求項3に記載の固形物供給装置。
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