JP2016095486A - 多波長光源および光源装置 - Google Patents

多波長光源および光源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
発光素子から蛍光体への励起光の高い到達効率と、蛍光体から発した光の外部への高い取出し効率とを達成すること。
【解決手段】
発光素子とコリメータ素子との組を要素光源として、要素光源の複数個を並べて集積した集積光源と、発光素子の放射波長の光を選択的に反射する領域を、集積光源から出力される、それぞれの光束が当たる箇所に選択的に設けたダイクロイック反射素子と、光束を集光するための集光素子と、発光素子の放射波長の光を励起光として吸収して他の波長帯域の蛍光を放出する蛍光体と、を具備することによって、蛍光体の表面上の集光領域から放出される蛍光と、集光領域から反射される残余励起光との混合発散光束が生成されるとともに、混合発散光束は、集光素子を、集束光束とは逆方向に伝搬して遠方の像を形成する光束に変換され、ダイクロイック反射素子によって透過されて、外部に混合出力光束を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、プロジェクタ等の光学装置において使用可能な白色光源などのような、半導体レーザ等の発光素子を用いた多波長光源に関する。
例えば、DLP(TM)プロジェクタや液晶プロジェクタのような画像表示用の光源装置や、フォトマスク露光装置においては、これまで、キセノンランプや超高圧水銀ランプなどの高輝度放電ランプ(HIDランプ)が使用されてきた。
一例として、本発明の光源装置に係わる従来の光源装置の一種の一部の一形態を説明する図である、図11を用いてプロジェクタの原理について述べる(参考:特開2004−252112号など)。
前記したように、高輝度放電ランプ等からなる光源(SjA)からの光は、凹面反射鏡やレンズ等からなる集光手段(図示を省略)の助けを借りるなどして、光均一化手段(FmA)の入射端(PmiA)に入力され、射出端(PmoA)から出力される。
ここで、前記光均一化手段(FmA)として、例えば、光ガイドを使うことができ、これは、ロッドインテグレータ、ライトトンネルなどの名称でも呼ばれており、ガラスや樹脂などの光透過性の材料からなる角柱によって構成され、前記入射端(PmiA)に入力された光は、光ファイバと同じ原理に従って、前記光均一化手段(FmA)の側面で全反射を繰り返しながら、前記光均一化手段(FmA)の中を伝播することにより、仮に前記入射端(PmiA)に入力された光の分布にムラがあったとしても、前記射出端(PmoA)上の照度が十分に均一化されるように機能する。
なお、いま述べた光ガイドに関しては、前記した、ガラスや樹脂などの光透過性の材料からなる角柱によって構成されるものの他に、中空の角筒で、その内面が反射鏡になっており、同様に内面で反射を繰り返しながら光を伝播させ、同様の機能を果たすものもある。
前記射出端(PmoA)の四角形の像が、2次元光振幅変調素子(DmjA)上に結像されるよう、照明レンズ(Ej1A)を配置することにより、前記射出端(PmoA)から出力された光によって前記2次元光振幅変調素子(DmjA)が照明される。
ただし、図11においては、前記照明レンズ(Ej1A)と前記2次元光振幅変調素子(DmjA)との間にミラー(MjA)を配置してある。
そして前記2次元光振幅変調素子(DmjA)は、映像信号に従って、画素毎に光を投影レンズ(Ej2A)に入射される方向に向かわせる、あるいは入射されない方向に向かわせるように変調することにより、スクリーン(Tj)上に画像を表示する。
なお、前記したような2次元光振幅変調素子は、ライトバルブと呼ばれることもあり、図11の光学系の場合は、前記2次元光振幅変調素子(DmjA)として、一般にDMD(TM)(ディジタル・マイクロミラー・デバイス)が使われることが多い。
光均一化手段に関しては、前記した光ガイドの他に、フライアイインテグレータという名称で呼ばれるものもあり、この光均一化手段を使ったプロジェクタについて、一例として、本発明の光源装置に係わる従来の光源装置の一種の一部の一形態を説明する図である、図12を用いてその原理を述べる(参考:特開2001−142141号など)。
高輝度放電ランプ等からなる光源(SjB)からの光は、凹面反射鏡やレンズ等からなるコリメータ手段(図示を省略)の助けを借りるなどして、略平行光束として、光均一化手段たるフライアイインテグレータ(FmB)の入射端(PmiB)に入力され、射出端(PmoB)から出力される。
ここで、前記フライアイインテグレータ(FmB)は、入射側の前段フライアイレンズ(F1B)と射出側の後段フライアイレンズ(F2B)と照明レンズ(Ej1B)の組合せで構成される。
前記前段フライアイレンズ(F1B)、前記後段フライアイレンズ(F2B)ともに、同一焦点距離、同一形状の四角形のレンズを、縦横それぞれに多数並べたものとして形成されている。
前記前段フライアイレンズ(F1B)の各レンズと、それぞれの後段にある、前記後段フライアイレンズ(F2B)の対応するレンズとは、ケーラー照明と呼ばれる光学系を構成しており、したがって、ケーラー照明光学系が縦横に多数並んでいることになる。
一般にケーラー照明光学系とは、2枚のレンズから構成され、前段レンズが光を集めて対象面を照明するに際し、前段レンズは、対象面に光源像を結像するのではなく、後段レンズ中央の面上に光源像を結像し、後段レンズが前段レンズの外形の四角形を対象面(照明したい面)に結像するよう配置することにより、対象面を均一に照明するものである。
後段レンズの働きは、もしこれが無い場合は、光源が完全な点光源でなく有限の大きさを持つとき、その大きさに依存して対象面の四角形の周囲部の照度が落ちる現象を防ぐためで、後段レンズによって、光源の大きさに依存せずに、対象面の四角形の周囲部まで均一な照度にすることができる。
ここで、図12の光学系の場合、前記フライアイインテグレータ(FmB)には略平行光束が入力されることを基本としているため、前記前段フライアイレンズ(F1B)と前記後段フライアイレンズ(F2B)との間隔は、それらの焦点距離に等しくなるように配置され、よってケーラー照明光学系としての均一照明の対象面の像は無限遠に生成される。
ただし、前記後段フライアイレンズ(F2B)の後段には、前記照明レンズ(Ej1B)を配置してあるため、対象面は、無限遠から前記照明レンズ(Ej1B)の焦点面上に引き寄せられる。
縦横に多数並んでいるケーラー照明光学系は、入射光軸(ZiB)に平行であり、それぞれの中心軸に対して略軸対称に光束が入力されるため、出力光束も略軸対称であるから、レンズ面に同じ角度で入射した光線は、レンズ面上の入射位置によらず、焦点面上の同じ点に向かうよう屈折される、というレンズの性質、即ちレンズのフーリエ変換作用により、全てのケーラー照明光学系の出力は、前記照明レンズ(Ej1B)の焦点面上の同じ対象面に結像される。
その結果、前記前段フライアイレンズ(F1B)の各レンズ面での照度分布が全て重ね合わされ、よって、ケーラー照明光学系が1個の場合よりも照度分布がより均一となった、1個の合成四角形の像が、前記入射光軸(ZiB)上に形成されることになる。
前記合成四角形の像の位置に2次元光振幅変調素子(DmjB)を配置することにより、前記射出端(PmoB)から出力された光によって、照明対象である前記2次元光振幅変調素子(DmjB)が照明される。
ただし、照明に際しては、前記照明レンズ(Ej1B)と前記2次元光振幅変調素子(DmjB)との間に偏光ビームスプリッタ(MjB)を配置して、これにより光が前記2次元光振幅変調素子(DmjB)に向けて反射されるようにしてある。
そして前記2次元光振幅変調素子(DmjB)は、映像信号に従って、画素毎に光の偏光方向を90度回転させる、あるいは回転させないように変調して反射することにより、回転させられた光のみが、前記偏光ビームスプリッタ(MjB)を透過して投影レンズ(Ej3B)に入射され、スクリーン(Tj)上に画像を表示する。
なお、図12の光学系の場合、前記2次元光振幅変調素子(DmjA)として、一般にLCOS(TM)(シリコン液晶デバイス)が使われることが多い。
このような液晶デバイスの場合、規定の偏光方向の光の成分しか有効に変調できないため、普通は、規定の偏光方向に平行な成分はそのまま透過させるが、規定の偏光方向に垂直な成分のみ偏光方向を90度回転させ、結果として全ての光を有効利用できるようにするための偏光整列機能素子(PcB)が、例えば前記後段フライアイレンズ(F2B)の後段に挿入される。
また、前記2次元光振幅変調素子(DmjB)には略平行光が入射されるよう、例えばその直前に、フィールドレンズ(Ej2B)が挿入される。
なお、2次元光振幅変調素子に関しては、図12に記載したような反射型のものの他に、透過型の液晶デバイス(LCD)も、それに適合する光学配置にして使用される(参考:特開平10−133303号など)。
ところで、通常のプロジェクタでは、画像をカラー表示するために、例えば、前記光均一化手段の後段にカラーホイールなどの動的色フィルタを配置して、R,G,B(赤,緑,青)の色順次光束として前記2次元光振幅変調素子を照明し、時分割によってカラー表示を実現したり、あるいは、前記光均一化手段の後段にダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムを配置してR,G,Bの3原色に色分解した光で各色独立に設けた2次元光振幅変調素子を照明し、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムを配置してR,G,Bの3原色の変調光束の色合成を行うための光学系を構成するが、複雑になることを避けるため、図11、図12においては省略してある。
しかしながら、前記した高輝度放電ランプは、投入電力から光パワーへの変換効率が低い、すなわち発熱損が大きい、あるいは寿命が短い、などの欠点を有していた。
これらの欠点を克服した代替光源として、近年、LEDや半導体レーザ等の固体光源が注目されている。
このうち、LEDについては、放電ランプと比較して発熱損が小さく、また長寿命であるが、放射される光に関しては、放電ランプと同様に指向性が無いため、前記した光源装置や露光装置等の、特定の方向の光のみが利用可能な用途においては、光の利用効率が低いという問題があった。
一方、半導体レーザについては、LEDと同様に、発熱損が小さく、長寿命である上に、指向性が高いため、前記した光源装置や露光装置等の、特定の方向の光のみが利用可能な用途においても、光の利用効率が高いという利点がある。
ところが、R,G,Bの3原色のそれぞれを半導体レーザで実現しようとすると問題が生ずる。
例えば、赤色の半導体レーザとして現在容易に入手可能なものは波長帯域が635〜640nmであり、視感度が低いため大きな光パワーを必要とするし、また、例えば、緑色の半導体レーザとして現在容易に入手可能なものは波長帯域が522〜526nmであり、画像再生の観点からは、理想的な波長からは短過ぎる問題がある。
そのため、半導体レーザの放射光を直接使う波長帯域は青色のみとし、赤色および緑色は、成分調整によって発光波長の調整が容易な蛍光体を用いて、青色の半導体レーザ放射光を波長変換することによって実現すべく、従来より技術開発がなされて来た。
例えば、特開2011−165555号には、青色で発光する半導体レーザ等の固体光源からの光を励起光として回転円板の1点に集光し、前記回転円板には、青色の補色である黄色の蛍光を発する黄色蛍光体層を設けたセグメントと青色散乱反射層を設けたセグメントとを設けることにより、黄色と青色の光束を順次発生させる白色光源に関する技術が記載されている。
しかし、この技術の場合、固体光源からの励起光を回転円板に向かわせ、かつ回転円板からの光を出力光として抽出するための出力光分離抽出素子として、単純な偏光ダイクロイックミラーを使用しているため、回転円板から出て来る青色光のうちの、固体光源へ戻ってしまう光量の比率が高く、光の利用効率が良くない問題がある。
さらに、例えば特開2012−108486号には、前記と同様の、青色で発光する半導体レーザ等の固体光源からの光を励起光として回転円板の1点に集光し、前記回転円板には、青色の補色である黄色の蛍光を発する黄色蛍光体層を設けたセグメントと青色鏡面反射層を設けたセグメントとを設けることにより、黄色と青色の光束を順次発生させるものであるが、単純な偏光ダイクロイックミラーを使用した出力光分離抽出素子と、回転円板との間に、励起光に対する4分の1波長板を挿入することによって、回転円板から出て来た青色光のうちの、固体光源へ戻ってしまう光量の比率下げ、光の利用効率を改善する技術が記載されている。
しかし、この技術の場合、回転円板から出て来る青色光は、散乱反射ではなく鏡面反射によって生成されるものであるため、半導体レーザからの励起光のコヒーレンシーが高く、よってスペックルノイズが多い問題がある。
また、例えば特開2012−119121号には、青色で発光する半導体レーザ等による複数の固体光源からの励起光を、前記固体光源それぞれに対応して設けた複数の凹面反射鏡(回転楕円面)によって、蛍光体の1点、もしくは近接する複数の点に集光することによって、散乱された励起光と蛍光を利用する、輝度の高い白色光源に関する技術が記載されている。
しかし、この技術の場合、固体光源の数に等しい個数の凹面反射鏡を軸対称に3次元的に配置し、各固体光源も各凹面反射鏡に相対的な所定位置に正確に配置する必要があるため、構造が複雑になる問題がある。
また、蛍光体から発する光の利用効率を如何にして高めるかという課題については未解決である。
また、例えば特開2013−156657号には、青色で発光する半導体レーザ等による複数の固体光源からの励起光を、鏡面箱に設けた小さな入口の開口を通過するようにレンズで集光して前記鏡面箱内の出口側に設けた蛍光体を発光せしめ、前記鏡面箱出口には、励起光を反射して前記鏡面箱に戻すとともに蛍光を透過するダイクロイックフィルタを設け、また前記鏡面箱が蛍光を出口側に向けて反射するように構成することにより、励起光および蛍光の利用効率を高めるようにした技術が記載されている。
しかし、この技術の場合、ダイクロイックフィルタに到達する励起光や蛍光は散乱光となり、光の方向分布が大きいため、ダイクロイックフィルタの反射・透過の波長選択性が非常に悪くなって効率が低下すること、および、前記励起光入口開口の大きさに比して前記鏡面箱の大きさが十分に大きくしなければ、前記鏡面箱を設けることの効果が現れないが、そのようにすると前記鏡面箱の出口の面積が大きくなるなり、点光源性が低下することにより、結局、高い光利用効率を得ることが困難な問題がある。
また、例えば特開2014−082144号には、青色で発光する半導体レーザ等による複数の固体光源からの励起光を、前記固体光源それぞれに対応して設けたコリメータレンズで全体として一つの光束と成し、共通の凹面反射鏡によって、蛍光体の小さい領域に集光することによって、蛍光体から発する蛍光、もしくは散乱された励起光と蛍光を利用する、輝度の高い白色光源に関する技術が記載されている。
しかし、この技術の場合、蛍光体から発する光の利用効率を如何にして高めるかという課題については未解決である。
特開2011−165555号 特開2012−108486号 特開2012−119121号 特開2013−156657号 特開2014−082144号
本発明が解決しようとする課題は、発光素子から蛍光体への励起光の高い到達効率と、前記蛍光体から発した光の外部への高い取出し効率とを達成した多波長光源および光源装置を提供することにある。
本発明における第1の発明の多波長光源は、発光素子(Y1)と、該発光素子(Y1)から放射される放射光(Fa1)を遠方の像を形成する光束(Fb1)に変換するためのコリメータ素子(E1)との組を、1個の要素光源(U1)として、該要素光源(U1,U2,…)の複数個を並べて集積した集積光源(W)と、
前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を選択的に反射する分光特性を有する領域(P1,P2,…)を、前記集積光源(W)から出力される、それぞれの前記光束(Fb1,Fb2,…)が当たる箇所に選択的に設けたダイクロイック反射素子(M)と、
前記光束(Fb1,Fb2,…)が前記ダイクロイック反射素子(M)によって反射されて生成された光束(Fc1,Fc2,…)を集光するための集光素子(Ef)と、
前記光束(Fc1,Fc2,…)が前記集光素子(Ef)によって集光されて生成された集束光束(Fd)が集光領域(Aq)を形成するときに、該集光領域(Aq)が形成される位置がその表面になるように配置され、前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を励起光として吸収して他の波長帯域の蛍光を放出する蛍光体(N)と、
を具備することによって、前記蛍光体(N)の表面上の前記集光領域(Aq)から放出される蛍光と、前記集光領域(Aq)から反射される残余励起光との混合発散光束(Fe)が生成されるとともに、
前記混合発散光束(Fe)は、前記集光素子(Ef)を、前記集束光束(Fd)とは逆方向に伝搬して遠方の像を形成する光束(Ff)に変換され、
前記ダイクロイック反射素子(M)によって透過されて、外部に混合出力光束(Fg)を出力することを特徴とする
本発明における第1の発明のもう一つの形態の多波長光源は、発光素子(Y1)と、該発光素子(Y1)から放射される放射光(Fa1)を遠方の像を形成する光束(Fb1)に変換するためのコリメータ素子(E1)との組を、1個の要素光源(U1)として、該要素光源(U1,U2,…)の複数個を並べて集積した集積光源(W)と、
前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を選択的に透過する分光特性を有する領域(P1,P2,…)を、前記集積光源(W)から出力される、それぞれの前記光束(Fb1,Fb2,…)が当たる箇所に選択的に設けたダイクロイック反射素子(M)と、
前記光束(Fb1,Fb2,…)が前記ダイクロイック反射素子(M)によって透過されて生成された光束(Fc1,Fc2,…)を集光するための集光素子(Ef)と、
前記光束(Fc1,Fc2,…)が前記集光素子(Ef)によって集光されて生成された集束光束(Fd)が集光領域(Aq)を形成するときに、該集光領域(Aq)が形成される位置がその表面になるように配置され、前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を励起光として吸収して他の波長帯域の蛍光を放出する蛍光体(N)と、
を具備することによって、前記蛍光体(N)の表面上の前記集光領域(Aq)から放出される蛍光と、前記集光領域(Aq)から反射される残余励起光との混合発散光束(Fe)が生成されるとともに、
前記混合発散光束(Fe)は、前記集光素子(Ef)を、前記集束光束(Fd)とは逆方向に伝搬して遠方の像を形成する光束(Ff)に変換され、
前記ダイクロイック反射素子(M)によって反射されて、外部に混合出力光束(Fg)を出力することを特徴とするものである。
本発明における第2の発明の多波長光源は、前記光束(Fb1,Fb2,…)における主光線(Lb1,Lb2,…)に注目したとき、前記主光線(Lb1,Lb2,…)の前記蛍光体(N)の表面において正反射された成分が、前記集光素子(Ef)を、前記した集光時とは逆方向に伝搬して前記ダイクロイック反射素子(M)に到達する位置には、前記領域(P1,P2,…)が形成されていないことを特徴とするものである。
本発明における第3の発明の多波長光源は、前記集光領域(Aq)は、前記集光素子(Ef)およびそれよりも前にある光学系が形成する射出瞳であることを特徴とするものである。
本発明における第4の発明の多波長光源は、前記蛍光体(N)は、前記集光領域(Aq)における前記蛍光体(N)の表面の法線を不変に保ったまま、法線と垂直な方向に移動可能であることを特徴とするものである。
本発明における第5の発明の多波長光源は、前記蛍光体(N)は、
緑色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と赤色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体との含有比率が、
または緑色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と赤色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と青色の波長帯域の光を反射する反射体との含有比率が、
前記蛍光体(N)の表面上の位置に単調に依存して分布していることを特徴とするものである。
本発明における第6の発明の多波長光源は、前記集光素子(Ef)はレンズによって構成してあり、該集光素子(Ef)の光軸に沿って、前記蛍光体(N)からの蛍光が来る方向に向かって見たとき、集積光源(Wi,Wj)を前記集光素子(Ef)の左側と右側との両方に配置し、前記ダイクロイック反射素子(M)は左側と右側との2部分から構成されており、
左側の前記集積光源(Wi)からの光束(Fbi1,Fbi2,…)のための左側のダイクロイック反射部(Mi)と、
右側の前記集積光源(Wj)からの光束(Fbj1,Fbj2,…)のための右側のダイクロイック反射部(Mj)と
のダイクロイック面(Smi,Smj)を屋根型に配置することを特徴とするものである。
本発明における第7の発明の多波長光源は、左側および右側の前記集積光源(Wi,Wj)それぞれは、前記要素光源(U1,U2,…)を格子状に並べて構成してあり、前記集光素子(Ef)の光軸に垂直な平面に投影した前記領域(P1,P2,…)の並びパターンは、前記集光素子(Ef)の光軸に対して対称になる配置を基本配置として、前記したダイクロイック面(Smi,Smj)の屋根型配置における屋根の稜線の方向に対して平行または垂直な方向に、前記領域(P1,P2,…)の並びパターンの周期の4分の1だけシフトさせた配置であることを特徴とするものである。
本発明における第8の発明の光源装置は、第1の発明に記載の多波長光源と、該多波長光源から出力された混合出力光束(Fg)が入力されるフライアイインテグレータ(FmB)とから構成した光源装置であって、前記ダイクロイック反射素子(M)に設けた前記領域(P1,P2,…)の並びパターンを、前記フライアイインテグレータ(FmB)の前段フライアイレンズ(F1B)に対して投影したときの並びパターンの方向と、前記フライアイインテグレータ(FmB)のフライアイレンズの並びの方向とが一致しないように、前記多波長光源と前記フライアイインテグレータ(FmB)とを配置することを特徴とするものである。
発光素子から蛍光体への励起光の高い到達効率と、前記蛍光体から発した光の外部への高い取出し効率とを達成した多波長光源および光源装置を提供することができる。
本発明の多波長光源を簡略化して示すブロック図を表す。 本発明の多波長光源を簡略化して示すブロック図を表す。 本発明の多波長光源の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の多波長光源を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の多波長光源の一部を簡略化して示す模式図を表す。 本発明の光源装置の一部の一形態を簡略化して示す概念図を表す。 本発明の多波長光源の実施例の一部の一形態を簡略化して示す図を表す。 本発明の多波長光源の実施例の一部の一形態を簡略化して示す図を表す。 本発明の多波長光源の実施例の一形態を簡略化して示す図を表す。 本発明の多波長光源の実施例の一形態を簡略化して示す図を表す。 本発明の光源装置に係わる従来の光源装置の一種の一部の一形態を説明する図を表す。 本発明の光源装置に係わる従来の光源装置の一種の一部の一形態を説明する図を表す。
本発明に関する説明において、共役という用語に関しては、幾何光学分野における一般用語として、例えば、AとBとは共役である、と言うとき、少なくとも近軸理論に基づき、レンズ等の結像機能を有する光学素子の作用によってAがBに、またはBがAに結像されることを意味する。
このとき、A,Bは像であって、孤立した点像が対象として含まれることは当然として、複数の点像からなる集合や、点像が連続的に分布した拡がりのある像も対象として含める。
ここで、点像あるいは像点(すなわち像)とは、幾何光学分野における一般用語として、実際に光がその点から放射されているもの、光がその点に向かって収束して行ってスクリーンを置くと明るい点が映るもの、光がその点に向かって収束して行くように見える(が、その点は光学系の内部にあってスクリーンを置けない)もの、光がその点から放射されているように見える(が、その点は光学系の内部にあってスクリーンを置けない)もの、の何れをも含み、区別しないし、このとき、結像における収差やピント外れ等によってボケが生じ、理想的な点や回折限界像でなくなる現象は無視する。
発光素子が、半導体レーザである場合において、もし半導体レーザが1個ならば、光学系の入力像は、単に1個の点光源と考えればよく、通常は、それを光学系の光軸上に置き、また、半導体レーザからの発散光の発散方向分布の中心光線が光軸に一致する方向に向けて配置すればよい。
しかし、半導体レーザが複数個あったり、有限の面積内に放射点が連続的に分布する光源の場合は、光学系の入射瞳や射出瞳、主光線について配慮した設計が必要になり、以下においては、このような状況について述べる。
一般のカメラレンズを例にとると、通常は開口絞りがレンズの内部に存在するが、光が入る側からレンズを見ときに、レンズを通して見える開口絞りの像を入射瞳、光が出る側からレンズを見ときに、レンズを通して見える開口絞りの像を射出瞳、入射瞳の中心に向かう、または射出瞳の中心から出て来る光線(通常は子午光線)を主光線と呼ぶ。
また広義には、主光線以外の光線は周辺光線と呼ばれる。
ただし、レーザのような指向性を有する光を扱う光学系では、開口絞りによって光束を切り出す必要が無いために開口絞りが存在しない場合が多く、その場合は、光学系における光の存在形態によって、それらが定義される。
通常は、放射点からの放射光束における、光の方向分布の中心光線を主光線とし、光学系に入射する主光線またはその延長線が光軸と交わる位置に入射瞳があり、光学系から射出する主光線またはその延長線が光軸と交わる位置に射出瞳があると考える。
ただし、厳密な話をすると、このように定義した主光線と光軸とが、例えば調整誤差のために交わらず、ねじれの位置にあるに過ぎない場合も考えられる。
しかし、このような現象は本質とは無関係であり、また議論しても不毛であるため、以下においては、このような現象は生じないと見なす、あるいは、主光線と光軸とが最接近する位置において交わっていると見なすことにする。
また、光学系のなかの、光軸方向(光の伝播方向)に隣接する2個の部分光学系AとBに注目し、Aの直後にBが隣接しているとしたとき、(Aの出力像がBの入力像となるのと同様に)Aの射出瞳はBの入射瞳となるし、そもそも光学系のなかに任意に定義した部分光学系の入射瞳・射出瞳は、(開口絞りが存在すれば全てそれの像であるし、存在しなくても)全て共役のはずであるから、特に区別が必要無ければ、入射瞳・射出瞳を単に瞳と呼ぶ。
本発明の説明および図面においては、光学系の光軸をz軸と呼んでいるが、もし反射鏡によって光軸が折り曲げられた場合は、元のz軸に沿う光線が反射されて進む方向もz軸と呼び、新たな座標軸を取ることはしない。
なお、図4などの図面において、z軸に垂直な軸として、便宜上x軸およびy軸と表記している。
先ず、本発明の多波長光源を簡略化して示すブロック図である図1を用いて、本発明を実施するための形態について説明する。
要素光源(U1)を構成する発光素子(Y1)は、例えば降圧チョッパや昇圧チョッパなど方式の回路によって構成された、DC/DCコンバータを基本として構成されたドライバ回路(図示を省略)によって駆動されて発光し、放射光(Fa1)を放射する。
なお、前記発光素子(Y1)の個々については、ここでは、例えば半導体レーザや、半導体レーザの放射光を、高調波発生・光パラメトリック効果などのような非線形光学現象を利用して波長変換する光源などである。
前記放射光(Fa1)は、例えば非球面レンズからなるコリメータ素子(E1)によって、前記発光素子(Y1)の光放射領域の像と共役な遠方の像を形成する光束(Fb1)に変換される。
該光束(Fb1)の態様の一例として、例えば平行光束となるように構成することができるし、また、平行に近い発散光束や集束光束となるように構成することもできる。
前記要素光源(U1)と同様の要素光源(U1,U2,…)の複数個を集積することにより、集積光源(W)が構成され、前記要素光源(U1,U2,…)のそれぞれから光束(Fb1,Fb2,…)が出力される。
該光束(Fb1,Fb2,…)の態様の一例として、該光束(Fb1,Fb2,…)それぞれの主光線(Lp1,Lp2,…)が、例えば互いに平行となるように構成することができるし、また、平行に近い発散的や集束的なものになるように構成することもできる。
前記光束(Fb1,Fb2,…)は、ダイクロイック反射素子(M)に入射させられる。
該ダイクロイック反射素子(M)には、選択的に前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を、可及的高い効率で反射する分光特性を有する領域(P1,P2,…)を、前記光束(Fb1,Fb2,…)が当たる箇所に、選択的に設けられている。
また前記領域(P1,P2,…)においては、前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長以外の波長の光は、可及的高い効率で透過するように形成されており、さらに前記ダイクロイック反射素子(M)は、前記領域(P1,P2,…)以外の領域においては、関連する全ての波長帯域の光が可及的高い効率で透過するように構成されている。
したがって、前記光束(Fb1,Fb2,…)は前記ダイクロイック反射素子(M)によって反射され、光束(Fc1,Fc2,…)として、例えば凸レンズや凹面鏡などの集光機能を有する集光素子(Ef)に入射させられる。
その結果、前記光束(Fc1,Fc2,…)は前記集光素子(Ef)によって集光され、集束光束(Fd)として蛍光体(N)に入射させられる。
該蛍光体(N)の表面には、前記集束光束(Fd)の照射を受けた集光領域(Aq)が形成される。
該集光領域(Aq)の前記蛍光体(N)においては、前記集束光束(Fd)の前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を励起光として吸収し、それとは異なる波長帯域の蛍光を放出する。
因みに、放出される蛍光の波長は、通常は励起光よりも長くなるが、多光子蛍光によって励起光より短波長の蛍光が放出されるようにしてもよい。
前記蛍光体(N)の表面上の前記集光領域(Aq)からは、前記した励起光が波長変換されて放出される蛍光の他に、波長変換されずに反射される残余励起光が放射され、混合発散光束(Fe)として、前記集束光束(Fd)とは逆方向に伝搬して前記集光素子(Ef)に入射する。
なお、前記蛍光体(N)には、励起光の反射率を増すための反射体を混合することが可能である。
前記混合発散光束(Fe)が、コリメータとして機能する前記集光素子(Ef)から射出したときは、遠方の像を形成する光束(Ff)に変換され、前記ダイクロイック反射素子(M)に入射する。
そして、励起光が波長変換された蛍光は前記ダイクロイック反射素子(M)の全体を透過して、また波長変換されなかった残余励起光は前記ダイクロイック反射素子(M)の前記領域(P1,P2,…)以外の領域を透過して、z軸方向の混合出力光束(Fg)として外部に出力される。
かくして、前記蛍光体(N)によって励起光が波長変換された蛍光と、波長変換されなかった残余励起光との、複数の波長の光が混合された光束を出力する多波長光源が実現される。
以上において述べた本発明の多波長光源が発光素子から蛍光体への励起光の高い到達効率と、前記蛍光体から発した光の外部への高い取出し効率とを有する理由を、以下において説明する。
前記ダイクロイック反射素子(M)の前記領域(P1,P2,…)は、前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の励起光を可及的高い効率で反射するように作られており、よって発光素子から蛍光体への励起光の高い到達効率が実現できる。
また、励起光に対しては、前記ダイクロイック反射素子(M)は、前記領域(P1,P2,…)以外の領域においては、可及的高い効率で透過するように作られており、かつ、前記蛍光体(N)からの蛍光に対しては、前記領域(P1,P2,…)も他の領域も、可及的高い効率で透過するように作られており、よって前記蛍光体から発した光の外部への高い取出し効率が実現できる。
ただし、前記領域(P1,P2,…)については、前記光束(Fb1,Fb2,…)がはみ出さない限りにおいて、可及的狭く形成することが重要である。
何となれば、もし前記領域(P1,P2,…)が狭過ぎれば、前記光束(Fb1,Fb2,…)がはみ出して前記蛍光体(N)に届かない成分が増加し、逆に、もし前記領域(P1,P2,…)が広過ぎれば、前記混合発散光束(Fe)のうちの波長変換されずに反射される残余励起光のうちで、前記集積光源(W)の方向に反射されてしまう成分が増加し、何れの場合も光の利用効率の低下を来すからである。
なお、発光素子から蛍光体への励起光の高い到達効率の更なる実現のため、例えば、前記ダイクロイック反射素子(M)に対して前記光束(Fb1,Fb2,…)がS偏光となるように前記集積光源(W)を構成した上で、前記領域(P1,P2,…)が、前記光束(Fb1,Fb2,…)を可及的高い効率で反射せしめる偏光ビームスプリッタとして機能するように前記ダイクロイック反射素子(M)を構成するよう、工夫することができる。
何となれば、前記光束(Fb1,Fb2,…)が前記蛍光体(N)に到達して反射される際、偏光の回転が起きるため、前記ダイクロイック反射素子(M)に戻って来たときには偏光度が低下しており、よって前記領域(P1,P2,…)を透過できる成分の割合が増えるからである。
なお、もし前記ダイクロイック反射素子(M)に戻って来た励起光の偏光度の低下が十分でない場合は、前記ダイクロイック反射素子(M)と前記集光素子(Ef)との間に、励起光波長に関する4分の1波長板を挿入して、前記ダイクロイック反射素子(M)に戻って来た励起光の偏波を強制的に90度回転させることにより、前記領域(P1,P2,…)を透過できる成分の割合を増やすことができる。
先に図1に示した本多波長光源においては、前記集積光源(W)から出力された前記光束(Fb1,Fb2,…)は、先ず前記ダイクロイック反射素子(M)によって反射されるものとして説明した。
しかし、本発明の多波長光源は、前記光束(Fb1,Fb2,…)が、先ず前記ダイクロイック反射素子(M)によって透過されるようにして構成することも可能であり、その場合の形態を、本発明の多波長光源を簡略化して示すブロック図である図2に示す。
本図の多波長光源の働きは、先に行った図1に関する説明に対して、前記ダイクロイック反射素子(M)での反射と透過に関する記述について、反射を透過に、透過を反射に、それぞれ読み換えることによって理解することができる。
具体的には、前記ダイクロイック反射素子(M)には、選択的に前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を、可及的高い効率で透過する分光特性を有する領域(P1,P2,…)を、前記光束(Fb1,Fb2,…)が当たる箇所に、選択的に設けられている。
また前記領域(P1,P2,…)においては、前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長以外の波長の光は、可及的高い効率で反射するように形成されており、さらに前記ダイクロイック反射素子(M)は、前記領域(P1,P2,…)以外の領域においては、関連する全ての波長帯域の光が可及的高い効率で反射するように構成されている。
前記光束(Fb1,Fb2,…)は前記ダイクロイック反射素子(M)によって透過され、光束(Fc1,Fc2,…)として、前記集光素子(Ef)に入射させられ、前記蛍光体(N)の表面に、集光領域(Aq)が形成される。
前記集光領域(Aq)から発せられる、励起光が波長変換された蛍光と波長変換されなかった残余励起光に対しては、前記集光素子(Ef)はコリメータとして機能し、これによって前記集光領域(Aq)と共役な遠方の像を形成する光束(Ff)が射出され、該光束(Ff)は、前記ダイクロイック反射素子(M)を反射して、z軸方向の混合出力光束(Fg)として外部に出力される。
かくして、前記蛍光体(N)によって励起光が波長変換された蛍光と、波長変換されなかった残余励起光との、複数の波長の光が混合された光束を出力する多波長光源が実現される。
なお本発明に関する説明において、「透過/反射」や「反射/透過」なる記法を用いた部分については、記号「/」の右側を読む場合は他の箇所でも右側を読み、左側を読む場合は他の箇所でも左側を読むようにすることにより、正しく理解できるように記載してある。
前記蛍光体(N)の表面については、もしそれが平坦であれば、特別の表面処理加工をしない限り、完全拡散反射面でなく、その反射特性には、正反射成分に強いピークが現れる。
前記したように図1,図2に記載の本多波長光源においては、波長変換されなかった残余励起光は、前記ダイクロイック反射素子(M)における前記領域(P1,P2,…)以外の領域を利用して外部に出力されるため、前記ダイクロイック反射素子(M)の残余励起光の正反射成分が通過する位置には前記領域(P1,P2,…)が存在しないことが、残余励起光の利用効率を高めるために有利となる。
つまり、前記ダイクロイック反射素子(M)は、前記光束(Fb1,Fb2,…)における主光線(Lb1,Lb2,…)に注目したとき、前記主光線(Lb1,Lb2,…)の前記蛍光体(N)の表面において正反射された成分が、前記集光素子(Ef)を、前記した集光時とは逆方向に伝搬して前記ダイクロイック反射素子(M)に到達する位置には、前記領域(P1,P2,…)が形成されていないように構成すればよいことが判る。
このことを、図1,図2に関して具体的に説明すると、いま、簡単のために、前記集光素子(Ef)がz軸に関して軸対称の構造を有し、かつ、前記蛍光体(N)の表面がz軸に垂直になるように設置されている場合を想定し、さらに、前記集積光源(W)の前記要素光源(U1,U2)から出力された前記光束(Fb1,Fb2)の前記主光線(Lp1,Lp2)が、図1,図2の紙面上に存在する光線であると想定したとき、前記主光線(Lp1,Lp2)を、その経路に沿って追跡すると、前記ダイクロイック反射素子(M)の前記領域(P1,P2)から前記集光領域(Aq)へ到達し、そして前記蛍光体(N)の表面で正反射されて前記集光領域(Aq)から前記ダイクロイック反射素子(M)に戻った際は、主光線(Lp1’,Lp2’)として前記領域(P5,P4)から外れた位置を通過しており、よって前記主光線(Lp1’,Lp2’)周りの強い正反射ピーク成分は、前記領域(P5,P4)によって前記集積光源(W)に戻されることなく、外部に出力される。
図1または図2に記載の本多波長光源において、最も単純化・理想化した条件として、前記集積光源(W)を構成する全ての前記要素光源(U1,U2,…)のそれぞれから出力される前記光束(Fb1,Fb2,…)が、正確に平行光束を形成し(言い換えれば、正確に無限遠の出力像点を形成し)、かつ、前記光束(Fb1,Fb2,…)の全ての前記主光線(Lp1,Lp2,…)が、互いに正確に平行である(言い換えれば、前記光束(Fb1,Fb2,…)が正確に同一の無限遠の出力像点を形成する)条件を想定するならば、この場合は、前記蛍光体(N)の表面に形成される前記集光領域(Aq)は、(前記光束(Fb1,Fb2,…)が形成する前記した無限遠の出力像点と共役な)1個の点状の領域となる。
実際の光源においては、このような単純化・理想化した条件が厳密に実現することは無く、例えば各素子の組み立て誤差や前記集光素子(Ef)の収差、回折限界などの制約によって、前記集光領域(Aq)は、複数個に分離した有限の大きさを持った光集光領域の集合体となるであろうが、光パワーが集中する小さい領域となることには違い無く、その箇所で前記蛍光体(N)の劣化が急速に進行する問題がある。
この問題を回避するためには、前記集光領域(Aq)は、前記集光素子(Ef)およびそれよりも前にある光学系が形成する射出瞳となるように構成することが好適である。
何となれば、瞳の位置や大きさは、光学系の基本的パラメータであり、前記蛍光体(N)の劣化の観点から必要な前記集光領域(Aq)の大きさを正確に設計して実現させることが可能であるからであり、さらに、そのように設計さえすれば、光利用効率の低下につながる余計な光学素子の追加等が不要だからである。
このことについて、本発明の多波長光源の一部を簡略化して示す模式図である図3を用いて説明する。
本図は、前記光束(Fc1,Fc2,…)のそれぞれが前記集光素子(Ef)によって集束光束(Fd1,Fd2,…)に変換される様子を表したものである。
前記集光領域(Aq)が射出瞳となるということは、本図のように、前記集積光源(W)から出力される前記光束(Fb1,Fb2,…)の前記主光線(Lp1,Lp2,…)の全てが、前記集光領域(Aq)の中心、すなわち前記蛍光体(N)とz軸の交点である点(Q)を通過することを意味し、また、もし前記光束(Fb1,Fb2,…)の拡がり角が全て同程度であるならば、したがって例えば前記集積光源(W)から出力された直後の前記光束(Fb1,Fb2,…)の太さが全て同程度であるならば、該光束(Fb1,Fb2,…)は、前記集光素子(Ef)を通過後は集束光束(Fd1,Fd2,…)となって、それぞれ、共通の前記点(Q)を中心とした、近似的には同程度の直径を有する光照射領域を形成する。
なお、本図においては、前記した光照射領域の直径を矢印(A1,A2)の先端間の間隔によって表してあり、結局、これによって前記集光領域(Aq)の大きさが規定されることになる。
このように前記集光領域(Aq)を射出瞳とする光学系を実現するには、大きく分けて2通りの方法があり、その第1は、前記集積光源(W)からの出力である前記光束(Fb1,Fb2,…)を、射出瞳が無限遠にあり、遠方(正または負の距離の)であるが無限遠ではない同一平面上の像点を形成するテレセントリック光学系として構成するものである。
また、その第2は、前記集積光源(W)からの出力である前記光束(Fb1,Fb2,…)を、それぞれ平行光束になるように、すなわち無限遠の像点を形成するようにした上で、射出瞳が有限位置に来るように構成するものである。
当然、これらの中間のもの、すなわち射出瞳が有限位置にあり、かつ無限遠ではない同一平面上の像点を形成するように構成する仕方もあるが、光学系の設計や組立て調整の複雑さが増す。
これらのうちで前記した第1の方法が、光学系の組立て調整が最も簡単と考えられる。
先ず、前記光束(Fb1,Fb2,…)を、遠方であるが無限遠ではない同一平面上の像点を形成するようにするためには、前記要素光源(U1,U2,…)それぞれの出力像点が所定の距離に出来るよう、前記発光素子(Y1,Y2,…)の活性領域と前記コリメータ素子(E1,E2,…)との間隔が所定間隔となるように前記要素光源(U1,U2,…)それぞれを組立てる。
ただし、ここでは簡単のため、前記発光素子(Y1,Y2,…)および前記コリメータ素子(E1,E2,…)の仕様は、全て同一としてある。
そして前記集積光源(W)がテレセントリック光学系となるようにするためには、前記要素光源(U1,U2,…)全ての前記光束(Fb1,Fb2,…)の前記主光線(Lp1,Lp2,…)が互いに平行になるよう、前記要素光源(U1,U2,…)を組立てればよい。
前記集光領域(Aq)の直径は、上で述べたテレセントリック光学系の設計指針から、初等的な近軸光学計算によって容易に求められるが、直観的に理解が容易な説明を以下に付しておく。
瞳の位置、すなわち前記点(Q)は、前記集光素子(Ef)の焦点に生成される。
また前記発光素子(Y1,Y2,…)の活性領域と共役な出力像点(J1,J2,…)の、前記点(Q)からの距離(zqj)は、前記した前記コリメータ素子(E1,E2,…)の焦点距離を決めれば、前記発光素子(Y1,Y2,…)の活性領域と前記コリメータ素子(E1,E2,…)との間隔によって調整可能である。
さらに前記出力像点(J1,J2,…)を形成する前記集束光束(Fd1,Fd2,…)の拡がり角は、前記発光素子(Y1,Y2,…)からの前記放射光(Fa1,Fa2,…)の拡がり角と前記コリメータ素子(E1,E2,…)の焦点距離によって概ね決まる。
そして前記集光領域(Aq)の直径は、図3から明らかなように、前記集束光束(Fd1,Fd2,…)の拡がり角と前記距離(zqj)から求められる。
因みに、本図のように、前記出力像点(J1,J2,…)が瞳の位置よりも後方(すなわち前記蛍光体(N)の内部)に形成されるようにする場合は、前記発光素子(Y1,Y2,…)の活性領域と前記コリメータ素子(E1,E2,…)との間隔は、前記コリメータ素子(E1,E2,…)からの出力光束が平行光となる場合の間隔よりも短く調整することになる。
なお、このような調整を行った場合は、前記コリメータ素子(E1,E2,…)からの出力光束は、厳密にはコリメートされているとは言えず、したがってコリメータ素子なる呼称は正しくないかも知れないが、ほぼコリメートされた光束に変換する素子であることには違い無く、また、半導体レーザの放射光に対するコリメータ素子として市販されている部品を、本多波長光源においても使用可能であるため、本明細書では、そのままコリメータ素子と呼ぶことにする。
言うまでもないことであるが、本図とは逆に、前記出力像点(J1,J2,…)が瞳の位置よりも前方に形成されるようにすることもできる。
ただし、このようにした場合、光学系の構造によっては、前記出力像点(J1,J2,…)が、前記ダイクロイック反射素子(M)から前記集光素子(Ef)に至る光学系の内部に形成される可能性があるが、そのことによる弊害が無ければ、前記領域(P1,P2,…)の大きさを若干小さくすることができ、その分だけ光の利用効率を向上させることができる利点を得ることができる。
前記集光領域(Aq)の大きさは、大きく設定するほど、励起光の照射パワー密度が低くなるため、前記蛍光体(N)の劣化の観点からは有利であるが、前記集光領域(Aq)から発せられる、励起光が波長変換された蛍光と波長変換されなかった残余励起光の光源の大きさが大きくなるため、前記した前記集光素子(Ef)によって生成される前記集光領域(Aq)と共役な遠方の像の大きさが大きくなり、外部に出力される前記混合出力光束(Fg)の、コリメートされた光束としての方向純度、すなわち光の質が低下するため不利となる。
したがって、前記混合出力光束(Fg)の用途によって前記集光領域(Aq)の大きさを大きくする上限が存在し、場合によっては前記蛍光体(N)の十分な寿命が確保できない問題が生ずる可能性がある。
この問題を解決するためには、前記蛍光体(N)を、前記集光領域(Aq)における前記蛍光体(N)の表面の法線を不変に保ったまま、法線と垂直な方向に移動可能であるように構成することが好適である。
なお移動の形態としては、例えば前記蛍光体(N)を円板状に形成し、その中心軸を前記z軸に平行に配置して回転させたり、例えば前記蛍光体(N)を円柱側面に形成し、その中心軸を前記z軸に垂直に配置して回転させたり、例えば前記蛍光体(N)を平板状に形成し、前記z軸に垂直な方向に並進運動させるようにすればよい。
また移動は、連続的またはステップ的に行うものの何れであってもよく、それを継続的に実行するものであってもよく、あるいは前記蛍光体(N)の劣化が認識された際などに間欠的に実行するものであってもよい。
さらに移動の機構は、モータやソレノイド等の動力を備えるものであっても手動に基づくものであってもよい。
前記発光素子(Y1,Y2,…)として、その放射波長の帯域が青色であるものを使用し、また前記蛍光体(N)として、緑色の波長帯域に属する蛍光と赤色の波長帯域に属する蛍光とを放出するものを使用することによって、R,G,B3原色を発するように構成して白色光源を実現する用途に対し、本発明の多波長光源は、とりわけ好適である。
なお、ここで言う白色光源とは、それから発せられる光束の色(色度)が、厳密または近似的に白色と見なせるものに限定されず、それから発せられる光束を利用する装置においてR,G,B3原色を取出し、もしR,G,B各成分の含有比率が理想的な白色からずれている場合は、余計に含まれる成分の利用効率を下げるなどして、結果的に白色光源として使用可能なものをも含めている。
前記蛍光体(N)としては、1種類の蛍光体が緑色の波長帯域に属する蛍光と赤色の波長帯域に属する蛍光とを放出するものでもよく、あるいは、少なくとも緑色の波長帯域に属する蛍光を発する蛍光体と赤色の波長帯域に属する蛍光を発する蛍光体とを混合したものであってもよい。
また前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長で励起された際の前記蛍光体(N)の発光スペクトルとしては、少なくとも緑色の波長帯域と赤色の波長帯域とを含む大きな連続スペクトルから成るものでもよく、あるいは、少なくとも緑色の波長帯域に属するピークと赤色の波長帯域に属するピークとを有するものでもよい。
例えば、R,G,Bそれぞれの波長帯域の放射光を発する発光素子から成る白色光源があった場合、各色の放射光に流す電流のバランスを調整することにより、外部に出力される光束の総合的な色、すなわちR,G,B各色の成分の含有比率を調整することが可能である。
しかし、前記した前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の帯域が青色で、前記蛍光体(N)が、緑色の蛍光を発する蛍光体と赤色の蛍光を発する蛍光体とを混合したものである場合、外部に出力される前記混合出力光束(Fg)の緑色の成分と赤色の成分の含有比率、あるいはR,G,B各色の成分の含有比率を調整することは、前記発光素子(Y1,Y2,…)に流す電流の調整によっては実現できない。
本発明の多波長光源において、このような出力光の緑色の成分と赤色の成分の含有比率の調整を行う必要がある用途に対しては、緑色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と赤色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体との含有比率が前記蛍光体(N)の表面上の位置に単調に依存して分布するよう、あるいは、出力光のR,G,B各色の成分の含有比率の調整を行う必要がある用途に対しては、前記蛍光体(N)が緑色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と赤色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と青色の波長帯域の光を反射する反射体との含有比率が前記蛍光体(N)の表面上の位置に単調に依存して分布するように前記蛍光体(N)を構成した上で、本多波長光源のなかに前記蛍光体(N)を設置する場合の位置を調整することにより、出力光の色の成分の含有比率の調整を行うことが可能となる。
例えば前記蛍光体(N)に関する後者の構成についての一例を具体的に述べると、前記したように蛍光体表面の法線をz軸を取り、蛍光体表面上にx軸およびy軸を取ったとき、緑色の蛍光体と赤色の蛍光体とを合せた蛍光体の含有量に対する青色の波長帯域の光を反射する反射体の含有量を、x座標には依存せずにy座標のみに単調に依存して分布し、緑色の蛍光体と赤色の蛍光体とを合せた蛍光体の含有量のうちの緑色の蛍光体の含有比率は、y座標には依存せずにx座標のみに単調に依存して分布するよう前記蛍光体(N)を構成すればよい。
ここで、例えば、x座標に単調に依存して分布する、とは、x座標を変化させながら分布の様子を見たとき、x座標が増加すれば分布量も増加または一定(あるいは減少まはた一定)であって、増加後に減少(減少後に増加)することがないことを意味する。
ただし、前記集光領域(Aq)の直径より小さい微視的な分布の様子には無頓着でよく、小さくとも前記集光領域(Aq)の直径の程度の大きさの領域に亘っての平均値としての分布量に関して単調であればよい。
本発明の多波長光源のなかの構成要素のうちで、発熱によって、もしくは他の要素からのエネルギー照射を受けて昇温する要素は、集積光源と蛍光体であるため、これらの配置のバランスを考慮する必要がある。
そのような昇温要素の配置バランスと光源としてのコンパクト化の両立を実現可能なものとして、本発明の多波長光源を簡略化して示す模式図である図4の(a)に示すように、集光素子(Ef)はレンズによって構成し、該集光素子(Ef)の光軸に沿って、蛍光体(N)からの蛍光が来る方向に向かって見たとき、集積光源(Wi,Wj)を前記集光素子(Ef)の左側と右側との両方に配置して、本多波長光源を構成することが好適である。
さらにこの場合は、図4の(a)に対する側面図である同図の(b)に示すように、ダイクロイック反射素子(M)は左側と右側との2部分から構成することとし、左側の前記集積光源(Wi)からの光束(Fbi1,Fbi2,…)を反射するための左側のダイクロイック反射部(Mi)と、右側の前記集積光源(Wj)からの光束(Fbj1,Fbj2,…)を反射するための右側のダイクロイック反射部(Mj)とについては、そのダイクロイック面(Smi,Smj)を屋根型に配置することが好適である。
本図の前記ダイクロイック反射素子(M)は、ダイクロイックプリズムによって構成する場合を描いてあるが、そのようにすることにより、前記ダイクロイック面(Smi,Smj)の接合部、すなわち屋根型配置の稜線部における、前記集光素子(Ef)からの光束の損失を、ダイクロイックミラーによって構成した場合よりも低減することが可能となる。
本図bに示すように、高さ方向(z方向)における前記光束(Fbi1,Fbi2,…)の並びと前記光束(Fbj1,Fbj2,…)の並びとは、並び周期の2分の1だけずれた位置に来るように、前記集積光源(Wi)と前記集積光源(Wj)とを配置してある。
そのため、前記光束(Fbi1,Fbi2,…)と前記光束(Fbj1,Fbj2,…)とを選択的に反射するための前記ダイクロイック面(Smi,Smj)上の前記領域(P1,P2,…)は、本図aのよう見方においては、対称ではなく、x方向に前記領域(P1,P2,…)の並びパターンの周期の4分の1だけシフトさせた配置となっている。
このようにすることにより、前記光束(Fbi1)の主光線(Lpi1)が前記領域(P1)で反射された後、前記蛍光体(N)から正反射されて戻って来た場合の主光線(Lpi1’)は、本図aに示すように前記領域(P1,P2,…)が形成されていない箇所を通過するため、前記したように残余励起光の利用効率を高めることが可能となる。
図4の(a)においては、前記領域(P1,P2,…)をx方向にシフトさせたものを示したが、同じく本発明の多波長光源の一部を簡略化して示す模式図である図5の(a)に記載のように、y方向にシフトさせることによって同様に利用効率を高めることができる。
本図のようにする場合は、前記集積光源(Wi)からの前記光束(Fbi1)の前記主光線(Lpi1)が前記領域(P1)で反射された後、前記蛍光体(N)から正反射されて戻って来た場合の主光線(Lpi1’)も、同図に示すように前記領域(P1,P2,…)が形成されていない箇所を通過する。
なお、本図に対応する側面図は省略してあるが、高さ方向(z方向)における前記集積光源(Wi)からの前記光束(Fbi1,Fbi2,…)の並びと前記集積光源(Wj)からの前記光束(Fbj1,Fbj2,…)の並びについて、図4の(b)に記載したような、並び周期の2分の1だけずれた位置に来るような配置にする必要は無い。
なお、図5の(a)の構成の場合において、x方向の前記領域(P1,P2,…)の間隔が狭い場合は、これらを合併させて、同図の(b)の領域(Pa,Pb,…)のようにしても構わない。
また同様に、図4の(a)の構成の場合において、y方向の前記領域(P1,P2,…)の間隔が狭い場合は、これらを合併させて、図5の(c)の領域(Pa,Pb,…)のようにしても構わない。
以上、図4の(a)および図5の(a),(b),(c)に記載した、前記領域(P1,P2,…)の並びパターンのシフトの仕方について、これを総括して述べるならば、以下のようになる。
すなわち、左側および右側の前記集積光源(Wi,Wj)それぞれは、前記要素光源(U1,U2,…)を格子状に並べて構成してあり、前記集光素子(Ef)の光軸に垂直な平面に投影した前記領域(P1,P2,…)の並びパターンは、前記集光素子(Ef)の光軸に対して対称になる配置を基本配置として、前記したダイクロイック面(Smi,Smj)の屋根型配置における屋根の稜線の方向に対して平行または垂直な方向に、前記領域(P1,P2,…)の並びパターンの周期の4分の1だけシフトさせた配置とすればよい。
そして、このような配置とすることにより、残余励起光の利用効率を高めることが可能となる。
本発明の多波長光源は、前記したロッドインテグレータやフライアイインテグレータと組み合わせて光源装置と成し、例えばプロジェクタを構成するために好適に利用可能であるが、とりわけフライアイインテグレータと組み合わせる際には、注意すべき事項がある。
本発明の多波長光源においては、前記蛍光体(N)で波長変換されなかった残余励起光は、前記領域(P1,P2,…)を経由して出力されることはできないため、前記混合出力光束(Fg)には、図4の(a)および図5の(a),(b),(c)に記載した、前記領域(P1,P2,…)の並びパターンに対応した影ができることになる。
前記したように、フライアイインテグレータの光均一化手段としての機能は、前記前段フライアイレンズ(F1B)の各レンズ面での照度分布が全て重ね合わせられることにより発現されるものであるから、前記フライアイインテグレータ(FmB)に前記混合出力光束(Fg)を入力した場合、前記影も重ね合わせられる。
ところが、もし前記影が周期性を有するならば、条件によっては、前記フライアイインテグレータ(FmB)において、前記影の影響を強め合うように重ね合わせられることが起こり得る。
このような不都合な前記影の重ね合わせは、2種類の並び方向、すなわち、前記ダイクロイック反射素子(M)に設けた前記領域(P1,P2,…)の並びパターンを、前記フライアイインテグレータ(FmB)の前段フライアイレンズ(F1B)に対して投影したときの並びパターンの方向と、前記フライアイインテグレータ(FmB)のフライアイレンズの並びの方向とが一致する場合に、最も顕著に発生する。
なお、いま述べた、前記領域(P1,P2,…)の並びパターンを前記前段フライアイレンズ(F1B)に対して投影するに際しては、前記多波長光源から出力される前記混合出力光束(Fg)の中心軸(z)の方向に投影する。
したがって、この問題を回避するには、前記した2種類の並び方向が一致しないようにすればよく、このように構成した様子を、本発明の光源装置の一部の一形態を簡略化して示す概念図である図6に示す。
本図においては、図4に記載の多波長光源の前記混合出力光束(Fg)の前記中心軸(z)に垂直にとった仮想平面(Po)に対して、前記x軸およびy軸、および前記ダイクロイック反射素子(M)と前記集光素子(Ef)とを投影したものを本発明の多波長光源の象徴として描き、また前記フライアイインテグレータ(FmB)の象徴として前記前段フライアイレンズ(F1B)のみを描いてあり、前記フライアイインテグレータ(FmB)のフライアイレンズの並びの方向であるx’軸およびy’軸に対し、x軸およびy軸が、傾きをもつように配置してあることが判る。
当然ながら、この傾きの角度は幾らであっても構わないという訳ではなく、前記フライアイインテグレータ(FmB)において、前記影の影響を弱め合うように重ね合わせられる角度に設定する必要があり、具体的な値は実験的に求めればよい。
次に、本発明の多波長光源の実施例の一部の一形態を簡略化して示す図である図7を用いて、本発明を実施するための形態について説明する。
本図の(a)は前記要素光源(U1)のうちの1個の構成例を示すもので、発光素子にコリメータ素子を装着するための組立て構造、(b)はコリメータ素子(E1,E2,…)が固着されたレンズホルダ(Hz1,Hz2,…)が前記発光素子(Y1,Y2,…)に装着された状態の様子、および前記発光素子(Y1,Y2,…)がヒートシンク(Hs)に実装された様子を表し、前記要素光源(U1,U2,…)の複数個を集積した前記集積光源(W)の一部を示す。
本図の発光素子(Y1,Y2,…)は、金属ケース部(My1,My2,…)と光透過窓部(図示を省略)とから構成される外囲器に覆われ、また通電用端子(TyA,TyB)を具備する、一般にキャン型と呼ばれる構造を有するものである。
前記発光素子(Y1,Y2,…)の前記金属ケース部(My1,My2,…)の構造上の基準面(Pz1,Pz2,…)に対して垂直な方向に、遠方の像点を生成する光束が射出されるよう、前記コリメータ素子(E1,E2,…)を設置するために、例えば接着等の手段を用いて、先ずレンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)に対して前記コリメータ素子(E1,E2,…)を固着しておき、次に、前記発光素子(Y1,Y2,…)と固定されたレンズホルダ(Hz1,Hz2,…)に対して、例えば接着等の手段を用いて、前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)を固着することにより、前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)への前記コリメータ素子(E1,E2,…)の固着を実現している。
すなわち、前記コリメータ素子(E1,E2,…)を前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)に固着するに際し、直接固着するのではなく、間に前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)を介在させるものである。
このような構造とすることにより、前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)に対して、偏芯が無いように前記コリメータ素子(E1,E2,…)を固着しておけば、前記発光素子(Y1,Y2,…)と固定された前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)に対して、前記発光素子(Y1,Y2,…)に電流を流して発光させ、前記コリメータ素子(E1,E2,…)を通過した光束が、所定のコリメート状態(発光素子の活性領域に共役な像が所定の位置に結像する状態)になるよう光学観測を行いながら光軸方向の位置(およびそれに垂直な面内の位置)を所定位置に追い込み、前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)を前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)に固着することができる。
なお、図7の(b)には、前記コリメータ素子(E1,E2,…)を固着するための接着剤ポッティング(HpA)、前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)を固着するための接着剤ポッティング(HpB)を記載してあるが、前記コリメータ素子(E1,E2,…)や前記レンズマウント(Hz1’,Hz2’,…)の周囲全部に施す必要は無く、周囲の2〜3箇所から数箇所でよい。
以上のようにして前記要素光源(U1,U2,…)の個々のものを構成し、これらを共通の前記ヒートシンク(Hs)に集積して実装することにより、前記集積光源(W)の1個を構成することができる。
なお、前記ヒートシンク(Hs)がアルミニウム等の金属材料から作られる場合、これと前記金属ケース部(My1,My2,…)の間に介在することになる前記レンズホルダ(Hz1,Hz2,…)が絶縁性部材である必要がある場合は、例えば熱伝導性の良いセラミックなどの材料により構成する。
図7では、前記発光素子(Y1)と前記コリメータ素子(E1)とを組み立てて、実体としての前記要素光源(U1)を構成し、それらの複数個を集積して前記集積光源(W)を構成するものの一例を示した。
しかし本発明の多波長光源においては、複数の発光素子(Y1,Y2,…)からなる発光素子集合体と、複数のコリメータ素子(E1,E2,…)からなるコリメータ素子集合体とを組合せて1個の集積光源(W)を構成することにより、結果的に1個の発光素子(Y1)と1個のコリメータ素子(E1)とから成る前記要素光源(U1)が、概念上のものとして形成され、前記集積光源(W)は、これらを集積したものと見なせるようにしてもよい。
これに関し、本発明の多波長光源の実施例の一部の一形態を簡略化して示す図である図8を用いて簡単に説明する。
本図の(a)は発光素子(Y1,Y2,…)を収納したパッケージの外観であり、(b)は前記パッケージの内部構造を表し、(c)は前記パッケージとコリメータ素子アレイ(Exy)とを組み合わせて構成した集積光源(W)である。
ヒートシンク(Hs)は、金属等の熱伝導性の良い材料で構成され、パッケージ(Py)の底面を形成しており、固定用穴(Ph)を介して前記ヒートシンク(Hs)がさらに大きいヒートシンクに固定され、一体となってヒートシンクとして機能するようにしてもよい。
金属やセラミック等を材料とするカバー(Pc)には、発光素子(Y1,Y2,…)から発せられた光束を取り出すための窓(Pw)が設けられ、前記ヒートシンク(Hs)と接合されてハーメチックシール構造とする。
前記カバー(Pc)の内部においては、前記ヒートシンク(Hs)上に接着等の手段を用いて、例えば窒化アルミニウム等の熱伝導性の良い絶縁材基板(Pih)が固定されており、該絶縁材基板(Pih)の上には、直接に、あるいは構造物を介して、接着等の手段を用いて、前記発光素子(Y1,Y2,…)が固着されている。
なお、前記カバー(Pc)内部の空間には、前記発光素子(Y1,Y2,…)等の劣化を防ぐため、不活性ガス等の気体が封入されている。
なお、本発明の多波長光源は、パッケージ(Py)の複数個から構成されるようにしてもよい。
前記パッケージ(Py)の前記窓(Pw)の外側から見ると、それぞれの前記発光素子(Y1,Y2,…)の発光領域(Ky1,Ky2,…)は、同一平面内に独立して縦横に並ぶ点像集合と見なすことができる。
この点像集合の各点像に対応させて、前記コリメータ素子(E1,E2,…)に相当する、それぞれ独立した部分レンズ(Em1,Em2,…)を並べて前記コリメータ素子アレイ(Exy)を構成し、前記窓(Pw)の外側に配置することにより、各点像からの光束を、前記光束(Fbi1,Fbi2,…)に相当する、本多波長光源の前記ダイクロイック反射素子(M)に入力するものとして適合する光束に変換することができる。
なお、部分レンズ(Em1,Em2,…)が2次元アレイ状に並んだ前記コリメータ素子アレイ(Exy)は、前記したフライアイレンズの製作技術と同様の技術により、一体のものとして成型することが好適である。
このとき、部分レンズ(Em1,Em2,…)を2次元アレイ状に並べて一体のものとして構成した前記コリメータ素子アレイ(Exy)が、前記窓(Pw)を兼ねるように前記パッケージ(Py)を構成してもよい。
次に、本発明の多波長光源の実施例の一形態を簡略化して示す図である図9について説明する。
本図の多波長光源は、図4に記載の多波長光源を基本として、より実際的なものに改めたものとして描いてあり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
集積光源(Wi1,Wi2,Wj1,Wj2)および蛍光体(N)は、本多波長光源のベースを兼ねた、共通のヒートシンク(Bh)に対し、熱的に良好な接触を保つように固定してある。
さらに該ヒートシンク(Bh)は、空冷式や水冷式の、あるいはペルチェ素子等による冷却構造体に固定される。
本図のダイクロイック反射素子(M)は、薄い2枚の平板からなるダイクロイック反射部(Mi,Mj)を組み合わせて構成してある。
また集光素子(Ef)は、平行光束を集束光束に変換するための球面または非球面のレンズ(Ef1)と、集束光束を、より大きな拡がり角を有する集束光束に変換するための、2段のアプラナティックレンズ(Ef2,Ef3)(所謂ルボシェッツレンズ)から構成するように描いてある。
励起光が波長変換された蛍光は、前記集光領域(Aq)から指向性無く発散されるため、前記集光素子(Ef)は、可及的大きな立体角の発散光をコリメートできることが、光の利用効率を高める上で必要であり、本図に記載した前記集光素子(Ef)は、この必要性を満足させるのに好適な構成である。
なお、前記集光領域(Aq)から発散される励起光が波長変換された蛍光、および波長変換されなかった残余励起光の全てが、高品質にコリメートされるためには、前記集光素子(Ef)は、2色または3色の色収差補正がなされていることが望ましいが、このように、少なくとも3枚のレンズに分割し、適当な硝材を使用して収差補正設計することにより、原理的にはそれが可能となる。
前記集積光源(Wi1,Wi2,Wj1,Wj2)から出力される各光束の並びに対しては、そのx方向への並びピッチが小さくなく、そのままでは光源のコンパクト化を阻害するため、短冊状の複数の45度ミラーを、x方向の配置間隔とz方向の配置間隔を相違させて並べて配置した階段状ミラー(Mi1,Mi2,…,Mj1,Mj2,…)を設けてある。
このようにすることにより、前記ダイクロイック反射素子(M)に入射される光束のz方向への並びピッチを十分に小さくすることができたため、前記ダイクロイック反射素子(M)に設ける、励起光を選択的に反射するための領域(Pa,Pb,…)は、前記した合併したものとすることができる。
本図では、前記ダイクロイック反射素子(M)に入射される光束のy方向への並び間隔が均等ではなく、そのために前記領域(Pa,Pb,…)のy方向への並び間隔が均等ではないものを例示したが、z軸に対して対称な配置に対してシフトさせた配置としているため、前記集積光源(Wi)からの主光線(Lpi1)が前記領域(Pa)で反射された後、前記蛍光体(N)から正反射されて戻って来た場合の主光線(Lpi1’)は、前記領域(Pa,Pb,…)が形成されていない箇所を通過し、よって残余励起光の利用効率が向上する。
なお、前記集積光源(Wi1,Wi2)との間隔、および前記集積光源(Wj1,Wj2)との間隔を、前記集積光源(Wi1,Wi2)が接触し、また前記集積光源(Wj1,Wj2)が接触するまで調整しても、前記ダイクロイック反射素子(M)に入射される光束のy方向への並び間隔を均等にできない場合は、図において2点鎖線で示したような、平行平板ガラスから成るビームシフト素子(Es)を、その表面がz軸に平行になるように配置してz軸回りに角度を調整することにより、前記ダイクロイック反射素子(M)に入射される光束のy方向への並び間隔が均等にすることが可能である。 (ただし、前記ビームシフト素子(Es)は、前記集積光源(Wi2,Wj2)両方からの光束、または前記集積光源(Wi1,Wi2,Wj1,Wj2)全てからの光束に配置する。)
前記集積光源(Wi1,Wi2,Wj1,Wj2)を市販品によって実現する場合は、日亜化学工業株式会社製のNUBM05(品名「青色レーザダイオードバンク」)が使用可能である。
なお、この市販集積光源の場合、標準では、各出力ビームが無限遠像点を形成する光束になるようにするためのコリメータレンズが、個々の半導体レーザに組み付けられているため、先に述べた、前記集光領域(Aq)を射出瞳とする光学系を実現する第1の方法を実施する場合は、前記出力ビームのそれぞれに、規定位置の有限距離の像点を形成する光束に変換するための変換レンズを挿入すればよい。
その場合、前記コリメータ素子アレイ(Exy)と同様な、前記変換レンズを2次元アレイ状に並べて一体に成形したレンズアレイとして製作することが好適である。
ところで、図9の(a)においては、前記集積光源(Wi1,Wi2)から成る左側の要素光源集合、および前記集積光源(Wj1,Wj2)から成る右側の要素光源集合それぞれは、x軸およびy軸の方向に、それぞれ4個および4個の並びからなる要素光源のマトリクスによって形成されているものを例示した。
ここで、本多波長光源の出力光量を増すために、前記した要素光源マトリクスのx軸方向の並び個数を増そうとする場合は、それに合わせて前記階段状ミラー(Mi1,Mi2,…,Mj1,Mj2,…)の個数を増すことになるが、その際、もし、前記ダイクロイック反射素子(M)や前記集光素子(Ef)の大きさを大きくしたくない場合は、同図の(b)から判るように、z軸方向における前記階段状ミラー(Mi1,Mi2,…,Mj1,Mj2,…)の並びピッチを短縮しなければならない。
このとき、もし、前記階段状ミラー(Mi1,Mi2,…,Mj1,Mj2,…)のz軸方向の並びピッチが、各要素光源の光束の太さ(図1で言えば前記光束(Fb1,Fb2,…)の太さ、すなわち直径)に対して余裕が無いならば、階段状ミラーのz軸方向並びピッチの短縮と同時に、各要素光源の光束太さの縮小をも行う必要がある。
そして、各要素光源の光束太さを縮小するためには、各要素光源のコリメータ素子(図1で言えば前記コリメータ素子(E1,E2,…))の焦点距離を短縮すればよい。
ただし、前記したような市販集積光源を使用する場合に、標準の光束の太さを縮小するときは、本発明の多波長光源の実施例の一形態を簡略化して示す図である図10に記載のように、集積光源(Wi1’,Wj1’)の出力ビームのそれぞれに、光束太さを縮小するためのビームコンプレッサレンズ(Gi1,Gi2,…,Gj1,Gj2,…)を挿入すればよい。
ここで、前記ビームコンプレッサレンズ(Gi1,Gi2,…,Gj1,Gj2,…)の個々は、ビームの入射側面が凸球面で、射出側面が凹球面であり、アフォーカル系(望遠系、すなわち焦点距離が無限大)の1枚のメニスカスレンズによって構成する場合を描いてあるが、凸レンズと凹レンズとの2枚のレンズを共焦点配置して構成してもよい。
なお、先に述べた、前記集光領域(Aq)を射出瞳とする光学系を実現する第1の方法を合わせて実施する場合は、前記ビームコンプレッサレンズ(Gi1,Gi2,…,Gj1,Gj2,…)が、前記した規定位置の有限距離の像点を形成する光束に変換するための変換レンズをも兼ねるよう、前記ビームコンプレッサレンズ(Gi1,Gi2,…,Gj1,Gj2,…)には、無限大ではなく、正または負の、適当な値の有限の焦点距離を与えることが好適である。
いま述べた構成においては、前記ビームコンプレッサレンズ(Gi1,Gi2,…,Gj1,Gj2,…)を、前記集積光源(Wi1’,Wj1’)の出力ビームのそれぞれに対して設けるものとして説明した。
しかし、前記集積光源(Wi1’,Wj1’)の出力ビームの太さのうち、図10の紙面に垂直な方向、すなわちy軸方向の太さ成分については、それを縮小する特段の必要性は無いため、前記ビームコンプレッサレンズ(Gi1,Gi2,…,Gj1,Gj2,…)は、y軸方向の母線を有するシリンドリカルレンズに置き換えることができることが判る。
そして、図9の(a)においては、前記階段状ミラー(Mi1,Mi2,…,Mj1,Mj2,…)がy軸方向に延在して、y軸方向に並ぶ複数のビームを一括して反射したように、前記シリンドリカルレンズについても、その母線がy軸方向に延在する構造とすることにより、y軸方向に並ぶ複数のビームに対してx軸方向の太さを一括して縮小させるものとすることが可能である。
なお、この様子を図示するとしても、図10の前記ビームコンプレッサレンズ(Gi1,Gi2,…,Gj1,Gj2,…)を前記シリンドリカルレンズと見立てれば、全く同様の図となるため、図示を省略する。
ここで、先に述べた、前記集光領域(Aq)を射出瞳とする光学系を実現する第1の方法に関して補足しておく。
図9の(b)や図10に記載した多波長光源の場合、前記階段状ミラー(Mi1,Mi2,…,Mj1,Mj2,…)を使用しているため、集積光源内の各要素光源から前記集光素子(Ef)に至る距離は均等ではない。 (ただし、ここで言う距離とは、例えば各要素光源のコリメータ素子の出力側主平面から前記集光素子(Ef)の入力側主平面との間の距離とすればよい。)
そのため、各要素光源からの光束に挿入する、前記した規定位置の有限距離の像点を形成する光束に変換するための変換レンズの焦点距離が、要素光源によらず同一であれば、前記集光素子(Ef)からの前記出力像点(J1,J2,…)の並びが、図3に記載したような前記集光素子(Ef)の軸(すなわちz軸)に対して垂直のものから外れ、傾いてしまう現象を生ずる可能性がある。
しかし、通常この傾きは小さく、よって、前記集光領域(Aq)の部分において、この傾きに起因して、前記集束光束(Fd1,Fd2,…)毎の集光領域の大きさが設計目標からズレる量は小さいため、この現象は無視してよい。
因みに、前記した傾きが小さい理由は、前記出力像点(J1,J2,…)を結像する前記集光素子(Ef)は縮小光学系であり、一般に結像時の縦倍率は横倍率の2乗であるから、前記出力像点(J1,J2,…)の並びのz軸方向の奥行きは、さらに縮小されるからである。
なお、小さいと雖もこの現象を排除したい場合は、前記した集積光源内の各要素光源から前記集光素子(Ef)に至る距離に応じて、前記した規定位置の有限距離の像点を形成する光束に変換するための変換レンズの焦点距離を調整すればよい。
なお、前記集光領域(Aq)が、光パワーが集中する小さい領域となることを、先に述べた前記集光領域(Aq)を射出瞳とする光学系を実現する以外の方法によって避けたい場合は、例えば図10に記載した位置に拡散板(Bi,Bj)を挿入することにより、それを実現することができる。
本発明は、プロジェクタ等の光学装置において使用可能な白色光源などのような、半導体レーザ等の発光素子を用いた多波長光源を設計・製造する産業において利用可能である。
A1 矢印
A2 矢印
Aq 集光領域
Bh ヒートシンク
Bi 拡散板
Bj 拡散板
DmjA 2次元光振幅変調素子
DmjB 2次元光振幅変調素子
E1 コリメータ素子
E2 コリメータ素子
Ef 集光素子
Ef1 レンズ
Ef2 レンズ
Ef3 レンズ
Ej1A 照明レンズ
Ej1B 照明レンズ
Ej2A 投影レンズ
Ej2B フィールドレンズ
Ej3B 投影レンズ
Em1 部分レンズ
Em2 部分レンズ
Es ビームシフト素子
Exy コリメータ素子アレイ
F1B 前段フライアイレンズ
F2B 後段フライアイレンズ
Fa1 放射光
Fa2 放射光
Fb1 光束
Fb2 光束
Fbi1 光束
Fbi2 光束
Fbj1 光束
Fbj2 光束
Fc1 光束
Fc2 光束
Fd 集束光束
Fd1 集束光束
Fd2 集束光束
Fe 混合発散光束
Ff 光束
Fg 混合出力光束
FmA 光均一化手段
FmB フライアイインテグレータ
Gi1 ビームコンプレッサレンズ
Gi2 ビームコンプレッサレンズ
Gj1 ビームコンプレッサレンズ
Gj2 ビームコンプレッサレンズ
HpA 接着剤ポッティング
HpB 接着剤ポッティング
Hs ヒートシンク
Hz1 レンズホルダ
Hz1’ レンズマウント
Hz2 レンズホルダ
Hz2’ レンズマウント
J1 出力像点
J2 出力像点
Ky1 発光領域
Ky2 発光領域
Lb1 主光線
Lb2 主光線
LCD 液晶デバイス
Lp1 主光線
Lp1’ 主光線
Lp2 主光線
Lp2’ 主光線
Lpi1 主光線
Lpi1’ 主光線
M ダイクロイック反射素子
Mi ダイクロイック反射部
Mi1 階段状ミラー
Mi2 階段状ミラー
Mj ダイクロイック反射部
Mj1 階段状ミラー
Mj2 階段状ミラー
MjA ミラー
MjB 偏光ビームスプリッタ
My1 金属ケース部
My2 金属ケース部
N 蛍光体
P1 領域
P2 領域
P4 領域
P5 領域
Pa 領域
Pb 領域
Pc カバー
PcB 偏光整列機能素子
Ph 固定用穴
Pih 絶縁材基板
PmiA 入射端
PmiB 入射端
PmoA 射出端
PmoB 射出端
Po 仮想平面
Pw 窓
Py パッケージ
Pz1 基準面
Pz2 基準面
Q 点
SjA 光源
SjB 光源
Smi ダイクロイック面
Smj ダイクロイック面
Tj スクリーン
TyA 通電用端子
TyB 通電用端子
U1 要素光源
U2 要素光源
W 集積光源
Wi 集積光源
Wi1 集積光源
Wi1’ 集積光源
Wi2 集積光源
Wj 集積光源
Wj1 集積光源
Wj1’ 集積光源
Wj2 集積光源
Y1 発光素子
Y2 発光素子
z 中心軸
ZiB 入射光軸
zqj 距離

Claims (8)

  1. 発光素子(Y1)と、該発光素子(Y1)から放射される放射光(Fa1)を遠方の像を形成する光束(Fb1)に変換するためのコリメータ素子(E1)との組を、1個の要素光源(U1)として、該要素光源(U1,U2,…)の複数個を並べて集積した集積光源(W)と、
    前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を選択的に反射/透過する分光特性を有する領域(P1,P2,…)を、前記集積光源(W)から出力される、それぞれの前記光束(Fb1,Fb2,…)が当たる箇所に選択的に設けたダイクロイック反射素子(M)と、
    前記光束(Fb1,Fb2,…)が前記ダイクロイック反射素子(M)によって反射/透過されて生成された光束(Fc1,Fc2,…)を集光するための集光素子(Ef)と、
    前記光束(Fc1,Fc2,…)が前記集光素子(Ef)によって集光されて生成された集束光束(Fd)が集光領域(Aq)を形成するときに、該集光領域(Aq)が形成される位置がその表面になるように配置され、前記発光素子(Y1,Y2,…)の放射波長の光を励起光として吸収して他の波長帯域の蛍光を放出する蛍光体(N)と、
    を具備することによって、前記蛍光体(N)の表面上の前記集光領域(Aq)から放出される蛍光と、前記集光領域(Aq)から反射される残余励起光との混合発散光束(Fe)が生成されるとともに、
    前記混合発散光束(Fe)は、前記集光素子(Ef)を、前記集束光束(Fd)とは逆方向に伝搬して遠方の像を形成する光束(Ff)に変換され、
    前記ダイクロイック反射素子(M)によって透過/反射されて、外部に混合出力光束(Fg)を出力することを特徴とする多波長光源。
  2. 前記光束(Fb1,Fb2,…)における主光線(Lb1,Lb2,…)に注目したとき、前記主光線(Lb1,Lb2,…)の前記蛍光体(N)の表面において正反射された成分が、前記集光素子(Ef)を、前記した集光時とは逆方向に伝搬して前記ダイクロイック反射素子(M)に到達する位置には、前記領域(P1,P2,…)が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載の多波長光源。
  3. 前記集光領域(Aq)は、前記集光素子(Ef)およびそれよりも前にある光学系が形成する射出瞳であることを特徴とする請求項1に記載の多波長光源。
  4. 前記蛍光体(N)は、前記集光領域(Aq)における前記蛍光体(N)の表面の法線を不変に保ったまま、法線と垂直な方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の多波長光源。
  5. 前記蛍光体(N)は、
    緑色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と赤色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体との含有比率が、
    または緑色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と赤色の波長帯域に属する蛍光を放出する蛍光体と青色の波長帯域の光を反射する反射体との含有比率が、
    前記蛍光体(N)の表面上の位置に単調に依存して分布していることを特徴とする請求項4に記載の多波長光源。
  6. 前記集光素子(Ef)はレンズによって構成してあり、該集光素子(Ef)の光軸に沿って、前記蛍光体(N)からの蛍光が来る方向に向かって見たとき、集積光源(Wi,Wj)を前記集光素子(Ef)の左側と右側との両方に配置し、前記ダイクロイック反射素子(M)は左側と右側との2部分から構成されており、
    左側の前記集積光源(Wi)からの光束(Fbi1,Fbi2,…)のための左側のダイクロイック反射部(Mi)と、
    右側の前記集積光源(Wj)からの光束(Fbj1,Fbj2,…)のための右側のダイクロイック反射部(Mj)と
    のダイクロイック面(Smi,Smj)を屋根型に配置することを特徴とする請求項1から2に記載の多波長光源。
  7. 左側および右側の前記集積光源(Wi,Wj)それぞれは、前記要素光源(U1,U2,…)を格子状に並べて構成してあり、前記集光素子(Ef)の光軸に垂直な平面に投影した前記領域(P1,P2,…)の並びパターンは、前記集光素子(Ef)の光軸に対して対称になる配置を基本配置として、前記したダイクロイック面(Smi,Smj)の屋根型配置における屋根の稜線の方向に対して平行または垂直な方向に、前記領域(P1,P2,…)の並びパターンの周期の4分の1だけシフトさせた配置であることを特徴とする請求項6に記載の多波長光源。
  8. 請求項1に記載の多波長光源と、該多波長光源から出力された混合出力光束(Fg)が入力されるフライアイインテグレータ(FmB)とから構成した光源装置であって、前記ダイクロイック反射素子(M)に設けた前記領域(P1,P2,…)の並びパターンを、前記フライアイインテグレータ(FmB)の前段フライアイレンズ(F1B)に対して投影したときの並びパターンの方向と、前記フライアイインテグレータ(FmB)のフライアイレンズの並びの方向とが一致しないように、前記多波長光源と前記フライアイインテグレータ(FmB)とを配置することを特徴とする光源装置。
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