JP2016095020A - 弁体撤去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】管路部本体の首部に対する作業用ケースの密封取付け作業を安定した状態で容易に行うことができる弁体撤去装置を提供する。
【解決手段】流体管とともに管路構成部を構成する管路部本体及び管路部本体を閉塞可能な弁本体部を備える弁装置の弁本体部を作業弁及び弁移動手段を用いて不断流状態で撤去するための弁体撤去装置であって、管路部本体を構成する首部側を密封状に囲う作業用ケースと、管路構成部の外周面に配置され首部よりも外径側の位置で作業用ケースを支持する支持部45,45を有する支持装置43,43’と、を備え、支持装置43,43’は、管路構成部の外周面に装設された装設部70,70に係止されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、既設流体管に連結された弁装置の弁体を不断流状態で撤去する弁体撤去装置に関する。
水道本管等の既設流体管には仕切弁等の弁装置が設けられており、既設流体管の流体管路を遮断できるようになっている。このような弁装置は、既設流体管とともに管路構成部を構成し該既設流体管に接続される管路部本体と、弁体や操作軸等からなる弁本体部とから成り、弁本体部が経年劣化した場合等には、弁装置を流体管路としてのみ使用するため、または将来、弁装置として再利用するために、管路部本体を残して弁本体部のみを撤去する撤去工事が行われている。
このような工法として、埋設地盤を掘削し露出した管路部本体の首部のフランジに対して、作業用ケースを構成する2つの分割体を周方向から挟み込むように固定して環状の下側取付け枠材(取付部材)を形成し、その下側取付け枠材に対して上側取付け枠材、作業用開閉弁、及び昇降搬送手段(弁移動手段)を備えた作業ハウジングを接続して管路部本体の弁本体部側を密封状に囲う作業用ケースを形成し、その作業用ケース内で昇降搬送手段を操作して弁本体部を管路部本体から撤去するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−29195号公報(第11乃至13頁、第8図)
特許文献1のような弁体撤去装置にあっては、クレーン等を用いて作業用ケースを構成する各種部材を地上から管路部本体の首部のフランジまで吊り下げて移動させ組立てする必要がある。当該組立ての際、下側取付け枠材、作業用開閉弁及び上側取付け枠材を組み立てるときに、各部材を吊り下げたままの状態で、安定して組み立てることは難しいという問題がある。特に、作業用ケースの土台部分となる下側取付け枠材にあっては、2つの分割体を管路部本体の首部のフランジまで吊り下げ、両分割体側を吊り下げた状態のまま、該両分割体を管路部本体のフランジに対して周方向から挟み込んで接続されることにより形成されている。しかしながら、両分割体を吊り下げた状態では該両分割体が揺れてしまうため、フランジに下側取付け枠材を密封状に設置する作業が難しいという問題がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、管路部本体の首部に対する作業用ケースの密封取付け作業を安定した状態で容易に行うことができる弁体撤去装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の弁体撤去装置は、
流体管とともに管路構成部を構成する管路部本体及び該管路部本体を閉塞可能な弁本体部を備える弁装置の前記弁本体部を作業弁及び弁移動手段を用いて不断流状態で撤去するための弁体撤去装置であって、
前記管路部本体を構成する首部側を密封状に囲う作業用ケースと、前記管路構成部の外周面に配置され前記首部よりも外径側の位置で前記作業用ケースを支持する支持部を有する支持装置と、を備え、前記支持装置は、前記管路構成部の外周面に装設された装設部に係止されていることを特徴としている。
この特徴によれば、管路部本体の首部近傍まで吊り下げ移動させた作業用ケースは、首部よりも外径側の位置で、装設部に係止された支持装置の支持部に一旦預けることができるので、前記作業用ケースを管路部本体に安定させて、作業用ケースの密封取付け作業を安定した状態で容易に行うことができる。
前記作業用ケースは、前記首部に密封状に固定される複数の分割体から成る取付部材を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、複数の分割体を首部に取付けて取付部材を形成し、その取付部材に対して各種部材を組み付けることで作業用ケースが構成されるため、作業用ケースの密封取付け作業が容易である。
前記支持部は、前記複数の分割体同士の接続位置に前記分割体を案内する案内手段を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、各分割体が案内手段により分割体同士の接続位置に案内されるため、管路部本体の首部に対する取付部材の密封取付け作業が極めて容易となる。
前記支持装置は、前記管路構成部の外周面上側を利用して配置されることを特徴としている。
この特徴によれば、管路構成部の外周面上側が露出する程度に埋設地盤を掘削するのみで支持装置を用いて首部に対する取付部材の密封取付け作業を実施できるため、掘削作業に費やす時間や労力を削減できる。
前記装設部は、前記管路構成部の外周面から径方向外側に突出し、前記首部を挟んだ周方向の両側に設けられる鍔部であることを特徴としている。
この特徴によれば、支持装置は首部を挟んだ管路構成部周方向の両側に設けられた鍔部に載置されるため、支持装置が管路構成部の外周面上を滑ることなく確実に載置できる。
前記支持装置は、前記管路構成部の延設方向における前記首部を挟んだ両側に配置されており、前記各支持部の高さをそれぞれ調整可能な高さ調整機構を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、高さ調整機構により各支持装置の支持部の高さをそれぞれ調整することにより、管路構成部の延設方向における首部を挟んだ両側で管路構成部の径が異なる場合であっても対応することができる。
前記支持装置と前記管路構成部との間には弾性部材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持装置と管路構成部との間に弾性部材が介在するため、脚部または管路構成部の損傷を防止できる。
実施例における埋設された管路構成部を示す側面図である。 仕切弁装置に弁体撤去装置を組み付けた態様を示す一部正面断面図である。 (a)は、実施例における支持装置の上面図であり、(b)は、同じく正面図であり、(c)は、同じく側面図である。 仕切弁装置において作業用ボルト及び作業用ナットに交換した状態を示す側面図である。 (a)は、首部まで分割構造体を吊り下げ移動させた状態を示す上面図であり、(b)は、同じく一部正面断面図である。 (a)は、分割構造体同士を近接させた状態を示す上面図であり、(b)は、同じく一部正面断面図である。 分割構造体同士を接合させた状態を示す上面図である。 分割構造体同士を接合させた状態を示す一部正面断面図である。 分割式取付部材の流体圧試験を行う態様を示す一部側断面図である。 弁体撤去装置により既存の弁本体部を取外した状態を示す一部正面断面図である。 残存したガスケットリングを除去する態様を示す一部正面断面図である。 新規の弁本体部に交換する態様を示す一部正面断面図である。 弁体撤去装置の変形例1を示す一部側面断面図である。 弁体撤去装置の変形例2を示す側面図である。 弁体撤去装置の変形例3を示す側面図である。 弁体撤去装置の変形例4を示す側面図である。 (a)は、弁体撤去装置の変形例4における支持装置の上面図であり、(b)は、同じく正面図であり、(c)は、同じく側面図である。
本発明に係る弁体撤去装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る弁体撤去装置について図1から図17を参照して説明する。以下、図2の画面手前側を弁体撤去装置の正面側(前方側)として説明する。
図1に示すように、本実施例において、既設の流体管2,2’に流体管路を遮断可能な仕切弁装置3(弁装置)が連結されている。流体管2,2’及び仕切弁装置3は、例えば、地中に埋設される上水道用のダクタイル鋳鉄製であり、流体管2,2’は、断面視略円形状に形成され、内周面がモルタル層で被覆されている。尚、本発明に係る流体管及び弁装置は、その他鋳鉄、鋼等の金属製、あるいは石綿、コンクリート製、塩化ビニール、ポリエチレン若しくはポリオレフィン製等であってもよい。さらに尚、流体管の内周面はモルタル層に限らず、例えばエポキシ樹脂等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。また、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。
図1に示すように、仕切弁装置3は、管路部本体4と弁本体部11とから構成されている。管路部本体4は、流体管2,2’に連通する管部5と、管部5の管軸と異なる方向に突出された筒状の首部8と、から構成されている。管部5の両端部は、流体管2,2’の端部を挿入可能な受口部9,9’と成っており、この受口部9,9’には、受口部9,9’内に流体管2,2’を挿入する際において、流体管2,2’の引き込みに用いられる一対の鍔部70,70(装設部)がそれぞれ設けられている。一対の鍔部70,70は、首部8を挟んだ周方向の両側に対向するように配置され、受口部9及び受口部9’の外周面から径方向外側に略水平に突出している(図2参照)。首部8は、管部5から上方に延びる延設管部6と、延設管部6の上端に設けられた管路部フランジ7と、から成る。また、首部8は、管路部フランジ7から前記受口部9,9’に延びるリブ71,71を備えており、このリブ71,71により管路部本体4の強度が高くなっている。尚、流体管2,2’と仕切弁装置3における管路部本体4とは、流体管路を構成しており、本実施例では、これらを総称して管路構成部と定義する。また、本実施例では、管路構成部を構成する部材同士は、ロックリングとシールを内蔵した受口と挿口による接合態様であるが、フランジによる接合、押輪を用いた接合、及び溶接による接合などでもよい。
弁本体部11は、管路部本体4を閉塞可能な弁体12(図10参照)と、弁蓋フランジ13と、弁蓋フランジ13と一体に形成された弁蓋14と、弁蓋14の上面に突出され、仕切弁装置3を外部から開閉操作するための操作部15と、から構成され、操作部15は弁蓋14との間をシールするためのパッキン(図示略)を介して着脱可能に接合されている。また、管路部本体4と弁本体部11とは、管路部本体4の管路部フランジ7と弁蓋フランジ13とをシールするためのガスケットリング(図示略)を介して、ボルト・ナット20,20,…により着脱可能に接合されている。
図2に示されるように、弁体撤去装置1は、弁本体部11を管路部本体4から撤去するものであり、仕切弁装置3の一部を密封状に囲う作業用ケース21と、作業用ケース21内に備えられるとともに作業用ケース21の外部からの操作により作業用ケース21の内部空間を密封状に仕切ることが可能な作業弁22と、弁本体部11を作業用ケース21内で移動を可能とする弁吊移動工具33(弁移動手段)と、作業用ケース21を下方側から支持する支持装置43,43’(図4参照)と、から構成されている。
作業用ケース21は、分割式取付部材23と、合いフランジ26と、作業弁装置27と、円筒部材28と、上蓋29と、から主に構成される。分割式取付部材23のフランジ部31の上部には、前記作業弁22を備えた筐体である作業弁装置27が、合いフランジ26を介して接続されており、作業弁装置27の上側のフランジには、上端に上蓋29が接続された円筒部材28が接続されている。これら作業用ケース21を構成する各種部材同士は、パッキンを介して密封状に接合されている。尚、作業用ケース21は、断面形状が略円筒形状を成していることが望ましいが、例えば、断面形状が略小判形、略楕円、略角形などの筒部材でもよい。
また、図5に示されるように、分割式取付部材23は、首部8の周方向に2分割された分割構造体24,25から成る。図5(b)に示されるように、前述した分割構造体24,25は、それぞれの接合端部より離れた位置に板状の突出片52,52及び突出片52’,52’がそれぞれ形成されており、対向し合う突出片52,52’の底部には、互いに対向して延びる板部53,53’がそれぞれ設けられている。板部53の先端部54と板部53’に設けられた凹部55とは互いに係合可能となっている。
また、図7に示されるように、一方の分割構造体24は、分割式取付部材23のフランジ部31よりも内側に環状部56を備え、環状部56には内周面に雌ネジ部を有した非貫通孔46,46が形成されている。また、同様に他方の分割構造体25は環状部56’を備え、環状部56’には非貫通孔46’,46’が形成されている。これら非貫通孔46,46’には、分割構造体24,25に対して後述する補助プレート47,47を取付け、且つ分割構造体24,25を吊り下げるためのアイボルト49をそれぞれ螺挿することができるようになっている(図5参照)。
図8の部分拡大部に示されるように、分割式取付部材23は、分割構造体24,25が首部8に対して周方向から近接されることにより、分割構造体24,25の内周面にそれぞれ設けられた密封部材30が管路部フランジ7に圧接されて密封状に取付けられている。尚、密封部材として、断面が円形の丸ゴムパッキン、略C字状または方形状または、リップ付きのゴムパッキンを使用してもよい。
また、分割式取付部材23における弁蓋フランジ13の上面に対応する位置には、外周側から内周側に連通するネジ溝を有する連通孔57が設けられており、該連通孔57には、フランジ上部固定ボルト58が密封状に螺挿されている。また、分割式取付部材23における管路部フランジ7の下面と対応する位置には、連通孔57’が設けられており、該連通孔57’には、フランジ下部固定ボルト59が密封状に螺挿されている。なお、連通孔57’及びフランジ下部固定ボルト59は設けなくてもよい。
また、図2に示されるように、上蓋29の中央部には、上面側から下面側に連通する挿入孔32が形成されている。この挿入孔32には、弁本体部11を管路部本体4から引き上げて取り外すための弁吊ロッド34が挿入可能になっており、上蓋29と弁吊ロッド34との間には、図示しないシール材が介在されることで、作業用ケース21内が密閉される。
弁吊移動工具33は、弁吊ロッド34と、弁吊ロッド34の上端に固定された上部吊り金具35と、上部吊り金具35及び前記作業用ケース21の円筒部材28に固定されるレバーホイスト36と、から成る。弁蓋フランジ13(図4参照)を管路部本体4から取外し、作業用ケース21内への流体圧を利用し、且つレバーホイスト36を緩めるように操作することで、徐々に弁吊ロッド34を上方に移動させて、弁本体部11を引き上げることが可能となっている。尚、流体圧での押上げが不十分な場合、クレーンなどの引上げ装置を利用してもよい。また、弁吊ロッド34の長さは、後述するように、作業用ケース21内に最も進出された際に、弁吊ロッド34の先端が弁本体部11の操作部15の上端付近に達する一方で、弁吊ロッド34で弁本体部11を管路部本体4から離間させるために最も後退された際に、弁本体部11の下端が作業弁22よりも上部に達するように調整されている。
図2及び図4に示されるように、支持装置43,43’は、管部5の受口部9,9’の外周面上側における首部8よりも外径側の位置にそれぞれ配置されている。これによれば、支持装置43,43’が、作業用ケース21の下方側を首部8よりも外径側の位置から安定的に支持することができる。また、支持装置43,43’は、受口部9,9’の外周面上側に取付けられるため、受口部9,9’の外周面上側が露出する程度に埋設地盤を掘削するのみで支持装置43,43’を設置することができ、掘削作業にかかる時間や労力を削減できるようになっている。なお、支持装置43,43’は、作業用ケース21の下方側を支持するものに限らず、作業用ケース21の上方側や中央側を支持してもよい。
詳しくは、図2及び図3に示されるように、支持装置43は、受口部9の外周面を周方向に跨ぐ脚部44と、脚部44上部に設けられた一対の支持部45,45と、から主に構成されている。脚部44は、受口部9の外周面に面当接可能な曲面形状の当接面44aを備えており、当接面44aには、ゴム等の弾性部材72が固着されている(特に図3(b)参照)。これによれば、弾性部材72が受口部9の外周面と支持装置43の当接面44aとの間に介在しているため、受口部9または支持装置43の損傷が防止される。また、受口部9の外径にバラつきが生じている場合であっても、弾性部材72が弾性変形して受口部9の外周面と支持装置43の当接面44aとの隙間を埋めるため、前記バラつきをある程度許容できる。尚、弾性部材72は、支持装置43と別体であってもよい。
また、脚部44の周方向両端部には、前述した鍔部70,70に面当接可能な載置部73,73を備えている。これにより、支持装置43,43’が受口部9,9’の周方向に滑って回転移動することが防止されている。さらに、載置部73,73が鍔部70,70の上面に面当接して摩擦力が生じるため、支持装置43,43’が鍔部70,70の上面を滑り移動することが防がれている。
また、脚部44の上部には、支持部45,45の高さを調整する高さ調整機構74が設けられている。高さ調整機構74は、内側に雌ネジ(図示略)が形成された台座部75,75と、前記雌ネジに螺合する雄ネジ(図示略)を備えた軸部材76,76とから成り、台座部75,75に対して軸部材76,76が螺進体することにより、支持部45,45をそれぞれ上下に移動させることができるようになっている。尚、高さ調整機構は、油圧式等であってもよい。さらに尚、支持装置43’は、支持装置43と同一構成であるため、支持装置43’の説明を省略する。
次に、弁体撤去装置1を用いて弁本体部11を撤去し、後に新規の弁本体部11’に交換する工程について説明する。
先ず、図1に示されるように、前記管路構成部の管軸中心近傍まで地盤を掘削する。その後、露出した仕切弁装置3やその周辺の部材を清掃する。なお、仕切弁装置3の全体が露出するまで地盤を掘削してもよい。
続いて図4に示されるように、管路部本体4と弁本体部11とを締結するボルト・ナット20を、作業用ボルト37,37,…及び長尺の作業用ナット38,38,…に付け替えるとともに、弁本体部11のキャップ39(図1参照)を前述した弁吊ロッド34の先端に係合可能なアダプター40に交換する。尚、作業用ボルト37,37,…には、管路部フランジ7のボルト孔(図示略)を密封するためのパッキンが組み込まれている。さらに尚、管路部フランジ7のボルト孔は、パッキンの代わりにシールワッシャーを介在させて密封するようにしてもよい。
このように、長尺の作業用ナット38に交換することで、分割式取付部材23のフランジ部31側から作業用ナット38にアクセスでき、分解組立て作業が容易となる。尚、更に長尺の作業用ナットを用いて分割式取付部材23のフランジ部31側から突出させるようにしてもよい。
また、受口部9,9’の外周面上に支持装置43,43’を取り付ける。支持装置43,43’を受口部9,9’に取り付けた際には、各支持部45,45の上面45a,45aを予め決められた高さ位置に配置するように調整しておく。この予め決められた高さ位置とは、各支持部45,45の各上面45a,45aが、管路部本体4の首部8に対して適正な高さ位置で形成された分割式取付部材23の下面側を支持できる位置である。
次いで、図5に示されるように、地上にて分割構造体24,25に対して補助プレート47,47を固定的に取付ける。補助プレート47は、剛性のある金属板等から形成されており、その両端部には長手方向に沿って延びる長孔48,48が形成されている。このように、補助プレート47は長孔48,48がそれぞれ設けられているため、補助プレート47自体の強度を保ちつつ、後述するように各長孔48に沿って移動する分割構造体24,25を隣接する長孔48,48の端部同士で規制できる。補助プレート47,47の取付け態様について詳しく説明すると、分割構造体24,25を所定間隔離間させた状態で、分割構造体24,25の対向し合う非貫通孔46,46’同士に補助プレート47,47を架け渡すように配置し、各長孔48を介してそれぞれの非貫通孔46,46’にアイボルト49を螺挿して緊締することで補助プレート47,47が分割構造体24,25に対して固定的に取付けられる。すなわち、分割構造体24,25が所定間隔離間した状態で補助プレート47,47によりユニット化される。尚、補助プレート47は、剛性を有していれば、金属に限られず樹脂等の部材で構成されてもよいし、リブを有する構造であってもよい。さらに尚、補助プレートは、その中央部に長手方向に沿って延びる1つの長孔が設けられていてもよい。
その後、各アイボルト49のリング部分に図示しないクレーンのワイヤW,Wを連結し、地上から管路部本体4の首部8まで吊り下げ移動させ、分割構造体24,25を首部8を挟んだ両側に配置する。前述のように分割構造体24,25は、補助プレート47,47によりユニット化されているため、分割構造体24,25を一体的に吊り下げ移動させることができる。尚、本実施例では、各ワイヤW,Wは、前記クレーンの吊り部(図示略)から各アイボルト49のリング部分に放射状に延びている態様となっている。
次に、図6に示されるように、各アイボルト49を緩め、分割構造体24,25を近接する方向に移動させ、分割構造体24,25における板部53,53’の底面53a,53a’を各支持部45,45の各上面45a,45aに載置する。このとき分割構造体24,25は、各アイボルト49が剛性を有する補助プレート47,47の各長孔48に沿って移動することにより、分割構造体24,25同士が相対的なずれを規制されながら一体的に近づくように移動する。また、分割構造体24,25には鉛直下方、すなわち前記クレーンの吊り部を中心として互いに近接する方向に重力が働いているため、小さな力で移動させることができる。
そして、分割構造体24,25から補助プレート47,47を取り外すとともに、図7に示されるように、分割構造体24,25を各支持部45,45上でさらに近接させ、分割構造体24,25の接合端部同士を重ね合わせる。このように、地上から吊り下げた分割構造体24,25を首部8よりも外径側の位置で、載置部73,73を鍔部70,70に係止された支持装置43,43’の支持部45,45に一旦預けることができるため、分割構造体24,25同士を安定させた状態で容易に接合作業を行える。なお、対向しあう突出片52,52’に架けて図示しないボルトを挿通するとともにナットを締め付けることで、分割構造体24,25同士を引き寄せてもよい。
図8に示されるように、分割構造体24,25の接合端部同士を重ね合わせる際には、分割構造体24,25を各支持部45,45の上面45a,45aに摺動させながら、分割構造体24の板部53の先端部54と分割構造体25の板部53’の凹部55とを係合させる。これにより、分割構造体24,25は、管路部本体4の首部8に対して分割式取付部材23が適正に形成される分割構造体24,25同士の接続位置に配置される。すなわち、各支持部45,45の上面45a,45aは、分割構造体24,25を接続位置に案内する案内手段として機能している。また、このときには板部53の先端部54と板部53’の凹部55とが係合しているため、分割構造体24,25が離間する方向に落下する虞を防止できる。
続いて、対向し合うそれぞれの突出片52,52及び突出片52’,52’に対して複数のボルト41,41,…及びナット50,50,…(1つのみ図示)を仮締めして、前記接続位置に配置された分割構造体24,25同士を仮固定する。その後、各支持部45,45を上昇させて分割構造体24,25の位置を補正し、前記ボルト41,41,…及びナット50,50,…を本締めして分割式取付部材23を形成する。このように、接続位置にて分割構造体24,25同士が接続固定されることにより、管路部本体4の首部8の管路部フランジ7に対して分割式取付部材23が各密封部材30を介して密封状に固定されるため、分割式取付部材23の密封取付け作業が極めて容易である。尚、図8の二点鎖線で示されるように、別体の補助ジャッキ60,60を追加して配置し、分割式取付部材23をより安定的に支持するようにしてもよい。
次に、図8の部分拡大部に示されるように、作業用ボルト37,37,…の頭に対して止めネジ61,61,…(1つのみ図示)を締め付ける。またフランジ上部固定ボルト58により弁蓋フランジ13を管路部フランジ7側に押し付け、各部の密封保持を確実にするとともに、作業用ナット38,38,…を取り外す。尚、このとき、フランジ下部固定ボルト59を利用して弁蓋フランジ13と管路部フランジ7とを強固に狭持してもよい。
その後、図9に示されるように、分割式取付部材23のフランジ部31に対して、合いフランジ26を取り付けるとともに、その合いフランジ26に対して、流体注入用の配管や圧力計等が設けられた流体圧蓋62を取り付け、分割式取付部材23の内部の流体圧試験を行う。尚、流体圧試験は、弁体撤去装置1を構成する作業弁22を用いて行ってもよい。
次に、図10に示されるように、合いフランジ26から流体圧蓋62(図9参照)を取り外すとともに弁吊ロッド34を取付け、合いフランジ26に作業弁装置27と円筒部材28とを取り付ける。そして、弁吊移動工具33を組み付けた上蓋29を円筒部材28の上端に取り付けて作業用ケース21を構成する。尚、作業弁装置27、円筒部材28、上蓋29及び弁吊移動工具33を予め組み立てて一体化させておき、分割式取付部材23の上部に一括で固定するようにしてもよい。これにより、作業現場での作業性を大きく向上させることができる。
次いで、作業用ケース21内に流体を注入し、作業用ケース21内と前記管路構成部内との流体圧を同圧とする。
次に、図10に示されるように、前記フランジ上部固定ボルト58,58を退行させ、弁吊移動工具33の上部ナット51,51,…(図2参照)を緩め、前述した操作により、徐々に弁吊ロッド34を上方に移動させて、弁本体部11を引き上げる。このときには、ドレン63から作業用ケース21内の流体を排出することにより、その流体と一緒に弁本体部11の引き上げ作業時に発生する夾雑物等を作業用ケース21外に排出できる。弁本体部11を引き上げた後には、作業弁22を閉操作し、作業弁装置27から円筒部材28、上蓋29、弁吊移動工具33、及び弁本体部11を撤去する。なお、上蓋29、弁吊移動工具33、及び弁本体部11のみを撤去してもよい。
尚、弁本体部11を引き上げた後には、弁本体部11と管路部フランジ7との間に配設されていた前述のガスケットリングが、管路部フランジ7側の凹溝に残存する場合がある。図11に示されるように、分割式取付部材23に設けられた確認用窓64を介して、前記ガスケットリングの残存を確認した場合には、作業弁装置27にガスケットリング除去用のフランジ装置80を密封状に組み付け、フランジ装置80の上部確認用窓81と前記確認用窓64とにより前記ガスケットリングの位置を視認しながら、分割式取付部材23に設けられた作業孔65を介して管路部フランジ7にアクセス可能な取外しロッド66とフランジ装置80を構成するカラビナ付の上部取外しロッド82とを用いることで、ガスケットリングの落下を防ぎながら除去する作業を行う。
そして、図12に示されるように、作業弁装置27に対して円筒部材28、上蓋29、弁吊移動工具33を組み付ける。弁吊移動工具33の弁吊ロッド34には、新規の弁本体部11’が係合されている。この弁本体部11’の弁蓋フランジ13’には、環状の溝部67が形成されており、該溝部67には、既存のガスケットリングよりも厚みのあるガスケットリング68が固着されている。また弁蓋フランジ13’の上端側には、環状の金属板69が載置されている。
次いで、円筒部材28内に流体を注入して、円筒部材28内の流体圧と分割式取付部材23側の流体圧とを同圧にし、作業弁22を開操作し、前記レバーホイスト36を操作して弁本体部11’を管路部本体4に取付ける。そして、図示しないが、フランジ上部固定ボルト58を螺進させて弁蓋フランジ13’を管路部フランジ7に押し付けるとともに、上部吊り金具35、上蓋29、円筒部材28を撤去し、弁吊ロッド34を撤去する。そして作業用ボルト37に作業用ナット38を取付ける。さらに上部固定ボルト58を解除し、作業弁装置27、合いフランジ26、分割式取付部材23、支持装置43,43’等を撤去し、作業用ボルト37及び作業用ナット38をボルト・ナット等に交換し、アダプター40をキャップ39に交換して、弁本体部11’への交換作業が完了する。
前述したようにガスケットリング68は、既存のガスケットリングよりも厚いため、フランジ上部固定ボルト58により弁蓋フランジ13’を管路部フランジ7に押し付けた際に潰されて前記既存のガスケットリングが配置されていた管路部フランジ7側の凹溝に入り込み、弁本体部11’と管路部本体4とを確実に密封できる。さらに、フランジ上部固定ボルト58は、弁蓋フランジ13’の金属板69に当接するようにして、弁蓋フランジ13’が損傷することを防止している。
尚、前記実施例では、各支持部45,45の上面45a,45aを、分割構造体24,25を接続位置に案内する案内手段として説明したが、上面45a,45aにローラー部材等を設け、分割構造体24,25を接続位置に円滑に移動できるようにしてもよい。なお、この場合、補助プレート47を用いなくてもよい。
また、板部53の先端部54及び板部53’の凹部55は、上記態様に限られず、例えば、板部53の先端部54が分割構造体25側に延びるように形成し、板部53’に前記板部53の先端部54を挿入可能な挿入部を形成し、前記板部53の先端部54と板部53’の挿入部とを摺動させることで分割構造体24,25が接続位置に案内されるようにしてもよいし、互いに係合可能なフック形状等に形成してもよい。また、前記実施例では、分割構造体24に板部53,53を設け、分割構造体25に板部53’,53’を設けた態様であったが、各分割構造体に板部53,53’をそれぞれ形成してもよい。
また、補助プレート47の各長孔を、分割構造体24,25が接続位置まで移動可能となるように長く延ばして形成して、補助プレート47,47の該各長孔と各支持部45,45の上面45a,45aとにより、分割構造体24,25を接続位置に案内するようにしてもよい。
尚、弁体撤去装置の変形例1として、図13を参照して説明すると、管路部本体4と流体管2,2’との間には、接続管16,16’が配設されており、接続管16,16’のフランジ部17,17’と管部5のフランジ部18,18’とは、ボルト・ナット20,20,…により締結されている。このボルト・ナット20,20,…の一部を長ねじボルト42,42に付け替えるとともに、長ねじボルト42,42の上面に支持装置431,431’の載置部73,73を載置することにより、支持装置431,431’を接続管16,16’の外周面にそれぞれ配置するようにしてもよい。
また、弁体撤去装置の変形例2として、図14を参照して説明すると、管部5の一方側端部は、流体管2に接続される受口部90となっており、管部5の他方側端部は、受口形状の流体管200に接続される挿口部90’となっている。支持装置432,432’は、受口部90と挿口部90’とのそれぞれ外周面に取付けられている。受口部90の径と挿口部90’の径とは異なるため、支持装置432,432’を取付ける高さの位置が異なるが、高さ調整機構74,74によって支持部45,45の高さを調整して異なる径の管に対応できる。尚、図14に示される支持装置432’のように、その載置部73が鍔部70まで到達しない場合には、鍔部70に延長プレート77を取付けてもよい。なお、支持装置432,432’は、必ずしも同じ管部5に取り付けられるものに限らず、それぞれ別の部材に取り付けられてもよい。更になお、支持装置432,432’は、それぞれ取り付けられる部材の位置・形状に応じて異なる寸法形状を有するものに限られず、同一の寸法形状であってもよい。
また、弁体撤去装置の変形例3として、図15を参照して説明すると、支持装置433,433’は、それぞれの脚部44,44に雌ネジ部(図示略)を内周面に備えた貫通孔44b,44bが設けられている。支持装置433は流体管2に配置され、支持装置433’は管部5の挿口部90’に配置されており、支持装置433,433’は各貫通孔44b,44bにボルト78,78が螺挿されることによって流体管2及び管部5にそれぞれ取付けられている。このように、図示しないが、ボルト78,78の先端部を流体管2及び管部5の外周面上に食い込ませて、流体管2及び管部5の外周面上に凹部(装設部)を装設し、該各凹部にボルト78,78の先端部を係止させることにより支持装置433,433’を流体管2及び管部5にそれぞれ取付けてもよい。
また、弁体撤去装置の変形例4として、図16を参照して説明すると、支持装置434,434’は、比較的大型の管路部本体400の管部500の外周面上に配置されており、支持装置434,434’の各脚部44,44には、リブ71,71を挟みこむようにして延びる一対の挟持片79,79がそれぞれ設けられている(図17参照)。このようにリブ71,71を装設部として利用して支持装置434,434’を固定してもよい。
尚、図示しないが、支持装置は、首部8に対してボルト等を食い込ませることにより固定される分割式固定具等であってよい。また、支持装置は、管路構成部の外周面上側のみに配置されることに限られず、例えば、支持装置はその脚部が管部5の周方向に亘って連続するように取付けられてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、分割式取付部材23は、首部8の周方向に2分割された分割構造体24,25から構成されている態様について説明したが、3つ以上の分割構造体から構成されていてもよい。また、作業用ケースは、取付部材が分割構造であれば、その他の各種部材同士が溶接等で一体化されていてもよい。さらに作業用ケースは、上下に一体化された複数の分割構造体により構成されてもいてもよい。
また、作業用ケース2は、必ずしも分割式取付部材23を備えることに限られず、例えば、作業用ケースの内周面に上方に向けて縮径する環状のテーパ面を設け、該テーパ面を管路部フランジ7に摺接させることで首部8に対して密封状に取付けられるようなものであれば、1つの部材から形成されていてもよい。
また、本実施例では弁装置を仕切弁としているが、バタフライ弁、切換弁、ボールバルブ、プラグなどでも良い。
また、本実施例では、既存の弁本体部11を撤去後、新規の弁本体部11’に交換したが、例えば閉塞蓋や他の空気弁等の管接続部材に交換してもよい。
1 弁体撤去装置
2,2’ 流体管
3 仕切弁装置(弁装置)
4 管路部本体
8 首部
11,11’ 弁本体部
21 作業用ケース
22 作業弁
23 分割式取付部材(取付部材)
24,25 分割構造体(分割体)
26 合いフランジ
27 作業弁装置
33 弁吊移動工具(弁移動手段)
42 長ねじボルト(装設部)
43,43’ 支持装置
45 支持部
47 補助プレート
48 長孔
49 アイボルト
70 鍔部(装設部)
71 リブ(装設部)
72 弾性部材
73 載置部
74 高さ調整機構
79 挟持片
431,431’ 支持装置
432,432’ 支持装置
433,433’ 支持装置
434,434’ 支持装置

Claims (7)

  1. 流体管とともに管路構成部を構成する管路部本体及び該管路部本体を閉塞可能な弁本体部を備える弁装置の前記弁本体部を作業弁及び弁移動手段を用いて不断流状態で撤去するための弁体撤去装置であって、
    前記管路部本体を構成する首部側を密封状に囲う作業用ケースと、前記管路構成部の外周面に配置され前記首部よりも外径側の位置で前記作業用ケースを支持する支持部を有する支持装置と、を備え、前記支持装置は、前記管路構成部の外周面に装設された装設部に係止されていることを特徴とする弁体撤去装置。
  2. 前記作業用ケースは、前記首部に密封状に固定される複数の分割体から成る取付部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の弁体撤去装置。
  3. 前記支持部は、前記複数の分割体同士の接続位置に前記分割体を案内する案内手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の弁体撤去装置。
  4. 前記支持装置は、前記管路構成部の外周面上側を利用して配置されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の弁体撤去装置。
  5. 前記装設部は、前記管路構成部の外周面から径方向外側に突出し、前記首部を挟んだ周方向の両側に設けられる鍔部であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の弁体撤去装置。
  6. 前記支持装置は、前記管路構成部の延設方向における前記首部を挟んだ両側に配置されており、前記各支持部の高さをそれぞれ調整可能な高さ調整機構を備えていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の弁体撤去装置。
  7. 前記支持装置と前記管路構成部との間には弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の弁体撤去装置。
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