JP2016094744A - 転倒抑制工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】地盤に直接設けられた既設橋脚の、安価で安全な工期の短縮化が可能な転倒抑制工法を提供する。
【解決手段】既設橋脚の重心よりも上側の部分から、必要な強度を確保できる範囲で、当該既設橋脚を形成する形成体の一部22を撤去することによって、当該既設橋脚の重心位置を下げる。また当該既設橋脚として必要な強度を確保するために、前記形成体が撤去された部分を補強する補強部材21を設置し、かつ前記補強部材の総重量は、前記撤去した形成体22の総重量よりも軽い。また前記形成体を撤去する前または後に、前記既設橋脚の重心よりも下側の部分に、重錘を固定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、地盤に直接設けられた既設橋脚を転倒しにくくする転倒抑制工法に関する。
従来、基礎が、“直接基礎”である既設橋脚、あるいは“杭と基礎とが接続されていない構成の杭基礎”である既設橋脚が知られている。このような既設橋脚は、地盤(木杭等によって補強された地盤も含む。)に直接設けられているため、地震等によって転倒してしまうことがある。
このような既設橋脚を転倒しにくくする転倒抑制工法としては、例えば、地盤と橋脚とをグラウンドアンカーで一体化させる工法(例えば特許文献1参照)や、地盤と橋脚との接触面積を増加させる工法などが考えられる。
特開平9−209373公報
しかしながら、地盤と橋脚とをグラウンドアンカーで一体化させる工法の場合、アンカーが大きく、橋脚のグラウンドアンカー定着部の補強が必要となるため、費用が嵩んでしまう。
地盤と橋脚との接触面積を増加させる工法の場合、橋脚が河川や海に設置されている際には、接触面積を増加させる部材を設置するために遮水しなければならず、遮水のための大掛かりな設備が必要となるため、費用が嵩む、工期が長くなる等の問題が生じる。また、漏水が発生して、安全に施工できない場合もある。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、地盤に直接設けられた既設橋脚を転倒しにくくする転倒抑制工法であって、安価で安全な施工が可能であり、かつ、工期の短縮化が可能な転倒抑制工法を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の転倒抑制工法は、
地盤に直接設けられた既設橋脚を転倒しにくくする転倒抑制工法であって、
前記既設橋脚の重心位置を下げるように構成されている。
したがって、既設橋脚の重心位置を下げるだけなので、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮化が可能となる。
好ましくは、
少なくとも前記既設橋脚の重心よりも上側の部分から、当該既設橋脚を形成する形成体の一部を撤去することによって、当該既設橋脚の重心位置を下げるように構成することが可能である。
このように構成することによって、少なくとも既設橋脚の重心よりも上側の部分から、当該既設橋脚を形成する形成体の一部を撤去するだけなので、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮化が可能となる。
好ましくは、
前記形成体の一部を、橋脚として必要な強度を確保できる範囲で撤去するように構成することが可能である。
このように構成することによって、少なくとも既設橋脚の重心よりも上側の部分から、当該既設橋脚を形成する形成体の一部を撤去するだけで、そのまま橋脚として用いることができ、橋脚として必要な強度を確保するための補強等が不要であるので、より安価な施工が可能となり、かつ、工期のさらなる短縮化が可能となる。
あるいは、
橋脚として必要な強度を確保するために、前記形成体が撤去された部分を補強する補強部材を設置し、
前記補強部材の総重量は、前記撤去した形成体の総重量よりも軽いように構成することが可能である。
このように構成することによって、形成体の撤去量が多く橋脚として必要な強度を確保できない場合に、橋脚として必要な強度を確保するための補強を行うことができるため、形成体の撤去量の自由度が高まる。
好ましくは、
前記形成体を撤去する前または後に、前記既設橋脚の重心よりも下側の部分に、重錘を固定するように構成することが可能である。
このように構成することによって、重心位置をさらに下げることができるため、より転倒しにくくすることが可能となる。
好ましくは、
前記重錘として、前記撤去した形成体の少なくとも一部を用いるように構成することが可能である。
このように構成することによって、撤去した形成体を再利用することができるため、より安価な施工が可能となる。
あるいは、
少なくとも前記既設橋脚の重心よりも下側の部分に、重錘を固定することによって、当該既設橋脚の重心位置を下げるように構成することが可能である。
このように構成することによって、少なくとも既設橋脚の重心よりも下側の部分に、重錘を固定するだけなので、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮化が可能となる。
好ましくは、
あと施工アンカーを用いて、前記重錘を固定するように構成することが可能である。
このように構成することによって、重錘を確実に固定することが可能となる。
好ましくは、
前記既設橋脚の重心よりも下側の部分の側面に凸部がある場合、あるいは前記既設橋脚が裾広がり形状である場合には、前記重錘が取り付けられた環状部材を、前記既設橋脚の重心よりも上側の部分から下側の部分へと移動させて、当該上側の部分に遊びを持って外嵌された状態から当該下側の部分に引っ掛かった状態にすることによって、当該重錘を固定するように構成することが可能である。
このように構成することによって、既設橋脚が河川や海に設置されている場合であっても、重錘の固定作業を安全に行うことができる。
本発明によれば、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮化が可能となる。
既設橋脚の構成の一例を示す図である。 転倒限界を説明するための図である。 第1実施形態の転倒抑制工法の一例を説明する図である。 形成体を撤去した部分を補強する手法の一例を示す図である。 第1実施形態の転倒抑制工法の手順の一例を示す図である。 第2実施形態の転倒抑制工法の一例を説明する図である。 第3実施形態の転倒抑制工法の一例を説明する図である。
図面を参照しつつ、本発明にかかる転倒抑制工法の実施形態について説明する。なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
[第1実施形態]
まず、既設橋脚10について説明する。
図1は、既設橋脚10の構成の一例を示す図である。
既設橋脚10は、無筋コンクリート製の鉄道用橋脚であり、図1に示すように、四角柱状をなし、その上端部に軌道を敷設可能な床版1が橋桁2を介して架設されている。
既設橋脚10は、地盤(木杭等によって補強された地盤も含む。)に直接設けられている。すなわち、既設橋脚10の基礎は、“直接基礎”、あるいは“杭と基礎とが接続されていない構成の杭基礎”である。そのため、既設橋脚10は、地震時に、地震の慣性力によって傾斜、場合によっては転倒してしまうことがある。そこで、本実施形態では、既設橋脚10を、当該既設橋脚10よりも転倒しにくい耐転倒性橋脚20に変えるために、既設橋脚10の重心よりも上側の部分を軽量化することによって、既設橋脚10の重心位置を下げることとする。なお、以下の説明では、既設橋脚10の重心を含む水平面を境界面とし、当該境界面から上側の部分を「上部A」と言い、当該境界面から下側の部分を「下部B」と言う。
ここで、構造物全体を軽量化したり重量化したりしても、当該構造物の転倒性能は変化しないが、構造物の重心位置を変えると、当該構造物の転倒性能が変化することが知られている。
構造物が傾斜しても当該構造物の重心Gが当該構造物の回転中心(転倒支点)Oを通る鉛直線Lを越えなければ当該構造物は転倒しないが、重心Gが鉛直線Lを超えると当該構造物は転倒してしまう。すなわち、図2(a),(b)の右図に示すように、回転中心(転倒支点)Oを通る鉛直線L上に重心Gが位置したときが転倒限界である。転倒限界角度θ(転倒限界に達した時点の構造物の傾斜角度)が大きいほど、転倒までに必要な傾斜角度が大きくなるため、転倒しにくくなる。この転倒限界角度θは、構造物全体を軽量化したり重量化したりしても変化しないが、構造物の重心位置を変えると変化する。具体的には、重心Gの位置を低くすると転倒限界角度θが大きくなり、重心Gの位置を高くすると転倒限界角度θが小さくなる。例えば、図2(b)に示す構造物は、上部に貫通孔Hが設けられているため、図2(a)に示す構造物(貫通孔Hを設ける前の構造物)に比べて、重心Gの位置が低く、転倒限界角度θが大きいため、転倒しにくい。
本実施形態の場合、既設橋脚10は、四角柱状をなし、全体が均質であるため、当該既設橋脚10の重心は、当該既設橋脚10の高さ方向中心に位置している。したがって、重心位置を、高さ方向中心よりも下側に変化させれば、転倒限界角度θが大きくなり、転倒しにくくなる。
本実施形態では、既設橋脚10の上部Aから、当該既設橋脚10を形成する形成体(本実施形態の場合、無筋コンクリート)の一部を撤去することによって、当該既設橋脚10の重心位置を下げる。
図3は、第1実施形態の転倒抑制工法の一例を説明する図である。
既設橋脚10の上部Aから当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去する手法としては、例えば図3(a)に示すように、既設橋脚10の上部Aのうち、橋桁2と接する上面部分以外の部分から、当該既設橋脚10を形成する形成体を撤去し、撤去した形成体の総重量よりも軽い軽量部材21で受け替える手法(以下「手法[ア]」という。)、例えば図3(b)に示すように、既設橋脚10の上部Aに貫通孔22を形成する手法(以下「手法[イ]」という。)、例えば図3(c)に示すように、既設橋脚10の上部Aに凹部23を形成する手法(以下「手法[ウ]」という。)等が挙げられる。
なお、貫通孔22の貫通方向に制限はなく、例えば、橋桁2の延在方向と同一方向であってもよいし、橋桁2の延在方向に直交する水平方向であってもよい。
また、図3(c)では、既設橋脚10の4つの側面のうち対向する2つの側面に直方体状の凹部23が形成されている例を示しているが、凹部23を形成する場所、凹部23の個数、凹部23の形状等は適宜変更可能である。
また、手法[ア]で用いる軽量部材21は、例えば、形成体を撤去した部分全体に充填されたポリウレタン樹脂等の公知の材料からなる部材であってもよいし(図3(a)参照)、橋桁2と接する上面部分を支持する鋼や繊維補強プラスチックなどの公知の材料からなる部材であってもよい。軽量部材21として、複数の部材を設置する場合には、設置する複数の部材の総重量が、撤去した形成体の総重量よりも軽い必要がある。
また、図3(a)〜(c)に示す例では、既設橋脚10の上部Aのみから、当該既設橋脚10を形成する形成体を撤去しているが、既設橋脚10の重心位置を下げることができるのであれば、例えば図3(d)〜(f)に示すように、既設橋脚10の上部Aだけでなく下部Bからも当該既設橋脚10を形成する形成体を撤去してもよい。
手法[ア]〜[ウ]によって得られた橋脚が、橋脚として必要な強度を有していない場合には、橋脚として必要な強度を確保するために形成体が撤去された部分を補強することが好ましい。但し、補強後の橋脚の重心が、既設橋脚10の重心よりも下側に位置する必要がある。
図4は、形成体を撤去した部分を補強する手法の一例を示す図である。
手法[ア]〜[ウ]によって得られた橋脚の場合、例えば図4(a)に示すように、形成体を撤去した部分に帯状部材24を巻き付け、当該帯状部材24をあと施工アンカー等(図示省略)を用いて固定することによって、補強することができる。帯状部材24としては、例えば、鋼や繊維補強プラスチックなどの公知の材料からなる部材を用いることができる。
また、手法[イ]によって得られた橋脚の場合、例えば図4(b)に示すように、貫通孔22内を充填部材25で埋めることによって、補強することができる。
手法[ウ]によって得られた橋脚の場合も、凹部23内を充填部材25で埋めることによって、補強することができる。
また、手法[イ]によって得られた橋脚の場合、例えば図4(c)に示すように、貫通孔22内に突っ張り部材26を設置することによって、補強することができる。突っ張り部材26としては、例えば、鋼や繊維補強プラスチックなどの公知の材料からなる部材を用いることができる。
手法[ウ]によって得られた橋脚の場合も、凹部23内に突っ張り部材26を設置することによって、補強することができる。
また、手法[イ]によって得られた橋脚の場合、例えば図4(d)に示すように、貫通孔22の開口面を板状部材27で塞ぐことによって、補強することができる。板状部材27としては、例えば、鋼やコンクリートや繊維補強プラスチックなどの公知の材料からなる部材を用いることができる。
手法[ウ]によって得られた橋脚の場合も、凹部23の開口面を板状部材27で塞ぐことによって、補強することができる。
既設橋脚10の少なくとも上部Aから当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去する手法、形成体を撤去する部分の位置や寸法、形成体を撤去した部分を補強する手法等は、既設橋脚10の重心位置を下げる度合い(既設橋脚10の重心位置と耐転倒性橋脚20の重心位置との差)に応じて適宜選択可能である。
既設橋脚10の重心位置を下げる度合いは、既設橋脚10のサイズ、既設橋脚10の設置場所の形状、既設橋脚10の設置場所において要求される耐震性能等に応じて適宜設定可能である。
次に、地盤に直接設けられた既設橋脚10を転倒しにくくする転倒抑制工法、すなわち既設橋脚10を耐転倒性橋脚20に変える転倒抑制工法の手順について説明する。以下では、既設橋脚10の少なくとも上部Aから当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去する手法として手法[ア]を採用した場合を例に説明する。
図5は、手法[ア]を採用した場合の転倒抑制工法の手順の一例を示す図である。
まず、図5(a),(b)に示すように、既設橋脚10に、橋桁2と接する上面部分を支持する支持部材Sを、あと施工アンカー等(図示省略)を用いて固定する。支持部材Sは、要求される支持性能を有する部材であれば、その材料や構造などに特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
次いで、図5(b)に示すように、形成体を撤去する部分と撤去しない部分との境界に、ワイヤーソー等を用いて切れ込みKを入れる。
次いで、図5(c)に示すように、既設橋脚10の上部Aから、形成体の一部を撤去する。
そして、図5(d)に示すように、形成体を撤去した部分に軽量部材21を設置し、必要であれば形成体を撤去した部分を補強して、支持部材Sを取り外す。このようにして、既設橋脚10を耐転倒性橋脚20に変えることができる。
なお、形成体を撤去した部分に軽量部材21を設置する前の段階、すなわち図5(c)の段階の橋脚の重心が、既設橋脚10の重心よりも下側に位置するのであれば、図5(c)の段階の橋脚を耐転倒性橋脚20とし、軽量部材21の設置や支持部材Sの取り外しを省略することも可能である。
以上説明した第1実施形態の転倒抑制工法によれば、地盤に直接設けられた既設橋脚10を転倒しにくくする転倒抑制工法であって、既設橋脚10の重心位置を下げるように構成されている。
したがって、既設橋脚10の重心位置を下げるだけなので、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮化が可能となる。
また、第1実施形態の転倒抑制工法によれば、少なくとも既設橋脚10の重心よりも上側の部分(上部A)から、当該既設橋脚10を形成する形成体(本実施形態の場合、無筋コンクリート)の一部を撤去することによって、当該既設橋脚10の重心位置を下げるように構成することが可能である。
このように構成することによって、少なくとも既設橋脚10の重心よりも上側の部分(上部A)から、当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去するだけなので、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮化が可能となる。
具体的には、少なくとも既設橋脚10の重心よりも上側の部分(上部A)から、当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去するだけなので、施工時の補強が不要あるいは小規模な補強で足りる。よって、地盤と橋脚とをグラウンドアンカーで一体化させる工法等の従来の転倒抑制工法と比較して、安価な施工が可能となる。
また、既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去することによって、橋脚全体の重量が、撤去前の重量よりも小さくなるので、基礎の補強が不要となり、安価な施工が可能となる。
また、少なくとも既設橋脚10の重心よりも上側の部分(上部A)から、当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去するだけなので、既設橋脚10が河川や海に設置されている場合であっても水面上で作業できる。よって、遮水のための大掛かりな設備が不要であり、また、漏水に対する安全性の考慮も不要であるので、地盤と橋脚との接触面積を増加させる工法等の従来の転倒抑制工法と比較して、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮が可能となる。
さらに、地盤と橋脚との接触面積を増加させる工法であって、橋脚が鉄道用橋脚の場合、線路付近の狭隘な空間では、施工が煩雑になる、接触面積を増加させる部材を設置する箇所を確保できない等の問題が生じるが、少なくとも既設橋脚10の重心よりも上側の部分(上部A)から、当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去するだけなので、線路(軌道)に影響されない施工が可能となる。
また、第1実施形態の転倒抑制工法によれば、形成体(本実施形態の場合、無筋コンクリート)の一部を、橋脚として必要な強度を確保できる範囲で撤去するように構成することが可能である。
このように構成することによって、少なくとも既設橋脚10の重心よりも上側の部分(上部A)から、当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去するだけで、そのまま橋脚として用いることができ、橋脚として必要な強度を確保するための補強等が不要であるので、より安価な施工が可能となり、かつ、工期のさらなる短縮化が可能となる。
ここで、地盤に直接設けられた既設橋脚10は、橋脚として必要な強度を大幅に上回る強度を有している場合が多い。そのような場合には特に、形成体を撤去する部分の位置や寸法にもよるが、形成体を撤去しても橋脚として必要な強度を確保することが可能となる。
形成体の一部を、橋脚として必要な強度を確保できる範囲で撤去する場合、既設橋脚10の少なくとも上部Aから当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去する手法として、例えば手法[イ]や手法[ウ]が採用される。
また、第1実施形態の転倒抑制工法によれば、橋脚として必要な強度を確保するために、形成体(本実施形態の場合、無筋コンクリート)が撤去された部分を補強する補強部材(帯状部材24、充填部材25、突っ張り部材26、板状部材27等)を設置し、補強部材の総重量は、撤去した形成体の総重量よりも軽いように構成することが可能である。
このように構成することによって、形成体の撤去量が多く橋脚として必要な強度を確保できない場合に、橋脚として必要な強度を確保するための補強を行うことができるため、形成体の撤去量の自由度が高まる。
なお、形成体を撤去したことで橋脚として必要な強度を確保できなくなった場合だけでなく、形成体の一部を橋脚として必要な強度を確保できる範囲で撤去した場合にも、形成体が撤去された部分を補強する補強部材を設置してもよい。
[第2実施形態]
第1実施形態では、既設橋脚10の上部Aを軽量化することによって、既設橋脚10の重心位置を下げることとしたが、第2実施形態では、既設橋脚10の下部Bを重量化することによって、既設橋脚10の重心位置を下げることとする。
図6は、第2実施形態の転倒抑制工法の一例を説明する図である。
既設橋脚10の下部Bを重量化する手法としては、例えば図6(a)に示すように、あと施工アンカー等(図示省略)を用いて、重錘31を既設橋脚10の下部Bに固定する手法(以下「手法[エ]」という。)を用いることができる。
また、既設橋脚10が裾広がり形状である場合には、手法[エ]だけでなく、例えば図6(b)に示すように、重錘31が取り付けられた環状部材32を、上部Aから下部Bへと移動させて、上部Aに遊びを持って外嵌された状態から下部Bの側面に引っ掛かった状態にすることによって、重錘31を固定する手法(以下「手法[オ]」という。)も用いることができる。
手法[オ]の場合、具体的には、例えば、既設橋脚10の上部Aにワイヤロープ等の変形自在な策状部材を巻き付けて当該策状部材の両端を接合し、上部Aは通過可能であるが下部Bは通過不能なサイズの環状に形成する。これが環状部材32となる。そして、この環状部材32に重錘31を取り付け、重錘31が取り付けられた環状部材32を落下させる等して既設橋脚10の上部Aから下部Bへと移動させる。これによって、環状部材32が下部Bの側面に引っ掛かるため、重錘31を固定することができる。
なお、手法[オ]は、既設橋脚10が裾広がり形状である場合だけでなく、既設橋脚10の下部Bの側面に、環状部材32が引っ掛かることのできる凸部がある場合にも用いることができる。また、環状部材32は、変形自在な策状部材によって形成されたものに限定されるものではなく、例えば、鋼材等の変形困難な剛部材によって形成されたものであってもよい。
また、既設橋脚10に固定する重錘31の数や形状、重錘31を固定する場所は、図6(a),(b)に示すものに限定されず、適宜変更可能である。
以上説明した第2実施形態の転倒抑制工法によれば、少なくとも既設橋脚10の重心よりも下側の部分(下部B)に、重錘31を固定することによって、既設橋脚10の重心位置を下げるように構成されている。
したがって、少なくとも既設橋脚10の重心よりも下側の部分(下部B)に、重錘31を固定するだけなので、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮化が可能となる。
具体的には、少なくとも既設橋脚10の重心よりも下側の部分(下部B)に、重錘31を固定するだけなので、施工時の補強が不要あるいは小規模な補強で足りる。よって、地盤と橋脚とをグラウンドアンカーで一体化させる工法等の従来の転倒抑制工法と比較して、安価な施工が可能となる。
また、少なくとも既設橋脚10の重心よりも下側の部分(下部B)に、重錘31を固定するだけなので、既設橋脚10が河川や海に設置されている場合であっても、重錘31の固定作業を水面上で行うようにすれば、遮水のための大掛かりな設備が不要であり、また、漏水に対する安全性の考慮が不要であるので、地盤と橋脚との接触面積を増加させる工法等の従来の転倒抑制工法と比較して、安価で安全な施工が可能となり、かつ、工期の短縮が可能となる。
さらに、地盤と橋脚との接触面積を増加させる工法であって、橋脚が鉄道用橋脚の場合、線路付近の狭隘な空間では、施工が煩雑になる、接触面積を増加させる部材を設置する箇所を確保できない等の問題が生じるが、少なくとも既設橋脚10の重心よりも下側の部分(下部B)に、重錘31を固定するだけなので、線路(軌道)に影響されない施工が可能となる。
また、第2実施形態の転倒抑制工法によれば、あと施工アンカー(図示省略)を用いて、重錘31を固定するように構成することが可能である。
このように構成することによって、重錘31を確実に固定することが可能となる。
また、第2実施形態の転倒抑制工法によれば、既設橋脚10の重心よりも下側の部分(下部B)の側面に凸部がある場合、あるいは既設橋脚10が裾広がり形状である場合には、重錘31が取り付けられた環状部材32を、既設橋脚10の重心よりも上側の部分(上部A)から下側の部分(下部B)へと移動させて、当該上側の部分(上部A)に遊びを持って外嵌された状態から当該下側の部分(下部B)に引っ掛った状態にすることによって、当該重錘31を固定するように構成することが可能である。
このように構成することによって、既設橋脚10が河川や海に設置されている場合であっても、重錘31の固定作業を安全に行うことができる。
具体的には、既設橋脚10の下部Bが水中にある場合であっても、重錘31が取り付けられた環状部材32を橋脚の周囲に配する作業(例えば、上部Aの周囲で、ワイヤロープ等の変形自在な索状部材や鋼材等の変形困難な剛部材などを上部Aは通過可能であるが下部Bは通過不能なサイズの環状に形成し、当該形成された環状部材32に重錘31を取り付ける作業)を水面上で行い、当該作業の後に、重錘31が取り付けられた環状部材32を落下させるだけで重錘31を下部Bに固定することができる。したがって、既設橋脚10の下部Bが水中にある場合であっても、重錘31の固定作業を水面上で行うことができるため、重錘31の固定作業を安全に行うことができる。
[第3実施形態]
第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせることも可能である。
具体的には、図7に示すように、第1実施形態の転倒抑制工法によって得られた耐転倒性橋脚20に、重錘31を固定してもよい。
既設橋脚10の少なくとも上部Aから当該既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去する手法は、手法[ア]に限定されるものではなく、手法[イ]であってもよいし、手法[ウ]であってもよいし、その他の手法であってもよい。
また、重錘31を固定する手法は、手法[エ]であってもよいし、手法[オ]であってもよいし、その他の手法であってもよい。
なお、重錘31には、撤去した形成体(本実施形態の場合、無筋コンクリート)の少なくとも一部を用いてもよい。
また、少なくとも上部Aから既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去した後に、重錘31を固定するのではなく、既設橋脚10に重錘31を固定した後に、少なくとも上部Aから既設橋脚10を形成する形成体の一部を撤去することも可能である。
以上説明した第3実施形態の転倒抑制工法によれば、形成体(本実施形態の場合、無筋コンクリート)が撤去する前または後に、既設橋脚10の重心よりも下側の部分(下部B)に、重錘31を固定するように構成することが可能である。
このように構成することによって、重心位置をさらに下げることができるため、より転倒しにくくすることが可能となる。
また、第3実施形態の転倒抑制工法によれば、重錘31として、撤去した形成体(本実施形態の場合、無筋コンクリート)の少なくとも一部を用いるように構成することが可能である。
このように構成することによって、撤去した形成体を再利用することができるため、より安価な施工が可能となる。
上記の実施形態において、添付図面に図示されている構成等については、あくまで一例であり、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
既設橋脚10は、無筋コンクリート製に限定されるものではなく、例えば、鉄筋コンクリート製、レンガ製、石製などであってもよい。
また、既設橋脚10は、鉄道用橋脚に限定されるものではなく、その他の橋脚であってもよい。
また、既設橋脚10の形状に制限はなく、多角柱状であってもよいし、円柱状であってもよいし、裾広がり形状(多角錐台や円錐台など)であってもよい。また、既設橋脚10の側面には、凹凸があってもよい。また、既設橋脚10は、鉛直方向に立設されたものでも、鉛直方向に対して斜めに立設されたものでもよい。
10 既設橋脚
24 帯状部材(補強部材)
25 充填部材(補強部材)
26 突っ張り部材(補強部材)
27 板状部材(補強部材)
31 重錘
32 環状部材
A 上部(重心よりも上側の部分)
B 下部(重心よりも下側の部分)

Claims (9)

  1. 地盤に直接設けられた既設橋脚を転倒しにくくする転倒抑制工法であって、
    前記既設橋脚の重心位置を下げることを特徴とする転倒抑制工法。
  2. 少なくとも前記既設橋脚の重心よりも上側の部分から、当該既設橋脚を形成する形成体の一部を撤去することによって、当該既設橋脚の重心位置を下げることを特徴とする請求項1に記載の転倒抑制工法。
  3. 前記形成体の一部を、橋脚として必要な強度を確保できる範囲で撤去することを特徴とする請求項2に記載の転倒抑制工法。
  4. 橋脚として必要な強度を確保するために、前記形成体が撤去された部分を補強する補強部材を設置し、
    前記補強部材の総重量は、前記撤去した形成体の総重量よりも軽いことを特徴とする請求項2に記載の転倒抑制工法。
  5. 前記形成体が撤去する前または後に、前記既設橋脚の重心よりも下側の部分に、重錘を固定することを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載の転倒抑制工法。
  6. 前記重錘として、前記撤去した形成体の少なくとも一部を用いることを特徴とする請求項5に記載の転倒抑制工法。
  7. 少なくとも前記既設橋脚の重心よりも下側の部分に、重錘を固定することによって、当該既設橋脚の重心位置を下げることを特徴とする請求項1に記載の転倒抑制工法。
  8. あと施工アンカーを用いて、前記重錘を固定することを特徴とする請求項5から7の何れか一項に記載の転倒抑制工法。
  9. 前記既設橋脚の重心よりも下側の部分の側面に凸部がある場合、あるいは前記既設橋脚が裾広がり形状である場合には、前記重錘が取り付けられた環状部材を、前記既設橋脚の重心よりも上側の部分から下側の部分へと移動させて、当該上側の部分に遊びを持って外嵌された状態から当該下側の部分に引っ掛かった状態にすることによって、当該重錘を固定することを特徴とする請求項5から7の何れか一項に記載の転倒抑制工法。
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