JP2016092271A - 蛍光体シートおよび照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蛍光体シート1は、励起光Lを受けて蛍光を発する蛍光体1cを含む。そして、励起光Lを受けることによって発生する熱量は、蛍光体シート1の端部よりも中央部の方が小さい。蛍光体シート1において、蛍光体層1a側の表面が、励起光Lが照射される(励起光Lを受光する)受光面1Rとなり、放熱層1b側の表面が、蛍光を出射する光出射面1Eとなる。
【選択図】図2
Description
励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む蛍光体シートであって、
上記励起光を受けることによって発生する熱量は、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が小さいという構成を備えている。
上記蛍光体シートを貫通し、上記蛍光体シートの厚み方向に伸びる所定体積の柱状空間内に存在する上記蛍光体の粒子数が、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が少ないという構成を備えている。
本発明に係る一実施形態について、図1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置100の概略構成を示す断面図である。照明装置100は、励起光Lを波長変換することで生成した蛍光を照明光として外部へ出射するものであり、図1に示すように、LED素子11、パッケージ12および蛍光体シート1を備えている。そして、蛍光体シート1によってパッケージ12が閉じられることで、空間13が形成されている。なお、照明装置100は、励起光Lの一部を照明光として外部に出射してもよい。また、蛍光体シート1の詳細については後述する。
LED素子11は、励起光Lを出射する励起光源として機能する発光素子である。励起光Lが蛍光体シート1に照射されることにより、蛍光体シート1含まれる蛍光体1cが励起され、当該蛍光体1cから蛍光が発せられる。LED素子11が出射する励起光Lの波長は、蛍光体シート1に含まれる蛍光体1cを励起可能であれば特に限定されない。
パッケージ12は、蛍光体シート1を支持するための断面略凹型の支持部材であり、当該パッケージ12の内面における底面12a上には、LED素子11が配置されている。また、パッケージ12の開口部12bが蛍光体シート1で閉じられることにより、空間13が形成される。換言すれば、パッケージ12は、LED素子11を空間13内に封じ込めるためのカバー部材であるともいえる。パッケージ12の材質としては、例えば、ポリフタルアミド(PPA)樹脂、またはアルミナなどのセラミックスが挙げられる。
空間13は、上述のように、蛍光体シート1によってパッケージ12が閉じられることで形成される。空間13の内部は、大気または不活性ガスで充填されていることが好ましい。より好ましくは、窒素などの不活性ガスで充填されているのがよい。また、空間13内部が減圧されていることも望ましい。
次に、図2は、本発明の一実施形態に係る蛍光体シート1の概略構成を示す断面図である。蛍光体シート1は、LED素子11から出射された励起光Lを受けて蛍光を発する部材である。また、蛍光体シート1は、励起光Lを蛍光に変換するための波長変換素子であるともいえる。
蛍光体層1aは、封止材1dの内部に蛍光体1cの粒子がほぼ一様に分散されている構成となっている。この蛍光体層1aは、蛍光を出射する側の面(境界面1fに相当)が窪んでおり、蛍光体層1aの厚さは、蛍光体層1aの端部から中央部に向けて薄くなっている。そのため、図2に示すように、励起光Lを受光面1Rに対して垂直に照射した場合、励起光Lの光路に含まれる蛍光体1cの粒子数は、蛍光体層1aの端部よりも中央部の方が少なくなる。すなわち、蛍光体シート1を貫通し、当該蛍光体シート1の厚さ方向に平行に伸びる所定体積の柱状空間(所定領域)を仮想したとき、当該柱状空間内に存在する蛍光体1cの粒子数は、柱状空間22(蛍光体層1aの端部に対応)よりも柱状空間21(蛍光体層1aの中央部に対応)の方が少ない。なお、上記柱状空間には、蛍光体シート1の幅広の上面(光出射面1E)および当該上面と対向する底面(受光面1R)が含まれる。
蛍光体1cは、LED素子11から出射された励起光Lを受けて蛍光を発するものであり、照明装置100から出射される出射光が所望の色味を有するように、励起光Lのピーク波長とともにその種類が選択される。
封止材1dは、蛍光体1cを封止するためのものである。具体的には、蛍光体シート1においては、封止材1dの内部に蛍光体1cの粒子が一様に分散されているが、蛍光体層1aの組成は、これに限定されない。例えば、蛍光体層1aは、蛍光体1cの粒子を固めたものであってもよい。例えば、蛍光体層1aは、熱伝導率の高い材料からなる透明基板上に蛍光体1cの粒子を堆積させたものでもよい。
放熱層(発熱抑制層)1bは、励起光Lの照射によって蛍光体シート1に発生した熱を放熱するためのものであり、主として、蛍光を透過する透明材1eを含んでいる。
図3の(c)に示すように、蛍光体シート1に対して照射された励起光の光路(柱状空間)によって規定される蛍光体シート1の注目部分に含まれる蛍光体1cの粒子数(存在量)が、上記注目部分における第1の概念の熱抵抗値の逆数に比例するよう、境界面1fは緩やかな曲面になっている。このことは、蛍光体シート1の上記注目部分における蛍光体1cの粒子数(存在量)は、当該注目部分と蛍光体シート1との間の距離の逆数に比例すると言い換えることもできる。
また、蛍光体層1aの窪みの部分に放熱層1bを補充することで、特に、蛍光体シート1の中央部における第2の概念の熱抵抗値(以下、第2熱抵抗値と称する)を低減させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、蛍光体シート1の端部よりも中央部の方が、励起光の光路内に存在する蛍光体1cの粒子数が少ない。したがって、励起光Lを受けることによって蛍光体シート1に発生する熱量は端部よりも中央部の方が小さくなり、当該中央部の温度上昇を抑制することができる。
本発明の他の実施形態について、図5〜図7に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図5は、本発明の一実施形態に係る蛍光体シート2の概略構成を示す断面図である。蛍光体シート2は、実施形態1に係る蛍光体シート1と同様、LED素子11から出射された励起光Lを受けて蛍光を発する部材であり、励起光Lを蛍光に変換するための波長変換素子である。
放熱層2bは、励起光Lの照射によって蛍光体シート2に発生した熱を放熱するためのものであり、透明材2e中に熱伝導性物質2hが一様に分散している層である(図5参照)。
以上のように、本実施形態によれば、透明材2eは熱伝導性物質2hを含んでいることから、放熱層2bの熱伝導率が、蛍光体層2aの熱伝導率に比して高くなる。したがって、励起光Lの照射によって蛍光体シート2に発生する熱が外部に逃げやすくなる(蛍光体シート2の放熱能が高まる)。そのため、蛍光体シート2の温度上昇をその全体にわたって低減させることができ、蛍光体シート2の発光効率の低下をより抑制することができる。ひいては、より効率的に蛍光体シート2を発光させることができる。
本発明の他の実施形態について、図8および図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図8は、本発明の一実施形態に係る蛍光体シート3の概略構成を示す断面図である。蛍光体シート3は、蛍光体シート1および2と同様、LED素子11から出射された励起光Lを受けて蛍光を発する部材であり、励起光Lを蛍光に変換するための波長変換素子である。
封止材3dは、蛍光体3cを封止するためのものであり、蛍光体シート3においては、
封止材3dの内部に蛍光体3cの粒子が一様に分散されている。封止材3dには、ホウケイ酸塩ガラスまたはアルミノケイ酸塩ガラスなどのガラス系材料が用いられる。また、透明材3eには、上記ガラス系材料の他、サファイアなどの無機材料が用いられる。これらの無機材料は、樹脂系材料に比して耐久性・耐候性に優れているという特徴がある。
以上のように、本実施形態によれば、封止材3dとしてガラス系材料を含んでおり、透明材3eとして無機材料を含んでいる。これら各材料は、例えば、シリコーンおよびアクリル樹脂等の樹脂系材料に比して熱伝導率が高いことから、蛍光体シート3に発生する熱をより逃しやすくすることができる。また、ガラス系材料を含む無機材料は、樹脂系材料に比して耐久性・耐候性に優れていることから、耐久性・耐候性のより向上した蛍光体シート3を実現することができる。
本発明の他の実施形態について、図10および図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図10の(a)は、本発明の一実施形態に係る蛍光体シート4の概略構成を示す断面図である。また、図10の(b)は、上記蛍光体シート4の概略構成を示す上面図である。蛍光体シート4は、蛍光体シート1〜3と同様、LED素子11から出射された励起光Lを受けて蛍光を発する部材であり、励起光Lを蛍光に変換するための波長変換素子である。
蛍光体層41〜44は、封止材4dの内部に蛍光体4cの粒子が励起光Lの光路方向に一様に分散されている構成となっている。換言すれば、蛍光体4cの粒子は、蛍光体シート4の厚さ方向に一様に分散されている。ここで、図11の(b)に示すように、蛍光体シート4における注目する部分が蛍光体シート4の中心点(励起光Lの光軸上の点)に近い位置にあるほど、当該部分の熱抵抗値は大きくなる。
以上のように、本実施形態によれば、蛍光体シート4における分散濃度は、その端部よりも中央部の方が低い。したがって、蛍光体シート4の端部よりも中央部の方が励起光Lを受けることによって発生する熱量が小さくなるため、励起光Lを受けることによる中央部の温度上昇を抑制することができる。そのため、蛍光体シート4の中央部における発光効率の低下を抑制することができ、効率的に蛍光体シート4を発光させることができる。
<車両用ヘッドライト>
次に、図12を用いて、本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドライト500の概略構成について説明する。ここで、図12は、本発明の一実施形態に係る車両用ヘッドライト500の概略構成を示す断面図である。
次に、図13を用いて、本発明の一実施形態に係るエッジライト型白色LEDバックライト600の概略構成について説明する。ここで、図13は、本発明の一実施形態に係るエッジライト型白色LEDバックライト600の概略構成を示す断面図である。
<蛍光体シート1の作製>
次に、図14の(a)を用いて、蛍光体シート1の作製方法について説明する。図14の(a)は、蛍光体シート1の作製方法の一例を説明するための概略図である。
次に、図14の(b)を用いて、蛍光体シート4の作製方法について説明する。図14の(b)は、蛍光体シート4の作製方法の一例を説明するための概略図である。
本発明の態様1に係る蛍光体シート(1、2、3、4)は、
励起光(L)を受けて蛍光を発する蛍光体(1c、2c、3c、4c)を含む蛍光体シートであって、
上記励起光を受けることによって発生する熱量は、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が小さい。
励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む蛍光体シートであって、
上記蛍光体シートの、所定体積を有する所定領域(柱状空間21、22)に含まれる粒子数が、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が少なく、
上記所定領域は、蛍光体シートの厚さ方向に平行に伸びた領域であり、上記蛍光体シートの幅広の上面および当該上面と対向する底面を含む。
上記粒子数は、上記端部から上記中央部までの各部において、上記各部の熱抵抗値の逆数に比例することが好ましい。
上記励起光を受けて蛍光を発する蛍光体層(1a、2a、3a)と、
上記蛍光体層の発光による熱を放熱する放熱層(1b、2b、3b)と、が積層されて構成されていることが好ましい。
上記放熱層の厚さは、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が厚く、
上記蛍光体層の厚さは、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が薄いことが好ましい。
上記蛍光体層の屈折率が上記放熱層の屈折率より大きい場合、上記放熱層の屈折率を上記蛍光体層の屈折率で除した値である屈折率比が0.98以上となることが好ましい。
上記蛍光体層の屈折率が、上記放熱層の屈折率より小さいことが好ましい。
上記放熱層(2b)は、上記蛍光体層に含まれる封止材の熱伝導率よりも、高い熱伝導率を有する物質(2h)を含むことが好ましい。
上記蛍光体層(3a)は、封止材(3d)としてガラス系材料を含んでいることが好ましい。
上記放熱層(3b)は、無機材料を含んでいることが好ましい。
上記蛍光体(4c)は、上記蛍光体シートの厚さ方向に一様に分散されており、上記蛍光体シートにおける単位面積当たりの蛍光体の含有量である分散濃度は、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が低いことが好ましい。
態様1から11までのいずれか一の態様に係る蛍光体シート(1、2、3、4)と、
上記蛍光体シートに励起光を照射する励起光源(LED素子11)と、を備えている。
11 LED素子(励起光源)
1a、2a、3a、41 蛍光体層
1b、2b、3b 放熱層
1c、2c、3c、4c 蛍光体
1d、2d、3d 封止材
1e、2e、3e 透明材
2h 熱伝導性物質(物質)
42、43、44 蛍光体層
100、200、300、400 照明装置
Claims (12)
- 励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む蛍光体シートであって、
上記励起光を受けることによって発生する熱量は、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が小さいことを特徴とする蛍光体シート。 - 励起光を受けて蛍光を発する蛍光体を含む蛍光体シートであって、
上記蛍光体シートの、所定体積を有する所定領域に含まれる粒子数が、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が少なく、
上記所定領域は、蛍光体シートの厚さ方向に平行に伸びた領域であり、上記蛍光体シートの幅広の上面および当該上面と対向する底面を含むことを特徴とする蛍光体シート。 - 上記粒子数は、上記端部から上記中央部までの各部において、上記各部の熱抵抗値の逆数に比例することを特徴とする請求項2に記載の蛍光体シート。
- 上記励起光を受けて蛍光を発する蛍光体層と、
上記蛍光体層の発光による熱を放熱する放熱層と、が積層されて構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の蛍光体シート。 - 上記放熱層の厚みは、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が厚く、
上記蛍光体層の厚みは、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が薄いことを特徴とする請求項4に記載の蛍光体シート。 - 上記蛍光体層の屈折率が上記放熱層の屈折率より大きい場合、上記放熱層の屈折率を上記蛍光体層の屈折率で除した値である屈折率比が0.98以上となることを特徴とする請求項4または5に記載の蛍光体シート。
- 上記蛍光体層の屈折率が、上記放熱層の屈折率より小さいことを特徴とする請求項4または5に記載の蛍光体シート。
- 上記放熱層は、上記蛍光体層に含まれる封止材の熱伝導率よりも、高い熱伝導率を有する物質を含むことを特徴とする請求項4から7までのいずれか1項に記載の蛍光体シート。
- 上記蛍光体層は、封止材としてガラス系材料を含んでいることを特徴とする請求項4から8までのいずれか1項に記載の蛍光体シート。
- 上記放熱層は、無機材料を含んでいることを特徴とする請求項4から9までのいずれか1項に記載の蛍光体シート。
- 上記蛍光体は、上記蛍光体シートの厚さ方向に一様に分散されており、上記蛍光体シートにおける単位面積当たりの蛍光体の含有量である分散濃度は、上記蛍光体シートの端部よりも中央部の方が低いことを特徴とする請求項2に記載の蛍光体シート。
- 請求項1から11までのいずれか1項に記載の蛍光体シートと、
上記蛍光体シートに励起光を照射する励起光源と、を備えていることを特徴とする照明装置。
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