JP2016092269A - レジスト積層基板、及び該基板を用いた基板表面パターンの形成方法 - Google Patents

レジスト積層基板、及び該基板を用いた基板表面パターンの形成方法 Download PDF

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【課題】光インプリント法により作製されたレジスト積層基板において、重合性が向上したレジストパターンを有するレジスト積層基板、およびドライエッチングした場合に、基板表面のパターン均一性が良好となりうるレジスト積層基板を提供すること及び、該レジスト積層基板を用いた基板表面のパターンの形成方法を提供することを目的とする
【解決手段】本発明は、重合性単量体、光重合開始剤、および有機溶媒を含む光硬化性組成物を基板上に塗布し、塗布膜を形成させ、該塗布膜にモールドを接触させた状態で光硬化した後、ポストベーク処理を行うことで得られるレジスト積層基板であって、光硬化時の塗布膜中の有機溶媒量が3〜15質量%であることを特徴とするレジスト積層基板である。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト積層基板に関し、さらに、レジスト積層基板にドライエッチング処理を行い、基板表面パターンを形成する方法に関する。
近年、半導体集積回路は、より微細化され、高精度なものが要求されている。このような微細加工は、高精度の半導体集積回路の他にも光反射防止性付与やLED基板における光取り出し効率向上等の光学・照明用途や、2次電池、太陽電池、燃料電池等のエネルギー開発、バイオテクノロジー等、多岐の用途において、インプリント法による微細加工が盛んに検討されている。
インプリント法とは、凹凸パターンを有するモールドを、基板表面にレジスト塗布された塗布膜上に型押しし、硬化させ、剥離することにより、所望のレジストパターンを該基板表面に転写する工程からなる。低コストで量産化が可能な微細加工技術として期待されており、マイクロオーダーからナノオーダーまでの微細なレジストパターンを形成可能である。
このインプリント法は、基板表面に形成するレジストの特性により、2種類に大別される。1つは、レジストパターンが転写される塗布膜を加熱して塑性変形させた後、モールドを押し付け、冷却して、レジストを硬化させることによって、レジストパターンを転写する熱インプリント法である。また、他の1つは、モールド又は基板の少なくとも一方が光透過性を有するものを使用し、基板上にレジストとして液状の光硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成し、モールドを押し付けて塗布膜と接触させ、ついで、モールド又は基板を介して光を照射して該光硬化性組成物を硬化させることによって、レジストパターンを転写する光インプリント法である。
熱インプリント法は、加熱・冷却工程があるため、スループットが低く、温度差による寸法変化、レジストパターン精度の低下という問題点がある。一方、光インプリント法は、熱サイクルがないためスループットに優れ、温度による寸法変化等を防ぐことができる。そのため、インプリント法の検討、および導入においては、光インプリント法が広く利用されるようになっており、該方法に好適に用いられる光硬化性組成物の開発が進められている(特許文献1〜2参照)。
インプリント法によりレジスト積層した基板を用いた加工例として、凹凸加工されたサファイア基板であるPatterned Sapphire Substrate(PSS)が挙げられる。
LED基板における光取り出し効率を向上させるために、サファイア基板表面上にミクロンオーダーの凹凸加工を行い、素子からの光の全反射を抑制し、かつサファイア基板上に積層するGaN層の結晶欠陥を低下させることが検討されている。このようなPSSの形状としては、半球状、円錐台状、円錐状とメーカーにより様々な形状が採用されているが、中でも円錐形状が光取り出し効率と積層するGaNの結晶成長を両立でき、好ましい形状であると言われている。
サファイア基板表面上に凹凸加工する方法として、基板上にレジストパターンを形成した後、ドライエッチング処理を行う方法が用いられている。近年、コストダウンを目的とし、大口径サファイア基板へのレジストパターン形成の検討が進められている。現在、レジストパターン形成にはフォトリソグラフィー法を用いているが、大口径のサファイア基板へのレジストパターン形成が困難であることから、フォトリソグラフィー法に代わる技術として大面積一括転写が可能なインプリント法が注目されている。
レジストパターン形成後のドライエッチング処理では、サファイア基板とサファイア基板上のレジストパターンが同時にエッチングされる。この時、サファイア基板とレジストパターンとのエッチング速度比(サファイア選択比)、およびエッチング中に発生する基板表面パターンへの堆積物(以下、このような堆積物のことを「デポ」ともいう)の付着状況によりサファイア基板の凹凸構造が決まる。サファイア基板に対するドライエッチングにおいて使用するガスは、塩素系ガスが一般的であり、レジストパターン形成に使用する光硬化性組成物としては塩素エッチング耐性が高いことが求められる。そのため、塩素エッチング耐性の高いレジストパターンを形成可能な光硬化性組成物の開発が数多くなされている。
一般的に、エッチング耐性は、レジスト材料中の炭素数(炭素含有率)に比例して向上し、芳香族化合物のような共役二重結合を有する材料は脂肪族化合物に比べてエッチング耐性が高いことが知られている。これは芳香族化合物や脂環式化合物等の環状構造では炭素の結合を複数切断しなければ脱離種を生成できないことが理由として考えられている。
一方、エッチング中にレジスト、および基板表面へ堆積物(デポ)が発生する場合、デポ自体がマスクとして働き、付着部のエッチング進行を遅延させるため、基板表面のパターン形状が不均一となる。一般的に、基板表面パターンが均一であれば、光取り出し効率も良好になる傾向があるため、出来る限りデポの発生を抑える必要がある。デポの発生は、エッチングガス組成、およびエッチング装置条件にも影響を受けるが、レジスト組成、およびレジストの硬化性の影響が大きいとされ、デポの発生しにくい重合性単量体の選定が重要となる。また、未反応の重合性単量体はデポ形成に寄与していると考えられるため、重合率を出来るだけ向上し、未重合の重合性基を減らすることも重要である。なお、重合率は重合性基のうち、重合反応に寄与した割合のことである。
以上の点から、ドライエッチングにおいて均一な基板表面のパターンを得るためのレジスト積層基板に求められる要件は、エッチング耐性が高く、デポが発生しにくいことである。しかし、単に芳香族化合物や脂環式化合物等の環状構造をもつ重合性単量体の割合を増加しただけでは、その嵩高さから反応速度や重合率が低下するため、デポが発生しやすくなり、基板表面のパターン(ドライエッチング加工後の基板表面パターン)が不均一となる傾向を示す。よって、高エッチング耐性とデポ発生抑制を同時に満たすことは難しい。したがって、高エッチング耐性とデポ発生抑制を同時に満たし、基板表面のパターンを均一にする技術が望まれていた。
インプリント法におけるレジストの光硬化工程は、先に示したように基板上に光硬化性組成物の塗布膜を形成し、これにモールドを押し当てUV照射することで硬化させる。塗布時には光硬化性組成物をそのまま塗布してもよいが、操作性(粘度など)、厚みの調整の観点から、有機溶媒を含む光硬化性組成物を塗布することが多い。有機溶媒を加えた場合は硬化前に有機溶媒を除去することで、有機溶媒残部による隙間の発生、また硬化時の発泡などによるレジストパターン精度の低下を防止している。有機溶媒の除去方法としては、塗布膜形成後に加熱処理(プリベーク)を実施し、有機溶媒を完全に揮発させるのが一般的である。また、スピンコート法による塗布では高速回転させることにより、回転中に有機溶媒を完全に揮発させる方法も用いられる。
一方、インプリント法においてはレジストパターンのサイズの均一性を重視することから、溶媒をすべて除去しているが、これまでに光硬化性組成物中の有機溶媒量と重合率、およびレジストパターンのサイズの均一性、さらにはドライエッチング加工後の基板表面パターンの均一性おける影響について、詳細な検討は行われてこなかった。
特開2009−218550号公報 特開2011−157482号公報
本発明は、光インプリント法により作製されたレジスト積層基板において、重合性が向上したレジストパターンを有するレジスト積層基板、およびドライエッチングした場合に、基板表面のパターン均一性が良好となりうるレジスト積層基板を提供することを目的とする。さらには、該基板を用いた基板表面パターンの形成方法を提供することにある。
本発明者は、塗布膜中の有機溶媒量と光硬化後の重合率、およびレジストパターンのサイズの均一性について検討したところ、光硬化性組成物中に有機溶媒を含む基板上の塗布膜を光硬化することにより、有機溶媒を含まない場合よりも重合率が高くなる領域が存在することが判明した。さらに有機溶媒を一定量含む光硬化性組成物を用いて光硬化したレジストパターンに対し、特に後処理を実施しない場合は、溶媒を含まない場合に比べやや均一性が低下するものの、光硬化後に熱処理(ポストベーク)を施すことで、レジストパターンのサイズの均一性が改善し、溶媒を含まない場合と同様のレジストパターンのサイズの均一性が得られることが判明した。したがって、有機溶媒を一定量含む光硬化性組成物を用い光硬化した後、熱処理(ポストベーク)を施すことで、溶媒を含まない場合と同様のレジストパターンのサイズの均一性と重合率の向上を同時に達成できることが判明した。また、重合率の向上したレジストパターンを用いてドライエッチング加工した際には、基板表面パターンの均一性が良好となることが判明した。これは、ドライエッチング加工の際に、未反応の重合性単量体が少ないため、デポの発生が抑制され、デポ堆積に起因するエッチングの不均一性が抑制されたからと推測される。
すなわち、本発明は重合性単量体、光重合開始剤、および有機溶媒を含む光硬化性組成物を基板上に塗布し、塗布膜を形成させ、該塗布膜にモールドを接触させた状態で光硬化した後、ポストベーク処理を行うことで得られるレジスト積層基板であって、光硬化時の塗布膜中の有機溶媒量が3〜15質量%であることを特徴とするレジスト積層基板である。
また、前記重合性単量体の40質量%以上が芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体であり、かつ基板がサファイア基板であるレジスト積層基板である。
さらに、光硬化時の塗布膜中の有機溶媒量が3〜10質量%であることを特徴とするレジスト積層基板である。
さらには、該有機溶媒の沸点が130〜190℃であることを特徴とするレジスト積層基板である。
最後に、芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体を40質量%以上含む重合性単量体、光重合開始剤、および有機溶媒を含む光硬化性組成物をサファイア基板上に塗布し、塗布膜を形成させる工程、該塗布膜にモールドを接触させる工程、塗布膜中の有機溶媒量が3〜15質量%の状態で光硬化させる工程、ポストベーク処理を行いレジスト積層基板を作製する工程、
レジスト積層基板にエッチングガスを照射する工程、をこの順に含むことを特徴とする基板表面パターンの形成方法である。
なお、本明細書においては、レジストパターンと基板表面パターンとの文言を使用しているが、レジストパターンとは、光硬化性組成物を基板上に塗布し、モールドを接触させ、該光硬化性組成物を硬化させて生じるパターンであり、その構成材料は、光硬化性組成物の硬化体である。一方、基板表面パターンとは、基板上のレジストパターンをドライエッチングした際に形成される基板表面のパターンであり、該パターンは基板上のレジストパターンの凹部(該凹部は、基板表面が剥き出しになっている場合と、レジストの残膜が存在している場合とがある)が主としてエッチングされ形成される。すなわち、基板自体がエッチングされて形成されるものである。したがって、基板表面パターンを構成する材料は基板の材質そのもの、すなわち、サファイアやシリコン等である。
本発明のレジスト積層基板におけるレジストパターンは、サイズの均一性を有し、かつ、塗布膜中に溶媒を含まない場合よりも高い重合率を得ることが可能である。重合率の向上により、高い強度を持ち、かつ未反応の重合性基が少ないため、高い安定性が得られる。さらに、本発明のレジスト積層基板のレジストパターンをマスクとしてエッチング処理を実施する場合には、重合率の向上によるエッチング耐性の向上、およびデポの低減が可能である。デポが低減された結果、基板表面パターンの均一性が向上する。さらには、光重合性組成物としては重合率が低いために、使用困難であるとされてきたレジストも、本手法を採用することで重合率が向上し、使用に耐えうる性能が得られ、レジストとして使用出来る組成物の範囲が広がることが期待できる。
本図は、円錐台形状のレジストパターンを形成した本発明のレジスト積層基板の断面図の一例を示す 本図は、レジスト積層サファイア基板をドライエッチングして作製した、円錐形状の基板表面パターンを有するサファイア基板の断面図の一例を示す
本発明は重合性単量体、光重合開始剤、および有機溶媒を含む光硬化性組成物を基板上に塗布し、塗布膜を形成させ、該塗布膜にモールドを接触させた状態で光硬化した後、ポストベーク処理を行うことで得られるレジスト積層基板であって、光硬化時の塗布膜中の有機溶媒量が3〜15質量%であることを特徴とするレジスト積層基板である。
また、前記重合性単量体の40質量%以上が芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体であり、かつ基板がサファイア基板であるレジスト積層基板である。
さらに、光硬化時の塗布膜中の有機溶媒量が3〜10質量%であることを特徴とするレジスト積層基板である。
さらには、該有機溶媒の沸点が130〜190℃であることを特徴とするレジスト積層基板である。
最後に、芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体を40質量%以上含む重合性単量体、光重合開始剤、および有機溶媒を含む光硬化性組成物をサファイア基板上に塗布し、塗布膜を形成させる工程、該塗布膜にモールドを接触させる工程、塗布膜中の有機溶媒量が3〜15質量%の状態で光硬化させる工程、ポストベーク処理を行いレジスト積層基板を作製する工程、
レジスト積層基板にエッチングガスを照射する工程、をこの順に含むことを特徴とする基板表面パターンの形成方法である。
本発明において、一定量の有機溶媒を存在させた状態で光重合させることにより、重合率が向上する理由はとしては、通常、重合性単量体の重合が進むことで嵩高くなり、分子鎖が動き難く重合が進みにくい状態となるが、有機溶媒が存在すると分子鎖が動きやすくなり、より高い重合率に到達できるものと推定している。
以下、順を追って説明する。まず、光硬化性組成物について説明する。
(光硬化性組成物)
本発明において、光硬化性組成物は主に重合性単量体と光重合開始剤、および有機溶媒から成り、また添加剤等のその他の成分を含んでも良い。これら成分の添加順序は特に制限されるものではないが、重合性単量体を混合した後に、その他の成分を混合するのが好ましい。
(重合性単量体)
重合性単量体は特に制限されるものではなく、光重合に使用される公知のラジカル重合性基、またはカチオン重合性基を有する単量体を使用することができる。ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリル基を有するラジカル重合性単量体が好ましく、カチオン重合性基のとしてはエポキシ基(オキシラン基)、オキセタン基を有するカチオン重合性単量体が好ましい。
重合性単量体は、1分子中に1つの重合性基を有する単官能重合性単量体であってもよいし、1分子中に2つ以上の重合性基を有する多官能重合性単量体であってもよい。さらには、これら単官能重合性単量体、及び多官能重合性単量体を組み合わせて使用することもできる。また、ラジカル重合性基を有する重合性単量体とカチオン重合性基を有する重合性単量体を組み合わせて使用することもできる。
1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート誘導体、(メタ)アクリロイルモルホリン等の脂肪族(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(4−ヒドロキシフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化アルキルフェノール(メタ)アクリレート、プロポキシ化アルキルフェノール(メタ)アクリレート、ο−フェニルフェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−(ο−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(ο−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、4−(ο−フェニルフェノキシ)ブチル(メタ)アクリレート、2−[2−(ο−フェニルフェノキシ)エトキシ]エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(ο−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシプロパン、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジアクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−((メタ)アクリロイルオキシメトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−(メタ)アクリロイルオキシブチロキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル]フルオレン等の芳香環を有するジ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、1,3,5−アダマンタントリオールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
中でも、塩素系ガスのエッチング耐性を向上させることができるという点から、分子内にο−フェニルフェノキシ基、フルオレン等の芳香環を有する単量体、または環状構造を有する単量体が好ましい。具体的には、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−[2−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}エトキシ]フェニル〕プロパン、9,9−ビス[4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−{3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ}フェニル]フルオレン、1,3−アダマンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジオールジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
1分子中に1つのカチオン重合性基を有する単官能重合性単量体としては、フェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等の単官能エポキシ化合物;3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メタアリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、3−アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)シクロヘキサン、4−フルオロ−{1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}ベンゼン、4−メトキシ−{1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}ベンゼン、{1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル}フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の単官能オキセタン化合物;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド等のNビニル化合物;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、(シクロヘキシルメチル)ビニルエーテル、{(4−メチルシクロヘキシル)メチル}ビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、{2−(ジシクロペンテニルオキシ)エチル}ビニルエーテル、(2−メトキシエチル)ビニルエーテル、(2−エトキシエチル)ビニルエーテル、(2−ブトキシエチル)ビニルエーテル、{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}ビニルエーテル、{2−(2−エトキシエトキシ)エチル}ビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、(2−ヒドロキシエチル)ビニルエーテル、(3−ヒドロキシプロピル)ビニルエーテル、(4−ヒドロキシブチル)ビニルエーテル、{4−(ヒドロキシメチル)シクロヘキシル}メチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、(2−クロロエチル)ビニルエーテル、(4−クロロブチル)ビニルエーテル、{2−(2−クロロエトキシ)エチル}ビニルエーテル、フェネチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、アネトール、イソオイゲノール、4−(クロロメチル)スチレン、4−アセトキシスチレン、4−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、4−ブロモスチレン、2−ビニル安息香酸メチル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−イソプロピルスチレン、4−イソプロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3―オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−アリルスチレン、4−(3−ブテニル)スチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等のスチリル基を有する単量体が挙げられる。
1分子中に2つの以上のカチオン性重合基を有する多官能重合性単量体としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ビシクロヘキシル−3,3’−ジオキサイド、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等の多官能エポキシ化合物;3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、1,4−ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}ベンゼン、ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)フェニル}メタン、2,2’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、1,2−ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}エタン、1,3−ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキサイド変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタン化合物;エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類が挙げられる。
中でも、塩素系ガスのエッチング耐性を向上させることができるという点から、分子内に芳香環を有する単量体、または脂環式構造を有する単量体が好ましい。なお、脂環式構造を有する単量体とは、芳香族性を有しない飽和または不飽和の炭素環を1以上有する単量体を意味する。分子内に芳香環を有する単量体、または脂環式構造を有する単量体の具体例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキサイド、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ビシクロヘキシル−3,3’−ジオキサイド、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル}ベンゼン、ビス{(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)フェニル}メタン、2,2’−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ビフェニル、1,3−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ベンゼンを挙げることができる。
なお、重合性単量体に占める芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体の割合が増加するとその嵩高さから重合しにくくなる傾向がみられるが、本発明の手法を用いることで、重合率を向上できる。特に、重合性単量体の40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、最も好ましくは100質量%が芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体の場合には溶媒を含まない場合に比べ、硬化体の重合率の上昇が大きく、かつエッチング耐性が向上するために好ましい。芳香環や脂環式構造を有する重合性単量体の硬化体は、エッチング耐性が高く、使用に適するが、従来、重合率が低いことに起因して、デポが生じ易い傾向があったが、本発明を適用すると、エッチング耐性が良好でかつデポが生じ難いレジスト積層膜を提供できる。
(光重合開始剤)
本発明では、光重合性開始剤はとくに制限されるものではなく、ラジカル重合開始剤、またはカチオン重合開始剤等を用いることができる。
本発明において、ラジカル重合性基を有する重合性単量体に使用する光ラジカル重合開始剤は特に制限されるものではなく、ラジカル重合性基を有する重合性単量体を光重合できるものであれば、いかなる光重合開始剤も使用できる。
光ラジカル重合開始剤としては、具体的に、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、ベンゾイルギ酸メチル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モリフォリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン誘導体;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチル、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピル、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等のO−アシルオキシム誘導体;ジアセチル、アセチルベンゾイル、ベンジル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−オキシベンジル、カンファーキノン、9,10−フェナントレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル;2,4−ジエトキシチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン誘導体が好適に使用される。
これら光ラジカル重合開始剤は、1種あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、α−ジケトンを用いる場合には、第3級アミン化合物と組み合わせて用いることが好ましい。α−ジケトンと組み合わせて用いることのできる第3級アミン化合物としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミル、N,N−ジメチルアントラニル酸メチル、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)アニリン、N,N−ジ(ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、p−(ジメチルアミノ)フェネチルアルコール、p−(ジメチルアミノ)スチルベン、5−(ジメチルアミノ)−m−キシレン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチル−1−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−2−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−ジ(エチルアミノ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
本発明においては、アセトフェノン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、O−アシルオキシム誘導体、α−ジケトンを使用することが好ましい。
本発明において、上記光ラジカル重合開始剤の使用量は、前記ラジカル重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。
本発明において、カチオン重合性基を有する重合性単量体に使用する光カチオン重合開始剤に用いる光酸発生剤は、特に制限されるものではなく、紫外線等の照射により直接ブレンステッド酸、あるいはルイス酸を発生しうる化合物であれば、公知の化合物が何ら制限なく用いられる。このような光酸発生剤としては、ジアリールヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物、スルホン酸エステル化合物等が挙げられる。中でも、ジアリールヨードニウム塩系光酸発生剤が、重合活性が高く、優れている。
光酸発生剤を、具体的に例示すれば、ジアリールヨードニウム塩化合物としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウム、p−イソプロピルフェニル−p−メチルフェニルヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、p−t−ブチルフェニルフェニルヨードニウム、p−メトキシフェニルフェニルヨードニウム、ビス(p−メトキシフェニル)ヨードニウム、p−オクチルオキシフェニルフェニルヨードニウム、p−フェノキシフェニルフェニルヨードニウム等のクロライド、ブロマイド、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。スルホニウム塩化合物としては、ジメチルフェナシルスルホニウム、ジメチルベンジルスルホニウム、ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウム、ジメチル−4−ヒドロキシナフチルスルホニウム、ジメチル−4,7−ジヒドロキシナフチルスルホニウム、ジメチル−4,8−ジヒドロキシナフチルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、p−トリルジフェニルスルホニウム、p−t−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウム等のクロライド、ブロマイド、p−トルエンスルホナート、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキスペンタフルオロフェニルガレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセナート、ヘキサフルオロアンチモネートが挙げられる。スルホン酸エステル化合物としては、ベンゾイントシレート、α−メチロールベンゾイントシレート、o−ニトロベンジル−p−トルエンスルホナート、p−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホナート等が挙げられる。
上記光酸発生剤は、1種または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、上記光カチオン重合開始剤の使用量は、カチオン重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。
(有機溶媒)
有機溶媒は特に制限されるものではなく、重合性単量体、および光重合開始剤を溶解するものであれば、いかなる有機溶媒も使用できる。使用される有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、ジアセトンアルコール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、イソホロン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコール、1−プロピルアルコール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等を挙げることができる。有機溶媒の使用量は特に制限されず、目的の塗布膜の厚みや操作性に応じて、適宜選択される。中でも、光硬化性組成物(有機溶媒含む)の合計量を100質量%とすると、該有機溶媒の濃度が3〜99質量%となる範囲とすることが好ましい。また、塗布膜形成工程、および塗布膜形成後のプリベーク処理工程において、塗布膜中の有機溶媒量を管理、調整する観点から、有機溶媒の沸点は130〜190℃が好ましく、140〜180℃がより好ましく、150〜170℃が最も好ましい。塗布膜は薄く、かつ外気との接触面積も広いため、有機溶媒の沸点が低いと塗布膜の形成中や各工程間に揮発し、有機溶媒量が減少し易い。本発明では塗布膜中の有機溶媒量を厳密に制御する必要があるため、塗膜形成後の有機溶媒量が変化することは好ましくなく、また、揮発ムラが生じた状態でモールド押付けて硬化すると、レジストパターンの均一性が悪化するため、有機溶媒の沸点は低すぎるのは好ましくない。一方、プリベーク処理により有機溶媒量を調整する点で、有機溶媒の沸点が高いとプリベーク温度も高めの設定にする必要があり、高く設定しすぎると比較的低沸点の重合性単量体が揮発し、組成比が変化する可能性もあるため、有機溶媒の沸点が高すぎるのも好ましくない。よって、有機溶媒の沸点は130〜190℃が好ましく、140〜180℃がより好ましく、150〜170℃が最も好ましい。
(その他添加剤)
本発明の光硬化性組成物には、効果を阻害しない範囲でその他の公知の添加剤を配合することができる。具体的には、界面活性剤、増感剤、重合禁止剤、反応性希釈剤等を配合することができる。界面活性剤は塗布膜の均一性の点から、重合禁止剤は保存中に重合しないように安定化させるために配合される。
界面活性剤を配合する場合には、重合性単量体全量の全量を100質量部としたとき、0.0001〜1質量部、好ましくは、0.001〜0.1質量量部の割合で配合することができる。
界面活性剤としては、フッ素含有界面活性剤、シリコーン含有界面活性剤、脂肪族系界面活性剤を使用できる。中でも、光硬化性組成物がシリコンウエハ等の基板へ塗布されるものの場合、はじきを生ずることなく、組成物を均一に塗布し易い点から、脂肪族系界面活性剤を使用することがより好ましい。
界面活性剤の例としては、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸の金属塩類、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸の金属塩類、ラウリルアルコールとエチレンオキサイドとの付加物を硫酸化したラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム等の高級アルキルエーテル硫酸エステルの金属塩類、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸ジエステルの金属塩類、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤;ドデシルアンモニウムクロリド等のアルキルアミン塩酸塩類およびトリメチルドデシルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;ドデシルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド類、ドデシルカルボキシベタイン等のアルキルカルボキシベタイン類、ドデシルスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン類、ラウラミドプロピルアミンオキシド等のアミドアミノ酸塩等の両性イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル類、脂肪酸ポリオキシエチレンラウリルエステル等の脂肪酸ポリオキシエチレンエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類等の非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。界面活性剤は、それぞれ単独で使用出来るだけでなく、必要に応じて、複数の種類を組み合わせて併用することも出来る。
本発明の光硬化性組成物には、光重合開始剤の感度を向上させる目的で、増感剤を配合することができる。増感剤の使用量は、重合性基を有する重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。また、1種または2種以上を混合して用いてもよい。
増感剤としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ350〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。具体的に例示すれば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−メチルアントラセン、7,12−ジメチルベンゾ[a]アントラセン等の多核芳香族化合物類、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等のキサンテン類、
3,3’−ジエチルチアカルボシアニン、3,3’−ジエチル−9−メチルチアカルボシアニン、3,3’−ジエチルオキサトリカルボシアニン、3,3’−ジヘキシルオキサカルボシアニン等のシアニン類、メロシアニンI、クリプトシアニン等のメロシアニン類、チオニン、メチレンブルー等のチアジン類、アクリジンオレンジ、アクリフラビン等のアクリジン類、アントラキノン、トルイジンブルー等のアントラキノン類、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4,6−ジメチルクマリン、3,3’−カルボニルビス{7−(ジエチルアミノ)クマリン}等のクマリン類等を挙げることができる。
重合禁止剤を配合する場合には、重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.01〜1.0質量部、好ましくは、0.1〜0.5質量部の割合で配合することができる。
重合禁止剤の例としては、公知のものを挙げることができ、例えば、最も代表的なものは、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。
反応性希釈剤を配合する場合、特に制限されず、モールドからのレジストパターンの形成に影響を及ぼさない範囲で適宜選択され、重合性単量体の全量を100質量部としたとき、通常、1〜100質量部の範囲から適宜選択される。その中でも、光硬化性組成物の低粘度化、レジストパターンの機械的強度等を勘案すると、5〜50質量部であることが好ましい。
反応性希釈剤の例としては、N−ビニルピロリドン等の公知のものを挙げることができる。
また、他の添加成分として、モールドのパターン面からの剥離性がよりよくなり、これにより、基板上に、再現性に優れた形状のレジストパターンを形成できることから、ハイパーブランチポリマーのような球状微粒子を配合することもできる。この場合、直径は1〜10nm、分子量10,000〜100,000の球状ハイパーブランチポリマーを配合することが好ましい。配合量は、重合性単量体の全量を100質量部としたとき、0.1〜10質量部の量であることが好ましい。
次に、この光硬化性組成物を使用して、本願発明のレジスト積層基板を作製する方法、及び、ドライエッチングによる基板表面パターンを形成する方法について説明する。
(レジスト積層基板の作製方法)
本発明の光硬化性組成物を用いたレジスト積層基板の作製方法について説明する。
まず、有機溶媒を含む光硬化性組成物を、基板上に公知の方法に従って塗布することにより、塗布膜を形成する。
使用する基板としては特に制限はなく、サファイア、シリコンなどの基板を用いることが可能である。
なお、基板は、本発明の光硬化性組成物よりなるレジストパターンとの密着性をより改善するために、表面処理を施すこともできる。
基板上に光硬化性組成物を塗布し、塗布膜を形成する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、ディスペンス法、インクジェット法、スプレーコート法のような公知の方法が使用可能である。塗布膜の厚みは、特に制限されるものではなく、使用するモールドのパターンに応じた最適膜厚を適宜決定すればよく、有機溶媒の使用量、塗布方法、および塗布条件により調整可能である。
また、塗布膜形成後、塗布膜中の有機溶媒量を調整することを目的に、加熱処理としてプリベーク処理を加えてもよい。プリベーク温度は、有機溶媒の沸点よりも低い温度であれば、特に制限されないが、通常は、40℃〜150℃の範囲から選択できる。処理装置としてはホットプレートのような開放系で実施してもよいし、恒温槽のように雰囲気を制御した系内にて加熱を行ってもよい。この工程において、余分な有機溶媒を揮発させ、塗布膜中の有機溶媒量を3〜15質量%、好ましくは3〜10質量%、特に好ましくは5〜10質量%に調整する。本発明で重要なことは、光照射時(光硬化時)の塗布膜中の溶媒量を3〜15質量%に制御することである。基板上に塗布膜を形成させた後(プリベークをする場合は、プリベークの後)、モールドを接触させ、光硬化させるまでの間は、条件にもよるが通常、有機溶媒量はほとんど変化しないと考えられるため、基板上に塗布膜を形成させた際(プリベークをする場合は、プリベークの後)の有機溶媒量を上記の通り調整しておくことが好ましい。
塗布膜を形成する際に、有機溶媒量を上記の通り調整するためには、以下の方法が挙げられる。最も簡便な調整方法としては、光硬化性組成物の有機溶媒量を最初から3〜15質量%で調整し、有機溶媒の揮発しにくい方法で基板上に塗布する方法である。有機溶媒が揮発しにくい方法としてはディッピング法、ディスペンス法、インクジェット法などがある。しかしながら、光硬化性組成物の操作性や厚みの調整の観点から、3〜15質量%よりも多めの有機溶媒量を含む光硬化性組成物で塗布膜を形成させることが多い。この場合は塗布膜に有機溶媒が過剰に残りやすいため、プリベーク処理にて有機溶媒量が3〜15質量%となるよう調整する。プリベークの処理温度、時間はあらかじめ実験的に調べておく。
また、有機溶媒が揮発しやすい方法、例えばスピンコート法、スプレーコート法などで有機溶媒量を調整するにはコート条件を厳密に設定しないと本発明で規定する有機溶媒量に制御するのが難しい。例えば、スピンコート法においては、3〜15質量%よりも多めの有機溶媒量を含む光硬化性組成物を供給し、高速回転させることにより有機溶媒を揮発させ、回転数と時間を調整することで塗布膜に残る有機溶媒量を調整することが可能である。しかしながら、塗布膜の厚み均一性を得るには一定以上の回転数が必要であり、その回転数以上で回すと有機溶媒の揮発速度が非常に速く、3〜15質量%に調整するには厳密な時間設定、環境設定が必要とされる。よって、有機溶媒の揮発しにくい方法で塗布膜を形成する方が、有機溶媒量を調整する観点で好ましい。
次に、所望の凹凸パターンが形成されているモールドのパターン面を、前記塗布膜と接触させる。ここで、接触させるとは、モールドのパターン面を塗布膜内部に押し込むことを意味する。この際、モールドは、光照射を介して、塗布された組成物を硬化させることによりレジストパターンを形成できるように、透明な材質、例えば、石英や透明な樹脂フィルム、ポリジメチルシロキサンなどで形成されていることが好ましい。モールドのパターンとしては特に限定されるものではなく、円柱形状、円錐台形状、ライン形状などいかなる形状でもかまわない。また、モールドパターンの頂点間の距離(ピッチ)、サイズ(幅、深さ)についても特に限定されないが、剥離のしやすさ、レジストパターンの安定性の観点から、一般的に幅は0.1〜10μm、深さは幅に対して0.2〜4倍、頂点間の距離はパターンの幅に対して1.5〜3倍のパターンを有する。また、本発明のレジストパターンで、重合性単量体の40質量%以上が芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体を含む光硬化性組成物を使用した場合には、特にエッチング耐性が高いため、円錐形状のレジストパターンをマスクとしてドライエッチングした際に、円錐形状の基板表面パターンを得ることが可能である。円錐形状のレジストパターンを用いることで、該円錐形状のアスペクト比(円錐の高さ/円錐の底面の直径)については厳密な制御をすることなく、またエッチング条件についても詳細な設定をすることなく、サファイア基板表面に特定の円錐形状の凹凸パターンを形成できる。よって、該組成物を有機溶媒量が3〜15質量%含む状態で硬化したレジストパターンをマスクとし、ドライエッチング処理にて円錐形状のサファイア基板表面パターンを得るには、円錐形状のレジストパターンを用いるのが好ましい。
サファイア基板表面のパターンが円錐形状であり、かつ均一性が高い場合は、LED基板として使用した場合の光取り出し効率が良好な傾向がある。サファイア基板表面のパターンを円錐形状とするためには上記した通り、レジストパターンの形状が円錐形状であることが製造上好ましい。但し、レジストパターンをドライエッチングする際に、デポが生じ易い場合は、そのデポに起因して、サファイア基板表面に形成される円錐の表面平滑性が低下する。特に、円錐形状の凹凸パターンを有するレジストパターンの場合は、デポが円錐の斜面に堆積しやすいため、堆積物の影響が大きい。したがって、該堆積物を低減し、均一なサファイア表面の円錐形状パターンを形成する際に、特に本発明を適用することが極めて有用である。
本発明の光硬化性組成物は、モールドを押し付ける場合には比較的低圧で凹凸パターンを転写することができる。この際の圧力は、特に制限されるものではないが、0.01MPa〜3MPaの圧力で凹凸パターンを転写できる。なお、上記圧力の上限値以上の圧力でも凹凸パターンの転写は可能である。また、低粘度の光硬化性組成物であれば、押し付けがない場合でも転写は可能である。
その後、モールドのパターン面と塗布膜とを接触させた状態のまま、光を照射し、塗布膜を硬化させる。光照射の際、塗布膜の有機溶媒量は3〜15質量%であり、好ましくは3〜10質量%、特に好ましくは5〜10質量%である。照射する光は、波長が500nm以下で、光の照射時間は、0.1〜600秒の範囲から選択される。塗布膜の厚み等にもよるが、通常、1〜60秒である。
光重合時の雰囲気として、大気下でも重合可能であるが、ラジカル重合反応による光硬化の場合には、酸素による重合阻害の少ない雰囲気下での光重合が好ましい。例えば、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、フッ素系ガス雰囲気下、真空雰囲気下等が好ましい。
このように光照射することにより、モールドの凹凸パターンに対応したレジストパターン(光硬化性組成物の硬化体)が基板上に形成される。
光硬化後、硬化した塗布膜からモールドを分離することにより、基板上にレジストパターンが形成された積層体が得られる。
その後、加熱処理としてポストベーク処理を行う。ポストベーク温度は、硬化膜が分解しない温度であれば、特に制限されないが、通常は、100℃〜300℃の範囲から選択できる。また、処理装置としてはホットプレートのような開放系で実施してもよいし、恒温槽のように雰囲気を制御した系内にて加熱を行ってもよい。処理雰囲気としては大気下、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、フッ素系ガス雰囲気下、真空雰囲気下等、特に制限されないが、有機溶媒を十分に揮発させる必要があるため、真空雰囲気下で実施することがより好ましい。ポストベーク処理においては、レジストパターン中に残る有機溶媒を揮発し、さらにその間隙を硬化体が収縮して埋めることにより、均一なレジストパターンを形成したレジスト積層基板が完成する。
このようにして作製したレジスト積層基板は、有機溶媒を含まない光硬化性組成物でレジストパターンを作製した場合よりも高い重合率を達成し、高い強度、かつ未反応の重合性基が少ないことによる高い安定性が得られる。また、エッチング処理に供する場合においてはデポの発生抑制、エッチング耐性の向上が図られる。
(ドライエッチングによる基板表面パターンの作製方法)
本発明の光硬化性組成物を硬化させて得られるレジストパターンは、例えば、サファイア基板を表面加工する際のマスクとして用いることができる。なお、サファイア基板に積層されたレジストパターンをドライエッチングする際に照射するエッチングガスとしては塩素系ガスを使用する。塩素系ガスとしては、反応性イオンエッチングに用いられる公知のガスを使用することができる。具体的には、塩素、三塩化ホウ素、四塩化炭素を挙げることができ、必要に応じて、酸素ガス、フッ素系ガス、アルゴンガス等を混合して使用することもできる。
具体的な方法としては、まず、レジスト積層体の肉薄部分(残膜)をドライエッチングにより除去し、サファイア基板表面を出した後、さらにドライエッチングを行い、レジストパターンすべてを除去させることにより、基板表面に例えば円錐形状の凹凸パターンを有するサファイア基板を作製する。また、残膜を除去する工程を実施せずに、残膜の除去とドライエッチングによる基板表面パターンの作製を一度に行うことも可能である。特に、残膜が0.2μm以下の薄い場合は、残膜を除去する工程を実施せず、残膜の除去とドライエッチングによる基板表面パターンの作製を一度に行うことができる。このような工程により、基板表面に凹凸パターンを有するサファイア基板を製造することができる。
ドライエッチングの具体的な条件として、アンテナ電力は100〜800Wの任意の電力を選択することができる。ただし、レジストパターンの炭化等の変質防止や、サファイア基板のエッチング速度を高めることを考慮すると、200〜500Wが望ましい。
また、バイアス電力は100〜500Wの任意の電力が選択することができる。同様に、レジストパターンの炭化等の変質防止や、サファイア基板のエッチング速度を高めることを考慮すると、200〜300Wが望ましい。
チャンバー内の圧力としては、0.3〜1.0Paの任意の値を選択することができる。チャンバー内を低圧にすると、排気速度を増大させることができ、サファイア基板のエッチング速度を高めることができる。そのため、チャンバー内の圧力は0.5〜0.8Paに設定するのが望ましい。
エッチングガスの流量としては、全ガス流量を50〜150sccmに設定するのが通常である。実際にエッチングを行う塩素系ガスや、希釈を目的とするアルゴン等のガスの割合は任意に設定することができる。ただし、希釈ガスを過剰にすると、サファイアのエッチング速度が著しく低くなるため、希釈ガスは全体の50%以下であることが好ましい。
ドライエッチング時間は、レジストパターンを完全にドライエッチングにより除去できるまで行う必要がある。通常は、レジストパターンが完全に除去される時間(ジャストエッチタイム)より2〜3割長めのエッチング時間を設定する。実際のエッチング時間は、レジストパターンの形状によって異なるが、通常は10〜40分である。
ただし、ドライエッチングによりサファイア表面を円錐形状に加工するには、レジストパターン形状、特に円柱形状、または円錐台形状の場合はアスペクト比等を厳密に制御する必要がある。必要に応じて、ドライエッチングの条件、特にアンテナ電力、バイアス電力、ガス組成についても、調整を行う。
本発明のレジスト積層基板を用いれば、重合率が高く、未反応の重合性基が少ないため、デポの発生が抑えられ、均一な基板表面パターンが得られやすい。
以下、本発明を実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)インプリント試験、およびドライエッチング試験
(光硬化性組成物の調整)
重合性単量体、光重合開始剤、重合禁止剤から構成される組成物を各実施例に示す方法により調製し、これに所定の有機溶媒を混合した。
(光硬化性組成物の塗布処理)
得られた光硬化性組成物をスピンコートにて、2インチのサファイア基板(片面鏡面仕上げ、厚さ430μm、面方位c面)上に塗布した。塗布膜厚は、0.8〜1.0μmに収まるように回転数、溶媒量を調整した。
(光インプリント処理)
円錐形状のホールパターンを形成したフィルムモールド(円錐底面直径D=2.0μm、円錐高さH=1.7μm、側面と底面のなす角度θ=60°、アスペクト比=0.85)を用い、ナノインプリント装置(SCIVAX(株)製、X−300H)において、上記のようにして得られた光硬化性組成物の塗布膜を有するサファイア基板に、減圧度−100kPa、荷重3MPaをかけて接触させ、UV照射(波長365nm、20mW/cm2)を4分行った。
(ポストベーク処理)
250℃のホットプレートにUV硬化後のレジスト積層基板を載せ、30分放置した。
(ドライエッチング処理)
反応性イオンエッチング装置(サムコ(株)製、RIE−230iPC)を用いて、上記のようにして得られたレジストパターンを形成したレジスト積層サファイア基板の塩素系ガスによるドライエッチングを行った。ドライエッチング条件は、アンテナ電力500W、バイアス電力200W、ガス流量 三塩化ホウ素/塩素/アルゴン=30/20/50(sccm)、圧力0.6Paである。
(2)レジストパターンのサイズ均一性評価
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、ポストベーク後(ポストベーク処理なしの場合は光インプリント処理後)のサファイア基板上に形成したレジストパターンのサイズの均一性を評価した。
レジストパターン(円錐形状)の高さの平均値に対して±3%以内に収まる割合が、100%の場合は「○」、99〜97%の場合は「△」、96%以下の場合は「×」として評価した。
(3)基板表面パターンのサイズ均一性評価
走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、ドライエッチング後の基板表面パターンのサイズの均一性を評価した。
基板表面パターンが円錐形状を有し、表面平滑性が良好、かつ円錐高さの平均値に対して±3%以内に収まる割合が100%の場合は「○」、基板表面パターンが円錐形状を有し、表面平滑性が良好であるが、円錐高さの平均値に対して±3%以内に収まる割合が99〜97%の場合は「△」、基板表面パターンが円錐形状を有していない、円錐形状であるが表面平滑性が不良である、または円錐形状で表面平滑性は良好だが円錐高さの平均値に対して±3%以内に収まる割合が96%以下の場合は「×」として評価した。
なお、表面平滑性が不良とは、側面に筋状、または点状の凹凸がある、またはデポが付着している場合を指す。
(4)サファイア選択比の評価
ドライエッチングを20分間実施し、そのときのレジストパターン、及びサファイアのエッチング量から、それぞれのエッチング速度を算出した。サファイアのエッチング速度を、レジストパターンのエッチング速度で除した値を、サファイア選択比とした。サファイア選択比の値が大きいほど、レジストパターンは、サファイア基板と比較して、塩素系ガスによるエッチングを受けにくく、エッチング耐性が高いことを示している。
(5)塗布膜中の有機溶媒量評価
硬化前の塗布膜を有するサファイア基板を光硬化性組成物中の有機溶媒とは異なる有機溶媒に浸漬し、塗布膜全量を溶解した。塗布膜を溶解した有機溶媒をガスクロマトグラフィーにて測定し、塗布膜に含まれる光硬化性組成物中の有機溶媒量をピーク面積より評価した。
(6)重合率評価
フーリエ変換赤外分光分法(FT−IR法)により、光硬化前後の官能基由来のピーク面積を求め、以下の式より重合率を求めた。
重合率(%)=〔1−(光硬化後のピーク面積/光硬化前のピーク面積)〕×100
重合性単量体としてアクリル基を有する場合は、光路長1mmの分光光度計用の標準セル(ガラス製、ジーエルサイエンス(株)製)に光硬化性組成物を入れ、6500〜5000cm−1の範囲をFT−IRにて測定し、H−C=CのC−H伸縮振動の倍音吸収(6150cm−1付近)のピーク面積を求めた。
一方、重合性単量体としてオキセタン基を有する場合は、KBr板に光硬化性組成物を塗布し、2000〜500cm−1の範囲をFT−IRにて測定し、オキセタン基の吸収(982cm−1付近)のピーク面積を求めた。
硬化条件としては窒素気流下にてLED(λ=365nm、照度:25mW/cm2)を40秒間照射し、硬化させた(露光量:1J/cm2)。
(7)使用した化合物とその略称
(重合性単量体)
AMP−10G;フェノキシエチル(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製)
A−LEN−10;2−(ο−フェニルフェノキシ)エチルアクリレート(新中村化学工業(株)製)
ABE−300;エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業(株)製)
A−TMPT;トリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)製)
AM−30G;メトキシトリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業(株)製)
A−200;ポリエチレングリコール#200ジアクリレート(新中村化学工業(株)製)
OXT−121;キシリレンビスオキセタン(東亞合成(株)製)
OXT−221;3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成(株)製)
(重合禁止剤)
HQME;ハイドロキノンモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製)
BHT;ジブチルヒドロキシトルエン(和光純薬工業(株)製)
(増感剤)
9MA;9−メチルアントラセン(東京化成工業(株)製)
(重合開始剤)
OXE02;エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・ジャパン(株)製)
IDPI;4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(東京化成工業(株)製)
(有機溶媒)
DAA;ジアセトンアルコール(和光純薬工業(株)製)
IPA;イソプロパノール(和光純薬工業(株)製)
酢酸ブチル(和光純薬工業(株)製)
m−キシレン(和光純薬工業(株)製)
PGMEA;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(和光純薬工業(株)製)
シクロヘキサノン(和光純薬工業(株)製)
MMBA;3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート(和光純薬工業(株)製)
イソホロン(和光純薬工業(株)製)
実施例1
表1に示すように、重合性単量体として、AMP−10G 2.7g、A−LEN−10 2.8g、ABE−300 4.0g、A−TMPT 0.5g、光重合開始剤として、OXE02 0.2g、重合禁止剤として、HQME 0.015g、BHT 0.002gを均一に混合した。その後、DAA 18.5gで希釈し、孔径0.2μmのシリンジフィルターにてろ過し、光硬化性組成物〔1〕を得た。これを表3に示す条件でスピンコートを行い、サファイア基板に塗布膜を形成した後、光インプリント、ポストベーク処理を実施した。完成したレジスト積層基板について、SEM観察により、レジストパターンのサイズ均一性評価を行った。また、同様に作製したレジスト積層基板について、ドライエッチングを行い、完成したサファイア基板の基板表面パターンについて、SEM観察により、サイズ均一性評価を行った。さらに、サファイア選択比についても同時に評価を行った。さらに、スピンコートまで実施したサファイア基板を作製し、塗布膜中の有機溶媒量についてガスクロにて確認を行った。結果を表3に示す。なお、本条件で塗布した塗布膜の厚さは0.9μmであった。
実施例2〜4、比較例1〜3
表1に示す光硬化性組成物〔2〜7〕を調製し、実施例1に示す手順と同様に操作し、評価を行った。なお、表3に示す条件でスピンコートを行うことで、塗布した塗布膜の厚さは全て0.9μmとなった。また、比較例3はポストベーク処理未実施である。
実施例5
実施例1の光インプリント後のレジストパターンの重合率を評価するため、スピンコート後の塗布膜組成と同じ組成となる光硬化性組成物〔8〕を調整し、これを重合した硬化体を重合率として採用した。具体的には、表2に示すように、重合性単量体として、AMP−10G 2.7g、A−LEN−10 2.8g、ABE−300 4.0g、A−TMPT 0.5g、光重合開始剤として、OXE02 0.2g、重合禁止剤として、HQME 0.015g、BHT 0.002gを均一に混合し、その後、DAA 0.31gで希釈し、孔径0.2μmのシリンジフィルターにてろ過することで光硬化性組成物〔8〕を得た。この光硬化性組成物について、重合率の評価を行った。結果を表3の実施例1の重合率の欄に示す。
実施例6〜8、比較例4〜6
実施例2〜4、比較例1〜3の光インプリント後の硬化体の重合率を評価するため、表2に示す光硬化性組成物〔9〜14〕を調整し、実施例5に示す手順と同様に操作し、重合率の評価を行った。なお、比較例4はDAA未混合である。結果は表3の実施例2〜4、比較例1〜3の重合率の欄にそれぞれ示す。
実施例9〜14、比較例7〜12
表4に示す光硬化性組成物〔15〜26〕を調製し、実施例1に示す手順と同様に操作し、評価を行った。結果を表6に示す。なお、スピンコートは表6に示す条件で行い、塗布した塗布膜の厚さは全て0.9μmとなった。
実施例15〜20、比較例13〜18
実施例9〜14、比較例7〜12の光インプリント後の硬化体の重合率を評価するため、表5に示す光硬化性組成物〔27〜38〕を調整し、実施例5に示す手順と同様に操作し、重合率の評価を行った。なお、比較例13〜18はDAA未混合である。結果は表6の実施例9〜14、比較例7〜12の重合率の欄にそれぞれ示す。
実施例21〜25、比較例19〜23
表7に示す光硬化性組成物〔39〜48〕を調製し、実施例1に示す手順と同様に操作し、評価を行った。結果を表9に示す。なお、スピンコートは表9に示す条件で行い、塗布した塗布膜の厚さは全て0.9μmとなった。
実施例26〜30、比較例24〜28
実施例21〜25、比較例19〜23の光インプリント後の硬化体の重合率を評価するため、表8に示す光硬化性組成物〔49〜58〕を調整し、実施例5に示す手順と同様に操作し、重合率の評価を行った。なお、比較例24〜28はDAA未混合である。結果は表9の実施例21〜25、比較例19〜23の重合率の欄にそれぞれ示す。
実施例31〜38
表10に示す光硬化性組成物〔59〜66〕を調製し、実施例1に示す手順と同様に操作し、評価を行った。結果を表12に示す。なお、スピンコートは表12に示す条件で行い、塗布した塗布膜の厚さは全て0.9μmとなった。
実施例39〜46
実施例31〜38の光インプリント後の硬化体の重合率を評価するため、表11に示す光硬化性組成物〔67〜74〕を調整し、実施例5に示す手順と同様に操作し、重合率の評価を行った。結果は表12の実施例31〜38重合率の欄にそれぞれ示す。
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有機溶媒量について、表3より、ポストベーク後のレジストパターンのサイズ均一性は塗布膜中の有機溶媒が15質量%以下では均一性が高く、好ましくは10質量%以下でさらに高いサイズ均一性が得られた。一方、有機溶媒を3質量%以上含むことで有機溶媒を含まない場合(比較例1)よりも重合率が高くなり、5質量%以上含むことでさらに高い重合率を得られた。また、重合率の向上に伴い、サファイア選択比が0.1上昇しており、エッチング耐性が向上した。なお、ポストベークを実施しない場合(比較例3)は基板表面パターンのサイズ均一性が悪くなるため、ポストベークの実施は必須である。
光硬化性組成物における芳香環、および脂環式構造を有する重合性単量体の割合について、表6、および表9より、有機溶媒を含まない場合はその割合が高いほど重合率が低下する傾向を示したが、有機溶媒を10質量%含む場合は重合率の低下は抑制され、ほぼ一定の値を示すことが判明した。したがって、光硬化性組成物における芳香環、および脂環式構造を有する重合性単量体の割合が多いほど、重合率が上昇する傾向を示し、さらにはエッチング耐性の向上も見られた。
有機溶媒の沸点による違いについて、表12より、沸点が130℃以上の場合はポストベーク後のレジストパターンのサイズ均一性が高く、沸点が130℃未満の場合は130℃以上の場合に比べ、サイズの均一性がやや悪くなる傾向が見られた。したがって、有機溶媒の沸点は130℃以上が好ましい。
11 レジストパターン
12 基板
21 サファイア基板

Claims (5)

  1. 重合性単量体、光重合開始剤、および有機溶媒を含む光硬化性組成物を基板上に塗布し、塗布膜を形成させ、該塗布膜にモールドを接触させた状態で光硬化した後、ポストベーク処理を行うことで得られるレジスト積層基板であって、光硬化時の塗布膜中の有機溶媒量が3〜15質量%であることを特徴とするレジスト積層基板。
  2. 前記重合性単量体の40質量%以上が芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体であり、かつ基板がサファイア基板である請求項1に記載のレジスト積層基板。
  3. 光硬化時の塗布膜中の有機溶媒量が3〜10質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のレジスト積層基板。
  4. 前記有機溶媒の沸点が130〜190℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト積層基板。
  5. 芳香環、または脂環式構造を有する重合性単量体を40質量%以上含む重合性単量体、光重合開始剤、および有機溶媒を含む光硬化性組成物をサファイア基板上に塗布し、塗布膜を形成させる工程、
    該塗布膜にモールドを接触させる工程、
    塗布膜中の有機溶媒量が3〜15質量%の状態で光硬化させる工程、
    ポストベーク処理を行いレジスト積層基板を作製する工程、
    レジスト積層基板にエッチングガスを照射する工程、
    をこの順に含むことを特徴とする基板表面パターンの形成方法。
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