JP2012231073A - インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン - Google Patents
インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012231073A JP2012231073A JP2011099583A JP2011099583A JP2012231073A JP 2012231073 A JP2012231073 A JP 2012231073A JP 2011099583 A JP2011099583 A JP 2011099583A JP 2011099583 A JP2011099583 A JP 2011099583A JP 2012231073 A JP2012231073 A JP 2012231073A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- meth
- acrylate
- curable composition
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
Description
第一の技術としては、成型した形状(パターン)そのものが機能を持ち、様々なナノテクノロジーの要素部品、あるいは構造部材として応用できる場合である。例としては、各種のマイクロ・ナノ光学要素や高密度の記録媒体、光学フィルム、フラットパネルディスプレイにおける構造部材などが挙げられる。第二の技術は、マイクロ構造とナノ構造との同時一体成型や、簡単な層間位置合わせにより積層構造を構築し、これをμ−TAS(Micro−Total Analysis System)やバイオチップの作製に応用しようとするものである。第3の技術としては、形成されたパターンをマスクとし、エッチング等の方法により基板を加工する用途に利用されるものである。かかる技術では高精度な位置合わせと高集積化とにより、従来のリソグラフィ技術に代わって高密度半導体集積回路の作製や、液晶ディスプレイのトランジスタへの作製、パターンドメディアと呼ばれる次世代ハードディスクの磁性体加工等に応用できる。前記の技術を始め、これらの応用に関するナノインプリント法の実用化への取り組みが近年活発化している。
LCD基板やPDP基板の大型化や高精細化の動向に伴い、薄膜トランジスタ(TFT)や電極板の製造時に使用する従来のフォトリソグラフィ法に代わる安価なリソグラフィとして光ナノインプリントリ法が、近年注目されている。そのため、従来のフォトリソグラフィ法で用いられるエッチングフォトレジストに代わる光硬化性レジストの開発が必要になってきている。
さらにLCDなどの構造部材としては、特許文献4および特許文献5に記載される透明保護膜材料や、特許文献5に記載されるスペーサなどに対する光ナノインプリント法の応用も検討され始めている。このような構造部材用のレジストは、前記エッチングレジストとは異なり、最終的にディスプレイ内に残るため、“永久レジスト”、あるいは“永久膜”と称されることがある。
また、液晶ディスプレイにおけるセルギャップを規定するスペーサも永久膜の一種であり、従来のフォトリソグラフィにおいては、樹脂、光重合性モノマーおよび開始剤からなる光硬化性組成物が一般的に広く用いられてきた(例えば、特許文献6参照)。スペーサは、一般には、カラーフィルタ基板上に、カラーフィルタ形成後、もしくは、前記カラーフィルタ用保護膜形成後、光硬化性組成物を塗布し、フォオトリソグラフィにより10μm〜20μm程度の大きさのパターンを形成し、さらにポストベイクにより加熱硬化して形成される。
また、一般にモスアイと呼ばれる反射防止構造体の作成にもナノインプリント法を用いることができる。透明性成形品の表面に、透明性素材から成る無数の微細凹凸を光の波長以下のピッチで形成することによって、光の屈折率が厚み方向に変化するようにした反射防止構造が形成できる。このような反射防止構造体は屈折率が厚み方向に連続的に変化するため、屈折率界面が存在せず、理論的には無反射とすることができる。また、波長依存性が小さく、斜め光に対する反射防止能も高いため、多層反射防止膜よりも優れた反射防止性能を備えたものとなる。
これら永久膜用途においては、形成されたパターンが最終的に製品に残るため、耐熱性、耐光性、耐溶剤性、耐擦傷性、外部圧力に対する高い機械的特性、硬度など主に膜の耐久性や強度に関する性能が要求される。
このように従来フォトリソグラフィ法で形成されていたパターンのほとんどがナノインプリントで形成可能であり、安価に微細パターンが形成できる技術として注目されている。
具体的には、以下の手段により、下記課題はされた。
一般式(I)
(2)前記Rxがメチル基である、(1)に記載のインプリント用硬化性組成物。
(3)化合物(Ax)が、下記一般式(II)で表される部分構造を有する、(1)または(2)に記載のインプリント用硬化性組成物。
一般式(II)
(5)化合物(Ax)がシリコン原子−酸素原子−シリコン原子で表される部分構造を含む、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(6)化合物(Ax)が(メタ)アクリロイルオキシ基を含む、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(7)化合物(Ax)が一般式(I)で表される部分構造を2つ以上有する、(1)〜(6)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(8)化合物(Ax)が一般式(III)または一般式(IV)で表される化合物である、(1)〜(7)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
一般式(III)
一般式(IV)
(9)化合物(Ax)とは異なる重合性化合物を含有する、(1)〜(8)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(10)化合物(Ax)とは異なる重合性化合物が、(メタ)アクリレートである、(9)に記載のインプリント用硬化性組成物。
(11)化合物(Ax)が、溶剤を除く全成分の30〜99質量%の割合で含まれる、(1)〜(10)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
(12)(1)〜(11)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物を用いることを特徴とする、パターン形成方法。
(13)(1)〜(11)のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物を基材上に適応してパターン形成層を形成する工程と、
前記パターン形成層表面にモールドを圧接する工程と、
前記パターン形成層に光を照射する工程と、
を含むことを特徴とするパターン形成方法。
(14)(12)または(13)に記載のパターン形成方法によって得られたパターン。
(15)(14)に記載のパターンを含む電子デバイス。
(16)(12)または(13)に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
(17)下記一般式(IV)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜6個有する化合物を含有する硬化性組成物。
一般式(IV)
(18)下記一般式(IV)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基を2〜6個有する化合物。
一般式(IV)
なお、本発明でいう“インプリント”は、好ましくは、1nm〜10mmのサイズのパターン転写をいい、より好ましくは、およそ10nm〜100μmのサイズ(ナノインプリント)のパターン転写をいう。 尚、本明細書における基(原子団)の表記において、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明のインプリント用硬化性組成物は、シリコン原子上の置換基として、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、水酸基を有さないシリコン原子および隣接基と共役していない炭素−炭素多重結合を有する化合物(Ax)(以下、単に、「化合物(Ax)」と示すことがある。)、ならびに、光重合開始剤(B)を含有する。
本発明で用いる化合物(Ax)成分としては、下記一般式(I)で表される部分構造を有する。
一般式(I)
Rxにおけるアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基が更に好ましい。
Rxにおけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は置換基を有していてもよい。
mは1〜3を表し好ましくは1である。nは0〜2を表し、好ましくは2である。
一般式(I)の部分構造は波線部で他の置換基と結合する。ただし、シリコン原子上の置換基として、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、水酸基を有さないことが経時安定性の観点から好ましい。このようなシリコン原子としては、例えば、シランカップリング剤を除く趣旨である。化合物(Ax)は、1分子につき、シリコン原子を1〜25個含むことが好ましく、2〜20個含むことがより好ましく、3〜10個含むことがさらに好ましい。
また、本発明で用いる化合物(Ax)のシリコン原子含有率は、10〜50%であることが好ましく、15〜40%であることがより好ましく、20〜35%であることが更に好ましく、20〜30%であることが特に好ましい。
シリコン原子含有率は、[(化合物(Ax)中のシリコン原子の数)×(シリコン原子の原子量)/化合物(Ax)の分子量]×100で表される。
また、化合物(Ax)がシリコン原子−酸素原子−シリコン原子で表される部分構造を含むことが好ましい
R8は水素原子、アルキル基(好ましくはメチル基)またはアリール基(好ましくはフェニル基)である。
R9およびR10は、それぞれ、水素原子、アルキル基(好ましくはメチル基)、アリール基(好ましくはフェニル基)である。
R1は、水素原子またはメチル基である。
一般式(III)
一般式(IV)
Ryはn1価の連結基を表し、好ましくはシリコン原子及び/又は酸素原子を有する連結基であり、より好ましくは更にアリーレン基及び/またはアルキレン基を有する連結基である。
n1は2〜6を表し、好ましくは2〜4、更に好ましくは2または3である。
本発明で用いる光硬化性組成物には、光重合開始剤が含まれる。本発明に用いられる光重合開始剤は、光照射により上述の重合性化合物を重合する活性種を発生する化合物であればいずれのものでも用いることができる。光重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤が好ましく、ラジカル重合開始剤がより好ましい。また、本発明において、光重合開始剤は複数種を併用してもよい。
光重合開始剤の含有量が0.01質量%以上であると、感度(速硬化性)、解像性、ラインエッジラフネス性、塗膜強度が向上する傾向にあり好ましい。一方、光重合開始剤の含有量を15質量%以下とすると、光透過性、着色性、取り扱い性などが向上する傾向にあり、好ましい。
アセトフェノン系化合物として好ましくはヒドロキシアセトフェノン系化合物、ジアルコキシアセトフェノン系化合物、アミノアセトフェノン系化合物が挙げられる。ヒドロキシアセトフェノン系化合物として好ましくはBASF社から入手可能なIrgacure(登録商標)2959(1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、Irgacure(登録商標)184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、Irgacure(登録商標)500(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン)、Darocur(登録商標)1173(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパン−1−オン)が挙げられる。
ジアルコキシアセトフェノン系化合物として好ましくはBASF社から入手可能なIrgacure(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)が挙げられる。
アミノアセトフェノン系化合物として好ましくはBASF社から入手可能なIrgacure(登録商標)369(2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1)、Irgacure(登録商標)379(EG)(2−ジメチルアミノー2ー(4メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン、Irgacure(登録商標)907(2−メチル−1[4−メチルチオフェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンが挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系化合物として好ましくはBASF社から入手可能なIrgacure(登録商標)819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、Irgacure(登録商標)1800(ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、BASF社から入手可能なLucirinTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)、Lucirin TPO−L(2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド)が挙げられる。
オキシムエステル系化合物として好ましくはBASF社から入手可能なIrgacure(登録商標)OXE01(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)、Irgacure(登録商標)OXE02(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)が挙げられる。
本発明の硬化性組成物はさらに(Ax)とは異なる重合性化合物を含有していることが好ましい。重合性化合物として好ましくは、ラジカル重合性化合物(好ましくは(メタ)アクリル基を有する化合物)、または、カチオン重合性化合物(好ましくはビニルエーテル基、エポキシ基、オキセタン基から選ばれる基を有する重合性化合物)である。
まず、(メタ)アクリル基を1個有する重合性不飽和単量体(1官能の重合性不飽和単量体)としては具体的に、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシ2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールアクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸ダイマー、ベンジル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性(以下「EO」という。)クレゾール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロヘンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールベンゾエート(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下「ECH」という)変性フェノキシアクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシヘキサエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、EO変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリドデシル(メタ)アクリレートが例示される。
本発明で好ましく用いることのできる(メタ)アクリル基を2個有する2官能重合性不飽和単量体の例としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ECH変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリロキシポリエチレングリコールアクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレンオキシド(以後「PO」という。)変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ECH変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)ジ(メタ)アクリレート、ポリエステル(ジ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ECH変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、シリコーンジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルエチレン尿素、ジビニルプロピレン尿素が例示される。
本発明におけるフッ素原子とシリコン原子のうち少なくとも一方を有する重合性化合物は、フッ素原子、シリコン原子、または、フッ素原子とシリコン原子の両方を有する基を少なくとも1つと、重合性官能基を少なくとも1つ有する化合物である。重合性官能基としてはメタアクリロイル基、エポキシ基、ビニルエーテル基が好ましい。
フッ素原子を有する重合性化合物が有するフッ素原子を有する基としては、フロロアルキル基およびフロロアルキルエーテル基から選ばれる含フッ素基が好ましい。
前記フロロアルキル基としては、炭素数が2〜20のフロロアルキル基が好ましく、4〜8のフロロアルキル基より好ましい。好ましいフロロアルキル基としては、トリフロロメチル基、ペンタフロロエチル基、ヘプタフロロプロピル基、ヘキサフロロイソプロピル基、ノナフロロブチル基、トリデカフロロヘキシル基、ヘプタデカフロロオクチル基が挙げられる。
前記L1およびL2は、それぞれ、炭素数1〜4のアルキレン基であることが好ましい。また、前記アルキレン基は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において置換基を有していてもよい。前記m3は、好ましくは1または2である。前記pは4〜6の整数が好ましい。
また、含フッ素基、例えばフロロアルキル基、フロロアルキルエーテル基を1分子中に2つ以上有する化合物も好ましく用いることができる。
フロロアルキル基、フロロアルキルエーテル基を1分子中に2つ以上有する化合物として好ましくは下記一般式(III)で表される重合性化合物である。
Aは(a1+a2)価の連結基を表し、好ましくはアルキレン基および/またはアリーレン基を有する連結基であり、さらにヘテロ原子を含む連結基を含有していても良い。ヘテロ原子を有する連結基としては−O−、−C(=O)O−、−S−、−C(=O)−が挙げられる。これらの基は本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において置換基を有していても良いが、有していない方が好ましい。Aは、炭素数2〜50であることが好ましく、炭素数4〜15であることがより好ましい。
a1は1〜6の整数を表し、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1または2である。
a2は2〜6の整数を表し、好ましくは2または3、さらに好ましくは2である。
R2およびR3はそれぞれ単結合または炭素数1〜8のアルキレン基を表す。m1およびm2はそれぞれ、0または1を表し、m3は1〜3の整数を表す。)
a1が2以上のとき、それぞれのAは同一であってもよいし、異なっていても良い。
a2が2以上のとき、それぞれのR2、R3、m1、m2、m3は同一であっても良いし、異なっていても良い。
Rfはフロロアルキル基、フロロアルキルエーテル基を表し、好ましくは炭素数1〜8のフロロアルキル基、炭素数3〜20のフロロアルキルエーテル基である。
フッ素原子を有する重合性化合物がポリマーの場合、前記フッ素原子を有する重合性化合物を繰り返し単位として含有するポリマーが好ましい。
他の成分との相溶性の観点からフッ素原子を有する重合性化合物はシリコン原子を含有していないことが好ましい。
前記シリコン原子を有する重合性化合物が有するシリコン原子を有する官能基としては、トリアルキルシリル基、鎖状シロキサン構造、環状シロキサン構造、籠状シロキサン構造などが挙げられ、他の成分との相溶性、モールド剥離性の観点から、トリメチルシリル基またはジメチルシロキサン構造を有する官能基が好ましい。他の成分との相溶性の観点からシリコン原子を有する重合性化合物はフッ素原子を含有していないことが好ましい。
芳香族基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、無置換または芳香環上に置換基を有しているベンジル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有しているフェネチル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有しているフェノキシエチル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有している1−または2−ナフチル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有している1−または2−ナフチルメチル(メタ)アクリレート、無置換または芳香環上に置換基を有している1−または2−ナフチルエチル(メタ)アクリレート、1−または2−ナフトキシエチル(メタ)アクリレート、レゾルシノールジ(メタ)アクリレート、m−キシリレンジ(メタ)アクリレート、ナフタレンジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、4,4’−ビス(アクリルオキシメチル)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(アクリルオキシメチル)ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
脂環炭化水素基を有する重合性化合物の好ましい例としてはイソボロニル(メタ)アクリレート、1−または2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレートなどの単官能(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,3−アダマンタンジ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
シリコン原子を有する(メタ)アクリレート化合物は前述の化合物が好ましい。
具体的には、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートなどが挙げられる。
また、(Ax)とは異なる重合性化合物としては(メタ)アクリレート基を2〜4個有する化合物が好ましい。
本発明で用いる光硬化性組成物は、上述の重合性化合物および光重合開始剤の他に種々の目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、界面活性剤、酸化防止剤、溶剤、ポリマー成分、顔料、染料等その他の成分を含んでいてもよい。本発明で用いる光硬化性組成物としては、界面活性剤、並びに、酸化防止剤から選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。
本発明で用いる光硬化性組成物には、Si−H結合を有する化合物を含有することが好ましい。Si−H結合を有する化合物としては、分子内にSi−H結合を1個以上有する化合物であり、分子内にSi−H結合を2個以上有する化合物が好ましく、より好ましくは分子内にSi−H結合を2〜10個有する化合物である。Si−H構造を有する部位の部分構造としては−SiH(Me2)構造が好ましい。Si−H結合を有する化合物はポリマー化合物でも非ポリマー化合物でもよいが、非ポリマー化合物であることが好ましい。硬化性組成物を基材へ設置した際の揮発を抑制するために、(B)Si−H結合を有する化合物の1気圧における沸点は200℃以上が好ましい。
好ましい非ポリマー化合物としては下記に示す具体例が挙げられる。
本発明で用いる光硬化性組成物には、界面活性剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる界面活性剤の含有量は、全組成物中、例えば、0.001〜5質量%であり、好ましくは0.002〜4質量%であり、さらに好ましくは、0.005〜3質量%である。二種類以上の界面活性剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。界面活性剤が組成物中0.001〜5質量%の範囲にあると、塗布の均一性の効果が良好であり、界面活性剤の過多によるモールド転写特性の悪化を招きにくい。
ここで、“フッ素・Si系界面活性剤”とは、フッ素系界面活性剤およびSi系界面活性剤の両方の要件を併せ持つものをいう。
このような界面活性剤を用いることによって、半導体素子製造用のシリコンウエハや、液晶素子製造用のガラス角基板、クロム膜、モリブデン膜、モリブデン合金膜、タンタル膜、タンタル合金膜、窒化珪素膜、アモルファスシリコーン膜、酸化錫をドープした酸化インジウム(ITO)膜や酸化錫膜などの、各種の膜が形成される基板上に本発明のインプリント用硬化性組成物を塗布したときに起こるストリエーションや、鱗状の模様(レジスト膜の乾燥むら)などの塗布不良の問題を解決するが可能となる。また、モールド凹部のキャビティ内への本発明で用いる光硬化性組成物の流動性の向上、モールドとレジストとの間の剥離性の向上、レジストと基板間との密着性の向上、組成物の粘度を下げる等が可能になる。特に、本発明のインプリント用硬化性組成物は、前記界面活性剤を添加することにより、塗布均一性を大幅に改良でき、スピンコーターやスリットスキャンコーターを用いた塗布において、基板サイズに依らず良好な塗布適性が得られる。
また、非イオン性の前記Si系界面活性剤の例としては、商品名SI−10シリーズ(竹本油脂(株)製)、メガファックペインタッド31(大日本インキ化学工業(株)製)、KP−341(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
また、前記フッ素・Si系界面活性剤の例としては、商品名 X−70−090、X−70−091、X−70−092、X−70−093、(いずれも、信越化学工業(株)製)、商品名メガフアックR−08、XRB−4(いずれも、大日本インキ化学工業(株)製)が挙げられる。
さらに、本発明で用いる光硬化性組成物には、公知の酸化防止剤を含有することが好ましい。本発明に用いられる酸化防止剤の含有量は、重合性化合物に対し、例えば、0.01〜10質量%であり、好ましくは0.2〜5質量%である。二種類以上の酸化防止剤を用いる場合は、その合計量が前記範囲となる。
前記酸化防止剤は、熱や光照射による退色およびオゾン、活性酸素、NOx、SOx(Xは整数)などの各種の酸化性ガスによる退色を抑制するものである。特に本発明では、酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止や、分解による膜厚減少を低減できるという利点がある。このような酸化防止剤としては、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、含窒素複素環メルカプト系化合物、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、チオシアン酸塩類、チオ尿素誘導体、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体などを挙げることができる。この中でも、特にヒンダードフェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤が硬化膜の着色、膜厚減少の観点で好ましい。
さらに、本発明で用いる光硬化性組成物には、重合禁止剤を含有することが好ましい。重合禁止剤を含めることにより、経時での粘度変化、異物発生およびパターン形成性劣化を抑制できる傾向にある。重合禁止剤の含有量としては、全重合性化合物に対し、0.001〜1質量%であり、より好ましくは0.005〜0.5質量%、さらに好ましくは0.008〜0.05質量%である、重合禁止剤を適切な量配合することで高い硬化感度を維持しつつ経時による粘度変化が抑制できる。重合禁止剤は用いる重合性化合物にあらかじめ含まれていても良いし、組成物にさらに追加してもよい。
本発明に用いうる好ましい重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩、フェノチアジン、フェノキサジン、4−メトキシナフトール、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、ニトロベンゼン、ジメチルアニリン等が挙げられる。特に酸素が共存しなくても効果が高いフェノチアジン、4−メトキシナフトール、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルフリーラジカルが好ましい。
本発明の硬化性組成物には、種々の必要に応じて、溶剤を用いることができる。好ましい溶剤としては常圧における沸点が80〜200℃の溶剤である。溶剤の種類としては組成物を溶解可能な溶剤であればいずれも用いることができるが、好ましくはエステル構造、ケトン構造、水酸基、エーテル構造のいずれか1つ以上を有する溶剤である。具体的に、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、ガンマブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチルから選ばれる単独あるいは混合溶剤であり、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する溶剤が塗布均一性の観点で最も好ましい。
本発明の組成物中における前記溶剤の含有量は、溶剤を除く成分の粘度、塗布性、目的とする膜厚によって最適に調整されるが、塗布性改善の観点から、全組成物中99質量%以下の範囲で添加することができる。本発明の組成物をインクジェット法で基板上に適用する場合、溶剤は、実質的に含まない(例えば、3質量%以下)ことが好ましい。一方、膜厚500nm以下のパターンをスピン塗布などの方法で形成する際には、20〜99質量%の範囲で含めてもよく、40〜99質量%が好ましく、70〜98質量%が特に好ましい。
本発明の組成物では、架橋密度をさらに高める目的で、前記多官能の他の重合性化合物よりもさらに分子量の大きい多官能オリゴマーを、本発明の目的を達成する範囲で配合することもできる。光ラジカル重合性を有する多官能オリゴマーとしてはポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート等の各種アクリレートオリゴマーが挙げられる。オリゴマー成分の添加量としては組成物の溶剤を除く成分に対し、0〜30質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%、最も好ましくは0〜5質量%である。
本発明の硬化性組成物はドライエッチング耐性、インプリント適性、硬化性等の改良を観点からも、さらにポリマー成分を含有していてもよい。前記ポリマー成分としては側鎖に重合性官能基を有するポリマーが好ましい。前記ポリマー成分の重量平均分子量としては、重合性化合物との相溶性の観点から、2000〜100000が好ましく、5000〜50000がさらに好ましい。ポリマー成分の添加量としては組成物の溶剤を除く成分に対し、0〜30質量%が好ましく、より好ましくは0〜20質量%、さらに好ましくは0〜10質量%、最も好ましくは2質量%以下である。本発明の組成物において溶剤を除く成分中、分子量2000以上の化合物の含有量が30質量%以下であると、パターン形成性が向上することからは、該成分は、少ない方が好ましく、界面活性剤や微量の添加剤を除き、樹脂成分を含まないことが好ましい。
次に、本発明のインプリント用硬化性組成物を用いたパターン(特に、微細凹凸パターン)の形成方法について説明する。本発明のパターン形成方法では、本発明のインプリント用硬化性組成物を基板または支持体(基材)上に設置してパターン形成層を形成する工程と、前記パターン形成層表面にモールドを圧接する工程と、前記パターン形成層に光を照射する工程と、を経て本発明の組成物を硬化することで、微細な凹凸パターンを形成することができる。
ここで、本発明のインプリント用硬化性組成物は、光照射後にさらに加熱して硬化させることが好ましい。具体的には、基材(基板または支持体)上に少なくとも本発明の組成物からなるパターン形成層を設置し、必要に応じて乾燥させて本発明の組成物からなる層(パターン形成層)を形成してパターン受容体(基材上にパターン形成層が設けられたもの)を作製し、当該パターン受容体のパターン形成層表面にモールドを圧接し、モールドパターンを転写する加工を行い、微細凹凸パターン形成層を光照射により硬化させる。本発明のパターン形成方法による光インプリントリソグラフィは、積層化や多重パターニングもでき、通常の熱インプリントと組み合わせて用いることもできる。
本発明のパターン形成方法においては、まず、本発明の組成物を基材上に適応してパターン形成層を形成する。
本発明のインプリント用硬化性組成物を基材上に適用する方法としては、一般によく知られた適用方法を採用できる。
本発明の適用方法としては、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法、スピンコート方法、スリットスキャン法、あるいはインクジェット法などにより基材上に塗膜あるいは液滴を適用することができる。また、本発明の組成物からなるパターン形成層の膜厚は、使用する用途によって異なるが、0.03μm〜30μm程度である。また、本発明の組成物を、多重塗布により塗布してもよい。インクジェット法などにより基材上に液滴を設置する方法において、液滴の量は1pl〜20pl程度が好ましく、液滴を間隔をあけて基材上に配置することが好ましい。さらに、基材と本発明の組成物からなるパターン形成層との間には、例えば平坦化層等の他の有機層などを形成してもよい。これにより、パターン形成層と基板とが直接接しないことから、基板に対するごみの付着や基板の損傷等を防止することができる。尚、本発明の組成物によって形成されるパターンは、基材上に有機層を設けた場合であっても、有機層との密着性に優れる。
また、パターンを有するモールドに本発明の組成物を塗布し、基板を押接してもよい。
本発明で用いることのできるモールド材について説明する。本発明の組成物を用いた光ナノインプリントリソグラフィは、モールド材および/または基材の少なくとも一方に、光透過性の材料を選択する。本発明に適用される光インプリントリソグラフィでは、基材の上に本発明の硬化性組成物を塗布してパターン形成層を形成し、この表面に光透過性のモールドを押接し、モールドの裏面から光を照射し、前記パターン形成層を硬化させる。また、光透過性基材上に硬化性組成物を塗布し、モールドを押し当て、基材の裏面から光を照射し、硬化性組成物を硬化させることもできる。
前記光照射は、モールドを付着させた状態で行ってもよいし、モールド剥離後に行ってもよいが、本発明では、モールドを密着させた状態で行うのが好ましい。
本発明において用いられる光透過性モールド材は、特に限定されないが、所定の強度、耐久性を有するものであればよい。具体的には、ガラス、石英、PMMA、ポリカーボネート樹脂などの光透明性樹脂、透明金属蒸着膜、ポリジメチルシロキサンなどの柔軟膜、光硬化膜、金属膜等が例示される。
また、本発明に適用される光インプリントリソグラフィにおいては、光照射の際の基板温度は、通常、室温で行われるが、反応性を高めるために加熱をしながら光照射してもよい。光照射の前段階として、真空状態にしておくと、気泡混入防止、酸素混入による反応性低下の抑制、モールドと硬化性組成物との密着性向上に効果があるため、真空状態で光照射してもよい。また、本発明のパターン形成方法中、光照射時における好ましい真空度は、10-1Paから常圧の範囲である。
さらに、露光に際しては、酸素によるラジカル重合の阻害を防ぐため、チッソやアルゴンなどの不活性ガスを流して、酸素濃度を100mg/L未満に制御してもよい。
上述のように本発明のパターン形成方法によって形成されたパターンは、液晶ディスプレイ(LCD)などに用いられる永久膜(構造部材用のレジスト)やエッチングレジストとして使用することができる。また、前記永久膜は、製造後にガロン瓶やコート瓶などの容器にボトリングし、輸送、保管されるが、この場合に、劣化を防ぐ目的で、容器内を不活性なチッソ、またはアルゴンなどで置換しておいてもよい。また、輸送、保管に際しては、常温でもよいが、より永久膜の変質を防ぐため、−20℃から0℃の範囲に温度制御してもよい。勿論、反応が進行しないレベルで遮光することが好ましい。
得られた各実施例および比較例の硬化性組成物について以下の評価を行った。結果を下記表に示す。
テトラフロロエチレンシート上に各組成物の塗膜を形成し、これに窒素下水銀ランプ光にて、露光照度10mW/cm2、露光量600mJ/cm2で硬化させた。硬化膜を取り出し、TAインストゥルメンツ社製TGA装置Q500を用いて空気下350℃で2時間加熱した際の重量減少を観測した。重量減少率が少ないほど耐熱性が良好である。
<パターン耐熱試験>
モールドとして、線幅80nm、溝深さが150nmの矩形ライン/スペースパターン(1/1)を有し、パターン表面がオプツールDSX(ダイキン工業社製)で処理された石英モールドを用いた。
シリコン基板上に前記硬化性組成物をスピンコート法にて塗布し、膜厚1.5μmのパターン形成層を形成した。これに窒素気流下前記モールドを乗せ、1MPaの圧力でモールドを組成物に押し付けながら365nmの光を含有する水銀ランプ光にて、露光照度10mW/cm2、露光量300mJ/cm2で硬化させ、硬化後、ゆっくりモールドを剥がしパターンを得た。
得られたパターンを空気下300℃で2時間加熱し、耐熱試験を行った。耐熱試験後のパターン形状を走査型電子顕微鏡で観察し、以下のように評価した。
A:モールドに忠実な矩形パターンが得られた。
B:パターントップがわずかに丸みを帯びていたが、パターン高さは忠実であった。
C:パターントップが明らかに丸みを帯びていたが、パターン高さは忠実であった。
D:パターントップが明らかに丸みを帯び、かつ、パターン高さが低かった。
1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン93gをメタノール13gに溶解させ、これに氷冷下濃硫酸2gをゆっくり加えた。30分攪拌した後、氷冷下これに3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン46gをゆっくり加えた。室温で1時間攪拌した後水14gを加え5時間反応させた。水層を分離し、有機層を水洗した後、有機層に濃硫酸4.9gを加え室温で30分攪拌した。水層を除き、有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、濃縮すると粗生成物が得られた。これを減圧蒸留精製すると化合物Ax1が50g得られた。
Ax1の合成において3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシランを3−アクリルオキシプロピルジメチルメトキシシランに変えた以外は同様の手法で合成を行った。
Ax1と1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを2/1のmol比でトルエンと混合しこれに白金ビス(1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン)錯体のキシレン溶液を加えた。室温で24時間反応させた後シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物Ax4を得た。
Ax4の合成において1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのかわりにGelest社製SIB1091を用いた以外は同様の手法により合成を行った。
Ax4の合成において1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのかわりにGelest社製SIP6826を用いた以外は同様の手法により合成を行った。
R2:東亜合成社製、アロニックスM−309
R3:Gelest社製、SIB1402
R4:EP1424339号公報記載の方法により合成
Z1:Gelest社製、SIA0210
B1:2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド(BASF社製、Lucirin TPO−L)
B2:(2−ジメチルアミノー2ー(4メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルフェニル)ブタン−1−オン(BASF社製、Irgacure379EG)
Claims (18)
- 前記Rxがメチル基である、請求項1に記載のインプリント用硬化性組成物。
- 化合物(Ax)が2個以上のシリコン原子を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
- 化合物(Ax)がシリコン原子−酸素原子−シリコン原子で表される部分構造を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
- 化合物(Ax)が(メタ)アクリロイルオキシ基を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
- 化合物(Ax)が一般式(I)で表される部分構造を2つ以上有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
- 化合物(Ax)とは異なる重合性化合物を含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
- 化合物(Ax)とは異なる重合性化合物が、(メタ)アクリレートである、請求項9に記載のインプリント用硬化性組成物。
- 化合物(Ax)が、溶剤を除く全成分の30〜99質量%の割合で含まれる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物を用いることを特徴とする、パターン形成方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載のインプリント用硬化性組成物を基材上に適応してパターン形成層を形成する工程と、
前記パターン形成層表面にモールドを圧接する工程と、
前記パターン形成層に光を照射する工程と、
を含むことを特徴とするパターン形成方法。 - 請求項12または13に記載のパターン形成方法によって得られたパターン。
- 請求項14に記載のパターンを含む電子デバイス。
- 請求項12または13に記載のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011099583A JP5695482B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-04-27 | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン |
KR1020137031316A KR101686024B1 (ko) | 2011-04-27 | 2012-04-26 | 임프린트용 경화성 조성물, 패턴 형성 방법 및 패턴 |
PCT/JP2012/061167 WO2012147828A1 (ja) | 2011-04-27 | 2012-04-26 | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン |
US14/063,739 US9482950B2 (en) | 2011-04-27 | 2013-10-25 | Curable composition for imprints, pattern-forming method and pattern |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011099583A JP5695482B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-04-27 | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012231073A true JP2012231073A (ja) | 2012-11-22 |
JP5695482B2 JP5695482B2 (ja) | 2015-04-08 |
Family
ID=47432386
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011099583A Active JP5695482B2 (ja) | 2011-04-27 | 2011-04-27 | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5695482B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016092269A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-23 | 株式会社トクヤマ | レジスト積層基板、及び該基板を用いた基板表面パターンの形成方法 |
JP2020509592A (ja) * | 2017-03-03 | 2020-03-26 | キヤノン株式会社 | ナノインプリントリソグラフィー用の基板前処理組成物 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3770768A (en) * | 1971-03-01 | 1973-11-06 | Gen Electric | Aliphatically unsaturated organopolysiloxanes |
JPH05313106A (ja) * | 1992-05-08 | 1993-11-26 | Menicon Co Ltd | 眼用レンズ材料 |
JP2008168480A (ja) * | 2007-01-10 | 2008-07-24 | Chisso Corp | ナノインプリント用組成物 |
JP2009259370A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-11-05 | Showa Denko Kk | 磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置 |
JP2010018753A (ja) * | 2008-07-14 | 2010-01-28 | Nippon Kayaku Co Ltd | (メタ)アクリレート化合物及びそれを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物並びにその硬化物 |
JP2010031238A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-02-12 | Hakuto Co Ltd | 多分岐化合物及びその製造方法並びに感光性樹脂組成物及びその硬化物 |
JP2010067621A (ja) * | 2007-09-11 | 2010-03-25 | Fujifilm Corp | ナノインプリント用硬化性組成物、硬化物およびその製造方法 |
WO2010137724A1 (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-02 | 日産化学工業株式会社 | 含フッ素高分岐ポリマー及びそれを含む樹脂組成物 |
-
2011
- 2011-04-27 JP JP2011099583A patent/JP5695482B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3770768A (en) * | 1971-03-01 | 1973-11-06 | Gen Electric | Aliphatically unsaturated organopolysiloxanes |
JPH05313106A (ja) * | 1992-05-08 | 1993-11-26 | Menicon Co Ltd | 眼用レンズ材料 |
JP2008168480A (ja) * | 2007-01-10 | 2008-07-24 | Chisso Corp | ナノインプリント用組成物 |
JP2010067621A (ja) * | 2007-09-11 | 2010-03-25 | Fujifilm Corp | ナノインプリント用硬化性組成物、硬化物およびその製造方法 |
JP2009259370A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-11-05 | Showa Denko Kk | 磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体、及び磁気記録再生装置 |
JP2010031238A (ja) * | 2008-06-23 | 2010-02-12 | Hakuto Co Ltd | 多分岐化合物及びその製造方法並びに感光性樹脂組成物及びその硬化物 |
JP2010018753A (ja) * | 2008-07-14 | 2010-01-28 | Nippon Kayaku Co Ltd | (メタ)アクリレート化合物及びそれを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物並びにその硬化物 |
WO2010137724A1 (ja) * | 2009-05-29 | 2010-12-02 | 日産化学工業株式会社 | 含フッ素高分岐ポリマー及びそれを含む樹脂組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016092269A (ja) * | 2014-11-06 | 2016-05-23 | 株式会社トクヤマ | レジスト積層基板、及び該基板を用いた基板表面パターンの形成方法 |
JP2020509592A (ja) * | 2017-03-03 | 2020-03-26 | キヤノン株式会社 | ナノインプリントリソグラフィー用の基板前処理組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5695482B2 (ja) | 2015-04-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5829177B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5243887B2 (ja) | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 | |
JP5671302B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
KR101603616B1 (ko) | 임프린트용 조성물, 패턴 및 패터닝 방법 | |
JP5665329B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5710553B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
US9482950B2 (en) | Curable composition for imprints, pattern-forming method and pattern | |
JP5511415B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5671377B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5564383B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5498729B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5753749B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物の製造方法 | |
JP5712003B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物およびインプリント用重合性単量体の製造方法 | |
JP5695527B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
WO2012137672A1 (ja) | パターン形成方法およびパターン | |
JP5268384B2 (ja) | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 | |
JP2010106062A (ja) | ナノインプリント用組成物、パターンおよびその形成方法 | |
JP2013179159A (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法及びパターン | |
JP5695482B2 (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン | |
JP5227694B2 (ja) | ナノインプリント用組成物 | |
JP2010157542A (ja) | ナノインプリント用硬化性組成物およびパターン形成方法 | |
JP2012231072A (ja) | インプリント用硬化性組成物、パターン形成方法およびパターン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140108 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141104 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20141209 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150203 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150206 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5695482 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |