JP2016091963A - 二次電池用セパレータ及び二次電池 - Google Patents

二次電池用セパレータ及び二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池用セパレータとして優れた電池特性を発揮し、電池の高温時にセパレータがシュリンクや溶融することなく、耐熱性が良く、安全性を改善することができ、270℃以上の高温となった際には安全対策のためのシャットダウン機能も有している二次電池用セパレータ及びその製造方法、そして、それを用いた二次電池の提供。
【解決手段】多孔膜又は多孔膜と支持体を一体化した多孔膜積層体で構成された二次電池用セパレータであって、前記多孔膜は、主成分がガラス転移温度190〜250℃の熱可塑性樹脂であり、前記多孔膜は、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が0.01〜10μmであり、前記多孔膜の内部の平均開孔率が30〜80%であり、前記セパレータの透気度の値が0.5〜100秒であり、前記セパレータの厚みが10〜50μmである二次電池用セパレータ。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス転移温度が190〜250℃の熱可塑性樹脂の多孔膜又は多孔膜と不織布を一体化した二次電池用セパレータ及び二次電池に関するものである。
リチウムイオン電池などの非水系二次電池は、既に携帯電話などの携帯機器用途を中心に広範に普及しており、今ではなくてはならない存在になっている。今後はハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車などの車載用電池として、また産業用電池として用途が急速に拡大していくことが予想される。車載用、産業用電池の開発においては、高容量化、高出力化、大型化が進められる一方で、これまで以上に高い安全性が求められる。それに伴い、セパレータにもリチウムイオンが均一で低抵抗に通過する優れたイオン透過性と、耐熱性や耐短絡性などの安全性が同時に求められている。
従来からセパレータとしてはポリエチレン系のセパレータが用いられており、何らかの原因で温度が上昇すると約130℃でセパレータに開いている細孔が目詰まりして、電流やイオンを遮断するシャットダウン機能を有している。しかし、速い温度上昇では細孔の目詰まりだけでなく、セパレータが収縮(シュリンク)してしまい、電極の短絡が起こり、危険な状態に進んだり、セパレータが溶融(メルトダウン)してしまい、もはやセパレータとしての機能を失ってしまい、非常に危険な状態に推移したりする恐れがある。
このような問題に対応するため、ポリオレフィン系セパレータの片面または両面にアラミドからなる耐熱保護層(HRL)を設けたセパレータが開示されている(特許文献1,2)。しかしながら、この耐熱保護層の効果は限定的で、ある程度耐熱性を改善する効果を持つものの、基本的にポリオレフィン系樹脂を用いているため、シュリンクやメルトダウンを完全に阻止できるものではなく、本質的な問題を解決できていない。
上記の問題を改善するためにセパレータを構成する樹脂を耐熱性に優れる樹脂に変更する方法がある。例えば、特許文献3には樹脂としてアラミドを用いた多孔膜が開示されている。アラミドは耐熱性に優れた樹脂であるので、ポリエチレン系セパレータのようなシュリンクや溶融(メルトダウン)することがなく、安全性を改善することができる。しかし、アラミド多孔膜は実質的に融点を持たないため、安全対策のためのシャットダウン機能を発現しないという課題があった。一般的に、セパレータの耐熱性とシャットダウン機能は相反する特性のため、両立は困難と考えられている。
これを解決する方法として、例えば特許文献4では、耐熱性の良いアラミド系セパレータにシャットダウン機能を有する115〜145℃の融点を持つ粒子とバインダーをコートし、セパレータの耐熱性とシャットダウン機能を両立する方法が開示されている。しかし、これはセパレータの孔の閉塞、粒子の脱落、フィルムの厚膜化、工程の複雑化、コスト高など多くの課題を抱えている。
また、特許文献5には、ポリエーテルイミド系多孔膜が開示されているが、フィルター、電解質膜支持体、回路用基板、印刷基材に利用できると記載されている。また、その空孔を機能性材料で充填することにより、燃料電池用セパレータ、燃料電池用電解質膜(支持体)に利用できることが記載されているが、二次電池用セパレータ用途は開示されていない。
本来、燃料電池のセパレータとは、セルとセルを仕切る板状のもので、孔は開いていないため、多孔質の材料を使うことは出来ない。よって、特許文献5に記載されている燃料電池用セパレータとは、燃料電池用電解質膜(支持体)と同じものを意味していると考えられる。そして、燃料電池は、よく知られているように、電池の一種ではなく、発電装置の一種であり、構造がいわゆる電池と全く異なっている。
燃料電池では電解質膜支持体を必ず使うわけではないが、使う場合は、孔に固体の電解質を詰めて孔を完全に埋めて使用する。一方、二次電池におけるセパレータは、電極がショートしないようにするとともに、リチウムイオン等が自由に通る必要があるため、孔に何も充填しないで使用するため、燃料電池とは使用方法も全く異なっている。
特開2008−243805号公報 特開2010−92881号公報 国際公開WO2013/105300号公報 特許第5533265号 特許第4969192号
二次電池用セパレータは、過去の発火事故や自動車用用途や産業用用途での安全性向上のため、より高い耐熱性が求められている。また、耐熱性と共に安全対策のためのシャットダウン機能も有していることも求められている。
本発明の目的は、二次電池用セパレータとして使用した時に電池としての優れた特性を有し、何らかの原因で電池が約150℃以上の高温になった時にセパレータがシュリンクや溶融(メルトダウン)することなく、従来の二次電池用セパレータより耐熱性が良く、安全性を改善することができると共に、270℃以上の高温となった際には安全対策のためのシャットダウン機能も有している二次電池用セパレータ及びその製造方法、そして、それを用いた二次電池を提供することにある。
そこで、本発明者らが、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ガラス転移温度が190〜250℃の耐熱性の熱可塑性樹脂の多孔膜を二次電池用セパレータとして用いることでこれらの問題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の二次電池用セパレータは、多孔膜又は多孔膜と支持体を一体化した多孔膜積層体で構成された二次電池用セパレータであって、前記多孔膜は、主成分がガラス転移温度190〜250℃の熱可塑性樹脂であり、前記多孔膜は、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が0.01〜10μmであり、前記多孔膜の内部の平均開孔率が30〜80%であり、前記セパレータの透気度の値が0.5〜100秒であり、前記セパレータの厚みが10〜50μmであることを特徴とする。
また、本発明の二次電池用セパレータは、前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルイミド系樹脂であることが好ましい。
また、本発明の二次電池用セパレータは、前記支持体が不織布基材であることが好ましい。
また、本発明の二次電池用セパレータは、前記不織布基材が、ポリオレフィン系不織布、ポリアミド系不織布、又はこれらを不織布の一部に含む多層不織布であることが好ましい。
また、本発明の二次電池用セパレータは、前記不織布基材の厚みが10〜30μmであることが好ましい。
また、本発明の二次電池用セパレータは、前記多孔膜表面の算術平均表面粗さSaが0.5μm以下であることが好ましい。
また、本発明の二次電池用セパレータは、前記多孔膜の原料となる高分子溶液が、高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー5〜50重量%、水0〜10重量%、及び水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液であることが好ましい。
本発明の二次電池は、上記の二次電池用セパレータを用いることを特徴とする。
本発明の二次電池用セパレータは、主成分がガラス転移温度190〜250℃の熱可塑性樹脂である多孔膜を用いることにより、電池が約150℃以上の高温になった時にセパレータがシュリンクや溶融(メルトダウン)することなく、従来の二次電池用セパレータより耐熱性が良く、安全性を改善することができると共に、付加的な煩わしい工程を付与することなく、270℃以上の高温となった際には安全対策のためのシャットダウン機能も失うことなく有している。
製造例1で作製された多孔膜表面の電子顕微鏡写真(SEM写真)である。
本発明の二次電池用セパレータは、多孔膜又は多孔膜と支持体が一体化した多孔膜積層体である。以下、この多孔膜積層体を単に積層体と称する場合もある。本発明の二次電池用セパレータは、支持体を有さず多孔膜のみでもよい。また、支持体の片面又は両面に多孔膜を有する積層体であってもよい。本発明の二次電池用セパレータは、前記多孔膜、支持体以外の層(例えばコーティング層やアンカー層)を有していてもよい。本発明の二次電池用セパレータについて、詳細を以下に説明する。
[多孔膜]
前記多孔膜は、主成分がガラス転移温度190〜250℃の耐熱性の熱可塑性樹脂からなる。前記ガラス転移温度190〜250℃の耐熱性の熱可塑性樹脂の含有量は、前記多孔膜を構成する成分全量に対して、例えば50重量%以上であり、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。前記多孔膜は、前記ガラス転移温度190〜250℃の耐熱性の熱可塑性樹脂のみからなることが特に好ましい。
前記ガラス転移温度が190〜250℃の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は単独で又は2種以上混合して使用してもよく、また、上記熱可塑性樹脂の共重合体(グラフト重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体等)を単独で又は組み合わせて用いることも可能である。さらに、上記樹脂の骨格(ポリマー鎖)を主鎖又は側鎖に含む重合物を用いることも可能である。なかでも、前記熱可塑性樹脂の好ましい例として、耐熱性があり、耐薬品性、電気特性に優れているポリエーテルイミド系樹脂が挙げられる。
前記ガラス転移温度は、190〜250℃であり、好ましくは195〜245℃、より好ましくは200〜240℃、さらに好ましくは、210〜230℃である。ガラス転移温度が190℃未満であると、何らかの原因で温度が上昇すると、細孔の目詰まりが起こりやすくなるだけでなく、セパレータがシュリンクし、電極の短絡が起こる恐れや、溶融(メルトダウン)し、セパレータとしての機能を失ったりする恐れがある。特に急激な温度上昇の場合、上述の現象が起こりやすい。一方、ガラス転移温度が250℃を超えると、何らかの原因で温度が上昇してもシャットダウンされず、電池の危険性を低下させる効果が発現されず好ましくない。上記ガラス転移温度は、特に限定されないが、JIS K7121に従い、例えば以下の方法で測定することができる。
(ガラス転移温度の測定方法)
示差走査熱量測定機(DSC)を用いて、あらかじめ転移温度より約50℃低い温度で装置が安定するまで保持した後、加熱速度を毎分20℃で転移終了温度よりも約30℃高い温度まで加熱し、DSC曲線を描かせる。このDSC曲線のガラス転移前後のベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点の温度(中間点ガラス転移温度)をガラス転移温度とする。なお、熱可塑性樹脂が複数のガラス転移温度を有するときは、少なくとも1つのガラス転移温度が190〜250℃の範囲となればよい。
また、本願の効果を損なわない範囲で、ガラス転移温度が190℃未満や250℃超の熱可塑性樹脂を使用することもできる。ガラス転移温度が190℃未満や250℃超の熱可塑性樹脂の含有量は、前記多孔膜を構成する成分全量に対して、例えば20重量%以下であり、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは5重量%以下である。
前記多孔膜は、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径(=フィルム内部の平均孔径)が0.01〜10μmであるが、好ましくは0.05〜5μmであり、より好ましくは0.1〜2μmである。平均孔径が上記範囲外である場合には、用途に応じた所望の効果が得られにくい点で空孔特性に劣り、例えばサイズが小さすぎる場合には、透気性の低下、電解液の浸透性の低下等を引き起こす場合があり、大きすぎる場合にはデンドライド状リチウム金属の微小短絡が発生したりする場合がある。
前記多孔膜の内部の平均開孔率(空孔率)は、例えば30〜80%、好ましくは40〜80%、より好ましくは45〜80%である。空孔率が上記範囲外である場合には、用途に対応する所望の空孔特性が得られにくく、空孔率が低すぎると、透気性が低下したり、リチウムイオンの移動が妨げられたり、電解液が浸透しにくくなったりし所望の効果が得られない場合があり、空孔率が高すぎると、強度や耐折性に劣る可能性がある。
前記多孔膜の表面の開孔率(表面開孔率)は、例えば48%以上(例えば48〜80%)であり、好ましくは60〜80%程度である。表面開孔率が低すぎると透過性能が充分でない場合が生じる他、電解液が浸透しにくくなったりし、高すぎると強度、耐折性が低下しやすくなる。
前記多孔膜の表面の表面粗さ(算術平均表面粗さSa)は、例えば0.5μm以下であるが、好ましくは0.4μm以下であり、より好ましくは0.3μm以下であり、さらに好ましくは0.2μm以下である。表面粗さが0.5μmを超えると平滑性がなくなり、例えばリチウムイオンが面内で不均一に拡散するため、電流密度の局在化を招くことにつながり、長期使用時などのリチウム金属析出による孔の閉塞および短絡が発生するおそれがある。なお、表面粗さ(算術平均表面粗さSa)は、光干渉法を用いた非接触式表面計測システムを用いて表面形状を測定することにより、実施例記載の方法によって求めることができる。
前記多孔膜は、後述する支持体の少なくとも片面に形成されていればよく、両面に形成されていても良い。前記多孔膜又は多孔膜と支持体を一体化した積層体の厚みは、例えば10〜50μm、好ましくは10〜40μm、より好ましくは10〜30μm、さらに好ましくは10〜20μmである。厚みが薄くなりすぎると安定して製造するのが困難になり、一方厚すぎる場合には透気性が悪くなるという問題がある。
前記多孔膜には、耐薬品性の付与処理が施されていてもよい。その結果、多孔膜に耐薬品性を付与され、多孔膜の利用形態において、溶剤、酸、アルカリ等に接触した場合に、膨潤、溶解、変質等の不具合を避けることができる点で有利である。耐薬品性の付与処理としては、熱、紫外線、可視光線、電子線、放射線等による物理的処理;多孔膜に耐薬品性高分子等を被覆する化学的処理等が挙げられる。
前記多孔膜は、耐薬品性高分子により被覆されていてもよい。このような多孔膜は、例えば多孔膜の表面や内部の微小孔の表面に耐薬品性の被膜が形成され、耐薬品性を有する多孔膜を構成しうる。ここで、薬品とは、従来の多孔性フィルムを構成する樹脂を溶解、膨潤、収縮、分解して、多孔性フィルムとしての機能を低下させるものとして公知のものが挙げられ、多孔膜の構成樹脂の種類によって異なり一概に言うことはできないが、このような薬品の具体例として、EC(エチレンカーボネート)、DEC(ジエチルカーボネート)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ピロリドン、シクロヘキサノン、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、アセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロルエタン、テトラヒドロフラン(THF)等の強い極性溶媒;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩;トリエチルアミン等のアミン類;アンモニア等のアルカリを溶解した水溶液や有機溶媒等のアルカリ溶液;塩化水素、硫酸、硝酸等の無機酸;酢酸、フタル酸等のカルボン酸を持つ有機酸等の酸を溶解した水溶液や有機溶媒等の酸性溶液;及びこれらの混合物等が挙げられる。
前記耐薬品性高分子化合物は、強い極性溶媒、アルカリ、酸等の薬品に優れた耐性を有していても良く、例えば、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ベンゾオキサジン系樹脂、アルキド系樹脂、トリアジン系樹脂、フラン系樹脂、不飽ポリエステル、エポキシ系樹脂、ケイ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂等の熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂;ポリビニルアルコール、酢酸セルロース系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、フッ素系樹脂、フタル酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、飽和ポリエステル、エチレン−ビニルアルコール共重合体、キチン、キトサン等の熱可塑性樹脂等が挙げられる。これらの高分子化合物は、一種または二種以上混合して使用することができる。また、高分子化合物は、共重合物でもよく、グラフト重合物であってもよい。
このような耐薬品性高分子により被覆された多孔膜は、前記強い極性溶媒、アルカリ、酸等の薬品と接触した場合にも、多孔膜が溶解したり、膨潤して変形したりする等の変質が全く生じないか、用途に影響のない程度に変質を抑制することができる。例えば、多孔膜と薬品とが接触する時間が短い場合では、その時間内で変質しない程度の耐薬品性が付与されていればよい。
なお、前記耐薬品性高分子化合物は、同時に耐熱性を有する場合が多いため、前記多孔膜が前記耐薬品性高分子化合物で被覆される前と比較して耐熱性が低下するおそれは少ない。
[支持体]
支持体としては、例えば、不織布基材、多孔膜、メッシュ生地、濾紙などを使用することができる。なかでも支持体としては、加工性、機械的強度、コスト、厚みを薄くできる点から、不織布基材が好ましい。前記支持体は単層であってもよく、同一又は異なる素材からなる複数の層からなってもよい。前記複数の層は、複数の支持体を必要に応じて接着剤等を用いて積層したり、製造段階で積層した積層フィルムであってもよく、コーティング、蒸着、スパッタ等の処理が施されて得られるものでもよい。
前記支持体には、粗化処理、易接着処理、静電気防止処理、サンドブラスト処理(サンドマット処理)、コロナ放電処理、プラズマ処理、ケミカルエッチング処理、ウォーターマット処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、酸化処理、紫外線照射処理、シランカップリング剤処理等表面処理が施されていてもよい。
また、上記表面処理を複数組み合わせて行うことも可能である。例えば、前記支持体に対し、まず、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理、酸化処理、紫外線照射処理等の何れかの処理を施した後、シランカップリング剤処理を行う方法等を利用できる。前記支持体の種類によっては、上記方法は、シランカップリング剤の単独処理と比較して処理が強化される場合がある。前記シランカップリング剤としては、信越化学工業社製やジャパンエナジー社製の製品を挙げることができる。
前記支持体(特に不織布基材)の厚みは、例えば、5〜40μm、好ましくは5〜30μm、より好ましくは5〜20μm、さらに好ましくは5〜10μmである。厚みが薄くなりすぎると取り扱いが困難になる一方で、厚すぎる場合には電池のイオン透過性が低下する場合がある。
前記支持体が不織布基材である場合の目付は、強度保持と柔軟性の観点から、例えば、2〜20g/m2、好ましくは2〜15g/m2、より好ましくは2〜10g/m2、さらに好ましくは2〜8g/m2である。
前記支持体(特に不織布基材)の密度は、適度な透気性確保の観点から、例えば、0.05〜0.90g/cm3、好ましくは0.10〜0.80g/cm3、さらに好ましくは0.15〜0.70g/cm3である。
前記支持体(特に不織布基材)の透気度は30秒以下であることが好ましく、20秒以下であることがより好ましく、10秒以下であることがさらに好ましい。なお、透気度の測定限界は0.1秒程度であるが、前記基材にはその透気度が0.1秒未満であるものも含まれる。
前記支持体と前記多孔膜との密着性を向上させる観点から、前記支持体における前記多孔膜を積層する側の表面には、例えば、サンドブラスト処理(サンドマット処理)、コロナ放電処理、酸処理、アルカリ処理、酸化処理、紫外線照射処理、プラズマ処理、ケミカルエッチング処理、ウォーターマット処理、火炎処理、シランカップリング剤処理等の適宜な表面処理を施すことが好ましい。前記シランカップリング剤としては、上記に例示のものを用いることができる。前記表面処理は、複数を組み合わせて施されてもよく、不織布基材によっては、前記シランカップリング剤処理と、その他の処理を組み合わせて施されることが好ましい。
(不織布基材)
前記不織布とは、繊維を配列させ、接着剤あるいは繊維自身の融着力やからみ合いの力によって繊維相互を接合させて得られるシート状のものを指し、いわゆるペーパーも含む概念とする。前記不織布は、抄紙法、メルトブロー法、スパンボンド法、ニードルパンチ法、エレクトロスピニング法等の一般的に知られた方法で製造することができる。
前記不織布の基材を構成する樹脂の種類は、融点や耐薬品性等に応じて選択できる。前記不織布としては、市販品を利用できる。例えば、廣瀬製紙社製のポリオレフィン不織布(商品名「06HOP−2」、「06HOP−4」、「HOP−10H」)等が入手可能である。その他にも、廣瀬製紙社製の二層不織布(商品名「05EP−16」)等が入手可能である。
前記不織布基材としては、(多孔膜を構成する樹脂のガラス転移温度)>(不織布基材を構成する樹脂の融点)であることが好ましく、このようなものであれば特に制限は無い。ポリオレフィン不織布、ポリエステル不織布、ポリアミド不織布等が好ましく用いられるが、それらの二層不織布、多層不織布でもよい。より好ましくは、ポリオレフィン不織布、二層不織布からなる群より選択された少なくとも一種を利用できる。
現在、一般に入手可能な不織布基材としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン)からなるものが多く、他には、二層不織布(例えば、ポリプロピレン/ポリエステル系樹脂の積層品)もある。これらは多くの種類があり、コスト的にも安価であるため、好ましい。
前記不織布基材として前述の不織布を用いているため、該基材表面に熱融着などの方法により多孔膜を積層することにより、優れた層間密着強度で積層することができるという利点がある。また、柔軟性と優れた空孔特性を備える一方、適度な剛性を有するため、取扱性を向上する効果を得ることができる。
[支持体と多孔膜との組み合わせ]
前記支持体と前記多孔膜との密着性の観点から、前記支持体と前記多孔膜とを構成する成分として、良好な密着性(親和性)を発揮しうる素材を組み合わせて用いることが好ましい。具体的には、前記多孔膜が、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、及びポリイミド系樹脂からなる群より選択された少なくとも一種を含み、前記支持体が不織布基材である場合、ポリオレフィン不織布、ポリエステル不織布、ポリアミド不織布等が好ましく用いられるが、それらの二層不織布、多層不織布からなる群より選択された少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、前記多孔膜が、ポリエーテルイミド系樹脂からなる群より選択された少なくとも一種を含み、前記不織布基材が、ポリオレフィン不織布、ポリエステル不織布等が好ましく用いられるが、それらの二層不織布、多層不織布からなる群より選択された少なくとも一種を含むことがより好ましい。
前記支持体(特に不織布基材)が上記樹脂又は繊維を含む場合、その含有率は前記支持体全体に対して、例えば、60重量%以上であり、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上である。
[多孔膜積層体]
本発明の多孔膜積層体は、前記支持体と前記多孔膜とが優れた密着性で一体化した構造を有する場合には、特に高い機械的強度を備えている。そのため、積層体の総厚みが、例えば50μm未満程度の薄い場合にも十分な強度を発揮できる点で有利である。
本発明の積層体の好ましい形態は、前記支持体の片面又は両面が多孔膜により被覆されており、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が0.01〜10μmである多孔膜を有する積層体であり、その多孔膜の厚みが10〜50μmであり、空孔率が30〜80%であって、支持体の厚みが5〜40μmである。このような積層体は、多孔膜及び支持体を構成する材料や厚み、製造条件等を適宜設定することにより製造できる。
[二次電池用セパレータ]
本発明の二次電池用セパレータは、前述の通り、多孔膜又は多孔膜と支持体が一体化した多孔膜積層体である。前記セパレータの透気度の値は、0.5〜100秒であるが、好ましくは0.5〜50秒であり、より好ましくは0.5〜20秒であり、さらに好ましくは0.5〜10秒である。透気度が上記範囲であるため、高い透気性を保つことができ、積層体は、気体や液体のフィルター、電池用やキャパシタのセパレータなどとして有用である。なお、セパレータの透気度の値は、ガーレー式デンソメーターB型を用い、JIS P8117に準じて、実施例記載の方法で測定できる。
前記セパレータの引張強さは、2.0N/15mm以上であるが、好ましくは3.0N/15mm以上であり、より好ましくは4.0N/15mm以上であり、さらに好ましくは5.0N/15mm以上である。引張強さが一定以上であるため、セパレータの強度や柔軟性を保つことができ、取扱性がよい。なお、セパレータの引張強さは、万能引張試験機を用い、実施例記載の方法で測定できる。
前記セパレータにおける、下記シャットダウン効果の発現確認試験における270℃で30分加熱後の透気度の値の変化は、例えば2倍以上、好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上である。透気度の値の変化が一定以上(例えば2倍以上)であると、シャットダウン効果を発現したと判断され、結果として安全性が向上し、二次電池用セパレータなどとして特に有用である。
(シャットダウン効果の発現確認試験)
前記セパレータ(多孔膜、又は積層体)を約6cm×10cmの概略長方形に整形し、テフロン(登録商標)板上にポリイミドテープで四隅を固定した。次に、設定温度に調温した恒温槽内にテフロン(登録商標)板を投入し約30分間放置した。次にテフロン(登録商標)板を取り出し、室温になるまで放冷した。そして、テフロン(登録商標)板から取り外したセパレータを用いて透気度試験を行った。高温放置前に比べて、透気性が悪化した場合、シャットダウン効果を発現したと判断した。
さらに、前記セパレータは、積層体であっても、下記テープ剥離試験により、前記支持体と前記多孔膜とが界面剥離を起こさない。すなわち、前記支持体と前記多孔膜とが、下記テープ剥離試験で界面剥離が起こらない程度の層間密着強度で積層されていることを意味している。
(テープ剥離試験)
テープ剥離試験は、積層体の多孔膜表面に24mm幅の寺岡製作所社製マスキングテープ[フィルムマスキングテープNo.603(♯25)]を貼り、直径30mm、200gf荷重のローラーで圧着した後、引張試験機を用いた剥離速度50mm/分でT型剥離により行われる。
本発明の二次電池用セパレータは、上記のように積層体であっても、前記支持体と前記多孔膜とが特定の層間密着強度で直接積層された構成を有するため、柔軟性と優れた空孔特性を備える一方、適度な剛性を有するため取扱性が向上している。しかも、多孔膜を構成する熱可塑性樹脂を広く選択することができるため、多様な分野の材料として適用可能であるという利点がある。前記支持体と前記多孔膜との層間密着強度は、各層を構成する素材の種類や界面の物理的特性を適宜設定することにより調整することができる。
前記セパレータは、前記多孔膜が有する空孔特性をそのまま利用することにより、二次電池用セパレータとして利用可能である。さらに、本発明の二次電池用セパレータには、所望の特性を付与するため、必要に応じて熱処理や被膜形成処理を施されていてもよい。
前記セパレータは、二次電池用セパレータとして好ましく利用できる。二次電池用セパレータは、正負極を分離すると共に、電解液の保持性に優れイオン導電性が良好である必要がある。また、耐熱性、柔軟性、強度等の種々の特性を備えていることが求められる。本発明の積層体によれば、これらの特性をバランス良く発揮することができるため、各種二次電池用セパレータとして極めて有用である。
二次電池用セパレータは、過去の発火事故や自動車用用途や産業用用途での安全性向上のため、200℃以上の高耐熱性が求められており、本発明の多孔膜積層体である二次電池用セパレータは、この点からも有用である。また、本発明の二次電池用セパレータでは、電解液に耐性のある支持体(特に不織布)を基材として使用することができるため、支持体の膨潤を防ぐことができる。
[二次電池用セパレータの製造方法]
本発明の二次電池用セパレータは、前記多孔膜を、高分子溶液をフィルム基材上へフィルム状に流延し、凝固液に接触させて多孔化処理を施すなどの方法により製造した後、前記不織布基材の少なくとも片面に多孔膜を熱融着などの方法により積層させることにより製造できる。以下、詳細に説明する。
(多孔膜単体の製造方法)
前記多孔膜は、例えば、高分子溶液をフィルム基材上へフィルム状に流延し、凝固液に接触させて多孔化処理を施した後、フィルム基材から剥離させ、その後乾燥に付して多孔膜を得る方法等により製造できる。凝固液に接触させて多孔質化する方法としては、例えば、湿式相転換法によりフィルムを得る方法(例えば、特開2001−145826号公報参照)、乾式相転換法(例えば、国際公開公報WO98/25997号パンフレット等参照)、及び溶媒置換速度調整材を用いる方法(例えば、特開2000−319442号公報、特開2001−67643号公報参照)等の公知の方法を利用可能である。
前記多孔膜は、ポリオレフィン系多孔膜に代表される樹脂多孔膜の製造方法でも製造することもできる。樹脂多孔膜の製造方法には、大別すると、抽出工程で多孔質化する湿式法と延伸工程で多孔質化する乾式法との二つの方法が挙げられる。前者の方法としては、例えば特開昭58−59072号公報に記載の方法が挙げられる。特開昭58−59072号公報では、可塑剤等を樹脂と共に練り込んで溶融押し出しした後、抽出槽で可塑剤等を抽出して多孔質化する製造方法が開示されている。
一方、後者の方法としては、例えば、特開昭62−121737号公報に記載の方法が挙げられる。特開昭62−121737号公報では、溶融押し出しした原反にラメラ晶を形成させ、縦一軸延伸によりラメラ晶の間を開裂させて多孔質化する製造方法が開示されている。この方法によれば、湿式法とは異なり抽出工程が不要となり、工程が簡素化できる。また、乾式法を用いた二軸延伸多孔質膜の製造方法として、国際公開第2007/098339号に記載の方法が挙げられる。国際公開第2007/098339号には、公知の縦一軸延伸で得た多孔膜を熱間で縦方向に緩和しながら横延伸する技術が開示されている。
流延に付す高分子溶液としては、例えば、多孔膜を構成する素材となる熱可塑性樹脂などの高分子成分、水溶性ポリマー、水溶性極性溶媒、必要に応じて水からなる混合溶液等を用いることができる。
前記多孔膜を構成する素材となる高分子成分としては、水溶性極性溶媒に溶解性を有し相転換法によりフィルムを形成しうるものが好ましく、上記に例示のものを一種又は二種以上混合して利用できる。また、前記多孔膜を構成する高分子成分の代わりに、該高分子成分の単量体成分(原料)や、そのオリゴマー、イミド化や環化等の前の前駆体等を用いてもよい。
流延に付す高分子溶液への水溶性ポリマーや水の添加は、膜構造をスポンジ状に多孔質化するために効果的である。前記水溶性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、多糖類等やその誘導体、及びこれらの混合物等が挙げられる。なかでもポリビニルピロリドンは、フィルム内部におけるボイドの形成を抑制し、フィルムの機械的強度を向上しうる点で好ましい。これらの水溶性ポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。多孔化の観点から、前記水溶性ポリマーの分子量は200以上が良く、好ましくは300以上、特に好ましくは400以上(例えば、400〜20万程度)であり、特に分子量1000以上であってもよい。水の添加によりボイド径を調整でき、例えばポリマー溶液への水の添加量を増やすとボイド径を大きくすることが可能となる。
前記水溶性ポリマーは、膜構造をスポンジ状にするのに非常に有効であり、前記水溶性ポリマーの種類と量を変更する事により多様な構造を得ることが可能である。このため、前記水溶性ポリマーは、所望の空孔特性を付与する目的で、多孔膜を形成する際の添加剤として極めて好適に用いられる。一方、前記水溶性ポリマーは、最終的には多孔膜を構成しない、除去すべき不要な成分である。湿式相転換法を利用する方法においては、前記水溶性ポリマーは水等の凝固液に浸漬して相転換する工程において容易に洗浄除去される。これに対し、乾式相転換法においては、多孔膜を構成しない成分(不要な成分)は加熱により除去され、水溶性ポリマーを加熱によって除去することは、湿式相転換法を利用した場合ほど容易ではない。このように、乾式層転換法を利用した場合よりも、湿式相転換法を利用する製造方法は、所望の空孔特性を有する多孔膜を容易に製造できる点で有利である。
前記水溶性極性溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ピロリドン及びこれらの混合物等が挙げられ、前記高分子成分として使用する樹脂の化学骨格に応じて溶解性を有するもの(高分子成分の良溶媒)を使用することができる。
流延に付すポリマー溶液としては、多孔性フィルムを構成する素材となる高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー5〜50重量%、水0〜10重量%、水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液等が好ましい。この際に、高分子成分の濃度が低すぎると多孔膜の厚みが不十分となったり、所望の空孔特性が得られにくくなったりする。また、高分子成分の濃度が高すぎると空孔率が小さくなる傾向にある。水溶性ポリマーは、フィルム内部を均質なスポンジ状の多孔構造にするために添加するが、この際に濃度が低すぎるとフィルム内部に10μmを超えるような巨大ボイドが発生し均質性が低下する。また水溶性ポリマーの濃度が高すぎると溶解性が悪くなる他、50重量%を超える場合には、フィルム強度が弱くなる等の不具合が生じやすい。水の添加量はボイド径の調整に用いることができ、添加量を増やすことで径を大きくすることが可能となる。
高分子溶液をフィルム状に流延する際に、該フィルムを相対湿度70〜100%、温度15〜90℃からなる雰囲気下に0.2〜15分間保持した後、高分子成分の非溶剤からなる凝固液に導くのが望ましい。流延後のフィルム状物を上記条件におくことにより、多孔膜を均質で連通性の高い状態にすることができる。この理由としては、加湿下に置くことにより水分がフィルム表面から内部へと侵入し、高分子溶液の相分離を効率的に促進するためと考えられる。特に好ましい条件は、相対湿度90〜100%、温度30〜80℃であり、相対湿度約100%(例えば、95〜100%)、温度40〜70℃である。
空気中の水分量がこれよりも少ない場合は、表面の開孔率が充分でなくなる不具合が発生する場合がある。
前記多孔膜の製造方法によれば、例えば、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が0.01〜10μmである多孔膜を容易に成形することができる。本発明における多孔膜の微小孔の径、空孔率、開孔率は、上記のように、高分子溶液の構成成分の種類や量、水の使用量、流延時の湿度、温度及び時間等を適宜選択することにより所望の値に調整することができる。
相転換法に用いる凝固液としては、高分子成分を凝固させる溶剤であればよく、高分子成分として使用する高分子の種類によって適宜選択されるが、例えば、ポリエーテルイミド系樹脂を凝固させる溶剤であればよく、例えば、水;メタノール、エタノール等の1価アルコール、グリセリン等の多価アルコール等のアルコール;ポリエチレングリコール等の水溶性高分子;これらの混合物等の水溶性凝固液等が使用できる。
前記多孔膜の製造方法においては、凝固液に導いてフィルム基材表面に多孔膜を成形した後、剥離し、そのまま乾燥に付すことにより、多孔膜が製造される。乾燥は、凝固液等の溶剤成分を除去しうる方法であれば特に限定されず、加熱下でもよく、室温による自然乾燥であってもよい。加熱処理の方法は特に制限されず、熱風処理、熱ロール処理、あるいは、恒温槽やオーブン等に投入する方法でもよく、多孔膜を所定の温度にコントロールできるものであればよい。加熱温度は、例えば室温〜200℃程度の広範囲から選択することができる。加熱処理時の雰囲気は、空気、窒素、不活性ガスの何れでもよい。空気を使用する場合が最も安価であるが、酸化反応を伴う可能性がある。これを避ける場合は、窒素や不活性ガスを使用するのがよく、コスト面からは窒素が好適である。加熱条件は、生産性、多孔膜の物性等を考慮して適宜設定される。乾燥に付すことにより、多孔膜を得ることができる。
こうして得られた多孔膜には、さらに、熱、可視光線、紫外線、電子線、放射線等を用いて架橋処理を施してもよい。前記処理により、多孔膜を構成する前駆体の重合、架橋、硬化等が進行して高分子化合物を形成し、多孔膜が高分子化合物で構成されている場合には架橋や硬化等が進行し、剛性や耐薬品性等の特性が一層向上した多孔膜を得ることができる。例えば、ポリイミド系前駆体を用いて成形した多孔膜には、さらに熱イミド化あるいは化学イミド化等を施すことによりポリイミド多孔膜を得ることができる。なお、熱架橋は、凝固液に導いた後、乾燥に付すための加熱処理と同時に施すことも可能である。
(支持体と多孔膜の積層)
前記支持体と多孔膜の積層法は熱融着などにより合理的に製造できる。その時、(多孔膜を構成する樹脂のガラス転移温度)>(支持体を構成する樹脂の融点)であることが好ましい。
具体的な製造方法を述べる。支持体の少なくとも片面上に多孔膜を載せ、多孔膜の側から、又は両側から熱源で加熱し、多孔膜と接している支持体表面を少し溶融させることで不織布基材と多孔膜が密着した積層体を得ることができる。この時、多孔膜、支持体、又は両方を摩擦などから保護するため、保護フィルムを片側、又は両側に載せたりすることも好ましい。熱源は、アイロン、ラミネーター、加熱ロールなどを利用することができ、ラミネート装置、ヒートシール装置、カレンダー装置、ロールプレス装置などを使用してもよい。
(多孔膜を構成する樹脂のガラス転移温度)>(支持体を構成する樹脂の融点)であることが好ましいのは、微細孔を持つ多孔膜は、熱による影響をほとんど、あるいは全く受けず、不織布基材のみを少し溶融させるためである。加熱は、不織布が溶融し、多孔膜と密着できればよく、必要以上の加熱は支持体の孔の閉塞を招くおそれがあるため好ましくない。加熱温度は、(多孔膜を構成する樹脂のガラス転移温度)と(支持体を構成する樹脂の融点)の間にするのが好ましく、
(多孔膜を構成する樹脂のガラス転移温度)>(加熱温度)≧(支持体を構成する樹脂の融点)
が好ましい。この時の加熱温度は多孔膜と支持体が接しているところの温度である。例えば、支持体としてポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる不織布基材を用いた場合は、ポリオレフィンの融点が130〜165℃程度であるので、加熱温度は、140〜170℃程度であればいい。
支持体が特に不織布基材である場合、一般的にガーレー式透気度計で測定した透気度は、測定限界の0.1秒以下であるので、熱融着でポリオレフィン系不織布の一部が熱変形しても透気度にはほとんど影響しない。ただし、(不織布を構成する樹脂の融点)以上で長時間保持するのは好ましくない。熱融着をコントロールする技術的なポイントは加熱温度、熱源の移動速度、圧力などであり、これらを適切にコントロールすることが重要である。
高分子溶液を支持体上へフィルム状に流延した後、凝固液に導き、基材から剥離させた膜単体を次いで乾燥に付すことにより得られた多孔膜と支持体を熱融着などにより積層するものであり、多孔膜を構成する樹脂のガラス転移温度>支持体を構成する樹脂の融点であることが好ましい。
このような方法で、優れた空孔特性を有する多孔膜と支持体とが直接積層された積層体を容易に得ることができる。
前記多孔膜積層体の製造方法によれば、前記基材の片面、又は両面が前記多孔膜により被覆されており、前記多孔膜は連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が0.01〜10μmである多孔膜を有する積層体を容易に得ることができる。
本発明の多孔膜又は多孔膜積層体は、空孔特性や表面平滑性に優れ、耐熱性とシャットダウン機能を有し、しかも取扱性及び成形加工性に優れるため、特に二次電池用セパレータとして、又はその一部として有用である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。テープ剥離試験、平均孔径の測定、多孔膜の内部の平均開孔率(空孔率)の測定、透気度試験、シャットダウン効果の発現確認試験、算術平均表面粗さSa(表面粗さ)の測定、引張強さの測定は以下の方法で行った。
(テープ剥離試験)
(i)積層体の多孔膜表面に下記のテープを貼り、下記のローラーで接着部分をなぞり、テープを圧着する。
(ii)下記の万能引張試験機を用いて50mm/分の条件でT型剥離を行う。
(iii)多孔膜と支持体の界面剥離の有無を観察する。
・テープ:寺岡製作所製、(商品名「フィルムマスキングテープNo.603(♯25)」、24mm幅)
・ローラー:直径30mm、200gf荷重
・万能引張試験機:(株)オリエンテック社製(商品名「TENSILON RTA−500」)
なお、実施例1におけるフィルムの平均孔径及び空孔率は以下の方法で算出した。これらの平均孔径及び空孔率は、電子顕微鏡写真の最も手前に見えている微小孔のみを対象として求められており、写真奥に見えている微小孔は対象外とした。
(平均孔径の測定)
電子顕微鏡写真から、積層体の表面又は断面の任意の30点以上の孔についてその面積を測定し、その平均値を平均孔面積Saveとした。孔が真円であると仮定し、下記式を用いて平均孔面積から孔径に換算した値を平均孔径とした。ここでπは円周率を表す。
表面又は内部の平均孔径[μm]=2・(Save/π)1/2
(多孔膜の内部の平均開孔率(空孔率)の測定)
内部の空孔率を下記式より算出した。
Vはフィルムの体積[cm3]、Wは多孔膜の重量[g]、ρは多孔膜素材の密度[g/cm3]を示す。ポリエーテルイミドの密度は1.27[g/cm3]、ポリアミドイミドの密度は1.45[g/cm3]とした。
空孔率[%]=100−100・W/(ρ・V)
(透気度試験)
透気度は、テスター産業株式会社製のガーレー式デンソメーターB型を用い、JIS P8117に準じて測定した。秒数はデジタルオートカウンターで測定した。透気度(ガーレー値)の値が小さいほど空気の透過性が高いこと、つまり多孔膜における微小孔の連通性が高いことを意味する。なお、基材の透気度、積層体の透気度の何れも、特に断りの無い限り、本試験法で評価した。
(シャットダウン効果の発現確認試験)
セパレータ(多孔膜、又は積層体)を約6cm×10cmの概略長方形に整形し、テフロン(登録商標)板上にポリイミドテープで四隅を固定した。次に、設定温度に調温した恒温槽内にテフロン(登録商標)板を投入し約30分間放置した。次にテフロン(登録商標)板を取り出し、室温になるまで放冷した。そして、テフロン(登録商標)板から取り外したセパレータを用いて透気度試験を行った。高温放置前に比べて、透気性が悪化した場合、シャットダウン効果を発現したと判断した。
(算術平均表面粗さSa(表面粗さ)の測定)
光干渉法を用いた非接触式表面計測システムVertScan2.0(株式会社菱化システム製)を用いて表面形状を測定することにより表面粗さを算出した。測定領域は、250μm×188μmの範囲とした。測定条件は、対物レンズ=50倍、鏡筒=0.5×Body、ズームレンズ=NoRelay、波長フィルター=530white、測定モード=Wave、視野サイズ=640×480である。表面粗さとして、算術平均表面粗さ(Sa)を用いた。
(引張強さの測定)
大きさ15×150mmの試験片をサンプル作成時のMD方向(流れ方向)にとり、万能引張試験機を用い、チャック間距離を100mmとして毎分200mmの速さで試験片を引っ張り、その引張り強さを測定した。単位はN/15mmで表わした。
[製造例1]
ポリエーテルイミド系樹脂溶液(ガラス転移温度217℃;日本GEプラスチック製、商品名「ウルテム1000P」;固形分濃度18重量%、溶剤NMP)100重量部に、水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(分子量5.5万)30重量部を加えて製膜用の原液とした。
ガラス板上に基材として、帝人・デュポン社製のPETフィルム(厚み100μm:商品名「HS74AS」)の易接着面を上にしておき、該PETフィルム上に25℃に保持した原液をフィルムアプリケーターを使用してキャストした。キャスト時のフィルムアプリケーターとPETフィルムとのギャップは51μmで行った。キャスト後速やかに湿度約100%、温度50℃の容器中に4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固・洗浄していると、自然とPETフィルムから多孔膜が剥離した。室温下で自然乾燥することによって多孔膜(セパレータ)を得た。多孔膜のガラス転移温度は、使用した樹脂と同じ217℃であり、厚みは23μmであった。この多孔膜を電子顕微鏡で観察したところ、多孔膜の表面に存在する孔の平均孔径は1μmであり、多孔膜内部はほぼ均質で全域に亘って平均孔径が1μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔膜内部の空孔率は73%であった。多孔膜の透気度を測定したところ3秒であった。図1に、製造例1で得られた多孔膜表面の電子顕微鏡写真(SEM写真)を示す。多孔膜の表面粗さSaの値は0.11μmであった。多孔膜の引張強さは3.8N/15mmであった。
[製造例2]
製造例1のポリエーテルイミド系多孔膜を廣瀬製紙製ポリオレフィン不織布(厚み13μm、目付約2.6g/m2、密度約0.20g/cm3、透気度0.1秒:商品名「06HOP−2」)の上に重ね合わせ、それを、二つ折りにしたPIフィルム(東レ・デュポン社製、厚み25μm:製品名「カプトン100H」)の間に挟みこんだ。アイリスオーヤマ社製ラミネーター(品番:LFA341D)の温度設定目盛りを13(約150℃)とし、設定温度に到達した状態で、PIフィルムごと両側から加熱した。ラミネーターのラミネート速度は約47cm/分であった。
上記の方法により、ポリエーテルイミド系多孔膜とポリオレフィン不織布とが一体化した積層体(セパレータ)を得た。積層体の総厚みは39μmであった。両側から加熱したため、ポリオレフィン不織布の面の表面が若干熱溶融し、平滑性が増していた。ポリエーテルイミド系多孔膜の側はガラス転移温度が217℃のため変化は見られなかった。
得られた積層体についてテープ剥離試験を行ったところ、不織布と多孔膜とが界面剥離を起こさなかった。この積層体を電子顕微鏡で観察したところ、多孔膜の表面に存在する孔の平均孔径は1μmであった。積層体の透気度を測定したところ4秒であり、積層前のポリエーテルイミド系多孔膜の値とほとんど同じであった。積層体としたことによる透気性の悪化は見られなかった。多孔膜の表面粗さSaの値は0.11μmであった。多孔膜の引張強さは5.2N/15mmであった。
[製造例3]
ポリアミドイミド系樹脂溶液(ガラス転移温度300℃;東洋紡績社製の商品名「バイロマックスHR11NN」;固形分濃度15重量%、溶剤NMP、溶液粘度20dPa・s/25℃)100重量部に、水溶性ポリマーとしてポリビニルピロリドン(分子量5.5万)35重量部を加えて製膜用の原液とした。ガラス板上に基材として、帝人・デュポン社製のPETフィルム(厚み100μm:商品名「HS74AS」)の易接着面を上にしておき、該PETフィルム上に25℃に保持した原液をフィルムアプリケーターを使用してキャストした。キャスト時のフィルムアプリケーターとPETフィルムとのギャップは51μmで行った。キャスト後速やかに湿度約100%、温度50℃の容器中に4分間保持した。その後、水中に浸漬して凝固・洗浄していると、自然とPETフィルムから多孔膜が剥離した。
室温下で自然乾燥することによって多孔膜(セパレータ)を得た。多孔膜のガラス転移温度は、使用した樹脂と同じ300℃であり、厚みは23μmであった。この多孔膜を電子顕微鏡で観察したところ、多孔膜の表面に存在する孔の平均孔径は約0.5μmであり、多孔膜内部はほぼ均質で全域に亘って平均孔径が0.5μmの連通性を持つ微小孔が存在していた。また、多孔膜内部の空孔率は70%であった。多孔膜の透気度を測定したところ3秒であった。図2に、製造例3で得られた多孔膜表面の電子顕微鏡写真(SEM写真)を示す。多孔膜の表面粗さSaの値は0.12μmであった。多孔膜の引張強さは2.3N/15mmであった。
[実施例1]
製造例1で得られた多孔膜(セパレータ)に対して、シャットダウン効果の発現確認試験を行った。表1にその結果を示した。200℃までは値に変化がなく、優れた耐熱性を示した。さらに、加熱温度を上げるに従い、セパレータの透気性が悪化し、厚みが薄くなり、270℃に加熱すると透気度が、加熱前に比べ3倍以上となり、シャットダウン効果の発現が確認された。よって、270℃以上の加熱によりセパレータの空孔率や開口率が減少することで異常時に電池を安全な状態にシフトできると考えられる。
[実施例2]
製造例2で得られた積層体(セパレータ)に対して、シャットダウン効果の発現確認試験を行った。表2にその結果を示した。270℃に加熱すると、透気度が、加熱前に比べ10倍以上となり、セパレータの透気性が悪化し、厚みが薄くなり、シャットダウン効果の発現が確認された。よって、実施例1と同様に270℃以上の加熱によりセパレータの空孔率や開口率が減少することで異常時に電池を安全な状態にシフトできると考えられる。
[実施例3]
宝泉社製リチウムイオン電池評価用セル(HSセル)を用いてリチウムイオン電池を作製した。
製造例1で作製した多孔膜(セパレータ)を直径22mm、正極、負極を直径16mmの円形に打ち抜いた。正極にパイオトレック社製の電極フィルム(正極用、容量1.5mAh/cm2、15μm厚のアルミ箔基材上に64μm厚のLiCoO2層が積層されたもの)、負極にパイオトレック社製の電極フィルム(負極用、容量1.6mAh/cm2、10μm厚の銅箔基材上に53μm厚のグラファイト層が積層されたもの)を用いた。電極同士が短絡しないようにセパレータの方を一回り大きくした。セパレータと各電極は80℃で30分間、真空乾燥を行った後に使用した。
窒素置換されたグローブボックス内で評価用セルを組み立てた。評価用セルは耐有機電解液性のステンレス鋼製で、下ボディの内側中央に、LiCoO2面を上にして正極を配置した。この正極の上面にはセパレータを、その上にはグラファイト面を下にして負極を配置し、その上に上ボディを被せて電解液を注入した後、ネジで締め付け、電池を密封した。電解液はキシダ化学社製の、EC(エチレンカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)を1:1体積混合したものを溶媒とし、これに溶質としてLiBF4を1mol/L溶解させたものを用いた。
上記の如く作製した電池に、0.2mAの定電流でセルの電圧が4Vになるまで充電を行った。
このように充電された電池にLEDを接続したところ発光し、リチウムイオン電池として機能していることが確かめられた。
[比較例1]
製造例3で得られた多孔膜(セパレータ)に対して、シャットダウン効果の発現確認試験を行った。表3にその結果を示した。270℃に加熱しても、優れた耐熱性を示したが、セパレータの透気性も厚みも変化は無く、実施例1及び2のようなシャットダウン効果の発現は確認されなかった。加熱によりセパレータの空孔率や開口率が減少しないため、異常時に暴走反応へ移行しにくくするが、電池を安全な状態にシフトできないと考えられる。
[比較例2]
市販のポリオレフィン系セパレータとして、セルガード社製のセパレータ(ガラス転移温度0℃、平均孔径0.06μm、厚み25μm、品番2500)に対して、シャットダウン効果の発現確認試験を行った。表4にその結果を示した。270℃に加熱したところ、試験後にはセパレータは溶融して無孔の樹脂の塊になっておりフィルムとしての形状を保持していなかった(概略形状直径約9mm、厚さ約2mm)。加熱によりセパレータが完全に溶融し液状になり流動するため、異常時には電極の短絡が起こり暴走反応へ移行する可能性が高いと考えられる。

Claims (8)

  1. 多孔膜又は多孔膜と支持体を一体化した多孔膜積層体で構成された二次電池用セパレータであって、
    前記多孔膜は、主成分がガラス転移温度190〜250℃の熱可塑性樹脂であり、
    前記多孔膜は、連通性を有する多数の微小孔を有し、該微小孔の平均孔径が0.01〜10μmであり、
    前記多孔膜の内部の平均開孔率が30〜80%であり、
    前記セパレータの透気度の値が0.5〜100秒であり、
    前記セパレータの厚みが10〜50μmである二次電池用セパレータ。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエーテルイミド系樹脂である請求項1に記載の二次電池用セパレータ。
  3. 前記支持体が不織布基材である請求項1又は2に記載の二次電池用セパレータ。
  4. 前記不織布基材が、ポリオレフィン系不織布、ポリアミド系不織布、又はこれらを不織布の一部に含む多層不織布である請求項3に記載の二次電池用セパレータ。
  5. 前記不織布基材の厚みが10〜30μmである請求項3又は4に記載の二次電池用セパレータ。
  6. 前記多孔膜表面の算術平均表面粗さSaが0.5μm以下である請求項1〜5の何れか1項に記載の二次電池用セパレータ。
  7. 前記多孔膜の原料となる高分子溶液が、高分子成分8〜25重量%、水溶性ポリマー5〜50重量%、水0〜10重量%、及び水溶性極性溶媒30〜82重量%からなる混合溶液である請求項1〜6の何れか1項に記載の二次電池用セパレータ。
  8. 請求項1〜7に記載の二次電池用セパレータを用いた二次電池。
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