JP2016091641A - リチウム二次電池用正極、その耐過放電性向上方法およびリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用正極、その耐過放電性向上方法およびリチウム二次電池 Download PDF

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仁 八代
雅弘 細田
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雅弘 細田
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朗 繁田
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宗紀 山田
良彰 越後
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良彰 越後
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Abstract

【課題】深い過放電領域(2〜0.5V)で放電された場合でも、オリビン正極の劣化が抑制され、良好なサイクル特性が維持できるリチウムイオン二次電池用正極、その耐過放電性向上方法およびこの正極からなるリチウム二次電池を提供する。【解決手段】正極活物質としてオリビン型リン酸鉄リチウムを用いたリチウム二次電池用正極であって、過放電領域において以下の特性値を有するリチウム二次電池用正極:1) 電位が2〜0.5V(対Li/Li+)の範囲での放電電位降下平均速度が0.7V/Hr以上である;2) 電位が0.5V(対Li/Li+)に達した時の放電容量増加率が、電位が2V(対Li/Li+)の時の放電容量に対し45%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池用正極、その耐過放電性向上方法およびリチウム二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池が、外部端子の短絡、過剰な放電等により、可逆に充放電を行える容量以上の放電(以下、「過放電」と略記することがある)を行った場合、様々な要因によって電極が劣化する。電極の劣化は、リチウムイオン二次電池の容量の減少やサイクル特性の悪化を招くという問題が生じる。
一方、前記リチウム二次電池の正極活物質として、様々な無機化合物が実用化されているなかで、オリビン型構造を有するリン酸鉄リチウムを正極活物質として使用する正極材料(以下、「オリビン正極」と略記することがある)が開発されている。
前記オリビン型リン酸鉄リチウム化合物は、リチウム塩、鉄塩、およびリン酸化合物等からなる混合物を加熱するという固相合成法によって容易に得ることができる。このオリビン型鉄リン酸リチウムは鉄を主成分とするため材料コストおよび資源面からも優位性があるため、車載用途、携帯型電子機器用途等で実用化が進んでいる。これらオリビン正極を用いたリチウム二次電池についても、電池を構成する際に、過放電状態を防止するための制御回路や監視回路を設ける方法が提案されている。(例えば、特許文献1、2)
オリビン正極は、通常、3.4〜3.6V(対Li/Li)の電位で充放電が行われる。 (ここで、「Li/Li」とは、Liの標準単極電位を言う。 本発明で、以下、単に「電位」と表記した時は、Liの標準単極電位に対する電位を指すものとする。) 3V未満の電位は、過放電領域であり、この過放電に起因する充放電容量の減少を抑制する方法が提案されている。 例えば、特許文献3には、オリビン正極の活物質層に、第二活物質として、フェナントレンキノン化合物を配合したオリビン正極が提案されている。 この正極は、過放電状態で2.8V付近に平坦領域を有するものであり、2.8Vまでの過放電領域であれば、再度充放電した際も、劣化することなく充放電サイクルが維持されることが示されている。 一方、本発明者らは、オリビン正極の過放電対策として、オリビン型リン酸鉄リチウムからなる活物質層(以下「オリビン活物質層」と略記することがある)とポリアニリン等導電性高分子からなる導電層とを積層した正極材料を提案した。(特許文献4) この正極は2〜0.5Vでの放電電位降下平均速度を0.3V/Hr以上の範囲としたものであり、このことにより、制御回路による電圧降下の検出を容易ならしめようとするものであった。
特開2013−247003号公報 特開2014−52296号公報 特開2012−113841号公報 特開2012−226904号公報
しかしながら、特許文献3に開示されたようなオリビン正極では、通常の動作電位より僅かに低い2.8V程度の浅い過放電であれば、その電極劣化防止効果が認められたとしても、2〜0.5Vの電位という深い過放電領域、すなわち電位のレベルが通常時よりも異常に低い過放電領域ではその効果が乏しかった。 また、特許文献4に開示されたようなオリビン正極では、深い過放電領域である2〜0.5Vの範囲で、その電位降下速度の向上があったとしても、引き続き充放電を繰り返した時に、徐々に放電容量が低下し、充分なサイクル特性が得られないことがあった。 すなわち、2〜0.5Vの過放電領域での劣化が抑制されたオリビン正極は、従来知られていなかった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、深い過放電領域(2〜0.5V)で放電された場合でも、オリビン正極の劣化が抑制され、良好なサイクル特性が維持できるリチウムイオン二次電池用正極、その耐過放電性向上方法およびこの正極からなるリチウム二次電池を提供することにある。
本願発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討した結果、活物質としてオリビン型リン酸鉄リチウムを用いたリチウム二次電池の正極において、深い過放電放領域における電位降下平均速度と放電容量増加率とを特定の範囲とすることにより、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、正極活物質がオリビン型リン酸鉄リチウムからなるリチウム二次電池用正極であって、過放電領域において以下の特性値を有することを特徴とするものである。
1) 電位が2〜0.5V(対Li/Li)の範囲での放電電位降下平均速度が0.7V/Hr以上である。
2) 電位が0.5V(対Li/Li)に達した時の放電容量増加率が、電位が2V(対Li/Li)の時の容量に対し45%以下である。
本発明のオリビン正極によれば、これを用いたリチウムイオン二次電池において、例えば、2〜0.5Vの電位範囲で過放電された場合でも、引き続き充放電を繰り返した時、良好なサイクル特性を示す。 従い、深い過放電によるオリビン正極の劣化を防止することができ、耐過放電性に優れたオリビン電極として有用である。
参考例1において得られたオリビン正極の充放電曲線である。 実施例1において得られたポリアニリン層のCVチャートである。
本発明の正極は、オリビン型リン酸鉄リチウムを活物質として用いる。 オリビン型リン酸鉄リチウムは、一般式Li1−xFe1−yPO(但し、−0.2≦x≦0.2、0≦y≦0.5、MはLi、Ni、Co、Mn、Mg、Al、Ti、Ga、Cu、V、Nb、Zr、Ce、In、Zn、およびYから選ばれる1種以上の元素)で表される。前記一般式においてyの値はy=0とすることができ、この場合には、前記一般式はLi1−xFePOと表すことができる。
オリビン型リン酸鉄リチウムを製造する方法としては、例えば、リン酸リチウム化合物と、リン酸鉄(II)化合物と、必要に応じて添加される金属元素Mを含有する化合物とを水、アルコール等の極性溶媒に分散させてスラリーを作製し、このスラリーを閉容器中、不活性ガス雰囲気下、温度120〜280℃で加熱処理することが挙げられる。このオリビン型リン酸鉄リチウムの平均粒径は10μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。また、前記オリビン型リン酸鉄リチウム表面の少なくとも一部を、必要に応じ、炭素、貴金属等の導電性物質によってコートすることができる。これにより、前記オリビン型リン酸鉄リチウムの電子伝導性をより向上させることができる。前記導電性物質は、炭素であることが好ましい。この場合、前記正極活物質の製造コストおよび重量を大幅に増大させることなく、前記正極活物質の導電性を向上させることができる。 オリビン型リン酸鉄リチウムは市販品も利用することができる。
本発明のオリビン正極は、過放電領域において、電位が2〜0.5V(対Li/Li)の範囲での放電電位降下平均速度が1.0V/Hr以上である。 この放電電位降下速度は、電位が2Vの時の放電容量と、電位が0.5Vの時の放電容量の値から算出することができる。 すなわち、例えば以下の条件でセルを構成し、以下の測定条件で各電位における放電容量曲線を取得した後、この放電容量曲線で、電位が2Vの時の放電容量を読み取り(この値をAmAh/gとする)、さらに、電位が0.5Vに達した時の放電容量を読み取る (この値をBmAh/g)と、放電電位が2Vから0.5Vに達するために要する時間C(Hr)は、放電電流を20mA/gとすると、以下の式で算出することができる。 ここで、放電容量や放電電流は、オリビン活物質層の質量1gに換算した値である。
所要時間C(Hr)=(B−A)/20
2Vから0.5Vに達するまでの電位降下は、1.5Vであるので、前記放電電位降下平均速度は、以下の式で算出できる。
放電電位降下平均速度(V/Hr)=1.5/C
[セルの構成]
・二極式ポーチセル
・対極:金属リチウム
・電解液:1M LiPFin EC+EMC+DMC=1:1:1(体積比)
ここで、ECはエチレンカーボネート、EMCはエチルメチルカーボネート、DMCはジメチルカーボネートの略語である。
[測定条件]
・測定温度:30℃
・充放電範囲:4V〜0.5V(対Li/Li
・充放電電流:20mA/g
本発明のオリビン正極は、過放電領域において、電位が2〜0.5Vの範囲での放電電位降下平均速度が0.7V/Hr以上であり、1.0V/Hr以上が好ましく、1.2V/Hr以上がさらに好ましい。この放電電位降下平均速度が0.7V/Hr未満では、オリビン正極が劣化することがあり、引き続き充放電を繰り返した時、良好なサイクル特性の確保が困難になる。
本発明のオリビン正極は、過放電領域において、電位が0.5Vに達した時の放電容量増加率が、電位が2Vの時の放電容量に対し45%以下であり、30%以下が好ましく、20%以下がさらに好ましい。ここで、放電容量増加率は、前記した値AおよびBを用いて以下の式から算出できる。
放電容量増加率(%)=(B−A)/A*100
この放電容量増加率が45%を超えると、オリビン正極が劣化することがあり、引き続き充放電を繰り返した時、良好なサイクル特性の確保が困難となる。
本発明の正極は、例えば、金属箔からなる集電体上に、オリビン型リン酸鉄リチウム活物質層とp型ドーピングにより酸化状態となる導電性高分子層を形成することにより得ることがきる。 このようにすることにより、前記した本発明の特性を有するオリビン正極を得ることができる。 このような導電性高分子層を設けることにより前記特性が発現する機構については、必ずしも明確ではないが、過放電領域においてp型ドーピングにより酸化状態となる導電性高分子の脱ドーピングによる電気抵抗の急速な増大が寄与しているものと推定される。
前記導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレンや、これらの誘導体等、p型ドーピングにより酸化状態となる導電性高分子であれば制限はないが、ポリアニリンを好ましく用いることができる。
ポリアニリンは、例えば、特許文献4や特開2007−224279等に記載されているような公知の方法により得ることができる。 すなわち、塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸等のプロトン酸の存在下に溶剤中にて、アニリンまたはその誘導体に、5℃以下の温度を保持しつつ、二酸化マンガン、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素等の酸化剤を作用させて酸化重合を行い、プロトン酸を用いてドープされたアニリンの酸化重合体を生成させ、次いで、このドープされたポリアニリンを塩基性物質によって脱ドープすることによって得ることができる。 この脱ドープされたポリアニリンをNMP(N−メチル−2−ピロリドン)等の極性溶媒に溶解させて使用する。 この際、必要に応じて、還元処理やフェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のプロトン酸をドーパントとして配合することができる。 ポリアニリン溶液は市販品を利用することもできる。 このポリアニリンとしては、そのCV(サイクリックボルタンメトリー)チャートにおいて、2.7〜3.3Vおよび3.6〜4.2Vに2つの還元ピークを有しているものを用いることが好ましい。2V以下に還元ピークを有するポリアニリンを用いるとオリビン正極とした時、本発明の特性値が得られない虞がある。
前記集電体としては、アルミニウム箔、ステンレス箔等の金属箔を用いることができるが、アルミニウム箔を用いることが好ましい。 このアルミニウム箔の表面は粗面化処理されていることが好ましい。 粗面化処理されたアルミニウムは、例えば、特開平10−334939、特開平11−86875等に記載されているように、化学エッチングや、直流もしくは交流の電解エッチング等公知の方法により得ることができる。 このような 粗面化されたアルミニウム箔は、市販品を利用することもできる。 粗面化されたアルミニウム箔の表面は、孔径が0.03〜0.9μmの開口部を有していることが好ましい。開口部の孔径はデジタルマイクロスコープ(SEM 倍率5000倍)を用い、その表面のデジタル画像を取得することにより判定することができる。
本発明のオリビン正極は、例えば以下のような方法で容易に製造することができる。 すなわち、粗面化されたアルミニウム箔からなる正極集電体の表面上に、ポリアニリン層、正極活物質であるオリビン型リン酸鉄リチウムにバインダおよび導電材が配合されたオリビン活物質層を順次積層することにより製造することができる。また、逆に、正極集電体の表面上に前記オリビン活物質層、ポリアニリン層を順次積層することにより製造することもできるが、正極集電体の表面上にポリアニリン層、前記オリビン活物質層を順次積層する方法が好ましい。
前記導電材としては、例えばカーボンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類等の炭素物質粉末の1種または2種以上を混合したものを用いることができ、天然黒鉛粉末または人造黒鉛粉とカーボンブラックとの混合物が好ましい。導電材の配合量としては、オリビン型リン酸鉄リチウムに対し5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
また、前記バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン/ポリメタクリレート共重合体等公知のバインダを用いることができる。バインダの配合量としては、オリビン型リン酸鉄リチウムに対し1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
ポリアニリン層は、正極集電体またはオリビン活物質層の表面に、前記ポリアニリン溶液を、塗布、乾燥することにより得ることができる。 ポリアニリン層の厚みは、2〜8μmとすることが好ましく、2〜5μmとすることがさらに好ましい。 ポリアニリンの厚みをこのように設定することにより、前記した本発明のオリビン正極の特性を安定して得ることができる。
前記オリビン活物質層は、前記オリビン型リン酸鉄リチウム粒子に前記バインダ、前記導電材および溶剤を配合してペースト状とし、これを、正極集電体または前記ポリアニリン層の表面に塗布、乾燥することにより得ることができる。
正極活物質層の厚みとしては、通常、300μm以下であり、好ましくは、10〜150μmの範囲であるが、これらに限定されるものではない。
以上、詳述したように、本発明によれば、オリビン正極を用いたリチウム二次電池が深い過放電領域(2〜0.5V)になった場合でも、オリビン活物質層の劣化を抑制することができるオリビン正極およびこの正極を用いたリチウム二次電池を提供することができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
<参考例1>
オリビン型リン酸鉄リチウムとして、LiFePO粉末(ナノリサーチ社製 平均粒径0.9μmのカーボン被覆粉末)を準備した。 90質量部の前記オリビン型リン酸鉄リチウム、2質量部の黒鉛粉(SEC社製SGL3)、1質量部のカーボンブラック(デグサ社製PRINTEX XE2B)、10質量部のポリフッ化ビニリデンを、NMP中で均一に混合し、活物質層用ペーストを調製した。 テーブルコータを用いて、粗面化処理されたアルミニウム箔(日本蓄電器工業社製 JCC箔40C054(H)、厚み40μm、開口部孔径0.1〜0.7μm)に前記ペーストを塗布し、100℃で5分乾燥して厚み20μmの活物質層を有するオリビン正極P−1を得た。 正極P−1の過放電特性を測定するため、前記したセル構成のポーチセルを作製した。このポーチセルは国際公開第2014/17506実施例に記載されているものと同様のセルとした。このセルを用い、先ず、充放電範囲を4〜2Vとして充放電を6回繰り返した。(充放電範囲以外は前記測定条件と同条件とした。) 次いで、充放電範囲を4〜0.5Vとして充放電を行った。 得られた充放電曲線を図1に示す。 図1に示すように、充放電範囲が4〜2Vでは、6回目までの放電カーブが殆ど重なっており、オリビン正極本来の良好なサイクル性を示していることが判る。 また、7回目の放電カーブ(破線)においては、放電電位が2Vまでは、6回目までと重なっているが、放電電位が1V未満の深い過放電領域では、放電電位降下速度が遅くなっていることが判る。 この放電曲線から、電位が2Vおよび0.5Vの時の放電容量を読み取り、前記した式に従って、放電電位降下平均速度と放電容量増加率を算出した結果を表1に示す。 この4〜0.5Vまでの充放電を、さらに43回繰り返すと、サイクルを繰り返す度に顕著に放電容量は低下した。 44回目の放電容量を表−1に示す。
<実施例1>
導電性高分子溶液として、ポリアニリン溶液(ユニチカ社製 「UイミドワニスPANI」 ポリアニリン濃度10質量%のNMP溶液)を準備した。 テーブルコータを用いて、前記アルミニウム箔上にポリアニリン溶液を塗布、100℃で5分乾燥して厚み3μmのポリアニリン層を形成した。得られたポリアニリン層のCV(掃引速度:10 mV/Sec)を測定した。 そのCVチャートを図2に示す。 図2から、このポリアニリンは、約3Vおよび約3.9Vの電位に2つの還元ピークを有していることが判る。 次いで、このポリアニリン層が積層されたアルミニウム箔上に、参考例1で得られたペーストを乾燥後の厚みが20μmになるように塗布、100℃で5分乾燥して、ポリアニリン層上にオリビン活物質層が形成されたオリビン正極P−2を得た。 正極P−2の過放電特性を測定するため、参考例1と同様の試験を行い、放電電位降下平均速度と放電容量増加率を算出した結果を表1に示す。 また、前記した4〜0.5Vまでの充放電を、さらに43回繰り返したが、サイクルを重ねても顕著な放電容量の低下は認められなかった。 44回目の放電容量を表−1に示す。
<実施例2>
ポリアニリン層の厚みを4μmとしたこと以外は実施例1と同様にしてオリビン正極P−3を得た。 正極P−3の過放電特性を測定するため、参考例1と同様の試験を行い、放電電位降下平均速度と放電容量増加率を算出した結果を表1に示す。 また、前記した4〜0.5Vまでの充放電を、さらに43回繰り返したが、サイクルを重ねても顕著な放電容量の低下は認められなかった。 44回目の放電容量を表−1に示す。
<比較例1>
ポリアニリン層の厚みを1μmとしたこと以外は実施例1と同様にしてオリビン正極P−4を得た。 正極P−4の過放電特性を測定するため、参考例1と同様の試験を行い、放電電位降下平均速度と放電容量増加率を算出した結果を表1に示す。 また、前記した4〜0.5Vまでの充放電を、さらに43回繰り返したが、サイクルを重ねる度に徐々に放電容量の低下が認められた。 44回目の放電容量を表−1に示す。
表1に示したように、オリビン正極P−2およびP−3は、電位が2〜0.5Vの過放電領域で、44回の充放電を繰り返しても100mAh/g程度の放電容量を維持しており、深い過放電領域でのオリビン正極の劣化が抑制されていることが判る。これに対し、オリビン正極P−1およびP−4は、7回目の放電容量が大幅に増加するにも拘らず、充放電を繰り返すと、その放電容量が大幅に低下し、オリビン正極の劣化が過度に進んでいることが判る。 従い、本発明のオリビン正極を用いたリチウム二次電池は、耐過放電性に優れている。
Figure 2016091641
本発明のオリビン正極を用いたリチウム二次電池は、耐過放電性に優れるので車載用途、携帯型電子機器等に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 正極活物質としてオリビン型リン酸鉄リチウムを用いたリチウム二次電池用正極であって、過放電領域において以下の特性値を有するリチウム二次電池用正極:
    1) 電位が2〜0.5V(対Li/Li)の範囲での放電電位降下平均速度が0.7V/Hr以上である;
    2) 電位が0.5V(対Li/Li)に達した時の放電容量増加率が、電位が2V(対Li/Li)の時の放電容量に対し45%以下である。
    <前記特性値の測定条件>
    セルの構成
    ・二極式ポーチセル
    ・対極:金属リチウム
    ・電解液:1M LiPF in EC+EMC+DMC=1:1:1(体積比)
    測定条件
    ・測定温度:30℃
    ・充放電範囲:4V〜0.5V(対Li/Li
    ・充放電電流:20mA/g
  2. 金属箔からなる集電体上に、オリビン型リン酸鉄リチウムからなる活物質層とp型ドーピングにより酸化状態となる導電性高分子層とが形成されている請求項1記載のリチウム二次電池用正極。
  3. p型ドーピングにより酸化状態となる導電性高分子層の厚みが2〜10μmである請求項2に記載のリチウム二次電池用正極。
  4. p型ドーピングにより酸化状態となる導電性高分子が、CV(サイクリックボルタンメトリー)チャートにおいて、2.7〜3.3V(対Li/Li)および3.6〜4.2V(対Li/Li)に2つの還元ピークを有しているポリアニリンである請求項2または3に記載のリチウム二次電池用正極。
  5. 金属箔の表面が粗面化処理されている請求項2に記載のリチウム二次電池用正極。
  6. 正極活物質としてオリビン型リン酸鉄リチウムを用いたリチウム二次電池用正極を、請求項1記載の特性とした前記正極の耐過放電性向上方法。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載の正極を用いたリチウム二次電池。
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