JP2016090714A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写メモリーの発生を抑制できる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置1は、感光体ドラム41y〜41k、除電装置45y〜45k、転写ローラー54y〜54k、転写電源装置及び付勢部材542y〜542kを備える。感光体ドラム41y〜41kは、被転写体51の進行方向に沿って配置される。除電装置45y〜45kは、被転写体51の進行方向上流側に隣接する感光体ドラム41y〜41kを除電する。更に除電装置45y〜45mは、下流側に隣接する感光体ドラム41c〜41kを除電する。転写電源装置は、転写ローラー54y〜54kにそれぞれ電位を付与する。付勢部材542y〜542kは、転写ローラー54y〜54kを感光体ドラム41y〜41kに向けて付勢する。感光体ドラム41kに対する押圧力は、感光体ドラム41yに対する押圧力よりも大きく設定される。【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置において、近年、オフィス等の環境の改善のために、感光体ドラム(感光体)を帯電する方式として、オゾンの発生量が少ない帯電方式が採用されることが多くなってきている。オゾンの発生量が少ない帯電方式として、例えば、DC帯電ローラー方式が知られている。しかし、DC帯電ローラー方式を採用する画像形成装置は、従来の帯電方式(スコロトロン方式)を採用する画像形成装置に比べ、感光体ドラムに対する帯電能力が低い。このため、DC帯電ローラー方式の画像形成装置では、転写電界によって感光体ドラムの表面に与えられた電荷が次工程における帯電処理によって打ち消されないおそれがある。その結果、感光体ドラムの表面電位が不均一となって、前工程において転写処理が行われた静電潜像が感光体ドラムの表面に残り、例えば、ハーフトーン画像において画像濃度に差が生じる等、いわゆる転写メモリーが発生しやすい。この問題を解決する発明が特許文献1に記載されている。
特許文献1には、正帯電型の感光体ドラムに対して転写前の除電を行うタンデム方式の画像形成装置が記載されている。詳しくは、特許文献1に記載の画像形成装置は、中間転写ベルトの周回方向(進行方向)に沿って、各色に対応する複数の画像形成ユニットを備える。各画像形成ユニットが備える除電装置は、中間転写ベルトの周回方向に対して上流側に隣接する感光体ドラムへ光を照射する。更に、各画像形成ユニットに含まれる除電装置のうち、隣接する感光体ドラムの間に位置する除電装置は、中間転写ベルトの周回方向に対して下流側に隣接する感光体ドラムへも光を照射する。これにより、トナー像を担持している感光体ドラムの表面(トナー像が転写される前の感光体ドラムの表面)が除電され、転写メモリーの発生が抑制される。
特開2012―23491号公報
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、複数の感光体ドラムのうち、中間ベルトの周回方向に対して最も上流側に位置する感光体ドラムに対して、トナー像が転写される前の除電が行われない。このため、トナー像が中間転写ベルトに転写される際に、最も上流側に位置する感光体ドラムの表面電位が他の感光体ドラムの表面電位よりも高くなっている可能性がある。このような状態で、1つの転写電源装置から各1次転写ローラーに対してバイアス電圧が印加されると、最も上流側に位置する感光体ドラムへ流れ込む電流の値が、他の感光体ドラムに流れ込む電流の値よりも大きくなる可能性がある。その結果、転写メモリーが発生するおそれがある。
この問題を解消する方法として、各1次転写ローラーに対してそれぞれ転写電源装置を設ける方法がある。しかし、複数台の転写電源装置を設けると画像形成装置の小型化及び低コスト化が阻害される。このため、1つの転写電源装置から複数の1次転写ローラーにバイアス電圧を印加しても、転写メモリーの発生を抑制することができる画像形成装置の開発が望まれていた。
本発明は、上記課題に鑑み、転写メモリーの発生を抑制しつつ、画像形成装置の小型化及び低コスト化を図ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、被転写体にトナー像を重ねて転写することによって画像を形成する画像形成装置である。当該画像形成装置は、複数の感光体ドラムと、複数の除電装置と、複数の転写ローラーと、転写電源装置と、複数の付勢部材とを備える。前記複数の感光体ドラムは、前記被転写体の進行方向に沿って配置される。前記複数の除電装置は、前記被転写体の進行方向に沿って前記複数の感光体ドラムそれぞれの下流側に配置され、上流側に位置する前記感光体ドラムをそれぞれ除電する。前記複数の転写ローラーは、前記複数の感光体ドラムのそれぞれに対向して配置される。前記転写電源装置は、前記複数の転写ローラーのうち、前記被転写体の進行方向において最も上流側に位置する前記転写ローラーを含む少なくとも2つの前記転写ローラーにそれぞれ電位を付与する。前記複数の付勢部材は、前記複数の転写ローラーを前記複数の感光体ドラムに向けて付勢することによって、前記複数の感光体ドラムに対する押圧力をそれぞれ設定する。前記複数の除電装置のうち、前記被転写体の進行方向において隣接する前記感光体ドラムの間に位置する前記除電装置は、隣接する前記感光体ドラムのうち、前記被転写体の進行方向に対して下流側に位置する前記感光体ドラムを更に除電する。前記転写電源装置から電位が付与される前記転写ローラーに対向する前記感光体ドラムのうち、最も下流側に位置する前記感光体ドラムに対する押圧力は、最も上流側に位置する前記感光体ドラムに対する押圧力よりも大きく設定される。
本発明の画像形成装置によれば、転写メモリーの発生を抑制しつつ、画像形成装置の小型化及び低コスト化を図ることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 本発明の実施形態1に係る画像形成部の一部を示す模式図である。 本発明の実施形態1に係る1次転写ローラーに対してバイアス電圧を印加するための電源系統を示す図である。 感光体ドラムへ流れる電流の値がバイアス電圧に対してプロットされたグラフを示す図である。 本発明の実施形態1に係る感光体ドラムへ流れる電流の値がバイアス電圧に対してプロットされたグラフを示す図である。 本発明の実施形態2に係る1次転写ローラーに対してバイアス電圧を印加するための電源系統を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。また、以下の実施形態で示す数値や、各構成要素の材質等は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
[実施形態1]
図1を参照して、画像形成装置1について説明する。図1は、画像形成装置1を示す模式図である。本実施形態において、画像形成装置1は、タンデム方式の複合機である。
図1に示すように、画像形成装置1は、搬送部Lと、制御部10と、給紙部20と、画像形成部30と、定着部60と、排出部70とを備える。
搬送部Lは、シートSを給紙部20から排出部70まで定着部60を経由して搬送する。
制御部10は、記憶領域を有する。記憶領域は、プログラムや設定情報などを記憶する。記憶領域は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。制御部10は、記憶領域に予め記憶された制御プログラムを実行することにより、画像形成装置1の各部の動作を制御する。
給紙部20は、給紙カセット21と給紙ローラー群22とを有する。給紙カセット21は、複数枚のシートSを収容可能である。給紙ローラー群22は、給紙カセット21に収容されているシートSを1枚ずつ搬送部Lへ給紙する。なお、シートSは被記録媒体の一例である。
画像形成部30は、給紙されたシートSに画像を形成する。画像形成部30は、トナー供給装置31y、31c、31m、31kと、露光装置32と、画像形成ユニット40y、40c、40m、40kと、転写部50とを含む。
各トナー供給装置31y、31c、31m、31kは、各画像形成ユニット40y、40c、40m、40kへイエロー色、シアン色、マゼンタ色、ブラック色の各トナーを供給する。
露光装置32は、画像形成ユニット40y〜40kが有する感光体ドラム41y〜41kにレーザー光を照射して露光し、感光体ドラム41y〜41kの表面に静電潜像を形成する。
各画像形成ユニット40y、40c、40m、40kは、イエロー色、シアン色、マゼンタ色、ブラック色の各トナー像をそれぞれ形成する。各画像形成ユニット40y、40c、40m、40kは、中間転写ベルト51に沿って配置される。各画像形成ユニット40y、40c、40m、40kは、互いに隣接し合う。詳しくは、画像形成ユニット40y、40c、40m、40kは、この順に中間転写ベルト51の周回方向D(進行方向)の上流側から下流側へ向けて配置される。
転写部50は、中間転写ベルト51を備える。転写部50は、画像形成ユニット40y〜40kによって形成された各トナー像を、中間転写ベルト51を介してシートSに重ねて転写する。トナー像が転写されたシートSは定着部60に搬送される。
定着部60は、加熱部材61及び加圧部材62を有する。定着部60は、加熱部材61及び加圧部材62によってシートSを加熱及び加圧することで、未定着のトナー像をシートSに定着させる。
排出部70は、シートSを装置本体の外部へ排出する。
次に、図1〜図3を参照して、画像形成ユニット40y〜40k及び転写部50について詳細に説明する。図2は、画像形成部30の一部を示す図である。
図2に示すように、各画像形成ユニット40y、40c、40m、40kは感光体ドラム41y、41c、41m、41kに加え、帯電装置42y、42c、42m、42kと、現像装置44y、44c、44m、44kと、除電装置45y、45c、45m、45kと、クリーニング装置46y、46c、46m、46kとをそれぞれ有する。
各感光体ドラム41y、41c、41m、41kは、トナー像及び静電潜像を担持する。各感光体ドラム41y、41c、41m、41kは、回転方向Rへ回転する。感光体ドラム41y〜41kの周面に対向して、感光体ドラム41y〜41kの回転方向Rに沿って順に、帯電装置42y〜42k、現像装置44y〜44k、除電装置45y〜45k及びクリーニング装置46y〜46kが設けられる。本実施形態において、感光体ドラム41y〜41kの直径は、30mm程度である。
帯電装置42y〜42kは、感光体ドラム41y〜41kを所定の電位に帯電させる。本実施形態では、帯電装置42y〜42kは、ローラー帯電方式により、感光体ドラム41y〜41kを正の所定電位に帯電させる。
現像装置44y、44c、44m、44kはそれぞれ感光体ドラム41y、41c、41m、41kに各色のトナーを吐出して静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム41y、41c、41m、41kにそれぞれ各色のトナー像が形成される。
除電装置45yは、隣接する感光体ドラム41y及び感光体ドラム41cの間に配置される。除電装置45cは、隣接する感光体ドラム41c及び感光体ドラム41mの間に配置される。除電装置45mは、隣接する感光体ドラム41m及び感光体ドラム41kの間に配置される。除電装置45kは、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して、感光体ドラム41kの下流側に配置される。
除電装置45y〜45kは、トナー像が中間転写ベルト51に転写された後の感光体ドラム41y〜41kの表面を除電する(以下、転写後イレースと記載する場合がある)。これにより、感光体ドラム41y〜41kの表面電位が略0Vとなる。また、除電装置45kを除く除電装置45y、45c、45mは、トナー像が中間転写ベルト51に転写される前の感光体ドラム41c、41m、41kを更に除電する(以下、転写前イレースと記載する場合がある)。つまり、除電装置45y、45c、45mは、中間転写ベルト51(被転写体の一例)の周回方向Dに対して下流側に位置する感光体ドラム41c、41m、41kを更に除電する。これにより、感光体ドラム41c〜41kの表面におけるトナー像が担持されていない部分の電位が下がる。
一方、感光体ドラム41y、41c、41m、41kのうち、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して最も上流側に位置する感光体ドラム41yには、転写前イレースが実行されない。このため、トナー像が中間転写ベルト51に転写される際に、感光体ドラム41yの表面電位は、他の感光体ドラム41c〜41kの表面電位よりも高くなっている可能性がある。
各クリーニング装置46y、46c、46m、46kはそれぞれ、クリーニンググレードを有する。各クリーニングブレードは、それぞれ、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kの表面に当接して、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kの表面に残留するトナーを掻き取る。これにより、感光体ドラム41y、41c、41m、41kの表面に残留するトナーが除去される。
転写部50は、中間転写ベルト51に加え、駆動ローラー52と、従動ローラー53と、転写ローラーの一例である1次転写ローラー54y、54c、54m、54kと、2次転写ローラー56と、ケーシング541y、541c、541m、541kと、付勢部材の一例であるバネ542y、542c、542m、542kとを有する。
中間転写ベルト51には、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kに形成された各色のトナー像が重ねて転写される。中間転写ベルト51の厚みは、例えば、80μm〜120μm程度である。本実施形態では、中間転写ベルト51は、ポリアミド(PA)などの基材に導電性粒子の一例であるカーボンを分散させた基層を含む。中間転写ベルト51は、基層の表面を被覆する絶縁樹脂層を更に含む。絶縁樹脂層は、例えば、ポリカーボネイト(PC)、アクリル、フッ素系樹脂からなる。絶縁樹脂層の厚みは、数μm程度である。
駆動ローラー52は、駆動源から駆動力が伝達されて回転する。駆動ローラー52及び従動ローラー53は、中間転写ベルト51を張架する。従動ローラー53は、駆動ローラー52の回転に従動して回転する。駆動ローラー52及び従動ローラー53は、中間転写ベルト51を周回方向Dへ周回させる。
1次転写ローラー54y〜54kは、表面抵抗率を調整した弾性ローラーであり、芯金と、芯金の外周面を被覆する弾性層とを含む。本実施形態において、弾性層は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)などの弾性材に導電性粒子の一例であるカーボンを分散させたカーボン分散系導電性ゴムからなる。弾性層の厚みは、3mm程度である。また、本実施形態において、1次転写ローラー54y〜54kの直径は、12mm程度である。各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kの1000V印加時の表面抵抗率は、それぞれ1.0×106Ω/sq以上である。
各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kはそれぞれ軸受部材によって回転可能に支持され、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kに対向して配置される。1次転写ローラー54y〜54kは、各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kの回転軸の位置が、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kの回転軸の位置からずれる(オフセットする)ように配置される。詳しくは、1次転写ローラー54y〜54kは、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して感光体ドラム41y〜41kの回転軸から下流側にオフセットする。本実施形態では、1次転写ローラー54y〜54kの回転軸が、中間転写ベルト51の周回方向Dにおいて感光体ドラム41y〜41kの回転軸から下流側へ4mmオフセットしている。以下、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して、1次転写ローラー54y〜54kの回転軸が感光体ドラム41y〜41kの回転軸からオフセットする量をオフセット量と記載する。
各バネ542y、542c、542m、542kは、各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kの回転軸を支持する軸受部材を介して、各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kと各ケーシング541y、541c、541m、541kとを接続する。各バネ542y、542c、542m、542kは、各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kを各感光体ドラム41y、41c、41m、41kに向けて付勢する。これにより、各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kは、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kを押圧する。各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kが各感光体ドラム41y、41c、41m、41kを押圧するローラー押圧力は、各バネ542y、542c、542m、542kの付勢力を調整することにより設定される。各バネ542y、542c、542m、542kの付勢力は、各バネ542y、542c、542k、542kのバネ定数を変更することによって調整される。
本実施形態では、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kに対するローラー押圧力のうち、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して最も上流側に位置する感光体ドラム41yに対するローラー押圧力が最も小さく設定される。また、感光体ドラム41yよりも下流側に位置する感光体ドラム41c、41m、41kに対するローラー押圧力は、それぞれ等しくなるように設定される。また、感光体ドラム41c、41m、41kに対するローラー押圧力が、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力の2倍以内の大きさとなるように設定されることが好ましい。
ローラー押圧力は、感光体ドラム41y〜41kの直径等に応じて設定される。例えば、ローラー押圧力は、感光体ドラム41y〜41kの直径が大きいほど、小さくなるように設定される。ローラー押圧力は、感光体ドラム41y〜41kの表面電位が高いほど、小さくなるように設定される。ローラー押圧力は、1次転写ローラー54y〜54kの直径が大きいほど、小さくなるように設定される。ローラー押圧力は、1次転写ローラー54y〜54kの表面抵抗率が大きいほど、大きくなるように設定される。ローラー押圧力は、中間転写ベルト51の厚さが大きいほど、大きくなるように設定される。ローラー押圧力は、中間転写ベルト51の表面抵抗率又は体積抵抗率が大きいほど、大きくなるように設定される。本実施形態において、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力は、0.8Nとなるように設定され、各感光体ドラム41c、41m、41kに対するローラー押圧力は、1.6Nとなるように設定される。
2次転写ローラー56は、従動ローラー53に押圧されて、従動ローラー53との間にニップ部Nを形成する。2次転写ローラー56及び従動ローラー53は、シートSがニップ部Nを通過する際に、中間転写ベルト51上のトナー像をシートSに転写する。
図3は、1次転写ローラー54y、54c、54m、54kに対してバイアス電圧を印加するための電源系統を示す図である。図3に示すように、転写部50は、第1転写電源装置の一例である転写電源装置55aを更に備える。転写電源装置55aは、各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kと接続される。転写電源装置55aは、すべての1次転写ローラー54y〜54kに負の電位を付与する。本実施形態において、転写電源装置55aは、定電圧源であり、1次転写ローラー54y〜54kにバイアス電圧を印加する。転写電源装置55aが各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kにバイアス電圧を印加すると、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kと各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kとの間に電界(転写電界)が発生する。各感光体ドラム41y、41c、41m、41kの表面に形成されたトナー像は、転写電界によって中間転写ベルト51へ転写される。バイアス電圧の電圧値は、例えば、マイナス1600Vである。なお、接続点P1と各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kとの間に負荷抵抗が直列に接続されてもよい。接続点P1は、転写電源装置55aと各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kとの接続点である。
次に、図1〜図5を参照して、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kに流れる電流間の電流値の差と各感光体ドラム41y、41c、41m、41kに対するローラー押圧力との関係について、感光体ドラム41y、41mを例に説明する。詳しくは、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力が感光体ドラム41m〜41kに対するローラー押圧力よりも大きく設定された場合に感光体ドラム41y、41mに流れる電流の電流値を、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力が感光体ドラム41m〜41kに対するローラー押圧力よりも小さく設定された場合に感光体ドラム41y、41mに流れる電流の電流値と比較する。図4及び図5は、感光体ドラム41y、41mへ流れる電流の値がバイアス電圧の電圧値Vpに対してプロットされたグラフ(I−V特性)を示す。
図4及び図5において、横軸は、転写電源装置55aから発生するバイアス電圧の電圧値Vp(V)を示し、縦軸は、感光体ドラム41y、41mに流れる電流の電流値Ip(μA)を示す。なお、感光体ドラム41yに流れる電流の電流値Ipは、接続点P1と1次転写ローラー54yとの間で測定され、感光体ドラム41mに流れる電流の電流値Ipは、接続点P1と1次転写ローラー54mとの間で測定される(図3参照)。なお、電圧値Vp(V)及び電流値Ip(μA)は、ともに絶対値を示している。
図4は、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力を1.6Nに設定し、感光体ドラム41m〜41kに対するローラー押圧力を0.8Nに設定した場合において、感光体ドラム41y、41mに流れる電流の電流値Ipを示す。具体的には、折れ線L41が感光体ドラム41yに流れる電流の電流値Ipを示し、折れ線L42が感光体ドラム41mに流れる電流の電流値Ipを示す。図5は、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力を0.8Nに設定し、感光体ドラム41m〜41kに対するローラー押圧力を1.6Nに設定した場合において、感光体ドラム41y、41mに流れる電流の電流値Ipを示す。具体的には、折れ線L51が感光体ドラム41yに流れる電流の電流値Ipを示し、折れ線L52が感光体ドラム41mに流れる電流の電流値Ipを示すに示す。
図4に示すように、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力が感光体ドラム41m〜41kに対するローラー押圧力よりも大きく設定された場合に感光体ドラム41yに流れる電流の電流値Ipと、感光体ドラム41mに流れる電流の電流値Ipとの差(折れ線L41及び折れ線L42の電流値Ip間の差)は、電圧値Vpが1600V近辺において、10μA程度となる。
これに対し、図5に示すように、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力が感光体ドラム41m〜41kに対するローラー押圧力よりも小さく設定された場合に感光体ドラム41yに流れる電流の電流値Ipと、感光体ドラム41mに流れる電流の電流値Ipとの差(折れ線L51及び折れ線L52の電流値Ip間の差)は、電圧値Vpが1600V近辺において、2μA程度となる。したがって、本実施形態によれば、感光体ドラム41m〜41kに対するローラー押圧力を、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力よりも大きく設定することで、感光体ドラム41y、41mに流れる電流の電流値Ipを均一化することができる。好ましくは、感光体ドラム41m〜41kに対するローラー押圧力を、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力の2倍以内に設定する。これにより、各感光体ドラム41y、41mに流れる電流の電流値Ipを、より確実に均一化することができる。
本実施形態では、感光体ドラム41y〜41kのうち、転写前イレースが実行されない感光体ドラム41yの表面電位が最も高くなる。また、転写前イレースが実行される感光体ドラム41m、41c、41kの表面電位は、互いに同程度となる。よって、感光体ドラム41c、41m、41kに流れる電流の電流値は、互いに同程度となる。その結果、感光体ドラム41yに流れる電流の電流値Ipと、感光体ドラム41c、41kに流れる電流の電流値との差は、感光体ドラム41yに流れる電流の電流値Ipと感光体ドラム41mに流れる電流の電流値Ipとの差と同程度となる。したがって、感光体ドラム41c、41kに対するローラー押圧力を感光体ドラム41mに対するローラー押圧力と等しく設定することによって、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kに流れる電流の電流値が均一化される。
以上のように、本実施形態では、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して最も上流側に位置する感光体ドラム41yに対するローラー押圧力が、感光体ドラム41yよりも下流側に位置する各感光体ドラム41c、41m、41kに対する各ローラー押圧力よりも小さく設定される。これにより、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kへ流れる電流の電流値Ipが均一化される。したがって、転写メモリーの発生を抑制することができる。また、感光体ドラム41yよりも下流側に位置する各感光体ドラム41c、41m、41kに対する各ローラー押圧力は、最も上流側に位置する感光体ドラム41yに対するローラー押圧力の2倍以内となるように設定される。これにより、各感光体ドラム41y、41c、41m、41kへ流れる電流の電流値Ipがより確実に均一化され、転写メモリーの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、中間転写ベルト51に含まれる基材がポリアミド(PA)である場合について説明したが、基材は、ポリアミドに限定されない。例えば、基材として、ポリカーボネイト(PC)、ポリイミド(PI)、ポリアミドアロイ(PAアロイ)が採用され得る。
また、本実施形態において、中間転写ベルト51に含まれる基材がポリアミドなどの熱可塑性樹脂である場合について説明したが、基材は、熱可塑性樹脂に替えて熱硬化性樹脂であり得る。
また、本実施形態において、オフセット量は4mmであったが、オフセット量は4mmに限定されない。例えば、オフセット量は、3mm又は7mmであってもよい。
また、本実施形態において、各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kは、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して下流側にオフセットしたが、各1次転写ローラー54y、54c、54m、54kは、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して上流側にオフセットしてもよい。
また、本実施形態において、帯電装置42y〜42kは、ローラー方式によって、感光体ドラム41y〜41kを帯電させたが、帯電装置42y〜42kが感光体ドラム41y〜41kを帯電する方式はこれに限定されない。例えば、帯電装置42y〜42kは、ワイヤー方式によって感光体ドラム41y〜41kを帯電させてもよい。
また、本実施形態では、各感光体ドラム41c、41m、41kに対するローラー押圧力が互いに等しい場合を例に説明したが、各感光体ドラム41c、41m、41kに対するローラー押圧力は、互いに異なってもよい。例えば、感光体ドラム41y、41c、41m、41kに対するローラー押圧力は、この順に大きくなってもよい。つまり、中間転写ベルト51の周回方向Dにおいて、上流から下流に向けてローラー押圧力を順次大きくしてもよい。一般的に、中間転写ベルト51に転写されるトナー像は、下流側に進むにつれて厚みを増す。このため、各感光体ドラム41c、41m、41kには、それぞれ、上流側に隣接する各感光体ドラム41y、41c、41mよりも大きな電流が流れることが好ましい。感光体ドラム41y、41c、41m、41kに対するローラー押圧力を順次に大きくすることによって、各感光体ドラム41c、41m、41kに流れる電流の電流値が上流側に隣接する各感光体ドラム41y、41c、41mに流れる電流の電流値よりも大きくなる。その結果、トナー像がより確実に中間転写ベルト51へ転写される。
[実施形態2]
次に、図1、図2及び図6を参照して、本発明の実施形態2に係る画像形成装置1について説明する。図6は、実施形態2に係る1次転写ローラー54y、54c、54m、54kに対してバイアス電圧を印加するための電源系統を示す図である。実施形態2では、画像形成部30(転写部50)が転写電源装置55aに加えて、転写電源装置55bを備える。詳しくは、実施形態2では、1次転写ローラー54kに、転写電源装置55bからバイアス電圧が印加される。以下、実施形態2について実施形態1と異なる事項を説明し、実施形態1と重複する事項の説明は割愛する。
図6に示すように、本実施形態では、転写電源装置55aは、1次転写ローラー54kよりも上流側に位置する1次転写ローラー54y、54c、54mにバイアス電圧を印加する。つまり、転写電源装置55aは、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して最も上流側に位置する1次転写ローラー54yを含む少なくとも2つの1次転写ローラー(本実施形態では、1次転写ローラー54y〜54m)にそれぞれバイアス電圧を印加する。転写電源装置55bは、中間転写ベルト51の周回方向Dに対して最も下流側に位置する1次転写ローラー54kと直列に接続され、1次転写ローラー54kにバイアス電圧を印加する。
感光体ドラム41yは、1次転写ローラー54y、54c、54mに対向する感光体ドラム41y、41c、41mのうち、最も上流側に位置する。感光体ドラム41yよりも下流側に位置する各感光体ドラム41c、41mに対する各ローラー押圧力は、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力よりも大きくなるように設定される。好ましくは、各感光体ドラム41c、41mに対する各ローラー押圧力は、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力の2倍以内となるように設定される。
また、1次転写ローラー54kに対向する感光体ドラム41kに対するローラー押圧力は、任意に設定可能である。例えば、感光体ドラム41kに対するローラー押圧力は、感光体ドラム41yに対するローラー押圧力と等しく設定してもよい。
以上のように、画像形成装置1は、転写電源装置55aに加えて、転写電源装置55bを更に備える。これにより、画像形成装置1は、ブラック色のトナーのみを使用して画像を形成する際に、1次転写ローラー54y〜54mにバイアス電圧を印加することなく、1次転写ローラー54kにのみバイアス電圧を印加することができる。この結果、画像形成装置1は、消費電力を抑えることができる。なお、転写電源装置55bと1次転写ローラー54kとの間に負荷抵抗が直列に接続されてもよい。
また、ニップ部Nに近い感光体ドラム41kに対するローラー押圧力を任意に設定することができる。これにより、中間転写ベルト51とシートSとの間でのズレを抑制できる。すなわち、シートSにトナー像が転写される際にシートSは、中間転写ベルト51に衝突する。これにより、シートSと中間転写ベルト51との間にズレが発生する恐れがある。本実施形態においては、ニップ部Nに近い感光体ドラム41kに対するローラー押圧力を任意に設定することにより、シートSと中間転写ベルト51との間のズレの発生を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について、図面(図1〜図6)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
例えば、本発明の実施形態では、中間転写ベルト方式の画像形成装置1に本発明が適用される場合について説明したが、本発明は、直接転写ベルト方式の画像形成装置にも適用可能である。この場合、シートSなどの被記録媒体が被転写体となる。
また、本発明の実施形態では、転写電源装置55a、55bが定電圧源である場合について説明したが、転写電源装置55a、55bは、定電流源であってもよい。
また、本発明の実施形態では、複合機に本発明を適用したが、本発明は、コピー機、又はプリンター等にも適用可能である。
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
1 画像形成装置
41y〜41k 感光体ドラム
45y〜45k 除電装置
51 中間転写ベルト
54y〜54k 1次転写ローラー
541y〜541k ケーシング
542y〜542k バネ
55a、55b 転写電源装置

Claims (11)

  1. 被転写体にトナー像を重ねて転写することによって画像を形成する画像形成装置であって、
    前記被転写体の進行方向に沿って配置される複数の感光体ドラムと、
    前記被転写体の進行方向に沿って前記複数の感光体ドラムそれぞれの下流側に配置され、上流側に位置する前記感光体ドラムをそれぞれ除電する複数の除電装置と、
    前記複数の感光体ドラムのそれぞれに対向して配置される複数の転写ローラーと、
    前記複数の転写ローラーのうち、前記被転写体の進行方向において最も上流側に位置する前記転写ローラーを含む少なくとも2つの前記転写ローラーにそれぞれ電位を付与する第1転写電源装置と、
    前記複数の転写ローラーを前記複数の感光体ドラムに向けて付勢することによって、前記複数の感光体ドラムに対する押圧力をそれぞれ設定する複数の付勢部材と
    を備え、
    前記複数の除電装置のうち、前記被転写体の進行方向において隣接する前記感光体ドラムの間に位置する前記除電装置は、隣接する前記感光体ドラムのうち、前記被転写体の進行方向に対して下流側に位置する前記感光体ドラムを更に除電し、
    前記第1転写電源装置から電位が付与される前記転写ローラーに対向する前記感光体ドラムのうち、最も下流側に位置する前記感光体ドラムに対する押圧力は、最も上流側に位置する前記感光体ドラムに対する押圧力よりも大きく設定される、画像形成装置。
  2. 前記第1転写電源装置から電位が付与される前記転写ローラーに対向する前記感光体ドラムのうち、最も下流側に位置する前記感光体ドラムに対する押圧力は、最も上流側に位置する前記感光体ドラムに対する押圧力の2倍以内に設定される、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1転写電源装置から電位が付与される前記転写ローラーが前記感光体ドラムを押圧する押圧力は、前記被転写体の進行方向に沿って上流側から下流側に向けて順次大きくなるように設定される、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1転写電源装置は、すべての前記転写ローラーにそれぞれ電位を付与する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記複数の転写ローラーのうち、前記被転写体の進行方向において最も下流側に位置する前記転写ローラーに電位を付与する第2転写電源装置を更に備え、
    前記第1転写電源装置は、前記被転写体の進行方向に対して、前記第2転写電源装置から電位が付与される前記転写ローラーよりも上流側に位置するすべての前記転写ローラーへ電位を付与する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記感光体ドラムの直径が大きいほど、前記押圧力が小さく設定される、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記感光体ドラムの表面電位が高いほど、前記押圧力が小さく設定される、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記転写ローラーの直径が大きいほど、前記押圧力が小さく設定される、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記転写ローラーの抵抗値が大きいほど、前記押圧力が大きく設定される、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記被転写体の厚さが大きいほど、前記押圧力が大きく設定される、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記被転写体の抵抗値が大きいほど、前記押圧力が大きく設定される、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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