JP2016090362A - X線回折測定装置およびx線回折測定方法 - Google Patents

X線回折測定装置およびx線回折測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 1回の測定で、測定対象物の表面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyを得る。
【解決手段】 測定対象物OBに向けて、少なくとも2つの波長の特性X線を有するX線を、測定対象物OBの表面に対して略垂直に照射されるよう出射し、測定対象物OBにて発生した回折X線を、イメージングプレート15にて受光して、イメージングプレート15に2つの回折環を形成する。イメージングプレート15にレーザ光を走査して少なくとも2つの回折環の形状を検出し、得られた回折環の形状から、sinψ法を用いて、測定対象物OBの表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力を計算する。得られたそれぞれの方向の残留垂直応力から、測定対象物の表面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyを計算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、測定対象物にX線を照射して測定対象物で回折したX線によりX線回折環を形成し、形成されたX線回折環の形状から残留応力を計算するX線回折測定装置、およびX線回折測定方法に関する。
従来から、測定対象物に所定の角度でX線を照射して、測定対象物で回折したX線によりX線回折環(以下、回折環という)を形成し、形成された回折環の形状からcosα法による分析を行って測定対象物の残留応力を測定するX線回折測定装置が知られている。このようなX線回折測定装置において、3軸方向の残留応力を測定することができる装置として例えば以下の特許文献1に示される装置がある。このX線回折測定装置は、測定対象物がある場所まで装置を持ち運ぶことができ、測定対象物の表面に対して所定の入射角度でX線を照射して形成された回折環の形状を検出することができる。また、測定対象物の表面に垂直方向からX線を照射して形成された回折環の形状を検出することもできる。このX線回折測定装置により、X方向から所定の入射角度でのX線照射、Y方向から所定の入射角度でのX線照射および垂直方向からのX線照射により、それぞれ回折環を形成し、それぞれの回折環の形状を検出すれば、cosα法による分析により3軸方向の残留垂直応力と残留せん断応力を計算することができる。3つの回折環の形状からcosα法による分析を行って3軸方向の残留応力σx,σy,σz,τxy,τyz,τxzを計算する方法は、例えば以下の特許文献2に示されている。
特開2014−66545号公報 特開2011−27550号公報
しかしながら、特許文献1のX線回折測定装置により3軸方向の残留応力を求めるには、測定対象物に対する装置の置き方を変えて3回の測定を行う必要があり、測定時間がかかるという問題がある。また、複数軸方向の残留応力測定でも、3軸方向の残留応力を求めることは少なく、測定対象物の平面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyを測定することが殆どであるが、その場合であっても測定対象物に対する装置の置き方を変えて2回の測定を行う必要があり、測定時間がかかるという問題がある。
本発明はこの問題を解消するためなされたもので、測定対象物にX線を照射して測定対象物で回折したX線によりX線回折環を形成し、形成されたX線回折環の形状から残留応力を計算するX線回折測定装置およびX線回折測定方法において、1回の測定で、測定対象物の平面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyを求めることができる、X線回折測定装置およびX線回折測定方法を提供することにある。さらに、1回の測定で、残留垂直応力σzを除く3軸方向の残留応力σx,σy,τxy,τyz,τxzを求めることができる、X線回折測定装置およびX線回折測定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、対象とする測定対象物に向けて、少なくとも2つの波長の特性X線を有するX線を出射するX線出射器と、X線出射器から出射されるX線が、測定対象物の表面に対して略垂直に照射されるよう、測定対象物に対するX線の向きを調整することができる姿勢調整手段と、X線出射器から測定対象物に向けてX線を照射して、測定対象物にて発生した回折X線を、X線出射器から出射されるX線の光軸に対して垂直に交差する面にて受光し、面に回折X線の像である、少なくとも2つの回折環を形成するとともに、回折環の形状を検出する回折環形成検出手段と、回折環形成検出手段により検出された少なくとも2つの回折環の形状から、sinψ法を用いて、測定対象物の表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力を計算する残留応力計算手段とを備えたX線回折測定装置とすることにある。
これによれば、姿勢調整手段を用いて測定対象物の表面に対してX線が略垂直に照射されるようX線の向きを調整した後、回折環形成検出手段によりX線出射器から少なくとも2つの波長の特性X線を有するX線を照射して、少なくとも2つの回折環を形成してその形状を検出すれば、残留応力計算手段による計算で、測定対象物の表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力を計算することができ、この計算結果から測定対象物の表面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyを計算することができる。すなわち、1回の測定で、測定対象物の表面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyを求めることができる。
少なくとも2つの回折環の形状から残留応力σx,σy,τxyが計算できる理由を以下に説明する。波長の異なるX線のそれぞれのX線において、回折環が形成される測定対象物の回折面は異なる。これは、X線の入射角を変化させて回折角を検出するsinψ法とみなすことができ、少なくとも2つの回折環の形状からそれぞれの方向における複数の回折角を計算し、sinψ法を適用すれば、測定対象物の表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力を計算することができる。そして、測定対象物が平面応力状態にあるとすれば、測定対象物の表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力は、測定対象物の平面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyから既知の計算式で計算することができるので、逆に、それぞれの方向の残留垂直応力を求めることができれば、残留応力σx,σy,τxyを計算することもできる。
測定対象物の表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力から残留応力σx,σy,τxyを計算するには、残留応力計算手段は、さらに計算されたそれぞれの方向の残留垂直応力において対称となる方向の残留垂直応力を平均して、測定対象物の表面に平行なX軸方向とY軸方向の間のそれぞれの方向における残留垂直応力の平均値を取得し、それぞれの方向に対する前記取得した残留垂直応力の平均値の関係曲線を計算し、計算した関係曲線からX軸方向とY軸方向における残留垂直応力σx,σyと残留せん断応力τxyを計算するようにするとよい。なお、ここで対称となる方向とは、回折環の中心に対して対称となる方向とX軸またはY軸に対して対称となる方向の2つをいう。
これによれば、それぞれの方向の残留垂直応力は少なくとも2つの回折角に基づくデータであるため精度は高くないが、複数のデータを平均する処理と、平均したデータにより関係曲線を作成する処理の2つを行うことで、計算される残留応力σx,σy,τxyの測定精度を高くすることができる。また、測定対象物の表面に対してX線が厳密に垂直に照射されていなくても、対称となる方向の残留垂直応力を平均すると、残留垂直応力の平均値は測定対象物の表面に対してX線が垂直に照射された場合と略同じ値になる。よって、測定対象物が曲面であっても、測定対象物の残留応力σx,σy,τxyを精度よく求めることができる。
また、本発明の他の特徴は、残留応力計算手段は、さらに回折環形成検出手段により検出された回折環の形状から、X軸方向と測定対象物の表面に垂直なZ軸方向における残留せん断応力τxzと、Y軸方向とZ軸方向における残留せん断応力τyzを計算することにある。これによれば、1回の測定で、残留垂直応力σzを除く3軸方向の残留応力σx,σy,τxy,τyz,τxzを求めることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、X線回折測定装置に限定されるものではなく、X線回折測定方法の発明としても実施し得るものである。
本発明の一実施形態に係るX線回折測定装置を含むX線回折測定システムを示す全体概略図である。 図1のX線回折測定装置の拡大図である。 図2のX線回折測定装置におけるX線が通過する部分を拡大して示す部分断面図である。 図3のプレート部分の拡大斜視図である。 X線回折測定装置を用いて測定対象物の残留応力の測定を行うときの工程図である。 2つの回折環における回折面と回折角を示す図である。 測定対象物の表面に平行なそれぞれの方向に対する残留垂直応力を示す図である。 X軸方向、Y軸方向の間のそれぞれの方向に対する残留垂直応力の平均値を示す図である。
本発明の一実施形態に係るX線回折測定装置を含むX線回折測定システムの構成について図1乃至図4を用いて説明する。このX線回折測定システムは、X線回折測定システムを測定対象物OBの所まで運搬してセットし、測定対象物OBの残留垂直応力σzを除く3軸方向の残留応力σx,σy,τxy,τyz,τxzを測定するものである。X線回折測定装置はアーム式移動装置の先端に連結され、測定対象物OBの表面にX線が垂直に照射されるよう調整したうえで、X線照射により回折環を撮像することができるようになっている。なお、本実施形態では、測定対象物OBは固定された鉄製の部材である。
X線回折測定装置は、X線を出射するX線出射器10、回折X線による回折環が形成されるイメージングプレート15を取り付けるためのテーブル16と、テーブル16を回転及び移動させるテーブル駆動機構20と、イメージングプレート15に形成された回折環の形状を測定するためのレーザ検出装置30と、これらのX線出射器10、イメージングプレート15、テーブル16、テーブル駆動機構20及びレーザ検出装置30を収容する筐体50とを備えている。そして、X線回折測定システムは、前記X線回折測定装置とともに、コンピュータ装置90、高電圧電源95を備えている。また、筐体50内には、X線出射器10、テーブル16、テーブル駆動機構20及びレーザ検出装置30に接続されて作動制御したり、検出信号を入力したりするための各種回路も内蔵されており、図1において筐体50外に示された2点鎖線で示された各種回路は、筐体50内の2点鎖線内に納められている。なお、図1及び図2においては、回路基板、電線、固定具、空冷ファンなどは省略されている。
筐体50は、略直方体状に形成されるとともに、底面壁50a、前面壁50b、後面壁50e、上面壁50f、側面壁(図示せず)、及び底面壁50aと前面壁50bの角部を紙面の表側から裏側に向けて切り欠くように設けた切欠き部壁50cと繋ぎ壁50dを有するように形成されている。切欠き部壁50cは底面壁50aに垂直な平板と平行な平板とからなり、繋ぎ壁50dは側面壁と垂直であり底面壁50aと所定の角度を有している。この所定の角度は、例えば30〜45度である。側面壁の1つには、支持アーム51に接続される接続部(図示せず)が設けられており、接続部は図1及び図2の紙面の垂直周りに回転可能になっている。支持アーム51は、図示されていないアーム式移動装置の先端であり、アーム式移動装置を操作することにより、筐体50(X線回折測定装置)を任意の位置と姿勢にすることができる。これにより、測定対象物OBに対して筐体50(X線回折測定装置)の位置と姿勢を調整することができ、後述するX線出射器10が出射するX線を測定対象物OBに対して垂直に照射させることができる。
X線出射器10は、長尺状に形成され、筐体50内の上部にて図示左右方向に延設されて筐体50に固定されており、高電圧電源95からの高電圧の供給を受け、X線制御回路71により制御されて、X線を図1の下方に向けて出射する。X線出射器10は2つの波長の特性X線を出射するものであり、本実施形態では電子をぶつけるターゲットがクロムであるX線管である。このX線出射器10は波長が2.291ÅのCrKα線と、2.085ÅのCrKβ線の特性X線を出射する。そして、測定対象物OBが鉄であれば、どちらの特性X線も211面で強い回折が起こり、2つの回折環が発生する。そして、回折角度をθとすると、X線出射器10から出射されるX線の光軸と回折環を発生させる回折X線とが成す角度は(180°−2θ)であるが、この角度は測定対象物OBが無応力の場合、波長2.291ÅのCrKα線では23.6°であり、波長2.085ÅのCrKβ線では54.1°である。なお、CrKα線とCrKβ線の強度比は、10:2〜3であるので、内側の回折環に対して外側の回折環のピーク強度は、およそこの比になる。
筐体50の側面壁は出射されるX線の光軸に対して略平行で、底面壁50aは出射されるX線の光軸に対して略垂直になっている。よって、底面壁50aを測定対象物OBの表面と平行にすると、出射されるX線は測定対象物OBの表面に対して垂直になる。また、繋ぎ壁50dを測定対象物OBの表面と平行にすると、出射されるX線は測定対象物OBの表面の法線に対して繋ぎ壁50dと底面壁50aとが成す角度(例えば30〜45度)になる。
X線制御回路71は、後述するコンピュータ装置90を構成するコントローラ91によって制御され、X線出射器10から一定の強度のX線が出射されるように、X線出射器10に高電圧電源95から供給される駆動電流及び駆動電圧を制御する。また、X線出射器10は、図示しない冷却装置を備えていて、X線制御回路71は、この冷却装置に供給される駆動信号も制御する。これにより、X線出射器10の温度が一定に保たれる。
テーブル駆動機構20は、X線出射器10の下方にて、移動ステージ21を備えている。移動ステージ21は、フィードモータ22及びスクリューロッド23により、X線出射器10から出射されたX線の光軸と測定対象物OBの法線とが成す平面内であって、前記X線の光軸に垂直な方向に移動可能となっている。フィードモータ22は、テーブル駆動機構20内に固定されていて筐体50に対して移動不能となっている。スクリューロッド23は、X線出射器10から出射されたX線の光軸に垂直な方向に延設されていて、その一端部がフィードモータ22の出力軸に連結されている。スクリューロッド23の他端部は、テーブル駆動機構20内に設けた軸受部24に回転可能に支持されている。また、移動ステージ21は、それぞれテーブル駆動機構20内にて固定された、対向する1対の板状のガイド25,25により挟まれていて、スクリューロッド23の軸線方向に沿って移動可能となっている。すなわち、フィードモータ22を正転又は逆転駆動すると、フィードモータ22の回転運動が移動ステージ21の直線運動に変換される。フィードモータ22内には、エンコーダ22aが組み込まれている。エンコーダ22aは、フィードモータ22が所定の微小回転角度だけ回転するたびに、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号を位置検出回路72及びフィードモータ制御回路73へ出力する。
位置検出回路72及びフィードモータ制御回路73は、コントローラ91からの指令により作動開始する。測定開始直後において、フィードモータ制御回路73は、フィードモータ22を駆動して移動ステージ21をフィードモータ22側へ移動させる。位置検出回路72は、エンコーダ22aから出力されるパルス列信号が入力されなくなると、移動ステージ21が移動限界位置に達したことを表す信号をフィードモータ制御回路73に出力し、カウント値を「0」に設定する。フィードモータ制御回路73は、位置検出回路72から移動限界位置に達したことを表す信号を入力すると、フィードモータ22への駆動信号の出力を停止する。上記の移動限界位置を移動ステージ21の原点位置とする。したがって、位置検出回路72は、移動ステージ21が図1及び図2にて左上方向に移動して移動限界位置に達したとき「0」を表す位置信号を出力し、移動ステージ21が移動限界位置から右下方向へ移動すると、エンコーダ22aからのパルス列信号をカウントし、移動限界位置からの移動距離xを表す信号を位置信号として出力する。
フィードモータ制御回路73は、コントローラ91から移動ステージ21の移動先の位置を表す設定値を入力すると、その設定値に応じてフィードモータ22を正転又は逆転駆動する。位置検出回路72は、エンコーダ22aが出力するパルス信号のパルス数をカウントする。そして、位置検出回路72は、カウントしたパルス数を用いて移動ステージ21の現在の位置(移動限界位置からの移動距離x)を計算し、コントローラ91及びフィードモータ制御回路73に出力する。フィードモータ制御回路73は、位置検出回路72から入力した移動ステージ21の現在の位置が、コントローラ91から入力した移動先の位置と一致するまでフィードモータ22を駆動する。
また、フィードモータ制御回路73は、移動ステージ21の移動速度を表す設定値をコントローラ91から入力する。そして、エンコーダ22aから入力したパルス信号の単位時間当たりのパルス数を用いて、移動ステージ21の移動速度を計算し、前記計算した移動ステージ21の移動速度がコントローラ91から入力した移動速度になるようにフィードモータ22を駆動する。
一対のガイド25,25の上端は、板状の上壁26によって連結されている。上壁26には、貫通孔26aが設けられていて、貫通孔26aの中心位置はX線出射器10の出射口11の中心位置に対向しており、X線出射器10から出射されたX線は、出射口11及び貫通孔26aを介してテーブル駆動機構20内に入射する。
後述するイメージングプレート15が回折環撮像位置にある状態(図1乃至図3の状態)において、移動ステージ21の貫通孔26aと対向する位置には、図3に拡大して示すように、貫通孔21aが形成されている。移動ステージ21には、出射口11及び貫通孔26a,21aの中心軸線位置を回転中心とする出力軸27aを有するスピンドルモータ27が組み付けられている。出力軸27aは、円筒状に形成され、回転中心を中心軸とする断面円形の貫通孔27a1を有する。スピンドルモータ27の出力軸27aと反対側には、貫通孔27a1の中心位置を中心軸線とする貫通孔27bが設けられている。貫通孔27bの内周面上には、貫通孔27bの一部の内径を小さくするための円筒状の通路部材28が固定されている。
また、スピンドルモータ27内には、エンコーダ22aと同様のエンコーダ27cが組み込まれている。エンコーダ27cは、スピンドルモータ27が所定の微小回転角度だけ回転する度に、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号を、スピンドルモータ制御回路74及び回転角度検出回路75へ出力する。さらに、エンコーダ27cは、スピンドルモータ27が1回転するごとに、所定の短い期間だけローレベルからハイレベルに切り替わるインデックス信号を、コントローラ91及び回転角度検出回路75に出力する。
スピンドルモータ制御回路74及び回転角度検出回路75は、コントローラ91からの指令により作動開始する。スピンドルモータ制御回路74は、コントローラ91から、スピンドルモータ27の回転速度を表す設定値を入力する。そして、エンコーダ27cから入力したパルス信号の単位時間当たりのパルス数を用いてスピンドルモータ27の回転速度を計算し、計算した回転速度がコントローラ91から入力した回転速度(設定値)になるように、駆動信号をスピンドルモータ27に供給する。回転角度検出回路75は、エンコーダ27cから出力されたパルス列信号のパルス数をカウントし、そのカウント値を用いてスピンドルモータ27の回転角度すなわちイメージングプレート15の回転角度θpを計算して、コントローラ91に出力する。そして、回転角度検出回路75は、エンコーダ27cから出力されたインデックス信号を入力すると、カウント値を「0」に設定する。すなわち、インデックス信号を入力した位置が回転角度0°の位置である。なお、イメージングプレート15の回転角度0°の位置とは、後述するレーザ検出装置30からのレーザ照射によりイメージングプレート15に形成された回折環を読み取る際、インデックス信号を入力した時点でレーザ光が照射されている位置である。この位置は各半径位置においてあるためラインである。
テーブル16は、円形状に形成され、スピンドルモータ27の出力軸27aの先端部に固定されている。テーブル16の中心軸と、スピンドルモータ27の出力軸の中心軸とは一致している。テーブル16は、一体的に設けられて下面中央部から下方へ突出した突出部17を有していて、突出部17の外周面には、ねじ山が形成されている。突出部17の中心軸は、スピンドルモータ27の出力軸27aの中心軸と一致している。テーブル16の下面には、イメージングプレート15が取付けられる。イメージングプレート15は、表面に蛍光体が塗布された円形のプラスチックフィルムである。イメージングプレート15の中心部には、貫通孔15aが設けられていて、この貫通孔15aに突出部17を通し、突出部17の外周面上にナット状の固定具18をねじ込むことにより、イメージングプレート15が、固定具18とテーブル16の間に挟まれて固定される。固定具18は、円筒状の部材で、内周面に、突出部17のねじ山に対応するねじ山が形成されている。テーブル16およびイメージングプレート15は、X線照射点までの距離が設定された距離のとき、測定対象物OBから発生する回折環を形成する回折X線において、上述したCrKβ線による回折X線を受光することができる半径値になっている。
テーブル16、突出部17及び固定具18にも貫通孔16a,17a,18aがそれぞれ設けられており、貫通孔16a,17a,18aの中心軸はテーブル16の中心軸と同じであり、貫通孔18aの内径は貫通孔16a,17aに比べて小さく、前述した通路部材28の内径と同じである。したがって、スピンドルモータ27の出力軸27aから出射されたX線は、貫通孔16a,17a,18aを介するとともに、切欠き部壁50cに設けた円形孔50c1を介して外部下方に位置する測定対象物OBに向かって出射される。この場合、通路部材28の内径及び貫通孔18aの内径は小さいので、通路部材28を介して貫通孔27b,27a1,16a,17a内に入射したX線はやや拡散しているが、貫通孔18aから出射されるX線は貫通孔27a1の軸線に平行な平行光となり、円形孔50c1から出射される。また、この円形孔50c1の内径は、X線照射点までの距離が設定された距離のとき、測定対象物OBから発生する回折環を形成する回折X線において、上述したCrKβ線による回折X線をイメージングプレート15に導くことができる程度まで大きくなっている。また、円形孔50c1には出射されるX線の光軸と交差する位置に、貫通孔18aと同程度の大きさの孔が開けられた黒色のフィルムが貼られている。なお、出射されるX線は黒色のフィルムをほとんど透過するため黒色のフィルムの孔は意味をなさないが、後述するLED光源44からのLED光は黒色のフィルムで減衰するので、黒色のフィルムの孔はLED光源44からのLED光を減衰させないためのものである。
イメージングプレート15は、フィードモータ22によって駆動されて、移動ステージ21、スピンドルモータ27及びテーブル16と共に、原点位置から回折環を撮像する回折環撮像位置へ移動する。前述のように、この回折環撮像位置において、X線出射器10から出射されたX線が測定対象物OBに照射されるようになっている。また、イメージングプレート15は、スピンドルモータ27によって駆動されて回転しながら、フィードモータ22によって駆動されて、移動ステージ21、スピンドルモータ27及びテーブル16と共に、撮像した回折環を読み取る回折環読取り領域内、及び回折環を消去する回折環消去領域内を移動する。なお、この場合のイメージングプレート15の移動においては、イメージングプレート15の中心軸が、X線出射器10から出射されたX線の光軸とイメージングプレート15における回転角度0°の位置(ライン)とが成す平面内に保たれた状態で、前記X線の光軸に垂直な方向に移動する。
レーザ検出装置30は、回折環を撮像したイメージングプレート15にレーザ光を照射して、イメージングプレート15から入射した光の強度を検出する。レーザ検出装置30は、測定対象物OB及び回折環撮像位置にあるイメージングプレート15からフィードモータ22側に充分離れている。すなわち、イメージングプレート15が回折環撮像位置にあるとき、測定対象物OBにて回折したX線がレーザ検出装置30によって遮られないようになっている。レーザ検出装置30は、レーザ光源31と、コリメートレンズ32、反射鏡33、ダイクロイックミラー34、及び対物レンズ36を備えている。
レーザ光源31は、レーザ駆動回路77によって制御されて、イメージングプレート15に照射するレーザ光を出射する。レーザ駆動回路77は、コントローラ91によって制御され、レーザ光源31から所定の強度のレーザ光が出射されるように、駆動信号を制御して供給する。レーザ駆動回路77は、後述するフォトディテクタ42から出力された受光信号を入力して、受光信号の強度が所定の強度になるようにレーザ光源31に出力する駆動信号を制御する。これにより、イメージングプレート15に照射されるレーザ光の強度が一定に維持される。
コリメートレンズ32は、レーザ光源31から出射されたレーザ光を平行光に変換する。反射鏡33は、コリメートレンズ32にて平行光に変換されたレーザ光を、ダイクロイックミラー34に向けて反射する。ダイクロイックミラー34は、反射鏡33から入射したレーザ光の大半(例えば、95%)をそのまま透過させる。対物レンズ36は、ダイクロイックミラー34から入射したレーザ光をイメージングプレート15の表面に集光させる。この対物レンズ36から出射されるレーザ光の光軸は、X線出射器10から出射されたX線の光軸とイメージングプレート15における回転角度0°の位置(ライン)とが成す平面内であって、前記X線の光軸に平行な方向、すなわち移動ステージ21の移動方向に対して垂直な方向である。
対物レンズ36には、フォーカスアクチュエータ37が組み付けられている。フォーカスアクチュエータ37は、対物レンズ36をレーザ光の光軸方向に移動させるアクチュエータである。なお、対物レンズ36は、フォーカスアクチュエータ37が通電されていないときに、その可動範囲の中心に位置する。
対物レンズ36によって集光されたレーザ光を、イメージングプレート15の表面であって、回折環が撮像されている部分に照射すると、輝尽発光(Photo−Stimulated Luminesence)現象が生じる。すなわち、回折環を撮像した後、イメージングプレート15にレーザ光を照射すると、イメージングプレート15の蛍光体が回折X線の強度に応じた光であって、レーザ光の波長よりも波長が短い光を発する。イメージングプレート15に照射されて反射したレーザ光の反射光及び蛍光体から発せられた光は、対物レンズ36を通過して、ダイクロイックミラー34にて蛍光体から発せられた光の大部分は反射し、レーザ光の反射光の大部分は透過する。ダイクロイックミラー34の反射方向には、集光レンズ38、シリンドリカルレンズ39及びフォトディテクタ40が設けられている。集光レンズ38は、ダイクロイックミラー34から入射した光を、シリンドリカルレンズ39に集光する。シリンドリカルレンズ39は、透過した光に非点収差を生じさせる。フォトディテクタ40は、分割線で区切られた4つの同一正方形状の受光素子からなる4分割受光素子によって構成されており、時計回りに配置された受光領域A,B,C,Dに入射した光の強度に比例した大きさの検出信号を受光信号(a,b,c,d)として、増幅回路78に出力する。
増幅回路78は、フォトディテクタ40から出力された受光信号(a,b,c,d)をそれぞれ同じ増幅率で増幅して受光信号(a’,b’,c’,d’)を生成し、フォーカスエラー信号生成回路79及びSUM信号生成回路80へ出力する。本実施形態においては、非点収差法によるフォーカスサーボ制御を用いる。フォーカスエラー信号生成回路79は、増幅された受光信号(a’,b’,c’,d’)を用いて、演算によりフォーカスエラー信号を生成する。すなわち、フォーカスエラー信号生成回路79は、(a’+c’)−(b’+d’)の演算を行い、この演算結果をフォーカスエラー信号としてフォーカスサーボ回路81へ出力する。フォーカスエラー信号(a’+c’)−(b’+d’)は、レーザ光の焦点位置のイメージングプレート15の表面からのずれ量を表している。
フォーカスサーボ回路81は、コントローラ91により制御され、フォーカスエラー信号に基づいて、フォーカスサーボ信号を生成してドライブ回路82に出力する。ドライブ回路82は、このフォーカスサーボ信号に応じてフォーカスアクチュエータ37を駆動して、対物レンズ36をレーザ光の光軸方向に変位させる。この場合、フォーカスエラー信号(a’+c’)−(b’+d’)の値が常に一定値(例えば、ゼロ)となるようにフォーカスサーボ信号を生成することにより、イメージングプレート15の表面にレーザ光を集光させ続けることができる。
SUM信号生成回路80は、受光信号(a’,b’,c’,d’)を合算してSUM信号(a’+b’+c’+d’)を生成し、A/D変換回路83に出力する。SUM信号の強度は、イメージングプレート15にて反射し、ダイクロイックミラー34で反射した微量のレーザ光の強度と輝尽発光により発生した光の強度を合わせた強度に相当するが、イメージングプレート15にて反射したレーザ光の強度はほぼ一定であるので、SUM信号の強度は、輝尽発光により発生した光の強度に相当する。すなわち、SUM信号の強度は、イメージングプレート15に入射した回折X線の強度に相当する。A/D変換回路83は、コントローラ91によって制御され、SUM信号生成回路80からSUM信号を入力し、入力したSUM信号の瞬時値をディジタルデータに変換してコントローラ91に出力する。
また、レーザ検出装置30は、集光レンズ41及びフォトディテクタ42を備えている。集光レンズ41は、レーザ光源31から出射されたレーザ光の一部であって、ダイクロイックミラー34を透過せずに反射したレーザ光をフォトディテクタ42の受光面に集光する。フォトディテクタ42は、受光面に集光された光の強度に応じた受光信号を出力する受光素子である。従って、フォトディテクタ42は、レーザ光源31が出射したレーザ光の強度に相当する受光信号をレーザ駆動回路77へ出力する。
また、対物レンズ36に隣接して、LED光源43が設けられている。LED光源43は、LED駆動回路84によって制御されて、可視光を発して、イメージングプレート15に撮像された回折環を消去する。LED駆動回路84は、コントローラ91によって制御され、LED光源43に、所定の強度の可視光を発生させるための駆動信号を供給する。
また、X線回折測定装置は、LED光源44を有する。LED光源44は、図2乃至図4に示すように、X線出射器10とテーブル駆動機構20の上壁26との間に配置されたプレート45の一端部下面に固定されている。プレート45は、その他端部上面にて、筐体50内に固定されたモータ46の出力軸46aに固着されており、モータ46の回転により、テーブル駆動機構20の上壁26に平行な面内を回転する。テーブル駆動機構20の上壁26にはストッパ部材47a,47bが設けられており、ストッパ部材47aは、プレート45を図4のD1方向に回転させたとき、LED光源44がX線出射器10の出射口11及びテーブル駆動機構20の上壁26の貫通孔26aに対向する位置(A位置)に静止するように、プレート45の回転を規制する。一方、ストッパ部材47bは、プレート45を図4のD2方向に回転させたとき、プレート45がX線出射器10の出射口11とテーブル駆動機構20の上壁26の貫通孔26aとの間を遮断しない位置(B位置)に静止するように、プレート45の回転を規制する。言い換えれば、A位置は、プレート45が図2及び図3に示す状態にある位置であり、LED光源44から出射されるLED光がスピンドルモータ27の貫通孔27a1に設けた通路部材28の通路に入射する位置である。B位置は、X線出射器10から出射されるX線がプレート45によって遮られない位置である。
LED光源44は、コントローラ91によって作動制御されるLED駆動回路85からの駆動信号によりLED光を出射する。LED光は拡散する可視光であり、プレート45がA位置にあるとき、その一部は、貫通孔26a,21a、通路部材28の通路及び貫通孔27bを介して、スピンドルモータ27の出力軸27aの貫通孔27a1に入射し、貫通孔16a,17a,18a及び切欠き部壁50cの円形孔50c1から出射される。このLED光の場合も、通路部材28の内径及び貫通孔18aの内径は小さいので、通路部材28を介して貫通孔27b,27a1,16a,17a内に入射したX線はやや拡散しているが、貫通孔18aから出射されるLED光は貫通孔27a1の軸線に平行な平行光となり、円形孔50c1に貼られた黒色フィルムの孔から出射される。
モータ46はエンコーダ22a,27aと同様なエンコーダ46bを備えており、エンコーダ46bはモータ46が所定の微小回転角度だけ回転する度に、ハイレベルとローレベルとに交互に切り替わるパルス列信号を回転制御回路86に出力する。回転制御回路86は、コントローラ91から回転方向と回転開始の指示が入力されると、モータ46に駆動信号を出力して、モータ46を指示方向に回転させる。そして、エンコーダ46bからのパルス列信号の入力が停止すると、駆動信号の出力を停止する。これにより、プレート45を、上述したA位置及びB位置までそれぞれ回転させることができる。
筐体50の切欠き部壁50cには結像レンズ48が設けられているとともに、筐体50内部には撮像器49が設けられている。撮像器49は、多数の撮像素子をマトリクス状に配置したCCD受光器又はCMOS受光器で構成され、各撮像素子で受光した光の強度に応じた大きさの受光信号(撮像信号)を撮像素子ごとにセンサ信号取出回路87にそれぞれ出力する。これらの結像レンズ48及び撮像器49は、イメージングプレート15に対して設定された位置にある測定対象物OBにおけるLED光の出射点(照射点)を中心とした領域の画像を撮像する。すなわち、結像レンズ48及び撮像器49は、測定対象物OBを撮像するデジタルカメラとして機能する。このイメージングプレート15に対して設定された位置とは、前記測定対象物OBにおけるX線及びLED光の照射点からイメージングプレート15までの垂直距離Lが、予め決められた所定距離となる位置である。なお、この場合の結像レンズ48及び撮像器49による被写界深度は、前記出射点を中心とした前後の範囲で設定されている。センサ信号取出回路87は、撮像器49の各撮像素子からの受光信号(撮像信号)の強度データを、各撮像素子の位置(すなわち画素位置)が分かるデータと共にコントローラ91に出力する。したがって、コントローラ91には、測定対象物OBにおけるLED光の照射点P1を含む、照射点P1近傍の画像を表す画像データが出力されることになる。
また、結像レンズ48の光軸は、X線出射器10から出射されるX線の光軸とイメージングプレート15の回転基準位置のラインを含む平面に含まれるように調整されている。また、結像レンズ48の光軸と、測定対象物OBに照射されるX線及びLED光の光軸が交わる点は、イメージングプレート15に対して設定された位置にある測定対象物OBにおけるX線及びLED光の照射点である。したがって、測定対象物OBにおける測定箇所がイメージングプレート15に対して設定された位置にある場合には、照射点P1を含む測定対象物OBの画像が撮像器49で撮像されることに加えて、照射点P1が結像レンズ48の光軸と交差する撮像器49の位置に対応する撮像画面上の位置に表示される。後述するように、結像レンズ48の光軸と交差する撮像器49の位置に対応する撮像画面上の位置には十字マークのクロス点が表示されるので、照射点P1は十字マークのクロス点に表示される。
測定対象物OBに照射されたLED光のその後の光路の観点から説明すると、LED光の照射点においてLED光は反射することに加えて散乱光を発生させる。そして、散乱光のうち結像レンズ48に入射した光は撮像器49の位置で結像し、撮像画面上で照射点P1の画像となる。また、測定対象物OBで反射したLED光は、測定対象物OBの表面に対しLED光が垂直に近い状態で照射されれば、円形孔50c1に貼られた黒色フィルムに受光される。そして、測定対象物OBの表面に対しLED光が垂直で照射されれば、反射したLED光は黒色フィルムの孔部分で受光される。LED光は図2および図3を見ればわかるように完全な平行光ではなく、やや広がる光となって出射されるので、この場合、反射したLED光は黒色フィルムの孔周りで受光される。よって、撮像画面上で照射点P1の画像が後述する十字マークのクロス点に表示されるとともに、LED光の反射光が黒色フィルムの孔部分で受光されるようX線回折測定装置の筐体50を調整することで、LED光および出射されたX線は測定対象物OBの表面に対し垂直で、照射点からイメージングプレート15までの距離は設定された距離にすることとができる。
コンピュータ装置90は、コントローラ91、入力装置92及び表示装置93からなる。コントローラ91は、CPU、ROM、RAM、大容量記憶装置などを備えたマイクロコンピュータを主要部とした電子制御装置であり、大容量記憶装置に記憶された各種プログラムを実行してX線回折測定装置の作動を制御する。入力装置92は、コントローラ91に接続されて、作業者により、各種パラメータ、作業指示などの入力のために利用される。表示装置93は、表示画面上に撮像器49によって撮像された照射点P1を含む画像に加えて、測定対象物OBの測定箇所に対するX線回折測定装置(筐体50)の位置と姿勢を適正に設定するための十字マークも表示される。さらに、表示装置93は、作業者に対して各種の設定状況、作動状況、測定結果なども視覚的に知らせる。高電圧電源95は、X線出射器10にX線出射のための高電圧及び電流を供給する。
以下に、上記のように構成したX線回折測定装置を含むX線回折測定システムを用いて、測定対象物OBに対するX線回折測定装置(筐体50)の位置と姿勢を調整したうえでX線を照射し、測定対象物OBの残留垂直応力σzを除く3軸方向の残留応力σx,σy,τxy,τyz,τxzを測定する具体的方法について説明する。この残留応力の測定は、X線回折測定システムを測定対象物OBの所まで運搬して設置し、電源を投入することにより作動させた後、図5に示すように、位置姿勢調整工程S1、回折環撮像工程S2、回折環読取り工程S3,回折環消去工程S4及び残留応力計算工程S5を実行することにより行われる。
まず、位置姿勢調整工程S1について説明する。最初に作業者は、X線回折測定装置の筐体50に接続されたアーム式移動装置を操作することで、X線回折測定装置(筐体50)の位置と姿勢を調整して、おおよそで筐体50の底面壁50aと測定対象物OBの測定箇所(X線の照射点)が平行になり、測定箇所からイメージングプレート15までの距離が設定値になるようにする。次に作業者は、入力装置92から位置姿勢調整工程S1の開始を入力する。この入力に応答して、コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御して、イメージングプレート15を回折環撮像位置(図1及び図2の状態)に移動させる。また、コントローラ91は、回転制御回路86を制御し、モータ46をストッパ部材47aによりプレート45の回転が停止するまで図4のD1方向に回転させて、プレート45をA位置まで回転させる。この状態では、LED光源44がテーブル駆動機構20の上壁26に設けた貫通孔26aに対向して位置する。
その後、コントローラ91は、LED駆動回路85を制御して、LED光源44を点灯させる。このLED光源44の点灯により、LED光源44から出射されて拡散された可視光であるLED光の一部は、貫通孔26a、通路部材28、貫通孔27b,27a1,16a,17a,18aを介して固定具18から出射される。この場合、通路部材28及び貫通孔18aの内径は小さく、貫通孔18aから出射されるX線は貫通孔27a1の軸線に平行な平行光である。平行光であるLED光は、筐体50の切欠き部壁50cに設けた円形孔50c1に貼られた黒色フィルムの孔から外部へ出射され、測定対象物OBの測定箇所近傍に照射される。
次に、コントローラ91は、センサ信号取出回路87に撮像器49からの撮像信号の入力を指示して、撮像器49による撮像信号をセンサ信号取出回路87からコントローラ91に出力させる。コントローラ91は、この撮像信号を表示装置93に出力して、撮像器49によって撮像されたLED光の照射位置近傍の画像を表示装置93に表示させる。このとき、表示される画像にはLED光の照射点P1の画像がある。また、コントローラ91は、撮像器49からの撮像信号によって表示される画像とは独立して、結像レンズ48の光軸が撮像器49と交差する位置に相当する撮影画像上の位置に十字マークを表示する。
この場合、十字マークのクロス点は表示装置93の画面の中心に位置し、十字マークのX軸方向は画面の横方向に対応し、十字マークのY軸方向は画面の縦方向に対応する。そして、十字マークのクロス点は、測定対象物OBにおけるLED光の照射点からイメージングプレート15までの距離Lが設定値であるときに、照射点P1が撮像される位置である。また、十字マークのY軸線は、X線の光軸と結像レンズ48の光軸とを含む平面が、撮像器49と交差するラインである。
作業者は、表示装置93に表示される画像を見ながら、アーム式移動装置を操作することで、X線回折測定装置(筐体50)の位置と姿勢を調整して、画面上におけるLED光の照射点P1が測定対象物OBの測定箇所と合致するとともに十字マークのクロス点と合致するようにする。さらに、測定対象物OBの測定箇所近傍に円形孔50c1に貼られた黒色フィルムが映るように小型のミラーを置き、円形孔50c1に貼られた黒色フィルムの孔部分に、測定対象物OBで反射したLED光が受光されるようにする。なお、黒色フィルムの孔部分で反射したLED光が受光するようにする調整は厳密でなくてもよい。その理由については後述する。
次に作業者は、入力装置92から位置姿勢調整工程S1の終了を入力する。この入力に応答して、コントローラ91は、LED駆動回路85を制御してLED光源44を消灯させ、センサ信号取出回路87を制御して、撮像器49からの撮像信号の入力及び撮像信号のコントローラ91への出力を停止させ、かつ回転制御回路86を制御して、モータ46をストッパ部材47bによりプレート45の回転が停止するまで図4のD2方向に回転させて、プレート45をB位置にする。これにより、X線出射器10からのX線がテーブル駆動機構20の上壁26に設けた貫通孔26aに入射され得る状態となる。
次の回折環撮像工程S2において、作業者は入力装置92から測定対象物OBの材質(本実施例では、鉄)を入力し、残留応力の測定開始をコントローラ91に入力する。これにより、コントローラ91は、まずイメージングプレート15が撮像位置にある状態で、スピンドルモータ制御回路74を制御して、イメージングプレート15を低速回転させ、エンコーダ27cからインデックス信号を入力した時点で、イメージングプレート15の回転を停止させる。これにより、後述する回折環読取り工程S3による回折環の読取り開始時においてレーザ光が照射されている位置が回転角度0°の位置になる。
次に、コントローラ91は、X線制御回路71を制御してX線出射器10にX線の出射を開始させ、所定時間の経過後に、X線制御回路71を制御してX線出射器10にX線の出射を停止させる。これにより、X線出射器10から出射されたX線は、貫通孔26a,21a、通路部材28、貫通孔27b,27a1,16a,17a,18a及び円形孔50c1を介して外部に出射され、測定対象物OBの測定箇所に所定時間だけ照射される。この測定対象物OBへのX線の所定時間の照射により、測定対象物OBの測定箇所から回折X線が発生し、イメージングプレート15には回折環が撮像される。
このような回折環撮像工程S2の後、コントローラ91は、自動的に又は作業者による入力装置92を用いた指示により、図5の回折環読取り工程S3を実行する。コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御して、イメージングプレート15を回折環読取り領域内の読取り開始位置へ移動させる。このイメージングプレート15の読取り開始位置とは、対物レンズ36の中心すなわちレーザ光の照射位置が、内側に撮像される回折環(CrKα線による回折環)に対してやや内側になる位置である。この場合、位置検出回路72から出力される位置信号は、移動ステージ21が移動限界位置にある状態から移動ステージ21が移動した移動距離xを表しており、移動ステージ21すなわちテーブル16(イメージングプレート15)が移動限界位置にある状態で、テーブル16(イメージングプレート15)の中心から対物レンズ36の中心位置までの距離は予め決められた所定値である。したがって、イメージングプレート15の読取り開始位置への移動は、位置検出回路72からの位置信号を用いて行われる。
なお、回折環が形成される位置は、測定対象物OBにおけるX線の回折角度θ、X線照射点からイメージングプレート15までの距離Lおよび特性X線の波長λにより決まるが、距離Lは位置姿勢調整工程S1で設定値になるよう調整されており、特性X線の波長λは既知であるので、X線の回折角度θで決まる。回折角度θは無応力状態では測定対象物OBの材質により定まるので、測定対象物OBの材質から、無応力状態での回折環形成位置を計算することができる。測定対象物OBの残留応力が大きくなるほど、撮像される回折環の位置は無応力状態の回折環の位置からずれるので、回折環に対してやや内側になる読取り開始位置とは、考えられる最大の残留応力の場合の回折環位置よりも内側になる位置である。コントローラ91は、測定対象物OBの材質ごとに読取り開始位置を記憶しており、測定開始前に入力された測定対象物OBの材質から読取り開始位置を定めることができる。
次に、コントローラ91は、スピンドルモータ制御回路74に、イメージングプレート15が所定の一定回転速度で回転するように、スピンドルモータ27の回転を制御させる。また、レーザ駆動回路77を制御してレーザ光源31によるレーザ光のイメージングプレート15に対する照射を開始させる。その後、コントローラ91は、フォーカスサーボ回路81にフォーカスサーボ制御の開始を指示して、フォーカスサーボ回路81にフォーカスサーボ制御を開始させる。したがって、対物レンズ36が、レーザ光の焦点がイメージングプレート15の表面に合うように光軸方向に駆動制御される。
次に、コントローラ91は、回転角度検出回路75及びA/D変換回路83を作動させて、回転角度検出回路75からスピンドルモータ27(イメージングプレート15)の基準位置からの回転角度θpを入力させ始めるとともに、A/D変換回路83からSUM信号の瞬時値Iのディジタルデータをコントローラ91に出力させ始める。次に、コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御してフィードモータ22を回転させて、イメージングプレート15を読取り開始位置から図1及び図2の右下方向へ一定速度で移動させる。これにより、レーザ光の照射位置が、イメージングプレート15において、読取り開始位置から外側方向に一定速度で相対移動し始める。これにより、レーザ光の照射位置は、相対的にイメージングプレート15上を螺旋状に回転し始める。
その後、コントローラ91は、イメージングプレート15が所定の小さな角度だけ回転するごとに、SUM信号の瞬時値IのデジタルデータをA/D変換回路83を介して入力するとともに、回転角度検出回路75からの回転角度θp及び位置検出回路72からの移動距離xを入力して、SUM信号の瞬時値Iのデジタルデータを、基準位置からの回転角度θpと、移動距離xに基づくイメージングプレート15の中心からのレーザ光の照射位置の径方向距離r(半径値r)とに対応させて順次記憶する。この場合も、移動ステージ21すなわちテーブル16(イメージングプレート15)が移動限界位置にある状態で、テーブル16(イメージングプレート15)の中心から対物レンズ36の中心位置までの距離は予め決められた所定値であるので、前記半径値rは移動距離xを用いて計算される。これにより、螺旋状に回転するレーザ光の照射位置に関して、SUM信号の瞬時値I、回転角度θp及び半径値rを表すデータが所定回転角度ごとに順次記憶されて蓄積されていく。
SUM信号の瞬時値I、回転角度θp及び半径値rを表すデータの所定回転角度ごとの記憶動作と並行して、コントローラ91は、回転角度θpごとに半径値rに対するSUM信号の瞬時値Iの曲線を作成し、曲線のピークに対応した半径値rαとSUM信号強度値Iαを記憶する。これは回折環の回転角度αごとに半径方向における回折X線の強度分布を求め、回折X線の強度がピークとなる箇所の半径値rαと回折X線の強度に相当する強度Iαを求める処理である。上述したように回折環はCrKα線による回折環とCrKβ線による回折環の2つが形成されるので、半径値rに対するSUM信号の瞬時値Iの曲線は2つのピークが生じる。以後、コントローラ91記憶されるCrKα線による回折環(内側の回折環)における半径値rαをr1αとし、CrKβ線による回折環(外側の回折環)における半径値rαをr2αとする。コントローラ91は、すべての回転角度θp(回転角度α)において2つの半径値rαと2つの強度Iαを取得し、検出するSUM信号の瞬時値Iが2つの強度Iαの小さい方(CrKβ線による回折環の方)に対して充分小さくなった(例えば1/10以下になった)時点で、SUM信号の瞬時値I、回転角度θp及び半径値rを表すデータを所定回転角度ごとに検出し記憶する処理を終了する。これにより2つの回折環の形状(回転角度αごとの半径値r1αと半径値r2α)が検出されたことになる。
その後、コントローラ91は、フォーカスサーボ回路81によるフォーカスサーボ制御を停止させ、レーザ駆動回路77によるレーザ光源31のレーザ光の照射を停止させる。また、コントローラ91は、A/D変換回路83及び回転角度検出回路75の作動を停止させるとともに、フィードモータ制御回路73によるフィードモータ22の作動も停止させる。これにより、回折環読取り工程S3が終了される。なお、この状態では、位置検出回路72の作動及びイメージングプレート15の回転は、以前と同様のまま継続されている。
このような回折環読取り工程S3の後、コントローラ91は、自動的に又は作業者による入力装置92を用いた指示により、図5の回折環消去工程S4を実行する。この回折環消去工程においては、コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御してイメージングプレート15を回折環消去領域内の消去開始位置へ移動させる。このイメージングプレート15の消去開始位置とは、LED光源43から出力されるLED光の中心が前記読取り開始位置の場合よりもさらに内側になる位置であり、測定対象物OBの材質ごとにコントローラ91に記憶されている。この場合も、前記読取り開始位置の場合と同様に、イメージングプレート15の移動は、位置検出回路72からの位置信号を用いて行われる。
次に、コントローラ91は、LED駆動回路84を制御してLED光源43によるLED光のイメージングプレート15に対する照射を開始させるとともに、フィードモータ制御回路73を制御して、イメージングプレート15を前記消去開始位置から消去終了位置まで図1及び図2の右下方向に一定速度で移動させるように、フィードモータ22を回転させる。消去終了位置とは、LED光源43によるLED光の中心が、外側に形成される回折環(CrKβ線による回折環)の位置よりも充分外側になる位置であり、測定対象物OBの材質ごとにコントローラ91に記憶されている。
これにより、LED光源43によるLED光が、消去開始位置から消去終了位置まで、イメージングプレート15上に螺旋状に照射され、前記回折X線によって形成された回折環が消去される。
次に、コントローラ91は、フィードモータ制御回路73を制御してイメージングプレート15の移動を停止させるとともに、LED駆動回路84を制御してLED光源43によるLED光の照射を停止させる。また、コントローラ91は、位置検出回路72の作動を停止させるとともに、スピンドルモータ制御回路74を制御してスピンドルモータ27によるイメージングプレート15の回転も停止させる。これにより、回折環消去工程S4が終了する。
このような回折環消去工程S4の後、コントローラ91は、自動的に又は作業者による入力装置92を用いた指示により、図5の残留応力計算工程S5を行う。なお、残留応力計算工程S5は、回折環消去工程S4と並行して行ってもよい。残留応力計算工程S5は、回折環読取り工程S3において得られた2つの回折環の形状(回転角度αごとの半径値r1αと半径値r2α)を用いて、コントローラ91が行うプログラムによる演算処理である。この演算処理は以下の(1)〜(8)の順に行われる。
(1)回転角度αごとに2つの回折角を計算
記憶されている回転角度αごとの半径値r1αと半径値r2αおよびX線照射点からイメージングプレートまでの設定距離Lを用いて、回転角度αごとに以下の数1の計算式を用いて2つの回折角を計算する。内側に形成される回折環(CrKα線による回折環)の回折角を2θαin、外側に形成される回折環(CrKβ線による回折環)の回折角を2θαoutとする。
(数1)
2θαin = 180°−tan−1(r1α/L)
2θαout = 180°−tan−1(r2α/L)
これは、図6に示すように、異なる回折面での回折角を計算することである。本実施形態では測定対象物OBの材質は鉄であるので、無応力の場合、2θαinは156.4°、2θαoutは125.9°の値である。なお、回転角度αは回折環における回転角度(回折環の中心からの方向)であるが、本発明では測定対象物OBにX線を垂直に入射させているので、回転角度αは測定対象物OBにおける回転角度φ(X線照射点からの方向)でもある。2θαinと2θαoutは異なる回折面での回折角であるため、この回折角を同じ波長のX線における回折角に換算すれば、測定対象物OBに対するX線の入射角を変化させて、異なる回折面での回折角を測定するsinψ法と同じとみなすことができ、残留垂直応力の計算にsinψ法の理論を適用することができる。
(2)外側の回折環を形成する測定対象物OBの回折面でCrKα線が回折するときの回折角2θαout’を計算
外側の回折環を形成するのはCrKβ線であり、内側の回折環を形成するのはCrKα線であるためX線の波長が異なる。上述したようにsinψ法の理論を適用するには、同じ波長のX線での異なった回折面での回折角にする必要がある。よって、(1)で得られた2θαoutから以下の数2の計算式で、外側の回折環を形成する回折面でCrKα線が回折環を形成するときの回折角2θαout’を計算する。数2の計算式はブラッグの式 2d・sinθ = n・λとCrKα線の波長2.291Å、CrKβ線の波長2.085Åから得られるものである。
(数2)
2θαout’= 2・sin−1{(2.091/2.085)・sinθαout
(3)回転角度αごとにsinψ法を用いて残留垂直応力σαを計算
測定対象物OBの法線と回折環を形成する回折面の法線が成す角度(以下、回折面角度という)をψとすると、内側の回折環の回転角度αにおける回折面角度ψαinは(180°−2θαin)/2で、外側の回折環の回転角度αにおける回折面角度ψαoutは(180°−2θαout)/2である。この回折面角度ψαin、ψαoutと、回折角度2θαin,2θαout’からsinψ法を用いて回転角度θαごとの残留垂直応力σαを計算する。sinψ法では、横軸にsinψ法をとり、縦軸に回折角2θをとると、sinψと回折角2θは直線関係になり、この傾きにヤング率、ポアソン比、無歪状態における回折角から定まる係数Kを乗算して残留垂直応力を求める。よって、座標、(sinψαin,2θαin)、(sinψαout,2θαout’)から定まる直線の傾きに係数Kを乗算することで残留垂直応力σαを求める。
(4)回転角度αが180°異なる残留垂直応力σαを平均
残留垂直応力は、方向が180°異なれば理論的には同じ値になる。よって、回転角度αと回転角度α+180°の残留垂直応力σαを足して2で割り、残留垂直応力σα’とする。これにより、回転角度αが0〜180°の間における(α,σα’)のデータ群が得られ、このデータ群から横軸に回転角度αをとり、縦軸に残留垂直応力σα’をとったグラフを描くと図7に示すようなグラフになる。なお、方向が180°異なる残留垂直応力を平均するため、測定対象物OBに対してX線が厳密に垂直に入射していなくても、平均した残留垂直応力σα’は測定対象物OBに対してX線が垂直に入射した場合と略同じ値になる。位置姿勢調整工程S1において、円形孔50c1に貼られた黒色フィルムの孔部分に、測定対象物OBで反射したLED光が受光されるようにする調整は厳密でなくてもよいとしたのは、この理由による。本発明は測定対象物OBに対してX線が厳密に垂直に入射していなくても、精度よく平面の残留応力を測定することができるので、測定対象物OBが曲面であっても精度よく平面の残留応力を測定することができるという利点がある。
(5)X軸方向から等しい回転角度の残留垂直応力σα’を平均
回転角度αが0°はY軸方向であるので、X軸方向は回転角度αが90°の方向である。X軸方向から等しい回転角度は、回転角度αと回転角度180°−αであるので、これらの回転角度αの残留垂直応力σαを足して2で割り、平均残留垂直応力σα”とする。これにより、回転角度αが0〜90°の間における(α,σα”)のデータ群が得られる。回転角度αと回転角度180°−αの残留垂直応力σαは等しい値ではないが、平均残留垂直応力σα”は、X軸方向の残留垂直応力σxとY軸方向の残留垂直応力σyの成分のみの値にすることができる。その理由について以下に説明する。
X軸方向の残留垂直応力σx,Y軸方向の残留垂直応力σy,残留せん断応力τxyとし、平面応力状態をテンソルで表すと、以下の数3のように表される。
この数3で表されたテンソルをコーシーの定理で座標変換した、X軸方向からθの回転角度方向の残留垂直応力σθは、以下の数4の式になる。
数4の式を変形すると、以下の数5の式になる。
sin2θ=−sin(−2θ)であるので、X軸方向からθの回転角度の残留応力とX軸方向から−θの回転角度の残留応力を足して2で割ると、以下の数6の式のように、X軸方向の残留垂直応力σxとY軸方向の残留垂直応力σyの成分のみの値にすることができる。
(6)残留垂直応力σx,σyを計算
数6の左辺を変形すると、(σx−σy)cosθ+σyとなり、θ=90°−αであるので、cosθ=cos(90°−α)=sinαである。よって、(α,σα”)のデータ群から横軸に回転角度αをとり、縦軸に平均残留垂直応力σα”をとると、0°でσy、90°でσxになるsinθカーブの関係になる。よって、(α,σα”)のデータ群に最も合致するA・sinα+Bを最小2乗法により計算し、計算されたA、Bから残留垂直応力σx,σyを計算する。これは視覚的に示すと、図8に示すように、(α,σα”)のデータ群から横軸に回転角度αをとり、縦軸に平均残留垂直応力σα”をとったグラフを描き、それぞれの打点からの距離が最小になる、A・sinα+Bの曲線を見つけ出す処理である。
(7)残留せん断応力τxyを計算
上述した計算により残留垂直応力σx,Y軸方向の残留垂直応力σyは得られ、回転角度αが0〜180°の間における残留垂直応力σα’は得られており、θ=90°−αであるので、数5において、未知数は残留せん断応力τxyのみである。よって、回転角度αごとに数5にσx,σy,σα’を代入して残留せん断応力τxyを計算し、得られた複数の残留せん断応力τxyを平均して、正規の残留せん断応力τxyとする。
(8)残留せん断応力τxz,τyzを計算
測定対象物OBの表面に垂直にX線を照射して回折環を形成した場合、先行技術文献に特許文献2として示した特開2011−27550号公報に式19として示されているように、回折環の形状から以下の数7の式により残留せん断応力τxz,τyzを計算することができる。
なお、数7においてEは縦弾性定数、νはポアソン比、ηはブラッグ角θの補角[(π/2)−θ]であり定数である。また、αは上記の回転角度αであり、a1(0),a2(0)は回折環の形状から求めることができる値である。よって、回折環のピーク強度が大きい内側の回折環(CrKα線による回折環)の形状データである回転角度αごとの半径値r1αから、回転角度αごとのa1(0),a2(0)を計算し、これを数7に当てはめて残留せん断応力τxz,τyzを計算する。
コントローラ91は、測定対象物OBの残留垂直応力σzを除く3軸方向の残留応力σx,σy,τxy,τyz,τxzの計算が終了すると、表示装置に93にこれらの残留応力の計算結果を表示する。なお、これ以外に、回転角度αと平均残留垂直応力σα”の関係を示すグラフ、回転角度αと回折環の強度分布画像(瞬時値Iを明度にして瞬時値I、回転角度θp及び半径値rのデータ群から得られる画像)、及び距離L等の測定条件を表示するようにしてもよい。作業者は結果を見ることで、測定対象物OBの疲労度の評価やショットピーニングの評価等を行うことができる。
上記説明からも理解できるように、上記実施形態においてはX線回折測定装置を、対象とする測定対象物OBに向けて、少なくとも2つの波長の特性X線を有するX線を出射するX線出射器10と、X線出射器10から出射されるX線が、測定対象物OBの表面に対して略垂直に照射されるよう、測定対象物OBに対するX線の向きを調整することができるアーム式移動装置と、X線出射器10から測定対象物OBに向けてX線を照射して、測定対象物OBにて発生した回折X線を、X線出射器10から出射されるX線の光軸に対して垂直に交差するイメージングプレート15にて受光し、イメージングプレート15に回折X線の像である、少なくとも2つの回折環を形成するとともに、回折環の形状を検出するテーブル駆動機構20、レーザ検出装置30、コントローラ91及び各種回路と、検出された少なくとも2つの回折環の形状から、sinψ法を用いて、測定対象物OBの表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力を計算するコントローラ91にインストールされている演算プログラムとを備えたX線回折測定装置としている。
これによれば、アーム式移動装置を用いて測定対象物OBの表面に対してX線が略垂直に照射されるようX線の向きを調整した後、テーブル駆動機構20、レーザ検出装置30、コントローラ91及び各種回路の作動により、X線出射器10から少なくとも2つの波長の特性X線を有するX線を照射して、イメージングプレート15に少なくとも2つの回折環を形成し、その形状を検出すれば、コントローラ91内の演算プログラムによる計算で、測定対象物OBの表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力を計算することができ、この計算結果から測定対象物OBの表面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyを計算することができる。すなわち、1回の測定で、測定対象物の表面に平行な2軸方向の残留応力σx,σy,τxyを求めることができる。
また、上記実施形態においては、測定対象物OBの表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力から残留応力σx,σy,τxyを計算するため、コントローラ91内の演算プログラムは、計算されたそれぞれの方向の残留垂直応力において対称となる方向の残留垂直応力を平均して、測定対象物の表面に平行なX軸方向とY軸方向の間のそれぞれの方向における残留垂直応力の平均値を取得し、それぞれの方向に対する取得した残留垂直応力の平均値の関係曲線を計算し、計算した関係曲線からX軸方向とY軸方向における残留垂直応力σx,σyと残留せん断応力τxyを計算している。
これによれば、それぞれの方向の残留垂直応力は少なくとも2つの回折角に基づくデータであるため精度は高くないが、複数のデータを平均する処理と、平均したデータにより関係曲線を作成する処理の2つを行うことで、計算される残留応力σx,σy,τxyの測定精度を高くすることができる。また、測定対象物OBの表面に対してX線が厳密に垂直に照射されていなくても、対称となる方向の残留垂直応力を平均すると、残留垂直応力の平均値は測定対象物OBの表面に対してX線が垂直に照射された場合と略同じ値になる。よって、測定対象物OBが曲面であっても、測定対象物OBの残留応力σx,σy,τxyを精度よく求めることができる。
また、上記実施形態においては、コントローラ91内の演算プログラムは、テーブル駆動機構20、レーザ検出装置30、コントローラ91及び各種回路の作動により検出された回折環の形状から、X軸方向と測定対象物の表面に垂直なZ軸方向における残留せん断応力τxzと、Y軸方向とZ軸方向における残留せん断応力τyzを計算している。これによれば、1回の測定で、残留垂直応力σzを除く3軸方向の残留応力σx,σy,τxy,τyz,τxzを求めることができる。
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
上記実施形態では、X線出射器10を電子をぶつけるターゲットがクロムであるX線管にすることで、波長が2.291ÅのCrKα線と、波長が2.085ÅのCrKβ線の特性X線を出射するようにし、イメージングプレート15に2つの回折環が形成されるようにした。しかし、X線出射器10から出射される特性X線を3つ以上の波長のものにし、3つ以上の回折環が形成されるようにしてもよい。3つ以上の波長の特性X線を出射する方法としては、電子をぶつけるターゲットが2種類以上のX線管を使用する等の方法がある。なお、3つ以上の回折環が形成される場合でも、残留応力の計算方法は上記実施形態と同じであるが、sinψと回折角2θの関係直線の傾きを計算するとき、座標は3つ以上あるので、最小2乗法により回帰線の式を計算することで回帰線の傾きを求めればよい。
また、上記実施形態では、回折環の形成、回折環の形状検出、残留応力の計算を1つのX線回折測定システムにおいてすべて行うようにしたが、残留応力を得るまでに時間がかかってもよい場合は、これらを別々の装置で行うようにしてもよい。例えば、X線出射器とイメージングプレートを筐体内に備えたX線回折装置により測定対象物OBへX線照射して回折環を形成する。次に、X線回折装置からイメージングプレートを取外し、イメージングプレート上をレーザ光の照射位置を検出しながらレーザ光を走査して反射光強度を検出する装置にセットし、回折環の形状データを取得する。次に、取得された回折環の形状データを記録媒体に記録し、残留応力計算プログラムがインストールされたコンピュータ装置に記録媒体をセットして読み出し残留応力の計算を行う、というようにしてもよい。
また、上記実施形態では、X線出射器10から出射されるX線と光軸を同一にしたLED光を照射する機能と、LED光の照射点の周囲を撮像して撮像画像を表示する機能を設け、撮像画像に表示されるクロス点にLED光の照射点が合致し、測定対象物OBで反射したLED光がX線回折測定装置の円形孔50c1に貼られた黒色フィルムの孔部分で受光されるよう、X線回折測定装置の筐体の位置と姿勢を調整した。しかし、測定対象物OBの表面に垂直かつ設定された距離でX線が照射されるようにできれば、どのような調整システムを用いてもよい。例えば、測定対象物OBが小型であるもの限定されていれば、X線回折測定装置は固定して、測定対象物OBを載置するステージとステージの位置と姿勢を調整する機構を設け、上記実施形態のようにLED光の照射と撮像画像の表示をした際、測定対象物OBを載置したステージの位置と姿勢を調整するようにしてもよい。
また、測定対象物OBが小型で平板に限定されていれば、出射されるX線がステージに垂直に照射されるように調整し、X線出射方向の位置のみが調整できる機構をX線回折測定装置またはステージに設け、上記実施形態のようにLED光の照射と撮像画像の表示をした際、撮像画像に表示されるクロス点にLED光の照射点が合致するよう、位置を調整するようにしてもよい。また、測定対象物OBが小型で平板のうえ厚さが一定のもに限定されていれば、出射されるX線がステージに垂直かつ設定された距離で照射されるように調整し、ステージにX線の照射箇所を明示して、測定の際、測定対象物OBの測定点がX線の照射箇所に一致するようステージに測定対象物OBを載置するようにしてもよい。この場合は、LED光照射機能と撮像機能は不要になる。
また、上記実施形態では、イメージングプレート15に回折環を形成した後、レーザ照射装置30からのレーザ照射と光の強度検出により、回折環における回折X線の強度に相当する強度の分布を検出し、LED光の照射により回折環の消去を行ったが、回折環を形成してその強度分布を検出することができるならば、回折環の形成と強度分布の検出はどのような方法を用いてもよい。例えば、イメージングプレート15の代わりにイメージングプレート15と同じ広さの平面を有するX線CCDを備え、X線出射器10からのX線照射の際、X線CCDの各画素が出力する電気信号により回折環における強度分布を検出するようにしてもよい。また、イメージングプレート15と同じ広さの平面を有するX線CCDの代わりに微小サイズのX線CCDを位置を検出しながら走査し、X線CCDの各画素が出力する電気信号とX線CCDの走査位置から回折環における強度分布を検出するようにしてもよい。また、X線CCDに替えてシンチレータから出た蛍光を、光電子増倍管(PMT)で検出するシンチレーションカウンタを用いてもよい。
また、上記実施形態においては、測定対象物OBの表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力から残留応力σx,σy,τxyを計算する際、対称となる方向の残留垂直応力を平均して、測定対象物の表面に平行なX軸方向とY軸方向の間のそれぞれの方向における残留垂直応力の平均値を出し、それぞれの方向に対する残留垂直応力の平均値の関係曲線を計算して、この関係曲線から残留応力σx,σy,τxyを計算するようにしたが、残留応力σx,σy,τxyを計算することができれば、どのような計算方法を用いてもよい。例えば、全方向における残留垂直応力の関係曲線を最小2乗法により作成し、この関係曲線の線上の値を用いて上記実施形態と同様な計算を行ってもよい。
また、上記実施形態においては、残留垂直応力σzを除く3軸方向の残留応力σx,σy,τxy,τyz,τxzを計算したが、測定対象物OBが平面応力状態にあるとみなしてよいものに限定されていれば、残留垂直応力σx,σy及び残留せん断応力τxyを計算するのみにしてもよい。
10…X線出射器、15…イメージングプレート、15a,16a,17a,18a,21a,26a,27a1,27b…貫通孔、16…テーブル、18…固定具、20…テーブル駆動機構、21…移動ステージ、22…フィードモータ、23…スクリューロッド、27…スピンドルモータ、28…通路部材、30…レーザ検出装置、31…レーザ光源、36…対物レンズ、44…LED光源、45…プレート、46…モータ、47a,47b…ストッパ部材、48…結像レンズ、49…撮像器、50…筐体、50a…底面壁、50c…切欠き部壁、50d…繋ぎ壁、51…支持アーム、90…コンピュータ装置、91…コントローラ、92…入力装置、93…表示装置、95…高電圧電源 、OB…測定対象物

Claims (6)

  1. 対象とする測定対象物に向けて、少なくとも2つの波長の特性X線を有するX線を出射するX線出射器と、
    前記X線出射器から出射されるX線が、前記測定対象物の表面に対して略垂直に照射されるよう、前記測定対象物に対する前記X線の向きを調整することができる姿勢調整手段と、
    前記X線出射器から前記測定対象物に向けてX線を照射して、前記測定対象物にて発生した回折X線を、前記X線出射器から出射されるX線の光軸に対して垂直に交差する面にて受光し、前記面に回折X線の像である、少なくとも2つの回折環を形成するとともに、前記回折環の形状を検出する回折環形成検出手段と、
    前記回折環形成検出手段により検出された少なくとも2つの回折環の形状から、sinψ法を用いて、前記測定対象物の表面に平行なそれぞれの方向の残留垂直応力を計算する残留応力計算手段とを備えたことを特徴とするX線回折測定装置。
  2. 請求項1に記載のX線回折測定装置において、
    前記残留応力計算手段は、さらに前記計算されたそれぞれの方向の残留垂直応力において対称となる方向の残留垂直応力を平均して、測定対象物の表面に平行なX軸方向とY軸方向の間のそれぞれの方向における残留垂直応力の平均値を取得し、前記それぞれの方向に対する前記取得した残留垂直応力の平均値の関係曲線を計算し、前記計算した関係曲線から前記X軸方向とY軸方向における残留垂直応力σx,σyと残留せん断応力τxyを計算することを特徴とするX線回折測定装置。
  3. 請求項2に記載のX線回折測定装置において、
    前記残留応力計算手段は、さらに前記回折環形成検出手段により検出された回折環の形状から、前記X軸方向と前記測定対象物の表面に垂直なZ軸方向における残留せん断応力τxzと、前記Y軸方向と前記Z軸方向における残留せん断応力τyzを計算することを特徴とするX線回折測定装置。
  4. 対象とする測定対象物に向けて、少なくとも2つの波長の特性X線を有するX線を、前記測定対象物の表面に対して略垂直に照射されるよう出射し、前記測定対象物にて発生した回折X線を、前記出射したX線の光軸に対して垂直に交差する面にて受光し、前記面に回折X線の像である、少なくとも2つの回折環を形成するとともに、前記回折環の形状を検出する回折環形成検出ステップと、
    前記回折環形成検出手段により検出された少なくとも2つの回折環の形状から、sinψ法を用いて、前記測定対象物の表面に平行な複数の方向の残留垂直応力を計算する残留応力計算ステップとを行うことを特徴とするX線回折測定方法。
  5. 請求項4に記載のX線回折測定方法において、
    前記残留応力計算ステップは、さらに前記計算されたそれぞれの方向の残留垂直応力において対称となる方向の残留垂直応力を平均して、測定対象物の表面に平行なX軸方向とY軸方向の間のそれぞれの方向における残留垂直応力の平均値を取得し、前記それぞれの方向に対する前記取得した残留垂直応力の平均値の関係曲線を計算し、前記計算した関係曲線から前記X軸方向とY軸方向における残留垂直応力σx,σyと残留せん断応力τxyを計算することを特徴とするX線回折測定方法。
  6. 請求項5に記載のX線回折測定方法において、
    前記残留応力計算手段は、さらに前記回折環形成検出ステップにより検出された回折環の形状から、前記X軸方向と前記測定対象物の表面に垂直なZ軸方向における残留せん断応力τxzと、前記Y軸方向と前記Z軸方向における残留せん断応力τyzを計算することを特徴とするX線回折測定装置。
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