JP2016089824A - 真空ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の技術的課題は、真空ポンプの少なくとも一つの永久磁石支承部内の少なくとも一つの永久磁石リングの軸方向の整向が、簡単な方法で実施されることが可能である真空ポンプを提供することである。【解決手段】課題は、ローター及びステーターを有し少なくとも一つの永久磁石支承部を有する真空ポンプであって、当該永久磁石支承部が、ローター及びステーターの反対方向の回転可能な支承の為に形成されており、およびステーター側に少なくとも一つのマグネットリングの為のキャリア部が設けられている真空ポンプにおいて、少なくとも一つのマグネットリング(48)を有するキャリア部(80)が、支承部(44)の分解無しに軸方向に位置調整可能なキャリア部(80)として形成されていることによって解決される。【選択図】 図4

Description

本発明は、少なくとも一つの永久磁石支承部を有するローター及びステーターを有する真空ポンプに関する。
真空ポンプは、真空技術において重要な役割を担い、そして様々な技術的適用範囲において、特に気体状の媒体の吸引及び中空空間の真空引きの為に使用される。その際、特にターボ分子ポンプが使用される。これは、分子的領域、つまり非粘性的領域(独語:nicht viskosen Bereich)で作動し、そして高純度の真空を発生させるのに適している。ターボ分子ポンプは、通常回転ユニットを有する。この回転ユニットは、ステーターと、ステーターに対して回転可能なローターより成る。その際、ローターは、高純度の真空を発生させるために、通常極めて高い回転数で回転駆動される。
この極めて高い回転数のもと、ステーターに対するローターのできる限り摩擦の無い支承が、特に重要である。このような支承は、通常二つの支承部によって達成される。これは、吸入開口部の領域、つまりポンプの高真空側に配置された一つの支承部と、気体退出開口部の近傍、つまりポンプのいわゆる予真空側に配置された一つの支承部を有する。
高真空側に設けられた支承部は、その際、真空引きされるべき容量と接続状態にあるので、この支承部はできる限り汚染の無いよう形成されている必要がある。真空引きされるべき容量の汚染、またはその中に含まれる媒体の汚染を防止するためである。
出来る限り摩擦の少ない、そして同時に汚染の無い支承部という要求を満たすために、高真空側に設けられる支承部を永久磁石支承部として形成することが公知である。これは例えば、ステーターに取り付けられたマグネットリング積層部とローターに取り付けられたマグネットリング積層部を有することが可能である。これらは、互いに入り組み合って配置されており、そしてそれら反対方向の磁気的反発によって回転可能な半径方向の支承を保証する。
先行技術(特許文献1)に、そのような真空ポンプが属している。これは、ステーターに設けられたマグネットリング積層部とローター内に設けられたマグネットリング積層部を有する。これらマグネットリング積層部は、互いに対応するよう配置されている。つまりステーターのマグネットリングは、ローターのマグネットリングに向かい合って配置されている。これは、偏心性やアンバランスを防止するために必要である。真空ポンプの製造の際、アンバランスを防止するために、典型的には複数のコンポーネントが使用される。これらコンポーネントは、所定のスペック、特にそれらの形状とそれらの重量配分についてのスペックと、マグネットリングの場合、それらの磁気的挙動と、特に上述した特性の回転対称に関する挙動を、正確に、又は極めて小さいトレランスの範囲内で満たす。
この為、ステーターのマグネットリングとローターのマグネットリングを正確に向き合って配置することが必要である。実践から、マグネットリングの軸方向の整向の為に、ステーター内にワッシャーを使用することが公知である。これによって、ステーターのマグネットリングが、ローターのマグネットリングと正確に向き合って配置されているよう、マグネットリング積層部を軸方向で整向できる。
このようなステーターのマグネットリング積層部の整向は、しかし比較的手間がかかる(高コストである)。というのは、マグネットリングの整向が互いに正確であるまで、相応するスペーサーリングを、相応する厚さで配置する為に、真空ポンプ又は永久磁石支承部が、常に再分解される必要があるからである。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第10 2012 216 450 A1号明細書
よって本発明の技術的課題は、真空ポンプの少なくとも一つの永久磁石支承部内の少なくとも一つの永久磁石リングの軸方向の整向が、簡単な方法で実施されることが可能である真空ポンプを提供することである。
この技術的課題は、請求項1に記載の特徴を有する真空ポンプによって解決される。
少なくとも一つの永久磁石支承部を有するローター及びステーターを有する発明に係る真空ポンプであって、ローターおよびステーターの反対向きの回転可能な支承の為に形成されており、そしてステーター側に、少なくとも一つのマグネットリングの為のキャリア部が設けられている真空ポンプは、少なくとも一つのマグネットリングを有するキャリア部が、支承部の分解なく軸方向に位置調整可能なキャリアとして形成されている点において際立っている。
発明に係る真空ポンプは、少なくとも一つのマグネットリングを有するキャリア部が、軸方向に位置調整されることが可能である。これは、キャリア部がポンプの分解無しにステーターの外部からアクセス可能であることによって可能である。
ステーターが少なくとも一つの永久磁石リングまたはマグネットリング積層部とともに引き離されることとによって、外部からのアクセス性により、支承部を分解する必要がない、つまり支承部を開く必要が無い。
本発明の有利な実施形に従い、少なくとも一つのマグネットリングを有するキャリア部は、軸方向に連続的に位置調整可能なキャリア部として形成されていることが意図されている。この実施形は、ローターの少なくとも一つのマグネットリングに対するステーターの少なくとも一つのマグネットリングの極めて正確な軸方向の調整が、行われることが可能であるというメリットを有する。これは、実践から既知のワッシャーによっては不可能である。
本発明の特に好ましい実施形は、キャリア部が内側ねじ山を有すること、およびステーター側の保持要素に、外側ねじ山を有するフランジが設けられていること、およびキャリア部がステーター側の保持要素に設けられていることを意図する。この実施形によって、キャリア部を連続的に軸方向で位置調整することが可能である。キャリア部の回転によって、キャリア部の軸方向の移動が行われる。
これによって、ローターの少なくとも一つの永久磁石リングに対するキャリア部の少なくとも一つの永久磁石リングの高正確な調整が行われることが可能である。
好ましくはキャリア部はシリンダー形状に形成されている。これによって、必要な回転対称性と、少なくとも一つの永久磁石リングをキャリア部に簡単な配置性が与えられる。
本発明の特に好ましい実施形に従い、キャリア部が介入開口部を有すること、およびステーター側の保持要素が介入開口部と対応する複数の貫通穴を有することが意図されている。
この実施形によって、ステーター側の保持要素を通して、例えばツールによって、介入開口部内に介入すること、およびキャリア部を回転させることが可能である。回転によってマグネットリングを有するキャリア部は軸方向の移動を行う。これによって、ローターの永久磁石リングに対するステーターの少なくとも一つの永久磁石リングの高正確な精細調整が、組付けられたローターにおいて可能である。
これによって、本発明は特に際立っている。というのは真空ポンプがローター及びステーターと共に完全な状態で組み付けられるからである。ローターは、両方の支承部内、つまり高真空側の支承部と予真空側の支承部内に座する。この組付けられた状態で、少なくとも一つの永久磁石リングを有するキャリア部は軸方向に動かされる。ステーターの少なくとも一つの永久磁石リングを、ローターの少なくとも一つの永久リングと、ローターを組み付けられた状態で一致させるためである。
本発明の別の実施形に従い、介入開口部がキャリア部の周囲にわたって放射相称に分配されて配置されていることが意図されている。これによって、簡単な方法で、ツールによって貫通穴を通して介入開口部内へと介入することが可能である。
本発明の別の有利な実施形に従い、貫通孔が長穴として形成されていることが意図されている。これによって、ツールが介入開口部内に介入することができ、そして所定の動作余地が与えられる。
好ましくは、ステーター側の保持要素に対するキャリア部の位置に拠らず、常に少なくとも一つの介入開口部が、貫通穴の領域内に配置されているよう介入開口部は周囲にわたってキャリア部に分配されている。
基本的に、単に一つの貫通孔と介入孔を設ける可能性が存在する。ステーター側の保持要素に対するキャリア部の簡単な調整可能性の為に、少なくとも二つの貫通孔と少なくとも二つの介入開口部を設けることも有利である。有利には、三つの貫通穴と複数の介入開口部が設けられている。
介入開口部は、溝又は孔等として形成されていることが可能である。
本発明の別の有利な実施形に従い、キャリア部の固定の為に、保持要素内に少なくとも一つの固定装置が設けられていることが意図されている。ステーターの少なくとも一つの永久磁石が、ローターの少なくとも一つの永久磁石と揃えられると、ステーター側の保持要素内のキャリア部は、少なくとも一つの固定装置によって固定される。この固定装置は、例えばセットスクリューとして形成されていることが可能である。しかしまた、他の固定装置も可能である。
本発明の別の有利な実施形に従い、ローター及びステーターは、其々、少なくとも一つの永久磁石的リングを有する。有利には、ローター及びステーターが其々、一つの永久磁石的リング積層部を有することが意図されている。ここで、一つのリングが十分であるか、またはリング積層部が必要であるかは、ローター及びステーターを有する真空ポンプの形態はによる。
ローターリング及び/又はステーターリングは、例えば、基本的にシリンダー側面状(独語:zylindermantelfoermig)である、ローター又はステーターのリング積層部を形成する。この中に其々複数のリングが基本的に同心に互いに積層され、好ましくは同軸に互いに積層されている。ローターのリング積層部とステーターのリング積層部は、その際、好ましくは基本的に互いに同軸に配置されており、その際、両方のリング積層部の間には、マグネット支承部の間隙が形成されている。その際、積層部の領域には、好ましくはローターとステーターの同じ極が互いに向かい合っている、つまり、支承部のステーター側の部材とローターの支承部側の部材は、磁気的反発力によって互いに連結されている。
永久磁石支承部は、好ましくは、サマリウム・コバルト(独語:Samarium−Cobalt)またはネオジム・鉄・ボロン(独語:Neodym−Eisen−Bor)から形成されるか、又はサマリウム・コバルト及び/又はネオジム・鉄・ボロンを含む永久磁石を有する。これは、例えば、一又は複数のステーター側又はローター側の永久磁石リングであって、サマリウム・コバルト、ネオジム・鉄・ボロンの中の少なくとも一つの材料又はストロンチウムフェライトベース又はバリウムフェイライトベースのフェライト又はこれら材料の組合せを含むか、又はこれら材料の一または複数から形成されている。上述した材料は、支承に必要な磁気的支承力を発生させるのに特に適している。
本発明に従い、ステーターあの少なくとも一つのマグネットリングと、ローターの少なくとも一つのマグネットリングを、磁気的反発力が、最大に作用し、これによって最適化された支承がアンバランスなく達成されるよう向かい合って配置することが可能である。
本発明の別の有利な実施形に従い、キャリア部の内部に少なくとも一つの安全用支承部が配置されていることが意図されている。
本発明の有利な実施形に従い安全用支承部がローラー支承部として、好ましくはボール支承部として形成されている。このローラー支承部として形成された支承部は、ステーター側の保持要素をストッパーとして使用される安全用スリーブと接続する。ローターは、好ましくはピン部分を有する。このピン部分は、安全用スリーブ内に進入するよう延在している。安全用スリーブとピン部分の間に、ポンプの停止状態又は一定運転状態において、全ての回転角度をカバーする間隙が形成されているので、安全用スリーブとピン部分は、この状態で接触せず、およびローターはボール支承部と干渉しない状態である。ローターが半径方向に傾いた際に初めて、安全用スリーブとピン部分は接触するので、ローターはボール支承部と干渉し、そしてボール支承部は安全用スリーブとともに、ローターの為のストッパーを形成する。これは、マグネットリング積層部の衝突を防止する。安全用支承部内の間隙は、ステーター及びローターの永久磁石リングの間に形成される間隙よりも少ない半径方向の間隙幅を有する。ボール支承部によって形成されるストッパーは、ローターの回転する相対動作を許容するので、安全用支承部の干渉の際のローターの突然のブレーキングは防止される。本発明の有利な実施形に従い、ボール支承部がオイルフリーのボール支承部として形成されていることが意図されている。つまり、ボール支承部は、潤滑されないボール支承部として形成されているので、ポンプによって発生される真空のボール支承部による汚染は排除されている。
本発明に係る真空ポンプは、有利にはターボ分子ポンプとして形成されている。
永久磁石支承部の機能は、ステーターリング及びローターリングによって発生される、互いに反対向きの磁場と、これによって発生される半径方向に向けられた、ステーターリングとローターリングの間の磁気的反発力に基づいている。この半径方向の磁気的反発力の形式の支承力は、ステーターに対するローターの回転可能な半径方向の支承を実現する。ステーター内およびローター内の不正確に整向された複数の永久磁石は、偏心性の発生に通じる。偏心性は、ポンプの運転の際に振動を発生し、この振動は、ポンプの摩耗を高める。ポンプの運転安全性は損なわれ、そして最大限可能なポンプの回転数は引き下げられる。
本発明の別の特徴及びメリットは、添付の図面に基づき生ずる。図中には、発明に係る真空ポンプの実施例が、例示的にのみ記載されている。図は以下を示す。
真空ポンプの斜視図。 先行技術に従う図1に示された真空ポンプの軸方向断面図。 先行技術に従うマグネット支承部の断面詳細図。 マグネット支承部のステーター側の保持要素の断面詳細図。 図4の矢印Vの方向の図。
図1はターボ分子ポンプとして形成された真空ポンプ10を斜視図として示す。
真空ポンプ10は、複数部材式のポンプハウジングの一部を含むステーターと、ステーターと反対に回転するよう駆動可能に支承されているローター16を有している。
真空ポンプ10は、その高真空側に、吸引フランジ18によって取り囲まれた、真空引きすべき容積と接続するための吸引開口部20を有し、そして、真空ポンプ10の予真空側の領域内に配置され、予真空フランジ22によって取り囲まれた、予真空部との接続の為の気体退出開口部24を有する。
ステーターとローター16は、共に真空ポンプ16の一つの回転ユニットを形成する。これは、ポンプ10の基礎部分、又は下部部分28と取り外し可能に接続されている。
図2は、図1の真空ポンプ10を、その回転軸30に沿った部分断面図として示す。ステーターは、複数のステーターディスク32を有する。これらは、ハウジング14内に配置されており、そしてスペーサー要素34を介して互いに所定の間隔に保持されている。
ローター16は、ローター軸36を有する。これは、複数のローターディスク38を担持している。その際、各ローターディスク32は、二つのステーターディスク32の間の中間空間内に配置されている。ステーターディスク32とローターディスク38は、複数の羽根を有し、ポンプ効果を発する各一つの構造を有している。その結果、ステーターディスク32は、隣接する各ローターディスク38とターボ分子ポンプ10のポンプ段を形成する。下部部分28内には、駆動ユニット40が配置されている。これは、例えば電動モーターを有することが可能であり、これによってローター16はポンプ作用を提供するために回転的に駆動可能である。
更に、ポンプ10は、予真空側の支承部42を有している。この支承部は、ローター16を下部部分28およびこれと接続されるステーターに対して回転可能に支承するよう形成されている。予真空側の支承部42は、半径方向および軸方向の支承力を収容し、そしてこの場合、潤滑されるローラー支承部として形成されている。
その高真空側で、ポンプ10は、図2においては先行技術に属する永久磁石支承部として形成された支承部44を有している。この支承部は、ローター側の支承半部とステーター側の支承半部を有する。そしてこれは、ローター16のステーターに対する回転可能な支承を行う。
図3は、先行技術に属する永久支承部44を示す。支承部44は、複数のステーターマグネットリング48から成るステーター側のマグネットリング積層部46を有し、そして複数のローターマグネットリング52からなるローター側のマグネットリング積層部56を有する。積層部46,50のマグネットリング48,52は、その際、軸方向に互いに積層されており、そして少なくとも近似的にシリンダー側面状である、積層部46,50の基本形状を形成する。積層部側のマグネットリング積層部46とローター側のマグネットリング積層部50は、その際、基本的にポンプ10の回転軸30に対して同軸に配置されている。その際、ステーター側の積層部46は、ローター側の積層部50の内部に、ローターリング48の半径方向外側面が、ステーターリング52の半径方向内側面と向かい合い、そしてこれらの間に、少なくとも近似的にシリンダー側面状の間隙54が、積層部44の半径方向の延在によって形成される少ない間隙幅を有し形成されているよう配置されている。
ステーターは、キャリア部分56を有する。このキャリア部分は、吸引開口部の中央に配置されており、図1に示されるように実施例においては、吸引開口部20内に配置される複数の半径方向支柱58を介してハウジング14と接続されている。キャリア部分56は、軸方向に延在する、基本的にシリンダー側面状の保持部分60を有する。これは、ステーター側の積層部46の内部に進入するよう延在している。その際、ステーターリング46は、その半径方向内側面が、保持部分60の半径方向外側面に当接し、そしてこれによって保持される。ローター16は、同様に、基本的にシリンダー側面状の保持部分62を有する。その際、ローターリング52は、その半径方向外側面が、保持部分62の半径方向内側面に当接し、これによって保持される。ポンプは、更に安全用支承部(独語:Fanglager)64を有する。この支承部は、ローター16に対する回転可能なストッパーを形成し、そして、ステーターとローター16の互いに相対的な半径方向の移動を制限する。これ(移動)は、例えばポンプ10に作用する衝突によって、またはポンプ10の運転の間に発生する振動によって引き起こされる。これによって、両方の積層部46,50のリング48,52が、そのような半径方向の相対移動の結果、互いに機械的に接触すること、そして永久磁石支承部44が損傷されることを防止する。
安全用支承部64は、永久磁石支承部44の内部に配置された、ボール支承部として形成されたローラー支承部66を有する。これは、キャリア部分56を、ストッパーとして使用される安全用スリーブ68と回転可能に接続する。ローター16は、ピン部分70を有する。これは、安全用スリーブ58内に進入するよう延在している。安全用スリーブ68とピン部分の間には、ポンプ10の停止状態において、または同様に進行する運転において全ての回転角度をカバーする間隙72が形成されているので、安全用スリーブ68とピン部分70は、この状態において接触せず、ローター16はボール支承部66と干渉しない。ローター16が半径方向の傾いた際に初めて、安全用スリーブ68とピン部分70は接触するので、ローター16はボール支承部66と干渉し、そしてボール支承部66は安全用スリーブ68と共にローター16の為のストッパーを形成する。これは、マグネットリング積層部46,50の衝突を防止する。間隙72は、この為、間隙54よりも少ない半径方向の間隙幅を有する。ボール支承部66によって形成されるストッパーは、ローターの回転的な相対移動を許容するので、安全用支承部64と干渉した際のローター16の突然のブレーキングは防止される。ボール支承部66は、潤滑されないボール支承部66として形成されているので、ボール支承部66によるポンプ10によって発生される真空の汚染は排除されている。
永久磁石支承部44の機能は、ステーターリング48とローターリング52によって発生される互いに反対方向の磁場に基づいており、かつ、これによって発生される、ステーターリング48とローターリング52の間の半径方向に向けられた磁気的反発力に基づいている。このような変形方向の磁気的反発力の形式の支承力が、ローター16のステーターに対する回転可能な支承を行う。その際、回転軸30に関して完全に回転対称でないこれら支承力又は原因となる磁場の分配と、ローター16の完全に回転対称でない重量分配は、ポンプ10の偏心性へと通じる。これは、ポンプ10の運転の際、振動を引き起こす。この振動は、ポンプ10の消耗を高め、その運転安全性を損ない、そしてポンプ10の最大可能回転数を引き下げる。
保持部分60は、保持要素74内に配置されている。
図4に従い、保持要素74が表されている。
保持要素74は、フランジ76を有している。これは、外側ねじ山を担持している。その上、キャリア部80が設けられている。このキャリア部は、マグネットリング48を担持している。キャリア部80は、内側ねじ山82を有する。これは、保持要素74のフランジ76の外側ねじ山78と係合する。キャリア部80が回転させられると、キャリア部は二重矢印Aの方向の軸方向移動を行う。これは、キャリア部80がどの方向に回転させられるかに応じて行われる。これによって、ステーターの永久磁石48が、ローターの永久磁石50に対してちょうど向かい合っているよう整向することが可能である。
キャリア部80内には、安全用支承部64が配置されている。これは、ボール支承部66を有する。安全用支承部64の機能は、図3に対して説明された。
図4および5内に表されているように、保持要素74は長穴の形式の貫通孔84を有している。これら貫通穴84を通してツールが案内されることが可能である。ツールは、介入開口部86と干渉している。これによって、保持要素75の分解無しに、つまり図示されたローターがステーターとローター側の永久磁石支承部とステーター側の永久磁石支承部と組み立てられたバージョンにおいて、キャリア部80を保持要素74に対して相対的に回転させ、これによって二重矢印Aの方向に軸方向移動を引き起こすことが可能である。
介入開口部86は、キャリア部80内に放射相称に分配されて配置されている。図5内に表されているように、長穴84の領域内に各一つの介入開口部86が配置されているので、いずれにせよ一つのツールでキャリア部80は介入開口部86を介して回転させられることが可能である。ツールは好ましくは三つのロッド部を有しており、これらが介入開口部86内に配置可能である。
キャリア部80を保持要素74内に固定するために、複数のセットスクリュー(独語:Madenschrauben)が設けられている。これは、キャリア部80の軸方向の整向に従い保持要素74内に配置され、そしてキャリア部80を保持要素74に対し相対的に固定する。
10 真空ポンプ
13 ハウジング
16 ローター
18 吸引フランジ
20 吸引開口部
22 予真空フランジ
24 気体退出開口部
26 回転ユニット
28 下部部分
30 回転軸
32 ステーターディスク
34 スペーサー要素
36 ローター軸
38 ローターディスク
40 駆動ユニット
42 ボール支承部
44 永久磁石支承部
46 ステーター側のマグネットリング積層部
48 ステーター側のマグネットリング
50 ローター側のマグネットリング積層部
52 ローター側のマグネットリング
54 間隙
56 キャリア部分
58 支柱
60 保持部分
62 保持部分
64 安全用支承部
66 ボール支承部
68 安全用スリーブ
70 ピン部分
72 間隙
74 保持要素
76 フランジ
78 外側ねじ山
80 キャリア部
82 内側ねじ山
84 貫通孔
86 介入開口部
88 セットスクリュー
A 二重矢印

Claims (14)

  1. ローター及びステーターを有し少なくとも一つの永久磁石支承部を有する真空ポンプであって、当該永久磁石支承部が、ローター及びステーターの反対方向の回転可能な支承の為に形成されており、およびステーター側に少なくとも一つのマグネットリングの為のキャリア部が設けられている真空ポンプにおいて、
    少なくとも一つのマグネットリング(48)を有するキャリア部(80)が、支承部(44)の分解無しに軸方向に位置調整可能なキャリア部(80)として形成されていることを特徴とする真空ポンプ。
  2. 少なくとも一つのマグネットリング(48)を有するキャリア部(80)が、軸方向に連続的に位置調整可能なキャリア部(80)として形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
  3. キャリア部(80)が、内側ねじ山(82)を有すること、およびステーター側の保持要素(74)に外側ねじ山(78)を有するフランジ(76)が設けられていること、およびキャリア部(80)が、ステーター側のフランジ(76)に回転可能に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の真空ポンプ。
  4. キャリア部(80)がシリンダー形状に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
  5. キャリア部(80)が少なくとも一つの介入開口部(86)を有すること、およびステーター側の保持要素(74)が、少なくとも一つの介入開口部(86)と対応する少なくとも一つの貫通穴(84)を有することを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
  6. 介入開口部(86)が、キャリア部(80)の周囲にわたって放射相称に分配されて配置されていることを特徴とする請求項5に記載の真空ポンプ。
  7. 少なくとも一つの貫通孔(84)が、長穴として形成されていることを特徴とする請求項5に記載の真空ポンプ。
  8. 保持要素(74)内のキャリア部(80)の固定の為に少なくとも一つの固定装置(88)が設けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
  9. ローター(16)及びステーター(18)が、其々少なくとも一つの永久磁石的なリング(48,52)を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
  10. ローター(16)及びステーター(18)が、其々一つの永久磁石的なリング積層部(46,50)を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
  11. キャリア部(80)の内部に、少なくとも一つの安全用支承部(64)が設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
  12. 安全用支承部(64)が、ローラー支承部(66)として形成されていることを特徴とする請求項11に記載の真空ポンプ。
  13. ローラー支承部(66)が、オイルを使用しないローラー支承部として形成されていることを特徴とする請求項12に記載の真空ポンプ。
  14. 真空ポンプ(10)がターボ分子ポンプとして形成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の真空ポンプ。
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