JP2016089315A - 着用物品及び生物忌避効果の評価方法 - Google Patents

着用物品及び生物忌避効果の評価方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016089315A
JP2016089315A JP2014228283A JP2014228283A JP2016089315A JP 2016089315 A JP2016089315 A JP 2016089315A JP 2014228283 A JP2014228283 A JP 2014228283A JP 2014228283 A JP2014228283 A JP 2014228283A JP 2016089315 A JP2016089315 A JP 2016089315A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glove
breathable
mosquito
substance
wearing article
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014228283A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6463084B2 (ja
Inventor
喬雄 仲川
Takao Nakagawa
喬雄 仲川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2014228283A priority Critical patent/JP6463084B2/ja
Publication of JP2016089315A publication Critical patent/JP2016089315A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6463084B2 publication Critical patent/JP6463084B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】蚊などの、人体から発せられる物質に誘引される生物用の忌避剤の性能評価に有用な着用物品を提供すること。
【解決手段】人の手に適合する手袋形に形成された手袋10Aは、液不透過性且つ非通気性の本体部11の一部に、液不透過性の通気性部12を有し、着用中に、人体から発せられ且つ蚊などの生物を誘引し得る物質が通気性部12を介して外部に放出可能になされている。手袋10Aは、例えば蚊忌避効果の評価方法に使用できる。この評価方法は、通気性部12に生物忌避効果の評価対象物質が塗布された手袋10Aを人の手に装着し、その手を、忌避対象の生物である蚊Mが多数収容された透明容器101内に挿入して、通気性部12が容器100内に存する状態とし、その状態で所定時間内に通気性部12に寄り付いた蚊Mの数を測定することで実施できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、蚊などの、人体から発せられる物質に誘引される生物用の忌避剤の性能評価に有用な着用物品に関する。
蚊は、その多くの種が吸血性であり、またマラリア、デング熱、黄熱、脳炎などの危険な感染症を媒介することもあるため、衛生学的に非常に有害な昆虫である。蚊によってもたらされる害を防止する方法の1つとして、蚊忌避剤を用いる方法が知られている。蚊忌避剤は、人のような哺乳動物の皮膚から発散するにおいや二酸化炭素を追跡できないようにすることによって、蚊の感覚器官を麻痺させ、蚊に対する忌避作用を行う薬剤である。蚊忌避剤としては従来、N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET)という物質が広く使用されている。しかし、DEETは、蚊忌避効果の持続時間が比較的短く、また、皮膚浸透力が高いために、子供、妊産婦、授乳母、低血圧患者、敏感性皮膚の人などに対しては使用が制限されている。そのため近年、安心安全で蚊忌避効果の高い新規な蚊忌避剤が要望されており、それに応え得る新規素材の研究開発が盛んに行われている。
新規な蚊忌避剤の研究開発には、蚊忌避効果の評価が必要不可欠である。蚊忌避剤の評価試験は従来、評価対象の蚊忌避剤を被験者の前腕の肌に直接塗布し、その前腕を、蚊の生体が多数収容された透明容器内に挿入し、その状態で所定時間内に該前腕に降着した蚊の数あるいは吸血した蚊の数を測定することによって実施され、その数が少ないほど、蚊忌避効果が高いとされる。この評価試験は、蚊忌避剤による効果を適切に評価するという点においては問題ないものの、被験者の前腕が蚊に刺されるため発疹やかゆみを生じ、被験者に不快な思いをさせるという問題がある。またこの評価試験は、蚊忌避剤を肌に直接塗布するため、蚊忌避剤によってはかぶれ、ただれなどの肌トラブルを引き起こすおそれがある。
非特許文献1には、このような蚊忌避剤の評価試験を、液不透過性且つ非通気性のゴム製手袋を前腕に装着して行うことが記載されている。この手袋は、手の甲に対応する部分に、該部分を厚み方向に貫通する開口部を有し、使用時には該開口部を所定の積層シートで塞ぐように構成されている。手袋の開口部を塞ぐための積層シートは、蚊忌避剤が塗布可能な蚊忌避剤塗布用シートと金属メッシュとの積層体からなり、人体から発せられるにおい成分や二酸化炭素などの蚊誘引物質が透過可能になされている。この積層シートは、これを構成する金属メッシュに、所定の厚みを有するスペーサーマグネットを取り付けることで、該積層シートの層間距離を調節可能になされている。つまり、非特許文献1記載の手袋は、開口部を塞ぐ積層シートにおける層間距離を適宜調節することで、該積層シートの外面に降着した蚊の針が、該手袋を装着している前腕の皮膚に到達しないようにすることができる。被験者の前腕に非特許文献1記載の手袋を装着して前記評価試験を行った場合、容器内の蚊は、該手袋の開口部を覆う積層シートを介して人体から外部に放出される、におい成分や二酸化炭素などに誘引されて該積層シートの外面に降着するが、該積層シートの層間距離は蚊の針が肌に届かない距離に調節されているため、被験者は蚊に刺されない。
Pinky Kain, Sean Michael Boyle, Sana Khalid Tharadra, Tom Guda, Christine Pham, Anupama Dahanukar & Anandasankar Ray. Nature (Odour receptors and neurons for DEET and new insect repellents), England, Nature Publishing Group, 2013.10.02, Volume 502, p507-512.
非特許文献1記載の手袋を使用して蚊忌避剤の評価試験を行った場合、その試験中に被験者が蚊に刺されることはないものの、該手袋の開口部を塞ぐ積層シート(蚊忌避剤塗布用シート)に塗布された蚊忌避剤が肌に付着するおそれがあり、蚊忌避剤によってはかぶれ、ただれなどの肌トラブルを起こすおそれがある。
従って本発明の課題は、蚊などの、人体から発せられる物質に誘引される生物用の忌避剤の性能評価に有用な着用物品の提供に関する。
本発明は、液不透過性且つ非通気性の本体部の一部に、液不透過性の通気性部を有し、着用中に、人体から発せられ且つ蚊などの生物を誘引し得る物質が該通気性部を介して外部に放出可能になされている着用物品を提供するものである。
ここでいう「蚊などの生物」は、人体から発せられる汗や二酸化炭素などの物質に誘引される性質を有する生物を指し、そのような生物としては、蚊の他に、例えば、ダニ、ノミ等が挙げられる。
また本発明は、人体から発せられる物質に誘引される性質を有する生物に対する忌避効果の評価方法であって、前記着用物品を用い、前記通気性部に生物忌避効果の評価対象物質が塗布された該着用物品を人の手に装着し、その手を、忌避対象の生物が多数収容された透明容器内に挿入して、該通気性部が該容器内に存する状態とし、その状態で所定時間内に該通気性部に寄り付いた該生物の数を測定する、生物忌避効果の評価方法を提供するものである。
また本発明は、人体から発せられる物質に誘引される性質を有する生物に対する忌避効果を有する生物忌避剤の探索方法であって、前記着用物品を用い、前記通気性部に生物忌避効果の評価対象物質が塗布された該着用物品を人の手に装着し、その手を、忌避対象の生物が多数収容された透明容器内に挿入して、該通気性部が該容器内に存する状態とし、その状態で所定時間内に該通気性部に寄り付いた該生物の数を測定する第1のステップと、前記第1のステップで測定された生物の数に基づいて、当該評価対象物質の生物忌避効果の有無を判断する第2のステップとを含む、生物忌避剤の探索方法である。
本発明によれば、蚊などの、人体から発せられる物質に誘引される生物用の忌避剤の性能評価に有用な着用物品及びそれを用いた生物忌避効果の評価方法が提供される。本発明の着用物品及び生物忌避効果の評価方法によれば、例えば忌避対象生物が蚊の場合、蚊忌避剤又は蚊忌避効果が未知の物質の蚊忌避効果を、蚊に刺されず且つそれら評価対象物質による肌トラブルを起こさずに、適切に評価することが可能である。また、本発明の生物忌避剤の探索方法によれば、有用な生物忌避剤を安全且つ簡易な方法で探し出すことが可能である。
図1は、本発明の着用物品の一実施形態としての手袋の一例を甲側から見た場合の模式的な平面図である。 図2は、本発明の生物忌避効果の評価方法の一実施態様を模式的に示す図であり、図1に示す手袋を用いて、所定物質の蚊忌避効果の評価方法を実施する様子を示す図である。 図3は、本発明の着用物品の一実施形態としての手袋の他の一例を掌側から見た場合の模式的な平面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の着用物品の一実施形態としての手袋の一例が示されている。図1に示す手袋10Aは、柔軟材料により人の手に適合する手袋形に形成されており、人の手を挿入可能に形成された内部空間Sを備えると共に、挿入される5本の手指(小指、薬指、中指、人差し指、親指)それぞれの甲側及び掌側を被覆する指被覆部13と、手の甲側及び掌側を覆う手被覆部14と、手首から前腕を覆うように延出された略筒状の裾被覆部15とを備えている。手袋10Aを手に装着する際は、裾被覆部15の開口部から内部空間Sに手を挿入すると共に、各手指を個々に指被覆部13に挿入する。その際、指被覆部13の内面に各手指の表面が密着し、指の動きに対して指被覆部13及び手被覆部14が伸縮するので、指を伸ばした状態、及び折り曲げた状態の何れの場合も大きな違和感はない。手袋10Aは、右手用、左手用に区分されていても良く、左右兼用であっても良い。
手袋10Aの主たる特徴の1つとして、液不透過性且つ非通気性の本体部11の一部に、液不透過性の通気性部12を有している点が挙げられる。手袋10Aにおける通気性部12は、図1に示すように、手被覆部14における手の甲側を被覆する部分に1つのみ設けられ、平面視矩形形状を有している。手袋10Aにおいて、通気性部12以外の部分は全て本体部11である。本体部11は手袋10Aの大部分を占めており、手袋10Aの外形は本体部11によって形作られている。
本体部11及び通気性部12は、何れも液不透過性であるから、少なくとも液(水)を通しにくい液難透過性であり、好ましくは、液(水)を完全に遮断し得る。本発明における「液不透過性」には「撥水性」の意味も含まれる。また本体部11は、非通気性であるから、少なくとも空気を通しにくい難通気性であり、好ましくは、空気を完全に遮断し得る。また通気性部12は、通気性であるから、本体部11とは逆に、空気を通しやすい。
本体部11及び通気性部12が有する液不透過性は、標準の大気圧下において、本体部11又は通気性部12の一面上に常温(25℃)の水を5ml載せた場合に、1分以上経過してもその水が通気性部12を透過しない程度であること、即ち、常圧下における水透過時間が1分間以上であることが好ましい。本体部11及び通気性部12それぞれの水透過時間は、好ましくは5分間以上、さらに好ましくは30分間以上である。本体部11と通気性部12とで、液不透過性の程度は同じでも良く、異なっていても良い。
また、本体部11が有する非通気性は、JIS P8117で規定する通気度が、好ましくは0.1秒/300ml・32枚以下、さらに好ましくは0.01秒/300ml・32枚以下の範囲となる程度であることが好ましい。
一方、通気性部12が有する通気性は、JIS P8117で規定する通気度が、好ましくは0.5秒/300ml・32枚以上、さらに好ましくは2秒/300ml・32枚以上の範囲となる程度であることが好ましい。
本体部11は、液不透過性及び非通気性に加えてさらに非透湿性であることが好ましい。非透湿性の本体部11は、少なくとも水蒸気を通しにくい難透湿性であり、好ましくは、水蒸気を完全に遮断し得る。
一方、通気性部12は、液不透過性及び通気性に加えてさらに透湿性であり、水蒸気を通しやすいことが好ましい。
本発明において、透湿性とは、高湿度側から低湿度側に水蒸気拡散する性質であり、非透湿性は、このような水蒸気拡散が起こり難い性質である。
本体部11が有する非透湿性は、JIS Z0208で規定する透湿度が、好ましくは0.1g/100cm2・1hr以下、さらに好ましくは0.01g/100cm2・1hr以下の範囲となる程度であることが好ましい。
一方、通気性部12が有する透湿性は、JIS Z0208で規定する透湿度が、好ましくは0.5g/100cm2・1hr以上、さらに好ましくは1g/100cm2・1hr以上の範囲となる程度であることが好ましい。
本体部11は、液不透過性且つ非通気性の材料をシート状又はフィルム状に成形したものからなる。本体部11の形成材料としては、例えば、天然ゴム;スチレン−ブタジエン共重合体、ポリイソブチレン等の合成ゴム;ポリウレタン、ポリエーテル・ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等の合成樹脂を用いることができる。これらの形成材料の具体例は、何れも非透湿性であると共に、伸縮弾性を有する伸縮性材料でもある。必要に応じ、液不透過性且つ非通気性の材料からなるフィルム又はシートに、不織布、織布、編布等の通気性のシートを貼り合わせても良い。また、本体部11の厚みは、特に制限されず、手袋10Aの用途、具体的には、手袋10Aを後述する生物忌避効果の評価方法に用いる場合の対象となる生物の種類等に応じて適宜調整すれば良いが、通常好ましくは0.5〜5mmである。
通気性部12は、液不透過性且つ通気性の材料をシート状又はフィルム状に成形したものからなる。通気性部12の形成材料としては、液不透過性、通気性且つ透湿性の多孔質樹脂シートが好ましく用いられる。この多孔質樹脂シートは、合成樹脂中に無機充填剤を混練してシート状に成形したものを延伸することにより得られ、その孔は非常に小さく、空気や水蒸気は通してこれを外部に放出させるが、汗等の体液は表面張力によって外部へ漏れ出し難い。多孔質樹脂シートを構成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂(熱可塑性樹脂)が挙げられ、また、該合成樹脂中に添加される無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等が挙げられる。必要に応じ、多孔質樹脂シートに、不織布、織布、編布等の通気性のシートを貼り合わせても良い。多孔質樹脂シートに貼り合わせる不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、エアレイド不織布、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド(SMS)不織布等を用いることができる。
通気性部12の面積は、特に限定されないが、手袋10Aの強度や、後述するように、手袋10Aを生物忌避効果の評価や生物忌避剤の探索に使用した場合における評価測定のし易さ等を考慮すると、好ましくは5cm2以上、さらに好ましくは10cm2以上、そして、好ましくは50cm2以下、さらに好ましくは30cm2以下、より具体的には、好ましくは5cm2以上50cm2以下、さらに好ましくは10cm2以上30cm2以下である。尚、斯かる通気性部の面積の範囲は、1つの通気性部の面積であり、通気性部を複数設ける場合は、各通気性部の面積が斯かる範囲にあることが好ましい。
手袋10Aの製造方法は例えば次の方法で製造することができる。先ず、本体部11のみからなる手袋前駆体を常法に従って製造し、次いで、該手袋前駆体の所定部分を切り欠いて開口部を設け、別途用意した多孔質樹脂シートの如き通気性部12の形成材料を、該開口部全体を覆うように該手袋前駆体に配置し固定することで、手袋10Aが得られる。斯かる製造方法において、通気性部12の形成材料の寸法は、該形成材料で手袋前駆体(本体部11)の開口部を被覆した場合に該開口部の開口周縁から外方に延出する延出部を有し得る寸法とし、該形成材料の該延出部にて、接着剤、ヒートシール等の公知の接合手段により該手袋前駆体に固定する。また、斯かる製造方法において、通気性部12の形成材料は、手袋前駆体(本体部11)の外面に固定しても良く、あるいは図1に示す手袋10Aのように、手袋前駆体(本体部11)の内面、即ち、内部空間Sを画成し使用者の手と対向する面に固定しても良い。
以上の構成を有する手袋10Aは、その着用中に、人体から発せられ且つ蚊などの生物を誘引し得る物質が通気性部12を介して外部に放出可能になされている。ここで、「人体から発せられ且つ蚊などの生物を誘引し得る物質」(以下、生物誘引物質ともいう)とは、例えば、誘引対象生物が蚊であれば、汗由来の水蒸気、二酸化炭素、脂肪酸等である。前述したように、通気性部12は通気性であり、好ましくはさらに透湿性であるため、これらの蚊誘引物質を通しやすく、人体から発せられた蚊誘引物質は、通気性部12を透過して外部に放出される。一方、本体部11は、前述したように液不透過性且つ非通気性であり、好ましくはさらに非透湿性であるため、人体から発せられた蚊誘引物質が本体部11を透過して外部に放出することはなく、蚊誘引物質は通気性部12のみから外部に放出される。
従って、例えば図2に示すように、手袋10Aを手に装着し、符号Mで示す蚊の生体が多数収容された容器100の中に挿入した場合、蚊Mは、手袋10Aの通気性部12から放出される汗由来の水蒸気や二酸化炭素等の蚊誘引物質によって、通気性部12のみに選択的に誘引され、通気性部12上に降着する。本体部11からは蚊誘引物質は実質的に放出されないので、蚊Mは本体部11にはほとんど降着しない。また、通気性部12は、その形成材料によってはこれを厚み方向に貫通する孔を多数有している場合があるが、その場合その孔は、通気性部12が有する液不透過性を実現し得る程度の微細な孔であり、通常の蚊の針が通るような大きさではないため、通気性部12に降着した蚊Mに手を刺されることはない。
このように、手袋10Aは、手被覆部14における手の甲側を被覆する部分に設けられた通気性部12のみに選択的に蚊を誘引することができ、且つそうして誘引した蚊に手が刺されることがないため、斯かる特徴を活かして、非侵襲的な生物忌避効果の評価方法に用いることができる。例えば、忌避対象生物が蚊の場合において、蚊忌避剤又は蚊忌避効果が未知の物質の蚊忌避効果の評価方法は、通気性部12に評価対象物質が塗布された手袋10Aを人の手に装着し、その手を、図2に示すように、忌避対象の生物である蚊Mが多数収容された透明容器101内に挿入して、通気性部12が容器101内に存する状態とし、その状態で所定時間内に通気性部12に寄り付いた蚊Mの数を測定することで実施できる。この蚊忌避効果の評価方法では、通気性部12に寄り付いた(降着した)蚊Mの数が少ないほど、通気性部12に塗布した評価対象物質による蚊忌避効果が高いと判断することができる。
また、手袋10Aの他の利点として、蚊の如き生物を誘引する部分である通気性部12が液不透過性であるため、前述したように通気性部12の外面に生物忌避剤などの生物忌避効果を有する物質を塗布しても、その塗布物質が通気性部12を厚み方向に透過して内面側に移行することがなく、使用者の肌に触れることが無い点が挙げられる。従って、手袋10Aを用いた生物忌避効果の評価方法によれば、生物忌避効果を有する物質が被験者の肌に触れることに起因する、かぶれ、ただれなどの肌トラブルが生じ難く、蚊などに刺されないという利点と相俟って、生物忌避効果の評価を安心安全に行うことが可能である。
透明容器101は、蚊忌避効果の評価装置100の一部である。評価装置100は、直方体形状の透明容器101と、該容器101の一面に人の手を挿入可能に設けられた開口102と、該開口102の開口周縁に一端が固定され、他端が解放された筒状の防虫ネット103とを有し、使用時には図2に示すように、手袋10Aを装着した手を防虫ネット103の開放端側から挿入し、開口102から容器101内に挿入する。透明容器101の内部は、外部から目視で視認可能であり、手袋10A上に降着した蚊Mの数を外部から目視で数えることが可能である。透明容器101は例えば透明のアクリル樹脂から形成することができる。
図2に示す如き、手袋10Aを用いた生物忌避効果の評価方法は、蚊などの生物に対する忌避効果を有する生物忌避剤の探索方法に応用することができる。例えば、通気性部12に評価対象物質が塗布された手袋10Aを用い、前記の生物忌避効果の評価方法に従って、該通気性部12に寄り付いた蚊の数を測定し(第1のステップ)、その測定値に基づいて、該評価対象物質の生物忌避効果の有無を判断する(第2のステップ)。この第1のステップで得られた測定値が小さいほど、即ち、通気性部12に寄り付いた蚊の数が少ないほど、当該評価対象物質は蚊忌避効果が高く、蚊忌避剤として有用であると判断できる。第1のステップで得られた測定値の大小の判断は、例えば、対照値(ブランク)との比較で行うことができ、測定値が対照値よりも大きい場合は、当該評価対象物質に蚊忌避効果があると判断できる。この対照値は、例えば、通気性部12に何も塗布しない以外は第1のステップと同様に前記方法を実施した場合における、該通気性部12に寄り付いた蚊の数とすることができる。
図3には、本発明の着用物品の一実施形態としての手袋の他の一例である手袋10Bが示されている。手袋10Bにおいては、通気性部12が裾被覆部15に1つのみ設けられている。手袋10Bは、以上の点以外は、図1に示す手袋10Aと同じであり、手袋10Bにおいて説明を省略した構成部分には、手袋10Aにおける同一符号の構成部分の説明が適宜適用される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に制限されず、適宜変更可能である。例えば、本発明の着用物品において、通気性部の位置は任意に設定可能であり、例えば着用物品が手袋の場合は、手の平、手の甲、前腕内側部等が挙げられる。また、通気性部の数は、手袋10A及び10Bのように1つのみならず、2つ以上の複数でも良い。また、通気性部の平面視形状は特に限定されず、図1及び図3に示す通気性部12の如き、正方形あるいは長方形といった四角形の他、三角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形、トラック円形等が挙げられる。本発明の着用物品の用途は特に制限されず、前述した手袋の如き手及び/又は腕に装着する着用物品の他、長靴の如き足に装着する着用物品、レインコート又はそれに準じる形状の着用物品等にも適用可能である。
また、本発明の生物忌避効果の評価方法は、人体から発せられる汗や二酸化炭素などの物質に誘引される性質を有する生物に適用可能であり、そのような生物としては、前述した蚊の他に、例えば、ダニ、ノミ等が挙げられる。
10A,10B 手袋(着用物品)
11 本体部
12 通気性部
13 指被覆部
14 手被覆部
15 裾被覆部
100 評価装置
101 透明容器
102 開口
103 防虫ネット
M 蚊

Claims (5)

  1. 液不透過性且つ非通気性の本体部の一部に、液不透過性の通気性部を有し、着用中に、人体から発せられ且つ蚊などの生物を誘引し得る物質が該通気性部を介して外部に放出可能になされている着用物品。
  2. 人の手に適合する手袋形に形成されている請求項1に記載の着用物品。
  3. 前記通気性部に前記生物用の忌避剤が塗布されている請求項1又は2に記載の着用物品。
  4. 人体から発せられる物質に誘引される性質を有する生物に対する忌避効果の評価方法であって、
    請求項2に記載の着用物品を用い、前記通気性部に生物忌避効果の評価対象物質が塗布された該着用物品を人の手に装着し、その手を、忌避対象の生物が多数収容された透明容器内に挿入して、該通気性部が該容器内に存する状態とし、その状態で所定時間内に該通気性部に寄り付いた該生物の数を測定する、生物忌避効果の評価方法。
  5. 人体から発せられる物質に誘引される性質を有する生物に対する忌避効果を有する生物忌避剤の探索方法であって、
    請求項2に記載の着用物品を用い、前記通気性部に生物忌避効果の評価対象物質が塗布された該着用物品を人の手に装着し、その手を、忌避対象の生物が多数収容された透明容器内に挿入して、該通気性部が該容器内に存する状態とし、その状態で所定時間内に該通気性部に寄り付いた該生物の数を測定する第1のステップと、
    前記第1のステップで測定された生物の数に基づいて、当該評価対象物質の生物忌避効果の有無を判断する第2のステップとを含む、生物忌避剤の探索方法。
JP2014228283A 2014-11-10 2014-11-10 着用物品 Active JP6463084B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014228283A JP6463084B2 (ja) 2014-11-10 2014-11-10 着用物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014228283A JP6463084B2 (ja) 2014-11-10 2014-11-10 着用物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016089315A true JP2016089315A (ja) 2016-05-23
JP6463084B2 JP6463084B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=56017786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014228283A Active JP6463084B2 (ja) 2014-11-10 2014-11-10 着用物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6463084B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101753202B1 (ko) * 2016-09-09 2017-07-03 피엔케이피부임상연구센타 주식회사 화장품의 항더스트 성능 테스트 장치 및 이를 이용한 성능 테스트 방법
WO2020054986A1 (en) * 2018-09-13 2020-03-19 Oatc Inc. Anti-dust performance test apparatus and method

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5600850A (en) * 1996-03-13 1997-02-11 Shannon; Leonard K. Mesh garment for protection against insects
JP2001214316A (ja) * 2000-02-07 2001-08-07 Tagoto Textile Kk 保護手袋
JP3092081U (ja) * 2002-08-13 2003-02-28 株式会社アーテック 通気性プラスチック手袋
DE10241024A1 (de) * 2002-09-05 2004-03-11 Werner Haunold Vorrichtung und Verfahren zur Vermeidung von Insektenstichen mittels eines speziellen Textilgewebes
JP2005536652A (ja) * 2002-08-19 2005-12-02 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 向上した通気性を持つエラストマー性手袋
JP2006526493A (ja) * 2003-05-02 2006-11-24 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド エラストマー性マトリックスを処理する方法
JP2010018597A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Daiwa Kagaku Kogyo Kk 飛来害虫忌避剤。

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5600850A (en) * 1996-03-13 1997-02-11 Shannon; Leonard K. Mesh garment for protection against insects
JP2001214316A (ja) * 2000-02-07 2001-08-07 Tagoto Textile Kk 保護手袋
JP3092081U (ja) * 2002-08-13 2003-02-28 株式会社アーテック 通気性プラスチック手袋
JP2005536652A (ja) * 2002-08-19 2005-12-02 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド 向上した通気性を持つエラストマー性手袋
DE10241024A1 (de) * 2002-09-05 2004-03-11 Werner Haunold Vorrichtung und Verfahren zur Vermeidung von Insektenstichen mittels eines speziellen Textilgewebes
JP2006526493A (ja) * 2003-05-02 2006-11-24 キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド エラストマー性マトリックスを処理する方法
JP2010018597A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Daiwa Kagaku Kogyo Kk 飛来害虫忌避剤。

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101753202B1 (ko) * 2016-09-09 2017-07-03 피엔케이피부임상연구센타 주식회사 화장품의 항더스트 성능 테스트 장치 및 이를 이용한 성능 테스트 방법
WO2018048263A1 (ko) * 2016-09-09 2018-03-15 피엔케이피부임상연구센타 주식회사 화장품의 항더스트 성능 테스트 장치 및 이를 이용한 성능 테스트 방법
CN109690285A (zh) * 2016-09-09 2019-04-26 Pnk皮肤临床硏究中心株式会社 化妆品的防尘性能测试装置及利用其的性能测试方法
WO2020054986A1 (en) * 2018-09-13 2020-03-19 Oatc Inc. Anti-dust performance test apparatus and method

Also Published As

Publication number Publication date
JP6463084B2 (ja) 2019-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5761179B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP2021534853A (ja) センサ対応型創傷被覆材のための構成要素の位置付けおよび封止
US20060143767A1 (en) Breathable protective articles
CN109069300A (zh) 具有柔性显示器的伤口敷料设备
JPH10508910A (ja) 保護グローブ
JP2013523275A (ja) レッグカフを有する吸収性物品
US20090081911A1 (en) Antibacterial, waterproof, and absorbent composite cloth
JP6463084B2 (ja) 着用物品
JP2017523879A5 (ja)
US9828707B2 (en) Parasitic acari barrier
JP7272964B2 (ja) 創傷被覆材で使用するためのスペーサー層
CN214104887U (zh) 吸收性物品和吸收性物品的包装体
CN212118432U (zh) 多层复合材料卫生巾
JP2022504983A (ja) 生体適合性カプセル化をセンサ対応型創傷モニタリングおよび療法被覆材に適用するためのシステムおよび方法
JP2015066197A (ja) テープタイプ使い捨ておむつ
US11911248B2 (en) Breast pad
KR101741641B1 (ko) 환부의 사이즈에 따라 선택적 사용구조의 다목적 드레이프
KR102287203B1 (ko) 흡수성 위생 용품
JP2018531142A (ja) 液体方向転換層を有する吸収性物品
JP2018531142A6 (ja) 液体方向転換層を有する吸収性物品
JP6860397B2 (ja) 積層吸収性物品
JP3208281U (ja) 足及び手の装着具
JP2016036519A (ja) 吸収性物品
JP2014113289A (ja) 医療用病臭抑制シート
US20160008189A1 (en) Disposable diaper with pocket containing one or more wipes

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170907

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180814

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181228

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6463084

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250