JP2006526493A - エラストマー性マトリックスを処理する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】エラストマー性物品、例えば手袋又はコンドームの表面特性を変更する方法を提供する。
【解決手段】エラストマー性マトリックスを処理する方法。本方法は、処理剤を含む転写基板(32)を準備する段階、露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ(22)上に設ける段階、及び処理剤が基板から露出面に移るようにマトリックスを転写基板に接触させる段階を含む。
【解決手段】エラストマー性マトリックスを処理する方法。本方法は、処理剤を含む転写基板(32)を準備する段階、露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ(22)上に設ける段階、及び処理剤が基板から露出面に移るようにマトリックスを転写基板に接触させる段階を含む。
Description
本発明は、一般的に、エラストマー性物品、例えば手袋又はコンドームの表面特性を変更する方法に関する。
外科用及び検査用手袋のような密着状態で着用されるエラストマー性物品は、「ブロッキング」、すなわち、手袋の内面又は着用面が粘々したりべとつく感じがする傾向のために使用又は着用が困難な場合がある。その結果、手袋のブロッキングを低減するために様々な技術が用いられてきた。そのような1つの技術は、手袋の内面に滑剤を付加することを含む。従来の浸漬技術を用いる滑剤の付加は、多くの場合にグリップ面の不用意な処理をもたらし、それによって着用者が確実に物を掴む能力を阻害する可能性がある。
更に、物品を抗菌剤又は肌の健康剤のような他の処理剤によりコーティングし、同時にグリップ側の処理をしないことは有利であろう。従って、手袋の表面特性を変更するための簡素化したコスト効率の良い技術の必要性が存在する。更に、物品の1つの表面を不用意に別の表面を処理することなく処理することができる必要性が存在する。
更に、物品を抗菌剤又は肌の健康剤のような他の処理剤によりコーティングし、同時にグリップ側の処理をしないことは有利であろう。従って、手袋の表面特性を変更するための簡素化したコスト効率の良い技術の必要性が存在する。更に、物品の1つの表面を不用意に別の表面を処理することなく処理することができる必要性が存在する。
本発明は、一般的に、エラストマー性物品、例えば手袋又はコンドームの表面特性を変更する方法に関する。
具体的には、本発明は、処理剤をエラストマー性マトリックスに付加する方法に関する。本方法は、処理剤を含む転写基板を準備する段階、露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ上に設ける段階、及びマトリックスを転写基板に接触させて、処理剤を基板から露出面に移す段階を含む。転写基板は、任意の適切な材料から形成することができ、いくつかの事例においては、オープンセル材料、不織材料、及び可撓性剛毛などを含むことができる。
具体的には、本発明は、処理剤をエラストマー性マトリックスに付加する方法に関する。本方法は、処理剤を含む転写基板を準備する段階、露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ上に設ける段階、及びマトリックスを転写基板に接触させて、処理剤を基板から露出面に移す段階を含む。転写基板は、任意の適切な材料から形成することができ、いくつかの事例においては、オープンセル材料、不織材料、及び可撓性剛毛などを含むことができる。
本発明は、更に、転写基板を準備する段階、転写基板に処理剤を計量して供給する段階、露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ上に設ける段階、及びマトリックスを転写基板に接触させて、処理剤を基板から露出面に移す段階を含む、エラストマー性マトリックスの表面を処理する方法に関する。本方法は、転写基板から過剰な処理剤を除去する段階を想定している。
本発明はまた、処理剤を複数のエラストマー性マトリックスに付加する方法に関する。本方法は、各々がエラストマー性マトリックスでコーティングされた複数のフォーマを含む移送アセンブリを準備する段階、転写基板に処理剤を計量して供給する段階、及びアセンブリを前進させて各エラストマー性マトリックスを転写基板に接触させ、処理剤を転写基板から各エラストマー性マトリックスに移す段階を含む。本方法は、転写基板から過剰な処理剤を除去する段階を想定している。
本発明はまた、処理剤を複数のエラストマー性マトリックスに付加する方法に関する。本方法は、各々がエラストマー性マトリックスでコーティングされた複数のフォーマを含む移送アセンブリを準備する段階、転写基板に処理剤を計量して供給する段階、及びアセンブリを前進させて各エラストマー性マトリックスを転写基板に接触させ、処理剤を転写基板から各エラストマー性マトリックスに移す段階を含む。本方法は、転写基板から過剰な処理剤を除去する段階を想定している。
本発明はまた、処理済みエラストマー性物品を形成する方法に関する。本方法は、処理剤を含む転写基板を準備する段階、露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ上に設ける段階、マトリックスを転写基板に接触させて処理剤を基板から露出面に移す段階、及び処理済み物品を形成するためにマトリックスを固化する段階を含む。任意の処理剤を用いることができ、いくつかの事例においては、処理剤は、滑剤、肌の健康剤、及び/又は抗菌剤を含む。
本発明は、一般的に、医療及び/又は科学的用途に用いるためのエラストマー性物品、例えばコンドーム又は手袋の表面特性を変更する方法に関する。本明細書で用いられるように「エラストマー性物品」という用語は、少なくとも1つの表面が主にエラストマー性材料から形成された物品を意味する。本明細書で用いられる「エラストマー性材料」という用語は、容易に延伸又は伸張することができ、延伸力又は伸張力を解除すると実質的にその元の形状に戻ることになるポリマー材料を意味する。具体的には、本発明によって意図する技術は、より面倒な従来のコーティング技術に頼らずに物品の表面を処理することを可能にするものである。更に、処理剤は、不用意に別の表面を処理する危険なしに1つの表面に付加することができる。本明細書で用いられるように「処理剤」という用語は、物品の表面に付加することができ、それに何らかの機能性を付与する任意の化学的又は他の薬剤を意味する。処理剤の例としては、以下に限定はしないが、着色剤、界面活性剤、抗菌剤、肌の健康剤、防虫剤、滑剤、帯電防止剤、及び摩擦強化剤などを含む。
処理剤をエラストマー性物品、例えば手袋に付加するために、手型手袋フォーマ上の手袋マトリックスを付加される処理剤で飽和した転写基板に接触させる。本明細書で用いられるように「マトリックス」という用語は、形成工程の任意の段階でのフォーマの表面上のエラストマー性材料のコーティングを意味し、複数の層又は成分を含むことができ、粘着性、半固体又は固体、及び硬化又は未硬化などとすることができる。この工程を使用して、物品がマトリックスの形態である間に1つ又はそれ以上の処理剤を物品に付加することができる。本発明をより良く理解するために、工程の全体を以下に説明する。
エラストマー性物品、例えば手袋は、様々な工程、例えば浸漬、噴霧、回転、乾燥、及び硬化を用いて形成することができる。手袋を形成するための例示的な浸漬工程を本明細書で説明するが、異なる形状及び特性を有する様々な物品を形成するために他の工程を用いることもできる。例えば、コンドームは、実質的に同じ方法で形成することができるが、一部の処理条件は、手袋を形成するのに用いるものとは異なる場合がある。バッチ処理、半バッチ処理、又は連続処理を本発明で用いることができることも理解すべきである。
手袋20(図1)は、「フォーマ」と呼ばれる手の形状をした型で形成される。フォーマ22(図2)は、ガラス、金属、又は磁器などのような任意の適切な材料から作ることができる。フォーマの表面は、製造される手袋20の表面の少なくとも一部分を形成する。手袋20は、外側表面24及び内側(すなわち、着用者に接触する)表面26を含む。
フォーマ22は、多くの場合に浸漬工程を用いてエラストマー性材料でコーティングされ、フォーマの表面上にエラストマー性マトリックス28を形成する。任意の適切なエラストマー性材料又は材料の組合せを使用して、エラストマー性手袋マトリックスを形成することができる。一実施形態では、エラストマー性材料は天然ゴムを含むことができ、この天然ゴムは、一般的に天然ゴム乳液として提供することができる。別の実施形態では、エラストマー性材料は、ニトリル・ブタジエン・ゴムを含むことができ、特に、ニトリル・ブタジエン・ゴムカルボン酸塩を含むことができる。他の実施形態では、エラストマー性材料は、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロックコポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー、スチレン・イソプレンブロックコポリマー、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー、合成イソプレン、クロロプレンゴム、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴム、又はその組合せを含むことができる。
フォーマは、フォーマ上に望ましい手袋の厚さを作り出すために、又は様々な特性を有する手袋の層を作り出すなどのために複数の浸漬工程を受ける場合がある。
フォーマ22は、多くの場合に浸漬工程を用いてエラストマー性材料でコーティングされ、フォーマの表面上にエラストマー性マトリックス28を形成する。任意の適切なエラストマー性材料又は材料の組合せを使用して、エラストマー性手袋マトリックスを形成することができる。一実施形態では、エラストマー性材料は天然ゴムを含むことができ、この天然ゴムは、一般的に天然ゴム乳液として提供することができる。別の実施形態では、エラストマー性材料は、ニトリル・ブタジエン・ゴムを含むことができ、特に、ニトリル・ブタジエン・ゴムカルボン酸塩を含むことができる。他の実施形態では、エラストマー性材料は、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロックコポリマー、スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー、スチレン・イソプレンブロックコポリマー、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー、合成イソプレン、クロロプレンゴム、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴム、又はその組合せを含むことができる。
フォーマは、フォーマ上に望ましい手袋の厚さを作り出すために、又は様々な特性を有する手袋の層を作り出すなどのために複数の浸漬工程を受ける場合がある。
手袋形成工程中の任意の時点で、マトリックスの露出面に1つ又はそれ以上の処理剤を付加することが望ましい場合がある。多くの場合に、露出面は、手袋の内面(着用者に接触する)になるので、得られる手袋の内面を強化する処理剤を付加することが有利であろう。しかし、成形後処理中に手袋を反転する回数によって着用した時に露出面が手袋の外面になる場合があり、従って、得られる手袋の外面を強化する処理剤を付加することが有利になる場合があることを理解すべきである。
従来の処理工程は、フォーマからの手袋を剥離する段階及び手袋に面倒な浸漬工程を行う段階を含むが、本発明の方法は、手袋マトリックスがまだフォーマ上にある間に処理剤を付加することを可能にする。図2に示すように、望ましい処理剤30が、先ず転写基板32に供給される。転写基板は、必要に応じてプレート34のような剛性又は半剛性表面に固定するか又はその表面上に取り付けることができる。このようなプレートは、処理剤を転写基板全体に亘って分配するための特徴(図示せず)を含み、マトリックスへの処理剤の均一な供給を保証することができる。フォーマ22上のエラストマー性マトリックス28は、次に転写基板32に接触し、それによって処理剤30を転写基板32からエラストマー性マトリックス28へ移すことになる。
付加される処理剤は、処理工程(図2)中に供給源36、例えばタンク又は他の適切な容器から基板へ計量して供給することができる。処理剤は、必要に応じて連続的又は断続的に計量して供給することができる。すなわち、本発明は、複数の手袋フォーマ上の複数の手袋マトリックスを処理する方法を更に意図している。このような方法は、移送アセンブリ38、例えばモータ駆動チェーン40上の複数のフォーマ22を設ける段階を含むことができる。フォーマは、一般的にチェーンに対してピボット式に取り付けられて回転し、手袋の区域に亘る均一なマトリックス厚を容易にすることができる。任意の適切な技術、例えば浸漬を用いて、各フォーマをエラストマー性マトリックス28でコーティングすることができる。処理剤30を転写基板32に計量して供給し、アセンブリ38を前進させて各エラストマー性マトリックス28を転写基板32に接触させる。処理剤30は、次に、転写基板32から各エラストマー性マトリックス28に移される。
本方法はまた、必要か又は望ましい場合には、転写基板から過剰の処理剤を除去する段階を意図している(図示せず)。いくつかの事例においては、過剰な処理剤の除去は、コーティングされる次のマトリックスへ移すのに適量の処理剤が利用可能であることを保証するために実行される場合がある。他の事例においては、処理剤の除去は、マトリックスに移された処理剤が一定の品質であることを保証するために実行することができる。
転写基板は、マトリックスの物理的一体性を損なわずに処理剤をマトリックスに供給することができる任意の材料から形成することができる。転写基板は、用途の必要性に応じて可撓性、圧縮性、及び/又は変形可能とすることができる。処理剤が形成の初期段階の間、例えばマトリックスが湿気又は粘着性がある間に付加される場合には、接触時のマトリックスの損傷を避けるために適切な基板が選択されるべきである。
一実施形態では、転写基板は、オープンセル材料、例えばオープンセル発泡体、スポンジ、又はパッドなどを含むことができる。このような実施形態では、オープンセル材料42は、処理剤30が供給される剛性又は半剛性プレート34に固定するか又はそのプレート上に取り付けることができる(図3)。このようなオープンセル材料は、一般的に圧縮性であり、それによって処理中に回転するフォーマの輪郭に適合するように必要に応じて変形することができる。代替的に、図4に示すように、転写基板、例えばオープンセル材料42をローラ44上に取り付けることができ、このローラは、必要に応じて自由に回転することができ、又は望ましい速度で回転するようにモータで駆動することができる。このようなローラは、細孔又は穴46を含み、ローラ表面を通して転写基板32に処理剤30を通過させることができる。穴は、いくつかの事例においては、ローラを通して転写基板への望ましい流量の分配を容易にするために大きさを変えることができる。
マトリックス28が特に壊れやすい場合には、処理剤30を化学泡剤48として転写基板32に供給することが有益であろう(図5)。様々な発泡技術が利用可能であり、任意の適切な技術を使用することができる。一部のこのような事例においては、転写基板との接触を最小限度に抑えるか又は排除し、単に化学泡剤をマトリックスに接触させることが必要であり又は望ましい場合がある。
別の実施形態では、転写基板32は、可撓性剛毛又は繊維状材料を含むことができる(図6)。このような実施形態では、剛毛50又は繊維は、処理剤30が供給される剛性又は半剛性プレート34又はローラなどに固定することができる。この事例においては、処理剤を充填した剛毛は、マトリックスが形成工程を通して前進する時にマトリックスに接触する。材料がエラストマー性マトリックスを損傷することなく処理剤を移すことができる限り、任意の適切な材料を剛毛の形成に用いることができる。
別の実施形態では、転写基板は、不織材料、例えば不織ストリップを含むことができる。一実施形態では、転写基板は、処理剤が供給される剛性又は半剛性プレート/裏板に固定された不織材料のストリップ、例えばスパンボンドを含む。別の実施形態では、不織材料の複数のストリップ52を転写基板32として用いることができる(図7)。このようなストリップは、任意の適切な手段で取り付けることができ、いくつかの事例においては、剛性又は半剛性プレート34に取り付けることができる。本明細書で用いられるように、「不織布」又は「不織ウェブ」又は「不織材料」という用語は、不規則に交錯しているが編まれた布のような識別できる方法又はパターンによらない個別の繊維又は糸の構造を有するウェブを意味する。不織布又はウェブは、多くの方法、例えば、メルトブロー処理、スパンボンド処理、ボンデッドカーデッドウェブ処理で形成されている。
本明細書で用いられるように「スパンボンド」又は「スパンボンド繊維」又は「スパンボンデッド繊維」という用語は、紡糸口金の複数の細かい通常は円形の毛細管から溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、押し出されたフィラメントの直径を、次に、例えばアッペル他に付与された米国特許第4,340,563号におけるように急速に縮小することにより形成される直径の小さな繊維のことを意味する。
本明細書で用いられるように、「メルトブローン」又は「メルトブローン繊維」という用語は、複数の細かい通常円形のダイ毛細管を通して、溶融した熱可塑性材料を、通常は高温の収束高速気体(例えば空気)の流れの中に溶融糸又はフィラメントとして押し出し、高速気体によりその溶融した熱可塑性材料のフィラメントを縮小してその直径をミクロ繊維の直径まで減少させることによって形成される繊維を意味する。その後、メルトブローン繊維は、高速気体の流れによって運ばれ、捕集面上に堆積し、不規則に分散したメルトブローン繊維のウェブを形成する。このような方法は、例えば、ブチン他に付与された米国特許第3,849,241号に開示されている。
不織転写基板は、単層の材料又は多層の複合材から形成することができる。多層の場合には、層は、一般的に並列又は表面対表面の関係に位置決めすることができ、層の全体又は一部分は、隣接する層に結合することができる。複合材の複数の層は、以下に限定はしないが、接着結合、熱結合、又は超音波結合を含む様々な方法で接合して多層積層体を形成することができる。本発明の用途に適する1つの複合材は、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンド(SMS)積層体である。他の例は、織物、フィルム、発泡体/フィルム積層体、及びその組合せ、例えばスパンボンド/フィルム/スパンボンド(SFS)積層体を含む。
処理剤は、任意の適切な割合で任意の適切な方法、例えば、ポンプ、重力給送タンク、又は任意の他の適切な手段により転写基板に供給することができる。処理剤は、必要に応じて一定の割合又は様々な割合で転写基板に供給することができる。更に、望ましい量の処理剤を転写基板に供給するために、処理剤を必要に応じて連続的又は断続的に供給することができる。転写基板が剛性又は半剛性プレートに取り付けられる場合には、プレートは、処理剤を転写基板全体に均一に供給することができる特徴を含むことができる。このような特徴は、例えば、分配チャンネル又はバッフル、及び多重供給口などを含むことができる。
一部の用途に対しては、処理工程中に処理剤を加熱することが望ましい場合がある。低い温度で粘着性が低下した処理剤に対して、処理剤の加熱は、基板から手袋マトリックスへの処理剤の移動を改良することができる。一部の用途に対して、処理剤の温度は、約20℃から約80℃に維持することができる。他の用途に対して、処理剤の温度は、約30℃から約60℃に維持することができる。更に他の用途においては、処理剤の温度は、約40℃から約50℃に維持することができる。処理工程中に処理剤を加熱することが望ましい場合には、転写基板は、それが露出されることになる温度で分解に抵抗を示すように選択することができる。
処理剤は、所定の用途に適する任意のレベルで各マトリックスに移すことができる。一部の実施形態では、処理剤は、処理剤がマトリックスの約1質量%から約50質量%までのレベルで付加されるように手袋に付加することができる。他の実施形態では、処理剤は、マトリックスの約10質量%から約30質量%までのレベルで付加することができる。更に他の実施形態では、処理剤は、マトリックスの約15質量%から約25質量%までのレベルで付加することができる。
処理剤は、所定の用途に適する任意のレベルで各完成手袋に移すことができる。一部の実施形態では、処理剤は、処理剤が処理済み手袋の約0.01質量%から約5.0質量%までのレベルで付加されるように手袋に付加することができる。他の実施形態では、処理剤は、処理済み手袋の約0.1質量%から約3.0質量%までのレベルで付加することができる。更に他の実施形態では、処理剤は、処理済み手袋の約0.25質量%から約1.0質量%までのレベルで付加することができる。
転写基板との一回の接触を使用して望ましい処理剤レベルに到達するのが困難な場合には、複数の処理工程を用いることができる。いくつかの事例において、マトリックスは、複数の転写基板との連続的な接触を受けることができる。複数の処理段階は、加熱又は乾燥段階により、又は必要に応じて付加的な浸漬処理より分離することができる。
代替的に、手袋マトリックスに接触する前に転写基板から過剰の処理剤を除去することが必要であり又は望ましい場合がある。過剰な処理剤の除去は、マトリックスが接触のために転写基板に接近する時にマトリックスに利用可能である処理剤の正確かつ的確なレベルを保証することができる。過剰な処理剤の除去は、任意の適切な方法、例えば、マトリックスに接触する前に転写基板を吸収性材料に接触させることにより、転写基板をナイフ又はブレードのような堅い刃先に亘って通過させることにより、及び過剰の処理剤を転写基板から無理に除去するために剛性又は半剛性表面の間で転写基板を圧迫することなどにより達成することができる。
代替的に、手袋マトリックスに接触する前に転写基板から過剰の処理剤を除去することが必要であり又は望ましい場合がある。過剰な処理剤の除去は、マトリックスが接触のために転写基板に接近する時にマトリックスに利用可能である処理剤の正確かつ的確なレベルを保証することができる。過剰な処理剤の除去は、任意の適切な方法、例えば、マトリックスに接触する前に転写基板を吸収性材料に接触させることにより、転写基板をナイフ又はブレードのような堅い刃先に亘って通過させることにより、及び過剰の処理剤を転写基板から無理に除去するために剛性又は半剛性表面の間で転写基板を圧迫することなどにより達成することができる。
様々な処理剤又は処理剤の組合せを本発明で用いることができる。処理剤は、水溶液、分散剤、乳液として付加することができ、又は無水組成物として付加することができる。
一実施形態では、処理剤は、手袋の着用を容易にするために滑剤組成物を含むことができる。1つのこのような実施形態では、滑剤は、シリコーン又はシリコーンベースの成分を含むことができる。本明細書で用いられるように「シリコーン」という用語は、以下に限定はしないが、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、エーテル、ポリエーテル、アルデヒド、ケトン、アミド、エステル、及びチオール基から成るグループから選択された水素結合官能基を有するポリジメチルシロキサン及びポリシロキサンを含む反復シリコン−酸素バックボーンを有する合成ポリマーの広範な族を一般的に意味する。一部の実施形態では、ポリジメチルシロキサン及び/又は修飾ポリシロキサンを用いることができる。本発明に用いることができるいくつかの適切な修飾ポリシロキサンは、以下に限定はしないが、フェニル修飾ポリシロキサン、ビニル修飾ポリシロキサン、メチル修飾ポリシロキサン、フルオロ修飾ポリシロキサン、アルキル修飾ポリシロキサン、アルコキシ修飾ポリシロキサン、アミノ修飾ポリシロキサン、及びその組合せを含む。
一実施形態では、処理剤は、手袋の着用を容易にするために滑剤組成物を含むことができる。1つのこのような実施形態では、滑剤は、シリコーン又はシリコーンベースの成分を含むことができる。本明細書で用いられるように「シリコーン」という用語は、以下に限定はしないが、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、エーテル、ポリエーテル、アルデヒド、ケトン、アミド、エステル、及びチオール基から成るグループから選択された水素結合官能基を有するポリジメチルシロキサン及びポリシロキサンを含む反復シリコン−酸素バックボーンを有する合成ポリマーの広範な族を一般的に意味する。一部の実施形態では、ポリジメチルシロキサン及び/又は修飾ポリシロキサンを用いることができる。本発明に用いることができるいくつかの適切な修飾ポリシロキサンは、以下に限定はしないが、フェニル修飾ポリシロキサン、ビニル修飾ポリシロキサン、メチル修飾ポリシロキサン、フルオロ修飾ポリシロキサン、アルキル修飾ポリシロキサン、アルコキシ修飾ポリシロキサン、アミノ修飾ポリシロキサン、及びその組合せを含む。
いくつかの適切なフェニル修飾ポリシロキサンの例は、以下に限定はしないが、ジメチルジフェニルポリシロキサンコポリマー、ジメチル及びメチルフェニルポリシロキサンコポリマー、ポリメチルフェニルシロキサン、並びにメチルフェニル及びジメチルシロキサンコポリマーを含む。相対的に低いフェニル含有量(約50モル%よりも少ない)のフェニル修飾ポリシロキサンも本発明で用いることができる。例えば、フェニル修飾ポリシロキサンは、ジフェニルシロキサン修飾ジメチルポリシロキサンのようなジフェニル修飾シロキサンとすることができる。一部の実施形態では、フェニル修飾ポリシロキサンは、約0.5モル%から約50モル%の量のフェニル単位を含有することができる。他の実施形態では、フェニル修飾ポリシロキサンは、約25モル%よりも少ない量のフェニル単位を含有することができる。更に他の実施形態では、フェニル修飾ポリシロキサンは、約15モル%よりも少ない量のフェニル単位を含有することができる。1つの特定的な実施形態では、ジフェニルシロキサン修飾ジメチルポリシロキサンには、約5モル%よりも少ない量のジフェニルシロキサン単位を含有するものを使用することができる。更に別の実施形態では、ジフェニルシロキサン修飾ジメチルポリシロキサンには、約2モル%よりも少ない量のジフェニルシロキサン単位を含有するものを使用することができる。ジフェニルシロキサン修飾ジメチルポリシロキサンは、ジフェニルシロキサンをジメチルシロキサンと反応させて合成することができる。
上述のように、フルオロ修飾ポリシロキサンも本発明で用いることができる。例えば、用いることができる1つの適切なフルオロ修飾ポリシロキサンは、トリフルオロプロピルシロキサン修飾ジメチルポリシロキサンのようなトリフルオロプロピル修飾ポリシロキサンである。トリフルオロプロピルシロキサン修飾ジメチルポリシロキサンは、メチル,3,3,3,トリフルオロプロピルシロキサンをジメチルシロキサンと反応させて合成することができる。フルオロ修飾シリコーンは、トリフルオロプロピルシロキサン単位のようなフルオロ基を約5モル%から約95モル%まで含有することができる。別の実施形態では、フルオロ修飾シリコーンは、フルオロ基を約40モル%から約60モル%まで含有することができる。更に別の実施形態では、トリフルオロプロピルシロキサン修飾ジメチルポリシロキサンには、50モル%のトリフルオロプロピルシロキサン単位を含有するものを使用することができる。
他の修飾ポリシロキサンを本発明で用いることもできる。例えば、いくつかの適切なビニル修飾ポリシロキサンは、以下に限定はしないが、ビニルジメチルターミネートポリジメチルシロキサン、ビニルメチル及びジメチルポリシロキサンコポリマー、ビニルジメチルターミネートビニルメチル及びジメチルポリシロキサンコポリマー、ジビニルメチルターミネートポリジメチルシロキサン、並びにビニルフェニルメチルターミネートポリジメチルシロキサンを含む。更に、本発明に用いることができるいくつかのメチル修飾ポリシロキサンは、以下に限定はしないが、ジメチルヒドロターミネートポリジメチルシロキサン、メチルヒドロ及びジメチルポリシロキサンコポリマー、メチルヒドロターミネートメチルオクチルシロキサンコポリマー、並びにメチルヒドロ及びフェニルメチルシロキサンコポリマーを含む。更に、アミノ修飾ポリシロキサンのいくつかの例は、以下に限定はしないが、ポリメチル(3−アミノプロピル)シロキサン及びポリメチル[3−(2−アミノエチル)アミノプロピル]シロキサンを含む。
上述の特定のポリシロキサンは、適切なエンドキャップ単位を有するジメチルシロキサンサイクリック及びジフェニルシロキサンサイクリック又はトリフルオロプロピルシロキサンサイクリックの重合又は共重合から形成されたヘテロポリマー又はコポリマーを含むことを意味する。すなわち、例えば「ジフェニル修飾ジメチルポリシロキサン」及び「ジフェニルポリシロキサンとジメチルポリシロキサンのコポリマー」という用語は、同義的に使用することができる。更に、本発明で用いることができる他のポリシロキサンの例は、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれている、チェンに付与された米国特許第5,742,943号及びウィーケル他に付与された米国特許第6,306,514号に説明されている。
本発明に用いることができる1つのシリコーンは、「DC 365」の商標名で乳液として提供されている。「DC 365」は、ダウ・コーニング・コーポレーション(米国ミシガン州ミッドランド)から市販の予備乳化シリコーン(全固体含有量(TSC)35%)である。「DC 365」は、40−70質量%水(水性溶媒)、30−60質量%メチル修飾ポリジメチルシロキサン(シリコーン)、1−5質量%プロピレングリコール(非水性溶媒)、1−5質量%ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート(非イオン性界面活性剤)、及び1−5質量%オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(非イオン性界面活性剤)を含有すると考えられている。本発明に用いることができる別のシリコーン乳液は、米国ニューヨーク州ウォーターフォード所在のゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ(GEシリコーンズ)から市販の「SM 2140」である。「SM 2140」は、30−60質量%水(水性溶媒)、30−60質量%アミノ修飾ジメチルポリシロキサン(シリコーン)、1−5質量%エトキシル化ノニルフェノール(非イオン性界面活性剤)、1−5質量%トリメチル−4−ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール(非イオン性界面活性剤)、及び少ない割合のアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、及び1,4ジオキサンを含有すると考えられている予備乳化シリコーン(25%TSC)である。必要に応じて、これらの予備乳化シリコーンは、使用前に水又は他の溶媒で希釈することができる。
別の実施形態では、処理剤は、米国オハイオ州ダブリン所在のゴールドシュミット・ケミカル・コーポレーションから「Verisoft BTMS」という商標名で市販されているような4級アンモニウム化合物、及び「GEシリコーンズ」から「AF−60」の商標名で市販されているようなシリコーン乳液を含有することができる。「Verisoft BTMS」は、ベヒニルトリメチルサルフェートセチルアルコールを含有し、一方「AF−60」は、ポリジメチルシロキサン、アセチルアルデヒド、及び少ない割合の乳化剤を含有する。
別の実施形態では、処理剤は、界面活性剤、例えば、陽イオン界面活性剤(例えば、塩化セチルピリジニウム)、陰イオン界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、非イオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤を含むことができる。手袋の表面が天然ゴム手袋又はニトリル手袋のように陰イオンである場合には、1つ又はそれ以上の陽イオン界面活性剤を選択することが有利であろう。これは、いくつかの事例においては、処理剤の手袋への移動を改良すると考えられている。本発明に用いることができる陽イオン界面活性剤は、例えば、ベヘネトリモニウムメトサルフェート、塩化ジステアリルジモニウム、塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ヘキサデシルピリジニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ドデシルピリジニウム、それに対応する臭化物、ハロゲン化ヒドロキシエチルヘプタデシルイミダゾリウム、ココアミノプロピルベタイン、及びココナツアルキルジメチルアンモニウムベタインを含む。本発明に用いることができる付加的な陽イオン界面活性剤は、メチルビス(水素化獣脂アミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(獣脂アミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(大豆アミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(菜種アミドエチル)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(獣脂アミドエチル)−2−獣脂イミダゾリニウムメチルサルフェート、メチルビス(水素化獣脂アミドエチル)−2−水素化獣脂イミダゾリニウムメチルサルフェート、メチルビス(エチル牛脂脂肪酸)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、メチルビス(エチル牛脂脂肪酸)−2−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、塩化二水素化獣脂ジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化オクチルデシルジメチルアンモニウム、ジアミドアミンエトキシレート、ジアミドアミンイミダゾリン、及び4級エステル塩を含む。
一部の実施形態では、1つ又はそれ以上の非イオン性界面活性剤を用いることができる。非イオン性界面活性剤は、一般的に、長連鎖アルキル基又はアルキル化アリル基のような疎水性基、及びエトキシ及び/又はプロポキシ部分のある一定の数(例えば、1から約30まで)を含む親水性連鎖を有する。本発明に用いることができる非イオン性界面活性剤のいくつかの部類の例は、以下に限定はしないが、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化及びプロポキシル化脂肪アルコール、メチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル、ソルビトールのポリエチレングリコールエーテル、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロックコポリマー、脂肪(C8−C18)酸のエトキシル化エステル、長連鎖アミン又はアミドを有するエチレンオキシドの凝縮製品、アルコールを有するエチレンオキシドの凝縮製品、及びそれらの混合物を含む。
適切な非イオン性界面活性剤の特定の例は、以下に限定はしないが、メチルグルセス−10、「PEG 20」メチルグルコースジステアレイト、「PEG 20」メチルグルコースセスキステアレイト、C11-25パレス−20、セテス−8、セテス−12、ドドキシノール−12、ラウレス−15、「PEG 20」キャスターオイル、ポリソルベート20、ステアレス−20、ポリオキシエチレン−10、セチルエーテル、ポリオキシエチレン−10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン−20セチルエーテル、ポリオキシエチレン−10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン−20オレイルエーテル、エトキシル化ノニルフェノール、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化ドデシルフェノール、又は3−20エチレンオキシド部分を含むエトキシル化脂肪(C6−C22)アルコール、ポリオキシエチレン−20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン−23グリセロールラウレート、ポリオキシエチレン−20グリセリルステアレイト、「PPG 10」メチルグルコースエーテル、「PPG 20」メチルグルコースエーテル、ポリオキシエチレン−20ソルビタンモノエステル、ポリオキシエチレン−80キャスターオイル、ポリオキシエチレン−15トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン−6トリデシルエーテル、ラウレス−2、ラウレス−3、ラウレス−4、「PEG 3」キャスターオイル、「PEG 600」ジオレアート、「PEG 400」ジオレアート、オキシエタノール、2,6,8−トリメチル−4−ノニルオキシポリエチレンオキシエタノール;オクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシポリエトキシエタノール、2,6,8−トリメチル−4−ノニルオキシポリエチレンアルキレンオキシポリエチレンオキシエタノール、アルキレンオキシポリエチレンオキシエタノール、アルキレンオキシポリエチレンオキシエタノール、及びそれらの混合物を含む。
本発明に用いることができる付加的な非イオン性界面活性剤は、約5モルから約30モルの間のエチレンオキシドで凝縮した直鎖又は分鎖構造内の約8から約18の間の炭素原子を含む、第2脂肪族アルコールの凝縮製品である水溶性アルコールエチレンオキシド凝縮物を含む。このような非イオン性界面活性剤は、米国コネチカット州ダンベリー所在のユニオン・カーバイド・コーポレーションから「Tergitol(登録商標)」の商標名で市販されている。上述のタイプのこのような市販の非イオン性界面活性剤の特定の例は、ユニオン・カーバイド・コーポレーション(米国コネチカット州ダンベリー)が販売しているエチレンオキシド(Tergitol(登録商標)15−S−9)の9モル又はエチレンオキシド(Tergitol(登録商標)15−S−12)の12モルのいずれかで凝縮されたC11−C15第2級アルカノールである。
他の適切な非イオン性界面活性剤は、約5モルから約30モルのエチレンオキシドを有する直鎖又は分鎖アルキル基内の約8から約18までの炭素原子を含む1モルのアルキルフェノールのポリエチレンオキシド凝縮物を含む。アルキルフェノールエトキシレートの特定の例は、ノニルフェノールのモル当たり約9.5モルのエチレンオキシドで凝縮したノニルフェノール、フェノールのモル当たり約12モルのエチレンオキシドで凝縮したジノニルフェノール、フェノールのモル当たり約15モルのエチレンオキシドで凝縮したジノニルフェノール、及びフェノールのモル当たり15モルのエチレンオキシドで凝縮したジイソオクチルフェノールを含む。このタイプの市販の非イオン性界面活性剤は、ISPコーポレーションから販売されている「Igepal(登録商標)CO−630」(ノニルフェノールエトキシレート)を含む。適切な非イオン性エトキシレート化オクチル及びノニルフェノールは、約7から約13までのエトキシ単位を有するものを含む。
一部の実施形態では、1つ又はそれ以上の両性界面活性剤を用いることができる。本発明の使用に適切と考えられる1つの部類の両性界面活性剤は、直鎖又は分鎖の脂肪族ラジカルを有する2級及び3級アミンの誘導体を含み、1つの脂肪族置換基は、約8から約18までの炭素原子を含み、少なくとも1つの脂肪族置換基は、カルボキシ、スルホン酸塩、又はサルフェート基のような陰イオン水可溶化基を含む。両性界面活性剤のいくつかの例は、以下に限定はしないが、ソジウム3−(ドデシルアミノ)プロピオネート、ソジウム3−(ドデシルアミノ)−プロパン−1−スルホン酸塩、ソジウム2−(ドデシルアミノ)エチルサルフェート、ソジウム2−(ジエチルアミノ)オクタデカン酸塩、ジソジウム3−(N−カルボキシメチル−ドデシルアミノ)プロパン−1−スルホン酸塩、ソジウム1−カルボキシメチル−2−ウンデシルイミダゾール、ジソジウムオクタデシルイミノジアセテート、及びソジウムN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−スルファト−3−ドデコキシプロピルアミンを含む。
適切な両性界面活性剤の付加的な部類は、ホスホベタイン及びホスフィタインを含む。例えば、このような両性界面活性剤のいくつかの例は、以下に限定はしないが、ソジウムココナツN−メチルタウレート、ソジウムオレイルN−メチルタウレート、ソジウムトール油酸N−メチルタウレート、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ソジウムパルミトイルN−メチルタウレート、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタイン、ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−カルボキシエチルベタイン、ジソジウムオレアミド「PEG 2」スルホサクシネート、ラウリルアミド−ビス−(2−ヒドロキシエチル)プロピルスルタイン、ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ココアミドジメチルプロピルスルタイン、ステアリルアミドジメチルプロピルスルタイン、「TEA」オレアミド「PEG 2」スルホサクシネート、ジソジウムオレアミド「MEA」スルホサクシネート、ジソジウムオレアミド「MIPA」スルホサクシネート、ジソジウムリシノールアミド「MEA」スルホサクシネート、ジソジウムウンデシレンアミド「MEA」スルホサクシネート、ジソジウム小麦ゲルマミド「MEA」スルホサクシネート、ジソジウム小麦ゲルマミド「PEG 2」スルホサクシネート、ジソジウムイソステアラミデオ「MEA」スルホサクシネート、ココアミドプロピルモノソジウムホスフィタイン、ラウリンミリスチンアミドプロピルモノソジウムホスフィタイン、ココアミドジソジウム3−ヒドロキシプロピルホスホベタイン、ラウリンミリスチンアミドジソジウム3−ヒドロキシプロピルホスホベタイン、ラウリンミリスチンアミドグリセリルホスホベタイン、ラウリンミリスチンアミドカルボキシジソジウム3−ヒドロキシプロピルホスホベタイン、ココアンホグリシネート、ココアンホカルボキシグリシネート、カプリロアンホカルボキシグリシネート、ラウロアンホカルボキシグリシネート、ラウロアンホグリシネート、カプリロアンホカルボキシプロピオネート、ラウロアンホカルボキシプロピオネート、ココアンホプロピオネート、ココアンホカルボキシプロピオネート、ジヒドロキシエチル獣脂グリシネート、及びそれらの混合物を含む。
いくつかの事例においては、1つ又はそれ以上の非イオン性界面活性剤を用いることができる。適切な非イオン性界面活性剤は、以下に限定はしないが、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルフェノキシポリオキシエチレンエタノールのサルフェートエステル、アルファオレフィンスルホン酸塩、ベータアルコキシアルカンスルホン酸塩、アルキルアウリルスルホン酸塩、アルキルモノグリセリドサルフェート、アルキルモノグリセリドスルホン酸塩、アルキルカルボネート、アルキルエーテルカルボキシレート、脂肪酸、スルホサクシネート、サルコシネート、オクトキシノール又はノノキシノールフォスフェイト、タウレート、脂肪タウリド、脂肪酸アミドポリオキシエチレンサルフェート、イセチオネート、又なそれらの混合物を含む。
いくつかの適切な陰イオン界面活性剤の特定の例は、以下に限定はしないが、C8−C18アルキルサルフェート、C8−C18脂肪酸塩、1モル又は2モルのエトキシル化を有するC8−C18アルキルエーテルサルフェート、C8−C18アルカミンオキシド、C8−C18alkoylサルコシネート、C8−C18スルホアセテート、C8−C18スルホサクシネート、C8−C18アルキルジフェニルオキシドジスルホネート、C8−C18アルキルカルボネート、C8−C18アルファオレフィンスルホン酸塩、メチルエステルスルホン酸塩、及びそれらの配合物を含む。C8−C18アルキル基は、直鎖(例えば、ラウリル)又は分鎖(例えば、2−エチルヘキシル)とすることができる。陰イオン界面活性剤の陽イオンは、アルカリ金属(例えば、ナトリウム又はカリウム)、アンモニウム、C1−C4アルキルアンモニウム(例えば、モノ−、ジ−、トリ−)、又はC1−C3アルカノールアンモニウム(例えば、モノ−、ジ−、トリ−)とすることができる。
このような陰イオン界面活性剤の特定の例は、以下に限定はしないが、ラウリルサルフェート、オクチルサルフェート、2−エチルヘキシルサルフェート、ラウラミンオキシド、デシルサルフェート、トリデシルサルフェート、ココエート、ラウロイルサルコシネート、ラウリルスルホサクシネート、線形C10ジフェニルオキシドジスルホネート、ラウリルスルホサクシネート、ラウリルエーテルサルフェート(1モル及び2モルエチレンオキシド)、ミリスチルサルフェート、オレアート、ステアレイト、トーレート、リシノール酸塩、及びセチルサルフェートなどを含む。
別の実施形態では、処理剤は、抗菌剤又は抗菌組成物を含むことができる。任意の適切な抗菌組成物を用いることができる。一部の実施形態では、細菌親和性及び生菌感染を低減する処理剤を用いることができる。1つのそのような処理剤は、シラン4級アンモニウム化合物を含むことができる。本発明に用いることができる1つのそのような処理剤は、メタノール中の3−(トリメトキシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリドの様々な組成物としてイージス・エンバイロンメンツ(米国ミシガン州ミッドランド)から入手可能な「Microbeshield(登録商標)」である。2つのそのような組成物は、「AEM 5700」(全固体含有量43%)及び「AEM 5772」(全固体含有量72%)を含む。
更に別の実施形態では、処理剤は、肌の健康剤又は組成物を含むことができる。一実施形態では、肌の健康剤は、皮膚軟化剤とすることができる。本明細書で用いられるように、「皮膚軟化剤」という用語は、乾燥肌をより正常な水分均衡に回復させるのに役立つ薬剤を意味する。皮膚軟化剤は、皮膚内に溶け込む脂肪及びオイルの供給によって皮膚に作用し、皮膚を柔軟にし、角質層の一部の割れ目及び亀裂を修復し、皮膚内に水を捕捉する保護フィルムを形成する。本発明に用いるのに適切と考えられる皮膚軟化剤は、蜜ろう、ブチルステアレイト、セラミド、セチルパルミテート、ユーセリット、イソヘキサデカン、イソプロピルパルミテート、イソプロピルミリステート、ミンクオイル、ミネラルオイル、堅果油、オレイルアルコール、ワセリン又は鉱油、グリセルステアレイト、アボカド油、ホホバ油、ラノリン(又は、羊毛脂)、ラノリンアルコールのようなラノリン誘導体、レチニルパルミテート(ビタミンA誘導体)、セテアリルアルコール、スクアラン、スクアレン、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ミリストールミリステート、ある一定のヒドロゲル皮膚軟化剤、様々な脂質、デシルオレアート、及びキャスターオイルを含む。
更に別の実施形態では、処理剤は保湿剤を含むことができる。本明細書で用いられるように「保湿剤」は、空気から水分を引き寄せることによって皮膚に水を供給し、皮膚内にそれを保持する薬剤を意味する。本発明に用いるのに適切と考えられる保湿剤は、アラニン、グリセリン、PEG、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン(グリコール)、ヒアルロン酸、「天然保湿要素」(皮膚の天然保湿剤のうちのアミノ酸及び塩の混合物)、異性化糖、ソジウムラクテート、ソルビトール、尿素、及びソジウムPCAを含む。
更に別の実施形態では、処理剤は、酸化防止剤を含むことができる。本明細書で用いられるように「酸化防止剤」とは、酸化過程を防止するか又は遅くし、それによって皮膚を早期老化から保護する薬剤を意味する。本発明に用いるための例示的な酸化防止剤は、アスコルビン酸エステル、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(レシチン)、アルファグリコシルルチン(AGR、又はアルファフラボン、植物由来酸化防止剤)、及び補酵素Q10(ユビキノンとしても公知)を含む。
更に別の実施形態では、処理剤は、スキンコンディショナーを含むことができる。本明細書で用いられるように「スキンコンディショナー」とは、皮膚が水分を保持し、柔軟性を改良し、又は肌のきめを改良するのを助けることができる薬剤を意味する。スキンコンディショナーは、例えば、アラニン、セリン、及びグリシンを含むアミノ酸と、アラントイン、ケラチン、及びメチルグルコースジオレアートと、乳酸とグリコール酸を含み皮膚の表面から死滅した皮膚細胞の剥離によって作用するアルファヒドロキシ酸と、エキナシナ(コーンフラワー植物の抽出物)を含む保湿剤(乾燥肌に水を添加又は保持する薬剤)と、シアバターと、シクロメチコン、ジメチコン、及びシメチコンを含むいくつかのシリコーンとを含む。
他の実施形態では、処理剤は、アロエと、EDTAのようなキレート剤と、カオリン、ヘクトライト、スメクタイト、又はベントナイトのような吸収剤/中和剤と、パンテノール、レチニルパルミテート、トコフェロール、及びトコフェロールアセテートのような他のビタミン及びビタミン源及び誘導体と、キチン及びキトサンのような抗刺激剤と、アーモンド及びカモミルのような抽出物と、ニワトコの花、蜂蜜、ベニバナ油、及びエラスチンのような他の薬剤とを含むことができる。
一実施形態では、肌の健康剤は、リポソーム基材内で処理剤内に保持することができる。リポソームは、保湿剤又は皮膚軟化剤のような水ベースの薬剤を取り囲む、脂肪化合物すなわち脂質から形成された微細球である。リポソームが皮膚に擦り込まれると、リポソームは角質層を通して薬剤を放出する。
別の実施形態では、肌の健康剤は、マイクロカプセル剤として処理剤内に保持することができる。マイクロカプセル剤は、皮膚軟化剤がコーティング組成物中の他の成分と反応することを防ぎ、圧力が印加されて膜が破壊される時に皮膚軟化剤をより均一に分配するのを助けるゼラチン膜によって囲まれた皮膚軟化剤の球体である。これらのビードを形成する工程は、「マイクロカプセル化」として公知である。
代替的に、任意の他の処理剤又は処理剤の組合せを露出面に付加して、手袋に望ましい特性を付与することができる。
別の実施形態では、肌の健康剤は、マイクロカプセル剤として処理剤内に保持することができる。マイクロカプセル剤は、皮膚軟化剤がコーティング組成物中の他の成分と反応することを防ぎ、圧力が印加されて膜が破壊される時に皮膚軟化剤をより均一に分配するのを助けるゼラチン膜によって囲まれた皮膚軟化剤の球体である。これらのビードを形成する工程は、「マイクロカプセル化」として公知である。
代替的に、任意の他の処理剤又は処理剤の組合せを露出面に付加して、手袋に望ましい特性を付与することができる。
本発明の処理方法は、一般的に手袋をフォーマから除去して多量の水を使用する浸漬装置内に手作業で挿入する必要がある従来の処理技術に比べて大きな利点を提供するものである。このような従来の処理は、一般的に、次に乾燥段階が続き、これも手作業の処理及び高価なエネルギの使用を必要とする。また、浸漬及び乾燥装置の使用は、一般的に、生産施設では制限される場合があるかなり広い床スペースを必要とする。更に、浸漬技術は、付加される水及び処理剤が攪拌中に必然的に手袋内に入り込み、処理する意図のない隠れた表面に接触する場合があるので、より制御し難いものである。最後に、本発明は、手袋設計のより大きな柔軟性を提供する。例えば、本方法を用いて、処理剤が手袋の耐久層の間に捕捉されるように処理剤を各ポリマー浸漬段階の間に付加することが可能である。処理剤はまた、手袋マトリックスが粘着性の間に付加することもでき、これは、いくつかの事例においては、マトリックスへの移動及び最終物品に対する処理剤の耐久性を改良するであろう。
手袋形成工程が完了すると、フォーマアセンブリは、各手袋をフォーマから除去する剥離ステーションに移送することができる。剥離ステーションには、フォーマからの手袋の自動除去又は手動除去が伴うであろう。例えば、一実施形態においては、手袋がフォーマから剥ぎ取られる時に、手袋は、手作業で除去されて裏返しにされる。このように手袋を反転することにより、マトリックスの外側が手袋の内面になる。すなわち、エラストマー性物品、例えば手袋の外面が露出され、一方で内面は隠される。こうして、手袋の未処理面に任意の処理剤又は処理剤の組合せを付加することができる。それ以上の処理剤が必要でない場合には、手袋は、洗浄、積み重ね、及び包装のような任意の付加的な工程に対して準備される。
追加の処理剤が必要か又は望ましい場合には、処理剤は、任意の適切な技術、例えば浸漬又は噴霧を用いて手袋に付加することができる。一部の実施形態では、手袋のブリッキングを低減する処理剤を付加することができる。本明細書で用いられるように「ブリッキング」は、手袋の外面がそれ自体に付着する傾向を意味する。このような目的に対して適切と考えられる1つの処理剤は界面活性剤である。本明細書で説明したように陽イオン性、非イオン性、陰イオン性、及び両性などとして特徴付けられるものを含む様々な界面活性剤を外面に付加することができる。
本発明は、その革新的特徴の範囲及び精神から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができる。本発明の実施形態は、従って、全ての点で例示的であり、非限定的であると考えられ、本発明の範囲は、以上の説明ではなく特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の意味及び均等物の範囲に該当する全ての変更は、従って本発明の範囲に含まれるものとする。
22 フォーマ
30 処理剤
32 転写基板
38 移送アセンブリ
30 処理剤
32 転写基板
38 移送アセンブリ
Claims (18)
- エラストマー性マトリックスを処理する方法であって、
(a)処理剤を含む転写基板を準備する段階と、
(b)露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ上に設ける段階と、
(c)前記マトリックスを前記転写基板に接触させて、前記処理剤を前記基板から前記露出面に移す段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - エラストマー性マトリックスの表面を処理する方法であって、
(a)転写基板を準備する段階と、
(b)処理剤を前記転写基板に計量して供給する段階と、
(c)露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ上に設ける段階と、
(d)前記処理剤が前記基板から前記露出面に移るように、前記マトリックスを前記転写基板に接触させる段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - 過剰な処理剤を前記転写基板から除去する段階を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 処理剤を複数のエラストマー性マトリックスに付加する方法であって、
(a)各々がエラストマー性マトリックスでコーティングされた複数のフォーマを含む移送アセンブリを準備する段階と、
(b)処理剤を転写基板に計量して供給する段階と、
(c)前記アセンブリを前進させて各エラストマー性マトリックスを該転写基板に接触させ、前記処理剤を前記転写基板から各エラストマー性マトリックスに移す段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - 過剰な処理剤を前記転写基板から除去する段階を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 処理済みエラストマー性物品を形成する方法であって、
(a)処理剤を含む転写基板を準備する段階と、
(b)露出面を有するエラストマー性マトリックスをフォーマ上に設ける段階と、
(c)前記マトリックスを前記転写基板に接触させて前記処理剤を前記基板から前記露出面に移す段階と、
(d)前記マトリックスを固化して処理済み物品を形成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記露出面は、前記物品の内面であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記処理剤は、抗菌剤を含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記処理剤は、約0.01質量%から約5.0質量%のレベルで前記物品に移されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記処理剤は、約0.1質量%から約3.0質量%のレベルで前記物品に移されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記転写基板は、オープンセル材料を含むことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の方法。
- 前記転写基板は、不織材料を含むことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の方法。
- 前記転写基板は、可撓性剛毛を含むことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の方法。
- 前記マトリックスは、少なくとも部分的に固化されることを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の方法。
- 前記処理剤は、滑剤を含むことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の方法。
- 前記処理剤は、シリコーンを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
- 前記処理剤は、肌の健康剤を含むことを特徴とする請求項1又は請求項6に記載の方法。
- 前記処理剤は、皮膚軟化剤、保湿剤、スキンコンディショナー、抽出物、又はその組合せから成る群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
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