【発明の詳細な説明】
保護グローブ
発明の分野
本発明は、アレルゲン曝露に対するバリヤーとして利用するための保護グロー
ブ系及びアレルギー関連皮膚反応に対処するためのその改良品を含む保護系に関
する。この系は望ましくない汚染物質曝露から皮膚を保護するために保護具を必
要とする任意の環境において利用されることができ、そして家庭及び労働環境の
双方、特に健康管理施設内での用途が挙げられる。
発明の背景
化学、生物学及び放射線学的危害並びに熱的及び機械傷害に対する曝露の危険
性の上昇に伴い、我々の環境が一層脅威を帯び始めているため、保護衣類の利用
が極めて一般的となり始めている。特に保護グローブは家庭及び職務的な環境の
双方において利用されている。多くの場合、グローブの着用は勤務のために必要
とされている。ほとんどの状況において、苛酷な温度、鋭利なもしくは粗い面、
又は皮膚に損傷を及ぼすことで知られる化学物質の如き容易に認知できる危険性
がある場合にはグローブの使用が指示されている。一部の製造環境においては、
手に由来する油による製品の汚染を防ぐためにもグローブが使用されている。健
康管理環境においては、微生物に対するバリヤーを担い、患者及び看護人の双方
を感染症又は病気の伝染から保護するためにグローブが使用されている。家庭内
でのグローブの利用はたいていそうじの際の液体に対する曝露の阻止に関連して
いる。
典型的な保護グローブは完全に閉塞している。このようなゴム、ビニル又はそ
の他のポリマー製のグローブは防水性であり、そしてまた化学物質及び／又は微
生物に対するバリヤーを担いうる。一部のグローブは熱的保護のための断熱材を
含みうる。布帛グローブは着用者を切り傷及びすり傷から守りうるが、しかし液
体又は微生物からは守らない。特定の用途のためのグローブはこのような特徴が
組合さっていることがある。これらのグローブは必要な作業を行うのに十分な手
先の器用さ及び触知性を可能にしながら必須の保護を供するのが理想的である。
一部の人々はアレルギー又は過敏症をもち、それはたいていの人には問題とな
らないであろう環境からの保護の必要性を高めてしまう。例えば、事務員がコピ
ー機のトナーの中に存在する化学物質に対して過敏であることがあり、職務上の
グローブ使用という予期し得ない必要性が生ずる。このようなアレルゲン及び感
作物質の一部は皮膚を保護するために使用する衣類の中に事実上存在している。
グローブ、作業ブーツ及びエプロンを含む多くのゴム製品は感作物質であると立
証済みの加工用化学物質を含む。このような化学物質に対する曝露は広義にはア
レルギー又は接触皮膚炎と呼ばれている皮膚病を引き起こす。
更に、特定の化学物質に対して敏感である個体は一般に過敏な皮膚をもってお
り、そして苛酷な温度及び／又は水分レベルを含むあらゆるタイプの有害な環境
からの保護を必要とする。このような状況では局所薬物による処置を必要としう
る。一般的な閉塞性グローブは皮膚に対する熱及び水分の蓄積をもたらし、これ
は反応を誘引し得、そして局所薬物の適正な機能を阻止しうる。布帛グローブは
、この蓄積を防ぐが、適正な保護又は薬物の十分なる被覆を供することができな
いことがある。
健康管理環境におけるラテックスグローブの利用は特に関心がもたれている。
天然ゴムラテックス製のグローブは潜在的に危険な微生物からの最良の防御と考
えられている。ラテックスグローブはまた非常に薄く、手にぴったり合い、そし
て安価である。しかしながら、感作物質である汎用のゴム添加剤を含むことに加
えて、ラテックスグローブはアレルギー反応の原因であるタンパク質を含む。医
学的証拠は、一部のラテックスグローブ着用者がそのグローブに対する曝露を続
けると、一層敏感となるだけでなく、時間を経て、その反応性が皮膚炎を引き起
こす皮膚反応から、呼吸困難、そして極端な場合にはアナフィラキシーショック
（anaphylactic shock）を引き起こしうる全身反応へと転換してしまうことを示
唆している。ラテックスグローブの利用が微生物からの保護についての高揚した
ニーズに基づき高まっているが、皮膚刺激及び全身アレルギー反応の発症も同様
である。ラテックス過敏症を有する個体に関し、十分なるバリヤー保護、その健
康、そしてその反応がひどくなれば、その暮しとの間に潜在的なジレンマがある
。
保護グローブの着用に加えて、健康管理作業者は現在往々にして患者との接触
の度のそのグローブの交換、及び交換の度のその手の洗浄を必要としている。１
日に10〜50回グローブを交換し、そして手を洗うことは病院の作業者にとっては
めずらしいことではない。敏感な肌を有する個人に関しては、水及び洗剤に対す
る定状的な曝露は皮膚反応を引き起こし、そして局所薬物の利用を妨げうる。
改良グローブの開発においてかなり努力がなされており、それぞれ上記の状況
の１つ又は複数の観点に向けられている。ラテックスタンパク質及び／又は化学
刺激物のない又は少ない多数のラテックス及び合成グローブが製造されている。
そのどれもグローブの交換及び手の洗浄の必要性を取り除いてないか、又は水分
の蓄積を抑制
していない。また、多くの合成グローブは標準のラテックスグローブよりもかな
り高価であり、そしてラテックスと比べて劣るフィット性及び触知性を有する。
米国特許第4,695,065号は複数のディスポーザブル層を有するグローブに関連し
ており、それは使用者が、グローブを外すことなく、使用の度に最外層を剥ぎ取
って捨てることを可能にしている。この発明はグローブを外し、そして手を洗う
ことを回避する機構を供してはいるが、それは熱又は水分の蓄積に向けられてお
らず、そしてそのかさ高い多層構造はラテックスのフィット性及び器用性を供さ
ないであろう。更に、切れ及び針刺はどれだけ有効な層が残っていようと関係な
くグローブの廃棄を要してしまうであろう。
皮膚に対する水分の抑制のための要件に合わせるため、保護衣料は透湿性でな
ければならない。例えば、米国特許第4,660,228号には通気性且つ透湿性である
薄いポリウレタン不織布より本質的に成る二枚の弾性シート材を含んで成るグロ
ーブが記載されている。かかる構造は必要なバリヤー保護を供さないか、又は十
分簡単に洗浄しにくい。同様に、米国特許第4,783,857号及び4,670,330号には親
水性ポリマーの連続フィルムより成るグローブが記載されている。本明細書に引
用することで組入れる米国特許第5,036,551号には、弾性不織布、親水性層及び
微多孔質ポリマー膜のラミネートより成る透湿性グローブが記載されている。２
枚のラミネートシートはグローブの形態に一緒にシールされている。各発明はい
くつかの利点を供するが、どれもラテックスのバリヤー特性及びフィット性を供
さない。親水性ポリマーグローブは水に対する曝露により膨潤し、そして虚弱化
する。ラミネートグローブは手にぴったりと合うのに十分に弾性でなく、そして
その構造は連続的な液体及び微生物に対するバリヤーを供さない。
この問題を解決するための別の手法は透湿性の内部ライナーと外部保護グロー
ブとより成る２部分系の提供にある。米国特許第5,043,209号は特にグローブの
ための被服ライナーに関連し、これは蒸気は透過させるが液体は通さず、しかも
水分を吸収外層へと運ぶような内層を設けることにより、発汗蒸気を一方向に通
過させながら、他の方向への液体の戻りを防いでいる。かかるライナーは皮膚か
ら水分を効果的に除去するであろうが、外層はかさ高く、そして集まった水分に
より重くなってしまう。また、外層の吸水性は汚染物をとじ込めてしまい、そし
て容易に洗浄できないであろう。
アレルゲンに対する、及び汎用のグローブにより生ずる皮膚過敏の発症に対す
る使用者の更なる防御を供するような安価で再利用可能なグローブ系についての
ニーズがある。また、フィット性及びバリヤー特性を供し、皮膚に対する熱及び
水分の蓄積を抑制し、定状的な手の洗浄を必要とすることなく汚染制御を可能に
し、局所薬物と共に使用でき、そして妥当な値段であるグローブ系についてのニ
ーズもある。
発明の概要
防水性であり、透湿性であり、そしてアレルゲンに対する曝露を抑制する内部
構成部分と、耐液材を含んで成る外部構成部分とを含む少なくとも二つの構成部
分を有する保護グローブ系が提供される。このグローブ系の利用並びに衣料及び
帽子へのその他の保護系の利用の方法も提供される。
図面の簡単な説明
図１は本グローブ系の模式分解透視図である。
図２は内部グローブ構成部分として利用するのに適する材料の断
面図である。
図３は長手袋の模式透視図である。
図４は靴系の模式分解透視図である。
図５はボディースーツの模式透視図である。
図６はかぶりもの系の模式透視図である。
発明の詳細な説明
少なくとも二つの構成部分、即ち、内部グローブ構成部分と外部閉塞性グロー
ブ構成部分とを含んで成る保護グローブ系が提供される。
この内部構成部分は、アレルゲンに対する曝露及び刺激物質の皮膚との接触を
抑制する防水性、透湿性材料より成る。このようなアレルゲン及び刺激物質は外
的環境及び外部グローブ構成部分自体に由来しうる。同時に、この内部構成部分
はまたその透湿性に基づき任意の発汗の皮膚への蓄積を防ぐ。この内部構成部分
は着用時に消毒でき、そして外部構成部分を何回も交換しながら再利用できる。
この外部構成部分は破壊、汚染又は確立された作業規則に基づき必要なときに
交換できうる防水性グローブを含む。この主要外部構成部分は環境中のアレルゲ
ンまたは刺激物質に対する曝露に対する更なる防御をも担う。
本発明は添付図面を参照することにより最も良く理解される。図１はグローブ
系の模式分解透視図であり、それにおいては最初に内部グローブ２を素手の上に
かぶせ、次いで閉塞性外部グローブ４をこの内部グローブ２の上にかぶせている
。
内部グローブ構成部分２は強くて耐久性であり、しかも薄く、高い透湿率を有
し、そしてアルコール又は殺生物水性溶液により簡単に消毒できる外面を有する
ものでなくてはならない。内部グローブ
構成部分２は着用又は洗浄の際に容易に水分を吸収すべきでなく、そして皮膚に
着用したときに快適なものでなくてはならない。かかる内部グローブ構成部分２
を作り上げるのに様々な技術が採用できる。適当な材料には、ポリマー材料によ
り相互連結した空隙の微小構造を有する微多孔質材料を含む単層フィルム又は多
層ラミネートと、透湿性であるが微多孔質となっていないポリマー材料とを含む
。かかる材料には、例えばポリウレタン類、コポリエーテルエステル類、ポリア
クリレート類、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミド類、
コポリエーテルアミド類が含まれる。このポリマー材料は三次元構造を形成する
ため浸漬技術によりグローブへと成形され得る；グローブはフィルム又はラミネ
ートのシートからも構築されうる。
好適な態様において、内部構成部分は図２において断面図で示すように二層ラ
ミネート１から作られる。ラミネート１の内層３は水分を容易には吸収又は抑留
せず、しかも皮膚に付着しない柔軟で快適な表面を供する。かかる材料には不織
ポリマー及び織った又は編んだ天然又は合成ファイバーが含まれる。適当な不織
材料には例えばポリアミド類、ポリアクリレート類、ポリエステル類、ポリプロ
ピレン類及びポリエチレン類が含まれる。その他の適当な布帛にはウール、絹、
ナイロン及びアクリルより成るニット又は織布が含まれる。最も好ましい不織材
料はポリエーテルエステル、即ち、Wisconsin州のKimberly Clarkから商業的に
入手できるDemique（登録商標）布帛である。
ラミネートの外層５は内部グローブ構成部分に防水性且つ透湿性のバリヤーを
供する。適当な材料には上述の透湿性ポリマーが含まれる。この層に適する最も
好適な材料には廷伸膨張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)のフィルムが含ま
れる。かかる材料は米国特
許USP第3,953,566号及び4,187,390号に記載されている。このフィルムは米国特
許第4,194,041号に記載の通り親水性剤によりコーティングを施してよい。これ
らの材料はデラウエア州のNewwarkのW.L．Gore & Associates，Incより商標GORE
-TEXで入手できる。EPTFEは水に曝露したときに膨潤又は虚弱化せず、薄く、且
つ強く、そして清浄可能な表面を供する。
外層５を内層３に慣用の積層技術により積層して、グローブ集成体の内部構成
部分を構築するのに適する材料を形成する。特に好適な態様において、コーティ
ングを施していないePTFEフィルム５を上記のポリエーテルエステル材料３に、
図２に示す通りにして、親水透湿性結合剤７の連続層を介して積層する。結合剤
７は二層間の連続接続を担う。「連続」とはここではとぎれのないことと定義し
、従ってこの結合剤は外層５と内層３との間のとぎれのない付着手段を担ってい
る。この結合剤も着用者の皮膚への細菌及びアレルゲンの運搬の更なる封鎖をも
担う。結合剤７には限定することなくポリウレタン類又はコポリエーテルエステ
ル類が含まれる。好適なポリマー組成物は米国特許第4,532,316号に記載されて
いる。
好適な態様において、内部グローブ構成部分２は上記の通りラミネート１から
、２枚のラミネートシートを向き合わせて配置し、内層３が相対するように配置
することにより構築する。次いでグローブの形状を打ち抜き又は切り取り、そし
て熱又は任意のその他のシーリング手段を適用して継目が形成されるようにして
２枚の面を貼り合わせる。得られる継目は穴のない連続ポリマー接着を供し、そ
れ故任意の望ましくない汚染物又はアレルゲンの侵入を防ぐ。継目の縫合は、材
料に穴をもたらしてしまうため、本方法には含まれない。
図１にもどると、外部グローブ構成部分４は潜在的に危険な微生
物に対する曝露の必要な抑制を供する任意の防液性グローブを含んで成りうる。
好適なグローブは天然ゴムラテックスより成るか、合成ゴム、ポリマー又はビニ
ルより成るグローブも利用できる。適当な外部グローブ構成部分はニュージャー
ジー州のFranklinのBecton Dickinson，カリフオルニア州のValenciaのBaxter H
ealthcare Corporation及びジョージヤ州のMenloのBest Manufacturing Co.より
商業的に入手できる。
使用時、内部グローブ２をまず着用し、そしてその後使用し続けることができ
る。外部グローブ構成部分４を次に着ける。得られるグローブ系はぴったりと合
っているがきつくてはならず、そして快適性及び触知性を供するべきである。こ
の系の着用の際、手に由来する水分は内部グローブを通して拡散し、そして外部
グローブの下に集まりうる。外部グローブ４は作業場の規則に従って必要なとき
には何時でも、又は便宜もしくは快適性のために所望のときに交換されるべきで
ある。内部グローブ構成部分２は外す必要がなく、そして必要ならば、アルコー
ル又は低温（cool）殺生物溶液で洗浄してよい。外部グローブ４を必要としない
状況では、内部グローブ構成部分２は更なる皮膚保護のために延長して単独で着
用してよい。
更に、グローブ系の使用者はその手を内部グローブ構成部分を着用する前に肌
クリーム又は薬物で処置しておいてよい。内部構成部分２は、効果を損わしめる
液体の浸透又は蓄積を防ぐことにより、かかる肌のトリートメントを保護する。
この系にはその他の保護衣類の利用を組込んでもよい。図３は腕を保護するた
めの長い丈を有する長手袋14と共に利用される内部構成部分12の模式透視図を示
す。この集成体においては、内部構成部分も長い腕の丈となっているが、しかし
ながら図１に示しているような標準の内部グローブ構成部分２も適当である。
同様に、図４は内部グローブ構成部分として利用するものと同じ上記のラミネ
ートより成る内部ブーティー22の模式透視図を示す。この用途のために、ラミネ
ートのシートを靴下の形状へと打ち抜き又は切り取り、次いで貼り合わせて防水
性継目を形成する。このブーティー22を次に靴下の下に又は直接ブーツもしくは
靴24の下に利用してよい。
図５は上記と同じラミネートから作った内部ボディースーツ32の模式透視図を
示す。この用途については、ラミネートのシートを前後ワンピースデザインのル
ーズフィッティングボディースーツに切る。この前と後ろの切片を前面同志相対
して配置し、その後熱融着させるか、又は継目が形成されるように他の方法で処
理する。適当なクロージャーにはスナップ、タブ、ベルクロ相互連結具、及びNo
rvellの同時係属中の米国出願U.S.S.N.08／044,518号に記載の如き防水性ジッパ
ークロージャーが含まれる。
汎用の保護衣料34、例えばウイスコンシン州のJanesvilleのLab Safety Suppl
y Co.より商業的に入手できるものを次いで内部スーツ32の上に着用してよい。
または、作業者の街路着又はその他の衣服を内部スーツ32の上に直接着用してよ
い。
図６は上記と同じラミネートから出来たかぶりものライナー42の模式透視図を
示す。ラミネートシートをフィットキャップの形状へと打ち抜き又は切り取り、
そして熱又は上述のその他の方法の適用により貼り合わせる。このキャップは視
界及び呼吸のための穴が適切に設けられていることを条件に、顔面の一部又は全
体に広がるものであってよい。キャップはヘルメット、フードの下に利用するか
、又はかぶりもの系46の中に完全に収納されてよい。
試験方法
防水性
内部グローブを水充填試験を実施することによって防水性について試験した。
水(500ml)を逆さまにしたグローブの中に慎重に注いだ。このグローブを２分間
、又はグローブ材料もしくは継目を通しての水漏れが認められるまで観察した。
２分の間での漏れのないことと規定して防水性を決定した。
透湿性
Crosbyの米国特許第4,862,730号に記載の方法に従って透湿率（MVTR）を測定
した。この方法において、内部グローブ複合体のために用いたラミネートを、温
度制御式水浴上に支持された防水、透湿性膜の上に載せた。飽和食塩水溶液を含
むカップを逆さまにしてサンプルの上に載せた。水蒸気は水浴から、サンプルを
通し、そして逆さまにしたカップの口を通過する。MVTR（24時間当り、１平方メ
ートルのサンプル当りの水のグラム数で表示）は、所定の時間間隔の間でカップ
によって吸収される水の量を測定し、そしてカップの口の面積について補正する
ことにより決定した。水浴の温度は23℃とし、そして周囲の大気の温度及び相対
湿度はそれぞれ23℃及び50％に管理した。2,000ｇ／ｍ2−24ｈの最小MVTRを有す
るものを透湿性と定義した。
アレルゲンバリヤー
ラテックスグローブに対するアレルギー反応は生ラテックスの中において見い
出せるタンパク質分子により起こる。内部グローブ構成部分のバリヤー特性を評
価するための試験を以下の手順に従って実施した。
グローブの指の部分を緩衝食塩試験溶液で満たし、そしてチューブクリップで
シールした。この試験サンプルを濃アンモニア化ラテックスを含む誘発溶液の中
に吊し、そして24時間かけて平衡化した。グローブ材料に針を挿入して誘発溶液
が試験溶液と混合するため
の通路を作り上げることによりコントロール実験を実施した。誘発及び試験溶液
中のラテックスアレルゲンの濃度を放射アレルギー収着剤(radioallergosorbent
)試験を利用して決定した。試験溶液にアレルゲンを全く移動させないものとし
て定義する有効バリヤーが決定された。
実施例
グローブ構成部分系を開発し、そして試験した。外部グローブ構成部分は天然
ゴムラテックスより作った。内部グローブ構成部分は米国特許第5,036,551号の
教示に従って作った延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテル−ポリ
エステル不織布と92層ラミネートより構築した。積層はポリウレタン接着剤の連
続層を利用して行った。グローブの形状をこのラミネートから切り取り、そして
ヒートシールさせて内部グローブ構成部分を形成した。内部及び外部構成部分の
双方を防水性について試験し、そして防水性であることが認められた。内部構成
部分のMVTRは8000ｇ／ｍ2−24hrであった。内部構成部分はアレルゲンバリヤー
としてのその適性についても試験した。ラテックスアレルゲン誘発溶液の濃度は
35,100アレルギー単位（AU）／mlであった。試験溶液中ではアレルゲンは検出さ
れなかった。コントロール実験における誘発及び試験溶液のラテックスアレルゲ
ン濃度はそれぞれ26,900及び582AU／mlであった。
【手続補正書】特許法第１８４条の８
【提出日】１９９６年９月６日
【補正内容】
明細書
改良グローブの開発においてかなり努力がなされており、それぞれ上記の状況
の１つ又は複数の観点に向けられている。ラテックスタンパク質及び／又は化学
刺激物のない又は少ない多数のラテックス及び合成グローブが製造されている。
そのどれもグローブの交換及び手の洗浄の必要性を取り除いてないか、又は水分
の蓄積を抑制していない。また、多くの合成グローブは標準のラテックスグロー
ブよりもかなり高価であり、そしてラテックスと比べて劣るフィット性及び触知
性を有す。米国特許第4,696,065号は複数のディスポーザブル層を有するグロー
ブに関連しており、それは使用者が、グローブを外すことなく、使用の度に最外
層を剥ぎ取って捨てることを可能にしている。この発明はグローブを外し、そし
て手を洗うことを回避する機構を供してはいるが、それは熱又は水分の蓄積に向
けられておらず、そしてそのかさ高い多層構造はラテックスのフィット性及び器
用性を供さないであろう。更に、切れ及び針剌はどれだけ有効な層が残っていよ
うと関係なくグローブの廃棄を要してしまうであろう。
皮膚に対する水分の抑制のための要件に合わせるため、保護衣料は透湿性でな
ければならない。例えば、米国特許第4,660,228号には通気性且つ透湿性である
薄いポリウレタン不織布より本質的に成る二枚の弾性シート材を含んで成るグロ
ーブが記載されている。かかる構造は必要なバリヤー保護を供さないか、又は十
分簡単に洗浄しにくい。同様に、米国特許第4,783,857号及び4,670,330号には親
水性ポリマーの連続フィルムより成るグローブが記載されている。本明細書に引
用することで組入れる米国特許第5,036,551号には、弾性不織布、親水性層及び
微多孔質ポリマー膜のラミネートより
成る透湿性グローブが記載されている。２枚のラミネートシートがグローブの形
態に一緒にシールされる。各発明はいくつかの利点を供するが、どれもラテック
スのバリヤー特性及びフィット性を供さない。親水性ポリマーグローブは水に対
する曝露により膨潤し、そして虚弱化する。ラミネートグローブは手にぴったり
と合うのに十分に弾性でなく、そしてその構造は連続的な液体及び微生物に対す
るバリヤーを供さない。
この問題を解決するための別の手法は透湿性の内部ライナーと外部保護グロー
ブとより成る２部分系の提供にある。米国特許第5,043,209号は特にグローブの
ための被服ライナーに関連し、これは蒸気は透過させるが液体は通さず、しかも
水分を吸収外層へと運ぶような内層を設けることにより、発汗蒸気を一方向に通
過させながら、他方向への液体の戻りを防いでいる。かかるライナーは皮膚から
水分を効果的に除去するであろうが、外層はかさ高く、そして集まった水分によ
り重くなってしまう。また、外層の吸水性は汚染物をとじ込めてしまい、そして
容易に洗浄できないであろう。
使用時、内部グローブ２をまず着用し、そしてその後使用し続けることができ
る。外部グローブ構成部分４を次に着ける。得られるグローブ系はぴったりと合
っているがきつくてはならず、そして快適性及び触知性を供するべきである。こ
の系の着用の際、手に由来する水分は内部グローブを通して拡散し、そして外部
グローブの下に集まりうる。外部グローブ４は作業場の規則に従って必要なとき
には何時でも、又は便宜もしくは快適性のために所望のときに交換されるべきで
ある。内部グローブ構成部分２は外す必要がなく、そして必要ならば、アルコー
ル又は低温（cool）殺生物溶液で洗浄してよい。外部グローブ４を必要としない
状況では、内部グローブ構成部分２は更なる皮膚保護のために延長して単独で着
用してよい。
更に、グローブ系の使用者はその手を内部グローブ構成部分を着用する前に肌
クリーム又は薬物で処置しておいてよい。内部構成部分２は、効果を損わしめる
液体の浸透又は蓄積を防ぐことにより、かかる肌トリートメントを保護する。
この系にはその他の保護衣類の利用を組込んでもよい。図３は腕を保護するた
めの長い丈を有する長手袋14と共に利用される内部構成部分12の模式透視図を示
す。この集成体においては、内部構成部分も長い腕の丈となっているが、しかし
ながら図１に示しているような標準の内部グローブ構成部分２も適当である。
同様に、図４は内部グローブ構成部分として利用するものと同じ上記のラミネ
ートより成る内部ブーティー22の模式透視図を示す。この用途のために、ラミネ
ートのシートを靴下の形状へと打ち抜き又は切り取り、次いで貼り合わせて防水
性継目を形成する。このブーティー22を次に靴下の下に又は直接ブーツもしくは
靴24の下に利用してよい。
図５は上記と同じラミネートから作った内部ボディースーツ32の
模式透視図を示す。この用途については、ラミネートのシートを前後ワンピース
デザインのルーズフィッティングボディースーツに切る。この前と後ろの切片を
前面同志相対して配置し、その後熱融着させるか、又は継目が形成されるように
他の方法で処理する。適当なクロージャーにはスナップ、タブ、ベルクロ相互連
結具、及びNorvellの同時係属中の米国出願U.S.S.N.08／044,518号（米国特許第
5,386,616号に対応）に記載の如き防水性ジッパークロージャーが含まれる。
汎用の保護衣料34、例えばウィスコンシン州のJanesvilleのLab Safety Suppl
y Co.より商業的に入手できるものを次いで内部スーツ32の上に着用してよい。
または、作業者の街路着又はその他の衣服を内部スーツ32の上に直接着用してよ
い。
図６は上記と同じラミネートから出来たかぶりものライナー42の模式透視図を
示す。ラミネートシートをフィットキャップの形状へと打ち抜き又は切り取り、
そして熱又は上述のその他の方法の適用により貼り合わせる。このキャップは視
界及び呼吸のための穴が適切に設けられていることを条件に、顔面の一部又は全
体に広がるものであってよい。キャップはヘルメット、フードの下に利用するか
、又はかぶりもの系46の中に完全に収納されてよい。
請求の範囲
１．保護グローブ系であって
（ａ）アレルゲン及び刺激物質に対する曝露を抑制し、そして2,000ｇ／ｍ2／
24hr以上の透湿性を有する防水性且つ透湿性の内部グローブ構成部分；並びに
（ｂ）前記内部グローブ構成部分の上に配置した独立の取外し可能な耐液閉塞
性外部グローブ構成部分；
を含む少なくとも二つの構成部分を含んで成る保護グローブ系。
２．前記外部グローブ構成部分がラテックスゴム、合成ゴム、ビニル及び弾性
保護バリヤーグローブを含む群より選ばれる、請求項１記載の保護グローブ系。
３．前記外部構成部分が再利用可能なグローブである、請求項１記載の保護グ
ローブ系。
４．前記内部グローブ構成部分がポリウレタン、コポリエーテルエステル類、
ポリアクリレート類、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミ
ド、コポリエーテルアミド類を含む群から選ばれるフィルムを含んで成る、請求
項１記載の保護グローブ系。
５．保護グローブ系であって
（ａ）アレルゲン及び刺激物質に対する曝露を抑制する延伸膨張多孔質ポリテ
トラフルオロエチレンのフィルムを含んで成る防水性且つ透湿性の内部グローブ
；並びに
（ｂ）前記内部グローブ構成部分の上に配置した独立の取外し可能な耐液閉塞
性外部グローブ；
を含む少なくとも二つの構成部分を含んで成る保護グローブ系。
６．前記内部グローブ構成部分が微多孔質となっていないポリマ
ー材料のフィルムを含んで成る、請求項１記載の保護グローブ系。
７．前記内部グローブ構成部分が防水性且つ透湿性の材料の層に結合した非吸
収性布帛材料の層を含むラミネートを含んで成る、請求項１記載の保護グローブ
系。
８．前記非吸収性布帛材料の層が不織ポリマー布帛である、請求項７記載の保
護グローブ系。
９．前記非吸収性布帛の層が織った材料及び編んだ材料を含む群から選ばれる
、請求項７記載の保護グローブ系。
10．前記防水性且つ透湿性の材料の層がポリウレタン、コポリエーテルエステ
ル類、ポリアクリレート類、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポ
リアミド、コポリエーテルアミド類を含む群から選ばれるフィルムである、請求
項７記載の保護グローブ系。
11．前記防水性且つ透湿性の材料の層が延伸膨張多孔質ポリテトラフルオロエ
チレンのフィルムである、請求項７記載の保護グローブ系。
12．前記防水性且つ透湿性の材料の層が微多孔質となっていないポリマー材料
のフィルムである、請求項７記載の保護グローブ系。
13．前記防水性且つ透湿性の材料の層に前記非吸収性布帛の層を結合させるた
めに親水性ポリマーの連続層を使用する、請求項７記載の保護グローブ系。
14．グローブ構成部分系を使用する方法であって、2,000以上のMVTRを有する
防水透湿性内部グローブ構成部分を含んで成る第一内部グローブ構成部分を着用
し、次いで第二の外部耐液性グローブ構成部分であってそのグローブ構成部分の
上に耐液性材料を含んで成るものを着用する工程を含んで成る方法。
15．前記内部グローブ構成部分を着用する前に手に局所トリート
メントを適用する工程を更に含んで成る、請求項14記載のグローブ構成部分系を
使用する方法。
16．前記外部グローブを取り除き、前記内部グローブ構成部分をアルコール及
び殺生物剤を含む群から選ばれる溶液で消毒する工程を更に含んで成る、請求項
14記載のグローブ構成部分系を使用する方法。
17．前記内部グローブ構成部分と外部グローブ構成部分に、長手袋が形成され
るように長い腕の領域が施されている、請求項１記載の保護グローブ系。
18．保護靴系であって
（ａ）アレルゲン及び刺激物質に対する曝露を抑制する防水性且つ透湿性の内
部ブーティー構成部分；並びに
（ｂ）前記内部ブーティー構成部分の上に配置した耐液閉塞性外部靴構成成分
；
を含む少なくとも二つの構成部分を含んで成る保護靴系。
19．保護ボディースーツであって
（ａ）アレルゲン及び刺激物質に対する曝露を抑制する防水性且つ透湿性の内
部ボディースーツ構成部分；並びに
（ｂ）前記内部ボディースーツ構成部分の上に配置した耐液閉塞性外部ボディ
ースーツ構成部分；
を含む少なくとも二つの構成部分を含んで成る保護ボディースーツ。
20．保護ヘッドカバーであって
（ａ）アレルゲン及び刺激物質に対する曝露を抑制する防水性且つ透湿性の内
部ヘッドカバー構成部分；並びに
（ｂ）前記内部ヘッドカバー構成部分の上に配置した耐液閉塞性外部ヘッドカ
バー構成部分；
を含む少なくとも二つの構成部分を含んで成る保護ヘッドカバー。
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(81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，
ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ
Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，Ｂ
Ｇ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ
，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＥ，
ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ
Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ
，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，
ＴＴ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ
(72)発明者 グッドウィン，ブレント，イバン
アメリカ合衆国，メリーランド 21921,
エルクトン，ダニエル バソン ドライブ
40
(72)発明者 マスレイ，フランシス，ジェイ.
アメリカ合衆国，デラウェア 19803，ウ
ィルミントン，ウェイバリー ロード
222
(72)発明者 ウォル，ジャクリン，ミシェル
アメリカ合衆国，アリゾナ 86001，フラ
ッグスタッフ，ウェスト ナバジョ ロー
ド 324