JP2016088892A - フルフラールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】触媒存在下で糖からフルフラールを製造する方法において、該触媒を、1atm、200℃において液体または固体状態であり、2個以上のカルボキシル基を有する化合物とする。
【選択図】なし
Description
一方、特許文献3に記載される有機酸は、不溶性物質の付着がなく、触媒処理コストが安価な触媒であるが、目的生成物の収率が低いという難点があった。
すなわち、本発明の要旨は以下に存する。
。)を有するフルフラールの製造方法であって、該触媒が、1atm、200℃において液体または固体状態であり、2個以上のカルボキシル基を有する化合物であることを特徴とする、フルフラールの製造方法。
[2] 前記触媒は、pKaが3.0以上4.6以下の化合物である[1]に記載のフルフラールの製造方法。
[3] 前記触媒が、フマル酸、コハク酸またはテレフタル酸である[1]または[2]に記載のフルフラールの製造方法。
[4] 前記触媒が、糖に対して0.02〜50wt%存在する[1]〜[3]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[5] 前記糖が、炭素数5の単糖または炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖である[1]〜[4]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[6] 前記FRL製造工程における反応温度が100℃〜250℃である[1]〜[5]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法
[7] 前記FRL製造工程における反応溶媒が水を含み、水に対する糖の濃度が0.1〜50wt%である[1]〜[6]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[8] 前記FRL製造工程における反応溶媒が水と有機溶媒とを含み、水に対する有機溶媒の比率が10〜5000wt%である[1]〜[7]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[9] 前記有機溶媒がエーテル、ケトン、エステル、アルコール、芳香族炭化水素、および飽和脂肪族炭化水素よりなる群の少なくとも1つから選ばれる[8]に記載のフルフラールの製造方法。
以下、それぞれの要件に分けて詳細に説明する。
本発明の製造方法で行われるFRL製造工程は、多糖類や単糖類などの糖を、触媒の存在下で脱水反応させて、フルフラールを生成させる工程である。
糖からフルフラールの合成反応は、主に五炭糖からの脱水反応である。この脱水反応は、フルフラールの生産性向上、得られるフルフラールの純度向上の観点から、反応溶媒及び触媒を用いて行うことが好ましい。
本発明で用いられる糖は、フルフラールを製造することができれば特に限定されず、単糖類や多糖類などのいわゆる糖類一般を用いることができる。
単糖類としては、具体的にはリボース、リキソース、キシロース、アラビノース、デオキシリボース、キシルロース、リブロース等の炭素数5の単糖(ペントース);アロース
、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、フコース、フクロース、ラムノース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等の炭素数6の単糖(ヘキソース);セドヘプツロース等の炭素数7の単糖(ヘプトース)等が挙げられる。これらの単糖の中でも、自然界、植物の構成成分となっていることから豊富に存在し、原料の入手が容易であるためヘキソース、ペントースが好ましく、収率の観点から炭素数5の単糖であるペントースが最も好ましい。
フルフラールの合成反応は主に五炭糖からの脱水反応であることから、本発明で用いる糖は、炭素数5の単糖および/または炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖であることが好ましい。
前述の糖は、主にバイオマス原料に含まれており、これらのバイオマス原料から得られる糖を用いることが好ましい。バイオマス原料は上記の糖類を構成成分とする多糖類を含んでいれば特に限定されないが、具体的には、セルロース、ヘミセルロースを含む植物や澱粉糖化液、または糖蜜なども使用される。たとえば、サトウキビ、甜菜またはサトウカエデ等の植物から搾取した糖液が挙げられる。
可食バイオマス原料としては、サトウキビ、澱粉、テンサイ、とうもろこし、いも、キャッサバ、サトウカエデ等が挙げられる。
非可食バイオマス原料としては、具体的には、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、コーンストーバー、稲わら、麦わら、米ぬか、樹木、木材、植物油カス、ササ、タケ、パルプ類、古紙、食品廃棄物、水産物残渣、家畜廃棄物等が挙げられる。また、砂糖の製造工程で発生する糖蜜から砂糖を回収した後に残る廃糖蜜も非可食バイオマス原料として使用可能である。
このうち、非可食バイオマス原料は、可食バイオマス原料と異なり、食用用途と競合せず、また通常であれば廃棄、焼却処理をされるものが多いため、安定的な供給、資源の有効利用が図れる点で好ましい。これら、バイオマス原料はそのまま使用することもできるし、酸処理や水熱処理等の前処理を行ってから使用することもできる。
フルフラール製造工程において、反応溶媒中に含まれる糖の濃度は特に限定されないが、反応溶媒としては水を含むことが好ましく、水に対する糖濃度が0.1wt%〜50w
t%であることが好ましく、より好ましくは1wt%〜30wt%であり、さらに好ましくは5wt%〜25wt%である。糖濃度が下限値以上であると、フルフラールと溶媒との分離効率が高くなる傾向があり、糖濃度が上限値以下であると副反応を抑制できフルフラールの収率が高くなる傾向があり好ましい。
反応溶媒として水と有機溶媒とを含む場合には、上記範囲に加えて、水に対する糖濃度が10wt%以上であることがさらに好ましく、特に好ましくは15wt%以上である。有機溶媒を用いる場合には、生成したフルフラールが有機溶媒へ溶解して、分解するのを抑制可能であると考えられることから、水に対する糖濃度を比較的高い範囲にすることができる。
本発明のフルフラール製造方法では、1atm、200℃において液体または固体状態であり、2個以上のカルボキシル基を有するポリカルボン酸を触媒として用いる。
有機カルボン酸は、硫酸などの無機酸と比較して酸解離定数pKaが高いため、これを触媒として反応を行い高収率でフルフラールを得るには、反応温度を高温にする必要がある。本発明者らの検討によれば、熱安定性が低い有機酸は高温条件下で分解してしまい、フルフラール収率が低下することが明らかとなった。また、高温条件下で分解してしまう有機酸を触媒として用いた場合には、反応後に回収してリサイクルすることができず、生産性の低下につながってしまう。本発明のフルフラール製造方法では、1atm、200℃において、液体または固体状態であるポリカルボン酸を触媒として用いることにより、反応温度を高温にして高効率で安定にフルフラールを生成することが可能となり、触媒のリサイクルも容易になることから、生産効率に優れたプロセス設計が可能になる。
ここで、本明細書において1atm、200℃において液体または固体状態であるポリカルボン酸とは、1atm、200℃において気化していない、又は分解していない、2個以上のカルボキシル基を有する化合物である。よって、固体や液体から気体となる温度である沸点、昇華点が200℃以上、または分解温度が200℃以上であるポリカルボン酸であるといえる。
ン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族トリカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメシン酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、メロファン酸、プレニト酸、ピロメリト酸、ベンゼンペンタカルボン酸、メリト酸等の芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。また、これらの酸の少なくとも一部を中和した塩も用いることができる。
本発明で用いる触媒は、上記のポリカルボン酸を単独で含有していてもよいし、2種類以上を含有していてもよい。
ここで、本発明で触媒として用いるポリカルボン酸の酸解離定数pKaとは、解離段が1の場合の数値とする。すなわち、2個以上のカルボキシル基のうち少なくとも1個の水素イオンが脱離する場合の酸解離定数pKaを意味する。たとえば、カルボキシル基を2個有するコハク酸では、通常、pKaは解離段が1の4.19と解離段が2の5.48となるが、本明細書では解離段が1の4.19をコハク酸のpKaと解する。
フルフラール製造工程において用いる反応溶媒は、水や有機溶媒であることが好ましい。通常、水のみで反応を行うことが可能であるが、有機溶媒を添加して反応を行うこともできる。コスト優位性の観点からは、反応溶媒として水のみを用いることが好ましく、フルフラールの収率向上の観点からは、反応溶媒として水と有機溶媒とを用いることが好ましい。
有機溶媒の添加によって均一混合溶媒で反応を行うことができるが、フルフラールの重合や分解反応を抑制し、フルフラールの収率が向上するため、水層と有機層の2層系となる有機溶媒を用いることが好ましい。用いる有機溶媒の量は本発明の趣旨を損ねない限り、特に限定されないが、水に対して10〜5000wt%であることが好ましく、特に10〜1000wt%であることが好ましい。
ル、ブチルエーテル、ペンチルエーテル、ヘキシルエーテル、オクチルエーテル、ノニルエーテル、デシルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等の炭素数4〜20のエーテル類;2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、シクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン、5−メチル−2−ヘキサノン、2,4−ジメチルペンタノン、5−ノナノン、4−デカノン、5−デカノン、2−ウンデカノン、4−ウンデカノン、3−ドデカノン、2−トリデカノン、2−テトラデカノン、4−テトラデカノン、2−ペンタデカノン、3−ペンタデカノン、7−ペンタデカノン、2−ヘキサデカノン、3−ヘキサデカノン、4−ヘキサデカノン、6−ヘキサデカノン、2−ヘプタデカノン、4−ヘプタデカノン、9−ヘプタデカノン、3−オクタデカノン、アセトフェノン等の炭素数4〜20のケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデシルアルコール、1−ラウリルアルコール、1−トリデシルアルコール、1−テトラデカノール、1−ペンタデシルアルコール、1−ヘキサデカノール、シス−9−ヘキサデセン−1−オール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、16−メチルヘプタデセン−1−オール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等の炭素数3〜20のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、イソドデカンなどの炭素数3〜12の飽和脂肪族炭化水素化合物;トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1−メチルナフタレンなどの芳香族炭化水素があげられる。前記有機溶媒がエーテル、ケトン、エステル、アルコール、芳香族炭化水素、および飽和脂肪族炭化水素よりなる群の少なくとも1つから選ばれることが好ましい。
このうち、2層系で反応を行う場合は、フルフラールの抽出効率および有機溶媒の水への溶解量の観点からメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、1−メチルナフタレン、シクロヘキサン、イソドデカンが好ましい。上記有機溶媒は溶媒の回収・再利用を考慮すると単一溶媒のほうが好ましいが、2種類以上を用いても構わない。
フルフラール製造工程の反応形態は特に限定されず、バッチ式でも半回分式でも連続式でもよく、これらを組み合わせた反応形態でもよい。生産性向上の観点からは、半回文式反応および連続式反応が好ましく、操作の簡易さの観点からはバッチ式反応が好ましい。また、反応生成物であるフルフラールを生産しながら蒸留する反応蒸留方式でも構わない。反応蒸留式の場合、減圧で実施しても常圧で実施してもいずれでも構わない。
フルフラール製造工程の反応温度は特に限定されないが、具体的には100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは160℃以上であって、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは230℃以下である。反応温度が下限値以上であると、反応の進行が速くなる傾向があり、フルフラールの生産性が向上する。反応温度が上限値以下であると、フルフラール及び原料の糖が分解や重合を起こすことを抑制し、フルフラールの収率を向上させる傾向があるため好ましい。
本発明の製造方法によれば、1atm、200℃において液体または固体状態であるポ
リカルボン酸を触媒として用いるので、反応温度を160℃以上と比較的高温にすることができ、反応を効率よく進行させることができる。
フルフラール製造工程で得られたフルフラールは、反応終了後、反応液から適宜、濃縮、抽出、蒸留等の一般的な分離・精製操作を経て、分離され適宜目的とする純度まで精製することができる。また、精密蒸留法やカラムクロマト分離精製法を用いることで、更に純度を向上することができる。
フルフラール製造工程で用いた触媒は、分離・精製工程で回収し、リサイクルしてもよい。具体的な分離・精製方法としては、蒸留、溶媒抽出、晶析があげられる。また、これら分離・精製方法を組み合わせて用いることもできる。
本発明の製造方法で得られるフルフラールの収率は、特に限定はされず、原料によって大きく異なるが、通常15%以上であり、好ましくは20%以上であり、上限は特に限定されず、通常は100%以下である。
なお前記収率は、下記の通りの計算式で算出した。
収率(%) = (反応後のフルフラール(mol)/仕込原料糖類化合物(mol))×
100
<高速液体クロマトグラフィー分析>
(糖・有機酸の測定条件)
ポンプ :島津製作所社製 LC−20AD
カラムオーブン:島津製作所社製 CTO−10A
UV検出器 :島津製作所社製 SPD−10A
RI検出器 :島津製作所社製 RID−10A
カラム: ULTRON PS− 80H 300L×8.0mmID(信和化工製)溶離液: 0.0108%HClO4aq..
カラム温度: 60℃
流速: 1.0mL/min
注入量: 10μL
検出: RI
(フルフラールの測定条件)
装置: Agilent Technologys社製 1200Series
カラム: Develosil C30
4.6mm×100mmL. 3μm (野村化学製)
溶離液: A−0.054% HClO4aq. B−アセトニトリル
A/B=95/5→0/100
カラム温度: 40℃
流速: 1.0mL/min
注入量: 10μL
検出器: UV(280nm、210nm)
70mLミクロオートクレーブに、糖としてキシラン(SIGMA−ALDRICH製)を0.10g、反応溶媒として脱塩水を1.9g、および触媒としてフマル酸を0.02g入れて、容器を密閉した後、内部空間を窒素で置換した。内容物を撹拌しながら200℃まで昇温し、200℃で1時間、加熱撹拌して反応を行った。
反応終了後、撹拌を維持しながら室温まで放冷し、オートクレーブ中の反応液を全量回収した。得られた反応液のうち0.10gを脱塩水1.02gで希釈し、0.45μmのフィルターでろ過して、上記の条件にてHPLC分析を行った。
HPLC分析の結果をもとに、下記計算式によりフルフラール(FRL)収率、キシロース収率を求めた。なお、キシランは(C5H8O4)nのユニットとして収率を算出した。
FRL収率(%) = (反応後のFRL量(mol)/仕込糖(キシラン)量(mol
))×100
キシロース収率(%) = (反応後のキシロース量(mol)/仕込糖(キシラン)量
(mol))×100
反応液中のFRL濃度は1.33wt%、キシロース濃度は0.931wt%であり、FRL収率は36.2%、キシロース収率は1.62%であった。
結果を表1に示した。
実施例1において触媒としてテレフタル酸を用いた以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.909wt%、キシロース濃度は0.280wt%であり、FRL収率は24.5%、キシロース収率は0.483%であった。
結果を表1に示した。
実施例1において触媒としてコハク酸を用いた以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.891wt%、キシロース濃度は0.499wt%であり、FRL収率は24.5%、キシロース収率は0.878%であった。
結果を表1に示した。
実施例1において触媒としてトリメシン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.24wt%、キシロース濃度は0.835wt%であり、FRL収率は34.0%、キシロース収率は1.47%であった。
結果を表1に示した。
実施例1において触媒としてトリメット酸を用いた以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.31wt%、キシロース濃度は1.808wt%であり、FRL収率は36.2%、キシロース収率は3.20%であった。
結果を表1に示した。
キシランを0.0538g、脱塩水を0.95g、および触媒として酢酸を0.02g用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.371wt%、キシロース濃度は0.393wt%であった。FRL収率は9.61%、キシロース収率は0.635%となった。
結果を表1にまとめた。
触媒としてシュウ酸を用い、反応を160℃で4時間で行った以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.797wt%、キシロース濃度は1.43wt%であった。FRL収率は22.1%、キシロース収率は25.3%となった。また、反応後にHPLC測定を実施した結果、シュウ酸濃度は0.282wt%であり、仕込み計算値である1.14wt%の約25%に低下していることから、反応中にシュウ酸が分解したと推測される。
結果を表1にまとめた。
ルフラール収率も十分高いものであることがわかる。また、触媒が分解することなく反応を終了できていることから、触媒を容易に回収し、リサイクル可能であることがわかる。
本実施例では、1atm、200℃において、液体もしくは固体状態であり、2個以上のカルボキシル基を有する化合物を触媒として用いた場合には、安定して高収率でフルフラールを生成することでき、生産効率に優れたプロセスであることを示している。
実施例1において反応を160℃で4時間で行った以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.877wt%、キシロース濃度は1.43wt%であり、FRL収率は24.4%、キシロース収率は25.5%であった。
結果を表2に示した。
実施例1において反応を160℃で6時間で行った以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.10wt%、キシロース濃度は0.597wt%であり、FRL収率は29.4%、キシロース収率は10.3%であった。
結果を表2に示した。
実施例1において反応を160℃で8時間で行った以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.26wt%、キシロース濃度は0.430wt%であり、FRL収率は34.5%、キシロース収率は7.55%であった。
結果を表2に示した。
実施例1において反応を180℃で4時間で行った以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.21wt%、キシロース濃度は0.140wt%であり、FRL収率は33.1%、キシロース収率は2.47%であった。
結果を表2に示した。
実施例1において糖としてキシロースを用い、触媒であるフマル酸の量を0.004gとしたこと以外は実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
なお、糖としてキシロースを原料として用いた場合のFRLの収率は、以下の式で算出した。
FRL収率(%) = (反応後のFRL量(mol)/仕込糖(キシロース)量(mo
l))×100
反応液中のFRL濃度は1.32wt%、キシロース濃度は0.773wt%であり、FRL収率は40.1%、キシロース収率は39.6%であった。
結果を表2に示した。
実施例1において触媒であるフマル酸の量を0.004gとしたこと以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.692wt%、キシロース濃度は0.924wt%であり、FRL収率は19.0%、キシロース収率は1.63%であった。
結果を表2に示した。
実施例1において糖としてキシランを0.40g、反応溶媒として脱塩水を7.6g、および触媒としてフマル酸を0.08gとしたこと以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.30wt%、キシロース濃度は0.229wt%であり、FRL収率は36.0%、キシロース収率は4.06%であった。
結果を表2に示した。
実施例1において糖としてキシランを0.80g、反応溶媒として脱塩水を15.2g、および触媒としてフマル酸を0.16gとしたこと以外は、実施例1と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は1.33wt%、キシロース濃度は0.154wt%であり、FRL収率は36.7%、キシロース収率は2.73%であった。
実施例1において触媒であるテレフタル酸の量を0.004gとしたこと以外は、実施例2と同様にして反応液を得て、分析を行った。
反応液中のFRL濃度は0.643t%、キシロース濃度は0.280wt%であり、FRL収率は17.6%、キシロース収率は0.49%であった。
結果を表2に示した。
Claims (9)
- 触媒存在下で糖からフルフラールを製造する工程(以下、「フルフラール製造工程」という。)を有するフルフラールの製造方法であって、該触媒が、1atm、200℃において液体または固体状態であり、2個以上のカルボキシル基を有する化合物であることを特徴とする、フルフラールの製造方法。
- 前記触媒は、pKaが3.0以上4.6以下の化合物である、請求項1に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記触媒が、フマル酸、コハク酸、またはテレフタル酸である、請求項1または2に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記触媒が、前記糖に対して0.02〜50wt%存在する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記糖が、炭素数5の単糖または炭素数5の単糖を構成成分として有する多糖である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記フルフラール製造工程における反応温度が100℃〜250℃である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法
- 前記フルフラール製造工程における反応溶媒が水を含み、水に対する糖の濃度が0.1〜50wt%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記フルフラール製造工程における反応溶媒が水と有機溶媒とを含み、水に対する有機溶媒の比率が10〜5000wt%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記有機溶媒がエーテル、ケトン、エステル、アルコール、芳香族炭化水素、および飽和脂肪族炭化水素よりなる群の少なくとも1つから選ばれる、請求項8に記載のフルフラールの製造方法。
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- 2014-11-05 JP JP2014225453A patent/JP6380018B2/ja active Active
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