JP2018118945A - フルフラールの製造方法 - Google Patents
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この特許文献1の方法では、硫酸マグネシウムを存在させることで、フルフラールを温和な条件で製造できるとされており、用いる硫酸マグネシウムの量は、100重量部の水に対して3〜30重量部、好ましくは10〜25重量部とされている。即ち、マグネシウム濃度としては、水100重量部に対して0.6〜6重量部、好ましくは2〜5重量部であり、特許文献1の実施例では、D−グルコース25mg、硫酸水溶液1mL(約1000mg)、硫酸マグネシウム50mg(マグネシウム量は10mg)の反応液(反応液中のマグネシウム濃度は0.9重量%)で反応を行っている。
ただし、特許文献1に記載の方法は、グルコース、マンノース、ガラクトース、セロビオース、サッカロース、マルトース、及びセルロースからなる群より選択される少なくとも1種の糖類と、水と、硫酸、リン酸、及び塩酸から選択される無機酸とを含む水溶液中で、硫酸マグネシウムの存在下、糖類の脱水反応を行ってフルフラール類を製造する方法であって、非可食バイオマス資源を原料とするとの記載はなく、また、製造されるフルフラール類とは5−ヒドロキシメチルフルフラールを主体とする。
即ち、本発明の要旨は、以下の[1]〜[8]に存する。
[2] 前記アルカリ金属が、カリウムである、[1]に記載のフルフラールの製造方法。
[3] 前記リンがリン酸塩である、[1]又は[2]に記載のフルフラールの製造方法。
[4] 前記反応液中の前記アルカリ金属濃度が10重量ppm以上0.2重量%未満である、[1]〜[3]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[5] 前記触媒が、pKa3以上5以下の有機酸である、[1]〜[4]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[6] 前記有機酸が、酢酸、乳酸、及び蟻酸のいずれか1種又は2種以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[7] 前記非可食バイオマス資源がバガスである、[1]〜[6]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
[8] 前記糖液を前記反応槽中で反応させてフルフラールを製造し、得られたフルフラールを含む反応液からフルフラールを回収するに当たり、有機溶媒を用いた2層分離を行い、該フルフラールを含む該有機溶媒層と前記アルカリ金属を含む水層とを分離することを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかに記載のフルフラールの製造方法。
同様に、本発明のフルフラールの製造方法では、反応槽内の反応液のリン含有量をリン原子換算で濃度を1重量ppm以上0.5重量%未満とするが、この反応液のリン濃度は、糖液製造工程からフルフラール製造工程にわたって、1重量ppm以上0.5重量%未満に維持されることが好ましい。
本発明で用いる非可食バイオマス資源は、糖類を構成成分とする多糖類含んでいれば特に限定されないが、具体的には、バガス、スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス、ミスカンサス、ケナフ、コーンストーバー、コーンコブ、ビートパルプ、パーム空果房、稲わら、麦わら、米ぬか、樹木、木材、植物油カス、ササ、タケ、パルプ類、古紙、食品廃棄物、水産物残渣、家畜廃棄物等が挙げられる。また、砂糖の製造工程で発生する糖蜜から砂糖を回収した後に残る廃糖蜜も非可食バイオマス原料として使用可能である。この中で、原料入手性とコストの観点からバガス、コーンストーバー、コーンコブ、稲わらが好ましく、バガス、コーンコブがより好ましく、バガスが特に好ましい。非可食バイオマス資源は、可食バイオマス資源と異なり、食用用途と競合せず、また通常であれば廃棄、焼却処理されるものが多いため、安定的な供給、資源の有効利用が図れる点で好ましい。
本発明で製造される糖液中のC5糖類は、非可食バイオマス資源由来であって、脱水反応によりフルフラールを製造することができるものであればよく、特に限定されない。
また、糖液中には、C5糖類とは炭素数の異なるグルコースなどの単糖やグルカンなどの多糖が共存していてもよい。
非可食バイオマス資源から上記のC5糖類を含む糖液を製造する反応は、非可食バイオマス資源中のヘミセルロース分を加水分解反応して溶液に可溶なC5糖類を生成させる反応である。この反応は、C5糖類の生産性向上、得られるC5糖類の純度向上の観点から、反応溶媒及び触媒を用いて行われる。
非可食バイオマス資源からの糖液の製造反応において、溶液中に含まれる非可食バイオマスの濃度は特に限定されないが、溶媒に対する非可食バイオマスの割合が0.1〜200重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜40重量%であり、さらに好ましくは10〜30重量%である。なお、ここで、「溶液」とは、後述の反応溶媒、非可食バイオマス原料及び触媒を含む反応溶液をさす。溶媒に対する非可食バイオマスの割合が上記下限値以上であると、反応後に溶媒の分離に必要なエネルギーが低くなる傾向があり、更には、反応系の容量を低減して装置設備の建設費も低減できる傾向にある。溶媒に対する非可食バイオマスの割合が上記上限値以下であると、副反応を抑制でき、C5糖類、更にはフルフラールの収率が高くなる傾向があり好ましい。
非可食バイオマス資源からの糖液の製造反応で用いられる触媒は、非可食バイオマスからC5糖類を製造可能な触媒であればよく、特に限定されないが、硫酸、燐酸、硝酸、塩酸等の無機酸、カルボン酸、スルホン酸等の有機酸、ヘテロポリ酸といった酸触媒が挙げられる。これらの中でも、安定性、腐食性、廃棄物処理、単価の観点から有機酸が好ましく、特にカルボン酸が好ましい。
これらの中でも非可食バイオマスから得られる酸である蟻酸、酢酸、乳酸、レブリン酸が好ましく、とりわけ蟻酸、酢酸、乳酸が好ましい。
上記のスルホン酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記のヘテロポリ酸は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非可食バイオマス資源からの糖液の製造反応において用いる反応溶媒は、水、或いは、水と有機溶媒との混合溶媒である。即ち、水のみで反応を行うことが可能であるが、有機溶媒を添加して反応を行うこともできる。有機溶媒を用いる場合均一混合溶媒で反応を行うことができるが、水相と有機相の2相系となる有機溶媒も用いることができる。用いる有機溶媒の量は本発明の趣旨を損ねない限り、特に限定されないが、水に対して10〜5000重量%であることが好ましく、特に10〜1000重量%であることが好ましい。
本発明のフルフラールの製造方法においては、反応液中のアルカリ金属濃度をアルカリ金属原子換算で1重量ppm以上0.3重量%未満とする。反応液中のアルカリ金属濃度が上記下限値以上であると、非可食バイオマス原料の加水分解とC5糖類の脱水によるフルフラール生成が促進される傾向にあり、フルフラールの収率を高めることができる。反応液中のアルカリ金属濃度が上記上限値以下であると、副反応を抑制し、高沸物の生成によるフルフラールの選択率、収率の低下、更には高沸物に起因する反応槽やその後段のフルフラール精製のための蒸留塔等の機器類の汚れや固着物によるトラブル等を防止して、フルフラールの製造、更には精製を安定に行って、フルフラールを高収率で得ることができるようになる。反応液中のアルカリ金属原子換算のアルカリ金属濃度は好ましくは10重量ppm以上0.2重量%未満、より好ましくは100重量ppm以上0.15重量%未満であり、特に好ましくは200重量ppm以上0.10重量%未満である。
アルカリ金属の形態に特に制限はないが、好ましくはアルカリ金属塩である。アルカリ金属塩としては例えば硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物がある。好ましくは硫酸塩、リン酸塩であり、特に好ましくはリン酸塩である。
その他、反応後のアルカリ金属を含む溶媒をリサイクルする量を制御したり、アルカリ金属を反応液中に添加したり、アルカリ金属含有量の異なる非可食バイオマス資源の混合比率を制御したりすることによっても、反応液中のアルカリ金属濃度を上記範囲内とすることができる。
本発明のフルフラールの製造方法においては、反応液中のリン濃度をリン原子換算で1重量ppm以上0.5重量%未満とする。反応液中のリン濃度が上記下限値以上であると、非可食バイオマス原料の加水分解とC5糖類の脱水によるフルフラール生成が促進される傾向にあり、フルフラールの収率を高めることができる。反応液中のリン濃度が上記上限値以下であると、副反応を抑制し、高沸物の生成によるフルフラールの選択率、収率の低下、更には高沸物に起因する反応槽やその後段のフルフラール精製のための蒸留塔等の機器類の汚れや固着物によるトラブル等を防止して、フルフラールの製造、更には精製を安定に行って、フルフラールを高収率で得ることができるようになる。反応液中のリン原子換算のリン濃度は好ましくは10重量ppm以上0.4重量%未満、より好ましくは100重量ppm以上0.3重量%未満であり、特に好ましくは200重量ppm以上0.25重量%未満である。
その他、反応後のリンを含む溶媒をリサイクルする量を制御したり、リン化合物を反応液中に添加したり、リン含有量の異なる非可食バイオマス資源の混合比率を制御したりすることによっても、反応液中のリン濃度を上記範囲内とすることができる。
本発明のフルフラールの製造方法においては、反応液中の金属塩濃度を10重量ppm以上0.5重量%未満とすることが好ましい。反応液中の金属塩濃度が上記下限値以上であると、非可食バイオマス原料の加水分解とC5糖類の脱水によるフルフラール生成が促進される傾向にあり、フルフラールの収率を高めることができる。反応液中の金属塩濃度が上記上限値以下であると、副反応を抑制し、高沸物の生成によるフルフラールの選択率、収率の低下、更には高沸物に起因する反応槽やその後段のフルフラール精製のための蒸留塔等の機器類の汚れや固着物によるトラブル等を防止して、フルフラールの製造、更には精製を安定に行って、フルフラールを高収率で得ることができるようになる。反応液中の金属塩濃度はより好ましくは50重量ppm以上0.48重量%未満、より好ましくは100重量ppm以上0.46重量%未満であり、特に好ましくは200重量ppm以上0.45重量%未満である。
その他、反応後の金属塩を含む溶媒をリサイクルする量を制御したり、金属塩を反応液中に添加したり、金属塩含有量の異なる非可食バイオマス資源の混合比率を制御したりすることによっても、反応液中の金属塩濃度を上記範囲内とすることができる。
糖液製造反応の反応温度は特に限定されないが、具体的には100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上であって、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは230℃以下である。反応温度が上記下限値以上であると、反応の進行が速くなる傾向があり、C5糖類製造の生産性が向上する。反応温度が上記上限値以下であると、C5糖類の逐次反応や分解を抑制し、C5糖類の収率を向上させる傾向があるため好ましい。
糖液製造反応の反応形式は特に限定されず、バッチ式でも半回分式でも連続式でもよく、これらを組み合わせた反応形式でもよい。生産性向上の観点からは、半回分式反応および連続式反応が好ましく、操作の簡易さの観点からはバッチ式反応が好ましい。また、固液接触の観点では回転式の反応器が好ましい。反応器は1器で行ってもよいし、複数系列を組み合わせてもよい。
糖液の製造反応後、反応液から非可食バイオマス資源の反応残渣を分離する固液分離方法は特に限定されないが、フィルタープレス、ベルトフィルター、スクリュープレス、ロールプレス、コンベヤードライヤー、オリバーフィルター、プレコートフィルター、ディスクフィルター、ベルトプレス、ギナ遠心分離装置、回転加圧脱水装置、多重円盤脱水装置、中空糸膜濾過装置、クロスフロー型遠心濾過脱水装置などを好ましく用いることができ、フィルタープレス、ベルトフィルター、ロールプレスがより好ましく、ロールプレスが特に好ましい。固液分離は糖液製造後に行ってもよいし、脱水反応によるフルフラール製造後に行ってもよいし、糖液やフルフラールの製造途中に行ってもよい。
本発明で行われるフルフラール製造反応は、上記の糖液製造反応で得られた糖液中のC5糖類を、触媒の存在下で脱水反応させて、フルフラールを生成させる反応である。この脱水反応は、フルフラールの生産性向上、得られるフルフラールの純度向上の観点から、反応溶媒及び触媒を用いて行うことが好ましい。
上述の本発明のフルフラール製造原料用糖液の製造方法に従って製造され、フルフラール製造のための脱水反応に供されるフルフラール製造原料用糖液中のC5糖類の濃度は特に限定されないが、糖液中のC5糖類の割合で0.1〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30重量%であり、さらに好ましくは4〜10重量%である。糖液中のC5糖類の含有量が、上記下限値以上であると、脱水反応後、フルフラールと溶媒との分離に必要なエネルギーが低くなる傾向があり、更には反応系の容量が小さくなり、建設費も低減できる傾向にある。C5糖類濃度が上記上限値以下であると、副反応を抑制でき、フルフラールの収率が高くなる傾向があり好ましい。
本発明のフルフラール製造反応で用いられる触媒は、C5糖類からフルフラールを製造可能な酸触媒であれば、特に限定されず、前述の非可食バイオマス資源からの糖液製造反応で用いられる触媒と同様のものを用いることができ、好ましい触媒についても前述の非可食バイオマス資源からの糖液の製造反応におけると同様である。
フルフラール製造反応において用いる反応溶媒は、水、或いは水と有機溶媒との混合溶媒であることが好ましい。即ち、非可食バイオマス資源からの糖液製造反応におけると同様、水のみで反応を行うことが可能であるが、有機溶媒を添加して反応を行うこともできる。コスト優位性の観点からは、反応溶媒として水のみを用いることが好ましく、フルフラールの収率向上の観点からは、反応溶媒として水と有機溶媒とを用いることが好ましい。
フルフラールの製造反応においても、有機溶媒は溶媒の回収、再利用を考慮すると単一溶媒のほうが好ましいが、2種類以上を用いても構わない。
本発明のフルフラールの製造方法においては、前述の通り、非可食バイオマス資源の前処理等を行うことにより、反応液中のアルカリ金属濃度、リン濃度及び金属塩濃度を前述の糖液の製造反応におけると同様の範囲とする。
フルフラール製造反応の反応温度は特に限定されないが、具体的には100℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上であって、250℃以下であることが好ましく、より好ましくは230℃以下である。反応温度が上記下限値以上であると、反応速度が速くなる傾向があり、フルフラールの生産性が向上する。反応温度が上記上限値以下であると、フルフラールや原料糖の分解、重合を抑制し、フルフラールの収率を向上させる傾向があるため好ましい。
フルフラール製造反応の反応形式は特に限定されず、バッチ式でも半回分式でも連続式でもよく、これらを組み合わせた反応形式でもよい。生産性向上の観点からは、半回分式反応および連続式反応が好ましく、操作の簡易さの観点からはバッチ式反応が好ましい。連続式反応では連続管型反応器や連続槽型反応器を用いることができる。また、反応生成物であるフルフラールを生産しながら蒸留する反応蒸留方式でも構わない。例えば、国際公開第2013/102027号に記載されているようにフルフラール製造反応器を反応蒸留形式としてフルフラールと水の混合物を連続的に抜き出す方法や国際公開第2012/115706号に記載されているように有機溶媒を用いてフルフラールを水相から連続抽出する方法などを用いることも出来る。反応蒸留方式の場合、減圧で実施しても常圧で実施してもいずれでも構わない。反応器は1器で行ってもよいし、複数系列を組み合わせてもよい。
上記のようにして、糖液中のC5糖類の脱水反応で得られたフルフラールを含む反応液(以下「粗フルフラール」と称す場合がある。)からフルフラールを回収するには、この粗フルフラールを、有機溶媒を用いて、フルフラールを含む有機溶媒層とアルカリ金属を含む水層とに2層分離した後、有機溶媒層に含まれるフルフラールを蒸留分離等で精製して製品のフルフラールを得ることが好ましい。
抽出溶媒の使用量が上記下限値未満であるとフルフラールの抽出効率が低下するため経済的に不利となる。上記上限値を超えると、排水中への溶媒混入が増加し、溶媒そのものの損失であったり排水中の溶媒除去が必要となるためやはり経済的に不利である。
機器名:島津製作所社製ガスクロマトグラフィーGC2014
分離カラム:アジレント・テクノロジー DB−1
機器名:Waters Alliance 2690 東ソーCO−8010
分析カラム:Shodex Sugar KS−801 300mm×8.0mm + Shodex Sugar KS−802 300mm×8.0mm
移動相:水
検出器:RI
試料は水系のクロマトディスク(0.45μm)で濾過し、その濾液を測定に用いた。
<フルフラールの製造>
200mLミクロオートクレーブに、バガス(重量平均径1mm〜3mm)を16g、反応溶媒として脱塩水を61g、リン酸二水素カリウムを0.32g(カリウム原子濃度として0.11重量%、リン原子濃度として0.09重量%)、触媒として乳酸を2.4g入れて、容器を密閉した後、内部空間を窒素で置換した。内容物を撹拌しながら170℃まで昇温し、170℃、1.4MPaGで30分、加熱撹拌して反応を行った。
反応終了後、撹拌を維持しながら室温まで放冷し、オートクレーブ中の反応液を全量回収し、これを粗フルフラールとした。
また、このバガス中のC5糖量はバガス100gに対し0.18molであった。
実施例1におけるフルフラールの製造において、反応時間を60分としたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例1におけるフルフラールの製造において、反応時間を90分としたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例1におけるフルフラールの製造において、反応時間を120分としたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例1におけるフルフラールの製造において、リン酸二水素カリウムを0.08g(カリウム濃度として0.03重量%、リン原子濃度として0.02重量%)としたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例1におけるフルフラールの製造において、リン酸二水素カリウムの代わりに硫酸マグネシウムを4g(マグネシウム濃度として1.01重量%、リン原子濃度として0.0001重量%未満)加えたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
比較例1におけるフルフラールの製造において、硫酸マグネシウムを0.4g(マグネシウム濃度として0.1重量%、リン原子濃度として0.0001重量%未満)加えたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例1におけるフルフラールの製造において、リン酸二水素カリウムの代わりに塩化カリウムを0.16g(カリウム濃度として0.11重量%、リン原子濃度として0.0001重量%未満)加えたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例1におけるフルフラールの製造において、リン酸二水素カリウムを加えなかったこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例1におけるフルフラールの製造において、リン酸二水素カリウムを2.1g(カリウム原子濃度として0.73重量%、リン原子濃度として0.82重量%)加えたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
実施例1におけるフルフラールの製造において、リン酸二水素カリウムの代わりにリン酸三カルシウムを0.21g(カリウム原子濃度として0.13重量%、リン原子濃度として0.05重量%)加えたこと以外は全て同様に実施した。結果を表1に示した。
すなわち、実施例1〜5と比較例1〜6の対比より、非可食バイオマス資源からフルフラールを製造する際に、反応液にアルカリ金属がアルカリ金属換算で1重量ppm以上0.3重量%未満、リンがリン原子換算で1重量ppm以上0.5重量%未満存在することでフルフラールを効率的に得ることができることが分かる。
Claims (8)
- 非可食バイオマス資源を原料として、溶媒の存在下、触媒を用いて反応槽中で反応させて糖液を得、該糖液を該反応槽中で反応させてフルフラールを製造する方法において、該反応槽内の反応液中のアルカリ金属濃度がアルカリ金属原子換算で1重量ppm以上0.3重量%未満で、リン濃度がリン原子換算で1重量ppm以上0.5重量%未満である、フルフラールの製造方法。
- 前記アルカリ金属が、カリウムである、請求項1に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記リンがリン酸塩である、請求項1又は2記載のフルフラールの製造方法。
- 前記反応液中の前記アルカリ金属濃度が10重量ppm以上0.2重量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記触媒が、pKa3以上5以下の有機酸である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記有機酸が、酢酸、乳酸、及び蟻酸のいずれか1種又は2種以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記非可食バイオマス資源がバガスである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
- 前記糖液を前記反応槽中で反応させてフルフラールを製造し、得られたフルフラールを含む反応液からフルフラールを回収するに当たり、有機溶媒を用いた2層分離を行い、該フルフラールを含む該有機溶媒層と前記アルカリ金属を含む水層とを分離することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のフルフラールの製造方法。
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