JP2016088795A - タイル接着材 - Google Patents

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Abstract

【課題】変形追従性、コテ作業性やタイルとの密着性等の施工性、及び長期の付着耐久性を満足するタイル接着材の提供。【解決手段】(A)セメント100質量部に対し、(B1)軽量細骨材4.7〜9.0質量%を含む(B)細骨材を71〜100質量部、(C)ポリマーを固形分換算で6.05〜8.35質量部、(D)繊維長1mm以上10mm未満の耐アルカリ性繊維を0.05〜0.25質量部、及び(E)保水剤を含有し、(C)ポリマーと(E)保水剤の質量比(E/C)が0.03〜0.07であることを特徴とするタイル接着材。【選択図】なし

Description

本発明は、変形追従性と施工性に優れたタイル接着材に関する。
近年、集合住宅の外壁、エントランス部の内壁、床、室内の床等にタイルが施工されることが多くなってきており、その場合の張付け材として施工が容易であることから変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが使用されることが増えてきている。そのような樹脂を配合した張付け材が外壁に使用される場合、躯体コンクリートの含水率が高いときには良好な付着力を得にくいという問題がある。
しかし、変性シリコーン樹脂等を配合した張付け材は施工性が良くないため一般に外壁にタイルを張り付ける場合は、剥落の危険を考慮して付着強度の高いセメントモルタルを用いて張り付けている。その場合、施工費用を低廉化するため、躯体コンクリートに直接セメントモルタルで張り付ける直張り工法を採用する事例が多い。躯体コンクリートは、コンクリート型枠の影響を受け、仕上がり面は平滑でない。そのため、部分的に補修する必要がある。補修した箇所と補修しない箇所の境界にタイルを施工すると下地の状態が違うため、日中と夜間の温度差でタイルが膨張と収縮を繰返す影響で剥離、剥落が発生する恐れがある。
一方、施工面積が大きい現場では、工期が長く施工環境も季節により変わり、躯体コンクリートとの付着力を施工箇所全体に安定的に出すことが困難である。そのため、水溶性高分子エマルジョンや再乳化形粉末樹脂を使用することにより躯体コンクリートとの付着力の向上と安定性を図っている(特許文献1)。また、非イオン性水溶性セルロースエーテルとセメントに対し凝集効果を示す凝集性水溶性高分子を混和することでタイルを施工後ダレにくいタイル接着材が考案されている(特許文献2)。これらのタイル接着材の施工性は改善されているが、実環境で熱膨張と収縮を繰り返す外壁タイルとの長期付着性の確保には不十分であった。
これらの課題を解決するためガラス転移温度が−50〜10℃のセメント混和用ポリマーと繊維長2〜10mmの短繊維を混和したタイル接着材が考案されている(特許文献3)。また、セメント、細骨材及びポリマーに加えて繊維長10mm以上の繊維を多量に配合したタイル接着材も考案されている(特許文献4)。
特開平10−299220号公報 特開平10−17353号公報 特開平2004−189569号公報 特開2014−12621号公報
しかしながら、繊維長10mm以上の繊維を配合した接着材は、モルタルと繊維との付着性が大きくなり破断時の変形量が小さくなるとともに破断時のひずみも小さくなり、変形追従性が十分でなかった。また、軽量骨材とポリマーの併用や非イオン性水溶性セルロースエーテル、ガラス転移温度が−50〜10℃のセメント混和用ポリマーを混和して施工性の改善とタイルの熱膨張と収縮にタイル接着材の弾性変形を追従させようとしてもその機能には限界があり、地震のような大きな変形には追従できなかった。軽量骨材を使用したタイル接着材は、従来から使用されてきたセメント、普通細骨材、粉末樹脂を使用したタイル接着材と骨材粒度、骨材粒径、比重が違い、タイルの裏足に十分充填されない恐れがあり、タイルとの密着性が不十分である可能性が高い。また、タイルとタイル接着材の界面で破断する恐れもある。さらに、長期の付着耐久性が十分向上したとは言えない。
従って、本発明の課題は、変形追従性、コテ作業性やタイルとの密着性等の施工性、及び長期の付着耐久性を満足するタイル接着材を提供することにある。
そこで本発明者は、タイル接着材について種々検討した結果、骨材中の軽量骨材の質量比、ポリマー量、耐アルカリ性繊維の繊維長と混和量、保水剤とポリマーの質量比をある一定の範囲で調整することにより、地震のような大きな変形にも追従し、長期間安定的に高い付着強度を発現するとともに良好な施工性も有するタイル接着材が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔4〕を提供するものである。
〔1〕(A)セメント100質量部に対し、(B1)軽量細骨材4.7〜9.0質量%を含む(B)細骨材を71〜100質量部、(C)ポリマーを固形分換算で6.05〜8.35質量部、(D)繊維長1mm以上10mm未満の耐アルカリ性繊維を0.05〜0.25質量部、及び(E)保水剤を含有し、(C)ポリマーと(E)保水剤の質量比(E/C)が0.03〜0.07であることを特徴とするタイル接着材。
〔2〕さらに(F)アルカリ土類金属硫酸塩を(A)セメント100質量部に対し0.15〜1.00質量部含有する〔1〕記載のタイル接着材。
〔3〕(C)ポリマーが、(C1)アクリル樹脂をポリマー中の質量比率(C1/C)として0.13〜1.00含有するものである〔1〕又は〔2〕記載のタイル接着材。
〔4〕20℃のフロー値が160〜190mmである〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載のタイル接着材。
本発明により最適変形追従性が、静弾性係数、割裂引張強さ、最大引張応力時のひずみを調整することで得られることが分かった。変形追従性とコテ作業性、タイルとの密着性等の施工性を両立する保水剤とポリマー量の最適比を見出し、長期間安定的に高い付着強度を発現する優れるタイル接着材を提供できる。
曲げ強さ試験の概要を示す図である。 割裂引張強さ試験概要を示す図である。左側が正面図、右側が側面図である。 付着試験体の縦断面図を示す。
本発明のタイル接着材は(A)セメント100質量部に対し、(B1)軽量細骨材4.7〜9.0質量%を含む(B)細骨材を71〜100質量部、(C)ポリマーを固形分換算で6.05〜8.35質量部、(D)繊維長1mm以上10mm未満の耐アルカリ性繊維を0.05〜0.25質量部、及び(E)保水剤を含有し、(C)ポリマーと(E)保水剤の質量比(E/C)が0.03〜0.07であることを特徴とする。
本発明のタイル接着材には、硬化成分として(A)セメントを含有する。本発明のセメントとしては、市販のポルトランドセメントが使用可能である。例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントなどが使用できる。その他、高炉セメント、シリカセメント等の混合セメント、白色セメント、アルミナセメント、ジェットセメント等の特殊セメントも使用可能である。
本発明に用いる(B)細骨材には、(B1)軽量細骨材及び(B2)普通細骨材が含まれる。(B2)普通細骨材としては、珪砂、寒水石、石灰砂、川砂、陸砂、砕砂等が挙げられる。(B)細骨材の粒径は1.2〜0.045mmが好ましい。粗粒率は、1.4〜1.9が好ましい。(B)細骨材の配合量は、(A)セメント100質量部に対し71〜100質量部が必要であり、71〜90質量部が好ましく、74〜90質量部がより好ましい。71質量部未満では、強度が低下し混和した効果がない。100質量部を超えるとタイル接着材の静弾性係数が大きくなり、変形追従性が低下する。
本発明に用いられる(B1)軽量細骨材としては、有機材質の軽量細骨材、特に断熱性及び防変性を付与するうえで、気孔率の高い軽量細骨材が好ましい。例えば気孔率40〜90%の軽量骨材が好ましい。具体例としては、エチレン酢酸ビニル共重合体発泡体が挙げられる。(B1)軽量細骨材の粒子径は、施工性及び強度の点から0.09〜1.0mmが好ましい。
(B1)軽量細骨材の配合量は、(B)細骨材に対し4.7〜9.0質量%が必要であり、好ましくは5.2〜9.0質量%であり、より好ましくは、5.7〜7.4質量%である。4.7質量%未満では、静弾性係数が大きくなり変形追従性が低下する。9.0質量%を超えると施工時のタイルとの密着性が低下するとともに曲げ強さと躯体コンクリートとの付着強さも低下する。
(C)ポリマーとしては、再乳化形粉末樹脂、ポリマーディスパージョンが使用可能である。再乳化形粉末樹脂としては、JIS A 6203に規定されたものを使用でき、ポリマーディスパージョンとしては、同じくJIS A 6203に規定されたものを使用することができる。すなわち、前記再乳化形粉末樹脂としては、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステルなどを主成分とする粉末状の樹脂を使用することができる。また、再乳化形粉末樹脂の製造方法は限定されることなく、粉末化方法やブロッキング防止法などのいずれの製法によって製造してもよい。また、前記ポリマーディスパージョンとしては、エチレン酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、又はスチレンブタジエンなどを主成分とする樹脂を使用することができる。また、これらのポリマーを2種以上併用することも可能である。
(C)ポリマーの配合量は、(A)セメント100質量部に対し固形分換算で6.05〜8.35質量部が必要であり、6.10〜7.40質量部がより好ましい。6.05質量部未満では、躯体コンクリートとタイルへの付着力が低下するとともに良好な変形追従性が得られない。8.35質量部を超えると粘性が高くなるとともにタイルを張り付け後、ずれが発生し施工性が低下する。
また、(C)ポリマーを2種以上併用する場合は、変形追従性を向上するポリアクリル酸エステルを主成分とする(C1)アクリル樹脂を使用することが好ましい。(C1)アクリル樹脂の(C)ポリマー中の質量比率(C1/C)は、0.13〜1.00が好ましい。さらに好ましくは0.14〜0.50である。
本発明に使用できる(D)耐アルカリ性繊維は、タイル接着材としてタイルとの密着性と変形追従性を低下させないように繊維長1mm以上10mm未満が好ましい。市販の繊維には短繊維と収束型があるがどちらも使用可能である。耐アルカリ性を有すればモルタルに混和可能な有機繊維、ガラス繊維とも使用可能であり、併用することも可能である。有機繊維としては、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル等が使用可能であり、ガラス繊維は耐アルカリ性を有するガラス繊維が使用可能である。
タイルとの密着性、変形追従性、コテ作業性を同時に向上させるためには、ダレ防止、破断時の変形量の向上に有用な繊維長が1mm以上10mm未満の繊維を使用することが効果的である。繊維長が10mm以上では、ダレ防止、曲げ強さの向上には有用であるが、モルタルとの付着性が大きくなり破断時の変形量が小さくなるとともに破断時のひずみが小さくなる。したがって、変形追従性の向上には寄与しない可能性が高い。
(D)耐アルカリ性繊維の使用量は、(A)セメント100質量部に対し0.05〜0.25質量部が必要であり、0.10〜0.17質量部がより好ましい。0.05質量部未満では混和した効果がなく、0.25質量部を超えるとコテ作業性が低下するとともに、単位体積当たりの繊維量が過剰なため付着強さが低下する。
本発明に使用される(E)保水剤としてはセルロース誘導体が好ましい。セルロース誘導体としては、水に溶解するものであればいずれのものでも良く、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸エステル等の水溶性セルロース誘導体が挙げられる。これらの中でもメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースが好ましい。
(E)保水剤の配合量は、(A)セメント100質量部に対し0.26〜0.45質量部が好ましい。保水剤をこの範囲で配合することにより、施工時のタイルとの密着性が良好であり、施工後のタイル接着材の乾燥が防止でき、また、適度な粘性が維持される。
(E)保水剤と(C)ポリマーをタイル接着材に混和することにより保水性及び躯体コンクリートとタイルへの付着力を向上させることが可能である。しかし、粘性が増すため施工性は低下する。(E)保水剤と(C)ポリマーの配合比を質量比(E/C)で0.03〜0.07に調整することによりタイル接着材のコテ塗り作業性を向上しタイルのずれを防止することが可能である。0.03未満では保水性が低下し、高温期にオープンタイム、すなわちタイル接着材を塗り付け後、実際にタイルを張り付けても不具合発生せず張付けが可能な時間が短くなるとともにドライアウトを起こす恐れがある。また、適正な粘性が得られず、厚付け性が低下し躯体コンクリートに塗り付け後、ダレが発生する。さらに、厚付け性が低下した影響でタイルとの密着性が低下し、施工性が低下する。0.07を超えると粘性が高くなり、コテ伸び、コテ切れの低下を起こす恐れがある。さらに、タイルとの密着性、タイル張り付け後のズレが発生するおそれがある。
本発明のタイル接着材には、さらに(F)アルカリ土類金属硫酸塩を配合することができる。(F)アルカリ土類金属硫酸塩としては、凝結遅延効果のある二水石膏、凝結促進効果のあるII型無水石膏、硫酸マグネシウム等が凝結調整剤として使用可能である。夏期の高温時には二水石膏を使用することが好ましく、寒冷期には硫酸マグネシウムを使用することが好ましい。(F)アルカリ土類金属硫酸塩を凝結調整剤として使用し、タイル接着材のポットライフ(左官工法で塗り付け可能な時間)及びオープンタイム(接着材が接着性を有している時間)を適切な時間に調整することにより、施工効率等の施工性を向上することが可能である。
(F)アルカリ土類金属硫酸塩の配合量は、凝結調整効果、施工性の向上、付着強さの点から、(A)セメント100質量部に対し0.15〜1.00質量部が好ましく、0.17〜1.00質量部がより好ましい。
本発明のタイル接着材にはポゾラン物質を混和することができる。例えばJISA6201に規定するフライアッシュあるいは分級して最大粒径20μmにしたフライアッシュ、ブレーン比表面積10000cm2/g以上のメタカオリンなどが挙げられる。さらに、収縮低減剤を混和することも可能である。例えば、主成分がグリコールエーテル誘導体、ポリエーテル誘導体である収縮低減剤が使用可能である。
本発明のタイル接着材の性能を効率良く発揮させる適正なコンシステンシーは、フロー値160〜190mmであるのが好ましい。フロー値がこの範囲であると、コテ作業性が良好であり、タイルとの密着性が良好であり、ダレが生じず、厚付けも可能であり、施工効率が良好である。
本発明の接着材の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的にセメントモルタルやセメントペーストと概ね同様な方法で製造することができる。例えば、市販のモルタルミキサーに配合材料を投入し、適宜練り混ぜるだけで容易に得ることができる。
また、本発明の接着材の施工は、従来から行われているコテ塗りによる左官工法で例えば床面や壁面の何れにも施工することができる。本発明の接着材施工後にタイルを張り付けることにより、躯体コンクリートへのタイル張りができる。
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
実施例1〜13及び比較例1〜13
表1記載の材料で表2〜表3記載の処方でタイル接着材を製造した。
Figure 2016088795
Figure 2016088795
Figure 2016088795
得られたタイル接着材を用いて、以下の各種性状を評価した。
<フレッシュ性状の確認>
1−1.フロー試験
20℃の試験室でJISR5201により測定した。
1−2.単位容積質量の測定
20℃の試験室で500mLステンレス製容器を用い、JISA1171により測定した。
1−3.保水率
JISA6916附属書によりろ紙5Aを用いて60分後の保水率を測定した。
<フレッシュ性状の評価基準>
フレッシュ性状の各試験項目の評価基準を表4に示し、総合評価基準を表5に示す。
Figure 2016088795
Figure 2016088795
<硬化性状の確認>
2−1.曲げ強さ試験
JISA1171に従って、20℃の試験室で作製した4×4×16cmの試験体を用い、材齢28日でたわみ量0.5mm/min一定で曲げ強さ試験を実施した。試験はn=3とし、平均値を試験値とした。
載荷は図1に示すように中央集中載荷とした。
曲げ強さの評価基準を表6に示す。
Figure 2016088795
2−2.割裂引張強さ試験
JISA1171に従って、20℃の試験室で作製したφ5×10cmの試験体を用い、材齢28日でたわみ量0.5mm/min一定で割裂引張強さ試験を実施した。また、図2に示す位置にひずみゲージを張り、破断時のひずみを測定した。割裂引張強さ及び破断時の評価基準を表7に示す。
Figure 2016088795
2−4.静弾性係数の測定
JISA1171に従って作製した各試料のφ5×10cm試験体を材齢28日でJIS1149により静弾性係数を測定した。試験はn=3で実施し、平均値を試験値とした。
2−5.付着試験
JISA6916附属書Aにより20℃の試験室で太平洋マテリアル(株)製商品名太平洋トフコンEの5倍液を150g/m2塗布した70×70×20mmのモルタル板に45×45×7mmのセラミックタイルを各試料で張り付けた。材齢28日で付着強さを測定した。試験はn=3で実施し、平均値を試験値とした。
図3に試験体の縦断面図を示す。
静弾性係数及び付着強さの評価基準を表8に示す。
Figure 2016088795
<硬化性状の総合評価基準>
硬化性状の総合評価基準を表9に示す。
Figure 2016088795
<施工性の確認>
コテ作業性とタイル張付け性の評価試験
予め太平洋マテリアル(株)製商品名太平洋トフコンEの5倍液を150g/m2塗布、乾燥させた450×900×60mmコンクリート板に各試料を4mm厚さで400×800mm塗り付け、表10の項目について確認した。
タイルと各試料の密着性は、各試料を塗り付け後、45二丁掛けタイルを張り付けて確認した。
各試料をコンクリート板に塗り付け、10分間隔で40分まで45二丁掛けタイルを張り付けた。
タイルと各試料と馴染ませた後、剥がす作業を繰り返した。タイル裏面とコンクリート板側に残った各試料の状態を確認し、付着性とオープンタイムの評価を行った。タイルを剥がし試料がタイル裏面に70%以上の付着している時間をオープンタイムとした。タイル接着材を塗り付け後、実際にタイルを張り付けても不具合が発生せず張付けが可能な時間の目安として張付け直後にタイルを剥がしてもタイル裏面に70%以上のタイル接着材が付着している時間をオープンタイムとした。
Figure 2016088795
<物性試験及び施工性の総合評価>
フレッシュ性状、硬化性状及び施工性の評価結果を考慮した総合評価基準を表11に示す。
Figure 2016088795
評価結果を表12〜13に示す。
Figure 2016088795
Figure 2016088795
表1〜3、表12及び13から明らかなように、本発明のタイル接着材は、曲げ強さ、割裂引張強さが高く、破断時のひずみが大きく、静弾性係数及び付着強さが良好であることがわかる。また、コテ作業性及びタイル張付け性も良好である。
一方、本発明のいずれかの要件を満たさない比較例は、変形追従性、付着強度、タイル張付け性等が十分ではなかった。

Claims (4)

  1. (A)セメント100質量部に対し、(B1)軽量細骨材4.7〜9.0質量%を含む(B)細骨材を71〜100質量部、(C)ポリマーを固形分換算で6.05〜8.35質量部、(D)繊維長1mm以上10mm未満の耐アルカリ性繊維を0.05〜0.25質量部、及び(E)保水剤を含有し、(C)ポリマーと(E)保水剤の質量比(E/C)が0.03〜0.07であることを特徴とするタイル接着材。
  2. さらに(F)アルカリ土類金属硫酸塩を(A)セメント100質量部に対し0.15〜1.00質量部含有する請求項1記載のタイル接着材。
  3. (C)ポリマーが、(C1)アクリル樹脂をポリマー中の質量比率(C1/C)として0.13〜1.00含有するものである請求項1又は2記載のタイル接着材。
  4. 20℃のフロー値が160〜190mmである請求項1〜3のいずれか1項記載のタイル接着材。
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