JP2010150075A - 大型タイル接着材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)水硬性物質100質量部に対し、(B)細骨材を24〜99質量部、(C)ポリマーを3〜25質量部、(D)セルロース誘導体又はセルロース誘導体とスターチ類を有効成分とする保水剤0.13〜0.5質量部、(E)アルカリ土類金属硫酸塩0.4〜5質量部を含有してなるタイル接着材であって、(C)ポリマーと(E)アルカリ土類金属硫酸塩の質量比[(C)/(E)]がポリマーの固形分換算で2〜19、さらに(D)保水剤と(C)ポリマーの質量比[(D)/(C)]がポリマーの固形分換算で0.015〜0.10である大型タイル接着材。
【選択図】なし
Description
また、一般に外壁にタイルを張り付ける場合は、剥落の危険を考慮して付着強度の高いセメントモルタルで張り付けている。しかし、施工費用を低廉化するため、躯体コンクリートに直接セメントモルタルで張り付ける直張り工法を採用する事例の増加してきた。直張り工法は、施工管理が難しく、施工面積が大きい現場では、躯体コンクリートとの付着力を施工箇所全体に安定的に出すことが困難である。一方で、水溶性高分子エマルジョン、再乳化形粉末樹脂、軽量骨材の普及に伴い、これらを使用することでヤング率を低減し(特許文献3)、曲げじん性、破断時の伸びを向上することによりディファレンシャルムーブメントに対し安定的な付着力を維持する方策も提案されている(特許文献4、5)。
従って、本発明の目的は、大型タイル張り付け時のタイルのずれ、剥がれがなく、施工性、可使時間が十分確保される大型タイル用の接着材を提供することにある。
る。特に、大型タイル張り付け時のタイルのずれ、剥がれがなく、施工性、可使時間が十分確保される。
再乳化形粉末樹脂としては、エチレン酢酸ビニル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニル/アクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、スチレンブタジエンなどを主成分とする粉末状の樹脂を使用することができる。また、ポリマーディスパージョンとしては、エチレン酢酸ビニル、スチレンブタジエン、又はポリアクリル酸エステルなどを主成分とする樹脂を使用することができる。また、再乳化形粉末樹脂の製造方法は限定されることなく、粉末化方法やブロッキング防止法などのいずれの製法によって製造してもよい。さらに、ポリマーディスパージョンの製造方法は限定されることなく、界面活性剤をポリマーディスパージョンの乳化剤とした製法などのいずれの製法によって製造してもよい。
また、(C)ポリマーと(E)アルカリ土類金属硫酸塩の質量比[(C)/(E)]は、ポリマーの固形分換算で2〜19であるが、3〜18が好ましく、特に3.5〜17.5が好ましい。
メントペースト概ね同様の方法で製造することができ、例えば市販のモルタルミキサーに配合材料を投入し、適宜練り混ぜるだけで容易に得ることができる。また、本発明のタイル接着材の施工は、従来から行われているコテ塗りによる左官工法で、例えば床面や壁面の何れにも施工することができる。本発明のタイル接着材施工後にタイルを張り付けることにより、躯体コンクリートへのタイル張りができる。
表1に本発明のタイル接着剤の配合例を、表2に比較例のタイル接着剤の配合例を示した。使用材料は次の通りである。
<使用材料>
A1 普通セメント 太平洋セメント(株)製商品名 普通ポルトランドセメント
A2 早強セメント 太平洋セメント(株)製商品名 早強ポルトランドセメント
A3 アルミナセメント 太平洋マテリアル(株)製商品名 太平洋アルミナセメント1号
A4 ジェットセメント 小野田ケミコ(株)商品名 スーパージェットセメント
B1 寒水石 粒径0.3〜1.2mm
B2 珪砂5号 前田建材工業(株)製 JIS5号珪砂
B3 珪砂7号 前田建材工業(株)製 JIS7号珪砂
B4 発泡スチロール 最大粒径2mm 平均粒径 0.8mm 嵩比重 0.023kg/L
B5 黒曜石発泡体 太平洋マテリアル(株) 最大粒径2mm 平均粒径0.8mm 嵩比重 0.23kg/L
B6 真珠岩発泡体 太平洋マテリアル(株) 最大粒径1.2mm 平均粒径0.6mm 嵩比重0.19kg/L
B6 EVA−炭酸カルシウム発泡体1 最大粒径2mm 平均粒径0.8mm 嵩比重0.10kg/L
B7 EVA−炭酸カルシウム発泡体2 最大粒径1mm 平均粒径0.6mm 嵩比重0.11kg/L
D1 保水剤 BASFコンストラクションシステムズ(株) チローゼMH6002P4
D2 コーンスターチ アベベ社製商品名 FIX1
E1 硫酸マグネシウム 市販試薬 無水硫酸マグネシウム
E2 II型無水石膏 II型無水石膏 ブレーン比表面積8000cm2/g
F 減水剤 太平洋マテリアル(株)製商品名 コアフローNF-200
G1 炭酸リチウム 市販試薬 炭酸リチウム
G2 ロシェル塩 市販試薬 酒石酸カリウムナトリウム
C1 EVA系粉末樹脂 市販品 再乳化形粉末樹脂 エチレン酢酸ビニル共重合体
C2 アクリルエマルジョン ニチゴー・モビニール(株)製商品名 モビニール7700
タイル接着材について、JISR5201に準拠した方法で、20℃の実験室で練り上がった直後のモルタルのフロー値を測定し、タイル施工に適ったコンシステンシーが得られているかの評価指標とした。尚、コンシステンシーはフロー値が慨ね160〜180mmであればタイル工事に適うと判断される。
作製したタイル接着材をJISA1171により500mLステンレス製容器で単位容積質量を測
定した。
JISR5201に準拠した方法で、20℃の実験室で練り上がった直後のモルタルのフロー値を測定した後、15分ごとにフロー値を測定し160〜180mmを保持した時間を可使時間とした。
公共建築協会規格に従い、温度20℃湿度60%の実験室で作製した強度試験測定用の4×4×16cmの供試体を用い、JISR5201に従い、曲げ強度を測定した。尚、供試体は、温度20℃湿度80%に保った養生槽で24時問湿空養生を行った後、所定材齢まで温度20℃湿度60%の試験室で養生を行った。曲げ強度試験は、材齢7日で実施した。
材齢7日の曲げ強度試験終了後の供試体を用い、JISR5201により圧縮強度を測定した。
タイル業協会規格に従い、温度20℃、湿度60%の実験室で300×300×60mmのコンクリート平板にタイル接着材を4mm厚さで塗り付け、小口タイルを張り付けた。所定材齢まで温度20℃、湿度60%の実験室で養生し、材齢7日で付着強度を測定した。
タイル業協会規格に従い、温度20℃、湿度60%の実験室で300×300×60mmのコンクリート平板にタイル接着材を5mm厚さで塗り付け、小口タイルを張り付けた。材齢14日まで温度20℃、湿度60%の実験室で養生を行い、70℃の乾燥機に7日間入れ付着強度を測定した。
日本建築仕上学会規格M−101セメントモルタル塗り用吸水調整材の試験方法により温度20℃、湿度60%の実験室で300×300×60mmのコンクリート平板にタイル接着材を5mm厚さで塗り付け、小口タイルを張り付けた。材齢10日でシリコンシーリング材でタイル張付け面以外の5面をシールし、材齢14日で試験を開始した。試験は、300サイクル実施し、付着強度を実施した。
以上の試験結果を表3、表4に示す。
タイル接着材のコテ作業性とタイル張付け性能を確認するため、600×1500×90mmのコンクリート板を垂直に立てタイル接着材を5mm厚さで400×1000mm金ゴテで塗り付け45三丁掛けタイルを2枚張り付け、直ちにタイルを剥がし次の項目について評価した。
コテ伸びは、垂直に立てた600×1500×90mmのコンクリート板に塗り付け金ゴテで押し広げ、5mm厚さにするために抵抗の小さいもの及び5分未満で押し広げられたものを良好(○)とし、抵抗が大きく5分以上かかったものを不良(×)とした。また、使用した金ゴテにタイル接着材が残らないものを良好(○)とし、金ゴテに残ったものを不良(×)とした。ダレの発生の有無は、塗り付け直後にダレの発生しなかったものを良好(○)とし、ダレの発生したものを不良(×)とした。3項目の中で1項目でも不良(×)があれば評価は不良×とした。
タイルを張り付け10分間経過してもズレが発生しないものを良好(○)とし、張り付け直後にズレが発生したもの、タイルが付着せず張り付けが困難であったものを不良(×)とした。
タイル3枚とも裏面全体にタイル接着材が付着していたものを良好(○)とし、タイルの裏足にタイル接着材が付着していないもの、タイルが付着せず張付けが困難であったものを不良(×)とした。
2項目の中で1項目でも不良(×)があれば評価は不良(×)とした。
施工性の評価を表5に示す。
Claims (3)
- (A)水硬性物質100質量部に対し、(B)細骨材を24〜99質量部、(C)ポリマーを3〜25質量部、(D)セルロース誘導体又はセルロース誘導体とスターチ類を有効成分とする保水剤0.13〜0.5質量部、(E)アルカリ土類金属硫酸塩0.4〜5質量部を含有してなるタイル接着材であって、(C)ポリマーと(E)アルカリ土類金属硫酸塩の質量比[(C)/(E)]がポリマーの固形分換算で2〜19、さらに(D)保水剤と(C)ポリマーの質量比[(D)/(C)]がポリマーの固形分換算で0.015〜0.10である大型タイル接着材。
- (A)水硬性物質がアルミナセメントを含むものである請求項1記載の大型タイル接着材。
- (C)ポリマーがセメント混和用ポリマーディスパージョン及び/又は再乳化型粉末樹脂である請求
項1又は2記載の大型タイル接着材。
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