JP2016088019A - 断熱制振構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】断熱性及び制振性を向上させることができ、かつ、軽量化が可能であること。【解決手段】断熱構造体1は、熱及び振動の侵入源となる基板Aに固定されるガスバリア性を有する袋体10の基板A側の外面に、粘弾性を有し基板Aに固定するための制振固定材40が密着され、また、基板A側の袋体10の内面に、振動を拘束して減衰させる制振拘束層及び輻射熱を抑制する低輻射層が単一の層として一体に形成された制振拘束・低輻射層20が密着され、さらに、袋体10の内部に空気より熱伝導率が小さい低熱伝導ガスが充填されて低熱伝導ガス層30が形成されたものである。【選択図】図2

Description

本発明は、車両・船舶等のルーフパネル、ドアパネル等の車体パネルや、建築物の床構造、外壁材等に用いられる断熱制振構造体に関するもので、特に、断熱性及び制振性を兼ね備えた断熱制振構造体に関するものである。
近年、自動車等の車両において、環境破壊や資源枯渇等の地球環境問題に配慮して燃費性能を向上させることが要求されており、この要求に応えるために、例えば、車体を軽量化するという要請や、燃費への影響が大きい空調負荷を低減するために自動車の断熱性を向上させるという要請がある。
一方で、車両、特に自動車産業においては、ユーザーの価値観、趣味、嗜好等の多様化に伴い、高級化・高機能化の要求が高く、断熱性の他にも、室内(車内)の静粛性といった室内空間の快適性も求められており、例えば、エンジンから発生する振動や走行時に路面より受ける振動、さらには、走行時の風きり音や降雨時の雨音等による騒音が構造体や空気を介して室内へと伝播されるのを抑制して室内の静粛性を向上させるという要求がある。
ここで、特許文献1には、間隔を開けて配置した外板と内板との二重構造からなる複合パネルであって、外板の内板側にゴム等からなる制振材層を設けると共に、該制振材層の内板側にアルミニウム等からなる内張り層を設け、該内張り層から空気層を隔てて前記内板を配置し、少なくとも、前記内張り層の内板側の表面または前記内板の内張り層側の表面が鏡面化されている複合パネルが開示されている。
この特許文献1の記載によれば、制振材層と空気層を介在させたパネル二重構造による制振性への相乗効果(制振効果)によって、雨風等の音の発生源によるルーフパネル等のパネル(外板)の振動と固体伝播が抑制され、パネル(外板)を通じて、室内等に伝播する放射音圧が著しく低減されるとある。さらに、内板側の表面が鏡面化された板を内張り層として制振材層の内板側に設けることによっても、パネルの多重構造化(複合パネル化)が図られ、制振効果が増すと説明されている。
また、少なくとも、内張り層の内板側の表面または内板の内張り層側の表面を鏡面化することにより、鏡面化された表面の放射率εが著しく低減され、さらに、これら両鏡面間に空気層を介在させたことにより、ルーフパネル等のパネル(外板)の太陽熱放射等の外部からの熱源の遮熱性を著しく高めることができると説明されている。
即ち、車体パネル、特に、ルーフパネルでは、高速走行時の風きり音や降雨時の雨音等の騒音の低減と共に、太陽熱放射に基づく車内の発熱量を低減することができるとされている。
また、特許文献2において、アスファルト、充填材及び発泡剤を含む断熱制振材料を金属板に層状に重ねたものを加熱し、該金属板へ融着一体化するとともに発泡させ、厚み方向に3〜7倍の発泡倍率で膨張させた断熱制振層からなる断熱制振構造体が開示されている。
この特許文献2によれば、加熱発泡により3〜7倍に厚みが増加することにより極小の多数の気泡室を生成して内部に多量の空気を有し、きわめて優れた断熱性能と、同時に厚さが3倍以上に増加することにより優れた制振性能を顕現できるとされている。
特開2003−053887 特開平08−336930
ところが、特許文献1の複合パネルにおいては、空気層によって熱の伝導を抑制するものであるが、空気層では一定の厚みになるとそれ以上増大させても空気の対流が生じて熱移動量が一定となる。ここで、空気は対流が生じやすいものであることから、空気層において対流が起きない限界の厚さは小さいものとなる。このため、空気層では断熱性の向上に限界がある。
また、特許文献2に記載の技術においては、アスファルトや発泡によって制振性を発現できるものの、主成分となるアスファルトはその比重が高く、しかもこれらは車体の広範囲に施工されることから、自動車全体においてアスファルトが占める重量比率が高くなり、低燃費化を実現させるために要求される車体の軽量化の妨げとなる。
さらに、加熱発泡が必要であることから、加熱条件等によっては均一な発泡制御が困難で、安定した断熱性及び制振性を得ることが難しい場合がある。
そこで、本発明は、断熱性及び制振性を向上させることができ、かつ、軽量化が可能な断熱制振構造体の提供を課題とするものである。
請求項1の発明の断熱制振構造体は、熱及び振動の侵入源である基板に固定されるガスバリア性を有する袋体の前記基板側に、振動を拘束し減衰させる制振拘束層及び輻射熱を抑制する低輻射層が配設され、前記袋体の内部に空気より熱伝導率が小さい低熱伝導ガスが充填されて低熱伝導ガス層が形成されたものである。
ここで、上記袋体は、内部に所定容積を有して所定体積の低熱伝導ガスを充填可能に袋状に形成されたガスを透過させないものである。例えば、アルミニウム等の金属を樹脂フィルムに蒸着してなる蒸着フィルム、アルミニウム等の金属を樹脂フィルムにラミネート加工してなるラミネートフィルム等が使用される。
上記制振拘束層は、基板側から入る振動を拘束して減衰させるものであり、また、上記低輻射層は、赤外線(遠赤外線、近赤外線)の輻射熱の放出を抑制するものであり、これら制振拘束層及び低輻射層は前記袋体の基板側に配設されるものである。
上記低熱伝導ガス層を形成する低熱伝導ガスは、熱伝導率が空気よりも小さく、しかも不活性なガスであればよく、例えば、アルゴン、キセノン、クリプトン等が用いられる。これらは一種を単独で用いてもよいし、2種以上の混合ガスであってもよい。
なお、上記熱及び振動の侵入源となる基板としては、例えば、車体のルーフパネル(外板)等が挙げられ、このような基板に対して固定される。
請求項2の発明の断熱制振構造体は、請求項1の構成において、前記制振拘束層及び前記低輻射層が単一の層として一体に形成され、前記袋体の内面に密着されているものである。
ここで、上記単一の層として一体に形成とは、制振拘束の機能と低輻射の機能を兼ね備え、制振拘束層と低輻射層の区別なく両者が一体化された単一の層として形成されていることを意味する。以下、制振拘束層及び低輻射層が単一の層として一体となって形成された層を制振拘束・低輻射層とする。
請求項3の発明の断熱制振構造体は、請求項2の構成において、前記袋体の前記熱及び振動の侵入源となる基板側の外面に、粘弾性を有し前記基板に固定するための制振固定材が密着されているものである。
上記制振固定材としては、粘弾性を有し、自身の粘着性によって熱及び振動の侵入源である基板に固定でき、かつ、粘弾性によって前記基板からの振動を減衰するものであればよく、例えば、ブチル系ゴム等のゴムが挙げられる。
請求項4の発明の断熱制振構造体は、請求項1の構成において、前記制振拘束層が、前記袋体の前記熱及び振動の侵入源となる基板側の外面に配設され、前記低輻射層が前記袋体の前記熱及び振動の侵入源となる基板側の内面に配設され、さらに、前記制振拘束層の前記袋体側とは反対側に、粘弾性を有し前記基板に固定するための制振固定材が密着されているものである。即ち、制振拘束層と低輻射層が別体として前記袋体の前記基板側の内外面に配設され、さらに、前記袋体の外面に配設された前記制振拘束層に制振固定材が密着されたものである。
請求項5の発明の断熱制振構造体は、前記袋体において、さらに、前記熱及び振動の侵入源となる基板側と対向する内面及び/または外面に輻射熱を抑制する低輻射層を配設したものである。
請求項1の断熱構造体によれば、袋体に振動の侵入源となる基板側に振動を拘束して減衰させる制振拘束層が配設されているため、基板側からの振動を抑制することができる。
また、袋体において熱の侵入源ともなる基板側に低輻射層が配設されているため、基板側から入る熱による輻射熱の放出を抑制することができる。さらに、袋体において、その内部に空気より熱伝導率の低い低熱伝導ガスが充填されて低熱伝導ガス層が形成されているため、熱の伝導及び対流による移動を抑えることができる。このとき、袋体がガスバリア性を有しているため、低熱伝導ガスが袋体から抜けることは防止されている。
加えて、袋体の内部に低熱伝導ガス層が形成されていることによって、基板の振動の固体伝播を抑制することも可能である。
こうして、本発明の断熱構造体によれば、基板側からの振動と熱を効率よく制御することで、断熱性及び制振性を向上させることができ、また、軽量化が可能となる。
請求項2の断熱制振構造体によれば、前記制振拘束層及び前記低輻射層が単一の層として一体に形成され、前記袋体の内面に密着されているから、請求項1に記載の効果に加えて、簡便な構造で振動及び熱の制御が可能となる。
請求項3の断熱制振構造体によれば、前記袋体の前記熱及び振動の侵入源となる基板側の外面に、粘弾性を有し前記基板に固定するための制振固定材が密着されているため、この制振固定材によって袋体を基板に固定することで、請求項2に記載の効果に加えて、基板からの振動を抑制する制振性を向上させることができる。
請求項4の断熱制振構造体によれば、前記制振拘束層が前記袋体の前記熱及び振動の侵入源となる基板側の外面に配設され、前記低輻射層が前記袋体の前記熱及び振動の侵入源となる基板側の内面に配設され、さらに、前記制振拘束層の前記袋体側とは反対側に、粘弾性を有し前記基板に固定するための制振固定材が密着されている。このため、基板に固定される制振固定材と、袋体の基板側の外面に配設されて制振固定材と密着する制振拘束層とによって基板からの振動が効率よく抑制される。また、袋体の基板側の内面に配設した低輻射層によって、基板から入った熱の輻射熱が抑制される。特に、制振拘束層と制振固定材が直接密着していることで、請求項1に記載の効果に加えて、制振固定材の振動を効率よく拘束することができる。
請求項5の断熱制振構造体によれば、前記袋体において、さらに、前記熱及び振動の侵入源となる基板側と対向する内面及び/または外面に輻射熱を抑制する低輻射層を配設したことから、請求項1乃至請求項4に記載の効果に加えて、輻射熱の放射を更に抑制することができ、断熱性を向上させることができる。
図1は本発明の実施の形態に係る断熱制振構造体を説明するための図であり、本の実施の形態に係る断熱制振構造体を自動車車体のルーフパネルに適用した状態の全体断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る断熱制振構造体を説明するための部分断面図である。 図3は本発明の実施の形態に係る断熱制振構造体の制振性を確認するために作製した供試体の断面図である。 図4は本発明の実施の形態に係る断熱制振構造体の制振性を確認するために作製した供試体の各温度域における損失係数をブランクと比較して示すグラフである。 図5は本発明の実施の形態の変形例に係る断熱制振構造体を説明するための部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図5を参照しながら説明する。
なお、実施の形態において、同一記号及び同一符号は、実施の形態中の同一または相当する機能部分を意味し、実施の形態及び変形例相互との同一記号及び同一符号は、それらに共通する機能部分であるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
本実施の形態の断熱制振構造体1は、ガスバリア性を有する袋体10と、袋体10の内面に密着した制振拘束・低輻射層20と、袋体10の内部に形成された低熱伝導ガス層30と、袋体10の外面に密着した制振固定材40とを有するものである。
本実施の形態の袋体10は、ガスを透過させないものであればよく、例えば、アルミニウム等の金属を樹脂フィルムに蒸着してなる蒸着フィルム、アルミニウム等の金属を樹脂フィルムにラミネート加工してなるラミネートフィルム等の金属を樹脂フィルムに隙間がない状態で接着一体化してなるフィルムや、アルミニウム箔等の金属箔や、エチレンビニルアルコール(EVOH)やポリビニルアルコール(PVA)等のガスバリア性樹脂フィルム等で形成することができる。
なお、樹脂フィルムとして、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂のような高いガスバリア性を有する親水性樹脂を用いたときには、この親水性樹脂が経時的に吸湿することで袋体10内に形成された制振拘束・低輻射層20や低熱伝導ガス層30に水分が侵入して断熱性の低下を招く恐れがあるが、樹脂フィルムに蒸着やラミネート加工等によってアルミニウム等の金属を接着することで、この金属によって樹脂フィルムに吸着した水分の透過が防止されて、制振拘束・低輻射層20や低熱伝導ガス層30への水分の侵入が阻止され、断熱性の低下を防止できる。
袋体10は、例えば、図2に示したように、樹脂層11、アルミニウム等の金属が蒸着やラミネート加工等によって樹脂層11に密着されてなる金属層12、袋体10を袋状とすべく熱溶着させる熱溶着樹脂層13等の多層フィルムで構成し、かかる多層フィルム同士を熱溶着することによって袋状に形成される。
なお、本発明を実施する場合には、袋体10は、ガスバリア性を有するものであれば、単層構造のものであってもよい。
そして、本実施の形態では、袋体10の内面に、振動の伝播と赤外線の輻射を抑制する制振拘束・低輻射層20が蒸着やラミネート加工等によって密着される。
特に、本実施の形態の制振拘束・低輻射層20は、制振拘束機能及び低反射機能を兼ね備え、両者の機能を同時に発揮する単一の層、つまり、制振拘束層と低輻射層の区別なく両者が一体化された単一の層として袋体10の内面に密着される。
制振拘束・低輻射層20は、赤外線(遠赤外線、近赤外線)の輻射を抑える材料、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)等の金属や、これら金属を樹脂フィルムに蒸着またはラミネート加工等によって密着させた金属樹脂フィルム等のシート状のもので形成されるのが好ましい。特に、アルミニウム箔やアルミニウム合金板等のアルミニウムは、軽量で加工も容易であり、しかも、ヤング率が高くて剛性が高いため制振拘束機能を有する制振拘束層とするのが望ましい。
そして、この制振拘束・低輻射層20は、図2に示したように、太陽光等の熱の入射側及び振動の侵入側、つまり、基板(例えば、図1に示した自動車C等の車体パネルC1のルーフ外板等)A側の袋体10の内面に形成される。このように袋体10の基板A側の内面に形成されることで、基板Aから袋体10に入った熱が袋体10の内部に形成された低熱伝導ガス層30へ放射される輻射熱を抑制することができる。
加えて、本実施の形態では、図2に示したように、袋状の袋体10において、熱及び振動の侵入源となる基板A側と対向する袋体10の内面、即ち、制振拘束・低輻射層20が形成された側と対向する袋体10の内面にも、赤外線の輻射を抑えるアルミニウム等の材料からなる低輻射層21が蒸着やラミネート加工等によって密着されている。
この低輻射層21は、制振拘束・低輻射層20の補助的に設けられ、制振拘束・低輻射層20の厚みより小さく形成される。低輻射層21の厚さは、余り大き過ぎると省スペース化の妨げとなり、また、断熱制振構造体1の重量が増して軽量化、しいては、低燃費化の妨げとなることから、20μm以下とするのが好適である。
このように制振拘束・低輻射層20が形成された側と対向する側の袋体10の内面にも低輻射層21を形成し、輻射熱の抑制を制振拘束・低輻射層20と低輻射層21との2段階で行うことで、効率的に輻射熱を抑制して断熱性を向上させることができる。
なお、制振拘束・低輻射層20及び/または低輻射層21の表面を、クロムメッキや鏡面加工したロールによるロール加工、バフ加工等の機械的研磨、電解研磨、化学研磨等の鏡面加工により、平滑化した鏡面とすることも可能である。これにより、放射率εを下げ輻射熱の抑制効果を高めることが可能となる。
ここで、本実施の形態では、制振拘束・低輻射層20は制振拘束機能及び低輻射機能を兼ね備えて、制振拘束層22と低輻射層23の区別なく両者が一体化された単一の層として袋体10の内面に形成されているが、本発明を実施する場合には、制振拘束層22と低輻射層23を別体とし、袋体10の内面と外面に配設することも可能である。
この場合、本実施の形態の変形例に係る断熱制振構造体100として、図5に示したように、袋体10の基板A側の外面に制振拘束層22を設け、袋体10の基板A側の内面に低輻射層23を設ける。このような構造としても同様の効果、即ち、後述するように、制振拘束層22による振動の拘束効果及び低輻射層23による低熱伝導ガス層30への輻射熱の放射抑制効果が得られる。
つまり、制振拘束層22と低輻射層23を区別することなく単一の層として制振拘束・低輻射層20を設ける場合には、低輻射層23による低輻射の機能を発揮させるために、図2に示したように、制振拘束・低輻射層20を袋体10の内面に形成する。
一方で、制振拘束層22を袋体10の外面に設ける場合には、制振拘束層22と低輻射層23は別体とし、図5に示したように、低輻射層23を袋体10の内面に配設することで低輻射層23による低輻射の機能を確保する。
なお、変形例の断熱制振構造体100においては、図5に示したように、熱及び振動の侵入源となる基板A側と対向する袋体10の外面、即ち、低輻射層23が形成された側と対向する袋体10の外面にも低輻射層21を形成した。
このように熱及び振動の侵入源となる基板A側と対向する側の袋体10の外面、即ち、内装材B側(図1参照)の袋体10の外面に低輻射層21を設けることで、後述する内装材B側(図1参照)の熱、例えば、車両等の室内側の暖房熱等が室外へ放射されるのを抑制することも可能となる。
本実施の形態の断熱制振構造体1の制振拘束・低輻射層20や変形例の断熱制振構造体100の制振拘束層22は、後述する制振固定材40よりもヤング率が高い材質で形成される。
また、断熱制振構造体1の制振拘束・低輻射層20や変形例の断熱制振構造体100の低輻射層23は、上述したような赤外線の輻射を抑える材料で形成される。
ここで、振動を拘束するためには、ヤング率が高くて剛性が高いアルミニウム等の金属を50μm以上の厚膜に形成することで可能となるが、膜厚を余りに厚くすると省スペース化及び軽量化を図ることが困難となり、また、割れ等も発生しやすくなる。このため、最大膜厚は200μmとするのが好ましい。
特に、制振拘束層22と低輻射層21を区別することなく一体化して単一の層とした制振拘束・低輻射層20においては、ヤング率が高く、かつ、赤外線放射率の小さいアルミニウム等の金属を用い、振動拘束効果が得られる50μm〜200μmの厚膜で形成することで、基板Aからの振動を拘束して抑制する効果に加え、熱の輻射を抑制する効果も得ることができる。
また、図5に示したように、制振拘束層22及び低輻射層21を別体とし、袋体10の内外面に配設した変形例の断熱制振構造体100においては、制振拘束層22の膜厚を50μm以上とすることで振動の拘束効果を確保できる。そして、制振拘束層22の膜厚と低輻射層21の膜厚の和(合計膜厚)を200μm以下にすることで、省スペース化及び軽量化を図り、また、割れ等の発生を防止でき、低輻射層21による熱の輻射の抑制効果を得ることができる。
さらに、本実施の形態では、袋状とした袋体10の内部に、空気より熱伝導率が小さい低熱伝導ガスが充填され、封入されることによって低熱伝導ガス層30が形成される。
袋体10内に充填される低熱伝導ガスとしては、熱伝導率λが空気(2.41×102W/m・K;0℃)よりも小さく、しかも不活性なガスである、アルゴン(1.63×102W/M・K;0℃)、キセノン(0.52×102W/m・K;0℃)、クリプトン(0.87×102W/m・K;0℃)等の各ガスやそれらの混合ガスが用いられる。中でも、アルゴンガスは、空気より比重が大きくて対流が生じにくく、また、容易に入手でき低コストでもあり、しかも取り扱い性が容易でその使用により環境保全上の問題もないため、好適である。
この低熱伝導ガス層30によって伝導及び対流による熱の移動が抑制される。また、振動による固体伝播を抑制することも可能である。
加えて、本実施の形態の断熱制振構造体1では、袋体10の外面に、詳細には、制振拘束・低輻射層20が形成された基板A側の袋体10の外面に、粘弾性を有する制振固定材40が密着される。
そして、この粘弾性を有する制振固定材40によって、熱及び振動の侵入源であり断熱性及び制振性の付与が要求される基板A、例えば、自動車等の車体パネルのルーフ外板等に断熱制振構造体1を固定する。
基板Aに固定するための制振固定材40としては、粘弾性を有して、広範な温度領域にて制振性を発揮して基板Aからの振動を減衰し、かつ、軽量なものであればよく、例えば、ブチル系ゴム等のゴムや、ポリウレタン系、ポリアクリル系等の粘弾性を有する合成樹脂中に空気を微発泡させてなる発泡樹脂等が挙げられる。特に、ブチル系ゴムは、広い温度範囲及び周波数範囲で高い制振性を発揮でき、低コストでもあることから、好適である。接着形態は、特に限定されず、シートタイプのものであってもよいし、塗布タイプのものであってもよい。
この粘弾性を有する制振固定材40によって、基板Aからの振動を減衰する制振性が付与される。
つまり、本実施の形態の断熱制振構造体1では、まず制振固定材40によって基板Aからの振動を減衰させ、この制振固定材40によって減衰させた振動をさらに袋体10の内面に形成した制振拘束・低輻射層20によって拘束して振動の伝播を抑制する。
また、図5に示したように、袋体10の外面に制振拘束層22を設けた変形例の断熱制振構造体100では、制振拘束層22の袋体10側とは反対側に、粘弾性を有する制振固定材40が密着され、制振固定材40で減衰させた振動をさらに制振固定材40に密着した制振拘束層22によって拘束し、振動の伝播を抑制する。
この制振固定材40は、断熱制振構造体1における制振拘束・低輻射層20が形成された側の袋体10の外面の全域、または、断熱制振構造体100における制振拘束層22の袋体10側とは反対側の全域に亘って密着させることもできるし、図1に示したように、部分的な密着であっても構わない。
断熱制振構造体1における制振拘束・低輻射層20が形成された側の袋体10の外面の全域、または、断熱制振構造体100における制振拘束層22の袋体10側とは反対側の全域に亘って制振固定材40を密着させる場合には、制振固定材40を薄い厚みとして、省スペース化に貢献できる。
一方で、部分的な密着の場合にあっては、制振固定材40が密着されていない部分では基板Aと断熱制振構造体1の袋体10との間、または、基板Aと断熱制振構造体100の制振拘束層22との間に空間が生じるから、断熱性の向上及び固体伝播の抑制による制振性の向上が期待できる。
そして、このような構成の本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100は、自動車、列車等の車両の車体パネル、例えば、図1に示すように、自動車CのルーフパネルC1における基板Aとしてのルーフ外板(通常、鋼板、アルミニウム板、樹脂板、炭素繊維を熱硬化樹脂で固めてなるFRP、CFRP等の繊維樹脂板等から形成される)と内装材(ライナー)Bとの間に組み入れられ、基板Aとしてのルーフ外板(塗装されたものであってもよい)に制振固定材40によって固定して、断熱性及び制振性を付与する。
ここで、このように構成される本実施の形態の断熱制振構造体1及び変形例の断熱制振構造体100の特性について説明する。
上述したように、本実施の形態の断熱制振構造体1は、熱及び振動の侵入源である車体のルーフパネル(外板)等の基板Aに、粘弾性を有する制振固定材40が固定され、この制振固定材40が、内面に制振拘束・低輻射層20が密着された袋体10の外面と密着している。この制振拘束・低輻射層20は、制振拘束層と低輻射層の区別なく両者が一体化された単一の層として一体に形成されたものである。
また、袋体10の内部には、低熱伝導ガスの充填による低熱伝導ガス層30が形成されている。
さらに、制振拘束・低輻射層20と対向する側の袋体10の内面には、低輻射層21が形成されている。
また、変形例の断熱制振構造体100では、基板Aに粘弾性を有する制振固定材40が固定され、この制振固定材40が、袋体10の外面に形成された制振拘束層22と密着している。
さらに、制振拘束層22が密着された側の袋体10の内面には、低輻射層23が配設され、また、袋体10の内部には、低熱伝導ガスの充填による低熱伝導ガス層30が形成されている。
加えて、低輻射層23と対向する側の袋体10の外面には、低輻射層21が形成されている。
このように構成された本実施の形態の断熱制振構造体1においては、制振固定材40と制振拘束・低輻射層20によって高い振動抑制効果が得られる。
また、変形例の断熱制振構造体100においても、制振固定材40と制振拘束層22によって高い振動抑制効果が得られる。
即ち、振動の侵入源である基板Aが騒音や機械振動等によって振動したとき、粘弾性を有する制振固定材40が基板Aの振動を吸収する。そして、基板Aの振動が制振固定材40によって吸収しきれなくて制振固定材40が振動し始めようとしても、制振固定材40よりヤング率が高い制振拘束・低輻射層20や制振拘束層22が制振固定材40の振動を拘束して振動が抑えられる。
さらに、本実施の形態の断熱制振構造体1では、太陽光等の熱が基板Aから侵入したとき、制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21によって輻射熱が抑制されるうえ、低熱伝導ガス層30によって伝導及び対流による熱の移動が抑制され、高い断熱効果が得られる。
また、変形例の断熱制振構造体100においても、低輻射層23及び低輻射層21によって輻射熱が抑制されるうえ、低熱伝導ガス層30によって伝導及び対流による熱の移動が抑制され、高い断熱効果が得られる。
そして、このように本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100によれば、制振固定材40の厚みが小さくても、制振拘束・低輻射層20や制振拘束層22の拘束作用によって十分な制振性が得られ、しかも、制振固定材40が粘着性を有することで、別途、接着剤等を必要とすることなく、基板Aに断熱制振構造体1,100を固定することができる。このため、省スペース化及び軽量化を図ることができる。
以下、これら制振性と断熱性につい説明する。まず、制振性について、損失係数ηの測定試験を行った結果を説明する。
損失係数ηの測定を行った供試体は、図3に示したように、基板Aとしての長方形状平板のSPCC−SD鋼板(20mm×300mm×厚さ0.8mm)の片面に、制振固定材40としてのブチルゴムテープ(20mm×200mm×厚さ2mm)によって、制振拘束層(制振拘束・低輻射層20または制振拘束層22に相当する)としてのアルミニウム箔からなる所定厚さのアルミシート(20mm×200mm)を貼り付け、互いに隣接する部材間に隙間が生じない構成としたものである。このとき、制振拘束層としてのアルミシートのアルミ厚さを50μmとしたものを供試体1とし、アルミ厚さを100μmとしたものを供試体2とした。
損失係数ηの測定方法としては、片持ち梁法(オーベスト法、JIS K 7391に準拠)で−20℃、0℃、20℃、40℃、60℃の各測定温度での2次共振周波数を測定し、2次共振点における損失係数ηを半値幅法にて算出した。なお、このときの片持ち梁法に使用した機器は、FFTアナライザとして(株)小野測器製のマルチパーパスFFTアナライザ、電磁加振器及び電磁速度検出器として(株)小野測器製のMP−912、パワーアンプとしてソニー(株)製のプリメインアンプTA−F37Rである。そして、取付治具はブリュエル・ケアー製を使用した。
さらに、ブランクとして、基板AとしてのSPCC−SD鋼板(20mm×300mm×厚さ0.8mm)についても、同様に片持ち梁法で各測定温度での2次共振周波数を測定し、二次共振点での損失係数ηを半値幅法によって算出した。
これらの損失係数ηについての測定結果を表1及び図4に示す。損失係数ηの値が大きいほど、振動減衰効果があり、振動を低減できる制振性が高いことを示す。
Figure 2016088019
表1及び図4に示されるように、供試体1及び供試体2では、−20℃、0℃、20℃、40℃、60℃の何れの測定温度でも、ブランクと比較して損失係数ηが大きく、制振性の付与が確認された。
特に、アルミニウムからなる制振拘束層の厚みを大きくした供試体2では、0℃、20℃、40℃、60℃の測定温度での損失係数ηが供試体1よりも大きく、より制振性に優れていた。
これより、制振拘束層(制振拘束・低輻射層20または制振拘束層22に相当)の厚みを調整することによって損失係数η(制振性)の制御が可能であることが分かった。勿論、制振性を付与する制振固定材40や制振拘束層の材質、使用量、弾性率、ヤング率等によっても損失係数η(制振性)の制御は可能である。
なお、制振拘束層(制振拘束・低輻射層20または制振拘束層22)の厚みが小さすぎると、ブランクの損失係数ηに近づき、制振固定材40を制振拘束層(制振拘束・低輻射層20または制振拘束層22)が拘束することによる制振性向上効果が少なくなり、例えば、自動車の車体パネル等に用いた場合にそれに要求される十分な制振性を確保できない。
一方で、制振拘束・低輻射層20の厚みや、制振拘束層22及び低輻射層20の合計厚みが大きすぎると、制振固定材40の運動を制限したときの剪断歪(剪断変形)によって制振固定材40との界面に生じる応力で袋体10や制振拘束層(制振拘束・低輻射層20または制振拘束層22)に割れ等が発生しやすくなる。また、重量が嵩み自動車等の車体の軽量化に反し、しいては、燃費の向上化の妨げとなる恐れがある。
このため、制振拘束層(制振拘束・低輻射層20または制振拘束層22)の厚みは最小でも50μmとし、制振拘束・低輻射層20の厚みや、制振拘束層22及び低輻射層20の合計厚みは最大でも200μmとするのが好ましい。
このように、損失係数ηの測定試験結果から、制振固定材40と制振拘束層(制振拘束・低輻射層20または制振拘束層22)による高い振動抑制効果が確認された。
ここで、本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100においては、袋体10の内部に低熱伝導ガス層30が形成されている。このため、この低熱伝導ガス層30によって基板Aの振動の固体伝播が抑制される。
さらに、図1に示したように、袋体10の外面に部分的に制振固定材40を密着(変形例の断熱制振構造体100においては、袋体10の外面に設けた制振拘束層22に部分的に密着)し、基板Aに対する制振固定材40による断熱制振構造体1,100の固定を部分的な接着とした場合には、基板Aと袋体10の間(変形例の断熱制振構造体100においては、基板Aと制振拘束層22の間)に部分的に空間が生じ、この空間によっても振動の伝達が抑制される。
加えて、図2に示すように、本実施の形態の断熱制振構造体1では、袋体10、制振拘束・低輻射層20、低熱伝導ガス層30、低輻射層21の多層構造となっており、また、図5に示すように、変形例の断熱制振構造体100においても、制振拘束層22、袋体10、低輻射層23、低熱伝導ガス層30、低輻射層21の多層構造となっている。したがって、各層で異なる固有振動数を有することになることから、これによっても基板Aからの振動を減衰することが可能である。
よって、本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100によれば、このように高い制振性を有することで、例えば、自動車車体のパネル外板(基板A)に固定した場合には、エンジンから発生する振動や走行時に路面より受ける振動、さらには、走行時の風きり音や降雨時の雨音等の騒音による振動が基板A(パネル外板)を通じて室内(車内)に伝播するのを低減できるうえ、走行時の風きり音や降雨時の雨音等の騒音の振動によって室内に伝播するときの放射音圧を低減でき、室内の快適性や静寂性を向上させることができる。
次に、断熱性について、赤外線放射率の測定試験を行った結果を説明する。
この試験では、袋体10(図2または図5参照)として、アルミニウム(12)がラミネート加工される合成樹脂層11、合成樹脂層11にラミネート加工されたアルミニウム層12、及び袋状の袋体10とすべく熱溶着させる熱溶着樹脂層13からなるガスバリア性を有する多層ラミネートフィルム(20cm×20cmの正方形状)を用意し、そのラミネートフィルムの片面に、低輻射層の形成材料であるアルミニウムをその膜厚が7μmとなるようにラミネート加工した供試体3を準備した。なお、ここでは、アルミニウムによる赤外線放射率の効果を確認できればよいため、アルミニウムは薄膜とした。
また、比較のために、比較例1として低輻射層の形成材料であるアルミニウムをラミネート加工ない多層ラミネートフィルムも準備した。
そして、これら供試体3及び比較例1について赤外線放射率の測定を行った。
赤外線放射率については、放射率測定器(ジャパンセンサー(株)製、「TSS−5X」)を用いて測定した。この測定器では、一定温度に加熱した定温放射源から供試体3または比較例1に赤外線(波長2〜22μm)を集中照射し、その反射エネルギー量を検出し、検出した反射エネルギーによる反射率と放射率との関係式から、放射率を演算した。このときの測定条件は常温、大気圧とした。放射率が低いほど、赤外線が反射されていて放射能力が低く、輻射熱抑制効果が高いといえる。なお、「放射率」とは、黒体(その表面に入射するあらゆる波長を吸収し、反射も透過もしない理想の物体)を基準とした全放射エネルギーPと物体が放射するエネルギーP1との比率P1/Pから求められるものを意味し、ここでは、放射率測定器(ジャパンセンサー(株)製、「TSS−5X」)により測定した値である。
供試体3及び比較例1の構造体についての赤外線放射率の測定結果を表2に示す。
Figure 2016088019
表2に示したように、比較例1では、放射率が0.80であったのに対し、供試体3では、放射率が0.05と極めて低い値となっていた。
これより、ガスバリア性を有する多層ラミネートフィルムにアルミニウムを密着させることで、このアルミニウムからなる低い赤外線反射性によって、高い輻射熱抑制効果が得られることが確認された。
続いて、熱伝導率の測定試験を行った結果について説明する。
この試験では、赤外線放射率の測定試験に使用したときと同じガスバリア性を有する多層ラミネートフィルム(20cm×20cmの正方形状)を用意し、袋状の袋体10(図2参照)とすることができるように熱溶着させる溶着部位を残して、熱溶着樹脂層13に、制振拘束・低輻射層20を形成するアルミニウムをその膜厚が100μmとなるようにラミネート加工した。
なお、上記供試体3では、アルミニウムによる赤外線放射率の効果を確認できればよいため、薄膜のアルミニウムで評価を行ったが、熱伝導率の測定評価では、制振拘束・低輻射層20としての断熱性(熱伝導率)の効果を確認するためにアルミニウムの膜厚を厚くしている。
また、別途、上記と同様の多層ラミネートフィルム(20cm×20cmの正方形状)を用意し、袋状の袋体10とすることができるように熱溶着させる溶着部位を残して熱溶着樹脂層13に、低輻射層21を形成するアルミニウムをその膜厚が7μmとなるようにラミネート加工した。
そして、100μm厚の厚膜のアルミニウムからなる制振拘束・低輻射層20が密着した熱溶着樹脂層13と、7μm厚の薄膜のアルミニウムからなる低輻射層21が密着した熱溶着樹脂層13とを対向させて、制振拘束・低輻射層20または低輻射層21がラミネート加工されずに残った熱溶着樹脂層13の溶着部位同士を熱溶着(ヒートシール)することによって袋構造とした。この際、低熱伝導ガスを入れるガス注入口は熱溶着せずに、ガスを注入できるようにしておいた。そして、ガス注入口から袋体10の内部に低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスを袋体10全体の厚さが20mmになるまで入れて、その後ガス注入口を熱溶着することによって袋体10を密閉して、供試体4を得た。
このようにして得られた供試体4は、図2に示したように、合成樹脂層11、アルミニウム層12、熱溶着樹脂層13の順に配設された多層構造の袋体10の内面に100μm厚の厚膜のアルミニウムからなる制振拘束・低輻射層20が密着して形成され、また、この制振拘束・低輻射層20に対向する袋体10の内面にも7μm厚の薄膜のアルミニウムからなる低輻射層21が密着して形成され、さらに、袋体10の内部に、低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスが封入されて低熱伝導ガス層30が形成された構造体となる。
さらに、比較のために、比較例2として、袋体10の内部に低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスが封入されて低熱伝導ガス層30を有するものの、制振拘束・低輻射層20と低輻射層21を有しないものを作製した。作製方法は、多層ラミネートフィルムに制振拘束・低輻射層20や低輻射層21としてのアルミニウムをラミネート加工しない以外は、供試体4と同様の方法である。
このようにして得られた比較例2は、合成樹脂層11、アルミニウム層12、熱溶着樹脂層13の順に配設された多層構造の袋体10の内部に、低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスが封入されて低熱伝導ガス層30が形成された構造体となる。
また、比較例3として、供試体4の低熱伝導ガスとしてアルゴンガスに代えて空気を封入したもの、即ち、合成樹脂層11、アルミニウム層12、熱溶着樹脂層13の順に配設された多層構造の袋体10の内面に100μm厚の厚膜のアルミニウムからなる制振拘束・低輻射層20が密着して形成され、また、この制振拘束・低輻射層20に対向する袋体10の内面にも7μm厚の薄膜のアルミニウムからなる低輻射層21が密着して形成され、さらに、袋体10の内部に、袋体10全体の厚さが20mmになるまで空気が入れられた構造体を用いた。
加えて、比較例4として、制振拘束・低輻射層20と低輻射層21を有しないものであって、かつ、低熱伝導ガスとしてアルゴンガスに代えて空気を封入したもの、即ち、合成樹脂層11、アルミニウム層12、熱溶着樹脂層13の順に配設された多層構造の袋体10の内部に、袋体10全体の厚さが20mmになるまで空気が入れられた構造体を用いた。
そして、これら供試体4及び比較例2乃至比較例4の構造体について熱伝導率λの測定を行った。
熱伝導率λ(W/m・K)は、熱流計法(JIS A1412、ASTEM−C518、ISO8301準拠)に基づいて測定計算したものである。
具体的には、熱伝導率測定装置として、英弘精機(株)のHC−074を使用し、40度に加熱した上面プレートと20℃に加熱した下面プレートとの間に供試体4、比較例2乃至比較例4の各測定物を挟んで、高温側熱流量Qhと低温側熱流量Qcとを測定し、次式(1)によって、熱伝導率λ(W/m・K)を算出した。
λ=(Qh+Qc)・L/(2・ΔT)‥‥(1)
λ:熱伝導率(W/m・K)
Qh:高温側プレート(40℃に加熱した上面プレート)の熱流量
Qc:低温側プレート(20℃に加熱した下面プレート)の熱流量
L:測定物の厚さ
ΔT:高温側プレート(40℃に加熱した上面プレート)に当接する袋体10の表面温度{Th}と低温側プレート(20℃に加熱した下面プレート)に当接する袋体10の表面温度{Tc}との差
なお、高温側プレートと低温側プレートとの間に供試体4や比較例3の構造体を配置して測定を行う際には、その構造体の配置方向を、制振拘束・低輻射層20が形成された側の袋体10の外面が高温側プレートに対応し、低輻射層21が形成された側の袋体10の外面が低温側プレートに対応するように設定した。
供試体4及び比較例2乃至比較例4の各構造体の熱伝導率λの測定結果を表3に示す。
Figure 2016088019
表3に示したように、袋体10の内面に制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21が形成され、袋体10の内部に低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスが封入された供試体4に係る構造体の熱伝導率λは、袋体10の内部に空気が封入された比較例3に係る構造体の熱伝導率λよりも低い値を示しており、低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスを使用することで、断熱性が向上することが確認された。
また、アルミニウムからなる制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21を有する供試体4では、制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21を有していない比較例2よりも、飛躍的に熱伝導率が小さくなっていた。これより、低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスによる断熱性向上効果に加え、アルミニウムからなる制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21によって輻射熱が抑制されることで、断熱性が飛躍的に向上することが明らかになった。なお、制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21による断熱性の飛躍的な向上効果は、比較例3と比較例4との比較からでも確認できる。
このように、袋体10の内面に、アルミニウムからなる制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21を形成し、袋体10の内部に低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスを封入して低熱伝導ガス層30を形成することで、赤外線の放射が制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21によって抑制されて放熱量が小さくなり輻射熱による熱伝導が抑制されるうえ、低熱伝導ガスとしてのアルゴンガスの熱伝導率が極めて小さいことで優れた断熱性が発揮される。
なお、熱伝導率測定試験で用いた供試体4は、袋体10の内面にアルミニウムの膜厚が厚い制振拘束・低輻射層20を形成したものであるが、赤外線の放射は、材質の影響が高く、制振拘束・低輻射層20に代えて、図5の変形例に示したように、厚みの薄い低輻射層23を袋体10の内面に形成した場合であっても、上記実験結果と同様の効果が得られる。
こうして本実施の形態の断熱制振構造体1は断熱性に優れるため、袋体10の内面に制振拘束・低輻射層20及び低輻射層21を形成し、袋体10の内部に低熱伝導ガス層30を形成した本実施の形態の断熱制振構造体1を、図1に示すように、例えば、基板Aとなる車体Cのルーフ外板と内装材(ライナー)Bとの間に組み入れて、基板Aとしての外板に制振固定材40によって固定した場合には、断熱制振構造体1の優れた断熱性によって、基板Aからの熱は内装材B側(室内側)に放散されるのが抑制される。
また、袋体10の内面に低輻射層23及び低輻射層21を形成した変形例の断熱制振構造体100においても同様である。
一方で、内装材B側(室内側)の熱は断熱制振構造体1を介しての基板A側(室外側)への放散が抑制される。
したがって、本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100によれば、熱の流出入の抑制効果が高く、車体のルーフ外板等の基板Aに制振固定材40によって固定するだけで、夏場は、室外の太陽熱が室内へ流入することによる室内の温度上昇が抑えられると共に、冬場は、室内の暖房熱が室外へ放出するのが抑えられて、冷暖房等の省エネ効果を図り、燃費を向上させることができる。
特に、低熱伝導ガスとしてアルゴンガス(熱伝導率;0.016W/m・K)は、空気(熱伝導率;0.024W/m・K)よりも熱伝導率が極めて低く熱抵抗が大きいうえに、比重が空気より大きく対流が生じにくいものであるため、好適である。
このように、本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100は、高い断熱性及び制振性を兼ね備えるものであり、例えば、自動車等の車体に用いられることで、高い断熱性によって空調設備の負荷を低減して燃費性の向上を図ることができ、かつ、高い制振性によって室内の快適性や静粛性の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態の断熱制振構造体1においては、基板A側と対向する側の袋体10の内面、即ち、制振拘束・低輻射層20が形成された側と対向する袋体10の内面に低輻射層21が設けられ、また、変形例の断熱制振構造体100においては、低輻射層23が形成された側と対向する袋体10の外面に低輻射層21が設けられている。
しかし、本発明を実施する場合には、低輻射層21は必ずしも必要とされるものでなく、基板Aからの入射熱量や要求される断熱性の程度によっては省略することも可能である。
また、低輻射層21は、図2に示したように、基板A側と対向する側の袋体10の内面に設けてもよいし、図5に示したように、基板A側と対向する側の袋体10の外面に設けてもよいし、基板A側と対向する側の袋体10の外面及び内面の両面に設けてもよい。
特に、断熱制振構造体を内装材Bに接合させない場合(図1参照)には、図5に示したように、基板A側と対向する側の袋体10の外面に低輻射層21を設けることで、内装材B側の熱、例えば、車両等の室内側の暖房熱等が室外へ放射されるのを抑制することが可能となる。
以上説明したように本実施の形態の断熱制振構造体1は、熱及び振動の侵入源となる基板Aに固定されるガスバリア性を有する袋体10と、袋体10の外面に密着し、粘弾性を有して、熱及び振動の侵入源である基板Aに固定するための制振固定材40と、制振固定材40よりもヤング率が高く、熱及び振動の侵入源の基板A側、つまり、制振固定材40が外面に密着された側の袋体10の内面に密着して、制振固定材40の振動を拘束し、かつ、熱の流入による赤外線の放射を抑制するアルミニウム等からなる制振拘束・低輻射層20と、袋体10の内部に空気より熱伝導率が小さいアルゴンガス等の低熱伝導ガスが充填されて形成される低熱伝導ガス層30を具備するものである。
即ち、本実施の形態の断熱制振構造体1は、熱及び振動の侵入源となる基板Aに固定されるガスバリア性を有する袋体10の基板A側の外面に、粘弾性を有し基板Aに固定するための制振固定材40が密着され、また、基板A側、つまり制振固定材40が外面に密着された側の袋体10の内面に、振動を拘束して減衰させる制振拘束層及び輻射熱を抑制する低輻射層が単一の層として一体に形成された制振拘束・低輻射層20が密着され、さらに、袋体10の内部に、空気より熱伝導率が小さい低熱伝導ガスが充填されて低熱伝導ガス層30が形成されたものである。
また、本実施の形態の変形例の断熱制振構造体100は、熱及び振動の侵入源となる基板Aに固定されるガスバリア性を有する袋体10と、粘弾性を有し熱及び振動の侵入源である基板Aに固定するための制振固定材40と、制振固定材40よりもヤング率が高く、熱及び振動の侵入源の基板A側の袋体10の外面に配設され、さらに袋体10側とは反対側で制振固定材40と密着し、制振固定材40の振動を拘束する制振拘束層22と、制振拘束層22が設けられた側の袋体10の内面に配設され、熱の流入による赤外線の放射を抑制する低輻射層23と、袋体10の内部に空気より熱伝導率が小さい低熱伝導ガスが充填されて形成される低熱伝導ガス層30を具備するものである。
即ち、変形例の断熱制振構造体100は、熱及び振動の侵入源となる基板Aに固定されるガスバリア性を有する袋体10の基板A側の外面に振動を拘束して減衰させる制振拘束層22が配設され、また、この制振拘束層22の袋体10側とは反対側に、粘弾性を有し基板Aに固定するための制振固定材40が密着され、さらに基板A側、つまり制振拘束層22が設けられた側の袋体10の内面に輻射熱を抑制する低輻射層23が配設され、そして、袋体10の内部に、空気より熱伝導率が小さい低熱伝導ガスが充填されて低熱伝導ガス層30が形成されたものである。
したがって、本実施の形態の断熱制振構造体1によれば、車体ルーフパネル外板等の基板Aに固定された制振固定材40が基板Aの振動を減衰させ、さらに、この制振固定材40に密着した袋体10の内面に密着した制振拘束・低輻射層20によって減衰した振動を拘束し振動の伝播を抑制する。
即ち、本実施の形態の断熱制振構造体1によれば、制振固定材40及び制振拘束・低輻射層20によって制振性を付与できる。
また、変形例の断熱制振構造体100においても、車体ルーフパネル外板等の基板Aに固定された制振固定材40が基板Aの振動を減衰させ、さらに、この制振固定材40に密着した制振拘束層22によって減衰した振動を拘束し振動の伝播を抑制する。
即ち、制振固定材40及び制振拘束層22によって制振性を付与できる。
さらに、本実施の形態の断熱制振構造体1及び変形例の断熱制振構造体100によれば、袋体10の内部に低熱伝導ガス層30が形成されていることによって基板Aの振動の固体伝播を抑制する効果を高めることができる。
加えて、本実施の形態の断熱制振構造体1においては、制振固定材40、袋体10、制振拘束・低輻射層20、低熱伝導ガス層30、及び低輻射層21の多層構造、また、変形例の断熱制振構造体100においては、制振固定材40、制振拘束層22、袋体10、低輻射層23、低熱伝導ガス層30、及び低輻射層21の多層構造のために、各部材(各層)での固有振動数の相違による共鳴効果によって基板Aからの振動を減衰させる効果を高めることができる。
そして、基板Aに対する制振固定材40による断熱制振構造体1,100の固定を部分的な接着とした場合には、制振固定材40が密着されていない部分の袋体10または制振拘束層22と基板Aとの間の空間によって基板Aからの振動を部分的に遮断することができる。
よって、本実施の形態の断熱制振構造体1及び変形例の断熱制振構造体100によれば、このように高い制振性を有することにより、例えば、自動車車体のパネルに用いた場合には、エンジンから発生する振動や走行時に路面より受ける振動、さらには、走行時の風きり音や降雨時の雨音等の騒音による振動が、基板A(パネル外板) を通じて室内に伝播するのを低減できるうえ、風きり音や降雨時の雨音等の騒音の振動が室内に伝播するときの放射音圧を低減できて、室内の快適性や静寂性を向上することができる。
さらに、本実施の形態の断熱制振構造体1によれば、基板Aの振動に対する優れた制振性が確保されるだけでなく、基板Aから入射する熱に対しては、基板A側の袋体10の内面に、入熱によって放射される赤外線の輻射熱を抑制する制振拘束・低輻射層20が密着されているため、低熱伝導ガス層30へ放射される輻射熱を抑制できるうえ、袋体10の内部にアルゴンガス等の低熱伝導ガスが封入された低熱伝導ガス層30が形成されていることで、伝導及び対流による熱の移動を抑制することができる。
また、変形例の断熱制振構造体100においても、基板Aの振動に対する優れた制振性が確保されるだけでなく、基板Aから入射する熱に対しては、基板A側の袋体10の内面に、入熱によって放射される赤外線の輻射熱を抑制する低輻射層23が配設されているため、低熱伝導ガス層30へ放射される輻射熱を抑制できるうえ、袋体10の内部にアルゴンガス等の低熱伝導ガスが封入された低熱伝導ガス層30が形成されていることで、伝導及び対流による熱の移動を抑制することができる。
なお、必要に応じて制振拘束・低輻射層20または低輻射層23が形成された側と対向する側の袋体10の内面及び/または外面に低輻射層21を設けることで、この低輻射層21によっても赤外線の輻射熱を抑制することが可能となる。
したがって、本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100を、例えば、自動車車体のパネルに用いた場合には、断熱制振構造体1,100の高い断熱性によって、室内の快適性を高めるエアコンの負荷を軽減して省エネ化とし、燃費の向上を図ることが可能となる。また、エアコンの容量を小さくして車体の軽量化を図ることも可能である。
このような制振性及び断熱性を兼ね備えた本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100は、車体のルーフパネルに限定されず、自動車・鉄道・船舶等のドア、フロア、フード、フェンダー等のパネルや、トランクリッド等や、建築物の床や外壁材等の制振性及び断熱性の両方が要求される部位に適用可能である。制振性及び断熱性を兼ね備えることから省スペース化にも貢献し、また、軽量化が可能であることで、例えば、新幹線等の高速車両に使用される壁板や天井板のように、車両の速度向上を図るために軽量性が求められる部位にも適用でき、使用範囲を拡大して様々な用途への応用も可能である。
因みに、本実施の形態の断熱制振構造体1や変形例の断熱制振構造体100を車体のルーフパネルに使用する場合、断熱制振構造体1,100を固定する基板Aをアルミニウム合金板とすれば、鋼板よりも放射率εが高いので輻射熱の抑制効果を高めることができる。しかし、断熱制振動構造体1,100が高い断熱性を有するため、鋼板であってもよく、広範囲、即ち、様々な材質の基板への適用が可能である。
なお、図1では、制振拘束・低輻射層20の形成側と対向する側の袋体10の外側(変形例においては低輻射層21の外側)を内装材Bと密着させずに隙間(空気層)50を有した構造としているが、必要に応じて、内装材Bに密着させることも可能である。この場合には、例えば、制振固定材40によって内装材Bに接着することで更なる制振性の向上が期待できる。
本発明を実施するに際しては、各構成材料、配合、層の厚さ等は、上記に限定されるものではなく、必要とされる断熱性、制振性、軽量性等を考慮して設定される。
また、断熱制振構造体1,100のその他の部分の組成、成分、配合量、材質等、断熱制振構造体110,100の製造方法について、本実施の形態やその変形例に限定されるものではない。
さらに、本発明の実施の形態やその変形例で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
1,100 断熱制振構造体
10 袋体
20 制振拘束・低輻射層
21,23 低輻射層
22 制振拘束層
30 低熱伝導ガス層
40 制振固定材
50 隙間(空気層)
A 基板

Claims (5)

  1. 熱及び振動の侵入源となる基板に固定されるガスバリア性を有する袋体と、
    前記袋体の前記基板側に配設された振動を減衰して拘束させる制振拘束層及び輻射熱を抑制する低輻射層と、
    前記袋体の内部に空気より熱伝導率が小さい低熱伝導ガスが充填されて形成された低熱伝導ガス層と
    を具備することを特徴とする断熱制振構造体。
  2. 前記制振拘束層及び前記低輻射層が単一の層として一体に形成され、前記袋体の内面に密着されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱制振構造体。
  3. 前記袋体の前記基板側の外面に、粘弾性を有し前記基板に固定するための制振固定材が密着されていることを特徴とする請求項2に記載の断熱制振構造体。
  4. 前記制振拘束層は、前記袋体の前記基板側の外面に配設され、前記低輻射層が前記袋体の前記基板側の内面に配設され、さらに、前記制振拘束層の前記袋体側とは反対側に、粘弾性を有し前記基板に固定するための制振固定材が密着されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱制振構造体。
  5. 前記袋体には、さらに、前記基板側と対向する内面及び/または外面に輻射熱を抑制する低輻射層を配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の断熱制振構造体。
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