JP2016086623A - 積層鉄心組立て用の中心ジグ装置 - Google Patents

積層鉄心組立て用の中心ジグ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 円環状または分割されたセグメント状の単位素材を積層してなる固定子用の積層鉄心の組立て作業において、異なる内径サイズの単位素材の積層作業に使用可能であって、積層鉄心の完成後は、容易に抜き取ることができる積層鉄心組立て用の中心ジグ装置を提供する。
【解決手段】 直立状態で設置するマンドレルK1に、放射状に配置された多数本のスライドユニット20…からなる半径変換機構K2…を介して多数本の内爪レーK4…を半径方向に移動可能に取り付け、多数本の内爪レールK4…を積層対象とする単位素材W…の内周半径の位置に調節してロックし、次いで、多数本の内爪レールK4…によって単位素材W…の内周縁を多点で内接支持する態様で単位素W…材を積層して積層鉄心を形成し、積層鉄心の完成後、多数本の内爪レールK4…を中心側に移動させて積層鉄心を抜き取る。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種のモータや発電機において、コイルとの組合せによって磁界を形成するために用いられる積層鉄心の組立て用の中心ジグ装置に関する。
モータや発電機は、固定子磁界(界磁磁界)と回転子磁界との相互作用によって回転運動や起電力を発生する。すなわち電気エネルギーと機械的エネルギーとの変換器である。一部のモータに永久磁石が使用される場合を除き、モータ等における磁界の形成には鉄心とコイルの組合せによる電磁石が利用される。また、モータ等の性能は、小型で高出力であることによって高く評価される。小型で高出力のモータ等を実現するには、使用される電磁石の性能を極力高める必要がある。
電磁石の性能を高めるための一般的かつ有効な手段としてコイルに鉄心を組み合わせる方法が採用されている。この際の鉄心としては、モータ等の運動を阻害するいわゆる逆起電力を遮断する必要性に基づき、回転子用の鉄心についても固定子用の鉄心についても電磁鋼板の薄板を同一形状に打ち抜き加工してなる単位素材を多数枚積層して形成される積層鉄心が用いられる。しかし、このような冗長な構造の積層鉄心の組立て作業には、多くの時間と労力を必要とする。特に固定子用の積層鉄心の組立て作業は殊更に面倒かつ困難なものである。
ここで、回転子用の積層鉄心の組立て作業と固定子用の積層鉄心の組立て作業とがどのように相違し、なにゆえに固定子磁極用の積層鉄心の組立て作業が格別に困難かつ煩雑な問題を抱えるのかを説明する。これにより本発明が解決すべき技術的課題が明らかとなる。
回転子用の積層鉄心の組立て作業と固定子用の積層鉄心の組立て作業との相違は、回転子の形状と固定子の形状が相違することに起因して生じる。
モータ等は、通常、固定子の内側で回転子が回転する構造体であり、モータ等の出力は、回転子の回転軸から取り出される。また、磁気力を有効に活用するため固定子と回転子との間に無駄な空間があることは許されない。この結果、回転子は必然的に円形平面形状であり、固定子は必然的に環状の平面形状となる。したがって、コイルを装填するためのスロット溝を無視してとらえれば、回転子用の積層鉄心を形成するための単位素材の形状は円形であり、固定子用の積層鉄心を形成するための単位素材の形状は環状である。なお、大型のモータ等に用いる固定子用の単位素材は、材料鋼板から打つ抜く際の板取りの無駄を省く観点から、環状のものを等角度間隔に分割したセグメント状に打ち抜かれる。
回転子用の積層鉄心の組立て作業は、回転軸を位置決め部材として回転軸にに必要枚数の単位素材を順次に嵌め込むことによって各単位素材のセンターが一致することから、あとは、回転軸に対して単位素材を微回転させてスロット溝の位相を揃えるのみで済むので比較的簡単である。なお、各単位素材は、回転軸に対して圧入加工に近い加圧力を加えて嵌め付けられる。これは、各単位素材の中心精度を維持するためと、完成した積層鉄心と回転軸との間に滑りが生じないようにするためである。このような容易な組立て作業が可能であるのは、完成した積層鉄心から回転軸を抜き取る必要がないということと、スロット溝が単位素材の外周側に形成されているということが前提となっている。
一方、単位素材が、環状またはセグメント状であって、スロット溝が単位素材の内周側に形成されている固定子用の積層鉄心の組立て作業は、上記のように簡単ではない。固定子用の積層鉄心には、回転軸がないからである。そこで、固定子用の積層鉄心の組立て作業に際しては、各単位素材のセンター出しのために、回転子の組立て作業における回転軸に相当する中心ジグを用いる必要があるが、この中心ジグは、固定子用の積層鉄心の完成後に抜き取る必要がある。
モータ等が大型であっても磁気回路の磁力線が太くなる訳ではないので、積層鉄心に使用される電磁鋼板の厚みは一定である。この結果、大型のモータ等に使用される単位素材の積層枚数は数千枚に及ぶ場合がある。このような膨大な数の単位素材を中心ジグに遊びなく嵌め付ければ、積層鉄心完成後に中心ジグを抜き取ることができなくなることは想像に難くない。事実、容易には抜き取ることができないのである。
上記問題に対しては、従来、小型のモータ等の積層鉄心においては、専用のプーラを用いて強引に引き抜く方法が採られることもあるが、この方法には単位素材の変形の等の問題もあり、単位素材の積層枚数が多い大型のモータ等の積層鉄心においては、通常分割可能な中心ジグを用いることで対応している。中心ジグも分割方式はさまざまであるが、基本的な構造は、竹を幾つかに割って、原形を再現するように組み合わせたような構造であると例えることができる。このような構造の採用によって、積層鉄心完成後に中心ジグを分割断片化して取り出すことが可能である。しかし、この方法では、一個の積層鉄心の組立て作業ごとに1回、中心ジグの分解、組立て作業が必要とされ、このことが固定子用の積層鉄心の組立て作業効率を大きく阻害する結果となっている。
また、上記のような中心ジグは、言うまでもなく、特定のサイズの積層鉄心の組立て専用であり、サイズの異なる積層鉄心ごとに、それに対応する中心ジグを準備する必要がある。多様な分野の多様な用途に多様なサイズのモータが多用されている今日、積層鉄心のサイズが異なるごとに専用のジグを準備、備蓄しなければならないという事態は、時代錯誤の感も禁じ得ないのところである。しかし、必要とされる機械精度を保障する手段として必要な精度を超える精度要求がなされる本技術分野においては、組立て精度を悪化させる安易な汎用ジグは採用の余地がなく、専用サイズのジグに依存しているのが現状である。
セグメント状の単位素材が用いられる大型モータ等の積層鉄心の組立て作業に関しては、さらなる困難な問題が提出される。以下に、この問題を説明する。
先に回転子用の積層鉄心の組立て作業に関して記述したように、回転子用の積層鉄心においては、センタを決めてから後に回転軸に対して個々の単位素材を微回転させてスロット溝の位相を揃える2段階作業が必要に応じて可能である。しかし、セグメント状に分割された単位素材を使用しなけれぱならない大型の積層鉄心においては、このような作業は構造上不可能である。このことは、必然的に積層鉄心のセンタ位置とスロット溝の位相位置とを完全の揃えた状態で積層作業を進行させなければならないということを意味する。しかも、回転子の場合と異なり、スロット溝は、事後的には操作し難い単位素材の内周側に形成されているのである。
従来採用されている中心ジグのみでは、単位素材が環状の全形であるか、分割されたセグメント状であるかを問わず、上記単位素材のセンタとスロット溝の位相位置とを同時に位置決めすることはできない。そこで、従来は、単位素材の外周側に、積層した単位素材を締め上げて一体化するためのタイロッド挿通用の半円形のノッチが形成されていることを利用し、ノッチに丸棒材を押し付けることによって、間接的にスロット溝の位相を揃えていた。しかし、このような間接的な作業は、スロット溝とノッチとが一定の位置関係を維持していることが前提条件となるため、単位素材の打ち抜き作業時に、常に、両者の位置精度を監視する煩雑な作業項目を増加させる結果となっている。また、ノッチに丸棒材を押し付ける作業自体も、丸棒材の鉛直度や押付け圧を適正に確保する必要があるため専用の支持ジグを必要とした。つまり、ジグがジグを要するという煩雑な事態が生じている。
本発明が解決しようとする幾つかの課題を上記従来の中心ジグについて指摘した問題点との関係で要約すると以下のようである。
一つ目の課題は、従来の中心ジグは、分解しなければ積層作業が完了した積層鉄心から容易には抜き取ることができないという問題を解決することである。この問題を解決すれば、従来、一個の積層鉄心組立て作業ごとに必要とされた中心ジグの分解及び組立て作業を省略することができるので、大幅な作業効率の向上効果がもたらされるであろう。
二つ目の課題は、従来の中心ジグは、その中心ジグの外径に対応する内径の積層鉄心の組立て作業専用であり、サイズの異なる積層鉄心の組立て作業には用いることができないという問題を解決することである。この問題を組立て精度を犠牲にすることなく解決すれば、積層鉄心のサイズに対応した膨大なサイズ違いの中心ジグを備蓄する必要がなくなるので、中心ジグの備蓄コスト、管理コスト、備蓄スペースを不要とすることができることは無論、通常固定的である積層鉄心の所定の組立て作業位置との関係において、中心ジグの交換作業を不要とすることができるので、設備的なコスト面と作業効率の改善の二面からの有利性を享受することができるであるう。
三つ目の課題は、従来の中心ジグにおいては、それのみでは、積層対象である単位素材のセンタ位置とスロット溝の位相位置との双方を同時に位置決めさせることができないため、中心ジグの他にスロット溝の位相位置を位置決めするための補助的なジグを必要とし、ジグ全体としては複雑であって、しかも補助的なジグを使用してもスロット溝の位置決めは間接的なものにならざるを得ないという問題を解決することである。この問題を単位素材のセンタ位置とスロット溝の位相位置との双方を単一のジグによって同時にかつ直接的に位置決めできるように改善すれば、位置決め精度の向上と作業効率の向上効果とがともに実現されるであろう。
すなわち本発明は、少なくとも上記三つの解決課題を解決することによってもたらされるところの、単一のジグでありながら多様なサイズの積層鉄心の組立て作業に使用することができるとともに、組立て完了した積層鉄心から容易に抜き取ることが可能であり、かつ、単位素材のセンタ位置と位相位置とを同時に直接位置決めすることができる積層鉄心組立て用の中心ジグ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明は次のような解決手段を採用している。
(解決手段1)
本発明の積層鉄心組立て用の中心ジグ装置は、直立姿勢で設置される厚肉円筒形のマンドレルの高さ寸法を上下多段に分割する所定の高さ位置ごとに、そのマンドレルの肉厚を貫通する態様でマンドレルの中心から半径方向に向けて放射状に配置する多数本のスライドユニットからなる半径変換機構を組み込み、マンドレルの側方に各段の半径変換機構の上下に対応するスライドユニットの先端部を連結する態様でマンドレルの軸方向に沿って各段の半径変換機構を構成するスライドユニットの本数に対応する多数本の内爪レールを取り付けるとともに、マンドレルの中心孔の内部に複数の半径変換機構を同時に駆動する同期駆動機構を組み込んでなり、そして、電磁鋼板の薄板を内周側にスロット溝を有する円環状または分割された円環状に形成してなる単位素材を多数枚積層してモータ又は発電機のステータ用の積層鉄心を形成する作業において、マンドレルは、多数本の内爪レールを介して単位素材を中心側から内接支持するとともに、同期駆動機構及び半径変換機構を介して多数本の内爪レールを半径方向に同時に駆動することによって、その半径変換機構の作動範囲内において任意サイズの単位素材を内接支持可能としたことを特徴とする。
上記解決手段1は、周囲に積層される単位素材を内側から多点支持する本発明の中心ジグ装置の基本的な支持方式と、単位素材を積層して形成された積層鉄心内から中心ジグ装置を容易に抜き取ることができると主張する本発明の主張根拠となる基本構造を示している。なお、ワークである単位素材は、内周側にスロット溝を有する円環状または分割された円環状であることが前提とされる。
上記構成は、やや複雑であるが、大きな構成単位をなす主要部材は、マンドレルと、半径変換機構と、内爪レールと、同期駆動機構である。
マンドレルは、所定の直径とその直径に対して十分に長い軸方向長さを有する厚肉円筒形の筒状態であり、マンドレルは中心孔を有する。マンドレルは、本発明の中心ジグ装置の唯一の基本的な骨格部材であり、このマンドレルは、任意構造のベースを用いて直立姿勢に設置して用いられる。したがって、マンドレルの軸方向長さが設置されたマンドレルの高さとして表現される。
半径変換機構は、マンドレルの高さ寸法を上下多段に分割する所定の高さ位置ごとに設置される。したがって、半径変換機構は複数基であるが、何基必要かは、マンドレルの高さ寸法によって異なる。つまり、上下多段に設置される半径変換機構の設置間隔を余り広げたくないという事情があるため、マンドレルの高さに従って半径変換機構を増設する手段が採用されるということである。
各半径変換機構は、マンドレルの中心から半径方向に向けて放射状に配置された多数本のスライドユニットからなる。スライドユニットとは、ガイド部材に運動方向を規制されながら往復直線運動をすることができる単位装置であり、伸縮機構と表現しても不適切ではない機能を有する。多数本のスライドユニットは、全て同一の装置であり、マンドレルのある高さ位置ごとに同一の平面状に等角度間隔で配置されている。各スライドユニットは、マンドレルの肉厚を貫通する態様でマンドレルに設置され、全体としての態様は、マンドレルという幹から、スライドユニットの枝が突出した樹状態様であると言えば、イメージ的には当たっているであろう。
ここで、各段の半径変換機構を構成するスライドユニットについて多数本とは、4本以上のことをいう。本発明の構成上、本数の上限は定める必要がないのであるが、上限が要求される場合には、18本以下と限定してもよい。本数の下限値は、環状の単位素材が2個のセグメント状に分割されたとして、各セグメントについて最低2本のスライドユニットが必要であるという理由に基づく。また、上限値は、環状の単位素材が6個のセグメント状に分割された場合に、各セグメントについて3本のスライドユニットを用いることができるという理由に基づくものである。つまり、本発明では、1個の環状の単位素材が6セグメント以上に分割される事態は想定していない。6セグメント以上に分割しても板取り上の有利性はさほど増大しないからである。
内爪レールは、各段の半径変換機構のスライドユニットの作動端に取り付けられて積層される単位素材の内周縁に直接に当接するレール状の位置決め部材である。内爪レールは、各段のスライドユニットの本数と同数の多数本用いられ、上下に対応するスライドユニットの先端を連結する態様で設置される。この結果、多数本の内爪レールは、マンドレルの側方にマンドレルの軸方向に沿って位置する。
同期駆動機構は、上下多段に位置する複数の半径変換機構を同期駆動する機械機構であり、同期方法には機械的同期方法の他、電気的同期方法が含まれる。同期駆動機構は、マンドレルの中心孔の内部に組み込まれるのであるが、例えば、同期駆動機構用の駆動モータが中心孔の外部に設置されるような場合を除外する趣旨ではない。なお、同期駆動機構が半径変換機構を同時に駆動するとは、実質的には半径変換機構を構成する多数本のスライドユニットを駆動するという意味であり、したがって、全ての半径変換機構の全てのスライドユニットを同時に駆動するという意味である。
上記構成による本発明の中心ジグ装置は、環状の単位素材またはセグメント状に分割された単位素材を環状に並べた単位素材を積層する積層鉄心の組立て作業に当たり、多数本の内爪レールを介して単位素材を中心側から多点で内接支持するようにして使用される。すなわち、多数本の内爪レールは、半径変換機構を介して特定寸法の単位素材の内径に一致する円上に位置するように調節されて使用される。また、異なる半径の単位素材の組立てに際しては、半径変換機構を介して多数本の内爪レールをその単位素材の内径に一致する円上に位置するように調節して使用される。さらに、所定枚数の単位素材を積層して積層鉄心が完成した後には、半径変換機構を介して多数本の内爪レールを中心側に駆動することによって、いとも簡単に積層鉄心から、または積層鉄心を抜き取ることができる。
(解決手段2)
本発明の積層鉄心組立て用の中心ジグ装置は、上記解決手段1に記載の中心ジグ装置を基本発明として、その内爪レールが、単位素材の内周縁に当接するセンタ位置決めレールと、スロット溝内に突出してスロット溝の位相位置を決定する位相位置決めレールとの組合せからなり、単位素材のセンタ位置とスロット溝の位相位置を同時に位置決めすることを特徴とする。
上記解決手段2は、積層鉄心の組立て作業において格別に有利な機能を発揮することができる内爪レールの構造例を示している。特に有利な内爪レールは、単位素材の内周縁に当接するセンタ位置決めレールと、スロット溝内に突出してスロット溝の位相位置を決定する位相位置決めレールとの2種類の位置決めレールの複合レールである。
すなわち、単位素材の内周縁がある物体に当接すれば、単位素材のセンタ位置が決定されるが、単位素材はその内周縁の位置を維持しながら周方向に移動することができるため、スロット溝の位置は定まらない。一方、スロット溝内にスロット溝の幅相当の突出物が存在すれば、スロット溝の位相位置は定まるが、単位素材のセンタ位置が定まるとは限らない。そこで、センタ位置決め専用の内爪レールとスロット溝の位相位置決め専用の2種類の位置決めレールを組み合わせて単位素材のセンタ位置とスロット溝の位相位置を同時に位置決めするというのが本発明の趣旨である。
(解決手段3)
本発明の積層鉄心組立て用の中心ジグ装置は、上記解決手段2に記載の発明を基本発明として、その内爪レールを構成する位相位置決めレールが、スロット溝に向かって先細りのテーパ断面形状に形成されるとともに、センタ位置決めレールに進退自在に組み付けられ、センタ位置決めレールからの進退動作によって、同一内径でスロット溝の幅が異なる単位素材の位相位置決めに適応することができることを特徴とする。
上記解決手段3は、内径が同一であってもスロット溝の幅が異なる場合が少なくないという現実に対し、センタ位置決めレールに対して位相位置決めレールを可動的に組み合せるとともに、位相位置決めレールの断面形状を工夫することによって、同一内径でスロット溝の幅が異なる単位素材においても、センタ位置決め機能と位相位置決め機能とを同時に発揮することができるようにした内爪レールの構成を示している。
すなわち、上記内爪レールにおける位相位置決めレールの断面形状は、先細りテーパ状であって、しかも、センタ位置決めレールから進退動作可能である。そこで、センタ位置決めレールが単位素材に内周縁に当接して単位素材のセンタ位置が決定された後も、位相位置決めレールはセンタ位置決めレールとは別にスロット溝内に突出する向きまたは退出する向きに移動することができる。テーパ形状の位相位置決めレールがスロット溝内に進出動作すれば、単位素材の位相位置は、スロット溝の幅と位相位置決めレールの幅が一致した時点で決定される。この結果、単位素材が同一内径であってスロット溝の幅が異なる場合においても、単位素材のセンタ位置とスロット溝の位相位置とを同時に位置決めすることができるのである。
本発明の積層鉄心組立て用の中心ジグ装置は、本発明の課題欄で記述したところの三つの課題、つまり、積層作業が完了した積層鉄心から中心ジグ装置を、または中心ジグ装置から積層鉄心を容易には抜き取ることができるようにするという課題、単一の中心ジグ装置よって異なるサイズの単位素材の積層作業に使用できるようにするという課題、及び、単位素材のセンタ位置決めと位相位置決めとを同時に実施できるようにするという課題に対して、解決手段欄に記述したところの、放射状に配置した多数本のスライドユニットからなる半径変換機構を介して可動的に支持された多数本の内爪レールによって単位素材を多点で内接支持するという基本手段および、内爪レールをセンタ位置決めレールと位相位置決めレールとの組合せによって構成するという応用的手段の採用によってこれらの課題を解決したことにより、ジグと完成した積層鉄心の分離作業の煩雑性を解消するとともに、単位素材のサイズごとに専用サイズのジグを備蓄する膨大な無駄を省き、さらに、センタ位置決め作業と位相位置決め作業とを個別に行うことを要しないので、積層鉄心組立て作業における作業効率の大幅な向上と、膨大なジグ備蓄関連コストの省略効果がもたらされた。
本発明の中心ジグ装置の実施の形態を示す縦断面図である。 上記中心ジグ装置の横断面図である。 上記中心ジグ装置の要部の拡大横断面図である。
以下、図面を引用しながら本発明の積層鉄心組立て用の中心ジグ装置の実施の形態例を説明する。
中心ジグ装置M10において、その大きな構成単位をなす主要部材は、マンドレルK1と、半径変換機構K2と、同期駆動機構K3と、内爪レールK4である(図1,図2)。なお、使用状態における中心ジグ装置M10の周囲には、積層作業が完了した単位素材W…に対して、加圧工程及び加圧後タイロッドによって締結し、一個の積層鉄心として一体化するための加圧用当て板B,B及び積層鉄心の上下の端面板W1,W1が準備されている。また、ワークである単位素材Wは、内周側に放射状に配置されたスロット溝S…を有する円環状または分割された円環状であることが前提とされる(図2)。
マンドレルK1は、直径に対して十分に長い軸方向長さを有する厚肉円筒形の筒状態であり、大口径の中心孔10を有する。マンドレルK1は、本発明の中心ジグ装置M10の基本的な骨格部材であり、このマンドレルK1は、強固なベース台BBを用いて直立姿勢に設置して用いられる(図1)。したがって、マンドレルの軸方向長さが設置されたマンドレルK1の高さを構成する。なお、参考のために本実施の形態に示すマンドレルK1の設計図上の寸法を示すと、外径560ミリメートル、有効高さ3600ミリメートル、全高4200ミリメートルである。
半径変換機構K2は、マンドレルK1の高さ寸法を上下多段に分割する所定の高さ位置ごとに5組み5段に設置される(図1)。半径変換機構K2が何組必要とされるかは、マンドレルK1の高さ寸法によって異なる。これは、複数組の半径変換機構K2…によって支持される内爪レールK4の曲げ剛性との兼ね合いで、半径変換機構K2の設置間隔を余り広げたくないという事情があるためである。
各半径変換機構K2は、マンドレルK1の中心から半径方向に向けて放射状に配置された多数本のスライドユニット20…からなる。つまり、半径変換機構K2とは、1個の目的を達成するように協働する多数本のスライドユニット20…の全体呼称である。本実施の形態では、各段に、6分割のセグメント状の単位素材S…にまで対応可能な12本組の半径変換機構K2が採用されている(図2)。
各スライドユニット20は、ガイド部材としての摺動メタル21と、摺動メタル21によって運動方向を規制されながら往復直線運動をすることができる摺動ロッド22との組合せからなる(図3)。12本の本のスライドユニット20…は、全て同一の装置であり、マンドレルK1を横断する同一の平面状に等角度間隔で配置されている。各スライドユニット20は、マンドレルK1の肉厚を貫通する態様でマンドレルK1に組み込まれている(図2)。
内爪レールK4は、各段の半径変換機構K2のスライドユニット20の摺動ロッド22の先端に取り付けられて、積層される単位素材W…の内周縁に直接に当接するレール状の位置決め部材である。内爪レールK4は、各段の半径変換機構K2のスライドユニット20の本数と同数の多数本用いられ、上下に対応するスライドユニット20の先端を連結する態様で設置される。この結果、12本の内爪レールK4…は、マンドレルK1の側方にマンドレルK1の軸方向に沿ってマンドレルK1を取り囲む態様で位置する(図1,図2)。
各内爪レールK4は、単位素材Wの内周縁に当接するセンタ位置決めレール45と、スロット溝S内に突出してスロット溝Sの位相位置を決定する位相位置決めレール46との組合せからなる(図3)。センタ位置決めレール45は、微調節ネジN1を介して各スライドユニット20の摺動ロッド22の先端部に固定され、位相位置決めレール46は、センタ位置決めレール45の幅中央位置に形成された嵌合溝内に半ば埋め込む態様でロックネジN2,N2を介して固定されている。
なお、位相位置決めレール46は、その先端部が、スロット溝Sに向かって先細りのテーパ断面形状に形成されている。センタ位置決めレール45と位相位置決めレール46との相対位置関係は、ロックネジN2,N2を緩めて位相位置決めレール46を進退動作させた上で固定することによって、調節することができる。なお、位相位置決めレール46の先端部は、いかなる場合にもセンタ位置決めレール45から外側に突出するように調節される。
マンドレルK1の中心孔10には、半径変換機構K2を駆動するための同期駆動機構K3が装置されている。同期駆動機構K3は、上下多段に位置する全ての半径変換機構K2…の全てのスライドユニット20…を同時に等量駆動する機械機構である。
本実施の形態における同期駆動機構K3には、各段の半径変換機構K2に対応する複数のコーンカム31…を連結棒32…を介して上下方向に一列に連結し、これを昇降機構33で昇降駆動する方式が採用されている(図1)。放射状に配置された各段の半径変換機構K2のスライドユニット20…の内部側の末端は、それぞれ対応するコーンカム31…の外周に当接し、カムフォロアとして機能する。
以上のような構成は、全体として次のような有益な作用をもたらすことができる。
同期駆動機構K3は、全てのコーンカム31…を同時に上下動させることができる。コーンカム31…が上下動すれば、全ての半径変換機構K2…が同期して駆動される。例えば、各半径変換機構K2の全てのスライドユニット20の摺動ロッド22が押し出される向きに駆動される場合には、摺動ロッド22によって支持された多数の内爪レールK4…を結ぶ仮想円の半径は拡大する。逆に、全てのスライドユニット20…の摺動ロッド22が後退する向きに駆動される場合には、多数の内爪レールK4…を結ぶ仮想円の半径は縮小する。また、この間の内爪レールK4の動作は、スライドユニット20…の摺動ロッド22の動作範囲内において無段階である。なお、図1及び図2は、摺動ロッド22…がほぼ最大限にまで押し出された状態を図示している。
上記のような動作は、中心部を有しない形状の単位素材W…を積層して固定子用の積層鉄心を形成する際の中心柱として、多数本の内爪レールK4を介して単位素材W…を多点で内接支持することを特徴とする本発明の中心ジグ装置M10においては、サイズ違いの単位素材W…に無段階で適合することができることを意味すると同時に、単位素材W…の積層作業完了後は、内爪レールK4を後退させることによって、単位素材W…に無理な力を加えることなくいとも簡単に中心ジグ装置M10を抜き取ることができることを意味している。
また、単位素材W…の位置決め機能に関しては、内爪レールK4を単位素材Wの内周縁に当接するセンタ位置決めレール45と、スロット溝S内に突出してスロット溝Sの位相位置を決定する位相位置決めレール46との2種類を組み合わせた構成とすることにより、単位Wのセンタ位置とスロット溝Sの位相位置を同時に位置決めするという極めて有利な機能を享受することができる(図3)。さらに、センタ位置決めレール45に対して位相位置決めレール46進退調節可能置することにより、単位素材Wが同一内径であってスロット溝Sの幅が異なる場合においても、単位素材Wのセンタ位置とスロット溝Sの位相位置とを同時に位置決めすることができる。
なお、上記実施の形態においては、半径変換機構K2用の同期駆動機構K3として、コーンカム31…とカムフォロアとして機能する摺動ロッド22による例を挙げているが、同期駆動機構K3として活用可能な機構はこれに限られない。例えば、ベベルギヤとこれに噛合する多数個のベベルピニオンとベベルピニオンによって駆動する送りねじ機構の組合せや、スクロールギヤとこれに噛合する多数個のスクロールラックギヤとスクロールラックギヤによって半径方向に駆動されるアーム組合せ、さらに、既製品であれば高度な精密メカニズムが安価に入手可能な今日においては、半径変換機構K2用のスライドユニット20としてリニアモータによる直線送り機構を採用することもできる。このように同期駆動機構K3としての選択肢が多いのは、半径変換機構K2は、実用上、仮想円の半径調節後には完全にロックして使用されるものであり、したがって、同期駆動機構K3自体には、大きな停止位置保持力や駆動力は要求されないためである。
M10 中心ジグ装置
W 単位素材
S スロット溝
K1 マンドレル
K2 半径変換機構
K3 同期駆動機構
K4 内爪レール
10 中心孔
20 スライドユニット
45 センタ位置決めレール
46 位相位置決めレール
本発明の中心ジグ装置の実施の形態を示す縦断面図である。 上記中心ジグ装置の横断面図である。 上記中心ジグ装置の要部の拡大横断面図である。
各スライドユニット20は、ガイド部材としての摺動メタル21と、摺動メタル21によって運動方向を規制されながら往復直線運動をすることができる摺動ロッド22との組合せからなる(図3)。12本のスライドユニット20…は、全て同一の装置であり、マンドレルK1を横断する同一の平面状に等角度間隔で配置されている。各スライドユニット20は、マンドレルK1の肉厚を貫通する態様でマンドレルK1に組み込まれている(図2)。

Claims (3)

  1. 直立姿勢で設置される厚肉円筒形のマンドレルの高さ寸法を上下多段に分割する所定の高さ位置ごとに、該マンドレルの肉厚を貫通する態様で該マンドレルの中心から半径方向に向けて放射状に配置する多数本のスライドユニットからなる半径変換機構を組み込み、前記マンドレルの側方に前記各段の半径変換機構の上下に対応する前記スライドユニットの先端部を連結する態様で前記マンドレルの軸方向に沿って前記各段の半径変換機構を構成するスライドユニットの本数に対応する多数本の内爪レールを取り付けるとともに、前記マンドレルの中心孔の内部に前記複数の半径変換機構を同時に駆動する同期駆動機構を組み込んでなり、
    電磁鋼板の薄板を内周側にスロット溝を有する円環状または分割された円環状に形成してなる単位素材を多数枚積層してモータ又は発電機のステータ用の積層鉄心を形成する作業において、
    前記マンドレルは、前記多数本の内爪レールを介して単位素材を中心側から内接支持するとともに、前記同期駆動機構及び前記半径変換機構を介して前記多数本の内爪レールを半径方向に同時に駆動することによって、前記半径変換機構の作動範囲内において任意サイズの単位素材を内接支持可能としたことを特徴とする積層鉄心組立て用の中心ジグ装置。
  2. 前記内爪レールは、単位素材の内周縁に当接するセンタ位置決めレールと、スロット溝内に突出してスロット溝の位相位置を決定する位相位置決めレールとの組合せからなり、単位素材のセンタ位置とスロット溝の位相位置を同時に位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の積層鉄心組立て用の中心ジグ装置。
  3. 前記位相位置決めレールは、スロット溝に向かって先細りのテーパ断面形状に形成されるとともに、前記センタ位置決めレールに進退自在に組み付けられ、前記センタ位置決めレールからの進退動作によって、同一の内径であってスロット溝の幅が異なる単位素材の位相位置決めに適応することができることを特徴とする請求項2に記載の積層鉄心組立て用の中心ジグ装置。
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