JP2016086494A - 車載用dcdcコンバータ - Google Patents
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Abstract
Description
また、電流のリターン経路である金属筐体に対しては、同じく金属基板上に一端がハンダ付け実装されたバスバーの他端が、金属筐体にネジ締結することで電気的に接続されている。この構成では、トランスの二次巻線と整流部の接続を金属基板へのはんだ付けとすることで小型化し、部品点数および組み立て工数の低減を図っている。
また、表面実装部品をはんだ付けにて実装する場合にはリフロー炉を通す必要があり、生産ラインの大型化や生産効率の低下が発生する。また、整流素子に表面実装部品を使用せず、基板挿入部品を使用する場合でも、やはり二次巻線と整流素子の接続にプリント基板等の追加部材が必要となり、同様の問題が発生する。更に、基板挿入部品を使用する場合には、複数の整流素子に対して逐一位置決めが必要となるため組み立て性が低下するという問題も発生する。
また、直接接続により部品点数が削減され、低コスト化と組み立て性の向上を図ることができる。
以下、この発明の車載用DCDCコンバータを図に基づいて説明する。
車載用DCDCコンバータは、車載の高電圧バッテリから供給される高電圧を入力し、出力端子から車載補機系部品の電源電圧である12V系の電圧を出力するものである。
図1は、実施の形態1による車載用DCDCコンバータの回路構成図であり、図2は、図1に示す整流素子に用いる圧入ダイオードを示す断面図である。また、図3は、図1におけるトランスと整流素子の部分の実装構造を示す断面図であり、図4は図3の矢視A−Aから見た上面断面図である。
DCDCコンバータは、入力端子1より入力された高電圧の直流電力をスイッチングして交流電力に変換するインバータ回路10と、インバータ回路10が供給した電力を、一次と二次の巻線の巻数比に応じて電圧を変化させるトランス20と、トランス20の二次電圧を入力し全波整流して直流出力にする整流回路30と、整流回路30の出力電圧を平滑化する平滑回路部とを備えている。
インバータ回路10は、複数のスイッチング素子11で構成されている。
トランス20は、一次巻線21に対して、二次側は上側二次巻線22と下側二次巻線23を有しており、その中点がセンタータップ部24となっている。
整流素子31,32とトランス20の二次巻線との接続は、各整流素子31,32のカソード側が各二次巻線22,23のセンタータップ部24ではない端部側に接続されており、アノード側がグランド接地点3に接続されている。ここで、グランド接地点3は、DCDCコンバータの金属筐体106(図3参照)がその役割を担っている。トランス20のセンタータップ部24は、整流した交流電力を平滑化する平滑コイル41の一端に接続され、その他端側がDCDCコンバータの出力端子2に接続されている。
また、平滑コイル41の出力側とグランド接地点3の間には、整流回路30から出力されるリップル電圧波形を平滑する平滑コンデンサ42が設けられている。平滑コイル41と平滑コンデンサ42で平滑回路部が構成されている。
図2は、整流素子31,32に用いられる圧入ダイオード101の断面図である。
圧入ダイオード101は、半導体チップであるダイス102と、外周側がダイオードの取り付け時に圧入される部分となり、内側に形成した窪みにダイス102の一方の面が半田付けにより固定される圧入部103と、ダイス102の他方の面に半田付けされるピン104と、ピン104の機械的保持およびダイス102の保護のために窪みに充填される充填剤105とを有している。
本実施の形態の例では、圧入部103はアノード端子であり、ピン104はカソード端子である。
図3に示すように、DCDCコンバータは、全体が金属筐体106に取り付けられている。この金属筐体106に、トランス20のトランスコア25が固定されており、トランスコア25の内部には、上下方向の中央部に一次巻線21が配置され、それを挟んで上側二次巻線22と下側二次巻線23が配置されている。
また、金属筐体106には、DCDCコンバータの発熱を押さえるために、冷却水を通す冷却水路111が設けられている。
なお、図示を省略しているが、トランス20の左側にはスイッチング素子11が配置され、サブモジュール110の右側には平滑コイル41および平滑コンデンサ42が配置されている。
トランス20は、例えばE型コアが組み合わされて形成されるトランスコア25と、その中央脚に貫通して設けられるボビンに卷回された一次巻線21と、一次巻線21の上側に配置された上側二次巻線22と、下側に配置された下側二次巻線23とを有する。
一次巻線21の端部はボビンから延出されてインバータ回路10(図示せず)に接続される。上側二次巻線22と下側二次巻線23は対称形となっており、センタータップ部24が合わされ接続され、その先は平滑コイル41(図示せず)に接続される。
なお、図示は省略しているが、一次巻線21と各二次巻線22,23およびトランスコア25は、ボビンや樹脂部材またはプリント基板の絶縁層などによってそれぞれの位置関係と絶縁が保たれる構造となっている。
センタータップ部24に対し、上側二次巻線の片端22aは一方の圧入ダイオード101のピン104(カソード端子)に接続され、下側二次巻線の片端23aは他方の圧入ダイオード101のピン104(カソード端子)に接続されている。各接続部は、溶接またはプレスフィット構造により電気的,機械的に接続される。
また、圧入ダイオード101の圧入部103(アノード端子)側は、固定部材107およびねじ112を介して金属筐体106と電気的,機械的および熱的に接続されている。
整流素子である圧入ダイオード101を固定部材107の開孔部107aに圧入したサブモジュール110を金属筐体106にねじ112で接続し、圧入ダイオード101のカソード端子であるピン104をトランス20の各二次巻線22,23と溶接またはプレスフィット構造により直接接続することで、プリント基板や金属基板、バスバーなどの追加部材を用いることなく接続経路を最短とすることができる。これにより、各二次巻線22,23と整流素子である圧入ダイオード101との間の空間を最少にして小型化することが可能である。また、各二次巻線22,23と圧入ダイオード101の間の電気抵抗値が小さくなるため、低損失化することができる。
更に、固定部材107に設けた支柱108でトランス20の各二次巻線22,23の端部を支持することにより、圧入ダイオード101のピン104の周辺の耐震動性を高めるとともに、二次巻線の放熱性を高めることができる。この点は、実施の形態2でも同様である。
また、直接接続により部品点数が削減され、低コスト化と組み立て性の向上を図ることができる。
図5は、実施の形態2による車載用DCDCコンバータのトランスと整流素子の部分の実装構造を示す側面図である。回路構成図は実施の形態1の図1と同じである。また、整流素子には、実施の形態1と同様に圧入ダイオードを用いている。この図5は、実施の形態1の図3に対応するので、図3と同等部分は同一符号で示して説明は省略し、以下では相違点を中心に説明する。主な相違点は、サブモジュールの金属筐体への取り付け構造である。
図5に示すように、本実施の形態では、金属筐体113に凹部113aが形成されており、サブモジュール110は凹部113aに圧入状態で嵌合することで、金属筐体113へ固定されるとともに、電気的および熱的な接続がなされている。
また実施の形態1と同様に、トランス20の各二次巻線22,23の片端と圧入ダイオード101のカソードであるピン104の接続部は、溶接またはプレスフィット構造により電気的、機械的に接続され、トランス20のセンタータップ部24の先は、図示しない平滑コイル41に接続されている。
なお、冷却水路111は、左右方向に伸びるものを示しているが、図3と同様の方向に設けてもよい。
凹部113aの側面は、サブモジュール110の側面と金属筐体113との接触面となり、凹部113a底面は、サブモジュール110の底面と金属筐体113の接触面となっている。
ここで、サブモジュール110を形成する固定部材107の開孔部107aの表面硬度を圧入ダイオード101の圧入部103の表面硬度より小さくしている。また、凹部113aと嵌合する固定部材107の嵌合面の表面強度を凹部113aの表面硬度より小さくしている。
サブモジュール110を金属筐体113の凹部113aへ嵌合させる構造としたことにより、凹部113aの深さ分だけトランス20の一次巻線21および各二次巻線22,23の固定位置を低くすることが可能となる。これにより、トランス20の高さを低くすることが可能となり、DCDCコンバータを低重心化、小型化することができる。
また、サブモジュール110の圧入構造により、ねじを使用せずに固定することができるため、部品点数を削減して組み立て性を向上できる。
また、サブモジュール110の冷却性能の向上を目的として、サブモジュール110の底面と金属筐体113の凹部113aの底面との接触面に、グリスや放熱シート等を挟んだ構成にする場合でも、サブモジュール110の側面が凹部113aの側面に接触しているので、接触面を介してサブモジュール110と金属筐体113間の電気的接続を確保することが可能である。
圧入ダイオード101の圧入部103の変形を抑制する効果は失われるが、圧入部103の表面硬度を固定部材107の開孔部107aの表面硬度より小さくしてもよい。
更に、図5ではサブモジュール110を金属筐体113の凹部113aに圧入状態で嵌合させ固定しているが、その限りではない。例えば、更なる耐振動性強化が必要な場合には、サブモジュール110を金属筐体113の凹部113aに圧入し、更に金属筐体113にねじ止め等によって固定しても良い。
また、サブモジュールを金属筐体に圧入状態で嵌合することで、ねじを使用せずに固定することができるため、部品点数を削減して組み立て性を向上できる。
101 圧入ダイオード、102 ダイス、103 圧入部、104 ピン、105 充填剤、106 金属筐体、107 固定部材、107a 開孔部、108 支柱、109 絶縁部材、110 サブモジュール、110a 固定部、111 冷却水路、112 ねじ、113 金属筐体、113a 凹部。
また、直接接続により部品点数が削減され、低コスト化と組み立て性の向上を図ることができる。
また、直接接続により部品点数が削減され、低コスト化と組み立て性の向上を図ることができる。
Claims (4)
- スイッチング素子を有するインバータ回路と、
一次巻線と二次巻線を有し前記インバータ回路から前記一次巻線に供給された電力を前記二次巻線に伝達するトランスと、
前記二次巻線に伝達された電力を整流する整流素子を有する整流回路と、
前記整流回路からの出力を平滑化する平滑コイルおよび平滑コンデンサと、
前記スイッチング素子,前記トランス,前記整流素子,前記平滑コイルおよび平滑コンデンサを固定し、かつ、前記整流回路に流れる電流のリターン経路となる金属筐体と、を備えた車載用DCDCコンバータであって、
前記整流素子には、カソード端子であるピンとアノード端子である圧入部を有する圧入ダイオードが用いられ、
金属製の固定部材の開孔部に前記圧入ダイオードの前記圧入部が圧入されて一体に形成されたサブモジュールが、前記金属筐体に電気的および機械的に接続され、前記圧入ダイオードの前記ピンと前記トランスの前記二次巻線の端部とが直接接続されていることを特徴とする車載用DCDCコンバータ。 - 請求項1に記載の車載用DCDCコンバータにおいて、
前記金属筐体は、前記サブモジュールを嵌合するための凹部を有し、
前記サブモジュールは、前記金属筐体の前記凹部に嵌合されて、前記圧入ダイオードと前記金属筐体との電気的および機械的な接続がなされていることを特徴とする車載用DCDCコンバータ。 - 請求項2に記載の車載用DCDCコンバータにおいて、
前記サブモジュールを形成する前記固定部材の前記開孔部の表面硬度を前記圧入ダイオードの前記圧入部の表面硬度より小さくするとともに、前記凹部と嵌合する前記固定部材の嵌合面の表面強度を前記凹部の表面硬度より小さくしたことを特徴とする車載用DCDCコンバータ。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車載用DCDCコンバータにおいて、
前記トランスの前記二次巻線の端部は、前記サブモジュールの前記固定部材に設けた支柱に絶縁部材を介して支持されていることを特徴とする車載用DCDCコンバータ。
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