JP2016086135A - 超伝導集積回路 - Google Patents

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睦夫 日高
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Abstract

【課題】単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路において、磁束トラップの影響を大幅に削減でき、外来磁気ノイズに対する耐性の向上した構造を提供する。【解決手段】単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路において、回路平面上にある超伝導リングの一部を常伝導体で置換して、超伝導リングの断線された回路を有する構造とする。少なくとも超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値の積が単一磁束量子の値より大きくリング中に単一磁束量子を保持できる超伝導リングにおいて、少なくとも超伝導配線の直下を含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置換して、領域を領域外と超伝導的に分離する。グランドプレーンを下層常伝導層と上層超伝導層の二層として上層超伝導層が存在しない溝を形成する。【選択図】図4

Description

本発明は、単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路に関する。
近年、超伝導体の中でだけ存在する量子化された磁束の最小単位である単一磁束量子(Single Flux Quantum:SFQ)を情報媒体として用いるSFQ回路などの超伝導デジタル回路は、超高速かつ低消費電力デバイスであり、半導体を凌駕する電子デバイスとして期待されている。SFQ回路では、超伝導リング中にSFQが1個ある場合を論理”1”、1個もない場合を論理”0”として各種論理演算を行う。超伝導リング中へのSFQの出し入れは、超伝導リングに挿入されたジョセフソン接合のスイッチにより行う。
ジョセフソン接合素子は、基本構造として、超伝導体(下部超伝導体)/トンネルバリア(常伝導体又は絶縁体)/超伝導体(上部超伝導体)の3層構造からなる。ジョセフソン接合素子が集積した超伝導集積回路では、バイアス電流リターンパスの確保とインダクタンスを精密に制御するために、通常、基板の上に、超伝導グランドプレーンを設け、さらに絶縁層を設けて、その上に下部配線層、上部配線層、抵抗層、ジョセフソン素子などを形成している。
図8に、SFQ回路の一例としてシフトレジスタ回路の2ビット分を示す(本発明者等による非特許文献1参照)。図中、Rb1、・・・・Rb6は、それぞれバイアス抵抗を示し、L1、・・・・L8は、それぞれインダクタンスを示し、r1、・・・r8は、それぞれダンピング抵抗を示し、J1、・・・J8は、それぞれジョセフソン接合を示す。図示するように、回路中には、超伝導配線からなる「第1タイプの超伝導リング」、超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングでありかつ超伝導リングのインダクタンスLと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値Icの積がSFQの値Φ0より小さくリング中にSFQを保持できない「第2タイプの超伝導リング」(例:L2c(J1)<Φ0)と、超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングでありかつ超伝導リングのインダクタンスLと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値Icの積がSFQの値Φ0より大きくリング中にSFQを保持できる「第3タイプの超伝導リング」(例:L3c(J3)>Φ0)が含まれている。
先行技術を調査したところ次のような技術が知られている。
超伝導回路内に生じる磁束トラップを避けるために、外部磁場を遮蔽する超伝導磁気シールドを設ける手法がある。
また、SFQ回路内に生じる磁束トラップを防止するために、SFQ回路の構造を工夫して、磁場の影響されやすい素子の周辺部において、超伝導グランド面(超伝導グランドプレーンとも呼ぶ。)にモート(溝とも呼ぶ。)を開けて、モートに磁束トラップを集中させることで、中心部に配置された素子の直下のグランド面に磁束がトラップされにくくする手法がある(特許文献1、2参照)。
また、超伝導グランドプレーンを切り取り、超伝導回路が含まれる超伝導グランドプレーンの面積を磁気シールドを施した磁場環境における単一磁束量子以下にすることにより、磁束トラップを防止する手法が提案されている(特許文献1参照)。
また、超伝導グランドプレーン膜に貫通孔を開けることなく、超伝導グランドプレーン膜の膜厚方向の一部に、非超伝導領域(凹部、組成変化、ドープ剤の拡散、イオン照射、異材料の充填等による)を形成することにより、磁束トラップ効果を奏する手法が報告されている(特許文献2参照)。
また、大規模な回路において、SFQを用いた論理回路を複数有する回路ブロック間を抵抗接続する手法が報告されている(特許文献3参照)。
また、大規模な回路において、SFQを用いた論理回路を複数有する回路ブロック周辺の超伝導グランドプレーンを切り取り、回路ブロックを周辺の超伝導グランドプレーンから分離する手法が紹介されている(特許文献4参照)。
特開平8−255937号公報 特開2004−72023号公報 特開2007−104332号公報 特開2013−58705号公報
S.Nagasawa他,"New Nb multi−layer Fabrication Process for Large−Scale SFQ Circuits," Physica C,vol.469,pp.1578−1584,2009.
従来、SFQ回路に限らず全ての超伝導回路では、超伝導転移温度以下に冷却する際に希望しない磁束が保持(トラップ)され、その磁束が作る磁場や電流が回路動作に悪影響を与える磁束トラップと呼ばれる現象が知られている。図1は、磁束トラップの影響を説明する模式図である。図1では、超伝導グランドプレーン1上に、超伝導配線(図示ではコの字状)3と、超伝導配線の両端に、下部超伝導配線とジョセフソン接合7と超伝導グランドプレーンへのコンタクト8とが設けられている。図1の左図は、磁束トラップが超伝導配線のコの字の内側にある場合、右図は、磁束トラップがコの字外側にある場合を示す。図1に示すように、SFQ回路では、XY平面(回路平面(紙面))にトラップされた磁束により超伝導配線と超伝導グランドプレーンが作る超伝導リングに循環電流が流れる。図中の矢印は、トラップされた磁束が作る循環電流の流れを模式的に示している。この循環電流はジョセフソン接合を通って流れるため、実効的にジョセフソン接合のIを減少させ、SFQ回路動作の妨げとなる(図1参照)。
磁束トラップを排除するために、超伝導回路を高価な磁気シールドの中に入れ、磁場をできるだけ小さくした状態で超伝導転移温度以下に冷却する手法が一般に用いられている。しかし、この方法は完全ではなく、磁束トラップの影響が残ってしまうことが問題であった。特に、回路規模の大きなSFQ回路では、トラップする箇所が多いため、深刻な問題であった。さらに、SFQ回路中にある多くの超伝導リングは、外来磁気ノイズによって超伝導体の反磁性効果による遮蔽電流が誘起されるため、SFQ回路は外来磁気ノイズに弱いという問題点もあった。
特許文献1では、モートを設けてそこに磁束トラップを意図的に誘導することにより、超伝導回路への磁束トラップ低減を図っている。しかし、この方法で一定の効果は得られるが、全ての磁束をモートにトラップできるわけではないため大規模超伝導集積回路を動作させるには十分でなく、さらに、磁束トラップの影響を除去するさらに効果が高い方法が望まれる。
特許文献2では、超伝導グランドプレーン膜の膜厚方向の一部に、非超伝導領域を設けることによりモートと同様の効果を期待しているが、グランドプレーンによる超伝導接続が途切れるわけではないため、効果は限定的であった。
特許文献3では、抵抗接続される回路ブロックはジョセフソン接合の総接合数が5000程度であり、各回路ブロックは超伝導ループを複数有すると共にブロック内の電流は超伝導電流であり、回路ブロック間は超伝導電流を分断して接続されている。しかし、個々の超伝導ループの超伝導を切断するわけではないので、磁束トラップに対する効果は期待できない。さらに、磁束トラップに対する効果が高い手法が望まれる。
特許文献4では、回路ブロックの超伝導グランドプレーンを周辺から分離している。しかし、個々の超伝導ループを分離しているわけではないので、磁束トラップに対する効果は期待できない。
本発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路において、磁束トラップが作る循環電流の流れがジョセフソン接合に影響を与えない構造を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有する。
本発明の超伝導集積回路は、単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、回路平面上にある超伝導リングの一部を常伝導体で置換した、超伝導リングの断線された回路を有することを特徴とする。
本発明の超伝導集積回路は、単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、超伝導配線だけで超伝導リングを構成する超伝導リングにおいて、前記超伝導配線の一部を常伝導体で置換した、超伝導リングの断線された回路を有することを特徴とする。
本発明の超伝導集積回路は、単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、超伝導グランドプレーンと、前記超伝導グランドプレーンと別層に配置された超伝導配線とジョセフソン接合と超伝導グランドプレーンへのコンタクトを備え、少なくとも前記超伝導配線と前記超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値の積が単一磁束量子の値より小さくリング中に単一磁束量子を保持できない超伝導リングにおいて、前記超伝導配線の一部を常伝導体で置換した、超伝導リングの断線された回路を有することを特徴とする。
本発明の超伝導集積回路は、単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、超伝導グランドプレーンと、前記超伝導グランドプレーンと別層に配置された超伝導配線とジョセフソン接合と超伝導グランドプレーンへのコンタクトを備え、少なくとも前記超伝導配線と前記超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値の積が単一磁束量子の値より小さくリング中に単一磁束量子を保持できない超伝導リングにおいて、少なくとも前記コンタクトを含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置換することにより、前記領域を領域外と超伝導的に分離することを特徴とする。
本発明の超伝導集積回路は、単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、超伝導グランドプレーンと、前記超伝導グランドプレーンと別層に配置された超伝導配線とジョセフソン接合と超伝導グランドプレーンへのコンタクトを備え、少なくとも前記超伝導配線と前記超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値の積が単一磁束量子の値より大きくリング中に単一磁束量子を保持できる超伝導リングにおいて、少なくとも前記超伝導配線の直下を含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置換することにより、前記領域を領域外と超伝導的に分離することを特徴とする。
本発明の超伝導集積回路は、単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、少なくとも超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングが複数個連結された構造において、少なくとも前記超伝導配線の直下を含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で構成することにより、前記領域を領域外と超伝導的に分離することを特徴とする。また、少なくとも前記超伝導配線と前記超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングが複数個連結された構造において、前記連結部分の超伝導配線の一部を常伝導体で構成することにより超伝導が途切れ超伝導リングが消失する領域で、前記グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で構成する構造を閉じることを特徴とする。
本発明の超伝導集積回路は、前記グランドプレーンを下層常伝導層と上層超伝導層の二層とし、上層超伝導層が存在せずかつ下層常伝導層により電気的導通が取れた溝が形成されたグランドプレーンを有することを特徴とする。
本発明によれば、SFQ回路において圧倒的に高い確率で発生する回路平面上の磁束トラップの影響を大幅に削減することができるので、SFQ回路の信頼性が飛躍的に向上する。また、外来磁気ノイズに対するSFQ回路の耐性を大幅に向上することができる。本発明では、高価な磁気シールドが不要である。
本発明のように、超伝導配線から構成される超伝導リングの一部を常伝導体で置き換えた構造により、超伝導リングは超伝導リングでなくなるため、磁束トラップや外部磁場の影響を除外できる。
本発明のように、グランドコンタクトを囲むように、超伝導グランドプレーンを一部除去して、常伝導グランドプレーンで電気的導通を確保しつつ超伝導体で接続されない溝を配置するので、磁束トラップや外来磁気ノイズによる超伝導電流がジョセフソン接合に流れ込むことが無くなり、回路平面への磁束トラップや外来磁気ノイズの影響が排除されたSFQ回路が構成できる。
本発明のように、少なくとも超伝導配線を囲む領域のグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造にすることにより、溝で囲まれた領域の外側のグランドプレーンにトラップされた磁束が作る超伝導電流がジョセフソン接合を流れる経路が存在しなくなり、磁束トラップによるSFQ回路への影響を大幅に低減できる。一方、SFQが保持される超伝導ループは影響を受けないことから、SFQ回路の動作が阻害されることはない。
本発明のように、ジョセフソン接合とグランドコンタクトを含む全ての超伝導配線を、グランドプレーンに設けた超伝導グランドプレーンを除去して常伝導グランドプレーンで電気的導通を確保した溝で囲っている構造とすることにより、SFQが伝搬する経路に一切抵抗体が入らない構造とすることができるため、磁束トラップや外来磁気ノイズの影響を軽減しつつ、SFQ回路をより安定して動作させることが可能となる。
本発明のように、超伝導配線の一部を常伝導体配線で置き換えた構造とすることにより、SFQを伝搬する経路の超伝導配線が途切れ超伝導リングが消失する領域でグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置換する構造を閉じることができ、回路をブロックに分けて設計できるなど設計上の利便性が向上する。
本発明のように、グランドプレーンを下層常伝導層と上層超伝導層の二層とし、上層超伝導層が存在せずかつ下層常伝導層により電気的導通が取れた溝を形成することにより、前記グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造が容易に構成でき、かつ前記グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造の構造的、電気的な影響を最小化できる。
磁束トラップの影響を説明する模式図である。左図は磁束トラップが超伝導配線のコの字の内側にある場合、右図は磁束トラップがコの字外側にある場合を示す。 第1の実施の形態の、超伝導配線を常伝導体で置き換えた構造を模式的に示す図である。上段は、SFQ回路の一例、下段は、上段のA−A’断面図を示す模式図である。 第2の実施の形態の、超伝導コンタクトを囲む領域のグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造を模式的に示す図である。上段は、第2タイプの超伝導リングの例、下段は、上段のA−A’断面図を示す模式図である。 第3の実施の形態の、少なくとも超伝導配線を囲む領域のグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造を模式的に示した図である。上段は、第3のタイプの超伝導リングの例、下段は、上段のA−A’断面図を示す模式図である。 第3の実施の形態の、超伝導配線と超伝導グランドプレーンが作る超伝導リングを説明するための図である。 第4の実施の形態の、グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造を模式的に示す図である。上段は、第2タイプや第3のタイプの超伝導リングが複数個連結された例で、下段は上段のA−A’断面図を示す模式図である。 第5の実施の形態の、SFQを伝搬する経路の超伝導配線の一部に常伝導体配線を用いた配線構造を模式的に示した図である。上段は、第2タイプや第3のタイプの超伝導リングが複数個連結された例で、下段は、上段のA−A’断面図を示す模式図である。 従来のSFQ回路を説明する図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本発明では、単一磁束量子を複数備える超伝導集積回路において、従来は超伝導リングであったが超伝導リングである必要のない超伝導リングの超伝導体に、断線部分や溝を設けて、常伝導体で置き換える。超伝導体としては、超伝導配線や超伝導グランドプレーンが挙げられ、超伝導配線に断線部分を設けて常伝導体で置き換えたり、超伝導グランドプレーンに、ジョセフソン接合及びグランドコンタクトの周囲を取り囲む溝部、又は超伝導配線の真下(直下)のグランドプレーンを取り囲む溝部を設けて常伝導体で置き換えたりする。ここで、置き換えるとは、超伝導体を取り除いた箇所に常伝導体を形成することや、超伝導体を除去した箇所には絶縁物などを形成し常伝導体を超伝導体に接する構造で形成することや、超伝導体に接する層として常伝導体からなる層を設けておき超伝導体を一部除去することを含み、超伝導体による超伝導的接続に代えて常伝導体による電気的接続をとることを含む。
本発明では、単一磁束量子が保持される必要のない一部又は全部の超伝導リングにおいて、電気的導通がとれた状態で超伝導を断線する(第1、2の実施の形態参照)。また、本発明では、単一磁束量子が保持される超伝導リングにおいては、電気的導通がとれた状態で、超伝導リングを囲むグランドプレーンの超伝導体に欠如部を設け、超伝導リングの領域と領域外とを超伝導的に分離する(第3、4の実施の形態参照)。
本発明では、SFQ回路においてXY平面上にある一部あるいは全部の超伝導リングの一部を常伝導体で置換し、XY平面上にある超伝導リングの数を減じた。
本発明では、超伝導配線だけで超伝導リングを構成する超伝導リングにおいて、超伝導配線の一部を常伝導体で置き換えた。
本発明では、超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスLと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値Icの積がSFQの値Φ0より小さくリング中にSFQを保持できない超伝導リングにおいて、超伝導配線の一部を常伝導体で置き換えた。また、リング中にSFQを保持できない超伝導リングにおいて、超伝導配線と超伝導グランドプレーン間の超伝導コンタクトを行うコンタクトホールを含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた。
本発明では、超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスLと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値Icの積が、SFQの値Φ0より大きくリング中にSFQを保持できる超伝導リングにおいて、少なくとも超伝導配線を囲む領域のグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた。
本発明では、超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングが複数個連結された構造において、少なくとも超伝導配線を囲む領域のグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えたまた、SFQを伝搬する経路の超伝導配線が途切れ超伝導リングが消失する領域でグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置換する構造を閉じた。ここで「超伝導リングが消失する領域」とは前記常伝導体で置き換えた部分の両端のジョセフソン接合の間の領域をいう。
グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造を実現するために、グランドプレーンを下層常伝導層と上層超伝導層の二層とし、一部の上層超伝導層を除去することにより、超伝導体が存在せずかつ電気的導通が取れた溝が形成されたグランドプレーンを設けることができる。
グランドプレーンとは、超伝導集積回路のほぼ全面に設けられ、ここにコンタクトを取ることにより接地機能を有する面のことをいう。
(第1の実施の形態)
本発明の実施の形態を図2を参照して説明する。本実施の形態は、超伝導リングが超伝導配線のみで構成される第1のタイプの超伝導リングの一部を常伝導体で置き換えた構造に関する。図2は、本実施の形態の、超伝導配線を常伝導体で置き換えた構造を模式的に示した図である。図2の上段は、図8のSFQ回路の一例としてのシフトレジスタ回路の2ビット分に対応し、点線で囲った回路は、第1タイプの超伝導リングに対応する。下段は、上段のA−A’断面図を模式的に示したものであり、上段のクロック入力の超伝導配線の一部を、常伝導配線を置き換えた具体的構造を示したものである。図中、黒い太線で、常伝導体で置き換えた位置を示す。具体的構造は、超伝導グランドプレーン11/絶縁膜12/超伝導配線13/絶縁膜14からなる構造の超伝導配線13の一部を断線し(図中では絶縁膜で充填されている)、断線された超伝導配線を常伝導配線で接続するように、絶縁膜の貫通孔を介して常伝導配線を設けている。
具体的には、厚さ200nmの超伝導体Nbで超伝導配線を形成し、その一部例えば長さ2μmをエッチング除去し、超伝導を切断する。層間絶縁膜のSiO2を200nm成膜した後、エッチングでコンタクトホールを設ける。その上に常伝導体としてMoを300nm成膜、加工することにより、前記Nbの除去部分をMoで置き換える。これにより超伝導配線から構成される超伝導リングの一部を常伝導体で置き換えた本実施の形態の構造を形成する。この構造により、本リングは超伝導リングでなくなるため、磁束トラップや外部磁場の影響を除外できる。
常伝導体の材料として、Moに限らず、Pd、Auなどを用いることができる。Moはフッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチングで容易に加工できるため、作製の容易さの点でより好ましい。
(第2の実施の形態)
本発明の実施の形態を図3を参照して説明する。本実施の形態は、超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングでありかつ超伝導リングのインダクタンスLと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値Icの積がSFQの値Φ0より小さくリング中にSFQを保持できない「第2タイプの超伝導リング」(例:L2c(J1)<Φ0)に適用される。
図3は、超伝導配線と超伝導グランドプレーン間の超伝導コンタクトを行うコンタクトホールを含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造を模式的に示した図である。
図3の上段は、第2タイプの超伝導リング(図8参照)に対応する。図3では、超伝導グランドプレーン21上に、上部超伝導配線(図示ではコの字状)23と、上部超伝導配線23の両端に、下部超伝導配線24とジョセフソン接合7と、超伝導グランドプレーン21へのコンタクト8とが設けられている。図3の下段は、上段のA−A’断面図の構造を模式的に示したものである。断面の構造は、常伝導グランドプレーン25/超伝導グランドプレーン21/絶縁膜22/上部超伝導配線23からなる構造である。図3に示すように、上部超伝導配線23と超伝導グランドプレーン21間の超伝導コンタクト8を行うコンタクトホールを含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造である。図中、黒い太線で、常伝導体で置き換えた位置を示す。具体的構造は、常伝導グランドプレーン25/超伝導グランドプレーン21からなる2層構造のグランドプレーンのうちの超伝導グランドプレーン21の一部を断線し(図中では絶縁膜で充填されている)、断線された超伝導グランドプレーンを常伝導グランドプレーンで接続している。
具体的には、超伝導リングは、膜厚200nmの常伝導体Moからなる常伝導グランドプレーンと200nmの超伝導体Nbからなる超伝導グランドプレーンが積層された構造のグランドプレーンと、層間絶縁膜SiO222を介して超伝導グランドプレーン上に配置された200nmのNbからなる下部超伝導配線24と、下部超伝導配線24上に絶縁膜SiO222を介して積層された300nmのNbからなる上部超伝導配線23から構成される。超伝導グランドプレーン21と下部超伝導配線24間は、層間絶縁膜SiO222を除去したコンタクトホールで接続を行う。また、下部超伝導配線24と上部超伝導配線23はNb/AlOx/Nbジョセフソン接合を用いて接続を行う。
上部超伝導配線である入力端から入力される電流は、ジョセフソン接合7、下部超伝導配線24、グランドプレーンへのコンタクトを通ってグランドプレーンへ流れる。ここでジョセフソン接合7を流れる電流がジョセフソン接合の臨界電流値を越えるとジョセフソン接合がスイッチし、抵抗が発生するため、電流は上部超伝導配線の方に流れる。ここで、上部超伝導配線23と超伝導グランドプレーン21で構成される超伝導リングはSFQを保持できない第2タイプの超伝導リングであるため、上部超伝導配線23を通った電流は出力端にあるジョセフソン接合7をスイッチさせ、出力端から流れ出ていく。
この構造では、上部超伝導配線23、ジョセフソン接合7、グランドコンタクト8、超伝導グランドプレーン21を通ってXY平面上に超伝導リングが形成されているため、超伝導グランドプレーン21にトラップされた磁束が存在すると、この磁束が作る超伝導循環電流が前記超伝導リングを通って流れ、ジョセフソン接合7の臨界電流が実質的に小さくなり、SFQ回路の誤動作が発生する。
本実施の形態では、グランドコンタクト8のまわりのグランドプレーンの超伝導グランドプレーン21のみを、例えば幅1μmの領域で完全に除去することにより、常伝導グランドプレーン25で電気的導通を確保しつつ超伝導体で接続されない溝が配置できる。この溝はグランドコンタクト8を囲っているため、ジョセフソン接合7を通る超伝導リングがXY平面に存在しなくなる。これにより、磁束トラップや外来磁気ノイズによる超伝導電流がジョセフソン接合に流れ込むことが無くなり、XY平面への磁束トラップや外来磁気ノイズの影響が排除されたSFQ回路が構成できる。
グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換える構造を実現するために、グランドプレーンを下層常伝導層と上層超伝導層の二層とし、一部の上層超伝導層を除去することにより超伝導体が存在せずかつ電気的導通が取れた溝が形成されたグランドプレーンを用いた。グランドプレーンを形成する常伝導層として、Mo膜の他、Pd、Auなどを用いることができる。超伝導層として、Nbの他、NbN、NbTiN、Al、Pb、Sn、MgB2、YBa2Cu3xなどの酸化物超伝導体などを用いることができる。そのうち、Nbは加工性や安定性の点でより好ましい。
グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造を実現するためには、次のような方法を採用することもできる。例えば、基材上の超伝導グランドプレーンの一部に断線や溝を形成した後、常伝導体を充填したり、常伝導体の層を新たに設けたりして、電気的導通をとることもできる。また、基材上の超伝導グランドプレーンの一部に断線や溝を形成した後、一部または全部に常伝導体を含む超伝導配線とグランドコンタクトを用いて前記断線や溝をまたぐ配線を形成することにより、電気的導通をとることもできる。
本実施の形態では、超伝導リングを排除するためにグランドプレーンの超伝導グランドプレーンに形成する溝を利用したが、第1の実施の形態と同じく、上部超伝導配線23の一部を常伝導体と置き換えることもできる。
(第3の実施の形態)
本発明の実施の形態を図4を参照して説明する。本実施の形態は、超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスLと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値Icの積がSFQの値Φ0より大きくリング中にSFQを保持できる「第3のタイプの超伝導リング」(例:L3c(J3)>Φ0)に適用される。
図4は、本実施の形態の、少なくとも超伝導配線を囲む領域のグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造を模式的に示した図である。
図4の上段は、第3のタイプの超伝導リング(図8参照)に対応する。図4では、超伝導グランドプレーン31上に、上部超伝導配線(図示ではコの字状)33と、上部超伝導配線33の両端に、下部超伝導配線34とジョセフソン接合7と、超伝導グランドプレーン31へのコンタクト8とが設けられている。図4の下段は、上段のA−A’断面図を模式的に示したものであり、具体的構造は、常伝導グランドプレーン35/超伝導グランドプレーン31/絶縁膜32/上部超伝導配線33からなる構造であり、XY面で、上部超伝導配線33を囲む位置に対応する超伝導グランドプレーン31の超伝導を一部常伝導体で置き換えた構造を示したものである。図中、黒い太線で、常伝導体で置き換えた位置を示す。具体的構造は、常伝導グランドプレーン35/超伝導グランドプレーン31からなる2層構造のグランドプレーンのうちの超伝導グランドプレーン31の一部を断線し(図中では絶縁膜で充填されている)、断線された超伝導グランドプレーン31を常伝導グランドプレーン35で接続している。
本実施の形態では、リング中にSFQを保持するための超伝導リングであり、LIc>Φ0の条件を満たしているので、ジョセフソン接合に流れる電流が臨界電流値を越えジョセフソン接合7がスイッチし抵抗が発生すると、電流は上部超伝導配線33の方に流れる。この電流では出力端のジョセフソン接合はスイッチできないため、入力端のジョセフソン接合が超伝導状態にリセットされた後、上部超伝導配線33、ジョセフソン接合7、下部超伝導配線34、コンタクト8と超伝導グランドプレーン31から構成される超伝導リングにSFQが1個保持される。
図5は、保持されたSFQが作る電流が流れる経路を示している。上部超伝導配線33直下の超伝導グランドプレーン31にはミラーカレントが流れるため、上部超伝導配線33からジョセフソン接合7、下部超伝導配線34、グランドコンタクト8を介して超伝導グランドプレーン31に流れ込んだ電流は、図5に示されるように上部超伝導配線33直下の超伝導グランドプレーンを通る超伝導リングを流れる時が最もエネルギー的に有利である。つまり、この場合の超伝導リングはXY平面だけでなくZ方向を含む3次元的な構造をとる。また、この3次元的な超伝導リングにより保持されるSFQの向きは、トラップされた大半の磁束のZ方向とは異なり、X方向もしくはY方向となる。
第2の実施の形態と同様、常伝導グランドプレーン35と超伝導グランドプレーン31が積層された構造の二層のグランドプレーンのうち、上層の超伝導グランドプレーン31だけを除去した溝をグランドプレーンに設け、図4に示されるように、溝で、ジョセフソン接合7やグランドコンタクト8を含む上部超伝導配線33及び下部超伝導配線34を全て囲むことにより、ジョセフソン接合を流れる電流が通る超伝導リングを、SFQが保持される経路に限定することができる。これにより、溝で囲まれた領域の外側のグランドプレーンにトラップされた磁束が作る超伝導電流がジョセフソン接合を流れる経路が存在しなくなり、磁束トラップによるSFQ回路への影響を大幅に低減できる。一方、SFQが保持される超伝導ループは影響を受けないことから、SFQ回路の動作が阻害されることはない。磁束トラップは、XY平面だけでなく、それと直行する方向にも生じる可能性があり、その場合、本構造は影響を受けるが、XY平面と比べてその直行する方向の断面積は著しく小さいため、そのような磁束トラップが生じる可能性は非常に小さい。
(第4の実施の形態)
本発明の実施の形態を図6を参照して説明する。
本実施の形態は、第2のタイプ及び第3のタイプの超伝導リングうちのいずれかが複数個連結された場合に適用される。
図6は、ジョセフソン接合とグランドコンタクトを含む全ての超伝導配線を囲むように、グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造を模式的に示した図である。
図6の上段は、第2タイプや第3のタイプの超伝導リングが複数個連結された模式図である。点線40は複数個が連結されていることを省略したことを示している。図6では、グランドプレーンとして常伝導グランドプレーン45の上に超伝導グランドプレーン41を設け、超伝導グランドプレーン41上に、上部超伝導配線(図示ではコの字状)43と、上部超伝導配線43の両端に、下部超伝導配線44とジョセフソン接合7と、超伝導グランドプレーン41へのコンタクト8とが設けられている。図6の下段は、上段のA−A’断面図の構造を模式的に示したものであり、具体的構造は、常伝導グランドプレーン45/超伝導グランドプレーン41/絶縁膜42/上部超伝導配線43からなる構造である。図6に示すように、ジョセフソン接合7と、上部超伝導配線43と超伝導グランドプレーン41間の超伝導コンタクト8と、上部超伝導配線43とを含む全ての超伝導配線を囲む位置で、グランドプレーンの超伝導体を常伝導体で置き換えた構造である。図中、黒い太線で、常伝導体で置き換えた位置を示す。具体的構造は、常伝導グランドプレーン45/超伝導グランドプレーン41からなる2層構造のグランドプレーンのうちの超伝導グランドプレーン41の一部を断線し(図中では絶縁膜で充填されている)、断線された超伝導グランドプレーンを常伝導グランドプレーンで接続している。
本実施の形態のように、ジョセフソン接合とグランドコンタクトを含む全ての超伝導配線を、グランドプレーンに設けた超伝導グランドプレーンを除去し、常伝導グランドプレーンで電気的導通を確保した溝で囲っている構造とすることにより、SFQが伝搬する経路に一切抵抗体が入らない構造とすることができるため、磁束トラップや外来磁気ノイズの影響を軽減しつつ、SFQ回路をより安定して動作させることが可能となる。
(第5の実施の形態)
本発明の実施の形態を図7を参照して説明する。
本実施の形態は、第2のタイプ及び第3のタイプの超伝導リングうちのいずれかが複数個連結された場合に適用される。本実施の形態は第4の実施の形態と同様であるが、SFQを伝搬する経路の一部に常伝導体を用いた配線を配している。
図7は、ジョセフソン接合とグランドコンタクトと上部超伝導配線からなる複数の超伝導リングを囲むように、グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置き換えた構造、及びSFQを伝搬する経路の超伝導配線の一部に常伝導体配線50を用いた配線構造を模式的に示した図である。図7の上段は、第2タイプや第3のタイプの超伝導リングが複数個連結された模式図である。図7では、グランドプレーンとして常伝導グランドプレーン55の上に超伝導グランドプレーン51を設け、超伝導グランドプレーン51上に、上部超伝導配線(図示ではコの字状)53と、上部超伝導配線53の両端に、下部超伝導配線とジョセフソン接合7と、超伝導グランドプレーン51へのコンタクト8とが設けられている。図7の下段は、上段のA−A’断面図の構造を模式的に示したものであり、具体的構造は、常伝導グランドプレーン55/超伝導グランドプレーン51/絶縁膜52/上部超伝導配線53からなる構造である。図7に示すように、ジョセフソン接合7と、上部超伝導配線53と超伝導グランドプレーン51間の超伝導コンタクト8と、上部超伝導配線53とを含む超伝導リングを囲む位置で、グランドプレーンの超伝導体を常伝導体で置き換えた構造である。図中、黒い太線で、常伝導体で置き換えた位置を示す。具体的構造は、常伝導グランドプレーン55/超伝導グランドプレーン51からなる2層構造のグランドプレーンのうちの超伝導グランドプレーン51の一部を断線し(図中では絶縁膜で充填されている)、断線された超伝導グランドプレーンを常伝導グランドプレーンで接続している。SFQを伝搬する経路である超伝導配線を、常伝導体配線50で置き換えた構造で、超伝導リングを接続しているので、この常伝導体配線両端のジョセフソン接合7の間の領域が、SFQを伝搬する経路の超伝導配線が途切れ超伝導リングが消失する領域となる。本実施の形態では、SFQを伝搬する経路の超伝導配線が途切れ超伝導リングが消失する領域で、グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置換する構造を閉じている。
本実施の形態では、SFQを伝搬する経路の超伝導配線の一部を常伝導体配線で置き換えた構造を備えるので、超伝導配線が途切れる個所では、グランドプレーンに設けた超伝導グランドプレーンのみを除去した溝を閉じて、グランドプレーンを超伝導的に切断しても、SFQ回路動作は影響を受けない。このような個所を適宜配置することで、回路をブロックに分けて設計できるなど設計上の利便性が向上する。
なお、上記実施の形態等で示した例は、発明を理解しやすくするために記載したものであり、この形態に限定されるものではない。
本発明によれば、トラップされた磁束から影響を受けない信頼性の高いSFQ回路を提供できるので、超高速かつ低消費電力デバイスとして、産業上有用である。
1、11、21、31、41、51 超伝導グランドプレーン
3、13 超伝導配線
7 ジョセフソン接合
8 グランドプレーンへのコンタクト
12、14、22、32、42、52 絶縁膜
15、50 常伝導配線
23、33、43、53 上部超伝導配線
24、34、44、54 下部超伝導配線
25、35、45、55 常伝導グランドプレーン
40 複数接続の省略

Claims (8)

  1. 単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、回路平面上にある超伝導リングの一部を常伝導体で置換した、超伝導リングの断線された回路を有することを特徴とする超伝導集積回路。
  2. 単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、超伝導配線だけで超伝導リングを構成する超伝導リングにおいて、前記超伝導配線の一部を常伝導体で置換した、超伝導リングの断線された回路を有することを特徴とする超伝導集積回路。
  3. 単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、
    超伝導グランドプレーンと、前記超伝導グランドプレーンと別層に配置された超伝導配線とジョセフソン接合と超伝導グランドプレーンへのコンタクトを備え、
    少なくとも前記超伝導配線と前記超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値の積が単一磁束量子の値より小さくリング中に単一磁束量子を保持できない超伝導リングにおいて、前記超伝導配線の一部を常伝導体で置換した、超伝導リングの断線された回路を有することを特徴とする超伝導集積回路。
  4. 単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、
    超伝導グランドプレーンと、前記超伝導グランドプレーンと別層に配置された超伝導配線とジョセフソン接合と超伝導グランドプレーンへのコンタクトを備え、
    少なくとも前記超伝導配線と前記超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値の積が単一磁束量子の値より小さくリング中に単一磁束量子を保持できない超伝導リングにおいて、少なくとも前記コンタクトを含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置換することにより、前記領域を領域外と超伝導的に分離することを特徴とする超伝導集積回路。
  5. 単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、
    超伝導グランドプレーンと、前記超伝導グランドプレーンと別層に配置された超伝導配線とジョセフソン接合と超伝導グランドプレーンへのコンタクトを備え、
    少なくとも前記超伝導配線と前記超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングであり、かつ超伝導リングのインダクタンスと超伝導リング中に含まれる最小ジョセフソン接合の臨界電流値の積が単一磁束量子の値より大きくリング中に単一磁束量子を保持できる超伝導リングにおいて、少なくとも前記超伝導配線の直下を含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で置換することにより、前記領域を領域外と超伝導的に分離することを特徴とする超伝導集積回路。
  6. 単一磁束量子を情報媒体とする超伝導集積回路であって、
    少なくとも超伝導配線と超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングが複数個連結された構造において、少なくとも前記超伝導配線の直下を含む領域を囲むグランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で構成することにより、前記領域を領域外と超伝導的に分離することを特徴とする超伝導集積回路。
  7. 少なくとも前記超伝導配線と前記超伝導グランドプレーンから構成される超伝導リングが複数個連結された構造において、前記連結部分の超伝導配線の一部を常伝導体で構成することにより超伝導が途切れ超伝導リングが消失する領域で、前記グランドプレーンの超伝導体を一部常伝導体で構成する構造を閉じることを特徴とする請求項6記載の超伝導集積回路。
  8. 前記グランドプレーンを下層常伝導層と上層超伝導層の二層とし、上層超伝導層が存在せずかつ下層常伝導層により電気的導通が取れた溝が形成されたグランドプレーンを有することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項記載の超伝導集積回路。
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