JP2016085800A - リチウムイオン二次電池用電極の製造方法、及び製造装置 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用電極の製造方法、及び製造装置 Download PDF

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紘平 小川
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歩 ▲高▼岡
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Abstract

【課題】ロール・トゥー・ロールで効率良く製造が可能であり、かつ金属部材融着時の不良発生が抑えられたリチウムイオン二次電池用電極の製造方法の提供。【解決手段】金属箔集電体に活物質層1が設けられ、集電体の表面が露出した活物質層未形成部2に金属部材が融着されてなるリチウムイオン二次電池用電極の製造方法であって、順に、乾燥スラリー層形成工程、該乾燥スラリー層が形成された金属箔である圧延基材をロール・トゥー・ロールで連続して圧延ロールにて圧延することで、圧延された乾燥スラリー層である活物質層を形成する活物質層1形成工程、及び電極完成工程を含み、かつ、該活物質層1形成工程において、圧延ロールの少なくとも直前に設けた引き伸ばし機構により、圧延基材に対しロール・トゥー・ロール搬送方向に垂直な方向に引き伸ばす外力を及ぼすリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、生産性に優れ、タブや他の電極等の金属部材の融着による接続時の接続不良率が抑えられたリチウムイオン二次電池用電極の製造方法、及びこの製造方法の実施に用いられる製造装置に関する。
近年、携帯機器、ハイブリット自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途にリチウムイオン二次電池の研究開発が盛んに行われている。リチウムイオン二次電池は正極、負極、セパレータ、電解液からなる電池要素を金属缶やラミネートフィルムで密封した構成となっている。電池と外部回路とで電流のやり取りを行うため、電極にはタブと呼ばれる金属材料を含みそれが表面に露出した金属部材である導電部材が取り付けられ、電池の外部に導出されている。
電極は金属箔からなる集電体の片面もしくは両面に、活物質を含むスラリーを塗布・乾燥して合材層を形成することで得られる。生産性を向上させるため、スラリーの塗布・乾燥はロール・トゥー・ロールで行われるのが一般的である。タブとの電気的接続部を確保するため、また、電極同士の電気的接続部を確保するため、集電体への塗布時にスラリーの未塗工部が形成される。未塗工部の形成箇所としては、搬送方向に平行な方向、例えば集電体の両端部に形成する場合と、搬送方向に垂直な方向に形成する場合がある。前者はスラリー塗工幅の調整で実施できるが、後者の場合は間欠塗工を行う必要があり、専用の設備が必要となるため、前者の方が容易に実施可能である。
このような乾燥スラリー層形成後の電極圧延においてもロール・トゥー・ロールで行うことが生産性の面から好ましく、一般的に行われている。
上記合材層形成時において、搬送方向に平行な方向に未塗工部を形成した場合、圧延ロールに挿入される際に未塗工部に皺が発生することがある。これにより、前記タブ等の接続時の接続不良の原因となる。対策として、未塗工部の集電体厚みを厚くすることが提案されているが(特許文献1参照)、使用する集電体の幅やスラリー塗工幅は最終的な電池性能や生産性、コストに応じて当業者が適宜選択するものであり、個々の要望に応じた厚み構成の集電体を工業的に安定して生産・提供することは容易ではない。
特開2002−015721号公報
従来報告されている集電体厚みの調整による方法では、集電体自体を工業的に安定して生産・提供することが容易ではなく、結果としてそれを用いた電池を安定的に生産することが困難である。上記以外の手段で乾燥スラリー層層圧延時の皺発生を抑制することが必要となる。
このような従来技術の課題について検討した結果、本発明者は、圧延時に前記未形成部に皺が入る原因は、未形成部の厚みが薄いために形成部に比べてその剛性が極端に小さいため、前記積層体に外力がかかった際、このような剛性の不連続点に応力が集中し歪が生じ、これを起点として未形成部に反りや折れ曲がりが広がり、そのような状態で圧延ロールに挿入されることであると考えた。
そして、本発明者らは、前記圧延時に、前記形成部のみならず前記未形成部も水平に保った状態、即ち、前記剛性の不連続点が無い状態で圧延ロールに挿入することにより、前記未形成部への皺等の発生が抑えられることを見出した。例えば、圧延ロールとして前記形成部から前記未形成部に向かってその太さが細くなるテーパーロールを用いたり、チャック機構で前記形成部から前記未形成部に向かって引っ張りながら圧延したりすることで、圧延時の前記未形成部のみかけの剛性を高めることが可能であり、前記不連続点が無い状態で圧延可能である。
このような技術思想に基づく本発明は、金属箔からなる集電体に活物質層が設けられ、該活物質層が設けられておらず、かつ、該集電体の表面が露出した金属部材融着用の未形成部に金属部材が融着されてなるリチウムイオン二次電池用電極の製造方法であって、順に、
該金属箔の少なくとも片面に、活物質を含有するスラリーをロール・トゥー・ロールで、その搬送方向に連続し、かつ、該未形成部に対応する、未塗工部を形成しつつ連続して塗工することによりスラリー層を形成し、続いて乾燥することにより乾燥スラリー層とする乾燥スラリー層形成工程、
該乾燥スラリー層が形成された該金属箔である圧延基材を、ロール・トゥー・ロールで連続して、圧延ロールにて圧延することで、圧延された乾燥スラリー層である該活物質層が形成された積層体を形成する活物質層形成工程、及び
該電極となる電極部を該積層体から切り出し、該未形成部に該金属部材を融着する電極完成工程を含み、かつ、
該活物質層形成工程において、該圧延ロールの少なくとも直前に設けた引き伸ばし機構により、該圧延基材に対し、該ロール・トゥー・ロールの搬送方向に垂直な方向である幅方向に、該圧延基材を引き伸ばす外力を及ぼすことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極の製造方法に関する。このような本発明の製造方法は、ロール・トゥー・ロールで効率良く製造が可能であり、かつ、金属部材接続時の不良発生も抑えられたリチウムイオン二次電池用電極が得られる製造方法である。
また、前記引き伸ばし機構は、前記ロール・トゥー・ロールの搬送の用に供されるゼブラロールであることが好ましく、効果的に本発明に係る引き伸ばしが可能であり、かつ、高ラインスピードを実現可能である。
また、前記引き伸ばし機構は、前記ロール・トゥー・ロールの搬送の用に供される、ロール軸の湾曲や幅方向のロール径の拡幅を自在に調整できることが特徴のエキスパンダロールであることが好ましく、効果的に本発明に係る引き伸ばしが可能であり、かつ、高ラインスピードを実現可能である。
さらに、本発明は、このような本発明のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法により製造されてなる、リチウムイオン二次電池用電極に関し、本発明の製造方法に係る高生産性効果に起因して安価、かつ、本発明の製造方法に係る高金属部材融着性効果を持つことでタブ等の接続時の不良発生が抑えられた高品質のリチウムイオン二次電池用電極となる。
またさらに、本発明は、金属箔からなる集電体に活物質層が設けられ、該活物質層が設けられておらず、かつ、該集電体の表面が露出した金属部材融着用の未形成部を有するリチウムイオン二次電池用電極の製造装置であって、以下の(1)、(2)、及び(3)の機構を有するリチウムイオン二次電池用電極の製造装置に関する。
(1)該金属箔の少なくとも片面に形成された乾燥スラリー層であって、活物質を含有するスラリーを、該未形成部に対応する未塗工部を形成しつつ塗工し、さらに乾燥した乾燥スラリー層を、該金属箔と共に圧延基材として、ロール・トゥー・ロールで連続して搬送する、搬送機構。
(2)引き伸ばし機構であって、該圧延基材に対し、該ロール・トゥー・ロールの搬送方向に垂直な方向である該圧延基材の幅方向に引き伸ばす外力を及ぼす、引き伸ばし機構。
(3)該引き伸ばし機構の直後に設けられた圧延機構であって、該圧延基材を圧延ロールにて圧延することで、圧延された乾燥スラリー層である該活物質層を形成する、圧延機構。
このような本発明のリチウムイオン二次電池用電極の製造装置を用いることで、本発明に係る高生産性効果や高金属部材融着性効果が得られる。
本発明によれば、ロール・トゥー・ロールで効率良く製造が可能であり、かつ、タブ接続時の不良発生も抑えられたリチウムイオン二次電池用電極が得られる。
積層体から打ち抜いた本発明に係る電極部の一実施形態の平面図である。
本発明の好ましい実施態様について以下説明する。
(リチウムイオン二次電池用電極)
本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、リチウムイオン二次電池に含まれる、正極/リチウムイオンが移動可能な電解質層/負極からなる積層構造の、正極や負極として用いられる電極であって、金属箔からなる集電体の少なくとも片面に、所定の製造方法により形成した活物質層が形成されており、また、活物質層が設けられておらず前記集電体の表面が露出している金属部材融着用の未形成部を有し、さらに、前記未形成部にタブや他の電極等の金属部材が融着されてなる状態で用いられることを特徴とする。
このような本発明のリチウムイオン二次電池用電極を構成部材とするリチウムイオン二次電池の構成としては、従来公知の構成と同様とすることができる。好ましくは、非水電解質を含有したセパレータを介して重ねられた正極と負極の前記積層構造に正極用及び負極用のタブを取り付けたものが、捲回もしくは積層された電池要素を含む。該電池要素を金属缶やラミネートフィルムで封止することにより、電池が得られる。
(リチウムイオン二次電池用電極の製造方法)
本発明のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法は、順に、乾燥スラリー層形成工程、ロール・トゥー・ロール搬送しながら実施される活物質層形成工程、及び電極完成工程を含み、前記活物質層形成工程において、圧延された乾燥スラリー層である活物質層が圧延により形成される前に、所定の引き伸ばし機構が、前記乾燥スラリー層が形成された前記金属箔である圧延基材に、前記ロール・トゥー・ロールの搬送方向に垂直な方向である幅方向に、前記圧延基材を引き伸ばす外力を及ぼすことを特徴とする。
(乾燥スラリー層形成工程)
本発明に係る乾燥スラリー層形成工程は、本発明に係る金属箔の少なくとも片面に、活物質を含有するスラリーをロール・トゥー・ロールで連続して塗工することでスラリー層を形成し、続いて乾燥することにより乾燥スラリー層とする工程である。両面に乾燥スラリー層を形成することが好ましく、両面同時に塗工、乾燥することもできる。この際、本発明においては、本発明に係る未形成部に対応し、かつ、前記ロール・トゥー・ロールの搬送方向に連続する、未塗工部を形成しつつ塗工する。これが本発明の一つの特徴である。
このような乾燥スラリー層形成工程で使用される装置は、ロール・トゥー・ロールでの加工が可能であれば特に限定されず、従来公知の装置が用いられ得る。塗布方式としてはダイコーター、コンマコーターが一般的であり、どちらを用いても良い。後述する厚み傾き調整が実施可能な方式を採用できるものであることが好ましい。
本発明の電極は、活物質層が設けられておらず、かつ、集電体の表面が露出した未形成部を有するため、塗布の際にスラリーを塗布しない領域を設ける必要がある。集電体の幅方向端部に未塗布部を設ける場合は、集電体の幅よりも塗布幅を狭くすれば良い。コーター自体の幅が狭いものを用いるか、コーター端部にシムと呼ばれるスラリーを遮断する部材を設置することで達成可能である。集電体の幅方向端部以外、例えば幅方向中央部に未塗布部を形成する場合は、上記シムの位置を調整して設置することで達成可能である。シムで未塗布部を制御する場合、コンマコーターよりもダイコーターの方が調整容易であり好ましい。集電体の端部までスラリーを塗布すると、スラリーが集電体の裏側に回り込み、集電体の当該面を汚染する場合があるため、未塗布部の形成位置は集電体の端部であることが好ましい。また、幅方向から二枚以上の電極を回収することが出来、収率が向上することから、ロール・トゥー・ロールの搬送方向に平行に少なくとも二本の連続する前記未形成部を設けることが好ましい。
本発明の電極においては、活物質層未形成部および活物質層の境界から該活物質層に向かう垂線上において、好ましくは、該境界から300μmの幅において、該活物質層の厚みが40μm/300μm以上、3000μm/300μm以下の傾きを有するように、より好ましくは、70μm/300μm以上、300μm/300μm以下の傾きを有するようにして上述した剛性の不連続点での問題の発生を抑制するようにすることが好ましい。該活物質層の厚み傾きは、スラリー塗布時の塗布量に傾斜を設けることで達成し得る。塗布量の傾斜の付け方としては、スロットのクリアランスを幅方向で複数箇所調整できるダイコーターであれば、端部のクリアランスを相対的に狭くすることにより達成し得る。上記調整機能が無い場合、もしくはコンマコーターの場合は、コーター端部に設置する上記シムの厚みを薄くして、スラリーを完全遮断せずにある程度スラリーを流すことにより達成し得る。このような傾きを有する状態に圧延することにより、上記基材剛性の不連続点での問題の発生が抑制された状態での圧延が実現でき、活物質層未形成部への皺発生を抑えることができる。
塗布後のスラリーの乾燥手段としては特に限定されず、熱風方式、赤外線方式など従来公知の手段が用いられ得る。複数の手段を組み合わせて使用しても良い。
(活物質層形成工程)
本発明に係る活物質層形成工程は、圧延された前記乾燥スラリー層である本発明に係る活物質層が形成された積層体を得る工程であり、具体的には、前記乾燥スラリー層が形成された金属箔である圧延基材を、ロール・トゥー・ロールで連続して圧延ロールにて圧延する工程である。この際、本発明においては、前記圧延ロールの少なくとも直前に設けた引き伸ばし機構により、前記圧延基材に対して、前記ロール・トゥー・ロールの搬送方向に垂直な方向である幅方向に圧延基材を引き伸ばす外力を及ぼす。これが本発明の一つの特徴である。前記応力は、前記圧延の少なくとも直前に加えられていれば、圧延中や圧延後、ロール・トゥー・ロール搬送開始直後に加えられていても良い。
特に、集電体の幅方向端部に本発明に係る未形成部が存在する場合であって、上述した活物質層との境界における厚みの調整を実施しないで、本発明に係る圧延を実施する場合には、乾燥スラリー層の形成部と未形成部の厚みの差が大きいため、ロール・トゥー・ロールの搬送張力をいくら大きくしても、未形成部には殆ど張力がかからない。従って、未形成部に反りや折れ曲がりが広がり、そのような状態で圧延ロールに挿入されることで皺が発生しやすくなる。上記機構を設けた装置で圧延することで、未形成部への皺発生を抑えることが出来、タブ接続時の不良率低下に繋がる。
(リチウムイオン二次電池用電極の製造装置)
このような本発明に係る活物質層形成工程の実施に用いられる装置が、本発明のリチウムイオン二次電池用電極の製造装置であり、言い換えれば、ワーク幅方向引き伸ばし機構を備えるロール・トゥー・ロール圧延装置である。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極の製造装置は、(1)搬送機構、(2)引き伸ばし機構、(3)圧延機構を備える。
(1)搬送機構は、前記乾燥スラリー層を金属箔と共に圧延基材としてロール・トゥー・ロールで連続して搬送する機構である。ロール・トゥー・ロールで連続して実施するため、前記圧延基材の繰り出し機構、前記積層体の巻き取り機構を含み、これらの間に、一対以上の前記圧延ロールが配されることとなる。
(2)引き伸ばし機構は、前記圧延基材に対し引き伸ばす外力を及ぼす機構であり、その外力の方向は、ロール・トゥー・ロールの搬送方向に垂直な方向である圧延基材の幅方向である。圧延基材の幅方向に外側に圧延基材を引き伸ばす外力であれば良く、具体的には、本発明に係る未形成部に対応する、ロール・トゥー・ロールの搬送方向に平行に連続する未塗工部、乾燥スラリー層との境界から、前記未塗工部の金属部材融着に供される未形成部に対応する部分までの領域に、この領域をロール・トゥー・ロールの搬送方向に垂直に外側に引き伸ばす外力、より好ましくは、この領域を前記外側に引っ張る外力とすることである。
このような本発明に係る引き伸ばし機構によりもたらされる引き伸ばし外力は、圧延基材からみると、「幅方向に引張の作用を発生させる」ことである。この本発明に係る引張応力は、基材の幅方向中央から両端に向かって均等に引張の応力を発生させるものであっても良いし、幅方向のある地点から片側端部/もしくは両端に向かって引張の応力を発生させるものであっても良いし、どちらか一方の端部から反対側の端部に向かって引張の応力を発生させるものであっても良く、特に限定されない。
このような応力を本発明に係る圧延基材に発生せしめるために、本発明に係る圧延基材に及ぼす外力を発生する、本発明に係る引き伸ばし機構としては、特に限定されず、搬送中の基材に引張の作用を発生させるロールの上を通過させても良いし、基材を直接固定して引張の作用を発生させても良い。
前者のロール・トゥー・ロールの搬送の用に供されるロールを用いる場合の例としては、ゼブラロールやエキスパンダロールが挙げられる。特開2002−86206に示されているロールも好適に用いられ得る。また、これら特殊なロールでなくても、通常の平滑なロールに間隔を空けながら斜めにテープを巻いて同等の機能が発現するようにしたものを用いても良い。該ロール本数については特に限定されず、圧延ロール挿入時に皺抑制の効果が得られる必要数を適宜選択すれば良い。
後者の基材を直接固定することで実施する例としては、エアチャックが挙げられる。該エアチャックの個数については特に限定されず、圧延ロール挿入時に皺抑制の効果が得られる必要数を適宜選択すれば良い。なお、エアチャックを使用する場合はロール・トゥー・ロールでの搬送に支障が生じないように、エアチャック自体も搬送方向に移動できるようにするか、複数のエアチャックを順番に開閉させるように制御することが好ましい。
(3)圧延機構は、圧延された乾燥スラリー層である活物質層を形成する機構であり、具体的には、圧延基材を圧延ロールにて圧延する。該圧延ロールは、前記外引き伸ばし機構の少なくとも直後に設けられていることを要する。圧延ロールの径や材質については適宜選択すれば良い。また、上下圧延ロール間のクリアランスについても、圧延後の活物質層密度が所望の値になるように適宜調整すれば良い。一般的な電極圧延操作のクリアランスの範囲内であれば、本発明の課題である皺発生には直接的には影響しない。
(電極完成工程)
本発明に係る電極完成工程は、電極となる電極部を前記積層体から切り出し、本発明に係る未形成部に金属部材を融着し、電極を完成する工程である。
即ち、前記電極完成工程は、前記活物質層形成工程で形成された活物質層を含む本発明に係る積層体である前記活物質層付き金属箔から、電極となる電極部を所定のサイズで打ち抜く電極部切り出し工程を含む。前記打ち抜きには、トムソン刃やピナクル刃など従来公知の手段を用いれば良いが、生産性向上のためロール・トゥー・ロールで活物質層付き金属箔を搬送しつつ打ち抜きを実施することが好ましい。また、打ち抜き時には後述のタブ接続を実施するため、活物質層未形成部を一部含む形状(当該部位をリードともいう)で打ち抜きを実施する。
図1は、積層体から打ち抜いた本発明に係る電極部の一実施形態の平面図であり、活物質層形成部1、及び活物質層未形成部(リード)2が各々図示されている。
また、前記電極完成工程は、上記打ち抜きで得られた電極部の本発明に係る未形成部に、電池外部に導出して外部端子と接続するためのタブや、他の電極部、好ましくは当該電極部と同じ極、例えば、当該電極部が正極となる電極部なら正極となる電極部、当該電極が負極となる電極部なら負極となる電極部等の金属部材を融着することで電気接続する金属部材融着工程を含む。より好ましくは、同じ極の複数枚、さらに好ましくは、5枚以上、50枚以下の枚数の電極部の前記リードを前記融着すると共に、好ましくは、最も外側に位置する電極部の前記リードに前記タブを融着することであり、より好ましくは、これらの融着を同時に一工程で実施することである。
タブの材質としては、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅、SUS等の金属が挙げられるが特に限定されず、使用する電池電位に対して溶解しないものを用いれば良い。もちろん、上記金属の合金を用いても良いし、複数の金属層からなる構成のものを用いても良い。また、電池の外装材としてラミネートフィルムを使用する場合、該ラミネートフィルムの熱融着層への密着性を向上させるためにタブ表面にカップリング剤処理を行ったり、ラミネートフィルムの熱融着層に対する密着性が高い表面層を予めタブに形成したりしても良い。
本発明に係る融着の方法としては、超音波方式、抵抗加熱方式等の従来公知の方法が用いられ得る。
以下、本発明の各構成について説明する。
<スラリー>
本発明に係るスラリーは、活物質を溶媒中に分散させたものである。本発明の電極は、正極と負極どちらにも適用し得る。従って、使用する活物質は正極用、負極用それぞれ一般的に用いられているものを適宜選択すれば良い。また、複数の活物質を組み合わせて用いても良い。溶媒としては、非水溶媒または水が用いられ得る。非水溶媒は、特に限定されないが、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、およびテトラヒドロフランなどを挙げることができる。これらに分散剤、増粘剤を加えても良い。
本発明に係るスラリーには、活物質を集電体に結着させるため、バインダーを使用しても良い。バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム、ポリイミドおよびそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。バインダーの量は、正極活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。
本発明に係るスラリーには、電極とした際の導電性を向上させるため、導電助剤を使用しても良い。導電助材の材質としては特に限定されないが、金属材料、炭素材料が好ましい。金属材料の場合は、銅、およびニッケルなど、炭素材料の場合は天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックなどが挙げられる。これら導電助材は一種類でも良いし、二種類以上用いても良い。
本発明に係るスラリーは上記活物質ならびに必要に応じてバインダーと導電助剤を、溶媒中に分散させることにより得られる。
<集電体>
本発明に係る集電体の金属箔の材料は特に限定されず、例えば銅、SUS、ニッケル、チタン、アルミニウムおよびそれらの合金が用いられ得る。これらの中から、電池の作動電位で安定なものを適宜選択して使用すれば良い。集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。この範囲内であれば、電池作製時の取扱い性、コスト、得られる電池特性の点でバランスが取り易い。
<セパレータ>
セパレータは、前述の正極と負極との間に設置され、絶縁性かつ後述の非水電解質を含むことが出来る構造であればよく、例えば、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合したものの織布、不織布、微多孔膜などが挙げられる。サイクル特性の安定性が優れることから、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリポロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合したものの不織布であることが好ましい。
セパレータには、各種可塑剤、酸化防止剤、難燃剤が含まれても良いし、金属酸化物等が被覆されていても良い。セパレータの厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。この範囲内であれば、正極と負極が短絡することを防ぎつつ、電池の抵抗が高くなることを抑えることが出来る。経済性、取り扱いの観点から、15μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
<非水電解質>
非水電解質は、特に限定されないが、非水溶媒に溶質を溶解させた非水電解液、非水溶媒に溶質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質などを用いることができる。
<溶質>
前記溶質は、特に限定されないが、例えば、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiCF3SO3、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、LiN(SO2CF3)2などは溶媒に溶解しやすいことから好ましい。
<外装材>
電池の外装材は特に限定されず、ラミネートフィルム、金属缶など従来公知のものが用いられ得る。電池のサイズや用途、使用環境に応じて適宜選択すれば良い。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
実施例、比較例ならびに参考例で得られた活物質層付きアルミニウム箔ならびに電池の評価は、次の方法により行った。
(打ち抜き時の皺発生確認)
実施例、比較例ならびに参考例で作製した活物質層付きアルミニウム箔を、図1に示すサイズとなるようにピナクル刃で打ち抜き、活物質層未形成部分を目視することにより、皺発生有無の確認を行った。上記操作を合計200個のサンプルについて実施し、皺が発生していないサンプルの収率を算出した。収率70%未満を×、70%以上80%未満を△、80%以上90%未満を○、90%以上を◎とした。○または◎を合格と判定する。
(電池の充放電試験)
実施例ならびに比較例で作製した電池について、下記サイクル条件で、最初に充電から実施し、放電および充電を下記充電条件1および放電条件1にて繰り返し、最後に放電することで実施した。以下に記載する電圧は、リチウム基準ではなく、非水電解質二次電池の電圧である。
サイクル条件
電池環境温度:60℃
単位サイクル:充電1回及び放電1回を1サイクルとする。
繰り返しサイクル数:400サイクル
充放電条件
充電条件1:第二の正極の総容量に対して、電圧が2.7Vに達するまでは1.0Cの定電流で充電し、その後、2.7Vを維持して定電圧で充電し、その後、電流が0.02Cとなった時点で充電を終了する。
放電条件1:第二の正極の総容量に対して、電圧が2.0Vまで減少するまでは1.0Cの定電流で放電し、2.0Vとなった時点で放電を終了する。
放電1サイクル目の放電容量を100とし、400サイクル目における放電容量の相対量を放電容量維持率(%)として算出した。
(スラリーAの作製)
スピネル型のマンガン酸リチウム(Li1.1Al0.1Mn1.8)と、導電助材(アセチレンブラック)、およびバインダー(PVdF)を、それぞれ固形分濃度で88重量部、6重量部、および6重量部の混合物のスラリーを作製した。なお、バインダーは固形分濃度5wt%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に調整したものを使用し、後述の塗工をしやすいように、さらにNMPを加えて粘度調整した。
(スラリーBの作製)
スピネル型のチタン酸リチウム(Li4/3Ti5/3O4)を用いた。この負極活物質、導電助材(アセチレンブラック)、およびバインダー(PVdF)を、それぞれ固形分濃度で100重量部、5重量部、および5重量部の混合物のスラリーを作製した。なお、バインダーは固形分濃度5wt%のNMP溶液に調製したものを使用し、後述の塗工をしやすいように、さらにNMPを加えて粘度調整した。
(実施例1)
厚み20μm、幅280mmのアルミニウム箔(A1085材)のロールを基材として使用し、これを繰り出しながらスラリーAをダイコーターにより連続して塗布を行った。塗布幅は250mmに設定し、アルミニウム箔の両端部にそれぞれ15mm幅の未塗布部が形成されるようにした。スラリーが塗布されたアルミニウム箔はそのまま120℃、170℃、200℃に設定された乾燥炉の中を通過し、乾燥後の厚み50μmの乾燥スラリー層を形成した。片面に乾燥スラリー層が形成されたアルミ箔をロール状態で巻き取った後、再度繰り出して反対面にも同様にスラリー塗布、乾燥を行って厚み50μmの乾燥スラリー層を形成した。
得られた活物質層付きアルミニウム箔のロールを繰り出しながら、上下一対の金属製圧延ロール間を通過させ、連続して圧延を行った。この時、圧延ロールの手前にゼブラロールを設置し、活物質層付きアルミニウム箔の幅方向両端に引張の作用を発生させながら圧延ロールに挿入した。
なお、ダイコーターのスリット部両端に設置したシムを調整することで、活物質層形成部と未形成部の境界から300μmの幅において、該活物質層の厚みが50μm/300μmの傾きを有するようにした。
(実施例2)
スラリーAの代わりにスラリーBを使用する以外は実施例1と同様の操作を行い、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
(実施例3)
ダイコーターのシム調整を行わない以外は実施例1と同様にスラリー塗布、乾燥を行い、両面にそれぞれ50μm厚みの乾燥スラリー層を形成したアルミニウム箔を得た。乾燥スラリー層形成部と未形成部の境界から300μmの幅において、該活物質層の厚みは296μm/300μmの傾きを有していた。
得られた活物質層付きアルミニウム箔のロールを繰り出しながら、上下一対の金属ロール間を通過させ、連続して圧延を行った。この時、圧延ロールの手前にゼブラロールを設置し、活物質層付きアルミニウム箔の幅方向両端に引張の作用を発生させながら圧延ロールに挿入した。
(実施例4)
ダイコーターのシム調整を行わない以外は実施例2と同様にスラリー塗布、乾燥を行い、両面にそれぞれ50μm厚みの乾燥スラリー層を形成したアルミニウム箔を得た。乾燥スラリー層形成部と未形成部の境界から300μmの幅において、該活物質層の厚みは295μm/300μmの傾きを有していた。
得られた活物質層付きアルミニウム箔のロールを繰り出しながら、上下一対の金属ロール間を通過させ、連続して圧延を行った。この時、圧延ロールの手前にゼブラロールを設置し、活物質層付きアルミニウム箔の幅方向両端に引張の作用を発生させながら圧延ロールに挿入した。
(実施例5)
ゼブラロールの代わりにエキスパンダロールを使用する以外は実施例3と同様の操作を行い、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
(実施例6)
ゼブラロールの代わりにエキスパンダロールを使用する以外は実施例4と同様の操作を行い、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
(実施例7)
ゼブラロールの代わりにアルミニウム箔の両端部をエアチャックで固定する以外は実施例3と同様の操作を行い、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
(実施例8)
ゼブラロールの代わりにアルミニウム箔の両端部をエアチャックで固定する以外は実施例4と同様の操作を行い、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
(実施例9)
実施例1で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを正極、実施例2で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを負極として用いた。セパレータとしては、セルロース不織布(厚み25μm)を用いた。セパレータ/正極/セパレータ/負極/セパレータの順に積層した。次に、両端の正極および負極にアルミニウムタブを振動溶着させた後に、上下から二枚のアルミラミネートフィルムで挟んだ。
タブ導出部以外の辺を180℃×7秒で二回ヒートシールして融着させた後、非水電解質(エチレンカーボネート/プロピレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=15/15/70vol%、LiPF6 1mol/L)を入れた後に、減圧しながらタブの導出辺を180℃×7秒で二回ヒートシールした。これによりリチウムイオン二次電池を得た。
(実施例10)
実施例3で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを正極、実施例4で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを負極として用いる以外は実施例9と同様の操作を実施し、リチウムイオン二次電池を得た。
(実施例11)
実施例5で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを正極、実施例6で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを負極として用いる以外は実施例9と同様の操作を実施し、リチウムイオン二次電池を得た。
(実施例12)
実施例7で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを正極、実施例8で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを負極として用いる以外は実施例9と同様の操作を実施し、リチウムイオン二次電池を得た。
(比較例1)
ダイコーターのシム調整を行わないこと、及び、圧延ロールの手前にゼブラロールではなく、通常のロールを設置し、活物質層付きアルミニウム箔の幅方向両端に引張の作用を発生させずに圧延ロールに挿入したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、活物質層付きアルミニウム箔を得た。活物質層形成部と未形成部の境界から300μmの幅において、該活物質層の厚みは296μm/300μmの傾きを有していた。
(比較例2)
スラリーAの代わりにスラリーBを使用する以外は比較例1と同様の操作を行い、活物質層付きアルミニウム箔を得た。活物質層形成部と未形成部の境界から300μmの幅において、該活物質層の厚みは295μm/300μmの傾きを有していた。
(比較例3)
圧延時の搬送張力を二倍にする以外は比較例1と同様の操作を実施し、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
(比較例4)
圧延時の搬送張力を二倍にする以外は比較例2と同様の操作を実施し、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
(比較例5)
比較例1で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを正極、比較例2で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを負極として用いる以外は実施例9と同様の操作を実施し、リチウムイオン二次電池を得た。
(比較例6)
比較例3で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを正極、比較例4で得られた活物質層付きアルミニウム箔を皺発生確認のために打抜いたものを負極として用いる以外は実施例9と同様の操作を実施し、リチウムイオン二次電池を得た。
(参考例1)
間欠塗工により、搬送方向300mmおきに30mm長の活物質層未形成部を設ける以外は比較例1と同様の操作を行い、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
(参考例2)
圧延時の搬送張力を二倍にする以外は参考例1と同様の操作を実施し、活物質層付きアルミニウム箔を得た。
実施例1〜8、比較例1〜4、参考例1〜2で得られた活物質層付きアルミニウム箔の打ち抜き時の皺発生確認結果を表1に、各実施例9〜12、比較例5〜6で得られたリチウムイオン二次電池の充放電試験の結果を表2に示す。なお、参考例の活物質層付きアルミニウム箔については、搬送方向に垂直に設けられた活物質層未形成部からリードが得られるように打ち抜きを行った。
Figure 2016085800
Figure 2016085800
実施例の活物質層付きアルミニウム箔は活物質の種類に関係なく、全て収率80%以上と高い値を示した。圧延基材に対し幅方向に引張の作用を発生させる機構を圧延ロールの直前に設けることで、皺発生を抑える効果があることを示している。
一方で、引張の作用を発生させる機構も設けない比較例1と比較例2は収率が低い結果となった。圧延時の搬送張力を上げた比較例3と比較例4においても改善効果は殆ど確認されず、収率が低い結果となった。
活物質層未形成部を搬送方向と垂直な方向に設けた参考例については、参考例1よりも圧延時の搬送張力を上げた参考例2において収率の向上が見られ、張力制御で収率を改善できることを示している。しかし、活物質層形成時に間欠塗工を実施する必要があり、専用の設備が必要となる。また、活物質層未形成部が搬送方向に平行な方向と垂直な方向の両方に形成されるため、打ち抜き時に廃棄される未形成部の面積が増え、電極製造工程全体としての収率が低下してしまう。
電池の充放電試験を実施した結果、実施例の電池は高い放電容量維持率を示した一方で、比較例の電池は放電容量維持率が低い結果となった。電極の構成、セパレータの種類、電解液の組成などは実施例と比較例で統一されているため、比較例の電池はタブ接続部に不良が生じており、充放電試験中に通電不良が発生して放電容量維持率が急低下したと考えられる。
以上の結果から、圧延基材に対し幅方向に引張の作用を発生させる機構を圧延ロールの直前に設けることで、活物質層未形成部への皺発生が抑えられ、タブ接続時の不良率低下に繋がることが明らかとなった。
1 活物質層形成部
2 活物質層未形成部(リード)

Claims (5)

  1. 金属箔からなる集電体に活物質層が設けられ、該活物質層が設けられておらず、かつ、該集電体の表面が露出した金属部材融着用の未形成部に金属部材が融着されてなるリチウムイオン二次電池用電極の製造方法であって、順に、
    該金属箔の少なくとも片面に、活物質を含有するスラリーをロール・トゥー・ロールで、その搬送方向に連続し、かつ、該未形成部に対応する、未塗工部を形成しつつ連続して塗工することによりスラリー層を形成し、続いて乾燥することにより乾燥スラリー層とする乾燥スラリー層形成工程、
    該乾燥スラリー層が形成された該金属箔である圧延基材を、ロール・トゥー・ロールで連続して、圧延ロールにて圧延することで、圧延された乾燥スラリー層である該活物質層が形成された積層体を形成する活物質層形成工程、及び
    該電極となる電極部を該積層体から切り出し、該未形成部に該金属部材を融着する電極完成工程を含み、かつ、
    該活物質層形成工程において、該圧延ロールの少なくとも直前に設けた引き伸ばし機構により、該圧延基材に対し、該ロール・トゥー・ロールの搬送方向に垂直な方向である幅方向に、該圧延基材を引き伸ばす外力を及ぼすことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  2. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法であって、
    前記引き伸ばし機構が、前記ロール・トゥー・ロールの搬送の用に供されるゼブラロールである、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  3. 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法であって、
    前記引き伸ばし機構が、前記ロール・トゥー・ロールの搬送の用に供されるエキスパンダロールである、リチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法により製造されてなる、リチウムイオン二次電池用電極。
  5. 金属箔からなる集電体に活物質層が設けられ、該活物質層が設けられておらず、かつ、該集電体の表面が露出した金属部材融着用の未形成部を有するリチウムイオン二次電池用電極の製造装置であって、以下の(1)、(2)、及び(3)の機構を有するリチウムイオン二次電池用電極の製造装置。
    (1)該金属箔の少なくとも片面に形成された乾燥スラリー層であって、活物質を含有するスラリーを、該未形成部に対応する未塗工部を形成しつつ塗工し、さらに乾燥した乾燥スラリー層を、該金属箔と共に圧延基材として、ロール・トゥー・ロールで連続して搬送する、搬送機構。
    (2)引き伸ばし機構であって、該圧延基材に対し、該ロール・トゥー・ロールの搬送方向に垂直な方向である該圧延基材の幅方向に引き伸ばす外力を及ぼす、引き伸ばし機構。
    (3)外引き伸ばし機構の直後に設けられた圧延機構であって、該圧延基材を圧延ロールにて圧延することで、圧延された乾燥スラリー層である該活物質層を形成する、圧延機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115025952A (zh) * 2022-07-20 2022-09-09 佛山市天劲新能源科技有限公司 一种软包锂电池真空烘烤的生产方法及装置

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