<第1実施形態>
次に、第1実施形態の臨床検査装置の一例として、自動分析装置について各図を参照して説明する。
[自動分析装置10]
図1Aは、この実施形態の自動分析装置10の全体構成の一例を示したブロック図である。図1Bは、この実施形態の自動分析装置10の要部の一例を示したブロック図である。図2は、分析部30の一例を示す斜視図である。図3は、この実施形態の特徴である洗浄槽20aと試料分注プローブ15との位置関係の一例を示す概念図である。図4は、洗浄室22を上方から見た概念図である。
図1Aに示すように、この実施形態の自動分析装置10は、分析部30、データ処理部40、出力部50、システム制御部60、分析制御部65、信号出力部71、情報生成部72及び操作部80を含む。
[分析部30]
図1A及び図2に示すように、分析部30は、試料部100、試薬部200、撹拌部300、容器洗浄部400、移動機構部500、及び反応部600を含んで構成される。分析部30は、軸状体として、試料分注プローブ15、試薬分注プローブ16、撹拌子56を備える。軸状体とは、被検試料若しくは試薬の容器への分注又は容器内の液体の撹拌を行う部材をいう。これら軸状体のうち、試料分注プローブ15は試料部100に備えられ、洗浄槽20aにより洗浄される。また、試薬分注プローブ16は試薬部200に2つ備えられ、洗浄槽20b及び洗浄槽20cによりそれぞれ洗浄される。撹拌子56は撹拌部300に2つ備えられ、洗浄槽20d及び洗浄槽20eによりそれぞれ洗浄される。これら軸状体は、分注するための動作又は撹拌するための動作が終了すると、対応する洗浄槽20a〜20eにおいて洗浄される。
この実施形態の自動分析装置10は、洗浄部20において軸状体に噴き付けられる洗浄水の噴き付け状態に応じた信号を出力させ、この出力信号に基づいて軸状体の洗浄状態に関する情報を生成する。以下、試料分注プローブ15を軸状体の一例として、試料部100における試料分注プローブ15の洗浄について説明する。
試料部100においては、試料分注プローブ15により、試料容器3に収容された試料が反応容器4に分注される。試料分注プローブ15が洗浄される場合、この実施形態の自動分析装置10の要部は、例えば、図1Bに示される構成となる。この構成は、試料分注プローブ15と、洗浄部20と、移動機構部500と、信号出力部71と、情報生成部72と、出力部50とを備える。また、この構成は、システム制御部60と、移動機構部500を制御する機構制御部68と、洗浄部20を制御する洗浄制御部67とを備える。
《反応容器4》
まず、反応容器4の説明をする。図2に示すように、反応容器4は反応庫2に載置される。反応庫2は、複数の反応容器4を円周に沿って載置可能に構成されている。反応庫2は、載置された反応容器4がその円周に沿って回動可能なように構成される。具体的に、反応庫2は回動可能な円形状のカセット部材(図示省略)を備え、反応容器4はそのカセット部材に載置される。反応容器4は、このカセット部材が回動されることにより、1サイクル毎に所定の位置に停止される。
〔試料部100〕
試料部100は、サンプラと、試料分注プローブ15と、洗浄槽20aとを含む。サンプラとしては、例えば、ディスクサンプラ8、ラックサンプラ(図示しない)等が挙げられる。サンプラの動作により、複数の試料容器3がサンプラとともに移動される。例えば、ディスクサンプラ8では、試料容器3が載置された状態で回動する。また、ラックサンプラは、試料容器3が載置された状態でスライド動作が可能に構成されている。このように、サンプラは、特定の試料容器3を試料吸引位置に移動させる。
《試料分注プローブ15》
試料分注プローブ15は、サンプラに載置された試料容器3から、試料噴出位置に停止した反応容器4に試料を分注する。試料分注プローブ15は、その試料分注位置に対応して配置される。分注が終了すると、試料分注プローブ15は予め設定された洗浄位置に移動される。このとき、試料分注プローブ15は、試料吸引位置と試料噴出位置と洗浄位置との間を少なくとも相互に移動可能に構成される。試料分注プローブ15は、分注アーム31に保持されている。分注アーム31は回動及び上下移動可能に構成されている。分注アーム31の動作に応じて、試料分注プローブ15が移動される。
試料分注プローブ15は、筒形状に形成される。試料分注プローブ15は、例えば、円筒形状に形成されるが、この形状に限定されるものではない。また、試料分注プローブ15は、その少なくとも一部が導電性材料で構成される。試料分注プローブ15は、例えば、金属材料により形成される。この金属材料としては、ステンレス鋼等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
《分注機構部520》
分注機構部520は、試料分注プローブ15が試料を分注するための各種機構を含んでいる。分注機構部520は、例えば、ポンプ及び流路(いずれも図示せず)を備える。ポンプは、分注制御部66に制御されることにより、試料を吸引又は噴出させるための圧力変動を発生させる。流路は、ポンプにより発生された圧力変動を試料分注プローブ15に伝達する。試料分注プローブ15は、その圧力変動を試料に伝達することで吸引及び吐出を行う。
《洗浄部20》
図2に示すように、洗浄部20は、洗浄槽20a〜20eと、これら洗浄槽に対応して設けられた洗浄機構部510a〜510eとを含む。洗浄部20は、試料部100、試薬部200、及び撹拌部300に亘って設けられる。試料部100は、試料分注プローブ15に対応して設けられた洗浄槽20a及び洗浄機構部510aを含む。
分注が終了すると、試料分注プローブ15の外壁部分は、洗浄位置において洗浄部20により洗浄される。この洗浄動作は、試料分注プローブ15を上下方向に移動させつつ洗浄水Wを噴き付けることにより実行される。このとき、上下方向における移動距離に対応する試料分注プローブ15の一部に対して洗浄水Wが噴き付けられることになる。この洗浄水Wの噴き付け対象となる領域を洗浄対象域WSと呼ぶことにする。洗浄対象域WS(すなわち洗浄時における試料分注プローブ15の移動範囲)は、事前に設定される。つまり、洗浄部20は、この洗浄対象域WSに付着した汚れを除去するための洗浄を行う。
洗浄対象域WSは、軸状体の外壁部分のうち、検査によって試料や試薬等に接触する領域、あるいは、接触が予定される最大範囲にわたる領域に基づいて設定される。洗浄対象域WSの具体例としては、試料分注プローブ15の先端15aの位置から所定の距離までの外壁部分が挙げられる。ここで、所定の距離は、試料分注プローブ15の外壁部分のうち、試料分注の際にその試料内に浸漬された部分の距離に基づいて設定される。その洗浄が終了すると、試料分注プローブ15は予め設定された待機場所等に移動する。
次に、洗浄部20の構成について説明する。この説明においては、洗浄部20のうち試料分注プローブ15に対応する構成(洗浄槽20a及び洗浄機構部510a)について述べる。
《洗浄槽20a》
洗浄槽20aは、試料分注プローブ15に対応して設けられる。洗浄槽20aは、試料の分注を終えた試料分注プローブ15の外壁部分を洗浄する。試料分注プローブ15は、試料の分注を終えると洗浄位置に移動する。この移動は、例えば、水平移動及び鉛直移動の2段階で行われる。試料分注プローブ15は、例えば、後述するアーム回動機構によって規定の軌道上を水平移動する。
試料分注プローブ15は、先端15aが洗浄前停止位置bに達すると停止する。試料分注プローブ15は、さらに後述する上下動機構によって降下する。試料分注プローブ15は、降下することで先端15aが洗浄高さdを経て最大降下位置eに達する。試料分注プローブ15は、先端15aが最大降下位置eに達すると上昇し、先端15aが洗浄高さdを経て洗浄後停止位置に達すると停止する。ここで、洗浄後停止位置は、例えば、洗浄前停止位置bと同じ位置である。
図3に示すように、洗浄槽20aは、洗浄室22と、ノズル21とを含んで構成される。
《洗浄室22》
洗浄室22は、洗浄空間27を画成する。洗浄空間27は試料分注プローブ15が通過する通路として機能するとともに、試料分注プローブ15を洗浄するための空間として機能する。洗浄室22は、洗浄空間27を囲む周壁部26を少なくとも含む。洗浄室22は、例えば、鉛直方向に延びる略筒形状に形成され、上端側および下端側それぞれに開口が形成されている。上端側の開口24aは、洗浄空間27に試料分注プローブ15を挿入するための挿入口として機能する。上端側の開口24aは、例えば、洗浄空間27において試料分注プローブ15を水平方向に移動させることが可能な大きさを有する。この移動は、試料分注プローブ15における水平方向の中心位置が軌道R1に沿うように実行される。上端側の開口24aは、洗浄空間27と同一の径を有して構成されてもよい。一方、下端側の開口25aは、例えば、洗浄空間27よりも小さな径を有し、中空部内に噴出された洗浄水Wの排出口として機能する。
《ノズル21》
ノズル21は、洗浄水Wを輸送するための経路の少なくとも一部を構成する。また、ノズル21は、試料分注プローブ15に噴き付けるための洗浄水Wを噴出させるための噴出口21aを備える。ノズル21は、両端が開口した筒形状に形成され、その一端が、洗浄機構部510aに接続され、他端が噴出口21aを構成する。これにより、ノズル21は、洗浄機構部510aから供給される洗浄水Wの経路として機能する。ノズル21まで到達した洗浄水Wは、噴出口21aから洗浄室22の内部に噴出される。洗浄室22内に洗浄水Wを噴出させるために、ノズル21は、例えば、周壁部26を貫通して設けられる。
また、図3に示す洗浄槽20aは、ノズル21を1つ備える構成であるが、これに限定されず、複数備える構成であってもよい。洗浄槽20aには、例えば、第1のノズルに対向して設けられた第2のノズルが備えられてもよい。これらノズルは、ノズル21と同様に構成される。洗浄槽20aが対向する2つのノズルを備えることで、試料分注プローブ15の外周全面を洗浄対象域とすることができる。また、これらノズル(又はこれらノズルに接続される洗浄機構部)は、それぞれに対向する洗浄対象域と後述するキャパシタを形成することができる。ノズル(ノズル21を含む)が、後述する静電容量検知式のセンサの一部を構成する場合、ノズル21は、その少なくとも一部が導電性材料で構成される。
《洗浄機構部510a》
洗浄機構部510aは、ノズル21に洗浄水Wを供給するための各種機構を含む。洗浄機構部510aは、例えば、ポンプ、流路、電磁弁、及び洗浄水タンク(いずれも図示せず)を備える。洗浄水タンクは、流路を介してポンプに連通する。洗浄水タンクは、異なる種類の洗浄水が貯蔵された複数のタンクから構成されていてもよく、必要に応じて最適な洗浄水が選択される。洗浄水の種類としては、純水、各種(酸性、アルカリ性)洗剤を含む水が挙げられる。ポンプは、洗浄制御部67に制御されることで、洗浄水を洗浄水タンクからノズル21に供給するための圧力を発生させる。流路は、ポンプとノズル21とをさらに連通させる。これにより、流路は全体として洗浄水を洗浄水タンクからノズル21に導く経路を構成する。ポンプとノズル21とを連通させる流路には電磁弁が設けられている。電磁弁は、洗浄制御部67に制御されることにより流路を開閉する。
〔移動機構部500〕
移動機構部500は、分析部30を構成する各部をそれぞれ動作させる移動機構を含む。この移動機構は、例えば、ディスク回動機構、アーム回動機構、及び上下動機構(図示せず)である。ディスク回動機構は、例えば、ディスクサンプラ8、試薬庫1、及び反応庫2に応じて設けられる。ディスク回動機構が動作することで、ディスクサンプラ8、試薬庫1、及び反応庫2がそれぞれ回動する。
アーム回動機構は、例えば、撹拌アーム11及び分注アーム31に応じて設けられる。アーム回動機構を動作させることで、試料分注プローブ15を備えた分注アーム31がその回転軸回りに回転する。これにより、試料分注プローブ15を円弧状の軌道上の撹拌位置に移動させることができる。
上下動機構は、例えば、各分注プローブ及び各撹拌子に応じて設けられる。上下動機構は、例えば、スクリュー回動機構を含む。スクリュー回動機構は、ナット部材に対しスクリュー部材を正方向/逆方向に回転させる。このように、分注アーム31を介して試料分注プローブ15を上下移動させるように構成される。また、上下動機構は、スクリュー回動機構により試料分注プローブ15を直接上下動させるように構成されてもよい。このとき、試料分注プローブ15の先端15aは、最大降下位置eと洗浄前停止位置bとの間で上下動される。
[分析制御部65]
分析制御部65は分注制御部66、洗浄制御部67、及び機構制御部68を含んで構成される。
〔分注制御部66〕
分注制御部66は、例えば、機構制御部68から受けた試料分注プローブ15の位置情報に基づいて、分注機構部520に備えられた各機構を制御する。それにより、試料分注プローブ15による試料の分注が行われる。分注制御部66は、その分注の終了時に、分注が終了したことを示す終了情報を機構制御部68に出力する。その終了情報を受けた機構制御部68は、移動機構部500に対し試料分注プローブ15を洗浄位置に移動させるよう指示する。
〔機構制御部68〕
機構制御部68は、例えば、図示しない記憶手段に予め記憶された設定ファイルに基づき移動機構部500に含まれる各移動機構を制御する。それにより、分析部30を構成する各分析ユニットが駆動される。
機構制御部68は、アーム回動機構及び上下動機構を制御することで、分注アーム31を介して試料分注プローブ15を回動、及び上下移動させる。試料分注プローブ15の先端15aは、機構制御部68による制御によって試料吸引位置又は試料噴出位置に停止する。分注制御部66は、その制御に応じて分注機構部520に対し吸引又は噴出を指示する。この指示を受けた分注機構部520は、図示しないポンプ等を駆動して吸引動作又は噴出動作を行う。
また、機構制御部68は、ディスク移動機構を駆動して、ディスクサンプラ8及び反応庫2を回動させる。これにより、所定の試料容器3が試料吸引位置に移動され、所定の反応容器4が試料吐出位置に移動される。
機構制御部68は、試料分注プローブ15が降下し、かつその先端15aが洗浄高さdに達すると、洗浄制御部67に対し洗浄動作の開始を示す情報を出力する。その情報を受けた洗浄制御部67は、洗浄機構部510aに対し洗浄動作の開始を指示する。この指示を受けた洗浄機構部510aは、図示しない電磁弁を開として、予め設定された流量の洗浄水Wをノズル21に供給する。また、機構制御部68は、試料分注プローブ15が上昇し、かつその先端15aが洗浄高さに達すると、洗浄制御部67に対し洗浄動作の終了を示す情報を出力する。その情報を受けた洗浄制御部67は、洗浄機構部510aに対し洗浄動作の終了を指示する。この指示を受けた洗浄機構部510aは、図示しない電磁弁を閉として、ノズル21への洗浄水Wの供給を遮断する。機構制御部68によるこれら制御により洗浄対象域WSが洗浄される。
機構制御部68は、例えば、試料分注プローブ15の先端15aが所定の高さに達したかを判定する図示しない判定部を備える。この判定部による判定は、試料分注プローブ15の種類に応じた寸法、及び、スクリュー部材の回転量と試料分注プローブ15の移動量との対応関係、並びにスクリューの回転方向と試料分注プローブ15の移動方向との対応関係に基づいて行われる。なお、所定の高さは、例えば、洗浄高さd又は最大降下位置eである。例えば、機構制御部68による試料分注プローブ15の降下にかかる制御が開始されると、判定部は、当該対応関係に基づき、スクリュー部材の回転量、回転方向等に応じて、試料分注プローブ15の先端15aが洗浄高さdに達したか判定する。また、判定部は、同時に試料分注プローブ15の移動方向も判定する。降下移動により洗浄高さdに達したと判定された場合、その判定部は、洗浄制御部67に対し洗浄動作の開始を指示する。また、最大降下位置eに達した後に、上昇移動により再び洗浄高さdに達したと判定された場合、洗浄制御部67に対し洗浄動作の終了を指示する。
試料分注プローブ15に設定された洗浄対象域WSは、前述したように分析制御部65に含まれる各制御部により制御されることで洗浄される。このとき、洗浄対象域WSが適正に洗浄されるためには、洗浄対象域WSの全域に亘って洗浄水Wが噴きつけられることが必要となる。
この実施形態の自動分析装置10は、信号出力部71と、情報生成部72とを備える。
《信号出力部71》
信号出力部71は、試料分注プローブ15(洗浄対象域WS)に対する洗浄水Wの噴き付け状態に応じた信号を出力する。信号出力部71は、例えば、洗浄水Wの噴きつけ状態に応じて信号状態が変化するパルス信号を出力する。信号出力部71は、センサ18及び信号処理部74を含む。
信号出力部71は、システム制御部60によって制御される。システム制御部60は、信号出力部71に対し、前述した信号の生成及び出力を常時行わせる指示をしてもよいし、所定の期間において前述した信号の生成及び出力を行わせる指示をしてもよい。所定の期間としては、例えば、試料分注プローブ15が洗浄される期間を含む期間が挙げられる。この期間の具体例としては、試料分注プローブ15の先端15aが洗浄前停止位置に停止した時刻から、試料分注プローブ15の先端15aが洗浄後停止位置に停止した時刻までの期間が挙げられる。
図9は、各条件において信号処理部74から出力されるパルス信号の比較を示すグラフである。このグラフの縦軸は電圧値V、横軸は時刻tである。このグラフに示された各線(線S、線SA、線SB、及び線SC)は比較のために並べて示されているが、各線が示す信号における直流成分は0であるものとする。
図9に示すように、パルス信号はオン/オフ信号で示される。線Sは、洗浄制御部67から図示しない電磁弁に送信された「流路の開閉」を指示するパルス制御信号を示している。この信号がオンする間、その電磁弁は「開」となりノズル21に洗浄水Wが供給される。また、線SA、線SB、及び線SCは、信号処理部74から出力されるパルス信号を示している。線SAは、洗浄対象域WSに対する洗浄水Wの噴きつけ状態が適正である場合を示している。また、線SBは、洗浄対象域WSに対する洗浄水Wの噴きつけ状態が適正でない第1の場合を示している。線SCは、洗浄対象域WSに対する洗浄水Wの噴きつけ状態が適正でない第2の場合を示している。
ここで、「洗浄水Wの噴きつけ状態が適正でない第1の場合」とは、洗浄対象域WSに洗浄水Wが噴きつけられているものの、その噴きつけ状態が適正でない場合をいう。具体例としては、洗浄対象域WSに洗浄水Wが噴きつけられている状態、洗浄対象域WSに噴きつけられる洗浄水Wの流量が予め設定された流量よりも小さい場合などが挙げられる。また、「洗浄水Wの噴きつけ状態が適正でない第2の場合」とは、洗浄対象域WSに洗浄水Wが噴きつけられていない場合をいう。
線SAに示されるパルス信号と線SBに示されるパルス信号とのパルス幅(オン時間)を比較すると、線SBにおけるパルス幅T3は、線SAにおけるパルス幅T2よりも短い。また、線SCにおいてはパルス信号(オン信号)が存在しないため、パルス幅は0である。つまり、洗浄水Wの噴きつけ状態が適正でない場合に信号出力部71から出力されるパルス信号のパルス幅は、洗浄水Wの噴きつけ状態が適正である場合と比較して短くなる。
また、線SAにおいて、信号がオンする時刻t2は、線Sにおいてパルス制御信号がオンする時刻t1に対し所定の期間(TA=t2―t1)遅れる。この期間TAは、図示しない電磁弁が開となってから、洗浄対象域WSに洗浄水Wが噴きつけられる(接触する)までの期間であると考えられる。そのため、信号出力部71は、洗浄対象域WSに対する洗浄水Wの噴きつけ状態に応じて電気的特性が変化する信号を生成し、この信号に基づいてパルス信号を生成するものと考えられる。信号出力部71は、このような信号を生成させるセンサ18を含む。
《センサ18》
センサ18は、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴きつけ状態に応じて電気的特性が変化する信号を生成する。この信号は、例えば、電圧信号である。センサ18は、例えば、導電検知式のセンサによって構成される。このセンサは、1対の電極によって構成される。この1対の電極は、信号電極及び接地電極で構成される。このセンサは、洗浄対象域WSに導電性を有する液体が噴きつけられることで、この1対の電極が導通されるように構成される。導電性を有する液体は、例えば、洗浄水Wである。このことから、センサ18は、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴きつけの有無により信号がオン/オフするパルス信号を生成することができる。この場合に生成されるパルス信号は、線SAで示される信号、線SCで示される信号のいずれかである。このパルス信号は、信号出力部71により情報生成部72に出力される。
(静電容量検知式センサ)
センサ18は、例えば静電容量検知式のセンサによって構成されてもよい。このセンサはキャパシタを含む。このキャパシタは、例えば、洗浄対象域WSと、洗浄水Wの経路を画成する部材のうち洗浄対象域WSと対向する部分(以下、「対向部」という場合がある)とで形成される。つまり、このキャパシタは、試料分注プローブ15を形成する壁面を一方の極板、洗浄水Wの経路を画成する部材を他方の極板として形成される。洗浄水Wの経路を画成する部材としては、例えば、ノズル21、洗浄機構部510aに含まれる図示しない流路、タンク等が挙げられる。この場合、これら極板を構成する部分が少なくとも導電性材料で構成される。また、対向部は、キャパシタの実効面積を大きさせるために洗浄対象域WSと略平行であることが望ましい。
ノズル21は、例えば、折れ曲り部を備える。この場合、対向部は、ノズル21を形成する壁面のうち、この折れ曲り部によって洗浄対象域WSと対向された部分となる。一方、ノズル21を形成する壁面が対向部を構成しない場合、例えば、ノズル21に接続される図示しない流路、タンク等を形成する壁面のうち洗浄対象域WSと対向する部分が対向部となる。また、噴出口21aは、その直径が試料分注プローブ15の幅WPよりも大きく形成される。この場合、対向部の幅が試料分注プローブ15の幅WPよりも大きくなるので、形成されるキャパシタの幅は洗浄対象域WSの幅WPとなる。
センサ18は、このキャパシタから出力された信号を電圧信号として出力する。この電圧信号は、例えば、キャパシタの静電容量Cの値に応じて振幅の大きさが変化する。この場合、信号出力部71は、センサ18から出力された信号に基づき、洗浄水Wの噴きつけ状態に応じて信号状態が変化する信号を新たに生成させる信号処理部74を含む。
また、試料分注プローブ15に液面検知センサが設けられる場合、その液面検知センサの構成の一部又は全部をセンサ18の構成として用いることができる。この液面検知センサは、従来公知の構成を適宜選択して構成することができる。この液面検知センサの具体例としては、導電検知式のセンサ、静電容量検知式のセンサが挙げられる。
〔信号処理部74〕
信号処理部74は、センサ18から出力された信号に基づいて処理することで、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴き付け状態に応じた信号を生成する。この信号は、例えば、洗浄水Wの噴きつけ状態に応じて信号状態が変化するパルス信号である。
信号処理部74は、このパルス信号を、以下に示す例に基づいて生成することができる。信号処理部74は、例えば、センサ18から出力された電圧信号に対し絶対値変換処理及び比較処理を施すことで、このパルス信号を生成することができる。この場合、センサ18から出力される電圧信号は、その振幅の値が静電容量Cの値に対応する信号である。
ここで、絶対値変換処理とは、信号に含まれる負の電圧成分を正の電圧成分に変換する処理をいう。また、比較処理とは、電圧信号が所定の閾値電圧を上回った場合に無信号の状態から所定電圧の信号を立ち上げ(オン)、所定の閾値電圧を下回った場合にその信号を無信号の状態に立ち下げる(オフ)処理をいう。
ここで、静電容量検知式のセンサにより検知される信号の一例について説明する。対向する極板により形成されるキャパシタの静電容量Cは、一般に、極板の実効面積G(以下、単に「実効面積G」という場合がある)、極板間の距離D(以下、単に「距離D」という場合がある)、及び極板間の誘電体の誘電率ε(以下、単に「誘電率ε」という場合がある)により規定される。静電容量Cは、実効面積G及び誘電率εに比例し、距離Dに反比例する。洗浄対象域WSの洗浄時において、試料分注プローブ15は鉛直方向に昇降移動するので距離Dは一定となる。実効面積Gは、対向する極板のうち互いに対向する部分の面積により規定される。また、誘電率εは、空気に対する水の比誘電率ε1が80程度である。つまり、水の誘電率の値は、空気の誘電率の値の80倍となる。
試料分注プローブ15の外壁面のうちの実効面積Gを形成する部分に洗浄水Wが噴きつけられると、誘電率の値の変動により静電容量Cの値が大きく変化する。洗浄水Wの誘電率εの値は一定であるので、静電容量Cの大きさは、試料分注プローブ15において洗浄水Wが噴き付けられた面積Iの大きさに対応(例えば比例)する。この場合、面積Iが大きければ静電容量Cは大きくなり、面積Iが小さければ静電容量Cは小さくなる。試料分注プローブ15の外壁面のうち、対向部と対向する部分の全面に洗浄水Wが噴きつけられると仮定すると、面積Iは実効面積Gとなる。
この面積Iの大きさは、例えば試料分注プローブ15とノズル21との位置関係により変化する。この位置関係について図3〜図8を参照して説明する。
(試料分注プローブ15とノズル21との位置関係)
図3及び図4は、洗浄中における試料分注プローブ15と洗浄槽20aとの位置関係を示した概念図である。
図3及び図4に示すように、ノズル21は、洗浄室22において予め設定された洗浄位置を洗浄水Wが通過可能となるように設けられる。洗浄位置は、洗浄高さdを鉛直方向の位置、洗浄位置fが水平方向の位置として規定される。この場合、ノズル21は、その中心軸の延長線L1が洗浄高さdを通るように設けられる。ここで、ノズル21の中心軸とは、噴出口21aの中心を通り噴出口21aを形成する面に垂直な軸をいう。ノズル21が直筒形状に形成される場合には、ノズル21における中心軸をいう。
試料分注プローブ15は、上下動機構により鉛直方向に昇降移動される。開口24aから洗浄空間27内に降下された試料分注プローブ15は、その先端15aが最大降下位置eに達した後に上昇される。洗浄機構部510aは、降下により先端15aが洗浄高さdに達したときから、その後の上昇により先端15aが再び洗浄高さdに達するまでの間、洗浄水Wを洗浄室22の内部に供給する。そのため、洗浄対象域WSは、噴出口21aと対向する試料分注プローブ15の外壁部分のうち、先端15aから鉛直方向に所定距離までの部分となる。この所定距離は、例えば、洗浄高さdと最大降下位置eとの間隔である。噴出口21aから洗浄対象域WSに向けて噴出された洗浄水Wは、洗浄対象域WSを洗浄した後に開口25aから排出され、その排出液DWは例えば廃液タンク28に貯留される。
図4は、図3に示した構成を上方から見たときの概念図である。図4に示すように、洗浄位置fは、例えば、開口24aの中心点により規定される。水平方向において、ノズル21は、その中心軸の延長線L1がこの洗浄位置fを通るような位置に設けられる。
図4に示すように、洗浄水Wは噴出口21aから洗浄空間27に向けて噴出(吐出)される。洗浄水Wは、例えば、直噴流の形態で噴出され、その噴流軸は、噴出口21aから洗浄対象域WSまでの区間において、延長線L1に沿う。この場合、洗浄水Wの噴流軸が延長線L1に沿う噴出圧となるように洗浄機構部510aに含まれる図示しないポンプの駆動電圧が設定される。
以下、試料分注プローブ15とノズル21との位置関係の説明をする。この説明において、試料分注プローブ15の形状を円筒形状とし、その幅をWPとする。また、ノズル21の形状を円筒形状とし、噴出口21aから円形噴流が水平に噴出されるものとする。
図5は、洗浄室22を上方から見た概念図である。図5は、洗浄室22、及び洗浄室22内の異なる位置に停止した試料分注プローブ15を示している。この図には、異なる位置に停止した試料分注プローブ15として試料分注プローブ15C、15L、及び15Rが示されている。この図は、これら試料分注プローブ15が同時に存在することを示すものではなく、ノズル21と、これらのうちの1本の試料分注プローブ15との相対関係を示している。つまり、これら図は、異なる位置に停止された試料分注プローブ15と、ノズル21との相対関係の比較を示している。この図において、ノズル21と試料分注プローブ15との位置関係を明瞭とするために洗浄室22を破線で示した。
図に示される、洗浄位置f、位置g、及び位置hは軌道R1上の点である。噴出口21aから洗浄水Wが噴出されることで、それぞれの位置に停止した試料分注プローブの外壁部分にその洗浄水Wが噴きつけられる。
試料分注プローブ15Cは、洗浄位置f(適正な洗浄位置)に停止された試料分注プローブ15であり、「適正な位置に停止」した試料分注プローブ15として実線で示されている。以下の説明において、「右側」及び「左側」を、噴出口21aから洗浄対象域WSに向かう方向に対して「右側」及び「左側」とするものとする。試料分注プローブ15Lは、位置gに停止された試料分注プローブ15であり、「不適正な位置に停止」した試料分注プローブ15として破線で示されている。ここで、位置gは洗浄位置fよりも左側の位置となる。また、位置hは洗浄位置fよりも右側の位置となる。位置gに停止された試料分注プローブ15である試料分注プローブ15Lも、「不適正な位置に停止」した試料分注プローブ15として破線で示されている。
図6は、洗浄室22を洗浄水Wの噴出方向側から見た概念図である。この図は、図5に示した構成を洗浄水Wの噴出方向側から見たものを示している。
まず、試料分注プローブ15Cの外壁部分に洗浄水Wが噴きつけられた場合について、図6及び図7を参照して説明する。図7は、試料分注プローブ15Cの外壁部分のうち洗浄水Wに噴きつけられる部分を示した概念図である。
図6及び図7に示すように、噴出口21aから円形噴流として噴出された洗浄水Wは、試料分注プローブ15Cの外壁部分に噴きつけられる。この円形噴流は、その外壁部分に噴きつけられる位置において、噴流幅WLを有する。この噴流幅WLは、幅WPよりも大きいものとする。噴流幅WLは、洗浄水Wの節約や、洗浄による洗浄水Wの飛び散りを少なくするため、幅WPよりも若干大きい程度に設定されることが望ましい。また、その噴きつけられる位置における噴流断面WAは、噴流幅WLを直径とする円形状となる。このとき、噴流断面WAの中心Oは試料分注プローブ15Cの中心軸L2上となる。
試料分注プローブ15Cの外壁部分に洗浄水Wが瞬時的に噴きつけられる面WCは、噴流幅WLが幅WPよりも大きいため、噴流断面WAのうちの中心Oを含む大部分によって構成される。つまり、面WCは、その外壁部分の幅方向の全面に亘る部分を含んで形成される。
また、面WCは対向部と互いに対向しているため、面WCの面積がキャパシタの実効面積Gとなる。さらに、試料分注プローブ15Cは、鉛直方向に昇降移動される。このとき、洗浄水Wが通過する位置は洗浄高さdにおいて固定されている。そのため、試料分注プローブ15Cに曲がり等が生じていない場合において、洗浄水Wが実効的に噴きつけられる面WBは洗浄対象域WSの全面を含む。このことは、洗浄対象域WSの全面に洗浄水Wが噴きつけられたことを示している。そのため、洗浄部20は、試料分注プローブ15Cを適正に洗浄することができる。
次に、試料分注プローブ15Lの外壁部分に洗浄水Wが噴きつけられた場合について、図6及び図8を用いて説明する。図8は、試料分注プローブ15Lの外壁部分のうち洗浄水Wに噴きつけられた部分を示した概念図である。
図6及び図8に示すように、噴出口21aから円形噴流として噴出された洗浄水Wは、試料分注プローブ15Lの外壁部分に噴きつけられる。この円形噴流は、その外壁部分に洗浄水Wが噴きつけられる位置において、同様に噴流幅WL及び噴流断面WAを有する。このとき、噴流断面WAは試料分注プローブ15Lに対し右側に大きくずれた位置となり、噴流断面WAの中心Oは試料分注プローブ15Lの右外側の位置となる。
試料分注プローブ15Cの外壁部分に洗浄水Wが瞬時的に噴きつけられる面WQは、噴流断面WAのうちの左端の一部分によって構成される。つまり、面WQは試料分注プローブ15Cの幅方向における一部となる。この場合、面WQは、試料分注プローブ15Cの右側端面を弦とする部分円となる。
また、面WQは対向部と互いに対向しているため、面WQの面積がキャパシタの実効面積Gとなる。また、前述と同様に試料分注プローブ15Lは鉛直方向に昇降移動される。そのため、試料分注プローブ15Lの外壁部分に洗浄水Wが実効的に噴きつけられる面WRは洗浄対象域WSのうちの右側の一部分となる。そのため、試料分注プローブ15Lには、洗浄対象域WSの右側の一部分にしか洗浄水Wを噴きつけることができない。このことは、試料分注プローブ15Rにおいても同様であって、試料分注プローブ15Rの外壁部分に洗浄水Wが実効的に噴きつけられる面は洗浄対象域WSのうちの左側の一部分となる。
(試料分注プローブ15の位置とセンサ18において生成される信号との関係)
次に、試料分注プローブ15C及び15Lに向けてそれぞれ洗浄水Wが噴出される場合にセンサ18から出力される信号について説明する。この場合、センサ18は、試料分注プローブ15と対向部(例えば、ノズル21の壁面)とによって形成されるキャパシタを含む。センサ18から出力される信号は、例えば、キャパシタの静電容量Cの値に応じて電圧値が変化する電圧信号である。まず、キャパシタの静電容量Cの大きさと、センサ18からの出力信号との関係について図を用いて説明する。
図10は、センサ18から出力された信号(以下「センサ検知信号」という場合がある)の一例を示すグラフである。このグラフの縦軸は電圧値V、横軸は時刻tである。このグラフに示される線UAは、図7に示した試料分注プローブ15Cに対応するセンサ検知信号の時系列変化を示す。また、線UBは、図8に示した試料分注プローブ15Lに対応するセンサ検知信号の時系列変化を示す。また、線UCは、試料分注プローブ15に洗浄水Wが噴きつけられなかった場合に対応するセンサ検知信号の時系列変化を示す。
前述したように、試料分注プローブ15Cと対向部との間において形成されるキャパシタCAは、面WCの面積を実効面積Gとして形成される。また、試料分注プローブ15Lにおいて形成されるキャパシタCBは、面WQの面積を実効面積Gとして形成される。面WCの面積は面WQの面積よりも大きいので、キャパシタCAの静電容量C1は、キャパシタCBの静電容量C2よりも大きくなる。
図10に示すように、線UA及び線UBは時刻t2〜t6において正負対称な波形を示す。線UAは時刻t2においてV=V1に向かって垂直に立ち上がる。電圧値がV=V1に達すると電圧値がV=V2に達するまで単調増加する。時刻t7において電圧値がV=V2に達すると線UAは電圧値V=−V2に向かって垂直に立ち下がる。電圧値がV=−V2に達すると電圧値がV=−V1に達するまで単調増加する。このとき、線UAにおける最小値は、電圧値V=−V2となる。時刻t6において電圧値がV=−V1に達すると線UAは電圧値V=0に向かって垂直に立ち上がる。
線UBは、線UAと同様な波形となるが、時刻t2において達する電圧値V=V3は電圧値V=V1よりも小さい。また、時刻t2〜t7において線UAと同様に単調増加するので、線UBにおける電圧値V=V4は線UAにおける電圧値V=V2よりも小さくなる。これは、負側の電圧値V=−V3及びV=−V4においても同様である。これらのことは、キャパシタCAに対応する線UAの振幅が、キャパシタCBに対応する線UBの振幅よりも大きいことを示している。つまり、このグラフに示されるセンサ検知信号の振幅の大きさは、キャパシタの静電容量Cの大きさに対応(例えば比例)する。また、線UCはキャパシタの静電容量に変化がなかったことを示す波形となる。この波形は、例えば、キャパシタの駆動信号の波形となる。このように、センサ18は、キャパシタの静電容量Cの大きさに対応した振幅の大きさを有する信号が生成することができる。
(試料分注プローブ15の位置と信号処理部74における生成信号との関係)
次に、試料分注プローブ15C及び15Lに向けてそれぞれ洗浄水Wが噴出される場合に信号処理部74から出力される信号について説明する。信号処理部74は、センサ18から受けたセンサ検知信号を比較処理する。
信号処理部74は、センサ18から受けたセンサ検知信号を絶対値信号に変換し、この絶対値信号と予め設定された閾値電圧とに基づいてパルス信号を生成する。
図11は、センサ検知信号に基づいて生成された絶対値信号の一例を示すグラフである。線UA1は、図10に示した線UAに対応する絶対値信号、線UB1は、図10に示した線UBに対応する絶対値信号、線UC1は、図10に示した線UCに対応する絶対値信号を示している。また、電圧値V3と電圧値V4との間に、閾値電圧VCが設定されている。
次に、信号処理部74は、この絶対値信号が示す電圧値Vが閾値電圧VC以上であるときをオン、閾値電圧VC未満であるときをオフとする比較処理を行って、パルス信号を生成する。図11に示される線UA1の電圧値は、時刻t2〜t6の期間で閾値電圧VC以上となる。そのため、生成されるパルス信号は、図9に示すような時刻t2〜t6の期間でオンとなる線SAで示される。線UC1で示される信号において、閾値電圧VC以上となる期間はない。そのため、生成されるパルス信号は、図9に示すような時刻t2〜t6の期間でオフとなる線SCで示される。
図9に示されるグラフにおいて、オンとなる期間は試料分注プローブ15の外壁部分に洗浄水Wが瞬時的に噴きつけられる面の面積Iに対応している。この面積Iが予め設定された面積Hよりも大きい場合に洗浄が適正に行われていると判定される。
閾値電圧VCは、この面積Hに基づいて経験的又は実験的に設定することができる。閾値電圧VCを実験的に設定する一例を以下に示す。操作者は、分析動作の開始前に、洗浄対象域WSに洗浄水Wが瞬時的に噴きつけられる面の面積が面積Hとなるように、洗浄対象域WSとノズル21との相対位置を目視等により設定する。次に、洗浄対象域WSに洗浄水Wを噴きつけて得られた検知信号を信号処理部74に出力する。次に、信号処理部74はセンサ検知信号の絶対値信号を生成する。
この絶対値信号が、例えば、図11に示す線UB1であると仮定すると、閾値電圧VCの値はVC=V3となる。電圧値V=V3は、信号が垂直に立ち上がる時刻t2における電圧値Vの最大値である。この最大値が電圧値V=V3未満である場合、オン時刻は電圧値V=V3に達するまでに要する期間分、時刻t2よりも後の時刻となる。また、オフ時刻は、電圧値V=V3に早く達する期間分、時刻t6よりも前の時刻となる。この最大値が電圧値V=V3未満である信号は、洗浄対象域WSに洗浄水Wが瞬時的に噴きつけられる面の面積が面積Hよりも小さい場合に対応する。これにより、洗浄対象域WSに洗浄水Wが瞬時的に噴きつけられる面の面積が面積Hよりも小さくなればなるほど、信号処理部74で生成されるパルス信号のパルス幅は短くなる。
このように、信号処理部74は、洗浄対象域WSにおける洗浄水Wの噴きつけ面積(接触面積)に応じてパルス幅が異なるパルス信号を生成することができる。信号出力部71は、このパルス信号を情報生成部72に出力する。また、情報生成部72は、信号処理部74で生成された絶対値信号を情報生成部72に出力してもよい。
〔情報生成部72〕
情報生成部72は、信号出力部71から受けた信号に基づいて、試料分注プローブ15の洗浄状態に関する情報を生成する。この情報は、試料分注プローブ15の洗浄状態の適否に関する情報を含む。情報生成部72は、信号出力部71から受けた信号に基づいて洗浄状態の適否を判定する状態判定部73を含む。適正な洗浄状態とは、その洗浄により、洗浄対象域WSの全域に亘って洗浄水Wが噴きつけられた状態、又は噴き付けられることが予定される状態をいう。また、不適正な洗浄の状態とは、その洗浄により、洗浄対象域WSの全域に亘って洗浄水Wが噴きつけられなかった状態、又は噴き付けられないことが予定される状態をいう。
《状態判定部73》
状態判定部73は、信号出力部71から出力された信号に基づき洗浄状態の適否を判定して、その判定結果を生成する。状態判定部73は、例えば、以下に示す第1〜第3の機能を用いることにより、洗浄状態の適否を判定する。
(第1の機能)
状態判定部73は、信号出力部71から受けたパルス信号のパルス幅に基づき洗浄状態の適否を判定する第1の機能を備える。
状態判定部73は、例えば、信号出力部71から受けたパルス信号のパルス幅が、予め設定された閾値期間TSよりも小さい場合に「洗浄状態が不適正」であると判定する。閾値期間TSは、洗浄動作が適正に行われる場合に対応するパルス幅のうちの最短期間として設定される。閾値期間TSは、例えば、洗浄の状態が適正である場合に対応するパルス幅として、予め実験的に求めることで設定される。
状態判定部73による洗浄状態の適否の判定は、所定の期間内に生成されたセンサ検知信号に基づくパルス信号において行われる。所定の期間とは、例えば、試料分注プローブ15の先端15aが洗浄前停止位置に停止した時刻から、試料分注プローブ15の先端15aが洗浄後停止位置に停止した時刻までの期間である。
また、状態判定部73は、パルス制御信号のパルス幅に基づいて閾値期間TSを設定することもできる。状態判定部73は、パルス制御信号が立ち上がる第1タイミングを取得し、その後にパルス制御信号が立ち下がる第2タイミングを取得する。線Sで示されるパルス制御信号を一例として説明すると、状態判定部73は、第1タイミングとして取得された時刻t1と、第2タイミングとして取得された時刻t5とに基づいてパルス幅T1を取得する。この場合、閾値期間TSはパルス幅T1と同じ時刻に設定されるが、これに限定されるものではなく、適正な洗浄が担保されれば、パルス幅T1よりも短い時間であってもよい。
図9の線SA及び線SBで示されるパルス信号を一例として説明する。線SAに対応するパルス信号において、状態判定部73は、第1タイミングとして取得された時刻t2と、第2タイミングとして取得された時刻t6とに基づいてパルス幅T2を取得する。また、線SBに対応するパルス信号において、状態判定部73は、第1タイミングとして取得された時刻t3と、第2タイミングとして取得された時刻t5とに基づいてパルス幅T3を取得する。
状態判定部73は、線SAで示されるパルス信号に対応して行われた洗浄状態の適否を判定する。状態判定部73は、線SAで示されるパルス信号を受けると、そのパルス信号に含まれるパルス幅T2が閾値期間TSよりも短いか否かを判定する。この場合、閾値期間TSをパルス制御信号のパルス幅T1(期間t1〜t5)とする。パルス幅T2はパルス幅T1と等しいので、状態判定部73は、線SAで示されるパルス信号に対応して行われた洗浄の状態が適正であると判定する。
また、状態判定部73は、線SBで示されるパルス信号に対応して行われた洗浄状態の適否を判定する。状態判定部73は、線SBで示されるパルス信号を受けると、そのパルス信号に含まれるパルス幅T3が閾値期間TSよりも短いか否かを判定する。パルス幅T3はパルス幅T1よりも短いので、状態判定部73は、線SBで示されるパルス信号に対応して行われた洗浄の状態が不適正であると判定する。
この場合、情報生成部72において、さらに、「試料分注プローブ15がずれた疑いがある」という情報、「試料分注プローブ15が曲がっている疑いがある」という情報、「ノズル21等が詰まっている疑いがある」という情報を生成してもよい。
上述した信号の生成及び判定は、1回の洗浄動作が連続的に噴出される洗浄水Wにより行われる場合への適用について述べたが、これに限定されるものではない。例えば、1回の洗浄動作が間欠的に複数回噴出される洗浄水Wにより行われる場合においても上述したことを適用することができる。この場合、洗浄制御部67が洗浄機構部510aに洗浄水Wの供給の終了を指示すると、洗浄制御部67から情報生成部72に対し、パルス制御信号とともに「流路が最終的に閉となった」ことを示す信号が出力される。
(第2の機能)
状態判定部73は、信号出力部71から受けたパルス信号が立ち上がる時刻に基づき洗浄状態の適否を判定する第2の機能を備える。
状態判定部73は、パルス制御信号が立ち上がる時刻と、信号出力部71から受けたパルス信号が立ち上がる時刻との時間差(差分)をとり、その時間差が所定の期間より長い場合に「洗浄状態が不適正」であると判定する。具体的に、状態判定部73は、パルス制御信号が立ち上がる時刻を第1タイミングとして取得する。次に、信号出力部71から受けたパルス信号が立ち上がる時刻を第2タイミングとして取得する。状態判定部73は、その第1タイミングとその第2タイミングとの時間差をとり、この時間差と閾値期間TRとを比較する。閾値期間TRは、例えば、前述した期間TAである。状態判定部73は、この時間差が期間TAと一致しない場合、そのパルス信号に対応する洗浄の状態が不適正であると判定する。また、この場合の「一致」は実質的な一致を含み、閾値期間TRは、例えば、期間TAの90%〜110%の範囲で設定してもよい。
状態判定部73において、その洗浄の状態が不適正であると判定された場合、情報生成部72は「洗浄の状態が不適正である」という情報を生成する。この場合、情報生成部72は、さらに、「試料分注プローブ15がずれた疑いがある」情報及び「試料分注プローブ15がずれた疑いのある方向」の情報を生成することができる。「試料分注プローブ15がずれた疑いのある方向」は、状態判定部73により判定される。状態判定部73は、その時間差(差分)がこの閾値期間TRを下回る場合、「試料分注プローブ15が、軌道R1の半径方向内側にずれている疑いがある」と判定し、その判定結果を情報生成部72に出力する。一方、その時間差(差分)が、閾値期間TRを上回る場合、「試料分注プローブ15が、軌道R1の半径方向外側にずれている又は軌道R1の軌道方向にずれている疑いがある」と判定し、その判定結果を情報生成部72に出力する。
また、状態判定部73において、その洗浄の状態が不適正であると判定された場合、情報生成部72は「試料分注プローブ15が曲がっている疑いがある」という情報を生成することができる。情報生成部72は、さらに、「試料分注プローブ15が曲がった疑いのある方向」の情報の生成を、「試料分注プローブ15がずれた疑いのある方向」と同様にして行うことができる。状態判定部73による試料分注プローブ15の曲がりの判定は、例えば、試料分注プローブ15が昇降動作される際に対応するパルス信号に基づき判定することによっても行うことができる。この場合、状態判定部73は、昇降動作に伴うパルス幅の変化の有無を判定する。
また、状態判定部73において、その洗浄の状態が不適正であると判定された場合、情報生成部72は「試料分注プローブ15が詰まっている疑いがある」という情報を生成することができる。
この第2の機能によれば、信号出力部71から受けたパルス信号が立ち上がる時刻において、試料分注プローブ15における洗浄の適否を判定することが可能となる。そのため、この洗浄の適否を試料分注プローブ15の洗浄中において行うことができる。また、情報生成部72において生成された、これら情報は出力部50に出力され、出力部50は、その情報に基づく報知情報を外部に出力する。
(第3の機能)
状態判定部73は、信号処理部74で生成された絶対値信号の時系列情報において、閾値電圧VCとなる時刻に基づき洗浄状態の適否を判定する第3の機能を備える。第3の機能は、信号処理部74で行われる比較処理を判定処理として行ったものである。具体的に、状態判定部73は、絶対値信号が増加することで閾値電圧VCに達する時刻を第1タイミングとして取得し、その後、絶対値信号が減少することで閾値電圧VCに達する時刻を第2タイミングとして取得する。状態判定部73は、その第1タイミングとその第2タイミングとの時間差(差分)をとり、この時間差と閾値期間TGとを比較する。以降の処理は、閾値期間TSを閾値期間TGとして第1の機能と同様に行うことで、その洗浄の状態が適正であるか不適正であるかを判定することができる。また、パルス信号が立ち上がるタイミングを第1のタイミング、絶対値信号が増加することで閾値電圧VCに達する時刻を第2のタイミングとして、前述した第2の機能と同様に判定することもできる。
[システム制御部60]
システム制御部60は、データ処理部40、出力部50、及び信号処理部74、情報生成部72のそれぞれを制御する。なお、システム制御部60は、分析制御部65の停止制御を行ってもよい。
システム制御部60は、情報生成部72から洗浄の状態が不適正であるという情報を受けて分析制御部65に自動分析装置10の分析動作を中止させる指示をする。分析制御部65はこの指示を受けて移動機構部500に含まれる各機構の制御を停止する。その結果、自動分析装置10の分析動作が停止される。
また、システム制御部60は、情報生成部72から洗浄の状態が不適正であるという判定結果を受けて出力部50を制御する。システム制御部60は、洗浄の状態が不適正であるという判定結果を受けると、例えば、報知部51を制御して洗浄の異常を外部に報知させる。また、システム制御部60は、洗浄の状態が不適正であるという判定結果を受けると、例えば、表示部52を制御して洗浄の異常を示す情報を表示画面に表示させる。操作者は、外部に出力された洗浄の異常を認知し、例えば、操作部80を操作することにより、システム制御部60に対し自動分析装置10の測定動作を中止させる指示をする。
また、システム制御部60は、情報生成部72から洗浄の状態が不適正であるという判定結果を受けて、その洗浄の直前に試料の分注が行われた反応容器4の識別情報に対し洗浄の異常を示す情報を対応付ける。システム制御部60は、例えば、その識別情報に対応する反応容器4の吸光測定をスキップし、当該試料は再検が必要であるという旨の情報を外部に出力する。
〔試薬部200〕
試薬部200は、試薬庫1と、分注アーム31と、試薬分注プローブ16とを含む。試薬分注プローブ16は、試料分注プローブ15と同様に分注アーム31に保持されている。分注アーム31の動作に応じて、試薬分注プローブ16が移動される。試薬庫1は、試薬ラック1aを備える。試薬ラック1aが、ディスク回動機構により回動されることにより、試薬ラック1aに載置された複数の試薬容器5が移動され、特定の試薬容器5が所定の試薬吸引位置に移動される。試薬分注プローブ16は、その試薬吸引位置で試薬を吸引し、所定の試薬吐出位置において反応容器4にその試薬を吐出することで分注を行う。試料分注プローブ15は、例えば、試料分注プローブ15と同様に構成される。
試薬部200は、試薬分注プローブ16に対応して設けられた洗浄部を含む。試薬の分注が終了すると、分注アーム31の動作に応じて、試薬分注プローブ16が洗浄位置に移動され、対応する洗浄槽において洗浄される。
試薬部200において、センサ18は、試薬分注プローブ16に対応して設けることができる。この場合、センサ18は、試料分注プローブ15を試薬分注プローブ16に読み替えて、前述したものと同様に構成することができる。
〔撹拌部300〕
撹拌部300は、撹拌ユニット55を含む。撹拌ユニット55は、撹拌子56及び撹拌アーム11を含む。撹拌子56は、例えば、撹拌位置において、試料と試薬との混合液を撹拌する。撹拌位置は、混合液が撹拌子56により撹拌されるための位置であって、その一は撹拌子56に応じて予め設定される。
撹拌子56は、例えば、平板状に形成されたブレード式の撹拌子、あるいは複数の羽根部を備えたスクリュー式の撹拌子が挙げられる。撹拌子56は、その外壁部分の少なくとも一部が導電性材料で構成される。この外壁部分は、例えば、金属材料により形成される。この金属材料としては、例えばステンレス鋼等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
撹拌部300は、撹拌子56に対応して設けられた洗浄部を含む。混合液の撹拌が終了すると、撹拌アーム11の動作に応じて、撹拌子56が洗浄位置に移動され、対応する洗浄槽において洗浄される。
撹拌部300において、センサ18は撹拌子56に対応して設けられる。この場合、センサ18は、試料分注プローブ15を撹拌子56に読み替えて、試料分注プローブ15に対応して備えられる場合と同様に構成することができる。
〔反応部600〕
反応部600は、反応庫2と、測光ユニット19とを含む。反応庫2には、複数の反応容器4が載置されている。反応庫2は回動可能に構成されている。反応庫2が、ディスク回動機構により回動されることにより、特定の反応容器4を、容器停止位置を含む所定の各位置に移動させることができる。測光ユニット19は所定の測定位置を含む領域に配置されており、反応容器4に収容された反応液の吸光度を測定する。これにより、所定の測定位置においてその反応液に含まれる成分が分析される。この分析結果は、データ処理部40に出力される。
〔容器洗浄部400〕
容器洗浄部400は、容器洗浄ユニット57を含む。容器洗浄ユニット57は、洗浄、乾燥位置に停止した反応容器4内の測定を終えた反応液を吸引すると共に、反応容器4内を洗浄及び乾燥させる。
[データ処理部40]
データ処理部40は、演算部41と記憶部42とを含む。演算部41は、反応部600から出力された分析結果に基づいて検量データや分析データの生成を行う。記憶部42は、演算部41で生成された標準データや分析データを保管する。
[自動分析装置10の動作]
次に、この実施形態の自動分析装置10の動作について説明する。図12は、この実施形態の自動分析装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、自動分析装置10は、分析開始を示す所定のトリガーを受けて分析動作を開始する(ステップS001)。
次に、機構制御部68及び分注制御部66は、移動機構部500に含まれるアーム回動機構及び上下動機構並びに分注機構部520を制御し、所定の試料容器3から所定の反応容器4に所定の試料を分注する(ステップS002)。
試料の分注が終了すると、機構制御部68は、移動機構部500に含まれる上下動機構及びアーム回動機構を制御して、試料分注プローブ15を移動させ、その先端15aを洗浄前停止位置bに停止させる(ステップS003)。
試料分注プローブ15の先端15aが洗浄前停止位置bに停止する(ステップS004)と、分析制御部65はセンサ18による検知を開始させる(ステップS005)。センサ18は、センサ検知信号を信号処理部74に出力する。この場合、センサ18は静電容量検知式のセンサにより構成される。
センサ18による検知が開始されると、機構制御部68は、移動機構部500に含まれる上下動機構を制御して、試料分注プローブ15を降下させる(ステップS006)。
この降下により、試料分注プローブ15の先端15aが洗浄高さに達する(ステップS007)と、洗浄動作を開始する(ステップS008)。この洗浄動作の開始により噴出口21aから試料分注プローブ15に向けて洗浄水Wの噴出が開始する。
試料分注プローブ15の先端15aが最大降下位置eに達すると(ステップS009)、機構制御部68は、移動機構部500に含まれる上下動機構を制御して、試料分注プローブ15を上昇させる(ステップS010)。
この上昇により、試料分注プローブ15の先端15aが洗浄高さに達する(ステップS011)と、洗浄動作が終了される(ステップS012)。これらタイミングは、洗浄制御部67から図示しない電磁弁に送信された「流路の開閉」を指示するパルス制御信号に基づいて取得される。この洗浄動作の終了により噴出口21aからの洗浄水Wの噴出が停止する。
次に、状態判定部73は、閾値期間TSを取得する(ステップS013)。閾値期間TSは、例えば、洗浄動作が適正に行われる場合の最短期間として予め設定されており、図示しない記憶手段等から取得される。
試料分注プローブ15はさらに上昇され、試料分注プローブ15の先端15aが洗浄後停止位置に停止される(ステップS014)と、分析制御部65はセンサ18による検知を終了させる(ステップS015)。
センサ18による検知が終了されると、信号処理部74は、取得したセンサ検知信号に基づいてパルス信号を生成し、状態判定部73に出力する(ステップS016)。
状態判定部73は、信号処理部74から受けたパルス信号のパルス幅Tmを取得する(ステップS017)。状態判定部73は、閾値期間TSとパルス幅Tmとを比較し、パルス幅Tmが閾値期間TS以下である場合(ステップS018;YES)、そのパルス信号に対応する洗浄の状態が不適正であると判定する。
情報生成部72は、この判定結果に基づいて「試料分注プローブ15における洗浄の状態が不適正である」という情報を生成し、システム制御部60に出力する(ステップS019)。
システム制御部60は、この情報を受けて出力部50を制御して洗浄(動作)の異常を示す情報を外部に出力させる(ステップS020)。システム制御部60は、報知部51を制御して洗浄(動作)の異常を外部に報知させてもよく、あるいは、表示部52を制御して洗浄(動作)の異常を示す情報を表示画面に表示させてもよい。この場合、例えば、洗浄(動作)の異常に対応する反応容器4の識別情報が表示される。
システム制御部60は、この情報を受けて分析制御部65に自動分析装置10の分析動作を中止させる指示をする(ステップS021)。分析動作を中止することにより一連の処理は終了する。
なお、ステップS020(外部出力)及びステップS021(停止)の処理は、いずれか一方を行うようにしてもよく、その処理は必要に応じて適宜設定することができる。例えば、ステップS020の処理のみが行われる場合、システム制御部60は、その洗浄が行われた反応容器4の識別情報に対し洗浄の異常を示す情報を対応付けてもよい。さらに、システム制御部60は、その識別情報に対応する反応容器4の吸光測定をスキップし、当該試料は再検が必要であるという旨の情報を外部に出力してもよい。
一方、パルス幅Tmが閾値期間TS以上である場合(ステップS018;NO)、情報生成部72は、その反応容器4において撹拌動作が適正に行われたと判定する。この場合、続けて別の試料の分注を行う場合(ステップS022;YES)には、ステップS002に戻る。別の試料の分注を行わない場合(ステップS022;NO)、一連の処理は終了する。
これら一連の処理において、情報生成部72は、センサ検知信号に基づき信号処理部74で生成されたパルス信号を取得する。状態判定部73は、そのパルス信号に含まれるパルス幅Tmに基づいて洗浄の状態の適否を判定する。情報生成部72は、その判定結果を示す情報を生成し、この情報をシステム制御部60に出力する。システム制御部60は、例えば、出力部50を制御して、洗浄の状態が不適正であるという情報に基づく報知情報を外部に出力させる。これにより、操作者は、試料分注プローブ15が適正に洗浄されたか否かを知ることができる。また、この処理においては、上述した第1の機能を用いたが、他の機能に基づく判定を行うこともできる。また、上述した第1の機能と第2の機能とを組み合わせて用いることもできる。
[自動分析装置10の作用、効果]
この実施形態の自動分析装置10は、試料分注プローブ15と、移動機構部500と、洗浄部20と、センサ18と、情報生成部72とを備える。情報生成部72は、試料分注プローブ15における洗浄状態の適否の判定結果を示す情報を出力することができる。この情報に基づいて、報知部51が操作者に報知することにより、操作者は、試料分注プローブ15の洗浄が好適に行われているか否かを把握することができる。試料分注プローブ15における洗浄状態の適否の判定は、センサ検知信号に基づいて状態判定部73により行われる。
また、この実施形態の自動分析装置10において、センサ18を静電容量検知式のセンサとしたので、状態判定部73は、試料分注プローブ15における洗浄水の噴きつけの度合いに基づいて洗浄状態の適否を判定し、その判定結果を出力することができる。この噴きつけの度合いは、センサ検知信号に基づき生成されたパルス信号のパルス幅に対応する。つまり、状態判定部73は、センサ検知信号に基づき生成されたパルス信号のパルス幅に基づいて、試料分注プローブ15における洗浄状態の適否を判定し、その判定結果を出力することができる。これにより、操作者は、試料分注プローブ15が洗浄位置に正確に配置されていることを把握することができる。
以上のとおり、この実施形態の自動分析装置10は、試料分注プローブ15が適正に洗浄されていないことよるクロス・コンタミネーションを未然に防ぐことができる。ここで、クロス・コンタミネーションとは、試料分注プローブ15により複数(種類)の試料を扱う際に微量の試料が別の試料に混入することをいう。このクロス・コンタミネーションが生じた場合、本来の分析結果とは異なる誤った分析結果が得られるため、診断の正確性が失われる。一方、この実施形態の自動分析装置10は、クロス・コンタミネーションを未然に防ぐことができるので、それに起因して生じる分析データの不良を未然に防ぐことができる。
<第2実施形態>
[自動分析装置10]
次に、第2実施形態の自動分析装置10について説明する。
この実施形態の自動分析装置10の構成は第1実施形態の自動分析装置10と同様である。この実施形態において、情報生成部72は、適正な洗浄状態に対応する信号が信号出力部71から出力される位置の情報を生成し、機構制御部68は、この位置情報に基づいてアーム回動機構を駆動させ、対応する軸状体を移動させる。以下、試料分注プローブ15を軸状体の一例として説明する。
ここで、情報生成部72から適正な洗浄状態に対応する信号が信号出力部71から出力されるためには、各種の条件が満足された状態で洗浄が行われる必要がある。この場合、既定の条件として、例えば、噴出口21aから噴出される洗浄水Wの流量、その洗浄水Wの噴出方向、洗浄室22内における試料分注プローブ15の停止位置が挙げられる。この実施形態においては、この既定の条件のうち、噴出口21aから噴出される洗浄水Wの流量に関する条件を満足しているものとする。
〔情報生成部72〕
情報生成部72は、信号出力部71から出力される信号に基づいて、規定の軌道(例えば軌道R1)と噴出口21aから噴出された洗浄水Wの噴流軸との交点の情報を出力する。この場合、信号出力部71から出力される信号は、洗浄室22においてその先端15aが洗浄高さdに移動された試料分注プローブ15を、所定期間において軌道R1に沿って水平移動させたときに逐次出力された信号である。この所定期間は、洗浄部20において洗浄水Wを連続的にまたは断続的に噴出される期間である。
図13A〜図13E及び図14は、洗浄室22を上方から見た概念図である。これら図は、噴出された洗浄水Wと、軌道R1に沿って移動された試料分注プローブ15との位置関係を示している。試料分注プローブ15は、洗浄空間27において先端15aが洗浄高さdとなる位置に停止されている。試料分注プローブ15は、アーム回動機構により破線で示す軌道R1に沿って移動される。
図13A〜図13Eにおいて、噴流Jを、洗浄水Wが噴出口21aから洗浄空間27に噴出されることにより形成される直噴流とする。この噴流Jは、軌道R1と交差する。噴流Jの噴出方向及びその流量は実質的に一定であるとする。また、噴流Jの噴流幅は、試料分注プローブ15の直径よりも大きいものとする。ここで、図中白抜きの矢印は、試料分注プローブ15が移動する方向(以下、「移動方向」という場合がある)を示している。また、図中斜線矢印は噴流Jを示している。センサ18は、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴きつけの有無が検知可能な構成を備えていれば、どのようなものであってもよい。
試料分注プローブ15は、前述のように移動されることで噴流Jを横切る。この横切る期間、センサ18から試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴きつけがあったことを示す信号(例えばオン信号)が出力される。
図13Aは、センサ18による検知を開始させたときの試料分注プローブ15の位置を示している。図13Aに示すように、試料分注プローブ15は、軌道R1上において噴流Jと離れた位置に停止されている。この位置は、噴流Jに対し移動方向と逆側の位置となる。
図13Bは、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴きつけが、センサ18により検知された直後の試料分注プローブ15の位置を示している。このとき、試料分注プローブ15がその壁面のうち移動方向側の面が噴流Jと接することで、その接した部分に洗浄水Wが噴きつけられる。
図13Cは、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴きつけが、センサ18により検知されているときの試料分注プローブ15の位置を示している。このとき、試料分注プローブ15は噴流Jの内部に位置されることで、試料分注プローブ15の壁面に洗浄水Wが噴きつけられる。
図13Dは、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴きつけが、センサ18により検知されなくなる直前の試料分注プローブ15の位置を示している。このとき、試料分注プローブ15は、その壁面のうち移動方向と逆側の面が噴流Jと接することで、その接した部分に洗浄水Wが噴きつけられる。
図13Eは、センサ18による検知を終了させたときの試料分注プローブ15の位置を示している。図13Eに示すように、試料分注プローブ15は、軌道R1上において噴流Jと離れた位置に停止されている。この位置は、噴流Jに対し移動方向と逆側の位置となる。
信号出力部71は、図13A〜図13Dで示される期間において、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴き付け状態を示す信号を情報生成部72に逐次出力する。この信号は、継続的に出力されてもよいし、所定の間隔をおいて断続的に出力されてもよい。この場合、試料分注プローブ15に対する洗浄水Wの噴き付け状態を示す信号は、試料分注プローブ15に洗浄水Wが噴き付けられたか否かを示す信号、又は、この2値の情報を含む信号である。この信号は、例えば、試料分注プローブ15に洗浄水Wが噴き付けられた場合に「検知あり(オン)」となり、噴きつけられなかった場合に「検知なし(オフ)」となる。
情報生成部72に含まれる状態判定部73は、例えば、信号出力部71から試料分注プローブ15に洗浄水Wが噴き付けられたか否かを示す信号(以下、「噴きつけ検知信号」という場合がある)を受けると、試料分注プローブ15に対し洗浄水Wの噴きつけが始まった時刻(以下、「噴きつけ開始時刻」という場合がある)と、試料分注プローブ15に対し洗浄水Wの噴きつけが終わった時刻(以下、「噴きつけ終了時刻」という場合がある)とを判定する。具体的に、状態判定部73は、信号出力部71から受けた、噴きつけ検知信号を監視して、「検知なし」の信号から「検知あり」の信号に切り替わる時刻を、噴きつけ開始時刻と判定する。状態判定部73は、この信号をさらに監視して、「検知あり」の信号から「検知なし」の信号に切り替わる時刻を、噴きつけ終了時刻と判定する。
情報生成部72は、図示しない記憶手段に記憶された機構制御部68によるアーム回動機構の制御履歴から、噴きつけ開始時刻及び吹付け終了時刻における試料分注プローブ15の軌道R1における位置(水平方向位置)を取得する。この場合、噴きつけ開始時刻に対応する位置は、図13Bに示される位置RAである。噴きつけ終了時刻に対応する位置は、図13Dに示される位置RBである。
情報生成部72は、取得した位置RA及び位置RBから軌道R1上におけるこの2点間の中点の情報を生成し、この中点を適正な洗浄位置の情報として生成する。この中点は、例えば、図14に示す位置RCである。この位置は、噴流Jの噴流軸L3と軌道R1とが交差する位置である。噴流Jの噴流幅は、試料分注プローブ15の直径よりも大きいため、位置RCに停止された試料分注プローブ15に洗浄水Wが噴き付けられる場合、試料分注プローブ15は噴流Jの内部に位置される。
[自動分析装置10の動作]
次に、この実施形態の自動分析装置10の動作について図13A〜13E及び図14を参照して説明する。図15は、この実施形態の自動分析装置10の動作の一例を示すフローチャートである。図15において、試料分注プローブ15を「プローブ」と示す。
図15に示すように、機構制御部68はアーム回動機構及び上下移動機構を制御して、試料分注プローブ15を洗浄室22の内部の所定の位置に移動させる(ステップS040)。この所定の位置は、例えば、図13Aに示される位置である。
次に、洗浄制御部67は洗浄機構部510aを制御して、洗浄室22内に洗浄水Wを噴出させる(ステップS041)。
機構制御部68は、アーム回動機構を制御して試料分注プローブ15を洗浄室22内において水平移動させる(ステップS042)。この場合の移動方向は、図13A〜図13Eに示される白抜きの矢印が指す方向である。
システム制御部60は、信号出力部71を制御して、センサ18による検知を開始させる(ステップS043)。信号出力部71は、センサ18によって検知された信号を情報生成部72(状態判定部73)に逐次出力する。センサ18により検知される信号は、この場合、噴きつけ検知信号である。また、この検知の開始は、例えば、試料分注プローブ15の水平移動の開始と同時に行われる。
状態判定部73は、信号出力部71から受けた、噴きつけ検知信号が「検知なし」から「検知あり」に切り替わるまで監視する(ステップS044;NO)。状態判定部73は、このステップの前に噴きつけ検知信号の初期信号が「検知なし」であるか否かを判定してもよい。ここで、「検知あり」となる場合には、例えば、動作を停止させて異常を外部に報知させる。また、この場合、「検知なし」となるまで、試料分注プローブ15を前記白抜きの矢印が指す方向と逆方向に移動させてもよい。
状態判定部73は、噴きつけ検知信号が「検知あり」に切り替わる(ステップS044;YES)と、その切り替わった時刻を噴きつけ開始時刻として取得し(ステップS045)、さらに、その噴きつけ開始時刻における試料分注プローブ15の軌道R1における位置(水平方向位置)RAを取得する(ステップS046)。
次に、状態判定部73は、信号出力部71から受けた、噴きつけ検知信号が「検知あり」から「検知なし」に切り替わるまで監視する(ステップS047;NO)。
状態判定部73は、噴きつけ検知信号が「検知なし」に切り替わる(ステップS047;YES)と、その切り替わった時刻を噴きつけ終了時刻として取得し(ステップS048)、その噴きつけ終了時刻における試料分注プローブ15の軌道R1における位置(水平方向位置)RBを取得する(ステップS049)。
情報生成部72は、取得した位置RA及び位置RBから軌道R1上におけるこの2点間の中点(位置RC)の位置情報を生成する(ステップS050)。情報生成部72は、この中点の位置情報を適正な洗浄位置の情報としてシステム制御部60に出力する。
システム制御部60は、機構制御部68に適正な洗浄位置の情報を出力する。機構制御部68は、アーム回動機構を制御して、試料分注プローブ15を適正な洗浄位置(位置RC)に移動させ(ステップS051)、この処理は終了する。
<変形例>
次に、この実施形態の自動分析装置10の変形例について説明する。この変形例にかかる自動分析装置10の構成は、第1実施形態の自動分析装置10と同様である。
[自動分析装置10の動作]
この変形例にかかる自動分析装置10の動作について図13A〜13E及び図14を参照して説明する。図16は、この変形例にかかる自動分析装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
この変形例にかかる自動分析装置10は、第2実施形態において、適正な洗浄位置を信号出力部71から出力されるパルス信号のパルス幅に基づいて判定するものである。つまり、状態判定部73は、適正な洗浄位置の判定を、第1実施形態で述べた第1の機能に基づいて行う。この場合、センサ18は静電容量検知式のセンサにより構成される。
まず、図15に示すフローチャートのステップS040〜S043と同様にして、洗浄室22内に洗浄水Wを噴出させ、試料分注プローブ15を洗浄室22の内部において水平移動させる。信号出力部71は、このとき、センサ18によって検知された信号を、信号処理部74において前述した処理を行うことでパルス信号に変換し、そのパルス信号を情報生成部72(状態判定部73)に逐次出力する。(ステップS060〜S063)。
状態判定部73は、信号出力部71から逐次受けたパルス信号のパルス幅が最大となる時刻を判定し取得する(ステップS064)。この判定は、各種の選択ソート法などにより行うことができる。
状態判定部73は、取得した時刻における試料分注プローブ15の軌道R1における位置(水平方向位置)の情報を取得する(ステップS065)。情報生成部72は、取得した位置の情報を適正な洗浄位置の情報としてシステム制御部60に出力する。
システム制御部60は、機構制御部68に適正な洗浄位置の情報を出力する。機構制御部68は、アーム回動機構を制御して、試料分注プローブ15を適正な洗浄位置(例えば位置RC)に移動させ(ステップS066)、この処理は終了する。
また、状態判定部73は、ステップS064の処理において、第1実施形態で述べた閾値期間TSを用いて判定を行ってもよい。また、ステップS064の処理において、パルス幅が最大となる時刻が期間として取得された場合、情報生成部72は、その期間に対応する任意の位置を適正な洗浄位置の情報として生成する。
[自動分析装置10の作用、効果]
この実施形態の自動分析装置10は、第1実施形態の自動分析装置10と同様な構成を備えるので、第1実施形態と同様な作用、効果を奏することができる。また、この実施形態の自動分析装置10は、洗浄制御部67、機構制御部68、信号出力部71、及び情報生成部72を備え、情報生成部72に、適正な試料分注プローブ15の位置の情報を生成させるように構成される。そのため、この位置の情報に基づいて、適正な洗浄位置に試料分注プローブ15移動させることができる。この位置の情報は、信号出力部71から出力される適正な洗浄状態に対応する信号に基づいて、状態判定部73により取得される。これらのことにより、試料分注プローブ15に対する洗浄が不適正な状態となる場合に、情報生成部72に、適正な試料分注プローブ15の位置の情報を生成させ、その位置に試料分注プローブ15を移動させることで、洗浄部20における試料分注プローブ15の洗浄位置を調整することができる。
上述の各実施形態の自動分析装置10においては、試料分注プローブ15に洗浄水Wが噴きつけられる場合について説明したが、情報生成部72は、他の軸状体に洗浄水Wが噴きつけられる場合であっても同様に構成されることで、その洗浄の状態の適否を判定することができる。また、軸状体を、試料分注プローブ15、試薬分注プローブ16とする場合、センサ18は、これらに備えられた液面検知センサの構成の一部又は全部を用いることができる。これにより、各分注プローブに液面検知センサが備えられた自動分析装置10において、新たに検知センサを設けなくても洗浄部20による軸状体の洗浄の状態の適否を判定することが可能となる。
上述の各実施形態において説明した構成は、自動分析装置以外の臨床検査装置にも適用することができる。
臨床検査装置としては、例えば、自動分析装置や血液ガス分析装置や電気泳動装置や液体クロマトグラフィー装置などの臨床化学分析機器、ラジオイムノアッセイ装置などの核医学機器、ラテックス凝集反応測定装置やネフェロメータなどの免疫血清検査機器、自動血球計数装置、血液凝固測定装置などの血液検査機器、微生物分類同定装置や血液培養検査装置やDNA・RNA測定装置などの細菌検査機器、尿分析装置や便潜血測定装置などの尿検査機器、自動組織細胞染色装置などの病理検査機器、生理機能検査機器、マイクロピペットや洗浄装置分注装置や遠心分離装置などのその他の臨床検査機器等が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。