JP7423957B2 - 洗浄装置及び洗浄方法 - Google Patents

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本発明は、洗浄装置及び洗浄方法に関する。
生体組織、血液等の分析に用いる装置として、計測物を貯留させるウェルを備えるマイクロプレートがある。ウェル内での測定を好適に行うために、マイクロプレートのウェルを洗浄する必要がある。洗浄装置は、マイクロプレートのウェル内で洗浄液の分注および吸引を行い、ウェル内を洗浄する。しかし、分注した洗浄液を吸いきれずにウェル内に残留液が発生した場合、特異反応の阻害が発生し、その後の測定において検出感度に悪影響を及ぼす問題が発生する。これに対して、特許文献1には、液面センサを用いて所定量の液体が実際にウェルに分注またはウェルから吸引されたか否かを判定する技術が記載されている。
特許第3740384号公報
特許文献1に記載の液面センサを用いた洗浄装置は、保持具に取り付けられた分注ノズル及び液面検出用電極と、洗浄ノズルと、回転台に載せられたウェルとを有している。この洗浄装置は、分注工程において分注ノズル及び液面検出用電極をウェルに挿入して液体が所定量分注されたかどうかを判定し、洗浄工程において回転台を回転させて洗浄ノズルをウェルの位置に合わせ、洗浄ノズルで洗浄液を吸引した後、再度回転台を回転させて分注ノズル及び液面検出用電極の位置にウェルの位置を合わせ、分注ノズル及び液面検出用電極によってウェル内の洗浄液を吸引し終えたか否かを判定する。しかしながら、吸引動作のたびに回転台を回転させたり分注ノズル及び液面検出用電極をウェルに挿入したりするため、ウェル内の洗浄液を吸引し終えたか否かの判定に時間を要し、分析を迅速に進めることができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ウェル内の洗浄液の吸引において、従来よりも短時間でウェル内の洗浄液が残留する可能性を判定できる洗浄装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る洗浄装置は、ウェル内に分注した洗浄液を吸引する吸引部と、前記吸引部によって吸引された前記洗浄液が流通する吸引経路と、前記吸引経路における振動を検出し、検出信号を出力する振動検出部と、前記振動検出部から出力された前記検出信号の出力波形に基づいて前記洗浄液の吸引開始時点から前記洗浄液の吸引終了時点までの積分値を算出し、前記ウェル内における前記洗浄液の残留の有無を判定する制御部と、前記積分値と前記積分値を算出した際に分注した液量とを対応付けて統計値として記憶する記憶部とを備え、前記制御部は、前記ウェル内に所定の液量の洗浄液を分注し、分注した前記洗浄液を吸引した際に、前記分注した液量と前記吸引した際に算出した積分値とを、前記記憶部に記憶された前記統計値と比較することにより、前記ウェル内における前記洗浄液の残留の有無を判定することを特徴とする。
本発明の洗浄方法は、ウェル内に所定の液量の洗浄液を分注し、分注した前記洗浄液を吸引し、前記洗浄液を吸引した際に前記洗浄液が流通する吸引経路における振動を検出して検出信号を出力し、前記検出信号における前記洗浄液の吸引開始時点から前記洗浄液の吸引終了時点までの出力波形に基づいて積分値を算出し、前記分注した洗浄液の液量と前記吸引した際に算出した積分値とを、前記積分値と前記積分値を算出した際に分注した液量とを対応付けて記憶した統計値と比較することにより前記ウェル内における前記洗浄液の残留の有無を判定する。
本発明によれば、ウェル内の洗浄液の吸引において、従来よりも短時間でウェル内に洗浄液が残留する可能性を判定できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係るマイクロプレートの構成の一例を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係る洗浄装置の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、学習に関する制御部の内部構成の一例を示すブロック図である。 図4Aは、吸引管において吸引ノズルから廃液タンクへ流れる洗浄液と、振動センサの振動検出位置との位置関係、及び吸引ノズルとウェルの液面と振動センサの出力信号との対応を表すイメージ図である。 図4Bは、液量判定に用いる波形面積を表すイメージ図である。 図5は、本実施形態に係る洗浄装置による一連の試料洗浄兼洗浄学習の動作の一例を説明するためのフローチャートである。 図6は、本実施形態に係る洗浄装置による一連のリンス洗浄兼異常洗浄学習の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、下記実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係るマイクロプレート40の構成の一例を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る洗浄装置10の構成の一例を示すブロック図である。図3は、学習に関する制御部11の内部構成の一例を示すブロック図である。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。以下の説明において、重複する説明は省略することがある。
図1に示すように、多数の試料・情報を一度に処理する(ハイ・スループット)ために、一般的には一枚のマイクロプレートに対して96個(8×12列)のウェル41が設けられている。本実施形態では、ウェル41は、円柱形状(筒状)の容器で、上面は開口し、開口径は6mm以上7mm以下であり、容積は300μL(マイクロリットル)以上400μL以下である。ウェル41の大きさは、一例であり、上記形状に限定されない。また、マイクロプレート40は、ウェル41を行列状に2次元配列することに限定されない。マイクロプレート40は、ウェル41が同心円状に設け、外径を円板形状としてもよい。また、マイクロプレート40の本体はカートリッジで、マイクロプレート40の底面はカートリッジから分離可能な一枚のプレートやディスク等であってもよい。例えば、マイクロプレート40は、クランププレート等の固定具により本体となるカートリッジと底面となるプレートやディスク等とを圧着させて使用するものであってもよい。この場合、ウェル41の本体と底面との繋ぎ目はパッキン等で圧着時に密閉する構造とすることが好ましい。
ユーザーは、マイクロプレート40の各ウェル41に検出対象物質(エクソソーム等)を含む試料(試料液)を注入し、ウェル底面に対してイムノアッセイ(Immunoassay:免疫測定法)を行う。イムノアッセイでは、試料に含まれる不要物質(不純物)を除去するために、洗浄装置10を用いて、試料を分注したウェル41の洗浄を行う。具体的には、洗浄装置10は、ウェル41に洗浄液(洗浄溶液)29を分注し、一定時間静置した後に洗浄液29を吸引する。試料試験では、試料の純度を高めるために、当該洗浄工程を複数サイクル行う。
図2に示すように、洗浄装置10は、マイクロプレート40を載せるステージ13を備える。また、洗浄装置10は、ステージ13を上下に垂直移動するための移動駆動部12を備える。移動駆動部12は、制御部11によって制御される。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサや、マイクロコントローラ、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の半導体回路である。移動駆動部12は、例えば電動機(モーター)や動力シリンダー等のアクチュエータである。マイクロプレート40のステージ13への搭載および取り外し作業は、ユーザーによる手作業もしくは装置自身の制御によって行われる。
洗浄装置10は、ステージ13の上方に配置されたノズルヘッド14を備える。本実施形態では、制御部11が移動駆動部12を制御してステージ13を上下に垂直移動させる。ノズルヘッド14は、ウェル41に対応してそれぞれ設けられた複数の分注ノズル15(分注部)およびウェル41に対応してそれぞれ設けられた複数の吸引ノズル16(吸引部)を有する。本実施形態では、洗浄装置10は各ウェル41の洗浄を同時に行うため、分注ノズル15および吸引ノズル16の設置数はウェル数の整数倍である。ここでは、各ウェル41の分注ノズル15は1本、吸引ノズル16は1本とする。
分注ノズル15と吸引ノズル16はそれぞれ独立したノズルヘッドに配置してもよいが、その場合、分注工程と吸引工程との切り替えで各ノズルヘッドの移動が必要となる。ヘッド移動による時間ロスや装置の制御煩雑化を考慮すると、分注ノズル15と吸引ノズル16は共通のノズルヘッド14に配置することが好ましい。また、洗浄装置10は、ノズルヘッド14の位置を固定することが好ましい。ノズルヘッド14の位置を固定することで、分注ノズル15および吸引ノズル16が安定し、ヘッド移動に伴う不要な振動の発生を抑制でき、分注流路や吸引流路で安定して洗浄液を流すことができる。
洗浄装置10は、洗浄液タンク27と分注管24を介して接続されている。分注管24は、例えば洗浄液29を通すチューブである。分注管24には分注ポンプ17および電磁バルブ18が設置されている。制御部11は、分注ポンプ17の動作制御によって、洗浄液タンク27に収容された洗浄液29を分注管24内へ吸引する。吸引された洗浄液29は電磁バルブ18を通ってノズルヘッド14へ送り出され、ノズルヘッド14内で各分注ノズル15に分配された後、各ウェル41に分注される。
洗浄装置10は、分注ポンプ17の駆動をデューティ制御で行うことが好ましい。これにより、1回の分注で扱う洗浄液29の液量が1ウェルあたり数十μL以上数百μL以下である微少量の分注を高い精度で実行できる。図2では記載を省略しているが、分注ポンプ17にはポンプの物理駆動状態を監視するための電流センサや圧力センサ等のセンサ17Aが設置されている。センサ17Aは分注ポンプ17の負荷の変化を検出する。当該センサ17Aでの検出信号は制御部11に出力される。
電磁バルブ18は、各ウェル41への分注開始と分注停止を迅速かつ確実に行うために設けてあり、制御部11によってバルブ開閉動作が制御される。図2では記載を省略しているが、電磁バルブ18にはバルブの物理駆動状態を監視するための電流センサや圧力センサ等のセンサ18Aが設置されている。センサ18Aは電磁バルブ18の負荷の変化を検出する。当該センサ18Aでの検出信号は制御部11に出力される。
洗浄装置10は、廃液タンク28と吸引管25を介して接続されている。吸引管25は、例えば洗浄液29を通すチューブである。廃液タンク28には、真空管26が接続されており、真空管26には吸引ポンプ20が設置されている。本実施形態の吸引ポンプ20は、真空方式のポンプである。なお、吸引ポンプ20の方式はこれに限定されない。制御部11は、吸引ポンプ20の動作制御によって、各ウェル41に収容された洗浄液29を吸引ノズル16内へ吸引する。吸引ポンプ20が駆動ONすると、廃液タンク28内の空気は真空管26を介して吸引され、大気中へと排出される。真空管26は、例えば廃液タンク28内の空気を通すチューブである。真空管26内が真空状態になると、廃液タンク28内を介して吸引管25内も真空状態となる。このように、吸引ノズル16、吸引ポンプ20、吸引管25、真空管26および廃液タンク28により、真空流路(吸引流路)が形成される。図2では記載を省略しているが、吸引ポンプ20にはポンプの物理駆動状態を監視するための電流センサや圧力センサ等のセンサ20Aが設置されている。センサ20Aは吸引ポンプ20の負荷の変化を検出する。当該センサ20Aでの検出信号は制御部11に出力される。
洗浄装置10は、真空流路の末端である吸引ノズル16を各ウェル41内に配置することで、各ウェル41に分注された洗浄液29は吸引ノズル16内に吸引される。各吸引ノズル16内に吸引された洗浄液29は、ノズルヘッド14内で結合した後、吸引管25を通って廃液タンク28へ廃液30として収容される。
洗浄装置10は、吸引ポンプ20を用いて真空方式での吸引を行い、吸引管25内では、吸引ノズル16から洗浄液29を吸引していない時には気体(吸引ノズル16から吸引した大気)のみが流動し、吸引ノズル16から洗浄液29を吸引した時には気体と液体(洗浄液)が混合して乱流動する。
洗浄装置10は、吸引管25に振動センサ19が設置されている。振動センサ19の設置位置は任意であるが、吸引管25を固定している固定部材の位置から離れた位置であることが好ましい。これにより、固定部分の影響を抑制でき、吸引管25の振動をより適切に検出することができる。振動センサ19が検出した吸引管25の振動は、振動検出信号として制御部11に出力される。図4A、図4Bは、洗浄液29が吸引管25内を乱流動しながら振動センサ19での振動検出位置を通過する状態と、その時に振動センサ19で検出される信号を表すイメージ図である。特に、図4Aは、吸引ノズル16の位置と、ウェル41の液面と、振動センサ19の出力信号との対応を表すイメージ図である。図4Bは、液量判定に用いる波形面積を表すイメージ図である。
図4A、図4Bのグラフに示すように、吸引経路(洗浄液を吸引する経路)内で気体のみが流動する区間(a)と、吸引経路内で気体と液体が混合して乱流動する区間(b)とでは、特徴的な差がある。図4A、図4Bのグラフの縦軸は振動レベル、横軸は時間である。区間(a)では、吸引ポンプ20が駆動することで生じる周期的な振動成分が顕著に表れてくるが、区間(b)では、吸引ポンプ20での振動に加えて、乱流動による振動成分が表れてくる。制御部11は、例えば振動センサ19の出力信号をFFT(fast Fourier transform:高速フーリエ変換)演算し、区間(a)と区間(b)の差分から吸引ポンプ20の振動周波数成分(周期的な振動成分)とそれ以外での振動周波数成分(乱流動による振動成分)とを分離して、それぞれの状態を監視する。本実施形態の制御部11は、振動波形の波形パターン(振動パターン)の変化から乱流動による振動成分を取得する。ここでは、制御部11は、振動波形を振動パターンで取得してもよいが、周波数分布パターンで取得してもよい。区間(a)と区間(b)は、振動の変動で判断することも、周波数の変動で判断することもできる。
洗浄装置10は、リンス槽50を備える。リンス槽50は、リンス洗浄(詳細は後述)に用いられる。リンス槽50は、マイクロプレート40の代わりにステージ13に載せる方式や、マイクロプレート40とは別位置(例えばマイクロプレート40直下)に設置する方式を用いることができる。本実施形態のリンス槽50は、マイクロプレート40と同形状であり、マイクロプレート40の代わりにステージに載せる方式である。
洗浄装置10は、パネル部22を備える。パネル部22は、例えばタッチパネル式のディスプレイであり、ユーザーが、洗浄を開始もしくは停止するためのボタンや、洗浄位置・洗浄液量・静置時間・洗浄サイクル数といった洗浄パラメータ34を設定するためのボタン等、および洗浄パラメータ34の内容を確認するための画面を含む。なお、パネル部22のボタンは、画面上に表示されたキーパッドやソフトウェアキー等に限らず、画面の周囲に設置された押しボタンスイッチ等であってもよい。パネル部22は、洗浄装置10の入力部および表示部として機能する。
制御部11は、記憶部21と接続されており、パラメータ内容や、各種センサ信号情報、および学習結果の読み出しや保存を行う。記憶部21は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリの他、SSD(Solid State Drive)やHDD(ハードディスク)等のストレージでもよいし、光ディスク等の記憶媒体(メディア)とその読み書きを行う駆動装置(ドライブ)等でもよい。また、記憶部21は、制御部11と一体(内蔵)であってもよい。
洗浄装置10は、通知部23を備える。制御部11は、洗浄動作終了の通知や、装置の自己診断によって異常が検出された旨等の警告を、当該通知部23を介してユーザーに通知する。通知手段は、アラーム音(ビープ音、音声等)もしくは表示等である。アラーム音による通知の場合、通知部23は、例えばスピーカーやブザー等の音声出力装置である。表示による通知の場合、通知部23はパネル部22と連携または一体化した構成であってもよい。
図3に示すように、制御部11は、特徴量抽出部31と、学習部32と、判定部33とを含む。また、記憶部21は、洗浄パラメータ34と、学習モデル35とを記憶する。分注ポンプ17や電磁バルブ18、吸引ポンプ20に設置されたセンサ17A、18Aおよび20Aや、振動センサ19といった各種センサ群からの出力信号は、制御部11の特徴量抽出部31に入力される。特徴量抽出部31は、各センサの出力信号の特徴抽出を行い、各センサの出力信号の特徴量を学習部32へ出力する。学習部32は、記憶部21に保存された洗浄パラメータ34に基づいた洗浄学習を行う。洗浄学習が終了した場合には、制御部11は学習モデル35に洗浄学習結果を保存する。洗浄パラメータ34の条件での洗浄学習結果がすでに存在していた場合は、洗浄学習結果を更新して、学習モデル35に保存する。
[吸引開始時点および吸引終了時点の学習]
制御部11は、リンス洗浄を実行する場合、リンス槽50の各ウェル51にリンス洗浄液として所定分量の洗浄液29を分注し、続いて分注された洗浄液29を吸引する。このとき、制御部11は吸引制御開始と同時に吸引流路に設置された各種センサ(振動センサ19や、吸引ポンプ20に設置されたセンサ20A)の出力信号を取り込む。制御部11は、吸引ノズル16の先端がウェル51の底面に到達し、ステージ13を下方垂直移動に切り替え、吸引ノズル16の先端がウェル41上空の位置に到達した場合には、ステージ13の垂直移動を停止させて、吸引ポンプ20を駆動OFFにする。
このとき、特徴量抽出部31は、各種センサの出力信号の特徴抽出を行い、各種センサの出力信号の特徴量を学習部32へ出力する。学習部32は、吸引ノズル16の先端が洗浄液29の液面に達する前と達した後との出力信号の状態変化から、吸引開始時点Tsと吸引終了時点Teでの振動波形の波形パターンや負荷の変化を学習し、学習結果を学習モデル35に保存する。学習部32は、この学習を、一連の洗浄工程ごとに実施する。リンス洗浄の吸引開始時点Tsと吸引終了時点Teを除く部分は吸引状態(振動波形の波形パターン)が異なるので学習から除外する。
[液量の判定用データの記憶]
試料洗浄において、制御部11は、吸引開始時点Tsと吸引終了時点Teとを検出し、検出した吸引開始時点Tsから吸引終了時点Teまでの振動波形を記憶部21に記憶する。すなわち、制御部11は、吸引開始時点Tsと吸引終了時点Teとを検出する吸引区間検出部としても機能する。制御部11は、洗浄液の全量を吸引終了後に、記憶部21から、吸引開始時点Tsから終了時点Teまでの振動波形を取得する。制御部11は、図4A、図4Bに示すように、吸引開始時点Tsから吸引終了時点Teまでの振動波形をグラフ化し、振動波形の面積(積分値)を、分注量(洗浄液量)に関連付けて記憶部21に記憶する。
また、制御部11は、分注量ごとに積分値の平均値(代表値)を算出する。ここで、制御部11は、記憶部21に分注量ごとの平均値を記憶し、判定に用いる。また、代表値としては平均値に限らず、積分値の中央値や最頻値などでもよく、前記分注量と代表値とを対応付けたデータを統計値と称することとする。
[学習結果の応用について]
試料洗浄において、制御部11は、移動駆動部12を制御してステージ13を洗浄開始位置に(上方へ)移動させながら、吸引ポンプ20を制御して吸引動作を開始するとともに、振動センサ19の出力信号を所定の時間間隔(解像度)で記憶部21に逐次記憶する。
制御部11は、試料洗浄の振動波形の波形パターンと、上記[吸引開始時点および吸引終了時点の学習]によって得られたリンス洗浄の吸引開始時点Tsの振動波形の波形パターンとを比較して、試料洗浄の吸引開始点Tsを判定する。ここでは、制御部11は、上記[吸引開始時点および吸引終了時点の学習]によって得られたリンス洗浄の吸引開始時点Tsの振動波形の波形パターンを、記憶部21に記憶した学習モデル35から取得する。
同じく、制御部11は、試料洗浄の振動波形の波形パターンと、上記[吸引開始時点および吸引終了時点の学習]によって得られたリンス洗浄の吸引終了時点Teの振動波形の波形パターンとを比較して、試料洗浄の吸引終了時点Teを判定し、移動駆動部12を制御してステージ13を下方へ移動する。ここでは、制御部11は、上記[吸引開始時点および吸引終了時点の学習]によって得られたリンス洗浄の吸引終了時点Teの振動波形の波形パターンを、記憶部21に記憶した学習モデル35から取得する。
特徴量抽出部31は、試料洗浄時の振動波形をもとに、吸引開始時点Tsから吸引終了時点Teまでに生成される振動波形の波形パターンの面積(積分値)を算出する。すなわち、特徴量抽出部31は、振動波形の波形パターンの積分値を算出する積分値算出部としても機能する。
判定部33は、前記算出した積分値と、記憶部21に記憶した積分値の代表値とを、洗浄液の分注量に応じて比較し、所定の割合以下であった場合には残留液が存在すると判定する。具体的には、洗浄液を分注した液量と前記洗浄液を吸引した際に算出した積分値とを、記憶部21から取得した統計値と比較して判定する。また、所定の割合以上100%以下であった場合には残留液なく吸引したと判定する。また、それ以外(比較判定不能を含む)であった場合には他の要因におる不具合が発生していると判定する。その後、判定部33は、判定結果に応じた警告の指示を通知部23へ出力する。これにより、判定結果に応じた警告が、通知部23を介してユーザーに通知される。なお、所定の割合とは例えば80%である。
[試料洗浄兼洗浄学習]
試料洗浄では、最初に分注工程を行い、続いて吸引工程を行う。制御部11は、洗浄を行いながら、分注および吸引に関する学習(洗浄学習)を行う。
図5を用いて、試料洗浄を行いながら洗浄学習を行う処理の詳細を以下に説明する。図5は、本実施形態に係る洗浄装置10による一連の試料洗浄兼洗浄学習の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
ユーザーは、試料を各ウェル41に注入したマイクロプレート40を洗浄装置10のステージ13に載せ、パネル部22にある洗浄開始ボタンを押す。制御部11は、洗浄開始ボタンが押されたことを検知した場合には、移動駆動部12を制御してステージ13を上方に垂直移動させて、分注ノズル15とウェル41を所定の高さ位置関係(第1の位置:例えば、所定の洗浄開始位置)に合わせる(ステップS101)。
次に、制御部11は、分注ポンプ17を駆動ON状態にして電磁バルブ18を開き、各ウェル41に洗浄液29を分注する(ステップS102)。制御部11は、分注工程の間、パネル部22にある洗浄停止ボタンが押された場合には、それを検知する(ステップS103)。制御部11は、分注工程途中でパネル部22にある洗浄停止ボタンが押されることなく(ステップS103でNo)、洗浄パラメータ34に基づいた分注が終了した場合には、分注ポンプ17を駆動OFFにして電磁バルブ18を閉める(ステップS104)。
制御部11は、一連の分注制御と同時に、分注ポンプ17や電磁バルブ18に設置された各種センサ(センサ17Aやセンサ18A)の出力信号を取り込み、洗浄パラメータ34に基づいた学習を行う(ステップS105)。このとき、特徴量抽出部31は、各種センサの出力信号の特徴抽出を行い、各種センサの出力信号の特徴量を学習部32へ出力する。学習部32は、記憶部21に保存された洗浄パラメータ34に基づいて、分注に関する学習を行い、分注に関する学習結果を、学習モデル35に保存する。これで、分注工程が終了する。制御部11は、分注工程が終了して一定時間静置した後、吸引管25の振動の検出を開始し(ステップS106)、洗浄液29の吸引工程に進む(ステップS107に移行)。
また、制御部11は、分注工程の間、パネル部22にある洗浄停止ボタンが押された場合には(ステップS103でYes)、分注ポンプ17を駆動OFFにして電磁バルブ18を閉め、試料洗浄を強制終了させる処理に移行する(ステップS113)。分注工程途中でパネル部22にある洗浄停止ボタンが押された場合、洗浄装置10には何らかの異常があり、ユーザーが異常を検知して洗浄動作を停止させようとした可能性がある。よって、学習部32は、分注工程途中で洗浄停止ボタンが押された場合には、その直前に行った分注に関する学習結果を無効とし、学習モデル35に保存しない。
制御部11は、吸引ポンプ20を駆動ON状態にしてからステージ13をさらに上方に垂直移動させて、吸引ノズル16とウェル41を所定の高さ位置関係(第2の位置:例えば、吸引ノズル16の先端が液面に接する直前の位置)に合わせることで、各ウェル41から洗浄液29を吸引する(ステップS107)。吸引ノズル16内は真空状態であるので、ウェル41に分注された洗浄液29は吸引ノズル16内に取り込まれていく。制御部11は、洗浄パラメータ34に基づいて、ステージ13の上方垂直移動を継続する。制御部11は、このステージ13の上方垂直移動の間の振動波形の波形パターンの変化で、吸引開始時点Tsを検出する。
制御部11は、吸引工程の間、パネル部22にある洗浄停止ボタンが押された場合には、それを検知する(ステップS108)。制御部11は、吸引工程途中でパネル部22にある洗浄停止ボタンが押されることなく(ステップS108でNo)、吸引ノズル16とウェル41が所定の高さ位置関係(第3の位置:例えば、吸引ノズル16の先端がウェル41の底面に接する直前の位置)に到達した場合には、ステージ13を下方垂直移動に切り替える。制御部11は、吸引ノズル16とウェル41が所定の位置関係(第4の位置:例えば、吸引ノズル16の先端がウェル41上空の位置)に到達すると、ステージ13の垂直移動を停止させて、吸引ポンプ20を駆動OFFにする(ステップS109)。
制御部11は、このステージ13の下方垂直移動の間の振動波形の波形パターンの変化で、吸引完了時点Teを検出し、振動波形の波形パターンに基づいて洗浄液29の吸引量を算出し、吸引量に基づいてウェル41内における洗浄液29の残留の有無を判定する(ステップS110)。吸引中の振動波形の波形パターンは、ウェル41内の洗浄液29がなくなった後も吸引流路に液体がある限り継続する。このとき、制御部11は、記憶部21に記憶された学習モデル35から取得した吸引開始時点Tsにおける出力波形及び吸引終了時点Teにおける出力波形それぞれの特徴量に基づいて、洗浄液29の吸引開始時点Ts及び吸引終了時点Teを検出し、検出した吸引開始時点Tsから判定した吸引終了時点Teまでの積分値を算出し、積分値を用いてウェル41内における洗浄液29の残留の有無を判定する。
制御部11は、一連の吸引制御と同時に、吸引流路に設置された各種センサ(振動センサ19や、吸引ポンプ20に設置されたセンサ20A)の出力信号を取り込み、洗浄パラメータ34に基づいた学習を行う(ステップS111)。このとき、特徴量抽出部31は、各種センサの出力信号の特徴抽出を行い、各種センサの出力信号の特徴量を学習部32へ出力する。学習部32は、記憶部21に保存された洗浄パラメータ34に基づいて、吸引に関する学習を行い、吸引に関する学習結果を、学習モデル35に保存する。
また、制御部11は、吸引工程の間、パネル部22にある洗浄停止ボタンが押された場合には(ステップS108でYes)、吸引ポンプ20を駆動OFFにして、試料洗浄を強制終了させる処理に移行する(ステップS113)。吸引工程途中でパネル部22にある洗浄停止ボタンが押された場合、洗浄装置10には何らかの異常があり、ユーザーが異常を検知して洗浄動作を停止させようとした可能性がある。よって、学習部32は、吸引工程途中で洗浄停止ボタンが押された場合は、その直前で行った吸引に関する学習結果を無効とし、学習モデル35に保存しない。
分注工程および吸引工程が完了すると、洗浄は1サイクル完了となる。制御部11は、予め設定されていた洗浄回数(所定回数)に到達したか否か確認する(ステップS112)。制御部11は、予め設定されていた洗浄回数に到達していない場合には(ステップS112でNo)、予め設定されていた洗浄回数に到達するまで、洗浄を繰り返す。
制御部11は、予め設定されていた洗浄回数に到達した場合には(ステップS112でYes)、洗浄完了と判断し、ステージ13を上方に垂直移動させて、吸引ノズル16とウェル41を所定の高さ位置関係(第5の位置:例えば、所定の洗浄終了位置)に合わせる(ステップS114)。次に、制御部11は、洗浄動作が完了した旨を、通知部23を介してユーザーに通知する(ステップS115)。これで、一連の試料洗浄兼洗浄学習の動作が終了する。
制御部11は、次回以降の洗浄パラメータ34に基づく試料洗浄では、制御部11は、学習モデル35から洗浄パラメータ34に基づく学習結果を判定部33に読み出し、学習結果と一致するかを自己診断しながら洗浄を行う。
[リンス洗浄兼異常洗浄学習]
1枚のマイクロプレート40洗浄終了もしくは試料試験終業時に、ユーザーはリンス洗浄を実施する。リンス洗浄とは、リンス槽50に対して分注および吸引を行って、各ノズル先端付近に付着もしくは吸引管25内に残留する試薬(洗浄液と混在)を除去する動作である。リンス洗浄においても、洗浄装置10では分注と吸引を行う。
ユーザーは洗浄装置10のステージ13にリンス槽50を設置し、パネル部22にあるリンス洗浄開始ボタンを押す。
制御部11は、リンス洗浄を兼ねて、洗浄パラメータ34で設定されていた洗浄液量よりも所定量もしくは所定率で多い液量および少ない液量のそれぞれで、リンス槽50に設けられた各ウェル51の洗浄を行い、このとき得られた各種センサの出力信号により異常洗浄としての学習を行う。例えば、制御部11は、洗浄装置10での洗浄液量公差を±10%未満の仕様とし、洗浄パラメータ34で設定された洗浄液量が100μLであるならば、110μLでのリンス洗浄1(プラス液量)と、90μLでのリンス洗浄2(マイナス液量)をそれぞれ行う。本実施形態では、洗浄パラメータ34に基づいた100μLでの試料洗浄を正常洗浄とし、110μLでのリンス洗浄1および90μLでのリンス洗浄2を異常洗浄とする。分注ポンプ17のON/OFF駆動がデューティ制御方式であれば、制御部11はデューティ比の変更もしくはデューティ駆動する時間幅の変更により、洗浄液29の分注量を調整する。
以下は、デューティ比を変更して110μLと90μLとでリンス洗浄することによる異常洗浄学習についての説明である。
制御部11は、リンス槽50の各ウェル51に洗浄液29を110μL分注する。制御部11は、分注制御と同時に、分注ポンプ17や電磁バルブ18に設置された各種センサ(センサ17Aやセンサ18A)の出力信号を取り込み、110μLの洗浄液29の分注を、試料洗浄での洗浄パラメータ34に基づいた100μLの洗浄液29の分注(正常分注)に対する異常分注として学習を行う。異常分注に関する学習結果は、学習モデル35に保存する。
続いて、制御部11は、リンス槽50の各ウェル51に分注された110μLの洗浄液29を吸引する。制御部11は、吸引制御と同時に、吸引ポンプ20に設置されたセンサ20Aの出力信号や振動センサ19の出力信号を取り込み、110μLの洗浄液29の吸引を、試料洗浄での洗浄パラメータ34に基づいた100μLの洗浄液29の吸引(正常吸引)に対する異常吸引として学習を行う。制御部11は、異常吸引に関する学習結果を、学習モデル35に保存する。
制御部11は、分注量がデューティ駆動する時間幅の変更でも対応可能な場合には、当該時間幅変更による110μLでのリンス洗浄1を続いて行う。制御部11は、上記と同様の手順で異常分注および異常吸引を学習し、学習結果の保存を行う。
制御部11は、110μLでのリンス洗浄1による100μL異常洗浄学習が終了すると、続いて90μLでのリンス洗浄2で、上記同様の学習および学習結果の保存を行う。
制御部11は、リンス槽50の各ウェル51に洗浄液29を90μL分注する。制御部11は、分注制御と同時に、分注ポンプ17や電磁バルブ18に設置された各種センサ(センサ17Aやセンサ18A)の出力信号を取り込み、90μLの洗浄液29の分注を、試料洗浄での洗浄パラメータ34に基づいた100μLの洗浄液29の分注(正常分注)に対する異常分注として学習を行う。制御部11は、異常分注に関する学習結果を、学習モデル35に保存する。
続いて、制御部11は、リンス槽50の各ウェル51に分注された90μLの洗浄液29を吸引する。制御部11は、吸引制御と同時に、吸引ポンプ20に設置されたセンサ20Aの出力信号や、振動センサ19の出力信号等を取り込み、90μLの洗浄液29の吸引を、試料洗浄での洗浄パラメータ34に基づいた100μLの洗浄液29の吸引(正常吸引)に対する異常吸引として学習を行う。制御部11は、当該異常吸引に関する学習結果を、学習モデル35に保存する。
制御部11は、分注量がデューティ駆動する時間幅の変更でも対応可能な場合には、当該時間幅変更による90μLでのリンス洗浄2を続いて行う。制御部11は、上記と同様の手順で異常分注および異常吸引を学習し、学習結果の保存を行う。
上記の110μLでのリンス洗浄1と90μLでのリンス洗浄2は、所定回数(複数回数)実施してもよい。制御部11は、所定回数のリンス洗浄兼異常洗浄学習が終了した場合には、リンス洗浄が終了した旨を、通知部23を介してユーザーに通知する。
制御部11は、次回以降の100μLでの試料洗浄では学習結果をもとに自己診断を行い、110μL相当もしくは90μL相当での分注もしくは吸引をしたと判定した場合には、異常洗浄であるとして、その時点で洗浄工程を中断し、洗浄装置10の点検実施を、通知部23を介してユーザーに通知する。
図6を用いて、リンス洗浄を行いながら異常洗浄学習を行う処理の詳細を以下に説明する。図6は、本実施形態に係る洗浄装置10による一連のリンス洗浄兼異常洗浄学習の動作の一例を説明するフローチャートである。
ユーザーは洗浄装置10のステージ13にリンス槽50を設置し、パネル部22にあるリンス洗浄開始ボタンを押す。制御部11は、洗浄開始ボタンが押されたことを検知した場合には、移動駆動部12を制御してステージ13を上方に垂直移動させて、分注ノズル15の先端を所定のリンス洗浄開始位置に合わせる(ステップS201)。
次に、制御部11は、分注ポンプ17を駆動ON状態にして電磁バルブ18を開き、各ウェル51に110μLの洗浄液29を分注し、110μLでのリンス洗浄1(プラス液量)を開始する(ステップS202)。
制御部11は、リンス槽50の各ウェル51に110μLの洗浄液29を分注した後、続いて分注された洗浄液29を吸引する。このとき、制御部11は、吸引開始時点Tsを判定する(ステップS203)。制御部11は、吸引ポンプ20を駆動ON状態にしてからステージ13をさらに上方に垂直移動させて、吸引ノズル16の先端がウェル51に分注された洗浄液29の液面に接する直前の位置に合わせることで、各ウェル51から洗浄液29を吸引する。吸引ノズル16内は真空状態であるので、ウェル51に分注された洗浄液29は吸引ノズル16内に取り込まれていく。制御部11は、洗浄パラメータ34に基づいて、ステージ13の上方垂直移動を継続する。
制御部11は、吸引ノズル16の先端がウェル51の底面に接する直前の位置に到達した場合には、ステージ13を下方垂直移動に切り替える。また、制御部11は、吸引ノズル16の先端がウェル51の上空の位置に到達した場合には、ステージ13の垂直移動を停止させて、吸引ポンプ20を駆動OFFにし、110μLでのリンス洗浄1(プラス液量)を終了する(ステップS204)。
制御部11は、吸引終了時点Teを判定する(ステップS205)。
制御部11は、吸引終了後に、記憶部21に記憶された振動センサ19の出力信号を取得し、吸引ノズル16の先端が洗浄液29の液面に達する前と達した後との出力信号の状態変化から、110μLでのリンス洗浄1における吸引開始時点Tsと吸引終了時点Teでの振動波形の波形パターンを学習し、学習結果を学習モデル35に保存する(ステップS206)。なお、振動センサ19の出力信号は、所定の時間間隔(解像度)で記憶部21に逐次記憶されている。
次に、制御部11は、分注ポンプ17を駆動ON状態にして電磁バルブ18を開き、各ウェル51に90μLの洗浄液29を分注し、90μLでのリンス洗浄2(マイナス液量)を開始する(ステップS207)。
制御部11は、リンス槽50の各ウェル51に90μLの洗浄液29を分注した後、続いて分注された洗浄液29を吸引する。このとき、制御部11は、吸引開始時点Tsを判定する(ステップS208)。制御部11は、吸引ポンプ20を駆動ON状態にしてからステージ13をさらに上方に垂直移動させて、吸引ノズル16の先端がウェル51に分注された洗浄液29の液面に接する直前の位置に合わせることで、各ウェル51から洗浄液29を吸引する。吸引ノズル16内は真空状態であるので、ウェル51に分注された洗浄液29は吸引ノズル16内に取り込まれていく。制御部11は、洗浄パラメータ34に基づいて、ステージ13の上方垂直移動を継続する。
制御部11は、吸引ノズル16の先端がウェル51の底面に接する直前の位置に到達した場合には、ステージ13を下方垂直移動に切り替える。また、制御部11は、吸引ノズル16の先端がウェル51の上空の位置に到達した場合には、ステージ13の垂直移動を停止させて、吸引ポンプ20を駆動OFFにし、90μLでのリンス洗浄2(マイナス液量)を終了する(ステップS209)。
制御部11は、吸引終了時点Teを判定する(ステップS210)。
制御部11は、吸引終了後に、記憶部21に記憶された振動センサ19の出力信号を取得し、吸引ノズル16の先端が洗浄液29の液面に達する前と達した後との出力信号の状態変化から、90μLでのリンス洗浄2における吸引開始時点Tsと吸引終了時点Teでの振動波形の波形パターンを学習し、学習結果を学習モデル35に保存する(ステップS211)。
制御部11は、所定回数のリンス洗浄兼異常洗浄学習が終了したか否か確認する(ステップS212)。制御部11は、所定回数のリンス洗浄兼異常洗浄学習が終了していない場合には(ステップS212でNo)、上記のリンス洗浄兼異常洗浄学習を繰り返す(ステップS201に戻る)。
制御部11は、所定回数のリンス洗浄兼異常洗浄学習が終了した場合には(ステップS212でYes)、リンス洗浄終了と判断し、ステージ13を上方に垂直移動させて、吸引ノズル16の先端を所定のリンス洗浄終了位置に合わせる。そして、制御部11は、リンス洗浄が終了した旨を、通知部23を介してユーザーに通知する(ステップS214)。
[変形例]
上記の説明では、振動センサ19は吸引管25に設置されているが、実際には、吸引流路上の他の位置に設置されていてもよい。例えば、振動センサ19は廃液タンク28に設置されていてもよい。また、振動センサ19はさらに分注管24にも設置されていてもよい。これにより、制御部11は、吸引工程(流出)に加えて、分注工程(流入)における振動波形の波形パターンも学習することができる。
また、上記の説明では、リンス洗浄液として洗浄液29を使用しているが、実際には、洗浄液29とは別の液体をリンス洗浄液に使用してもよい。例えば、洗浄液29はリン酸緩衝生理食塩水等、リンス洗浄液は純水や精製水等の液体であってもよい。この場合、リンス洗浄を行う際に、ユーザーは洗浄液タンク27とリンス洗浄液タンク(図示省略)とを交換する。洗浄液タンク27をそのままリンス洗浄液タンクとして使用する場合には、洗浄液タンク27の中身を洗浄液29からリンス洗浄液に入れ替える。あるいは、分注管24が洗浄液タンク27とリンス洗浄液タンクのそれぞれに接続するように分岐し、分岐したそれぞれの管に分注ポンプ17および/または電磁バルブ18が設置されている構成(切り替え構成)であってもよい。このように、洗浄装置10はリンス洗浄液タンクと分注管24を介して接続される。洗浄装置10は、制御部11による分注ポンプ17の動作制御によって、リンス洗浄液タンクに収容されたリンス洗浄液を分注管24内へ吸引する。分注管24内へ吸引されたリンス洗浄液は電磁バルブ18を通ってノズルヘッド14へ送り出され、ノズルヘッド14内で各分注ノズル15に分配された後、各ウェル51に分注される。リンス洗浄液の吸引に関しては、洗浄液29の吸引の場合と同様である。
以上のように、本発明に係る洗浄装置は、イムノアッセイ用マイクロプレートに複数配置されたウェル(容器)を洗浄するための洗浄装置であって、装置内部の廃液管に振動センサを備えた洗浄装置である。ウェル内の洗浄は第1の工程と第2の工程とによって行われる。ここで、第1の工程は試料洗浄であり、第2の工程はリンス洗浄である。この洗浄装置は、マイクロプレート差し替え時や終業時に行うリンス洗浄において、洗浄液の吸引開始からの時間をパラメータとして振動センサの出力変化を学習し、その結果を用いて実際に試料洗浄を行うときの吸引開始時点を推定することにより、吸引量を精度よく計測し、残留液の有無を判断可能とする。
分注吸引ポンプの特性のバラつきがあったとしても、その特性に合わせた吸引動作開始時点と吸引所要時間とを用いて洗浄液を吸引することにより、ウェル内の洗浄液の残留を高精度に低減することが可能となる。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作し得る全ての変形例および代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。
10 洗浄装置
11 制御部
12 移動駆動部
13 ステージ
14 ノズルヘッド
15 分注ノズル
16 吸引ノズル
17 分注ポンプ
18 電磁バルブ
19 振動センサ
20 吸引ポンプ
21 記憶部
22 パネル部
23 通知部
24 分注管
25 吸引管
26 真空管
27 洗浄液タンク
28 廃液タンク
29 洗浄液
30 廃液
31 特徴量抽出部
32 学習部
33 判定部
34 洗浄パラメータ
35 学習モデル
40 マイクロプレート
50 リンス槽
41、51 ウェル

Claims (4)

  1. ウェル内に分注した洗浄液を吸引する吸引部と、
    前記吸引部によって吸引された前記洗浄液が流通する吸引経路と、
    前記吸引経路における振動を検出し、検出信号を出力する振動検出部と、
    前記振動検出部から出力された前記検出信号の出力波形に基づいて前記洗浄液の吸引開始時点から前記洗浄液の吸引終了時点までの積分値を算出し、前記ウェル内における前記洗浄液の残留の有無を判定する制御部と、
    前記洗浄液を分注した液量ごとの、前記洗浄液の吸引開始時点から前記洗浄液全量の吸引終了時点までの前記積分値の平均値、中央値、または最頻値のいずれかを記憶する記憶部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記ウェル内に所定の液量の洗浄液を分注し、分注した前記洗浄液を吸引した際に、前記分注した液量と前記記憶部に記憶された前記積分値の平均値、中央値、または最頻値のいずれかと比較することにより、前記ウェル内における前記洗浄液の残留の有無を判定することを特徴とする洗浄装置。
  2. 前記制御部は、前記振動検出部から出力された前記検出信号の出力波形の変化に基づいて、前記洗浄液の吸引開始時点及び吸引終了時点を検出し、検出した前記吸引開始時点から前記吸引終了時点までの前記出力波形の積分値を算出し、前記分注した液量と、前記記憶部に記憶された前記積分値の平均値、中央値、または最頻値のいずれかと比較することにより、前記ウェル内における前記洗浄液の残留の有無を判定する
    請求項1に記載の洗浄装置。
  3. 前記制御部は、前記検出信号を用いて前記振動の周波数分布を示す信号を算出し、前記周波数分布に基づいて前記洗浄液の吸引開始時点と吸引終了時点とを検出する
    請求項1または請求項2に記載の洗浄装置。
  4. ウェル内に所定の液量の洗浄液を分注し、
    分注した前記洗浄液を吸引し、
    前記洗浄液を吸引した際に前記洗浄液が流通する吸引経路における振動を検出して検出信号を出力し、
    前記検出信号における前記洗浄液の吸引開始時点から前記洗浄液の吸引終了時点までの出力波形に基づいて積分値を算出し、
    分注した前記洗浄液の液量と、記憶した前記洗浄液を分注した液量ごとの、前記洗浄液の吸引開始時点から前記洗浄液全量の吸引終了時点までの前記積分値の平均値、中央値、または最頻値のいずれかと比較することにより前記ウェル内における前記洗浄液の残留の有無を判定する洗浄方法。
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