JP2016084953A - 湯水混合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】湯水混合装置において、通常の出湯運転中に使用者に不要な不安感や不信感を与えてしまうことがなく、高温出湯回避用の開閉弁の故障判定を実行可能なもの、等を提供する。
【解決手段】湯水混合装置1は、高温水が流れる温水通路12と、低温水が流れる給水通路11と、高温水と低温水とを混合する混合弁13と、この混合弁13によって設定温度に調整された混合湯水を流す出湯通路14と、温水通路12に設置され且つ高温出湯を回避する為の開閉弁16とを備え、出湯通路14の通水を検知して出湯運転を開始する場合には、混合弁13を低温水側全開状態から高温水側開方向へ駆動した後に、開閉弁16を開放駆動する制御ユニット20(故障判定制御手段)を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は湯水混合装置に関し、特に高温出湯回避用の開閉弁の故障判定を行う機能を改善したものに関する。
従来から、太陽熱を利用して水を加熱する太陽熱温水器が広く一般に普及している。この太陽熱温水器においては、集熱パネルと貯留タンクとが屋根上に一体的に設置されたタンク一体型、集熱パネルが屋根上に設置され、貯留タンクが地上に設置されたタンク分離型等が実用に供されている。タンク一体型の太陽熱温水器では、水は集熱パネルと貯留タンクとの間を対流により自然循環することで直接的に加熱される。
また、上記の太陽熱温水器において、集熱パネルと貯留タンクとの間に、循環ポンプの駆動を介して熱媒(不凍液)を循環させ、集熱パネルで加熱された熱媒と貯留タンクに貯留された水との間で熱交換することによって、貯留タンク内の水を間接的に加熱するものも広く知られている。
上記の貯留タンクに貯留された高温水は、地上側に設置された補助熱源機(給湯機)を介して、所望の給湯先に出湯されるが、高温水は、直接出湯する為には温度が高過ぎるので、出湯する際には温度調整を行う必要がある。このため、太陽熱温水器と補助熱源機との間には、太陽熱温水器で加熱された高温水を、上水源から供給される低温水と混合して設定温度に温度調整した後に、補助熱源機へ送る湯水混合装置が設置されている。
ところで、上記の湯水混合装置において、一般的に、急な高温出湯を回避する為の開閉弁が設けられている。この高温出湯回避用の開閉弁の故障判定を行う場合、従来では、出湯運転中に、開閉弁を閉止駆動又は開放駆動して出湯温度の変化を検知することで開閉弁の故障を判定している。この種の開閉弁等の弁部材の故障判定に関する技術は、種々の文献に開示されている。
例えば、特許文献1の貯湯式給湯装置において、貯湯タンクからの高温水と給水通路からの低温水とを混合する混合弁、この混合弁からの混合湯水を流す出湯通路に設置された温度センサ及び流量センサ等を備え、通常の出湯運転中に、温度センサが検知する混合湯水の温度が設定温度に達していない場合、混合弁を段階的に水側に絞って湯側を開く動作を繰り返し、流量センサが検知する混合湯水の流量が所定量以下になった場合、貯湯タンクに連なる給水通路に設置された弁の閉故障を判定する技術が開示されている。
特許第5394316号公報
しかし、特許文献1の故障判定のように、通常の出湯運転中に混合弁を段階的に切り換えると、混合湯水の温度が段階的に変化してしまい、また、上記で説明した従来の故障判定のように、通常の出湯運転中に高温出湯回避用の開閉弁を開閉駆動すると、混合湯水の温度が変化したり、混合湯水の流量が変動してしまうので、給湯先で湯水を使用している使用者によっては不要な不安感や不信感を与えてしまうという問題がある。
このため、通常の出湯運転中における混合湯水の温度や流量は極力安定させることが望ましいが、出湯運転中以外では、通水を利用することができないので、高温出湯回避用の開閉弁等の弁部材の故障判定を行うのが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、湯水混合装置において、通常の出湯運転中に使用者に不要な不安感や不信感を与えてしまうことがなく、高温出湯回避用の開閉弁の故障判定を実行可能なもの、等を提供することである。
請求項1の湯水混合装置は、高温水が流れる高温水側通路と、低温水が流れる低温水側通路と、高温水と低温水とを混合する混合弁と、この混合弁によって設定温度に調整された混合湯水を流す出湯通路と、前記高温水側通路に設置され且つ高温出湯を回避する為の開閉弁とを備えた湯水混合装置において、前記出湯通路の通水を検知して出湯運転を開始する場合には、前記混合弁を低温水側全開状態から高温水側開方向へ駆動した後に、前記開閉弁を開放駆動する故障判定制御手段を備えたことを特徴としている。
請求項2の湯水混合装置は、請求項1の発明において、前記故障判定制御手段は、前記開閉弁の駆動前後の混合湯水の流量の変動、又は、前記開閉弁の駆動前後の混合湯水の温度変化の少なくとも一方を検知して、前記開閉弁の故障判定を行うことを特徴としている。
請求項3の湯水混合装置は、請求項1又は2の発明において、前記高温水側通路に設置された高温水側温度検知手段と、前記低温水側通路に設置された低温水側温度検知手段とを備え、前記故障判定制御手段は、前記高温水側温度検知手段の検知温度が設定温度以上である場合、又は、前記高温水側温度検知手段の検知温度と前記低温水側温度検知手段の検知温度との温度差に設定値以上の温度差がある場合の少なくとも一方の場合には、前記故障判定を行わないことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、湯水混合装置は、出湯通路の通水を検知して出湯運転を開始する場合には、混合弁を低温水側全開状態から高温水側開方向へ駆動した後に、開閉弁を開放駆動する故障判定制御手段を備えたので、故障判定制御手段は、出湯運転開始時に、混合弁の駆動後の開閉弁の開放駆動を介して発生する湯水の変動・変化を利用して、開閉弁の故障判定を行う。
従って、出湯運転開始時における使用者が湯水に直接触れていない湯待ち状態を利用して故障判定を実行することで、使用者が湯水に触れている通常の出湯運転中での湯水の流量の変動や温度の変化を防止することができるので、高温出湯回避用の開閉弁の故障判定を、使用者に不要な不安感や不信感を与えてしまうことなく実行することができる。
請求項2の発明によれば、故障判定制御手段は、開閉弁の駆動前後の混合湯水の流量の変動、又は、開閉弁の駆動前後の混合湯水の温度変化の少なくとも一方を検知して、開閉弁の故障判定を行うので、開閉弁の駆動前後の湯水の流量や温度を比較することで、開閉弁の故障を確実に検知することができる。
請求項3の発明によれば、故障判定制御手段は、高温水側温度検知手段の検知温度が設定温度以上である場合、又は、高温水側温度検知手段の検知温度と低温水側温度検知手段の検知温度との温度差に設定値以上の温度差がある場合の少なくとも一方の場合には、故障判定を行わないので、出湯運転開始時における不要な高温出湯を回避することができる。
本発明の実施例に係る湯水混合装置の概略構成図である。 故障判定運転制御の前半部分のフローチャートである。 故障判定運転制御の中間部分のフローチャートである。 故障判定運転制御の後半部分における開閉弁の閉故障に関連するフローチャートである。 故障判定運転制御の後半部分における開閉弁の開故障に関連するフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
先ず、本発明の湯水混合装置1の設置状態について簡単に説明する。
図1に示すように、湯水混合装置1は、太陽熱温水器2で加熱された高温水を、上水源から供給される低温水と混合して設定温度に温度調整した後に補助熱源機3へ送り、所望の給湯栓9から給湯するものであり、屋根上に設置された太陽熱温水器2と地上側に設置された補助熱源機3との間に設置されている。
太陽熱温水器2は、集熱パネル2aと貯留タンク2bとを備え、これらが一体的に構成された公知のタンク一体型の太陽熱温水器2であり、補助熱源機3は、バーナーや熱交換器等を内蔵した公知の燃焼式の給湯機である。太陽熱温水器2の貯留タンク2bに上水源から延びる外部給水通路4が接続され、太陽熱温水器2の貯留タンク2bから延びる外部温水通路5が湯水混合装置1に接続され、湯水混合装置1から延びる外部出湯通路6が補助熱源機3に接続されている。
次に、湯水混合装置1の具体的な構造について説明する。
図1に示すように、湯水混合装置1は、低温水が流れる給水通路11(低温水側通路に相当する)、高温水が流れる温水通路12(高温水側通路に相当する)、高温水と低温水とを混合する為の混合弁13、設定温度の混合湯水が流れる出湯通路14、混合湯水を補助熱源機3に送る為のポンプ15、各種の器具を制御する為の制御ユニット20等を備え、これらは外装ケース17内に収納されている。
給水通路11は、上水源から加圧シスターンを介して供給される低温水を混合弁13に供給するものであり、給水通路11の上流端が、フィルタ機能を備えた排水栓付接続継手11aを介して外部給水通路7の下流端に接続され、給水通路11の下流端が、混合弁13の水側接続口に接続されている。給水通路11には、上流側から下流側に向かって、凍結防止用ヒータ11b、逆止弁11c、減圧弁11d、温度センサ11e(低温水側温度検知手段に相当する)が順に設置されている。減圧弁11dは、上水源から供給される低温水を予め設定された設定値(例えば80kPa)に減圧する為に給水通路11に設置されている。
温水通路12は、太陽熱温水器2から供給される高温水を混合弁13に供給するものであり、温水通路12の上流端が、フィルタ機能を備えた排水栓付接続継手12aを介して外部温水通路5の下流端に接続され、温水通路12の下流端が、混合弁13の湯側接続口に接続されている。温水通路12には、上流側から下流側に向かって、凍結防止用ヒータ12b、逆止弁12c、温度センサ12d(高温水側温度検知手段に相当する)、高温出湯回避用の開閉弁16が順に設置されている。
混合弁13は、温水通路12と給水通路11の合流部に設置されている。混合弁13は、出湯温度が指令温度(設定温度)になるように、温水通路12から流入する高温水と給水通路11から流入する低温水の混合比を制御し、温度調整された混合湯水を出湯通路14に出湯する公知の混合弁である。高温出湯を回避する為の開閉弁16は、混合弁13への高温水の供給・供給停止を開閉によって択一的に切り換え可能な公知の常閉式電磁弁である。
出湯通路14は、混合弁13によって設定温度に調整された混合湯水を補助熱源機3に供給するものであり、出湯通路14の上流端が、混合弁13の出湯口に接続され、出湯通路14の下流端が、加圧逃し機能を備えた排水栓付接続継手14aを介して外部出湯通路6の上流端に接続されている。出湯通路14には、上流側から下流側に向かって、流量センサ14b、温度センサ14c、混合湯水を補助熱源機3に送る為のポンプ15、逆止弁14d、水圧を検出する為の圧力センサ14e、凍結防止用ヒータ14fが順に設置されている。
このように、湯水混合装置1は、太陽熱温水器2に連結する温水通路12からの高温水と上水源に連結する給水通路11からの低温水とを混合弁13を介して混合し、混合弁13によって設定温度に調整された混合湯水を、出湯通路14を介して補助熱源機3に出湯するように構成されている。
次に、制御ユニット20について説明する。
この湯水混合装置1は、制御ユニット20によって制御される。各種のセンサの検出信号が制御ユニット20に送信され、この制御ユニット20により、湯水混合装置1の動作、ポンプ15の作動・停止、各種の弁手段の開閉状態の切り換え及び開度調整等を制御し、各種運転(給湯運転、故障判定運転等)を実行する。
制御ユニット20は、補助熱源機3の補助側制御ユニット3aとデータ通信可能である。また、制御ユニット20は、ユーザーが操作可能な操作リモコン8と、補助側制御ユニット3aを介してデータ通信可能である。操作リモコン8のスイッチ操作により各種の運転が設定されると、その指令信号が操作リモコン8から制御ユニット20に送信される。例えば、操作リモコン8のスイッチ操作により目標給湯設定温度が設定されると、その目標給湯設定温度データが操作リモコン8から制御ユニット20に送信される。尚、この制御ユニット20が、故障判定制御手段に相当する。
次に、本発明に関連する湯水混合装置1の故障判定運転制御について説明する。
湯水混合装置1に備えられた制御ユニット20は、出湯通路14の通水を検知して出湯運転を開始する場合には、混合弁13を低温水側(給水通路11側)全開状態から高温水側(温水通路12側)開方向へ駆動した後に、開閉弁16を開放駆動し、開閉弁16の駆動前後の混合湯水の流量の変動を検知して、開閉弁16の故障判定(閉故障判定)を行い、温度センサ12dの検知温度が設定温度以上である場合には、故障判定を行わない故障判定運転制御を実行可能である。尚、以下の説明では、故障判定運転制御は、開閉弁16の閉故障及び開故障の両方の故障を判定しているが、本発明は開閉弁16の閉故障の判定に関するものである。
次に、湯水混合装置1の通常の使用状態下において、制御ユニット20により自動的に実行される、開閉弁16の故障判定運転制御について、図2〜図5のフローチャートに基づいて説明する。尚、図中の符号Si(i=1,2,・・)は各ステップを示す。この故障判定運転制御プログラムは、制御ユニット20に予め格納されている。
図2のフローチャートにおいて、この制御が開始されると、先ずは、開閉弁16の故障判定(閉故障判定及び開故障判定)を実行可能状態であるか否かの判定を行う為に、S1〜S10の処理を実行する。最初にS1において、制御ユニット20は、温度センサ12dの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて、温水通路12の高温水の温度を算出し、S2に移行する。
次に、S2において、高温水温度が第1設定温度ta(例えば45度)未満であるか否かの判定を行い、高温水温度が第1設定温度ta未満である場合には、S2の判定がYesとなり、S3に移行する。高温水温度が第1設定温度ta以上である場合、即ち、温水通路12の高温水が、給湯栓9から直接出湯するには危険な高温状態である場合には、S2の判定がNoとなり、S4に移行し、開閉弁16の故障判定が不可能であるとして、開閉弁16の故障判定を行わずに、リターンする。
次に、S3において、開閉弁16を含む各種器具の故障に基づくエラー発報が無いか否かの判定を行い、エラー発報が無い場合には、S3の判定がYesとなり、S5に移行し、エラー発報中である場合には、S3の判定がNoとなり、S4に移行して、開閉弁16の故障判定が不可能であるとして、開閉弁16の故障判定を行わずに、リターンする。
次に、S5において、開故障カウントC(開閉弁16が開故障状態であると判定された回数)が0であるか否かの判定を行い、開故障カウントCが0である場合には、S5の判定がYesとなり、S6に移行する。開故障カウントCが0でない場合には、S5の判定がNoとなり、S7に移行する。
次に、S6において、前回の開閉弁16の故障判定が正常に完了しているか否かの判定を行い、前回の故障判定時において開閉弁16に故障無しであると判定した場合又は開故障カウンタCが3未満で通常出湯可能であると判定した場合には、S6の判定がYesとなり、S8に移行する。前回の開閉弁16の故障判定が途中で中断されて正常に完了していない場合(給湯栓9が閉止された場合等)には、S6の判定がNoとなり、S7に移行する。
次に、S7において、給湯栓9が閉止されて最低作動流量が無くなった後、所定時間(例えば11分)以上が経過しているか否かの判定を行い、所定時間以上が経過している場合、即ち、再出湯で使用される可能性が低くなった場合には、S7の判定がYesとなり、S11に移行する。所定時間が経過していない場合、即ち、再出湯される可能性がある場合には、S7の判定がNoとなり、S4に移行して、開閉弁16の故障判定が不可能であるとして、開閉弁16の故障判定を行わずに、リターンする。
次に、S8において、前回の開閉弁16の故障判定時に故障無しであると判定されてから20時間以上が経過しているか否かの判定を行い、20時間以上が経過している場合には、S8の判定がYesとなり、S9に移行する。20時間以上が経過していない場合には、S8の判定がNoとなり、S10に移行し、開閉弁16が正常状態を維持していると判定し、開閉弁16の故障判定を行わずに、リターンする。
次に、S9において、給湯栓9が閉止されて最低作動流量が無くなった後、3時間以上が経過しているか否かの判定を行い、3時間以上が経過している場合には、S9の判定がYesとなり、S11に移行する。3時間が経過していない場合には、S9の判定がNoとなり、S10に移行し、開閉弁16が正常状態を維持していると判定し、開閉弁16の故障判定を行わずに、リターンする。
図3のフローチャートにおけるS11において、開閉弁16の故障判定(閉故障判定及び開故障判定)を実行する為に、先ずは、湯水混合装置11に通水があるか否かの判定を行い、流量センサ14bの検知信号等に基づいて湯水混合装置11に通水があると判定した場合、即ち、給湯栓9の開放等によって出湯運転を開始する場合には、S11の判定がYesとなり、S12に移行し、S11の判定がNoのうちはS11を繰り返す。
次に、S12において、制御ユニット20は、開閉弁16を閉止状態に維持し、混合弁13を水側全開状態に設定し、ポンプ15を所定の回転数に設定して駆動し、S13に移行し、設定時間t1(出湯通路14の流量が安定する時間、例えば2秒)が経過したか否かを判定し、設定時間t1が経過している場合には、S13の判定がYesとなり、S14に移行し、S13の判定がNoのうちはS13を繰り返す。
次に、S14において、制御ユニット20は、流量センサ14bの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて、制御ユニット20は、出湯通路14を流れる湯水の流量を算出し、S15に移行する。
次に、S15において、S14の検知流量が第1設定流量q1(例えば5L/min)以上であるか否かの判定を行い、検知流量が第1設定流量q1以上である場合、即ち、出湯通路14を流れる湯水に開閉弁16の故障判定を行う為の十分な流量がある場合には、S15の判定がYesとなり、S16に移行する。検知流量が第1設定流量q1未満である場合、即ち、流量の変動を検知し難い少量の流量である場合には、S15の判定がNoとなり、S17に移行し、開閉弁16の故障判定を中断すると判定し、開閉弁16と混合弁13を通常の出湯運転時における状態に設定し、リターンする。
次に、S16において、制御ユニット20は、開閉弁16を閉止状態に維持し、混合弁13を水側全開状態から湯側全開状態に駆動し、S18に移行し、設定時間t2(例えば1秒)が経過したか否かを判定し、設定時間t2が経過している場合には、S18の判定がYesとなり、S19に移行し、S18の判定がNoのうちはS18を繰り返す。
次に、S19において、制御ユニット20は、温度センサ12dの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて、制御ユニット20は、温水通路12の高温水の温度を算出し、S20に移行する。
次に、S20において、高温水温度が第2設定温度tb(例えば50度)未満か否かの判定を行い、高温水温度が第2設定温度tb未満の場合には、S20の判定がYesとなり、S21に移行する。
しかし、S20において、開閉弁16に開故障が発生している場合、混合弁13を水側全開状態から湯側全開状態へ駆動すると、温水通路12から出湯通路14に高温水が流れ込むので、温水通路12に太陽熱温水器2から高温水が供給され、温水通路12の高温水の温度が上昇して、高温水温度が第2設定温度tb以上になると、S20の判定がNoとなり、S31に移行する。
次に、S21において、制御ユニット20は、流量センサ14bの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて、制御ユニット20は、出湯通路14を流れる湯水の流量を算出し、S22に移行する。
次に、S22において、S21の検知流量が第2設定流量q2(例えば3.5L/min)以下であるか否かの判定を行い、検知流量が第2設定流量q2以下である場合、即ち、混合弁13を水側全開状態から湯側全開状態に駆動することで、出湯通路14に流入する低温水の流量が第2設定流量q2以下に絞られた場合には、S22の判定がYesとなり、S23に移行し、S21の検知流量をq3として記憶して、S25に移行する。
しかし、S22において、開閉弁16に開故障が発生している場合、混合弁13を水側全開状態から湯側全開状態に駆動しても、出湯通路14に温水通路12から湯水が流れ込むことで出湯通路14の湯水の流量が絞られず、検知流量が第2設定流量q2を超えている状態になるので、この場合には、S22の判定がNoとなり、S24に移行し、設定時間t3(出湯通路14の流量が安定する時間、例えばS16の処理から5秒)が経過したか否かを判定し、設定時間t3が経過している場合には、S24の判定がYesとなり、S31に移行し、S24の判定がNoのうちはS21,S22を繰り返す。
図4のフローチャートにおけるS25において、制御ユニット20は、開閉弁16の閉故障を判定する為に、開閉弁16を開放駆動し、S26に移行し、制御ユニット20は、流量センサ14bの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて、制御ユニット20は、出湯通路14を流れる湯水の流量を算出し、S27に移行する。
次に、S28において、S27の検知流量がq3+第3設定流量α(例えば0.5L/min)以上であるか否かの判定を行い、検知流量がq3+第3設定流量α以上である場合、即ち、開閉弁16の開放駆動に伴って、温水通路12から出湯通路14に湯水が流れ込むことで、出湯通路14の流量増加が第3設定流量α以上である場合には、S27の判定がYesとなり、S28に移行し、開閉弁16が正常であると判定して、開閉弁16と混合弁13を通常の出湯運転時における状態に設定し、開故障カウンタCをリセットし、開閉弁16の故障判定を終了して、リターンする。
しかし、S27において、開閉弁16に閉故障が発生している場合、開閉弁16を開放駆動しても、出湯通路14の流量が増加せず、検知流量がq3+第3設定流量α未満となるので、この場合には、S27の判定がNoとなり、S29に移行し、設定時間t4(出湯通路14の流量が安定する時間、例えばS25の処理から5秒)が経過したか否かを判定し、設定時間t4が経過している場合には、S29の判定がYesとなり、S30に移行し、S29の判定がNoのうちはS26,S27を繰り返す。
次に、S30において、開閉弁16に閉故障が発生していると判定する。このS30では、開閉弁16の閉故障に基づくエラー発報を操作リモコン8の表示や音声等を介して実行し、混合弁13を水側全開状態に設定して、開閉弁16の故障判定を終了して、リターンする。
ところで、図5のフローチャートにおけるS20,S24で開閉弁16に開故障が発生していると判定した後のS31において、開故障カウントCに(C+1)を設定し、S32に移行する。
次に、S32において、開故障カウンタCが3未満であるか否かを判定し、開故障カウンタCが3未満である場合には、S33に移行して、開閉弁16と混合弁13を通常の出湯運転時における状態に設定し、開閉弁16の故障判定を終了し、リターンする。つまり、開閉弁16に開故障が発生している場合、直ちにエラー発報を行わずに、通常の出湯運転を維持し、複数回(例えば3回)の開故障判定を経た後に、開閉弁16の開故障に基づくエラー発報を行う。
しかし、S32において、開故障カウンタCが3以上である場合には、S34に移行し、開閉弁16に開故障が発生していると判定する。このS34では、開閉弁16の開故障に基づくエラー発報を操作リモコン8の表示や音声等を介して実行し、混合弁13を水側全開状態に設定して、開閉弁16の故障判定を終了して、リターンする。
次に、本発明の湯水混合装置1の作用及び効果について説明する。
湯水混合装置1は、出湯通路14の通水を検知して出湯運転を開始する場合には、混合弁13を低温水側全開状態から高温水側全開状態(高温水側開方向)へ駆動した後に、開閉弁16を開放駆動する制御ユニット20(故障判定制御手段)を備えたので、制御ユニット20は、出湯運転開始時に、混合弁13の駆動後の開閉弁16の開放駆動を介して発生する湯水の変動・変化を利用して、開閉弁16の故障判定を行う。
従って、出湯運転開始時における使用者が湯水に直接触れていない湯待ち状態を利用して故障判定を実行することで、使用者が湯水に触れている通常の出湯運転中での湯水の流量の変動や温度の変化を防止することができるので、高温出湯回避用の開閉弁16の故障判定を、使用者に不要な不安感や不信感を与えてしまうことなく実行することができる。
また、制御ユニット20は、開閉弁16の駆動前後の混合湯水の流量の変動を検知して、開閉弁16の故障判定を行うので、開閉弁16の駆動前後の湯水の流量を比較することで、開閉弁16の故障を確実に検知することができる。さらに、制御ユニット20は、温度センサ12dの検知温度が設定温度以上である場合には、故障判定を行わないので、出湯運転開始時における不要な高温出湯を回避することができる。
次に、前記実施例を部分的に変更した形態について説明する。
[1]前記実施例の湯水混合装置1において、開閉弁16の閉故障判定は、開閉弁16の駆動前後の混合湯水の流量の変動を利用しているが、特にこれに限定する必要はなく、開閉弁16の駆動前後の混合湯水の温度の変化を利用しても良いし、混合湯水の流量の変動と混合湯水の温度の変化の両方を利用しても良く、適宜変更可能である。
具体的に、開閉弁16の駆動前後の混合湯水の温度の変化のみを利用する場合、S23において、温度センサ14cの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて、開閉弁16の駆動前の温水通路12の湯水温度を算出し、S26において、温度センサ14cの検知信号を読み込み、この検知信号に基づいて、開閉弁16の駆動後の温水通路12の湯水温度を算出し、S27において、駆動後の湯水温度が駆動前の湯水温度と比較して高くなる場合には、開閉弁16が閉故障していると判定しても良い。
[2]前記実施例の湯水混合装置1において、開閉弁16の故障判定は、温度センサ12dの検知温度が設定温度以上である場合には実行されないが、特にこれに限定する必要はなく、温水通路12側の温度センサ12dの検知温度と給水通路11側の温度センサ11eの検知温度との温度差に設定値(例えば30℃)以上の温度差がある場合には、開閉弁16の故障判定を行わないようにしても良いし、これら両方の場合に、故障判定を行わないようにしても良く、適宜変更可能である。
[3]前記実施例の湯水混合装置1において、開閉弁16の故障判定は、混合弁13を低温水側全開状態から高温水側全開状態へ駆動した後に、開閉弁16を開放駆動しているが、特に混合弁13を高温水側全開状態まで駆動する必要はなく、混合弁13を低温水側全開状態から高温水側開方向へ駆動した後に、開閉弁16を開放駆動しても良い。
[4]前記実施例の湯水混合装置1は、太陽熱温水器2に連結する外部温水通路5からの高温水に、上水源に連結する外部給水通路4からの低温水を混合し、設定温度の混合湯水を外部温水通路5を介して補助熱源機3に出湯するように設置されているが、特にこの設置構造に限定する必要はなく、例えば、太陽熱温水器2に代えて、ヒートポンプ式熱源機によって加熱された高温水を貯留する貯湯タンクを備えた貯湯給湯装置を適用しても良く、湯水混合装置1に高温水を供給する為の器具は適宜変更可能である。
[5]前記実施例の湯水混合装置1は、高温水と低温水とを混合弁13を介して混合して設定温度の湯水を出湯する機能を備えた構造であれば、特にこの構造に限定する必要はなく、適宜変更可能である。例えば、ポンプ15は、必ずしも必要ではなく、補助熱源機3への給湯圧を十分に確保可能であれば、省略しても良い。
[6]前記実施例の故障判定運転制御において、各種の設定時間t1〜t4、設定流量q1,q2、設定温度ta,tbは、ほんの一例を示したに過ぎず、適宜変更可能である。
[7]その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
1 湯水混合装置
11 給水通路(低温水側通路)
11e 温度センサ(低温水側温度検知手段)
12 温水通路(高温水側通路)
12d 温度センサ(高温水側温度検知手段)
13 混合弁
16 開閉弁
20 制御ユニット(故障判定制御手段)

Claims (3)

  1. 高温水が流れる高温水側通路と、低温水が流れる低温水側通路と、高温水と低温水とを混合する混合弁と、この混合弁によって設定温度に調整された混合湯水を流す出湯通路と、前記高温水側通路に設置され且つ高温出湯を回避する為の開閉弁とを備えた湯水混合装置において、
    前記出湯通路の通水を検知して出湯運転を開始する場合には、前記混合弁を低温水側全開状態から高温水側開方向へ駆動した後に、前記開閉弁を開放駆動する故障判定制御手段を備えたことを特徴とする湯水混合装置。
  2. 前記故障判定制御手段は、前記開閉弁の駆動前後の混合湯水の流量の変動、又は、前記開閉弁の駆動前後の混合湯水の温度変化の少なくとも一方を検知して、前記開閉弁の故障判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の湯水混合装置。
  3. 前記高温水側通路に設置された高温水側温度検知手段と、前記低温水側通路に設置された低温水側温度検知手段とを備え、
    前記故障判定制御手段は、前記高温水側温度検知手段の検知温度が設定温度以上である場合、又は、前記高温水側温度検知手段の検知温度と前記低温水側温度検知手段の検知温度との温度差に設定値以上の温度差がある場合の少なくとも一方の場合には、前記故障判定を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の湯水混合装置。

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