JP2016084639A - 框組扉 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量で曲面状の表面形状を与えることができる框組扉を提供する。
【解決手段】左右一対の縦框11,11内に鏡板12を嵌合してなる框組扉10であり、鏡板は、縦框内面の凹溝11aに嵌合される外端部13cを有する方形状の枠体13と、枠体の内部に設けられる発泡材からなる芯材14と、芯材の表裏全面および枠体の少なくとも縦框間に露出する表裏部分を被覆する表裏の化粧板15,15とを有してなる。芯材が中央の厚みが大きい湾曲面状の表面形状を有する場合、この表面形状に沿って貼着される化粧板と、平面状の表面を有する枠体との間に、框組扉の上下木口において隙間が現れることになるので、この隙間を実質的に埋める隙間部材17,17が設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、左右一対の縦框間に鏡板を設けてなる框組扉に関する。
左右一対の縦框間に鏡板を設けてなる框組扉において、鏡板の表面に曲面形状を与えて意匠性を向上させた従来技術として、出願人が提案した下記特許文献1,2記載技術がある。特許文献1では、平板状の芯材の少なくとも一面に複数の横リブを扉の上下方向に間隔をおいて互いに平行に設け、これら横リブを被覆するように化粧版を貼着して鏡板を構成している。特許文献2では、平板状の芯材の少なくとも一面の少なくとも上端および下端にそれぞれ横リブを設けると共に、横リブ間に複数の縦リブを設け、これら横リブおよび縦リブを被覆するように化粧板を貼着して鏡板を構成している。これらの従来技術によれば、横リブの表面がたとえば円弧面を描くように形成して用いることにより、幅方向中央部が湾曲状に厚肉化されたような外観を与え、意匠性ないし重厚感を向上させることができる。
特開2004−263453号公報 特開2007−085015号公報
これらの従来技術は、横リブの表面に任意の曲面形状を与えることにより、この表面形状に対応した多様な曲面を呈するように鏡板を構成することができ、簡単な工程で意匠性に富んだ扉を提供することができ、扉の設計の自由度を拡げることができるものであった。また、化粧板の裏側においてリブ材間に空間が形成されるので、鏡板が軽量化され、扉を扉枠に丁番を介して取り付けたときに過度の荷重や回転力が丁番や扉枠にかからず、扉が下がったり、扉の開閉に支障を来すなどの問題を生じさせないものであった。
しかしながら、化粧板の裏側においてリブ材間に空間が形成されることは、軽量化を実現する上では有意義であるが、反面、リブ材が存在しない箇所において化粧板の表面から芯材方向に負荷がかかると、化粧板が破損することがあった。これを防止するためには、リブ材の幅を大きくして空間を狭くすれば良いが、鏡板および扉の重量が大きくなり、取扱いや施工が困難になる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、リブ材を用いず、したがって空間を有しない中実構造でありながら軽量な鏡板を用いて、上記従来技術と同様に曲面状などの任意の表面形状を与えることができる新規な構成の框組扉を提供することである。
この課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、左右一対の縦框間に鏡板を設けてなる框組扉において、鏡板が、縦框内面の凹溝に嵌合される外端部を有する方形状の枠体と、枠体の内部に設けられる発泡材からなる芯材と、芯材の表裏全面および枠体の少なくとも縦框間に露出する表裏部分を被覆する表裏の化粧板とを有してなることを特徴とする。
本願の請求項2に係る発明は、請求項1記載の框組扉において、芯材の少なくとも一部が枠体より厚く形成されることを特徴とする。
本願の請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の框組扉において、上下端木口において化粧板と枠体との間に現れる隙間を実質的に埋める隙間部材が設けられることを特徴とする。
請求項1に係る本発明によれば、表裏の化粧板の内側には略全面に亘って芯材が存在しているので、表面から負荷がかかっても化粧板が破損しにくい。
また、芯材は軽量の発泡材からなるので、厚くして重厚感のある扉としても重量が増大せず、取扱いや施工が容易である。
また、枠体内に設けられる芯材は、その四周側面が枠体に囲まれているので、持ち運びや運送の際に扉の側面側から衝撃が加わっても芯材の変形や破損を防ぐことができ、木質材などで形成される枠体も変形や破損しにくいので、扉の意匠性を損なわない。
請求項2に係る本発明によれば、上記の効果に加えて、芯材の少なくとも一部が枠体より厚く形成されるので、意匠性や重厚感に富んだ外観の扉を提供することができる効果が得られる。
請求項3に係る本発明によれば、上記の効果に加えて、化粧板と枠体との隙間を実質的に埋める隙間部材が上下端に設けられるので、化粧板の上下端部(隙間上の部分)に負荷がかかっても破損しにくいものとすることができる効果が得られる。
本発明の一実施形態による框組扉の正面図(a)、平面図(b)および側面図(c)である。 図1中A−A断面図(a)、B−B断面図(b)およびC−C断面図(c)である。 図2(a)の端部拡大図である。 この框組扉に用いる鏡板を単独で示す正面図(a)、平面図(b)および側面図(c)である。 図4中D−D断面図(a)、E−E断面図(b)およびF−F断面図(c)である。 図4の鏡板から表裏化粧板を省略した状態の正面図(a)、平面図(b)および側面図(c)である。 図6(a)中G部拡大図である。
本発明の一実施形態による框組扉10について、図1ないし図7を参照して説明する。この框組扉10は、主として建物の内装用の引戸やドアとして用いられるものであり、左右一対の縦框11,11内に鏡板12が嵌合されてなる。縦框11,11を構成する框材は、合板、集成材、LVL、MDF、パーティクルボードなどの木質材で形成される。
鏡板12は、枠体13と、芯材14と、表裏の化粧板15,15とからなる。枠体13は、框材と同様に合板、集成材、LVL、MDF、パーティクルボードなどの木質材で形成され、その外端部13cが、各縦框11の内面に周設される凹溝11aに嵌合されることにより、框11内に設置される。枠体13は、細長い2枚の縦枠材13a,13aと2枚の横枠材13b,13bを枠組して形成しても良いし、矩形状基板の中央をくり抜いて形成しても良い。縦枠材13a,13aと横枠材13b,13bを枠組して枠体13を形成する場合において、この框組扉10をドアに使用するときは、横勝ちに枠組すると、回転動作方向に対して縦枠材13a,13aと横枠材13b,13bのドア回転軸までの距離が同じで、これらの接触面が水平になり、遠心力の作用によって該接触面で変形が生じることを防止することができるので、破損しにくいものとなる。
芯材14は、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、EVA架橋発泡体、PET樹脂発泡体などの合成樹脂の発泡体で形成されるので軽量である。芯材14の形状については、この実施形態では幅方向の両外端部から中央に向かうにつれて徐々に厚みが大きくなる湾曲面状に形成されているが、高さ方向の両外端部(上下端部)から中央に向かうにつれて徐々に厚みが増大する湾曲面状に形成されたものであっても良く、あるいは、湾曲部が芯材14表面の一部に形成されたものであっても良い。芯材14は、1つの発泡材で形成されたものであっても、あるいは、複数の発泡材に適宜分割してこれらを所定形状に組み合わせたものであっても良い。この実施形態では、4つの平面視略方形状の発泡スチロールを上下方向に隣接させて芯材14としている(図6(a))。
化粧板15,15は、木質材、合成樹脂など任意の材料で形成することができ、合板、集成材、LVL、MDFなどの薄い木質材の表面に合成樹脂、紙、合成樹脂含浸紙などの化粧シート状物を貼着したものや木目などの任意模様を印刷したものを用いても良い。その厚さも任意である。化粧板15,15は、芯材14の全面を被覆しさらに枠体13の少なくとも框11,11間に露出する表裏部分を被覆する。この実施形態では、化粧板15,15の外端部を枠体13の外端部13cの中途まで延長させて、枠体外端部13cと共に框11内面の凹溝11a内に引き込むことにより、框11,11間に露出する表裏部分を被覆するものとしている。
図示実施形態のように、中央が厚い湾曲面状の横断面形状を有する芯材14を框11,11間に設けてその表裏を化粧板15,15で被覆する場合、芯材14は上下方向において枠体13の上下横部材13b,13b間に設けられるのに対し、表裏の化粧板15,15は框組扉10の全高さに亘って設けられるので、框組扉10の上下端において、枠体横部材13b,13bの表裏面と化粧板15,15の裏面との間に空間16が形成される。そこで、この空間16を実質的に埋めて隙間を無くし、化粧板15,15の上下端部(空間16上の部分)に負荷がかかっても破損しにくいものとするために、この空間16に隙間部材17を設けることが好ましい(図4)。
各隙間部材17は、空間16の形状(枠体13面から突出する芯材14の湾曲面状部分の横断面形状)と略同一の断面形状を有する。各隙間部材17の長さ方向(施工状態では幅方向)の寸法は、芯材14と略同一であっても、またはそれより短いものであっても良く、その幅方向(施工状態では高さ方向)の寸法は、枠体横部材13bと略同一であっても、またはそれより小さいものであっても良いが、この実施形態では、特に図6(a)に示すように、その長さが芯材14より若干短く形成され、その幅が枠体横部材13b,13bより小さく形成された隙間部材17,17を、その上下端が枠体横部材13b,13bの上下端に沿って延長するようにして設けている。このようにすることにより、隙間部材17,17の加工精度が悪くて芯材14の断面形状との違いが大きく、隙間部材17,17と化粧板15,15との間に隙間が生じる場合であっても、隙間部材17,17の設置位置を左右方向に調整して、該隙間をなくす、あるいは少なくとも小さくして、表面材15,15との接着を良好にすることができる。また、隙間部材17,17を芯材14に接して設けた場合に生ずる継ぎ目の段差が化粧板15の表面に現出して見栄えを低下させることを防ぐことができる。隙間部材17の材質は、衝撃が加わっても変形や破損しない強度を有するものであれば、特に限定されない。
図6(b),(c)および図7に示される符号19は接着剤溜まりであり、縦框11,11内に枠体13を組み立てる際に使用される接着剤の余剰分をここから逃がす役割を果たす。すなわち、各縦框11内面を上端から下端まで延長するように形成される凹溝11aの溝底面に接着剤を塗布し、この凹溝11aに枠体13の縦部材13aの外端部13cを差し込んでこれらを組み立てる際に、余剰分の接着剤をこの接着剤溜まり19から逃がすことにより、枠体縦部材13aの外端部13cを凹溝11a内の所定位置まで深く押し込むことができる。接着剤溜まり19がないと、必要以上の量の接着剤が塗布された場合、凹溝11aの溝底面に余剰分の接着剤が溜まってしまい、枠体縦部材13aを所定位置まで押し込むことを阻害するので、接着不良の原因となり、無理に押し込むと縦框11を変形させてしまうおそれがある。
図1(b)に示される符号18はダボであり、框組扉10の上下端に設けて、鏡板12が縦框11から抜け落ちることを防止する。この実施形態では、框組扉10の上下端において、枠体13の角の縦部材13aの外端部13cと凹溝11aに臨む縦框11の溝側面との間にかけて円形の穴を形成し、この穴に丸棒状のダボ18を挿入している。これにより、凹溝11a内で接着剤により接着されている枠体13の接着強度が不十分な場合であっても、何らかの外力を受けたときに縦框11から外方に抜け落ちることを防止し、框組扉10の構成を維持する。
この実施形態では、各接着剤溜まり19は、枠体縦部材13a,13aの外端部13cにおいて高さ方向に所定の間隔をおいて形成され、枠体縦部材13aの外縁から内方に向かって所定長さ略水平方向に延長し、表裏に貫通する溝として形成されているが、上述の作用を果たすことができるものであれば、その形状や個数などは限定されない。また、接着剤の塗布量を適切に管理することができれば、特に接着剤溜まり19を設けなくても良い。
本発明は框組扉の構成に特徴を有するものであって、その製造方法は特に限定されないが、一例として、図示実施形態による框組扉10は下記のようにして製造することができる。すなわち、一対の縦部材13a,13aおよび一対の横部材13b,13bを横勝ちにしてタッカーなどを用いて枠組みすることにより枠体13とし、この枠体13の横部材13b,13bの上下端中央の表裏面にそれぞれ隙間部材17,17を接着剤などで固定した後、枠体13および隙間部材17,17の各一面に接着剤を塗布して、該隙間部材17,17の湾曲状表面に沿わせるようにして、化粧板15を、枠体13の縦部材13a,13aの一面側に掛け渡して取り付ける。次いで、表裏を反転させて、一面に接着剤を塗布した芯材14を枠体13内に嵌め込み、先に取り付けた化粧板15の裏面に接合した後、芯材17、枠体13および隙間部材17,17の各他面に接着剤を塗布して、もう一つの化粧板15を同様にして枠体13の他面側に固定する。芯材14の側面は縦部材13a,13aの内側面に対して接着しなくて良い。その後、プレスして、鏡板12を得る。この鏡板12の縦部材13a,13aの外端部13c,13cを縦框11,11内面の凹溝11a,11aに差し込んで接着剤などで固定することにより、鏡板12の両側に縦框11,11を取り付けて、框組扉10が完成する。
10 框組扉
11 縦框
11a 凹溝
12 鏡板
13 枠体
13a 縦部材
13b 横部材
13c 外端部
14 芯材
15 化粧板
16 空間
17 隙間部材
18 ダボ
19 接着剤溜まり

Claims (3)

  1. 左右一対の縦框間に鏡板を設けてなる框組扉において、鏡板が、縦框内面の凹溝に嵌合される外端部を有する方形状の枠体と、枠体の内部に設けられる発泡材からなる芯材と、芯材の表裏全面および枠体の少なくとも縦框間に露出する表裏部分を被覆する表裏の化粧板とを有してなることを特徴とする框組扉。
  2. 芯材の少なくとも一部が枠体より厚く形成されることを特徴とする、請求項1記載の框組扉。
  3. 上下端木口において化粧板と枠体との間に現れる隙間を実質的に埋める隙間部材が上下端に設けられることを特徴とする、請求項1または2記載の框組扉。
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