JP2016084469A - 打錠用アルキルセルロース及びこれを含む固形製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】低添加量で成形性に優れ、崩壊性を著しく遅延させないアルキルセルロース及びこれを含む固形製剤及び固形製剤の製造方法を提供する。
【解決手段】BET法で測定した比表面積が0.5〜10.0m/gである打錠用アルキルセルロース、及びこの打錠用アルキルセルロースを少なくとも含む固形製剤、並びにパルプをアルカリ金属水酸化物溶液と接触させてアルカリセルロースを得る工程と、前記アルカリセルロースをエーテル化剤と反応させて第1アルキルセルロースを得る工程と、前記第1アルキルセルロースを粉砕する工程と、粉砕された第1アルキルセルロースを、酸触媒を用いた加水分解又は酸化剤を用いた酸化分解によって解重合して第2アルキルセルロースを得る工程とを少なくとも含む打錠用アルキルセルロースの製造方法等が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品及び食品分野において、低添加量で高成形性を有する、アルキルセルロース及びこれを含む固形製剤に関する。
医薬品、食品分野において、固形製剤、特に錠剤を製造する方法としては、薬物と添加剤を混合してそのまま打錠する乾式直接打錠法と、薬物と添加剤の混合物を結合剤溶液や水等の適当な溶媒を用いて造粒し、これを乾燥した後に打錠する湿式造粒打錠法が挙げられる。前者は薬物や添加剤の流動性、成形性が不足する場合には、ロール圧縮(乾式造粒)後に解砕して、打錠する方法(乾式造粒打錠法)等が採られることがある。また、後者では撹拌造粒機を用いる場合と流動層造粒機を用いる場合がある。
乾式直接打錠法(乾式直打法)は、薬物が水に弱い場合に適用可能な点や、工程がシンプルで工程管理が容易な点等から、近年、採用されるケースが増えてきているものの、一般に湿式造粒打錠法と比較すると成形性を確保するためにより多くの添加剤が必要となる。高い成形性を有する添加剤としては、高成形性の結晶セルロース(特許文献1)、ヒドロキシアルキルセルロース微粒子(特許文献2)、高成形性、かつ高流動性の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(特許文献3)等が挙げられる。
一方、近年では、錠剤は服用しやすいように小型化され、結合剤等の添加量が抑えられる傾向にある。このため、少ない添加量で錠剤の硬度を高める結合剤が望まれている。
特開平6−316535号公報 国際公開第2011/065350号 特開2010−254756号公報
しかしながら、特許文献1では、成形性を確保するために添加量を多くする必要があり、薬物を高含量で使用する固形製剤や小型錠には適用できなかった。また、特許文献2では、成形性は優れるものの、崩壊性が劣る。一方で、特許文献3では、崩壊性は優れるものの、成形性は満足できるものではなかった。このように、従来技術では、低添加量で崩壊性を犠牲にすることなく高い成形性を確保することは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低添加量で成形性に優れ、崩壊性を著しく遅延させないアルキルセルロース及びこれを含む固形製剤及び固形製剤の製造方法を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の比表面積を有するアルキルセルロースを用いることで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
本発明の一つの態様では、BET法で測定した比表面積が0.5〜10.0m/gである打錠用アルキルセルロース、及びこの打錠用アルキルセルロースを少なくとも含む固形製剤が提供される。また、本発明の別の態様では、パルプをアルカリ金属水酸化物溶液と接触させてアルカリセルロースを得る工程と、前記アルカリセルロースをエーテル化剤と反応させて第1アルキルセルロースを得る工程と、前記第1アルキルセルロースを粉砕する工程と、粉砕された第1アルキルセルロースを、酸触媒を用いた加水分解又は酸化剤を用いた酸化分解によって解重合して第2アルキルセルロースを得る工程とを少なくとも含み、BET法で測定した比表面積が0.5〜10.0m/gである打錠用アルキルセルロースの製造方法が提供される。更に、本発明の他の態様では、この打錠用アルキルセルロースの製造方法の各工程と、得られた打錠用アルキルセルロースと薬物を少なくとも含む混合物又は造粒物を、乾式直接打錠法又は乾式造粒打錠法を用いて打錠する工程とを少なくとも含む固形製剤の製造方法が提供される。
本発明のアルキルセルロースは、高い成形性を示すため、乾式直接打錠法又は乾式造粒打錠法により錠剤を製造する場合、錠剤硬度を高めることが可能となる。特に、添加剤の添加量が制限される処方、例えば、薬物含有量を多くする必要がある処方や小型錠等の場合や、低い打錠圧で打錠する必要がある顆粒含有錠等の場合に有効である。また、本発明のアルキルセルロースは、高い成形性を示すため、乾式造粒の過程で得られるフレークの収率が高く、得られたフレークを再粉砕して顆粒剤や細粒剤を得る場合の微粉発生量が低い。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
アルキルセルロースは、BET法(BET多点法)により測定した比表面積が0.5〜10.0m/g、好ましくは0.5〜7.0m/g、より好ましくは1.0〜7.0m/g、更に好ましくは1.2〜7.0m/g、特に好ましくは1.2〜2.0m/gである。比表面積が0.5m/g未満では所望の成形性が得られない一方で、比表面積が10.0m/gを超えると、錠剤を製造する際に薬物との混合性や流動性が低下する。
比表面積の分析は、粉体粒子表面に吸着占有面積の判った分子を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法であり、不活性気体の低温低湿物理吸着によるBET法(BET多点法)を用いることができる。例えば、第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の比表面積測定法の第2法:容量法に準じて測定可能で、自動比表面積/細孔分布測定装置 TriStarII3020(micromeritics社製)を用いて測定できる。
アルキルセルロースの20℃における2質量%水溶液の粘度は、好ましくは1〜15mPa・s、より好ましくは2〜8mPa・s、更に好ましくは2〜6mPa・s、特に好ましくは2.5〜4.5mPa・sである。1mPa・s未満は、解重合工程により得ることが困難な場合があり、15mPa・sを超えると崩壊性に劣る恐れがあるばかりでなく、成形性が劣り錠剤硬度を高められない場合がある。
特許文献1又は特許文献2に記載されているように、一般的にポリマーの重合度が低い(すなわち粘度が低い)と成形性が低いことが知られている。しかしながら、驚くべきことに、アルキルセルロースにおいては重合度が低い方が成形性に優れることを発明者らは見出した。これは、アルキルセルロースの粘度が低い、すなわち重合度が低いと、圧縮時に分子鎖が再配列しやすく、容易に塑性変形するため成形性が向上し、錠剤硬度が高まるためと推測される。
なお、上記粘度は、20℃における2質量%水溶液の粘度が600mPa・s以上の場合は、第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の粘度測定法の回転粘度計法に従い、単一円筒型回転粘度計を用いて測定することができ、粘度が600mPa・s未満の場合は、第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の粘度測定法の毛細管粘度計法に従い、ウベローデ型粘度計を用いて測定できる。
アルキルセルロースの平均粒子径は、好ましくは1〜120μm、より好ましくは1〜70μm、更に好ましくは10〜70μm、より更に好ましくは10〜50μm、特に好ましくは10〜30μmである。平均粒子径が1μm未満の場合は、錠剤を製造する際に薬物との混合性や流動性が低下する場合がある一方、平均粒子径が120μmを超えると、十分な比表面積が確保できず、所望の成形性が得られない場合がある。
なお、平均粒子径は、体積換算粒子径であり、例えば「改訂増補粉体物性図説」粉体工学会・日本粉体工業技術協会編、日経技術図書、1985年、第88頁に記載されているように、式{Σ(nD)/Σn}1/3を用いて計算される。式中、Dは粒子の直径、nはその直径の粒子数、Σnは全粒子数を表す。D50は粒度分布の累積50%の粒子径(平均粒子径)を意味する。平均粒子径は、乾式レーザー回折法により測定できる。例えば、英国Malvern社製のマスターサイザー3000やドイツSympatec社のHELOS装置を用いた方法のように、圧縮空気で粉体サンプルを噴出させたものにレーザー光を照射し、その回折強度により体積換算平均粒子径を測定できる。
アルキルセルロースのゆるめ嵩密度は、好ましくは0.01〜0.50g/mL、より好ましくは0.03〜0.50g/mL、更に好ましくは0.1〜0.50g/mL、特に好ましくは0.2〜0.4g/mLである。ゆるめ嵩密度が0.01g/mL未満では、錠剤を製造する際に薬物との混合性や流動性が低下する場合がある一方、ゆるめ嵩密度が0.5g/mLを超えると成形性が低下する場合がある。
ゆるめ嵩密度は、疎充填の状態の嵩密度をいい、直径5.03cm、高さ5.03cm(容積100ml)の円筒容器(材質:ステンレス)へ試料をJISの22メッシュ(目開き710μm)の篩を通して、上方(23cm)から均一に供給し、上面をすり切って秤量することによって測定される。
アルキルセルロースは、セルロースのグルコース環の水酸基の一部をエーテル化した非イオン性高分子であり、メチルセルロースやエチルセルロース等が挙げられる。この中でも、成形性、崩壊性の点から、メチルセルロースが特に好ましい。
アルキルセルロースの置換度は、特に制限されない。例えばメチルセルロースの場合、メトキシ基の置換度が好ましくは26.0〜33.0質量%、より好ましくは27.5〜31.5質量%である。なお、メトキシ基の置換度は、第16改正日本薬局方に記載のメチルセルロースの置換度の測定方法に準拠した方法で測定できる。
アルキルセルロースと類似した物質として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシアルキルアルキルセルロースが挙げられるが、本発明者らは本発明のアルキルセルロースを含有する錠剤はヒドロキシアルキルアルキルセルロースを含有する錠剤と比較して崩壊時間が短いことを見出した。
一般的に、錠剤中に水溶性高分子を含有する場合、錠剤が口腔内の唾液や水等で崩壊する際に水溶性高分子が溶解することで粘度が発現し、錠剤への水の浸透が阻害されることにより、崩壊時間が遅延することが知られている。ここで、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースは溶媒の温度が高いと溶解せず、温度を下げるに従って溶解する性質を有する。ヒドロキシプロピルメチルセルロースが50℃程度以下で溶解するのに対して、本発明のメチルセルロース等のアルキルセルロースはヒドロキシアルキル基を含有していないため、ヒドロキシアルキルアルキルセルロースよりも溶解温度が低い。このため、錠剤の崩壊時間を測定する体温相当の37℃の試験液中でアルキルセルロースが溶解せず、粘度が発現しなかったため、崩壊時間を遅延させなかったと推測される。
次に、アルキルセルロースを少なくとも含有する固形製剤に関して説明する。
アルキルセルロースは高い成形性を有するため、乾式直接打錠法又は乾式造粒打錠法で錠剤を製造する場合、低添加量で錠剤硬度を高めることが可能となる。低添加量とは、錠剤の質量、形状、薬物の種類等によって異なるが、固形製剤中のアルキルセルロースの含有量が好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。添加量が20質量%を超えると、錠剤硬度が高くなる一方で、崩壊時間が劣る場合がある。添加量の下限については、錠剤の質量、形状、薬物の種類等によって異なるが、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。添加量が0.1質量%未満では所望の成形性を確保できない場合がある。
次に、アルキルセルロースの製造方法について説明する。
通常の方法でアルカリ金属水酸化物溶液とパルプを接触させることによりアルカリセルロースを得る。パルプは、シート状又はチップ状であってもよいが、好ましくは粉砕機で粉砕された粉末である。アルカリ金属水酸化物溶液と接触させる工程は、内部撹拌構造を有する反応機内で行うことが好ましい。
得られたアルカリセルロースは、通常の方法でエーテル化剤と反応させて、第1(高重合度、解重合前)アルキルセルロースを得る。
第1アルキルセルロースを製造するのに有用なエーテル化剤は公知であり、特に制限はされないが、例えば塩化メチル等のアルキル化剤が挙げられる。
エーテル化反応後の第1アルキルセルロースは、必要に応じて、通常の方法で精製、乾燥してもよい。
精製方法及び精製に用いる装置は、特に制限されることはないが、コスト面を考慮した場合、好ましくは水、より好ましくは熱水(好ましくは85〜100℃)を用いて洗浄する方法や洗浄装置が好ましい。
乾燥方法及び乾燥に用いる装置は、特に制限されることはないが、乾燥時の第1アルキルセルロース温度は40〜80℃であることが好ましい。
必要に応じて行われる精製及び乾燥工程後に得られる第1アルキルセルロースの20℃における2質量%水溶液の粘度は、特に制限されないが、好ましくは20mPa・sを超え、より好ましくは50〜100000mPa・s、更に好ましくは、100〜10000mPa・sである。第1アルキルセルロースの20℃における2質量%水溶液の粘度は、粘度が600mPa・s以上の場合は、第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の粘度測定法の回転粘度計法に従い単一円筒型回転粘度計を用いて測定することができ、粘度が600mPa・s未満の場合は、第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の粘度測定法の毛細管粘度計法に従い、ウベローデ型粘度計を用いて測定することができる。
第1アルキルセルロースは、必要に応じて精製及び乾燥させた後、最終的に得られるアルキルセルロースの比表面積を満たすために、平均粒子径が好ましくは1〜200μm、より好ましくは10〜200μm、更に好ましくは10〜120μmとなるように粉砕される。必要に応じて粉砕後に所定の目開きを有する篩等を用いて分級することで、比表面積を調節しても構わない。
粉砕方法や粉砕に用いられる装置は、特に制限されないが、高い比表面積を得るためには、例えばターボミル(ターボ工業社製)、PPSR(パルマン社製)、ビクトリーミル(ホソカワミクロン社製)、ジェットミル(日本ニューマチック社製)、ACMパルベライザ(ホソカワミクロン社製)、ミクロンジェット(ホソカワミクロン社製)といった衝撃粉砕機、振動ミル、ボールミル、ローラーミル、ビーズミルといった圧密粉砕機が好ましい。
次に、第1アルキルセルロースを解重合して、第2(低重合度、解重合後)アルキルセルロースを得る。解重合による重合度低下により、更なる成形性の向上が期待できる。解重合の方法は、酸触媒を用いた加水分解による解重合、もしくは酸化剤を用いた酸化分解による解重合があるが、好ましくは、酸触媒を用いた加水分解による解重合である。
また、酸触媒を用いた加水分解による解重合に使用される酸として、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、及びリン酸等の無機酸が挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。
酸の系内への添加は、ガス状態での添加もしくは溶液状態での添加があるが、好ましくは溶液状態での添加である。添加する酸の質量は、アルキルセルロースの質量を基準として0.1〜3.0質量%、好ましくは0.15〜1.5質量%である。
解重合時の内温は、特に制限されないが、好ましくは50〜130℃、より好ましくは60〜110℃、更に好ましくは、60〜90℃である。解重合時間は、解重合前の第1アルキルセルロース及び解重合後の第2アルキルセルロースの20℃における2質量%水溶液の粘度及び解重合操作条件から設定することが好ましい。
このようにして得られた解重合後の第2アルキルセルロースの2質量%水溶液の粘度は、1〜15mPa・sである。
得られた第2アルキルセルロースの比表面積が本発明の範囲外である場合は、第2アルキルセルロースを更に粉砕することにより、本発明の比表面積を有するアルキルセルロースとすることができる。また、粉砕後に所定の目開きを有する篩等を用いて分級することで、比表面積を調節しても構わない。粉砕方法や粉砕に用いられる装置は、特に制限されず、上述した装置等を用いることが出来る。分級に用いる篩としては、特に制限されないが、JISの200メッシュ(目開き75μm)、235メッシュ(目開き63μm)、330メッシュ(目開き45μm)、390メッシュ(目開き38μm)等が好ましい。
次に、得られた打錠用アルキルセルロースを少なくとも含有する固形製剤の製造方法に関して説明する。
固形製剤は、得られた打錠用アルキルセルロースを、薬物、賦形剤、崩壊剤、結合剤、凝集防止剤、医薬化合物の溶解補助剤等、通常この分野で常用され得る種々の添加剤と共に打錠もしくは造粒等することによって得られる。固形製剤としては、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等が挙げられる。また、近年盛んに検討されている口腔内崩壊錠にも適応可能である。
このうち、錠剤の製造方法は、乾式直接打錠法、乾式造粒打錠法、湿式撹拌造粒打錠法、流動層造粒打錠法等何れの製造方法によっても得ることができる。この中でも、アルキルセルロースを溶解せずに使用する、乾式直接打錠法及び乾式造粒打錠法が特に好ましい。
乾式直接打錠法は、乾式混合により得られる、打錠用アルキルセルロース及び薬物の他、必要に応じて賦形剤、崩壊剤及び/又は滑択剤等を含む混合物を打錠する方法であり、造粒工程がないため製造工程が簡略化でき、生産性の高い方法である。
一方、乾式造粒打錠法は、圧縮造粒により得られる、打錠用アルキルセルロース及び薬物の他、必要に応じて賦形剤、崩壊剤及び/又は滑択剤等を含む造粒物を打錠する方法であり、水や溶剤に対して敏感な薬物について有効な方法である。なお、圧縮造粒物は、例えばローラーコンパクター等の圧密造粒機等を用いてローラー圧縮することにより製造することができる。ロール圧力は粉体物性等により異なるが、好ましくは1〜30MPa、より好ましくは2〜12MPaであり、ロール回転数は好ましくは1〜50rpm、より好ましくは2〜20rpmである。スクリュー回転数は好ましくは1〜100rpm、より好ましくは2〜50rpmである。ローラー圧縮により得られたフレークをコーミル、クイックミル、パワーミル等の粉砕機や解砕機で所定の粒度へ粉砕・整粒することで打錠用顆粒とすることができる。
打錠用アルキルセルロースは、近年盛んに検討されている口腔内崩壊錠にも適応可能である。
本発明のアルキルセルロースを用いて固形製剤を製造する際に用いられる薬物は、経口投与可能な薬物であれば特に限定されるものではない。かかる薬物としては、例えば、中枢神経系薬物、循環器系薬物、呼吸器系薬物、消化器系薬物、抗生物質、鎮咳・去たん剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛消炎剤、利尿剤、自律神経作用薬、抗マラリア剤、止潟剤、向精神剤、ビタミン類及びその誘導体等が挙げられる。
中枢神経系薬物としては、例えば、ジアゼパム、イデベノン、アスピリン、イブプロフェン、パラセタモール、ナプロキセン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシン、スリンダック、ロラゼパム、ニトラゼパム、フェニトイン、アセトアミノフェン、エテンザミド、ケトプロフェン及びクロルジアゼポキシド等が挙げられる。
循環器系薬物としては、例えば、モルシドミン、ビンポセチン、プロプラノロール、メチルドパ、ジピリダモール、フロセミド、トリアムテレン、ニフェジピン、アテノロール、スピロノラクトン、メトプロロール、ピンドロール、カプトプリル、硝酸イソソルビド、塩酸デラプリル、塩酸メクロフェノキサート、塩酸ジルチアゼム、塩酸エチレフリン、ジギトキシン、塩酸プロプラノロール及び塩酸アルプレノロール等が挙げられる。
呼吸器系薬物としては、例えば、アムレキサノクス、デキストロメトルファン、テオフィリン、プソイドエフェドリン、サルブタモール及びグアイフェネシン等が挙げられる。
消化器系薬物としては、例えば、2−[〔3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル〕メチルスルフィニル]ベンゾイミダゾール及び5−メトキシ−2−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル〕ベンゾイミダゾール等の抗潰瘍作用を有するベンゾイミダゾール系薬物、シメチジン、ラニチジン、塩酸ピレンゼピン、パンクレアチン、ビサコジル並びに5−アミノサリチル酸等が挙げられる。
抗生物質としては、例えば、塩酸タランピシリン、塩酸バカンピシリン、セファクロル及びエリスロマイシン等が挙げられる。
鎮咳・去たん剤としては、例えば、塩酸ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸イソアミニル及びリン酸ジメモルファン等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン及び塩酸プロメタジン等が挙げられる。
解熱鎮痛消炎剤としては、例えば、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、スルピリン、アスピリン及びケトプロフェン等が挙げられる。
利尿剤としては、例えば、カフェイン等が挙げられる。
自律神経作用薬としては、例えば、リン酸ジヒドロコデイン及びdl−塩酸メチルエフェドリン、硫酸アトロピン、塩化アセチルコリン、ネオスチグミン等が挙げられる。
抗マラリア剤としては、例えば、塩酸キニーネ等が挙げられる。
止潟剤としては、例えば、塩酸ロペラミド等が挙げられる。
向精神剤としては、例えば、クロルプロマジン等が挙げられる。
ビタミン類及びその誘導体としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、フルスルチアミン、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、パントテン酸カルシウム及びトラネキサム酸等が挙げられる。
賦形剤としては、白糖、乳糖、グルコース等の糖類、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール等の糖アルコール類、でんぷん、結晶セルロース、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
結合剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドン、グルコース、白糖、乳糖、麦芽糖、デキストリン、ソルビトール、マンニトール、マクロゴール類、アラビアゴム、ゼラチン、寒天、でんぷん、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
崩壊剤としては、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース又はその塩、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスポビドン、結晶セルロース及び結晶セルロース・カルメロースナトリウム等が挙げられる。
滑択剤、凝集防止剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、コロイダルシリカ、ステアリン酸、ワックス類、硬化油、ポリエチレングリコール類、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
医薬化合物の溶解補助剤としては、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、アジピン酸等の有機酸等が挙げられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
実施例1
粉末状のパルプの内、セルロース分で6.0kgを内部撹拌式耐圧反応機に仕込み、真空窒素置換後、49質量%水酸化ナトリウム水溶液14.1kgを加えて撹拌し、アルカリセルロースを得た。続いて、塩化メチル11.9kgを加えて反応させメチルセルロース反応品を得た後、洗浄、乾燥、目開き0.3mmのスクリーンを有する高速回転型衝撃粉砕機ビクトリーミルを用いて粉砕した後、目開き150μmの篩にて篩過して第1メチルセルロース(高重合度、解重合前)を得た。この第1メチルセルロースのメトキシ基の置換度は29質量%であった。
得られた第1メチルセルロース(高重合度、解重合前)に、10質量%塩酸水溶液をメチルセルロースに対し塩酸成分が0.3質量%となるように添加し、内温80℃となるように温調し、70分間解重合を行い、目的の第2メチルセルロース(低重合度、解重合後)を得た。この粉体の比表面積、20℃における2質量%水溶液の粘度、平均粒子径、ゆるめ嵩密度を表1に示す。
次に、得られた第2メチルセルロースを33%RHのデシケーター内にて含水率を2.5〜3.5%に調節した後、単発打錠機(タブレッティングテスター、三協パイオテク社製)にて、直径11.3mmで、接触面が平面である平杵を用いて、錠剤質量480mg、圧縮圧50MPaで圧縮成形打錠し錠剤を得た。製造した錠剤の錠剤硬度を表1に示す。なお、錠剤の硬度が高いために測定不能な後述のサンプルと同じ条件で錠剤硬度を測定する必要が生じたため、含水率を調節後のメチルセルロースの打錠圧を下げて再度錠剤を得た。具体的には、卓上錠剤成形機HANDTAB(HANDTAB−200、市橋精機社製)にて、直径12mmφで、接触面が平面である平杵を用いて、錠剤重量450mg、圧縮圧30MPaで圧縮成型打錠し、錠剤を得た。製造した錠剤の錠剤硬度を表1に示す。
また、含水率は、JISP8203:1998パルプ−絶乾率の試験方法により求められた絶乾率より、下記の式によって計算される値である。
含水率(%)=100−絶乾率(%)
上式中、絶乾率(drymattercontent)は、試料を105±2℃で乾燥し、恒量に達したときの質量と乾燥前の質量の比率であり、%で表示する。
<測定条件>
BET法(BET多点法)による比表面積は、第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の比表面積測定法の第2法:容量法に準じて、自動比表面積/細孔分布測定装置 TriStarII3020(micromeritics社製)を用いて、ガス吸着法(吸着ガス:窒素、冷媒:液体窒素)にて、相対圧(P/P)(式中、Pは飽和蒸気圧を表し、Pは測定平衡圧を示す。)が0.05〜0.30の範囲にて測定した。なお、測定試料は105℃で2時間放置し、絶乾したものを用いて、サンプル量はゆるめの嵩密度に応じて0.5〜2g程度にて測定した。
20℃における2質量%水溶液の粘度は、粘度が600mPa・s以上の場合は第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の粘度測定法の回転粘度計法に従い単一円筒型回転粘度計を用いて測定した。粘度が600mPa・s未満の場合は第16改正日本薬局方に記載の一般試験法の粘度測定法の毛細管粘度計法に従い、ウベローデ型粘度計を用いて測定した。
平均粒子径は、マスターサイザー3000(Malvern社製)を用いて、レーザー回折法(解析:Fraunhofer近似)にて、分散圧2〜3bar、散乱強度2〜10%の条件で測定した。
ゆるめ嵩密度は、パウダーテスターPT−S(ホソカワミクロン社製)を用いて直径5.03cm、高さ5.03cm(容積100ml)の円筒容器(材質:ステンレス)へ試料をJISの22メッシュ(目開き710μm)の篩を通して、上方(23cm)から均一に供給し、上面をすり切って秤量することによって測定した。
錠剤硬度は、錠剤硬度計(TBH−125、ERWEKA社製)を用いて、錠剤の直径方向に1mm/秒の速度で荷重をかけ、錠剤が破断したときの最大破断強度を測定した。
実施例2
実施例1で得られた第2メチルセルロースを目開き0.3mmのスクリーンを有する高速回転型衝撃粉砕機ビクトリーミルを用いて粉砕し、目的の第2メチルセルロースを得た。この粉体の粉体物性および実施例1と同様に単発打錠機及び卓上錠剤成形機にて得られた錠剤の錠剤硬度を表1に示す。
実施例3
実施例2で得られた第2メチルセルロースを目開き38μmの篩にて篩過して目的の第2メチルセルロースを得た。この粉体の粉体物性および実施例1と同様に単発打錠機及び卓上錠剤成形機にて得られた錠剤の錠剤硬度を表1に示す。
実施例4
実施例1で得られた第2メチルセルロースを気流式衝撃粉砕機ジェットミル(日本ニューマッチク社製)を用いて、粉砕圧0.35MPa、分級ゾーンのクリアランス20mm、ルーバーサイズ:大の条件にて粉砕し、目的の第2メチルセルロースを得た。この粉体の粉体物性及び実施例1と同様に単発打錠機及び卓上錠剤成形機にて得られた錠剤の錠剤硬度を表1に示す。
実施例5
実施例1で得られた第1メチルセルロース(高重合度、解重合前)を解重合する時間を30分間に変更した以外は、実施例1と同様にして目的の第2メチルセルロースを得た。この粉体の粉体物性および実施例1と同様に単発打錠機及び卓上錠剤成形機にて得られた錠剤の錠剤硬度を表1に示す。
実施例6
実施例1で得られた第1メチルセルロース(高重合度、解重合前)を解重合する時間を190分間に変更した以外は、実施例1と同様にして目的の第2メチルセルロースを得た。この粉体の粉体物性および実施例1と同様に単発打錠機及び卓上錠剤成形機にて得られた錠剤の錠剤硬度を表1に示す。
実施例7
実施例4における気流式衝撃粉砕機ジェットミルでの粉砕条件において、粉砕圧0.45MPa、分級ゾーンのクリアランス35mmの条件にて粉砕する以外は、実施例4と同様にして、目的の粉砕後の第2メチルセルロースを得た。この粉体の粉体物性および実施例1と同様に単発打錠機及び卓上錠剤成形機にて得られた錠剤の錠剤硬度を表1に示す。なお、単発打錠機にて作製した錠剤は硬度が高すぎた為、錠剤硬度計の測定限界(500N)を上回ってしまい、測定不可であった。
実施例8
実施例4における気流式衝撃粉砕機ジェットミルでの粉砕条件において粉砕圧0.5MPa、分級ゾーンのクリアランス35mm、ルーバーサイズ:小の条件にて粉砕する以外は、実施例4と同様にして、目的の第2メチルセルロースを得た。この粉体の粉体物性および実施例1と同様に単発打錠機及び卓上錠剤成形機にて得られた錠剤の錠剤硬度を表1に示す。なお、単発打錠機にて作製した錠剤は硬度が高すぎた為、錠剤硬度計の測定限界(500N)を上回ってしまい、測定不可であった。
比較例1
実施例1と同様にしてメチルセルロース反応品を得た後、洗浄、乾燥、目開き0.5mmのスクリーンを有する高速回転型衝撃粉砕機ビクトリーミルを用いて粉砕した後、355μmの篩にて篩過して第1メチルセルロース(高重合度、解重合前)を得た。得られた第1メチルセルロース(高重合度、解重合前)を実施例1と同様にして解重合を行い第2メチルセルロース(低重合度、解重合後)を得た。この粉体の粉体物性および実施例1と同様に単発打錠機及び卓上錠剤成形機にて得られた錠剤の錠剤硬度を表1に示す。
Figure 2016084469
表1から明らかなように、実施例1〜8で得られたメチルセルロースは高い成形性を示したのに対して、比較例1に示すメチルセルロースは成形性に劣るものであった。また、驚くべきことに、同程度の比表面積(実施例1、5、6)であっても、メチルセルロースの粘度が低くなるにつれて成形性が向上した。
実施例9
実施例3で得られたメチルセルロースを用いて、下記の錠剤組成のうちステアリン酸マグネシウムを除く成分をポリ袋中で3分間混合し、ついでステアリン酸マグネシウムを加え30秒間混合したものを下記の打錠条件で打錠し、乾式直接打錠法により錠剤を製造した。製造した錠剤の錠剤硬度、日本薬局方崩壊試験における崩壊時間(試験液:水)を評価した結果を表2に示す。
錠剤組成
アセトアミノフェン微粉タイプ(山本化学工業社製) 50.0質量部
乳糖水和物(ダイラクトーズS、フロイント産業社製) 44.5質量部
メチルセルロース 5.0質量部
軽質無水ケイ酸 0.5質量部
ステアリン酸マグネシウム 0.5質量部
打錠条件
打錠機 ロータリー打錠機(VIRGO、菊水製作所社製)
錠剤サイズ 200mg/錠、8mm−D、12mm−R
打錠圧 10kN
打錠速度 20rpm
実施例10
メチルセルロースとして実施例4で得られたメチルセルロースを用いる以外は、実施例9と同様の方法で乾式直接打錠法にて錠剤を作製した。製造した錠剤の錠剤硬度、日本薬局方崩壊試験における崩壊時間(試験液:水)を評価した結果を表2に示す。
比較例2
メチルセルロースとして比較例1で得られたメチルセルロースを用いる以外は、実施例9と同様の方法で乾式直接打錠法にて錠剤を作製した。製造した錠剤の錠剤硬度、日本薬局方崩壊試験における崩壊時間(試験液:水)を評価した結果を表2に示す。
Figure 2016084469
表2から明らかなように、実施例9及び実施例10は、比較例2と比較して乾式直接打錠法により錠剤を作製した際に錠剤硬度が高い製剤であった。一方で、崩壊時間に大幅な遅延は見られなかった。
実施例11
実施例3で得られたメチルセルロースを用いて、下記組成の粉体をローラーコンパクターMINI(フロイント社製)を用い、ロール圧6MPa、ロール回転数4rpm、スクリュー回転数5rpmで乾式造粒を行った。
造粒末組成
アセトアミノフェン微粉タイプ(山本化学工業社製) 10.0質量部
乳糖水和物(Pharmatose200M、DFEPharma) 79.0質量部
メチルセルロース 10.0質量部
軽質無水ケイ酸 0.5質量部
ステアリン酸マグネシウム 0.5質量部
得られた造粒物に対して更に0.5質量部のステアリン酸マグネシウムを加え30秒間混合したものを下記の打錠条件で打錠し、錠剤を製造した。製造した錠剤の錠剤硬度を評価した結果を表3に示す。
打錠条件
打錠機 ロータリー打錠機(VIRGO、菊水製作所社製)
錠剤サイズ 200mg/錠、8mm−D、12mm−R
打錠圧 10kN
打錠速度 20rpm
実施例12
メチルセルロースとして実施例4で得られたメチルセルロースを用いる以外は実施例11と同様の方法で乾式造粒した後、造粒末を打錠して錠剤を作製した。製造した錠剤の錠剤硬度を評価した結果を表3に示す。
比較例3
メチルセルロースとして比較例1で得られたメチルセルロースを用いる以外は実施例11と同様の方法で乾式造粒した後、造粒末を打錠して錠剤を作製した。製造した錠剤の錠剤硬度を評価した結果を表3に示す。
Figure 2016084469
表3から明らかなように、実施例11及び実施例12は、比較例3と比較して乾式造粒打錠法により錠剤を作製した際に錠剤硬度が高い製剤であった。

Claims (8)

  1. BET法で測定した比表面積が0.5〜10.0m/gである打錠用アルキルセルロース。
  2. 20℃における2質量%水溶液の粘度が、1〜15mPa・sである請求項1に記載の打錠用アルキルセルロース。
  3. 平均粒子径が、1〜120μmである請求項1又は請求項2に記載の打錠用アルキルセルロース。
  4. ゆるめ嵩密度が、0.01〜0.50g/mLである請求項1〜3のいずれか1項に記載の打錠用アルキルセルロース。
  5. メチルセルロースである請求項1〜4のいずれか1項に記載の打錠用アルキルセルロース。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の打錠用アルキルセルロースを少なくとも含む固形製剤。
  7. パルプをアルカリ金属水酸化物溶液と接触させてアルカリセルロースを得る工程と、
    前記アルカリセルロースをエーテル化剤と反応させて第1アルキルセルロースを得る工程と、
    前記第1アルキルセルロースを粉砕する工程と、
    粉砕された第1アルキルセルロースを、酸触媒を用いた加水分解又は酸化剤を用いた酸化分解によって解重合して第2アルキルセルロースを得る工程と
    を少なくとも含み、BET法で測定した比表面積が0.5〜10.0m/gである打錠用アルキルセルロースの製造方法。
  8. 請求項7に記載の打錠用アルキルセルロースの製造方法の各工程と、
    得られた打錠用アルキルセルロースと薬物を少なくとも含む混合物又は造粒物を、乾式直接打錠法又は乾式造粒打錠法を用いて打錠する工程と
    を少なくとも含む固形製剤の製造方法。
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