JP2016084466A - 粉体塗料組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性に優れる粉体塗料組成物及び塗膜形成方法を提供すること。【解決手段】カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)及びノイブルグ珪土(C)を含有する粉体塗料組成物であって、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、ノイブルグ珪土(C)を1〜50質量部の割合で含有する、粉体塗料組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性に優れる粉体塗料組成物及び塗膜形成方法に関する。
粉体塗料は、有機溶剤型塗料に比べて焼付け温度が高温であるため多量のエネルギーを必要とし、焼付け時に排出される二酸化炭素量が多くなることから環境に影響を及ぼすことがあった。
この問題を解決するため、焼付け温度を低下させることを目的として、ポリエステル樹脂とβ−ヒドロキシアルキルアミド硬化系の粉体塗料(以下、PE/HAA系の粉体塗料と略称される場合がある)が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、β−ヒドロキシアルキルアミド、炭酸カルシウム及びトリポリリン酸二水素アルミニウムを含有する粉体塗料組成物が開示されている。
他に、特許文献2には、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、β−ヒドロキシアルキルアミド及び炭酸ストロンチウムで変性されたアルミニウムリン酸塩を含有する粉体塗料組成物が開示されている。
他に、特許文献2には、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、β−ヒドロキシアルキルアミド及び炭酸ストロンチウムで変性されたアルミニウムリン酸塩を含有する粉体塗料組成物が開示されている。
しかし、PE/HAA系の粉体塗料を塗装して焼付けた塗膜は、ネジ部を有する部品を塗装する場合においてネジ締結性が不十分であり、例えば、PE/HAA系の粉体塗膜を有する金属部品を装着した自動車車体が長期間に渡って走行した場合、上記金属部品を締結したネジがゆるむ問題点があった。
発明が解決しようとする課題は、仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性の全てを満足する粉体塗料組成物を見出し、上記塗膜性能に優れる塗装物品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)及びノイブルグ珪土(C)を含有する粉体塗料組成物によって、課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の態様に関する。
1.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)及びノイブルグ珪土(C)を含有する粉体塗料組成物であって、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、ノイブルグ珪土(C)を1〜50質量部含有する粉体塗料組成物、
2.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、防錆成分(D)を0.1〜20質量部含有する1項に記載の粉体塗料組成物、
3.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、フェノール樹脂(E)を0.1〜10質量部含有する1項又は2項に記載の粉体塗料組成物、
4.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、シランカップリング剤(F)を0.1〜10質量部含有する1〜3項のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物、
5.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、ネフェリンサイナイトを1〜50質量部含有する1〜4項のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物、
6.金属基材上に、化成処理皮膜を形成した後、該化成処理皮膜上に、上記1〜5項のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化皮膜を形成する塗膜形成方法、
1.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)及びノイブルグ珪土(C)を含有する粉体塗料組成物であって、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、ノイブルグ珪土(C)を1〜50質量部含有する粉体塗料組成物、
2.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、防錆成分(D)を0.1〜20質量部含有する1項に記載の粉体塗料組成物、
3.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、フェノール樹脂(E)を0.1〜10質量部含有する1項又は2項に記載の粉体塗料組成物、
4.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、シランカップリング剤(F)を0.1〜10質量部含有する1〜3項のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物、
5.カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、ネフェリンサイナイトを1〜50質量部含有する1〜4項のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物、
6.金属基材上に、化成処理皮膜を形成した後、該化成処理皮膜上に、上記1〜5項のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化皮膜を形成する塗膜形成方法、
本発明の粉体塗料組成物は、仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性の全てに優れる塗装物品を得ることができる。
本発明は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、ノイブルグ珪土(C)を1〜50質量部含有する粉体塗料組成物に関する。
本発明は、金属基材上に、化成処理皮膜を形成した後、該化成処理皮膜上に、上記粉体塗料組成物を塗装して硬化皮膜を形成する塗膜形成方法に関する。以下、詳細に説明する。
[粉体塗料組成物]
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)
本発明の粉体塗料組成物におけるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、通常、多塩基酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
上記多塩基酸成分(a1)は、例えば、脂環族多塩基酸、脂肪族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を使用することができる。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)
本発明の粉体塗料組成物におけるカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、通常、多塩基酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)とのエステル化反応又はエステル交換反応によって製造することができる。
上記多塩基酸成分(a1)は、例えば、脂環族多塩基酸、脂肪族多塩基酸、芳香族多塩基酸等を使用することができる。
脂環族多塩基酸は、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個以上のカルボキシル基を有する化合物、該化合物の酸無水物及び該化合物のエステル化物である。該脂環族多塩基酸としては、例えば、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族多価カルボン酸;これら脂環族多価カルボン酸の無水物;これら脂環族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂環族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上を組合せて使用することができる。
脂環族多塩基酸としては、特に、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を好適に使用することができる。上記のうち、耐加水分解性の観点から、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物を特に好適に使用することができる。
脂肪族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する脂肪族化合物、該脂肪族化合物の酸無水物及び該脂肪族化合物のエステル化物であって、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸、クエン酸等の脂肪族多価カルボン酸;これら脂肪族多価カルボン酸の無水物;これら脂肪族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。脂肪族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族多塩基酸としては、炭素数4〜18のアルキル鎖を有するジカルボン酸を使用することが好ましい。上記炭素数4〜18のアルキル鎖を有するジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、オクタデカン二酸等が挙げられ、なかでもアジピン酸を好適に使用することができる。
芳香族多塩基酸は、一般に、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する芳香族化合物、該芳香族化合物の酸無水物及び該芳香族化合物の低級アルキルエステル化物であって、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸;これら芳香族多価カルボン酸の無水物;これら芳香族多価カルボン酸の低級アルキルエステル化物等が挙げられる。芳香族多塩基酸は、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
アルコール成分(a2)としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。上記多価アルコールとしては、例えば、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオール及び3価以上の多価アルコール等を挙げることができる。
脂環族ジオールは、一般に、1分子中に1個以上の脂環式構造(主として4〜6員環)と2個の水酸基を有する化合物である。該脂環族ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加したポリラクトンジオール等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
脂肪族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する脂肪族化合物である。該脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール化合物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
芳香族ジオールは、一般に、1分子中に2個の水酸基を有する芳香族化合物である。該芳香族ジオールとしては、例えば、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらは単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート等が挙げることができる。これらのうち、特に、トリメチロールプロパンが好ましい。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物;トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレート等のトリス(ヒドロキシアルキル)イソシアヌレート等が挙げることができる。これらのうち、特に、トリメチロールプロパンが好ましい。
また、上記多価アルコール以外のアルコール成分(a2)の一部を置き換えることができる化合物として、カルボキシル基と反応して2級水酸基を生成する化合物が使用でき、例えば、エポキシ当量が100〜500、さらに好ましくはエポキシ当量が110〜300のエポキシ化合物が挙げられる。
上記エポキシ化合物の市販品としては、デナコールEX−141、デナコールEX−145、デナコールEX−146、デナコールEX−171、デナコールEX−201、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−214、デナコールEX−321(以上、ナガセケムテックス株式会社)、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜8のアルキレンオキシド、1,2−エポキシシクロヘキサン、グリシドール、メチルグリシデート(共栄社化学社製)及びカージュラE10(HEXION Specialty Chemicals社製)などが挙げられる。
上記エポキシ化合物の市販品としては、デナコールEX−141、デナコールEX−145、デナコールEX−146、デナコールEX−171、デナコールEX−201、デナコールEX−211、デナコールEX−212、デナコールEX−214、デナコールEX−321(以上、ナガセケムテックス株式会社)、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜8のアルキレンオキシド、1,2−エポキシシクロヘキサン、グリシドール、メチルグリシデート(共栄社化学社製)及びカージュラE10(HEXION Specialty Chemicals社製)などが挙げられる。
また、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等のモノアルコールなども必要に応じて使用できる。
本発明に使用するカルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)の製造は、特に限定されるものではなく、通常の方法に従って行なうことができる。例えば、前記多塩基酸成分を必須成分とする酸成分とアルコール成分とを窒素気流中、150〜250℃で5〜10時間反応させて、エステル化反応又はエステル交換反応を行なうことにより製造することができる。上記エステル化反応又はエステル交換反応では、上記酸成分及びアルコール成分を一度に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。
カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量は、得られる塗膜の塗膜硬度及びネジ締結性の観点から、2,000〜200,000、好ましくは5,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜50,000の範囲内の重量平均分子量を有することが好適である。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(東ソー社製、商品名)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(以上、東ソー社製、商品名)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
なお、本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した重量平均分子量を、標準ポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。具体的には、ゲルパーミュエーションクロマトグラフとして、「HLC8120GPC」(東ソー社製、商品名)を使用し、カラムとして、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」及び「TSKgel G−2000HXL」(以上、東ソー社製、商品名)の4本を使用し、移動相テトラヒドロフラン、測定温度40℃、流速1mL/min及び検出器RIの条件下で測定することができる。
また、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)の酸価は、6〜100mgKOH/g、好ましくは10〜60mgKOH/g、水酸基価は0〜60mgKOH/g、好ましくは0〜20mgKOH/gであることが、防食性、塗膜硬度の観点から好適である。上記カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)は、単独でもしくは2種以上組合せて使用することができる。
β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)
β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)に含まれるカルボキシル基と反応しうる官能基を持つ化合物であり、下記一般式(1)で表される。
β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)に含まれるカルボキシル基と反応しうる官能基を持つ化合物であり、下記一般式(1)で表される。
(式(1)中、R4は同一又は相異なってもよい、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、R5は同一又は相異なってもよい、水素原子、炭素原子数1〜5のアルキル基又はHOCH(R4)CH2−、Aは2価の炭化水素基を表す)
上記β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)としては、例えば、PRIMID XL−552(エムスケミー・ジャパン株式会社製、商品名、市販品);N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)アジポアミド)等を挙げることができる。
なお、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)の配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)を85〜99質量部、好ましくは90〜98質量部、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)を1〜15質量部、好ましくは2〜10質量部の範囲内であることが、塗膜硬度及びネジ締結性に優れた塗膜を得ることができる点から好適である。
なお、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)の配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)の固形分合計100質量部に対して、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)を85〜99質量部、好ましくは90〜98質量部、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)を1〜15質量部、好ましくは2〜10質量部の範囲内であることが、塗膜硬度及びネジ締結性に優れた塗膜を得ることができる点から好適である。
ノイブルグ珪土(C)
本発明の粉体塗料組成物に使用するノイブルグ珪土(C)は、ドイツのババリヤ地方で産出する六角板状粒子のカオリナイトと球状石英粒子からなる天然鉱物である。ノイブルグ珪土(C)の平均粒子径は1〜10μm、好ましくは2〜8μmの範囲である。
なお、本発明における平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定された体積基準粒度分布のメジアン径(d50)であって、例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置「MT3300」(日機装社製、商品名)を用いて測定することができる。
本発明の粉体塗料組成物に使用するノイブルグ珪土(C)は、ドイツのババリヤ地方で産出する六角板状粒子のカオリナイトと球状石英粒子からなる天然鉱物である。ノイブルグ珪土(C)の平均粒子径は1〜10μm、好ましくは2〜8μmの範囲である。
なお、本発明における平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定された体積基準粒度分布のメジアン径(d50)であって、例えば、マイクロトラック粒度分布測定装置「MT3300」(日機装社製、商品名)を用いて測定することができる。
このようなノイブルグ珪土(C)の市販品としては、例えば、シリチンV85、シリチンZ86、シリチンV88、シルフィットZ91、シリコロイドP87、アクティジルVM56、アクティジルMAM、アクティジルMAM−R、アクティジルEM、アクティジルAM、アクティジルMM、アクティジルPF 777(1)(以上、ホフマン・ミネラル社製、商品名)が挙げられる。
本発明の粉体塗料組成物におけるノイブルグ珪土(C)の配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは10〜48質量部、さらに好ましくは20〜45質量部であることが、仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性向上の為に望ましい。
本発明の粉体塗料組成物におけるノイブルグ珪土(C)の配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは10〜48質量部、さらに好ましくは20〜45質量部であることが、仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性向上の為に望ましい。
防錆顔料(D)
本発明の粉体塗料組成物には、防食性の向上を目的として、必要に応じて、防錆顔料(D)を含有することができる。このような防錆顔料(D)の市販品は、例えば、リン酸カルシウム系のLFボウセイ CP−Z、リン酸マグネシウム系のLFボウセイ MZP−500、リン酸アルミニウム系のLFボウセイ CRFC−1(以上、キクチカラー社製、商品名)等が挙げられる。
本発明の粉体塗料組成物には、防食性の向上を目的として、必要に応じて、防錆顔料(D)を含有することができる。このような防錆顔料(D)の市販品は、例えば、リン酸カルシウム系のLFボウセイ CP−Z、リン酸マグネシウム系のLFボウセイ MZP−500、リン酸アルミニウム系のLFボウセイ CRFC−1(以上、キクチカラー社製、商品名)等が挙げられる。
上記、防錆顔料(D)の中でも、リン酸塩化合物の表面を金属化合物で処理したトリポリリン酸2水素アルミニウムが好ましく用いられる。上記金属化合物としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、コバルト、スズ、ジルコニウム、チタニウム、ストロンチウム、銅、鉄、リチウム、アルミニウム、ニッケル、及びナトリウムの塩化物、水酸化物、炭酸化物、硫酸物等が挙げられる。
金属化合物で処理されたトリポリリン酸2水素アルミニウムの市販品としては、K−WHITE Ca650、K−WHITE450H、K−WHITE G−105、K−WHITE K−105、K−WHITE K−82(以上、テイカ社製、商品名)等が挙げられる。
金属化合物で処理されたトリポリリン酸2水素アルミニウムの市販品としては、K−WHITE Ca650、K−WHITE450H、K−WHITE G−105、K−WHITE K−105、K−WHITE K−82(以上、テイカ社製、商品名)等が挙げられる。
また、本発明の粉体塗料組成物には、必要に応じて、従来から公知の防錆顔料、例えば、亜リン酸亜鉛系の防錆顔料やモリブテン酸塩系の防錆顔料を配合することができる。
上記、亜リン酸亜鉛系の防錆顔料における亜リン酸カルシウム系としては、EXPERT NP−1000、EXPERT NP−1020C、亜リン酸亜鉛系の防錆顔料における亜リン酸アルミニウム系としては、EXPERT NP−1100、EXPERT NP−1102(以上、東邦顔料製、商品名)等が挙げられる。
上記、モリブテン酸塩系の防錆顔料におけるモリブテン酸亜鉛系としては、LFボウセイ M−PSN、モリブテン酸カルシウム系としては、LFボウセイ MC−400WR、モリブテン酸アルミニウム系のLFボウセイ PM−300、PM−308(以上、キクチカラー社製、商品名)等が挙げられる。
上記、亜リン酸亜鉛系の防錆顔料における亜リン酸カルシウム系としては、EXPERT NP−1000、EXPERT NP−1020C、亜リン酸亜鉛系の防錆顔料における亜リン酸アルミニウム系としては、EXPERT NP−1100、EXPERT NP−1102(以上、東邦顔料製、商品名)等が挙げられる。
上記、モリブテン酸塩系の防錆顔料におけるモリブテン酸亜鉛系としては、LFボウセイ M−PSN、モリブテン酸カルシウム系としては、LFボウセイ MC−400WR、モリブテン酸アルミニウム系のLFボウセイ PM−300、PM−308(以上、キクチカラー社製、商品名)等が挙げられる。
本発明の粉体塗料組成物において防錆顔料(D)を配合する場合、その配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)の固形分合計100質量部に対して0.1〜20質量部、好ましくは2〜15質量部であることが、仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性の面から好ましい。
フェノール樹脂(E)
本発明の粉体塗料組成物には、防食性の向上を目的として、必要に応じて、フェノール樹脂(E)を含有できる。なおフェノール樹脂(E)は、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系化合物と、ホルムアルデヒド等のアルデヒド系化合物とを酸性触媒、塩基性触媒等の存在下で縮合反応させた樹脂で、この中でも、酸性触媒で縮合したものをノボラック型フェノール樹脂、塩基性触媒で縮合させたものをレゾール型フェノール樹脂と称する。
本発明の粉体塗料組成物には、防食性の向上を目的として、必要に応じて、フェノール樹脂(E)を含有できる。なおフェノール樹脂(E)は、フェノール、クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系化合物と、ホルムアルデヒド等のアルデヒド系化合物とを酸性触媒、塩基性触媒等の存在下で縮合反応させた樹脂で、この中でも、酸性触媒で縮合したものをノボラック型フェノール樹脂、塩基性触媒で縮合させたものをレゾール型フェノール樹脂と称する。
本発明の粉体塗料組成物には、ノボラック型フェノール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂のいずれも用いることができる。また、メチロール基が導入された樹脂も含まれ、さらに導入されたメチロール基の一部又はすべてを炭素数6以下のアルコールでアルキルエーテル化したフェノール樹脂も用いることができる。これらのフェノール樹脂(E)の中でも、ノボラック型フェノール樹脂が、仕上り性、防食性の為に望ましい。
上記フェノール樹脂(E)の市販品としては、SUMILITERESIN PR−HF−3、SUMILITERESIN PR−HF−6、SUMILITERESIN PR−53194、SUMILITERESIN PR−53195、SUMILITERESIN PR−54869、SUMILITERESIN PR−16382、SUMILITERESIN PR−51939、SUMILITERESIN PR−53153、SUMILITERESIN PR−53364、SUMILITERESIN PR−53365、SUMILITERESIN PR−50702(以上、住友ベークライト社製、商品名);PHENOLITE TD−2131、PHENOLITE TD−2106、PHENOLITE TD−2093、PHENOLITE TD−2091、PHENOLITE TD−2090、PHENOLITE VH−4150、PHENOLITE VH−4170、PHENOLITE VH−4240、PHENOLITE KH−1160、PHENOLITE KH−1163、PHENOLITE KH−1165、PHENOLITE TD-2093−60M、PHENOLITE TD−2090−60M、PHENOLITE LF−4711、PHENOLITE LF−6161、PHENOLITE LF−4871、PHENOLITE LA−7052、PHENOLITE LA−7054、PHENOLITE LA−7751、PHENOLITE LA−1356、PHENOLITE LA−3018−50P(以上、DIC社製);ショウノールBRG−555、ショウノールBRG−556、ショウノールBRG−558、ショウノールCKM−923、ショウノールCKM−983、ショウノールBKM−2620、ショウノールBRL−2854、ショウノールBRG−5590M、ショウノールCKS−3898、ショウノールCKS−3877A、ショウノールCKM−937(以上、昭和高分子社製、商品名)、マルカリンカーM−S−1、マルカリンカーM−S−2、マルカリンカーM−S−3、マルカリンカーCST(以上、丸善石油化学社製、商品名);ニカノールNP−100、ニカノールP−100、ニカノールHP−150、ニカノールPR−1440(以上、フドー社製、商品名)等が挙げられる。
なお本発明の粉体塗料組成物においてフェノール樹脂(E)を配合する場合、その配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜6質量部含有することが、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性の面から好ましい。
シランカップリング剤(F)
本発明の粉体塗料組成物には、防食性の向上を目的として、必要に応じて、シランカップリング剤(F)を含有することができる。シランカップリング剤(F)としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシ含有シランカップリング剤などが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
本発明の粉体塗料組成物には、防食性の向上を目的として、必要に応じて、シランカップリング剤(F)を含有することができる。シランカップリング剤(F)としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−(β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤;γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシキシシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シランカップリング剤;β−カルボキシルエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシ含有シランカップリング剤などが挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
なお、シランカップリング剤(F)の市販品としては、KBM−402、KBM−403、KBM−502、KBM−503、KBM−603、KBE−903、KBM−603、KBE−602、KBE−603(以上、信越シリコーン社製、商品名)などを用いることができる。
なお、本発明の粉体塗料組成物においてシランカップリング剤(F)を配合する場合、その配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部が、仕上り性、防食性に優れた塗膜を得る為に望ましい。
なお、本発明の粉体塗料組成物においてシランカップリング剤(F)を配合する場合、その配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部が、仕上り性、防食性に優れた塗膜を得る為に望ましい。
さらに、本発明の粉体塗料組成物には、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、その他の防錆顔料、表面調整剤、流動性調整剤、アクリルオリゴマー、シリコーン、ワックス、消泡剤、顔料分散剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、磁性粉、レベリング剤、ベンゾインなどのワキ防止剤、可塑剤、帯電制御剤等を含有することができる。
上記着色顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、キナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、トリフェニルメタンキノフタロン、アントラピリミジン、黄鉛、パールマイカ、透明パールマイカ、着色マイカ、干渉マイカ、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料(アゾメチン金属錯体、縮合アゾ等)、酸化鉄、銅フタロシアニン、縮合多環類顔料等を挙げることができる。
上記体質顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、含水珪酸マグネシウム(タルク)、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム(石膏)、珪藻土、マイカ(雲母粉)、ネフェリンサイナイト、シリカ等が挙げられる。上記、ネフェリンサイナイトの市販品としては、ミネックスEX(白石カルシウム社製、商品名)が挙げられる。
上記シリカの市販品としては、クリスタライトA1、クリスタライトAA、クリスタライトCMC、ヒューズレックスRD−8、ヒューズレックスE1、ヒューズレックスE2(以上、龍森株式会社、商品名)等が挙げられる。
本発明の粉体塗料組成物においてネフェリンサイナイトを配合する場合、その配合量は、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、1〜50質量部、好ましくは5〜25質量部であることが、仕上り性、塗膜硬度及びネジ締結性の面から好ましい。
上記その他の防錆顔料としては、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマス及び有機酸ビスマス等のビスマス化合物等を挙げることができる。
上記表面調整剤の市販品としては、アクロナール4F(BASF社製、商品名)、ポリフローS(共栄社化学社製、商品名)、レジフローLV、レジフローP67(以上、ESTRON CHEMICAL社製、商品名)、モダフローIII(モンサント社製、商品名)等が好適に用いられる。
上記流動性付与剤としては、疎水性シリカ、親水性シリカや酸化アルミニウム等が適用できる。市販品として、例えば、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL 300、AEROSIL R−972、AEROSIL R−812、AEROSIL R−812S、Alminium OxideC(日本アエロジル社製、商品名)、カープレックスFPS−1(DSL社製、商品名)等が挙げられる。
上記の粉体塗料組成物の製造方法としては、例えば、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)、ノイブルグ珪土(C)、必要に応じて、防錆顔料(D)、フェノール樹脂(E)、シランカップリング剤(F)、ネフェリンサイナイト及びその他の成分を配合し、ミキサー、ブレンダー等を用いてドライブレンドし、混合後、ニーダーにより原材料を80〜140℃で溶融混練し、冷却する。
次に、溶融物は、室温放置又は冷却ロールや冷却コンベヤー等で冷却して固化され、機械又は気流式の粉砕機を用いて冷却済みの溶融混練物を粉砕し、粗粉砕及び微粉砕の工程を経て所望の粒径に粉砕する。その後、振動式のふるいや気流式分級機により分級して、粉体塗料組成物を得ることができる。この方法以外にも、スプレードライ法や重合法によっても粉体塗料組成物を製造することができる。上記粉体塗料組成物の平均粒子径としては、10〜70μm、好ましくは20〜50μmの範囲が、仕上り性に優れる塗膜を得ることができる。
次に、溶融物は、室温放置又は冷却ロールや冷却コンベヤー等で冷却して固化され、機械又は気流式の粉砕機を用いて冷却済みの溶融混練物を粉砕し、粗粉砕及び微粉砕の工程を経て所望の粒径に粉砕する。その後、振動式のふるいや気流式分級機により分級して、粉体塗料組成物を得ることができる。この方法以外にも、スプレードライ法や重合法によっても粉体塗料組成物を製造することができる。上記粉体塗料組成物の平均粒子径としては、10〜70μm、好ましくは20〜50μmの範囲が、仕上り性に優れる塗膜を得ることができる。
塗膜形成方法について
本発明の粉体塗料組成物を用いた塗膜形成方法としては、金属基材上に化成処理液による皮膜を形成した後、該化成処理皮膜上に、粉体塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化皮膜を形成する方法が挙げられる。
本発明の粉体塗料組成物を用いた塗膜形成方法としては、金属基材上に化成処理液による皮膜を形成した後、該化成処理皮膜上に、粉体塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化皮膜を形成する方法が挙げられる。
上記金属基材は、例えば、亜鉛、鉄、アルミニウム、マグネシウム、鋼およびこれらの合金、亜鉛めっき鋼板などが挙げられ、これらは冷間圧延、熱間圧延、鋳型成形、研削、酸洗浄などで処理されていても差し支えない。さらに具体的には、建築材料、電気製品、事務用機器、自動車の車体、外板および部品などが挙げられる。
上記化成処理液としては、りん酸塩処理液、ジルコニウム処理液及びクロメート処理液等が挙げられる。ここで廃棄物低減や環境面からジルコニウム処理液を使用することが望ましい。
上記ジルコニウム処理液は、ジルコニウム化合物、フッ素化合物、必要に応じて、水分散性又は水溶性化合物及びその他の金属化合物を含有する水溶液又は水分散液である。
上記ジルコニウム化合物は、例えば、ジルコニウムイオン、オキシジルコニウムイオン、フルオロジルコニウムイオンなどのジルコニウム含有イオンを生じる化合物であり、例えば、オキシジルコニウムイオンを生じる化合物としては、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニルなど;フルオロジルコニウムイオンを生じる化合物としては、ジルコニウムフッ化水素酸、フッ化ジルコニウムナトリウム、フッ化ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウムリチウム、フッ化ジルコニウムアンモニウムなどが挙げられる。これらのうち、特に、硝酸ジルコニル、フッ化ジルコニウムアンモニウム、ジルコニウムフッ化水素酸などが好適である。
上記ジルコニウム化合物は、例えば、ジルコニウムイオン、オキシジルコニウムイオン、フルオロジルコニウムイオンなどのジルコニウム含有イオンを生じる化合物であり、例えば、オキシジルコニウムイオンを生じる化合物としては、硝酸ジルコニル、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニルなど;フルオロジルコニウムイオンを生じる化合物としては、ジルコニウムフッ化水素酸、フッ化ジルコニウムナトリウム、フッ化ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウムリチウム、フッ化ジルコニウムアンモニウムなどが挙げられる。これらのうち、特に、硝酸ジルコニル、フッ化ジルコニウムアンモニウム、ジルコニウムフッ化水素酸などが好適である。
上記フッ素化合物としては、例えば、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化ホウ素酸、フッ化水素アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム等のフッ化物等を挙げることができる。ジルコニウム化合物がフッ素原子を有する化合物である場合には、フッ素化合物を配合しなくてもよい。
上記水分散性又は水溶性化合物は、必要に応じて配合するものであって、例えば、分子中にアミノ基、アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基などを有し、水性媒体中でカチオン化可能なカチオン性化合物が挙げられる。また、分子中にカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などを有し、水性媒体中でアニオン化可能な基を有するアニオン性化合物が挙げられる。
上記その他の金属化合物としては、例えば、チタン、コバルト、アルミニウム、バナジウム、タングステン、モリブデン、銅、亜鉛、インジウム、ビスマス、イットリウム、鉄、ニッケル及びマンガンから選ばれる少なくとも1種の金属化合物が挙げられる。
本発明の粉体塗料組成物の塗装方法は、静電粉体塗装方法、具体的には、コロナ帯電式、摩擦帯電式等によって行うことができる。
本発明の粉体塗料組成物の焼き付けは、150〜200℃で10分間〜40分間、好ましくは160〜180℃で10〜30分間の加熱乾燥によって行うことができ、仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性に優れる塗装物品を提供できる。
また、本発明の粉体塗料組成物を塗装して170℃で20分間加熱乾燥した塗膜は、ガラス転移温度(Tg)が80〜130℃、好ましくは100〜120℃の範囲で、かつtanδ(最大値)が1.8以下、好ましくは1.0〜1.6の範囲であることが、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性に優れた塗装物品を得る点から望ましい。なお、ガラス転移温度とtanδ(最大値)の測定は、後記(注21)塗膜物性に記載の方法に基づいて行った。
本発明の粉体塗料組成物の焼き付けは、150〜200℃で10分間〜40分間、好ましくは160〜180℃で10〜30分間の加熱乾燥によって行うことができ、仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性に優れる塗装物品を提供できる。
また、本発明の粉体塗料組成物を塗装して170℃で20分間加熱乾燥した塗膜は、ガラス転移温度(Tg)が80〜130℃、好ましくは100〜120℃の範囲で、かつtanδ(最大値)が1.8以下、好ましくは1.0〜1.6の範囲であることが、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性に優れた塗装物品を得る点から望ましい。なお、ガラス転移温度とtanδ(最大値)の測定は、後記(注21)塗膜物性に記載の方法に基づいて行った。
以下、製造例、実施例及び比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各例中の「部」は質量部、「%」は質量%を示す。
製造例1 ジルコニウム系化成処理液の製造
水中に、ヘキサフルオロジルコニウム酸、硝酸アルミニウム及び硝酸カルシウムを用いて、金属元素としてジルコニウムが2000ppm、アルミニウムが100ppm、カルシウムが100ppmになるように配合し、フッ化水素酸とアンモニアを用いてpHが4となるように調整して、ジルコニウム系化成処理液を得た。
水中に、ヘキサフルオロジルコニウム酸、硝酸アルミニウム及び硝酸カルシウムを用いて、金属元素としてジルコニウムが2000ppm、アルミニウムが100ppm、カルシウムが100ppmになるように配合し、フッ化水素酸とアンモニアを用いてpHが4となるように調整して、ジルコニウム系化成処理液を得た。
実施例及び比較例
実施例1 粉体塗料組成物No.1の製造
ユピカコートGV−350(注1)を97.0部(固形分)、PRIMID XL-552(注4)3.0部(固形分)、シルフィットZ91(注6)20.0部及びカーボンブラックMA−100(注13)1.5部、ポリフローS(共栄社化学社製、商品名、表面調整剤)0.8部及びベンゾイン0.6部を、ハイスピードミキサー(深江工業株式会社製、商品名、容量2リットル)に投入し、アジテーター500rpm、チョッパー4000rpmの条件で1分間攪拌して均一に混合した。
実施例1 粉体塗料組成物No.1の製造
ユピカコートGV−350(注1)を97.0部(固形分)、PRIMID XL-552(注4)3.0部(固形分)、シルフィットZ91(注6)20.0部及びカーボンブラックMA−100(注13)1.5部、ポリフローS(共栄社化学社製、商品名、表面調整剤)0.8部及びベンゾイン0.6部を、ハイスピードミキサー(深江工業株式会社製、商品名、容量2リットル)に投入し、アジテーター500rpm、チョッパー4000rpmの条件で1分間攪拌して均一に混合した。
次に、120℃で押し出し混練機(ブスコニーダーPR46、Buss AG社製、商品名)を用いて上記混合物を溶融混練し、金属製バットに排出した。50℃以下に冷却後ハンマー式衝撃粉砕機で微粉砕し、150メッシュの金網で分級することにより、平均粒子径40μmの粉体塗料組成物No.1を作成した。
実施例2〜18 粉体塗料組成物No.2〜No.18の製造
表1の配合内容とする以外は、実施例1と同様の操作にて、粉体塗料組成物No.2〜No.18を作成した。
表1の配合内容とする以外は、実施例1と同様の操作にて、粉体塗料組成物No.2〜No.18を作成した。
比較例1〜13
表2の配合内容とする以外は、実施例1と同様の操作にて、粉体塗料No.19〜No.31を作成した。
表2の配合内容とする以外は、実施例1と同様の操作にて、粉体塗料No.19〜No.31を作成した。
試験板の作成
冷延鋼板(70mm×150mm×0.8mm)に製造例1で得たジルコニウム系化成処理液を施し、各粉体塗料組成物を静電塗装機PG−1(旭サナック社製、商品名)を使用して乾燥膜厚が50μmになるように静電粉体塗装した。次いで、170℃で20分間(被塗物表面温度・保持時間)加熱乾燥を行って、各試験板を得た。
冷延鋼板(70mm×150mm×0.8mm)に製造例1で得たジルコニウム系化成処理液を施し、各粉体塗料組成物を静電塗装機PG−1(旭サナック社製、商品名)を使用して乾燥膜厚が50μmになるように静電粉体塗装した。次いで、170℃で20分間(被塗物表面温度・保持時間)加熱乾燥を行って、各試験板を得た。
塗膜性能試験
上記試験板を用い、後記の試験条件に従って塗膜性能試験に供した。結果を表1〜2に併せて示す。
上記試験板を用い、後記の試験条件に従って塗膜性能試験に供した。結果を表1〜2に併せて示す。
(注1)ユピカコートGV−350:日本ユピカ社製、商品名、水酸基価
0mgKOH/g、酸価29mgKOH/g
(注2)ユピカコートGV−230:日本ユピカ社製、商品名、水酸基価
0mgKOH/g、酸価53mgKOH/g
(注3)ユピカコートGV−560:日本ユピカ社製、商品名、水酸基価
50mgKOH/g、酸価5mgKOH/g
(注4)PRIMID XL−552:エムス社製、商品名、β−ヒドロキシアルキルアミド(前記、式(1)においてn=4で示される)。
(注5)ベスタゴンB1530:デグサ社製、商品名、ε−カプロラクタムをブロック剤として用いたイソホロンジイソシアネート
(注6)シルフィットZ91:株式会社ホフマン・ミネラル社製、商品名、ノイブルグ珪土、吸油量60ml/100g
(注7)シリチンZ86:株式会社ホフマン・ミネラル社製、商品名、ノイブルグ珪土、吸油量55ml/100g
(注8)シリコロイドP87:株式会社ホフマン・ミネラル社製、商品名、ノイブルグ珪土、吸油量55ml/100g
(注9)ミネックスEX:白石カルシウム社製、商品名、ネフェリンサイナイト
(注10)ハイドライトPXN:ジョージアカオリン社製、商品名、含水珪酸アルミニウム、吸油量43ml/100g
(注11)K−WHITE Ca650:テイカ社製、商品名、トリポリリン酸二水素アルミニウムとカルシウム化合物の混合物、防錆顔料
(注12)K−WHITE G105:テイカ社製、商品名、マグネシウムを含有するリン酸系化合物、防錆顔料
(注13)カーボンブラックMA−100:三菱化学社製、商品名、カーボンブラック
(注14)ショウノールBRG−555:昭和高分子社製、商品名、ノボラック型フェノール樹脂
(注15)PAPS−PN2:旭有機材工業社製、商品名、ノボラック型フェノール樹脂
(注16)KBM−402:信越シリコーン社製、商品名、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、シランカップリング剤
0mgKOH/g、酸価29mgKOH/g
(注2)ユピカコートGV−230:日本ユピカ社製、商品名、水酸基価
0mgKOH/g、酸価53mgKOH/g
(注3)ユピカコートGV−560:日本ユピカ社製、商品名、水酸基価
50mgKOH/g、酸価5mgKOH/g
(注4)PRIMID XL−552:エムス社製、商品名、β−ヒドロキシアルキルアミド(前記、式(1)においてn=4で示される)。
(注5)ベスタゴンB1530:デグサ社製、商品名、ε−カプロラクタムをブロック剤として用いたイソホロンジイソシアネート
(注6)シルフィットZ91:株式会社ホフマン・ミネラル社製、商品名、ノイブルグ珪土、吸油量60ml/100g
(注7)シリチンZ86:株式会社ホフマン・ミネラル社製、商品名、ノイブルグ珪土、吸油量55ml/100g
(注8)シリコロイドP87:株式会社ホフマン・ミネラル社製、商品名、ノイブルグ珪土、吸油量55ml/100g
(注9)ミネックスEX:白石カルシウム社製、商品名、ネフェリンサイナイト
(注10)ハイドライトPXN:ジョージアカオリン社製、商品名、含水珪酸アルミニウム、吸油量43ml/100g
(注11)K−WHITE Ca650:テイカ社製、商品名、トリポリリン酸二水素アルミニウムとカルシウム化合物の混合物、防錆顔料
(注12)K−WHITE G105:テイカ社製、商品名、マグネシウムを含有するリン酸系化合物、防錆顔料
(注13)カーボンブラックMA−100:三菱化学社製、商品名、カーボンブラック
(注14)ショウノールBRG−555:昭和高分子社製、商品名、ノボラック型フェノール樹脂
(注15)PAPS−PN2:旭有機材工業社製、商品名、ノボラック型フェノール樹脂
(注16)KBM−402:信越シリコーン社製、商品名、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、シランカップリング剤
(注17)仕上り性:
塗膜の仕上り性を下記基準によって評価した。
◎は、ユズ肌、ツヤムラ、ハジキ、ブツ、ヘコミ、いずれもなく塗面状態が良好である。
○は、ユズ肌、ツヤムラ、ハジキ、ブツ、ヘコミ、いずれかが少し認められるが、実用上問題なし。
×は、ユズ肌、ツヤムラ、ハジキ、ブツ、ヘコミ、いずれかが著しい。
塗膜の仕上り性を下記基準によって評価した。
◎は、ユズ肌、ツヤムラ、ハジキ、ブツ、ヘコミ、いずれもなく塗面状態が良好である。
○は、ユズ肌、ツヤムラ、ハジキ、ブツ、ヘコミ、いずれかが少し認められるが、実用上問題なし。
×は、ユズ肌、ツヤムラ、ハジキ、ブツ、ヘコミ、いずれかが著しい。
(注18)防食性:
試験板を用いて、素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて720時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎は、錆、フクレの最大幅がカット部より2.0mm未満(片側)。
○は、錆、フクレの最大幅がカット部より2.0mm以上3mm未満(片側)。
△は、錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上、6mm未満(片側)。
×は、錆、フクレの最大幅がカット部より6mm以上(片側)。
試験板を用いて、素地に達するようにナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて720時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎は、錆、フクレの最大幅がカット部より2.0mm未満(片側)。
○は、錆、フクレの最大幅がカット部より2.0mm以上3mm未満(片側)。
△は、錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上、6mm未満(片側)。
×は、錆、フクレの最大幅がカット部より6mm以上(片側)。
(注19)ツーコン硬度:
TUKON(American Chain & Cable Company社製、micro hardness tester) を用い、四角錘ダイヤモンド圧子を一定の試験荷重で材料の試験面に押し込み、生じた菱形のくぼみの大きさから読み取られる塗膜の硬さを表したものであり、数値が大きいほど硬度が高い。23℃における塗膜硬度を、以下の基準で評価した。
◎は、ツーコン硬度の数値が20を超える。
○は、ツーコン硬度の数値が15以上でかつ20未満である。
△は、ツーコン硬度の数値が10以上でかつ15未満である。
×は、ツーコン硬度の数値が10未満である。
TUKON(American Chain & Cable Company社製、micro hardness tester) を用い、四角錘ダイヤモンド圧子を一定の試験荷重で材料の試験面に押し込み、生じた菱形のくぼみの大きさから読み取られる塗膜の硬さを表したものであり、数値が大きいほど硬度が高い。23℃における塗膜硬度を、以下の基準で評価した。
◎は、ツーコン硬度の数値が20を超える。
○は、ツーコン硬度の数値が15以上でかつ20未満である。
△は、ツーコン硬度の数値が10以上でかつ15未満である。
×は、ツーコン硬度の数値が10未満である。
(注20)ネジ締結性:
各粉体塗料を塗装した図1ような治具を用い、JIS B 1084(2007年)に準拠してすべり抵抗係数(μ値)を求めた。
◎は、すべり抵抗係数(μ値)が0.4以上である。
○は、すべり抵抗係数(μ値)が0.3以上でかつ0.4未満である。
△は、すべり抵抗係数(μ値)が0.25以上でかつ0.3未満である。
×は、すべり抵抗係数(μ値)が0.25未満である。
各粉体塗料を塗装した図1ような治具を用い、JIS B 1084(2007年)に準拠してすべり抵抗係数(μ値)を求めた。
◎は、すべり抵抗係数(μ値)が0.4以上である。
○は、すべり抵抗係数(μ値)が0.3以上でかつ0.4未満である。
△は、すべり抵抗係数(μ値)が0.25以上でかつ0.3未満である。
×は、すべり抵抗係数(μ値)が0.25未満である。
(注21)塗膜物性:
ガラス転移温度とtanδ(最大値)を以下の手順で測定した。まず、各粉体塗料組成物をブリキ板に乾燥膜厚50μmになるようにスプレー塗装し、被塗物表面温度170℃で20分間焼付けた。
次いで、ブリキ板から塗膜を剥離して短冊状(0.5cm×2cm)に調製したものを試料とし、動的粘弾性測定装置(FTレオスペクトラDVE−V4、レオロジ社製、商品名)を用いて、昇温速度3℃/分、温度範囲20〜200℃、周波数110Hzの条件下で測定して求めた。
なお、tanδ(最大値)は、tanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)の最大値であり、その最大値の温度がガラス転移温度である。
ガラス転移温度とtanδ(最大値)を以下の手順で測定した。まず、各粉体塗料組成物をブリキ板に乾燥膜厚50μmになるようにスプレー塗装し、被塗物表面温度170℃で20分間焼付けた。
次いで、ブリキ板から塗膜を剥離して短冊状(0.5cm×2cm)に調製したものを試料とし、動的粘弾性測定装置(FTレオスペクトラDVE−V4、レオロジ社製、商品名)を用いて、昇温速度3℃/分、温度範囲20〜200℃、周波数110Hzの条件下で測定して求めた。
なお、tanδ(最大値)は、tanδ(損失弾性率/貯蔵弾性率)の最大値であり、その最大値の温度がガラス転移温度である。
仕上り性、防食性、塗膜硬度及びネジ締結性に優れる塗装物品を提供できる。
1 粉体塗料組成物が塗装された金属製の測定用治具を示す。
21 5.5mm(直径)のボルト
22 測定端子を埋め込んだボルト
3 6角ナットを示す。試験時には、このナットに2000kgfの軸力を加えて、治具Aと治具Bを締結する。
41 治具Aを示す。
42 治具Bを示す。
5 塗装されていない治具の穴を示す。
6 塗装された方の治具の穴を示す。
7 ひずみゲージを埋め込んだボルトから発信される信号を伝える配線を示す。
8 上下に引っ張る。
21 5.5mm(直径)のボルト
22 測定端子を埋め込んだボルト
3 6角ナットを示す。試験時には、このナットに2000kgfの軸力を加えて、治具Aと治具Bを締結する。
41 治具Aを示す。
42 治具Bを示す。
5 塗装されていない治具の穴を示す。
6 塗装された方の治具の穴を示す。
7 ひずみゲージを埋め込んだボルトから発信される信号を伝える配線を示す。
8 上下に引っ張る。
Claims (6)
- カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)、β−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)及びノイブルグ珪土(C)を含有する粉体塗料組成物であって、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、ノイブルグ珪土(C)を1〜50質量部含有する、粉体塗料組成物。
- さらに、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、防錆顔料(D)を0.1〜20質量部含有する、請求項1に記載の粉体塗料組成物。
- さらに、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、フェノール樹脂(E)を0.1〜10質量部含有する、請求項1又は2に記載の粉体塗料組成物。
- さらに、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、シランカップリング剤(F)を0.1〜10質量部含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
- さらに、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂(A)とβ−ヒドロキシアルキルアミド化合物(B)との固形分合計100質量部に対して、ネフェリンサイナイトを1〜50質量部含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物。
- 金属基材上に、化成処理皮膜を形成した後、該化成処理皮膜上に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉体塗料組成物を塗装し、加熱乾燥して硬化皮膜を形成する、塗膜形成方法。
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- 2015-10-16 JP JP2015204691A patent/JP2016084466A/ja active Pending
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