JP2016084458A - 顔料分散液の製造方法及び顔料分散液 - Google Patents
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Abstract
【課題】顔料粒子を均一に有機溶媒に分散した有機顔料の分散液の製造方法及び顔料分散液を提供する。【解決手段】有機顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、顔料分散剤を含む、有機顔料に対する貧溶媒とを混合した液体から有機顔料を析出生成させ、有機顔料が析出生成した反応液を中和した後、有機顔料を分離し、分離して得た有機顔料の顔料粒子を用いて顔料分散液を生成する。【選択図】なし
Description
本発明は、顔料分散液の製造方法及び顔料分散液に関する。
従来、顔料に高い分散性、流動性、保存安定性を与える分散剤が開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、粘度等で分散液の経時の安定性は有しているものの、均一に分散がされているかは確認されていない。
また、分散性を高める方法として、良溶媒に溶解した顔料を貧溶媒に注入することにより、粒子を得る再沈法を用いる方法において、高分子化合物や分散剤を加える方法も知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。しかしながら、顔料の溶解は強酸や強塩基等の過酷な条件化であるため、その条件に耐えられる高分子化合物や分散剤を設計しなければならない。
また、分散性を高める方法として、良溶媒に溶解した顔料を貧溶媒に注入することにより、粒子を得る再沈法を用いる方法において、高分子化合物や分散剤を加える方法も知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。しかしながら、顔料の溶解は強酸や強塩基等の過酷な条件化であるため、その条件に耐えられる高分子化合物や分散剤を設計しなければならない。
本発明は、顔料粒子が均一に有機溶媒に分散した顔料分散液を容易に製造することの可能な、顔料分散液の製造方法及び顔料分散液を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、有機顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、有機顔料に対する貧溶媒及び顔料分散剤を含んだ溶媒とを混合した液体から有機顔料を析出生成し、有機顔料が析出生成した反応液を中和した後、有機顔料を分離し、分離して得た有機顔料と有機溶媒とを用いて顔料分散液を製造する顔料分散液の製造方法、が提供される。
本発明の一態様によれば、顔料粒子が均一に有機溶媒に分散した顔料分散液を容易に製造することの可能な、顔料分散液を実現することができる。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の細部について記載される。しかしながら、かかる特定の細部がなくても1つ以上の実施形態が実施できることは明らかである。他にも、図面を簡潔するために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明者が検討を行った結果、有機顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、顔料分散剤を含む貧溶媒とを混合して有機顔料を析出生成させ、さらに反応液を中和してできた有機顔料を用いて顔料分散液を製造することで、有機顔料の顔料粒子が均一に有機溶媒に分散した顔料分散液を製造できることを見出した。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明者が検討を行った結果、有機顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、顔料分散剤を含む貧溶媒とを混合して有機顔料を析出生成させ、さらに反応液を中和してできた有機顔料を用いて顔料分散液を製造することで、有機顔料の顔料粒子が均一に有機溶媒に分散した顔料分散液を製造できることを見出した。
有機顔料としては、例えばフタロシアニン系顔料が適用される。フタロシアニン構造を有していれば、中心金属、置換基等に制限なく、適用することができる。例として、ピグメントブルー15、ピグメントブルー16、ピグメントグリーン7、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン58が挙げられる。
良溶媒としては、例えば、酸性又はアルカリ性の溶媒が適用され、これら溶媒は、有機顔料が溶解する溶媒であればどのような溶媒でも使用可能である。酸性で溶解させる場合に用いられる酸は、硫酸、塩酸、りん酸等の無機酸、又は酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
良溶媒としては、例えば、酸性又はアルカリ性の溶媒が適用され、これら溶媒は、有機顔料が溶解する溶媒であればどのような溶媒でも使用可能である。酸性で溶解させる場合に用いられる酸は、硫酸、塩酸、りん酸等の無機酸、又は酢酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、メタンスルホン酸等の有機酸が挙げられる。
アルカリ性で溶解させる場合に用いられるアルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等の無機アルカリ、又は水酸化テトラメチルアンモニウム、ジアザビシクロウンデセン、金属アルコキシド等の有機アルカリが挙げられる。
酸又はアルカリ性溶媒は単独で用いても良いし、複数種の酸又は複数種のアルカリ性溶媒を併用して用いても良い。また、酸又はアルカリを溶解したり、顔料の溶解性を高めたりするための溶媒として、水、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。具体的には、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられ、極性溶媒としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリジノン等が挙げられる。
酸又はアルカリ性溶媒は単独で用いても良いし、複数種の酸又は複数種のアルカリ性溶媒を併用して用いても良い。また、酸又はアルカリを溶解したり、顔料の溶解性を高めたりするための溶媒として、水、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。具体的には、アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等が挙げられ、極性溶媒としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチル−2−ピロリジノン等が挙げられる。
貧溶媒としては、良溶媒と均一に混ざり合い、顔料が十分に析出する溶媒であればどのような溶媒でも使用可能である。貧溶媒に対する顔料の溶解性は、貧溶媒100質量部に対して顔料0.01質量部以下であることが望ましい。貧溶媒としては、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。具体的には、ケトン系溶媒として、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート等が挙げられる。
ここで、適用可能な溶媒として、良溶媒として示したものと貧溶媒として示したものとで同じものがあるが、酸又はアルカリが薄まることで顔料の溶解性が低くなり、顔料を析出生成できるのであれば、良溶媒と貧溶媒で同じ溶媒を使用してもよい。
ここで、適用可能な溶媒として、良溶媒として示したものと貧溶媒として示したものとで同じものがあるが、酸又はアルカリが薄まることで顔料の溶解性が低くなり、顔料を析出生成できるのであれば、良溶媒と貧溶媒で同じ溶媒を使用してもよい。
顔料分散剤としては、どのような分散剤でも使用可能である。例えば、アクリル系分散剤として、Disperbyk(登録商標)−2000、Disperbyk−2001、BYK(登録商標)−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN21324(以上、ビックケミー社製)、ウレタン系分散剤として、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー社製)、ソルスパース(登録商標)76500(ルーブリゾール(株)製)、ポリエチレンイミン系分散剤として、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)製)、ポリエステル系分散剤として、アジスパー(登録商標)PB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(味の素ファインテクノ(株)製)等を挙げることができる。
顔料分散剤の使用割合は、顔料100質量部に対して、顔料分散剤10質量部以上1000質量部以下であることが望ましく、20質量部以上200質量部以下がより望ましい。この量が少なすぎると有機顔料の分散安定性が向上しないことがある。また、量が多すぎても分散安定性が向上しないことがある上、過剰な分散剤の除去を行う必要がある。
良溶媒と貧溶媒との混合方法は、2つの液の混合が常に均一の割合でなされ、顔料の析出生成が一定に行われるのであれば、どのような方法でもよい。顔料生成を効果的に行う手段として、複数の流体がそれぞれ流通する微細流路と複数の流体を混合する混合部とを有するマイクロリアクターが挙げられる。マイクロリアクターとしては、Y型やT型といった公知慣用のものを用いることが出来るし、市販されているマイクロリアクターを用いてもよい。
良溶媒と貧溶媒との混合方法は、2つの液の混合が常に均一の割合でなされ、顔料の析出生成が一定に行われるのであれば、どのような方法でもよい。顔料生成を効果的に行う手段として、複数の流体がそれぞれ流通する微細流路と複数の流体を混合する混合部とを有するマイクロリアクターが挙げられる。マイクロリアクターとしては、Y型やT型といった公知慣用のものを用いることが出来るし、市販されているマイクロリアクターを用いてもよい。
良溶媒と貧溶媒との反応液の中和に使用する中和溶液は、反応液が酸性の場合は、無機アルカリ、有機アルカリが用いられ、無機アルカリがより好ましい。反応液がアルカリ性の場合は、無機酸、有機酸が用いられ、無機酸がより好ましい。中和後の反応液のpHは4以上10以下であることが好ましく、5以上9以下であることがより好ましい。pHが4より小さい、又は10より大きい場合は、顔料分散剤の効果が抑制され、分散性が悪くなる。反応液の中和は、良溶媒と貧溶媒とを混合した直後が良い。具体的には、良溶媒と貧溶媒の混合後1秒以内が望ましい。中和までに時間をかけると良溶媒に使用した酸、またはアルカリにより、分散剤が分解するなど反応をすることで、分散効果が弱まり、分散性が低下する。反応液の中和は、反応液が流れる流路内に中和溶液を注入する方法であってもよく、容器内の反応液に中和溶液を加えることで中和してもよい。
中和後の反応液から得られた有機顔料は、遠心分離やろ過により容易に分離することができる。有機顔料はスプレードライ法、遠心分離乾燥法、濾過乾燥法、真空乾燥法又は凍結乾燥法等の乾燥法により、微粉末として用いられる。
このようにして得られた有機顔料の分散に使用する有機溶媒としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノnブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノnブチルエーテル、メチル−nアミルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらの溶剤を混合して用いてもよい。
このようにして得られた有機顔料の分散に使用する有機溶媒としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノnブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノnブチルエーテル、メチル−nアミルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらの溶剤を混合して用いてもよい。
有機顔料の分散を行う際には、使用する有機溶媒に、必要に応じてさらに分散剤を追加してもよい。追加する分散剤は、貧溶媒に使用した顔料分散剤と同じものでもよいし、違うものでもよいが、同じ分散剤であることが望ましい。
また、有機顔料の分散を行う際には、使用する有機溶媒に、必要に応じてさらに樹脂を追加してもよい。樹脂としては、熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
また、有機顔料の分散を行う際には、使用する有機溶媒に、必要に応じてさらに樹脂を追加してもよい。樹脂としては、熱可塑性樹脂、及び熱硬化性樹脂を使用することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリブタジエン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
有機顔料の分散方法としては、どのような方法でもよく、例えばサンドミル、ビーズミル、ボールミル、ディゾルバー等の分散機や、超音波分散機も好ましく使用される。
このように、有機顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、顔料分散剤を含む貧溶媒とを混合して顔料を析出生成させ、その反応液を中和して得た顔料粒子を用いて顔料分散液を生成することにより、顔料粒子が均一に分散され、経時安定性も良好な顔料分散液を得ることができる。
ここで、有機顔料は、液晶表示装置用カラーフィルタ等の色材として広く使われている。カラー撮像素子においても、液晶表示装置用カラーフィルタと同様に半導体基板上に画素が形成されている。近年、撮像素子の高画素化、すなわち画素の微細化が進んでいるが、画素の微細化には顔料の微細化と、均一で安定的な顔料分散技術の開発が欠かせない。
このように、有機顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、顔料分散剤を含む貧溶媒とを混合して顔料を析出生成させ、その反応液を中和して得た顔料粒子を用いて顔料分散液を生成することにより、顔料粒子が均一に分散され、経時安定性も良好な顔料分散液を得ることができる。
ここで、有機顔料は、液晶表示装置用カラーフィルタ等の色材として広く使われている。カラー撮像素子においても、液晶表示装置用カラーフィルタと同様に半導体基板上に画素が形成されている。近年、撮像素子の高画素化、すなわち画素の微細化が進んでいるが、画素の微細化には顔料の微細化と、均一で安定的な顔料分散技術の開発が欠かせない。
従来、顔料の分散の安定化のために分散剤が利用されている。分散剤は顔料に吸着する部位と、分散媒である溶剤に親和性の高い部位との構造を持ち合わせている。しかし、顔料を微細化すると、粒子の表面積が大きくなることから、顔料を溶媒中へ分散させるときに顔料粒子は凝集しやすくなる。微細化された顔料では、より大きな顔料に比べて粒子がほぐれにくかったり、時間の経過とともに凝集が進み、分散が崩れたりする。特に、撮像素子用カラーフィルタに使用される顔料粒子の大きさは、数十ナノメートルと極めて小さいことから、従来の分散剤では十分に分散させることができない。
しかしながら、上述の手順で顔料分散液を生成することにより、顔料粒子が均一に分散され、経時安定性も良好な顔料分散液を得ることができる。このため、この顔料分散液を用いることによって、画素の微細化を図ることができ、すなわち撮像素子の高画素化を図ることができる。
しかしながら、上述の手順で顔料分散液を生成することにより、顔料粒子が均一に分散され、経時安定性も良好な顔料分散液を得ることができる。このため、この顔料分散液を用いることによって、画素の微細化を図ることができ、すなわち撮像素子の高画素化を図ることができる。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態の種々の変形例とともに本発明の別の実施形態も明らかである。したがって、特許請求の範囲は、本発明の範囲及び要旨に含まれるこれらの変形例又は実施形態も網羅すると解すべきである。
以下に、本発明の具体的実施例を説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中、「部」とは「質量部」を意味する。
[実施例1]
良溶媒として、96%硫酸97部にピグメントブルー15:1(以下、PB15:1ともいう。)を3部溶解した。貧溶媒として、顔料分散剤Disperbyk−2001(ビックケミー社製、固形分46%)7部を純水1993部に溶解した。顔料生成にはマイクロリアクターULREA(エム・テクニック(株)製)を用い、貧溶媒を200mL/min、良溶媒を6mL/minの流速で流して顔料を作製した。反応液を、直ちに5N水酸化ナトリウム水溶液で中和した。中和後のpHは6.8であった。析出させた顔料に対し、吸引ろ過、水洗、真空乾燥をこの順に行い、乾燥顔料とした。
乾燥顔料を1部と、分散剤Disperbyk−2000を1部と、樹脂として1−メトキシ−2−プロピルアセテート(PGMEA)に固形分20%になるよう溶解させたメタクリル酸メチルを1部と、PGMEAを7部と、を混合し、超音波分散機にて3時間分散し、顔料分散液を作製した。
なお、実施例及び比較例中、「部」とは「質量部」を意味する。
[実施例1]
良溶媒として、96%硫酸97部にピグメントブルー15:1(以下、PB15:1ともいう。)を3部溶解した。貧溶媒として、顔料分散剤Disperbyk−2001(ビックケミー社製、固形分46%)7部を純水1993部に溶解した。顔料生成にはマイクロリアクターULREA(エム・テクニック(株)製)を用い、貧溶媒を200mL/min、良溶媒を6mL/minの流速で流して顔料を作製した。反応液を、直ちに5N水酸化ナトリウム水溶液で中和した。中和後のpHは6.8であった。析出させた顔料に対し、吸引ろ過、水洗、真空乾燥をこの順に行い、乾燥顔料とした。
乾燥顔料を1部と、分散剤Disperbyk−2000を1部と、樹脂として1−メトキシ−2−プロピルアセテート(PGMEA)に固形分20%になるよう溶解させたメタクリル酸メチルを1部と、PGMEAを7部と、を混合し、超音波分散機にて3時間分散し、顔料分散液を作製した。
[実施例2]
顔料分散液を作製する際に、分散剤を加えなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[実施例3]
良溶媒として、96%硫酸97部にPB15:1を3部溶解した。貧溶媒として、顔料分散剤Disperbyk−2000(ビックケミー社製、固形分40%)3部を純水1997部に溶解した。顔料生成にはマイクロリアクターULREA(エム・テクニック(株)製)を用い、貧溶媒を200mL/min、良溶媒を6mL/minの流速で流して顔料を作製した。反応液を、直ちに5N水酸化ナトリウム水溶液で中和した。中和後のpHは6.7であった。析出させた顔料に対し、吸引ろ過、水洗、真空乾燥をこの順に行い、乾燥顔料とした。
乾燥顔料を1部と、分散剤Disperbyk−2000を1部と、樹脂としてPGMEAに固形分20%になるよう溶解させたメタクリル酸メチルを1部と、1−メトキシ−2−プロパノールを1部と、PGMEAを6部と、を混合し、超音波分散機にて3時間分散し、顔料分散液を作製した。
顔料分散液を作製する際に、分散剤を加えなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[実施例3]
良溶媒として、96%硫酸97部にPB15:1を3部溶解した。貧溶媒として、顔料分散剤Disperbyk−2000(ビックケミー社製、固形分40%)3部を純水1997部に溶解した。顔料生成にはマイクロリアクターULREA(エム・テクニック(株)製)を用い、貧溶媒を200mL/min、良溶媒を6mL/minの流速で流して顔料を作製した。反応液を、直ちに5N水酸化ナトリウム水溶液で中和した。中和後のpHは6.7であった。析出させた顔料に対し、吸引ろ過、水洗、真空乾燥をこの順に行い、乾燥顔料とした。
乾燥顔料を1部と、分散剤Disperbyk−2000を1部と、樹脂としてPGMEAに固形分20%になるよう溶解させたメタクリル酸メチルを1部と、1−メトキシ−2−プロパノールを1部と、PGMEAを6部と、を混合し、超音波分散機にて3時間分散し、顔料分散液を作製した。
[実施例4]
貧溶媒を純水からエタノールに変更した以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[実施例5]
良溶媒として、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5部とN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)90部の混合液にピグメントグリーン36(PG36)を5部溶解させた。貧溶媒として、純水1994部に顔料分散剤Disperbyk−2001を6部溶解した。顔料生成にはマイクロリアクターULREAを用い、貧溶媒を500mL/min、良溶媒を15mL/minの流速で流して作製した。反応液を直ちに1N塩酸で中和した。中和後のpHは6.9であった。析出させた顔料に対して、吸引ろ過、水洗、真空乾燥をこの順に行い、乾燥顔料とした。
乾燥顔料を1部と、分散剤Disperbyk−2001を1部と、樹脂としてPGMEAに固形分20%になるよう溶解させたメタクリル酸メチルを1部と、PGMEAを7部と、を混合し、超音波分散機にて3時間分散し、顔料分散液を作製した。
貧溶媒を純水からエタノールに変更した以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[実施例5]
良溶媒として、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5部とN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)90部の混合液にピグメントグリーン36(PG36)を5部溶解させた。貧溶媒として、純水1994部に顔料分散剤Disperbyk−2001を6部溶解した。顔料生成にはマイクロリアクターULREAを用い、貧溶媒を500mL/min、良溶媒を15mL/minの流速で流して作製した。反応液を直ちに1N塩酸で中和した。中和後のpHは6.9であった。析出させた顔料に対して、吸引ろ過、水洗、真空乾燥をこの順に行い、乾燥顔料とした。
乾燥顔料を1部と、分散剤Disperbyk−2001を1部と、樹脂としてPGMEAに固形分20%になるよう溶解させたメタクリル酸メチルを1部と、PGMEAを7部と、を混合し、超音波分散機にて3時間分散し、顔料分散液を作製した。
[実施例6]
顔料をPG36からピグメントグリーン58(PG58)に変更した以外は、実施例5と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[実施例7]
良溶媒として、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5部とN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)90部の混合液にPG36を5部溶解させた。貧溶媒として、エタノール1996部に顔料分散剤BYK−LPN6919(ビックケミー社製、固形分60%)を4部溶解した。顔料生成にはマイクロリアクターULREAを用い、貧溶媒を500mL/min、良溶媒を15mL/minの流速で流して顔料を作製した。反応液を、直ちに1N塩酸で中和した。中和後のpHは6.7であった。析出させた顔料に対して、吸引ろ過、エタノール洗浄、水洗、真空乾燥をこの順に行い、乾燥顔料とした。
乾燥顔料を1部と、分散剤BYK−LPN6919を0.5部と、樹脂としてPGMEAに固形分20%になるよう溶解させたメタクリル酸メチルを1部と、PGMEAを7.5部と、を混合し、超音波分散機にて3時間分散し、顔料分散液を作製した。
顔料をPG36からピグメントグリーン58(PG58)に変更した以外は、実施例5と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[実施例7]
良溶媒として、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液5部とN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)90部の混合液にPG36を5部溶解させた。貧溶媒として、エタノール1996部に顔料分散剤BYK−LPN6919(ビックケミー社製、固形分60%)を4部溶解した。顔料生成にはマイクロリアクターULREAを用い、貧溶媒を500mL/min、良溶媒を15mL/minの流速で流して顔料を作製した。反応液を、直ちに1N塩酸で中和した。中和後のpHは6.7であった。析出させた顔料に対して、吸引ろ過、エタノール洗浄、水洗、真空乾燥をこの順に行い、乾燥顔料とした。
乾燥顔料を1部と、分散剤BYK−LPN6919を0.5部と、樹脂としてPGMEAに固形分20%になるよう溶解させたメタクリル酸メチルを1部と、PGMEAを7.5部と、を混合し、超音波分散機にて3時間分散し、顔料分散液を作製した。
[比較例1]
貧溶媒に顔料分散剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[比較例2]
顔料生成後に、反応液に対して、水酸化ナトリウム水溶液により中和を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[比較例3]
顔料生成後に、反応液に対して、水酸化ナトリウム水溶液により中和を行い、pHを10.9とした以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
貧溶媒に顔料分散剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[比較例2]
顔料生成後に、反応液に対して、水酸化ナトリウム水溶液により中和を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
[比較例3]
顔料生成後に、反応液に対して、水酸化ナトリウム水溶液により中和を行い、pHを10.9とした以外は、実施例1と同様の手順で顔料分散液を作製した。
上述のようにして得られた実施例1〜実施例7、及び比較例1〜比較例3における顔料分散液について、粒度分布計(ナノトラック(登録商標)UPA−EX150、日機装(株)製)を用いて粒径を測定した。顔料分散液を作製した直後と、顔料分散液を作製して1週間室温で保管したときの体積平均粒径、及び個数平均粒径の結果を表1に示す。また、各顔料分散液の粘度を、E型粘度計を用いて測定した。顔料分散液を作製した直後と、顔料分散液を作製して1週間室温で保管したときの結果を表2に示す。
表1に示すように、本発明の実施形態による製造方法を用いて、実施例1〜実施例7において作製した顔料分散液はばらつきが小さく、また1週間経過した後も、同等程度の粒径を有することが確認できた。これに対し、比較例1〜比較例3において作製した顔料分散液はばらつきがより大きく、また1週間経過した後の、粒径はゲル化又は大きく変化することがわかる。
同様に、表2に示すように、本発明の実施形態による製造方法を用いた実施例1〜実施例7において作製した顔料分散液は粘度のばらつきが小さく、また1週間経過した後も、同等程度の粘度を有することが確認できた。これに対し、比較例1〜比較例3において作製した顔料分散液は粘度のばらつきがより大きく、また1週間経過した後の粘度は、ゲル化又は大きく変化することがわかる。
以上の結果から、本発明の実施形態による製造方法により得た有機顔料を用いた顔料分散液は、顔料粒子が均一に分散され、経時安定性も良好であることが確認できた。
以上の結果から、本発明の実施形態による製造方法により得た有機顔料を用いた顔料分散液は、顔料粒子が均一に分散され、経時安定性も良好であることが確認できた。
本発明の実施形態による顔料分散液は高い分散性を有し、経時安定性についても優れているので、カラー撮像素子等のカラーフィルタをはじめとして利用でき、きわめて実用性の高いものである。
Claims (6)
- 有機顔料を良溶媒に溶解させた顔料溶液と、前記有機顔料に対する貧溶媒及び顔料分散剤を含んだ溶媒とを混合した液体から前記有機顔料を析出生成し、
前記有機顔料が析出生成した反応液を中和した後、前記有機顔料を分離し、
分離して得た前記有機顔料と有機溶媒とを用いて顔料分散液を製造することを特徴とする顔料分散液の製造方法。 - 前記良溶媒が、酸性又はアルカリ性の溶媒であることを特徴とする請求項1記載の顔料分散液の製造方法。
- 前記中和された反応液のpHが4以上10以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顔料分散液の製造方法。
- 前記良溶媒と前記貧溶媒とを混合した直後に、前記反応液を中和することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の顔料分散液の製造方法。
- 前記有機顔料がフタロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の顔料分散液の製造方法。
- 請求項5に記載の顔料分散液の製造方法により生成した顔料分散液。
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