JP2014218589A - 顔料着色剤組成物及びそれに用いる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法 - Google Patents

顔料着色剤組成物及びそれに用いる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法 Download PDF

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陽一 田儀
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Abstract

【課題】微粒子化された顔料が高度に微分散され、しかも長期保存安定性、さらに塗布特性及び長期保存安定性に優れた顔料着色剤組成物を提供すること、さらに、該顔料着色剤組成物を調製可能な顔料分散剤の製造方法の提供。【解決手段】顔料、液媒体及び高分子分散剤を含む油性の顔料分散液であり、高分子分散剤が、末端に1個以上の水酸基を有するアクリル系ポリマーに無水トリメリット酸を反応させてなる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーであって、該ポリマーは、メタクリル酸を含み、水酸基を含有するメタクリレートを含まず、且つ、メタクリレート系モノマーのみを構成成分として合成されてなり、末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの酸価が50〜200mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が2,000〜12,000であり、且つ、そのガラス転移温度が30℃以上である顔料着色剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、カラーフィルターやブラックマトリックスを製造するための材料として有用な、顔料着色剤組成物、特に、該組成物を構成する高分子分散剤、該高分子分散剤に用いる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法に関する。
に関する。
昨今の情報化機器の急激な発展に伴い、液晶カラーディスプレーは、例えば、テレビジョン、プロジェクター、パーソナル・コンピューター、モバイル情報機器、モニター、カーナビゲーション、携帯電話、電子計算機や電子辞書の表示画面、情報掲示板、案内掲示板、機能表示板、標識板などの情報表示部材(ディスプレー)として、さらに、デジタルカメラやビデオカメラの撮影画面などとして、あらゆる情報表示関連機器に多岐に亘って使用されている。それに伴い、液晶カラーディスプレーに搭載されるカラーフィルターも、精細性、色濃度、光透過性、コントラスト性などの画像性能の色彩特性、光学特性の面でより優れた品質が要求されてきている。
従来のカラーフィルターの3原色画素に使用されるカラーフィルター用カラー(顔料インキ)では、有機溶媒中における顔料の分散安定性を向上させ、顔料インキの粘度を下げて、長期に亘って保存安定性を維持させるため、下記のことが行われる場合があった。すなわち、顔料の分散安定剤として、通常「シナジスト」と称される顔料類似の色素骨格を持つ分子にスルホン酸基などの酸性基を導入してなる色素誘導体(以下、シナジストと称す場合がある)と、その対イオンである塩基性のアミノ基を有するポリマー型の高分子分散剤とを組み合わして使用することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、液晶カラーテレビジョン用などに使用されるカラーフィルターに対しては、近年、従来のもの以上の高いカラー表示性能、例えば、色濃度、光透過性やコントラスト比などを向上させることが要求されており、画素の性能を改良するために、使用する顔料は、その粒子径がどんどん小さくなる超微粒子化の傾向にある。このため、同じ重量の顔料でも、微粒子化されたことで粒子個数が増加し、その結果として顔料の全体としての表面積も非常に拡大している。このような超微粒子化して表面積が拡大した顔料を安定に分散させる方法としては、上記したシナジスト及び高分子分散剤の使用量をそれに合わせて増加させることが挙げられる(例えば、特許文献2参照)。しかし、画素の高色濃度化の要求から、顔料と樹脂皮膜形成成分の比率の高顔料含有率化などの画素塗膜組成への要求も厳しくなっており、インキの性状を維持することが非常に困難になってきており、このような状況下、インキ中のシナジスト及び高分子分散剤の使用量を増加させることは難しくなっている。
これに対し、顔料濃度の相対的な低下を抑制する方法として、使用する顔料分散剤の分子構造中に酸性基を導入する方法がある(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法はアミノ基を有する塩基性の顔料分散剤に適用することは困難である。その理由は、酸性基を有するシナジストとともに用いる塩基性ポリマー型の顔料分散剤の分子構造中に酸性基を導入してしまうと、酸性基とアミノ基がイオン結合してしまう場合があるからである。より具体的には、酸性基とアミノ基がイオン結合してしまうと、有機溶媒中で顔料分散剤が分子内や分子間でゲル化してしまうことが生じる。また、顔料分散剤がゲル化しない場合であっても、顔料分散剤の分子内又は分子間のイオン結合が存在するので、顔料分散剤とシナジストがイオン結合しにくくなる。このため、イオン結合を有する顔料分散剤は、顔料分散剤として十分機能しない場合がある。
さらに、カラーフィルターの製造においては、露光後にアルカリ現像液で露光されていない部分を除去する必要があるが、この場合には下記の課題がある。現像する際には、酸基、例えば、カルボキシル基を有する現像性ポリマーを添加し、アルカリ現像時にアルカリ現像水溶液で現像性ポリマーの酸基をイオン化により中和し、水可溶とさせて除去させている。この際、前記した塩基性のアミノ基を有する高分子分散剤が含有されていると、その構造中に酸基をもつことができないので、該高分子分散剤はアルカリ現像水溶液に溶解せず、現像時間が遅かったり、画素エッジがシャープでなかったりと、現像性を悪化させる原因となっていた。
一方、カラーフィルターでは、一般に、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の各画素の周りに格子状にブラックマトリックス(以下、BMと略記することがある)を形成させて不要な光を遮蔽し、また、混色を防止している。BMには、バックライトの可視光領域の光を完全に遮蔽するための遮光性材料が使用されているが、近年における基板サイズの大型化や、クロム化合物を使用した場合における環境負荷などの問題から、BM材料は、金属クロム膜から黒色顔料を使用する樹脂製のBMに移行してきている。
また、液晶ディスプレーに使用されるバックライトは、最近では、冷陰極蛍光管から発光ダイオード(LED)に代わり、例えば、下記に述べるように、色純度の向上と色再現域が拡大している。赤色域の発光は、冷陰極蛍光管のバックライトでは凡そ600〜620nmのシャープな光であったが、LEDのバックライトでは、赤色発光部からの光として、最大発光波長が640nm付近で、発光波長範囲として凡そ540〜800nmの範囲のブロードな光を利用することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。このため、使用されるBMは、可視光の長波長側の光も十分遮光できることが必要条件とされている。
それに伴い、BMの形成に使用される遮光性黒色顔料の改良もなされている。BMは、TFTなどのアクティブ素子上に形成するものであり、当然のことながら、BMが電気絶縁性でないと、TFTが誤作動を起こす恐れがある。これに対し、遮光性黒色顔料として一般に使用されているカーボンブラック顔料は、本来電気抵抗値の低い顔料であり、このような方式に使用する遮光性黒色顔料としては適切ではなく、上記の場合のBMは、電気絶縁性の高い遮光性材料で形成されたものであることが望ましい。
これに対し、酸素量で規定したカーボンブラック顔料を、絶縁性の高い樹脂被膜で被覆して電気絶縁性を向上させたカーボンブラック顔料についての提案(例えば、特許文献5参照)や、或いは、体積抵抗値を測定して選別した絶縁性カーボンブラック顔料或いは樹脂で被覆して電気絶縁性を向上させたカーボンブラック顔料を使用して絶縁性BMを形成させる方法が提案されている(特許文献6参照)。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、カーボンブラック顔料は本来導電性を有する材料であり、上記した従来技術のように樹脂被覆をしたとしても、絶縁性を完全なものにすることは困難である。
また、有機EL素子を用いたディスプレーにおいても、発光素子からの隣接する光の混色を防止し、発光画面の鮮明性の向上のためにBMの使用が提案されているが(例えば、特許文献7参照)、この場合も上記したと同様の課題がある。そして、この問題を解決するために、電気絶縁性、遮光性に優れたポリアゾ系黒色顔料を用いた顔料着色剤組成物をBMに使用することが提案されている(例えば、特許文献8参照)。
特開平9−176511号公報 特開2001−240780号公報 特開2008−298967号公報 特開2006−148051号公報 特許第3543501号公報 特許第4338479号公報 特開2004−221081号公報 国際公開第2012−091083号
本発明は、従来技術に存在する上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、微粒子化された顔料が高度に微分散されてなり、しかも長期保存安定性に優れた顔料着色剤組成物を提供することにあり、特に、このような優れた顔料着色剤組成物を調製可能な、顔料を高度に微分散させ、且つ、安定に維持させることができる顔料分散剤、及びその製造方法を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、塗布特性及び長期保存安定性により優れた顔料着色剤組成物を提供することにある。
したがって、本発明の目的は、超微粒子化した顔料の微分散が可能で、保存安定性がよい、高分散性を与える高分子分散剤を使用した顔料着色剤組成物、そして、特に、液晶カラーテレビジョンなどの情報表示機器に装備されるカラーフィルターに要求されている、画素の色の高濃度化、高精細性、高コントラスト性などの光学的特性、といった近年における高い要求に対応させつつ、カラーフィルター用カラー(顔料インキ)の塗布特性、保存安定性などの特性を向上させ、さらには、上記した優れた性能を有する高分子分散剤が、カラーフィルター製造時のアルカリ現像において、アルカリ溶解するアルカリ可溶性バインダーとしても作用する現像特性を有するカラーフィルター用の顔料着色剤組成物(顔料インキ)を提供することにある。このように、高分子分散剤をアルカリ現像することができれば、フィルター膜のアルカリ可溶性の樹脂分を減らすことができ、有用である。
特に本発明の目的とするところは、その実用的な価値の高い、塗布特性及び長期保存安定性に優れるとともに、画素の色濃度、精細性、コントラスト性、及び透明性などの光学的特性に優れた、カラーフィルター用に好適な顔料着色剤組成物を提供すること、及び、長期保存安定性、電気絶縁性、遮光性に優れたブラックマトリックス用に好適な顔料着色剤組成物を提供することにある。
上記の目的は、下記の本発明の構成によって達成される。すなわち、本発明は下記に挙げる構成の顔料着色剤組成物を提供する。
[1]少なくとも、顔料、液媒体及び高分子分散剤を含有してなる油性の顔料分散液であり、上記高分子分散剤が、末端に1個以上の水酸基を有する末端水酸基含有アクリル系ポリマーに、無水トリメリット酸を反応させてなる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーであって、該末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、構成成分である付加重合性モノマーとして、少なくともメタクリル酸を含み、且つ、水酸基を含有するメタクリル酸エステル(メタクリレート)を含まず、且つ、メタクリレート系モノマーのみで合成されてなり、末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの酸価が50〜200mgKOH/gであり、且つ、そのゲルパーミエーションクロマトグラフにおけるポリスチレン換算の数平均分子量が2,000〜12,000であり、且つ、そのガラス転移温度が30℃以上であることを特徴とする顔料着色剤組成物。
本発明は、上記した本発明の[1]の顔料着色剤組成物の好ましい形態としては下記のものを提供する。
[2]前記末端水酸基含有アクリル系ポリマーにおける末端の水酸基は、1個以上の水酸基を有するアゾ系ラジカル重合開始剤、又は、1個以上の水酸基を有する連鎖移動剤に由来のものである上記[1]に記載の顔料着色剤組成物。
[3]前記末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマー中におけるメタクリル酸を構成成分とする部分の含有量が、3〜30質量%である[1]又は[2]に記載の顔料着色剤組成物。
[4]前記顔料の平均粒子径が、10〜100nmである上記[1]〜[3]のいずれかに記載の顔料着色剤組成物。
[5]さらに、塩基性の官能基を有する色素誘導体を含有する上記[1]〜[4]のいずれかに記載の顔料着色剤組成物。
[6]前記色素誘導体が、下記化学式(1)で表される上記[5]に記載の顔料着色剤組成物。
Figure 2014218589
(式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であり、m及びnはそれぞれ独立に、2又は3である。)
[7]前記顔料が、アゾメチンアゾ系黒色顔料である上記[1]〜[6]のいずれかに記載の顔料着色剤組成物。
また、本発明は、別の実施形態としては、下記のものを提供する。
[8]上記した[1]〜[7]のいずれに記載の顔料着色剤組成物を構成する高分子分散剤に用いられる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法であって、末端に1個以上の水酸基を有する末端水酸基含有アクリル系ポリマーに、無水トリメリット酸を反応させる工程を有することを特徴とする末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法。
本発明は、上記した本発明の製造方法の好ましい実施形態として下記のものを提供する。
[9]前記末端に1個以上の水酸基を有する末端水酸基含有アクリル系ポリマーを、少なくともメタクリル酸を含み、且つ、水酸基を含有するメタクリル酸エステル(メタクリレート)を含まず、且つ、メタクリレートのみを構成成分とした付加重合性モノマーで合成し、これらの付加重合性モノマーを、1個以上の水酸基を有するアゾ系ラジカル重合開始剤及び1個以上の水酸基を有する連鎖移動剤の存在下、或いは、1個以上の水酸基を有する連鎖移動剤の存在下、重合する工程で得る上記[8]に記載の末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法。
本発明を特徴づける高分子分散剤は、特有の末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーからなり、超微粒子化された顔料を高度に微分散させることができるとともに、長期保存安定性に優れたものであり、この結果、本発明によれば、優れた性能を示す顔料着色剤組成物が提供される。より具体的には、本発明を特徴づける高分子分散剤は、超微粒子化した顔料の微分散が可能であり、保存安定性がよく、これを含有する顔料着色剤組成物は、長期保存安定性に優れたものになる。本発明の顔料着色剤組成物は、特に、液晶カラーテレビジョンなどの情報表示機器に装備されるカラーフィルターに要求されている、画素の色の高濃度化、高精細性、高コントラスト性などの光学的特性、といった近年においてされている高い要求に対応でき、さらにカラーフィルター用カラー(顔料インキ)に要求される、塗布特性、保存安定性などの特性を向上させたものになる。さらに、上記した優れた性能を有する高分子分散剤を含有する本発明の顔料着色剤組成物は、カラーフィルター製造時のアルカリ現像において、アルカリ溶解するアルカリ可溶性バインダーとしても作用する現像特性を有するカラーフィルター用の顔料着色剤組成物(顔料インキ)となる。
また、本発明の顔料着色剤組成物の構成成分である特有の高分子分散剤の構成成分である本発明の末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法によれば、微粒子化された顔料を高度に微分散させることができるとともに、長期保存安定性に優れた顔料着色剤組成物を調製可能な高分子分散剤を簡便に製造することができる。
本発明の顔料着色剤組成物の構成成分である特有の高分子分散剤は、低い粘度で安定的に長期的に保持することができ、塗布特性に優れたものである。また、カラーフィルター用着色剤として使用した場合は、高濃度、高精細化、高コントラスト、高透明性の優れた画素特性を発現し、一方、ブラックマトリックス用着色剤として使用した場合は、電気絶縁性、遮光性の優れた特性を発現し、且つ、アルカリ現像における現像性に優れたカラーフィルター用、及び、ブラックマトリックス用レジストを得ることができる。
以下に、本発明の好ましい実施態様を挙げて、詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、少なくとも、顔料、液媒体、及び高分子分散剤を含有する油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物を提供するが、その技術的特徴は、該高分子分散剤として、末端に1個以上の水酸基を有する末端水酸基含有アクリル系ポリマーに、無水トリメリット酸を反応させてなる特定の末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを用いた点にある。
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭意研究した結果、末端水酸基含有アクリル系ポリマーに、無水トリメリット酸を反応させて得られる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーが顔料分散剤として優れた特性を示すこと、さらに、この末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを顔料分散剤として用い、例えば、その最適な形態として、塩基性基を有する色素誘導体である、下記化学式(1)をシナジストとして用いると、顔料を高度に微分散させることができるとともに、長期保存安定性に優れた、顔料着色剤組成物を調製可能であることを見出して、本発明を完成するに至った。本発明の顔料着色剤組成物は、特に、カラーフィルター用及びブラックマトリックス用として有用である。以下、本発明の顔料着色剤組成物を構成する各成分について、それぞれ説明する。
Figure 2014218589
(式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であり、m及びnは、それぞれ独立に、2又は3である。)
[顔料]
本発明において使用される顔料としては、従来公知の有機顔料、無機顔料であれば問題なく使用することができ、特に限定されない。特には、カラーフィルター、さらにはブラックマトリックスに使用される顔料であることが好ましい。具体的には、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジケトピロロピロール顔料、ペリレン系顔料、フタロシアニンブルー系顔料、フタロシアニングリーン系顔料、イソインドリノン系顔料、インジゴ・チオインジゴ顔料、ジオキサジン系顔料、キノフタロン顔料、ニッケルアゾ顔料、不溶性アゾ系顔料、溶性アゾ系顔料、高分子量アゾ系顔料、カーボンブラック顔料、複合酸化物系黒色顔料、酸化鉄ブラック顔料、酸化チタン系黒色顔料、アゾメチンアゾ系黒色顔料からなる群から選ばれた赤色、緑色、青色顔料及び黄色、橙色、紫色あるいは黒色顔料が挙げられる。
特に好ましくは、カラーフィルターで使用される各色の顔料が挙げられる。赤色顔料としては、例えば、カラーインデックス(C.I.)ピグメントレッド(PR)56、58、122、166、168、176、177、178、224、242、254、255が挙げられる。緑色顔料としては、例えば、ピグメントグリーン(PG)7、36、58、ポリ(14〜16)ブロム銅フタロシアニン、ポリ(12〜15)ブロム−ポリ(4〜1)クロル銅フタロシアニンが挙げられる。青色顔料としては、例えば、ピグメントブルー15:1、15:3、15:6、60、80などが挙げられる。上記の顔料に対して補色顔料あるいは多色型の画素用顔料として以下のものを用いることができる。例えば、黄色顔料として、ピグメントイエロー(PY)12、13、14、17、24、55、60、74、83、90、93、126、128、138、139、150、154、155、180、185、216、219を使用することができ、紫色顔料として、ピグメントバイオレット(PV)19、23を使用することができる。また、ブラックマトリックスで使用される黒色顔料としては、アゾメチンアゾ系顔料が挙げられる。
上記した顔料の一次粒子径は特に限定されないが、本発明の顔料着色剤組成物を、例えば、カラーフィルター用及びブラックマトリックス用に使用する場合には、微細化された10〜100nmの顔料を使用することが好ましい。
ブラックマトリックス用着色剤の黒色顔料として用いられるアゾメチンアゾ系顔料としては、特公平4−15265号公報に記載の化合物が挙げられる。例えば、下記化学式(2)に示される顔料が使用されるが、これらに特に限定されるものではない。
Figure 2014218589
(式(2)中、R1は、ハロゲン原子、メチル基、メトキシ基、ニトロ基を置換基として有してもよい、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニレン基のいずれかであり、R2は、メチル基、エチル基、メトキシ基を置換基として有してもよいフェニル基である。)
[液媒体]
次に、本発明で使用される液媒体としては、従来公知の有機溶剤が使用され、特に限定されない。有機溶剤としては、例えば、ヘキサンやトルエンなどの炭化水素系溶剤;ブタノールなどのアルコール系溶剤;酢酸プロピルや酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;シクロヘキサノンやメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;ジエチレングリコールモノブチルエーテルやプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートやジプロピレングリコールジブチルエーテルなどのグリコール系エステル又はエーテル溶剤;N−メチルピロリドンやジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤;エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートなどのカーボネート系溶剤、などが挙げられ、1種以上が使用される。
[高分子分散剤]
次に、本発明を特徴づける高分子分散剤について説明する。本発明で用いる高分子分散剤は、末端に1個以上の水酸基を有するアクリル系ポリマー(本発明では、末端水酸基含有アクリル系ポリマーと称す)に、下記化学式(3)で表される無水トリメリット酸を反応させて得られる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマー(例えば、化学式(3’)参照)である。
Figure 2014218589
Figure 2014218589
本発明者らの検討によれば、上記した末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、末端の存在しているカルボキシル基によってもたらされるイオン結合や水素結合などの吸着作用により、顔料や、アミノ基を有する塩基性の色素誘導体に吸着することができ、顔料を高度に微分散させることができるとともに、保存安定性を向上させることが達成できたものと考えられる。
上記した末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、後述するように、その構成成分として少なくともメタクリル酸を含むため、ポリマーの末端以外の側鎖の部分にもカルボキシル基を有するが、本発明者らの検討によれば、末端のカルボキシル基が選択的に、塩基性の顔料表面や、必要に応じて含有させる塩基性の官能基を有する色素誘導体の表面にイオン結合による吸着を起こす。これは、上記したように、末端のカルボキシル基は無水トリメリット酸由来の芳香族環に直接結合しているため、側鎖のカルボキシル基に比べて、その酸性度が高いためであると考えられる。
上記した点について、分子がプロトンを離す相対能力の評価に用いられるpKa値に基づいて考察する。以下に、本発明で使用する代表的なポリマーまたは化合物についての文献に記載されているカルボキシル基のpKa値を示す。メタクリル酸のホモポリマーであるポリメタクリル酸のカルボキシル基のpKa値は、pKa=4.66〔handbook of water−soluble gums and resin (1980)〕である。これに対し、本発明で使用する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを構成する末端の無水トリメリット酸由来のカルボキシル基は、トリメリット酸のpKa値と同等であるが、トリメリット酸のpKa値は、pKa1=2.52、pKa2=3.84〔有機合成化学協会:有機化学辞典(1985)〕であり、上記ポリメタクリル酸のpKa値よりも低い。一般的に、芳香族に直接結合したカルボキシル基(以下、芳香族カルボキシル基と記す場合がある)の方が、脂肪族に直接結合したカルボキシル基(以下、脂肪族カルボキシル基と記す場合がある)よりもpKa値は低い値である。
したがって、本発明の末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、末端に存在する芳香族カルボキシル基の方が側鎖に存在する脂肪族カルボキシル基よりも強酸性となり、結果として、末端のカルボキシル基が選択的に、塩基性表面の顔料吸着の方向に働くことになる。これが本発明を特徴づける分散剤の基本構成であって、新規な技術的特徴である。
(末端水酸基含有アクリル系ポリマー)
本発明を特徴づける高分子分散剤である末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの前駆体である、末端水酸基含有アクリル系ポリマーは、例えば、次の(I)及び(II)ようにして得られたものが挙げられる。
(I)水酸基を1個以上有するアゾ系ラジカル重合開始剤を使用して、後述する付加重合性モノマーを重合することにより得られたもの(以下、これを(I)のアクリル系ポリマーと称す)。
(II)水酸基を1個以上有する連鎖移動剤を使用し、後述する付加重合性モノマーを重合することにより得られたもの(以下、これを(II)のアクリル系ポリマーと称す)。
以下、これらについて詳細に説明する。
まず、前記(I)のアクリル系ポリマーについて説明する。
前記(I)のアクリル系ポリマーは、後述する付加重合性モノマーをラジカル重合する際に、水酸基を1個以上有するアゾ系ラジカル重合開始剤を使用して得られた、その末端に水酸基を有するアクリル系ポリマーである。上記で使用する水酸基を1個以上有するアゾ系ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド)、2、2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)のカルボキシル基をエポキシ基や2個以上の水酸基と反応して得られる化合物等を挙げることができる。
次に、前記(II)のアクリル系ポリマーについて説明する。
前記した(II)のアクリル系ポリマーは、後述する付加重合性モノマーをラジカル重合する際に、水酸基を1個以上有する連鎖移動剤を使用して得られる、その末端に水酸基を1個以上有するアクリル系ポリマーである。水酸基を1個以上有する連鎖移動剤としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシエチルチオール、チオグリセロール等を挙げることができる。さらには、例えば、1個のチオール基と複数のカルボキシル基を有するチオリンゴ酸などの化合物にグリシドールを反応させて得られる、複数の水酸基を有するチオール系連鎖移動剤を使用することもできる。また、(II)のアクリル系ポリマーを合成する際には、一般的な重合開始剤を併用することが好ましい。このような開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)等が挙げられる。
また、本発明は、上記に限定されず、上記の(I)又は(II)のアクリル系ポリマーと異なる製造方法で得られる末端水酸基含有アクリル系ポリマーであっても、本発明で規定する高分子分散剤である末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを形成可能な末端水酸基含有アクリル系ポリマーであれば、問題なく使用することができる。例えば、種々のリビングラジカル重合法を用いて得られる末端水酸基含有アクリル系ポリマーであってもよい。その場合には、重合が開始される重合開始化合物に水酸基を有する化合物を用いることを要する。なお、上記の要件を満たす重合開始化合物であれば、その種類は特に限定されない。
本発明の末端水酸基含有アクリル系ポリマーを合成する際に用いる付加重合性モノマーには、少なくともメタクリル酸を含むことを要するが、水酸基を含有するメタクリル酸エステル(メタクリレート)を使用せずに、且つ、メタクリレート系モノマーのみで構成することが必要である。すなわち、本発明の効果は、本発明で使用する末端水酸基含有アクリル系ポリマーが、末端にのみ水酸基を有する構造のものである場合により顕著に得られるため、上記のように構成する。これに対し、付加重合性モノマーとして、水酸基を有するメタクリレートを使用した場合は、側鎖に水酸基を有する構造となり、本発明で規定する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーが得られ難くなる。
本発明の末端水酸基含有アクリル系ポリマーの合成に用いるメタクリル酸以外の付加重合性モノマーとしては、上記した理由から、水酸基を有するメタクリレート以外であればよく、従来公知のメタクリレートをいずれも使用することができ、特に限定されない。ここで、アクリル系ポリマーの合成に用いる付加重合性モノマーとしては、メタクリレート系のモノマー以外にアクリレート系のモノマーがあるが、アクリレート系モノマーを使用した場合は、一般的に、メタクリレート系モノマーを使用した場合に比べてホモポリマーのガラス転移温度(以下、Tgと略記する場合がある)が低くなるため、生成するポリマーのガラス転移温度を低下させてしまうことが生じる。このため、本発明では、メタクリレート系モノマーのみで合成してなる末端水酸基含有アクリル系ポリマーを用いることとした。
本発明の末端水酸基含有アクリル系ポリマーの合成に用いるメタクリレート系のモノマーとしては、具体的には、以下のものが挙げられる。例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルなどの脂肪族系或いは脂環族系のメタクリレート;メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェノキシエチルなどの芳香環を含有するメタクリレート;メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシエトキシエチルなどのグリコール系のメタクリレートが挙げられる。これら以外の他のメタクリレート系モノマーを列記すると、例えば、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルなどの酸素原子を有するメタクリレート、メタクリル酸オクタフルオロオクチル、メタクリル酸テトラフルオロエチルなどのハロゲン元素含有メタクリレート、メタクリル酸2−(4−ベンゾキシ−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル、メタクリル酸2−(2’−ヒドロキシ−5−(メタ)アクリロイロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの如き紫外線を吸収するメタクリレート、トリメトキシシリル基やジメチルシリコーン鎖をもったケイ素原子含有メタクリレートが挙げられるが、その他、これらのモノマーを重合して得られるオリゴマーの片末端にメタクリル基由来の不飽和結合を導入して得られるマクロモノマーなども挙げられ、好適に使用できる。
先に説明した(I)又は(II)のアクリル系ポリマーのようにして得られる、本発明で使用する末端水酸基含有アクリル系ポリマーは、従来公知のラジカル重合方法に従って得ることができる。例えば、(I)のアクリル系ポリマーは、従来公知の有機溶剤中にて、メタクリル酸と、上記したような付加重合性モノマーと、先に挙げたような水酸基を1個以上有するアゾ系ラジカル重合開始剤とを、好ましくは40℃〜150℃、より好ましくは60℃〜120℃で重合することにより、得ることができる。また、(II)のアクリル系ポリマーは、従来公知の有機溶剤中にて、メタクリル酸と、上記したような付加重合性モノマーと、先に挙げたような水酸基を1個以上有する連鎖移動剤とを、必要であれば従来公知の重合開始剤存在下で、好ましくは40℃〜150℃、より好ましくは60℃〜120℃で重合することにより、得ることができる。
(末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマー)
次に、本発明を構成する高分子分散剤に用いられる、上記した末端水酸基含有アクリル系ポリマーに、無水トリメリット酸を反応させてなる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーについて説明する。該末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、例えば、先に記載した(I)又は(II)のようにして得られる末端水酸基含有アクリル系ポリマーの水酸基と、無水トリメリット酸とを反応させることで得ることができる。
しかし、本発明を特徴づける末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法はこれに限定されず、下記のような方法によっても得ることができる。すなわち、予め、1個以上の水酸基を有する連鎖移動剤と、無水トリメリット酸とを反応させて、無水トリメリット酸由来のカルボキシル基を有する連鎖移動剤を得、得られた連鎖移動剤を用いて、ラジカル重合することによりポリマー化して、本発明を特徴づける末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを得てもよい。
上記したいずれの場合も、末端水酸基含有アクリル系ポリマーの水酸基と無水トリメリット酸との反応温度については、50℃〜150℃が好ましく、70℃〜130℃がさらに好ましい。また、反応の際に従来公知の触媒を用いてもよい。使用される触媒としては、例えば、p−トルエンスルホン酸等の強酸、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等の強塩基を用いることができる。
本発明を構成する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、先に述べたように、メタクリル酸を少なくとも構成成分とし、構成される付加重合性モノマーとしては、メタクリレート系モノマーのみからなるが、その酸価は50〜200mgKOH/gであることを要する。好ましくは、酸価が50〜160mgKOH/gであるとよい。本発明者らの検討によれば、その酸価が50mgKOH/g未満であると、酸成分が少な過ぎて、十分なアルカリ現像性を発揮できず、これに対し、酸価が200mgKOH/gを超えると親水性が強くなり過ぎ、耐水性などが悪く、アルカリ現像時に剥離などを起こす可能性がある。
本発明を構成する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーに含まれるメタクリル酸の割合は、全構成単位を100質量%とすると、3〜30質量%であることが好ましい。メタクリル酸の含有割合が3質量%未満であると、アルカリ現像に対する効果が十分に得られない場合があるので好ましくない。一方、30質量%を超えると、親水性が強くなり過ぎて顔料の分散性が低下してしまう傾向があるので好ましくない。
また、本発明を構成する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフにおけるポリスチレン換算の数平均分子量が2,000〜12,000であることを要する。好ましくは、数平均分子量が2,000〜10,000である。2,000未満であると、分子量が小さ過ぎて顔料分散時の立体反発が発揮できず、これを含有してなる本発明の顔料着色剤組成物が安定な分散体にならない。一方、数平均分子量が12,000より大きいと溶解している分子量が大きくなるので、これを含有してなる本発明の顔料着色剤組成物の粘度が高くなったり、分子量が大きい分、吸着部が少なくなることによって、相対的に、顔料着色剤組成物中の分散剤量を増やさなくてはならない場合があるといった問題もある。
また、本発明を構成する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、そのガラス転移温度(Tg)が30℃以上であることを要す。これに対し、そのTgが30℃未満であると、カラーフィルターなどに使用して膜となった場合に、軟質となってしまい、高温下で樹脂の溶融が起こりやすく、顔料が凝集するなどの問題が起き易くなったり、膜としての強度が悪くなる。また、カラーフィルター用カラーの場合では、カラーフィルターを作製する際に、ガラス基板に塗布された塗膜を200℃以上の高温でベイクする工程があるが、樹脂のTgが低いと溶融して顔料凝集を引き起こしコントラストの低下を招いてしまう。より好ましくは、Tgが50℃以上であることが好ましい。
本発明で規定するガラス転移点は、基本的には、従来公知の熱分析などの測定によって得られるアクリル樹脂の実測値であるが、従来公知の方法で算出できる値でも実測値とほぼ同様であるので、この算出値でもよい。本発明で算出値を用いる場合は、以下の算出方法を用いた。詳しくは、X(Xは2以上)成分のモノマーからなるアクリル樹脂のTgは、その各成分モノマーのホモポリマーのTgとそのモノマーの質量比率から、次の式で算出できる。
1/T=A/Ta+B/Tb+C/Tc・・・+X/Tx
(TはそのランダムポリマーのTgで絶対温度、A、B、C・・・はX成分における質量比率、Ta、Tb、Tc・・・はそれぞれのモノマーのホモポリマーのTgで絶対温度)
上記のことから、本発明を構成する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、メタクリル酸を必須の構成成分とし、Tgが30℃以上になるように、前記したメタクリレートから1種以上を適宜選択してモノマー組成を設計すればよい。
[顔料着色剤組成物]
先に述べたように、本発明の顔料着色剤組成物は、さらに、塩基性の官能基を有する色素誘導体を含有してなる構成とすることが好ましい。塩基性の官能基を有する色素誘導体は、本発明の高分子分散剤の有する芳香族カルボキシル基とイオン結合して吸着するため、より優れた分散安定性を示すものとなる。より好ましくは、塩基性の官能基としてアミノ基が導入された色素誘導体が使用することが好ましく、より具体的には、下記化学式(1)で表される色素誘導体を含有させることが好ましい。
Figure 2014218589
(式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であり、m及びnはそれぞれ独立に、2又は3である。)
また、本発明の顔料着色剤組成物には、本発明の範囲内であれば、従来公知の他の添加剤や樹脂を添加してもよい。添加剤としては、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、光重合開始剤などが挙げられる。
また、本発明の顔料着色剤組成物に添加することができる樹脂としては、例えば、感光性の樹脂ワニスや、非感光性の樹脂ワニスが挙げられる。感光性樹脂ワニスの具体例としては、例えば、感光性環化ゴム系樹脂、感光性フェノール系樹脂、感光性ポリアクリレート系樹脂、感光性ポリアミド系樹脂、感光性ポリイミド系樹脂など、及び不飽和ポリエステル系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、ポリエポキシアクリレート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹脂、ポリエーテルアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂などのワニス、或いは、これらにさらに反応性希釈剤としてモノマーが加えられたワニスなどが挙げられる。上記感光性樹脂ワニスの中で好適な樹脂としては、分子中にフリーのカルボン酸基を有するアルカリ現像可能なアクリレート系の樹脂が望ましい。
非感光性の樹脂ワニスの具体例としては、例えば、セルロースアセテート系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、スチレン系(共)重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ樹脂変性ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルポリオールウレタン系樹脂、可溶性ポリアミド系樹脂、可溶性ポリイミド系樹脂、可溶性ポリアミドイミド系樹脂、可溶性ポリエステルイミド系樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、スチレン−マレイン酸エステル系共重合体の水溶性塩、(メタ)アクリル酸エステル系(共)重合体の水溶性塩、水溶性アミノアルキッド系樹脂、水溶性アミノポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂などが挙げられる。これらは単独或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、顔料、高分子分散剤、液媒体、色素誘導体を構成成分とした形態の本発明の顔料着色剤組成物を作製する場合の分散は、そのまま別個に配合して分散してもよいが、下記のようにして分散することがより好ましい。例えば、顔料を顔料化や微細化する際に色素誘導体を添加して、色素誘導体で顔料の表面を塩基性にした表面処理顔料にしてから使用してもよいし、さらに加えて高分子分散剤を、色素誘導体の存在下又は非存在下で、顔料化や微細化時に添加して、顔料を高分子分散剤で処理して、樹脂処理顔料としてから使用してもよい。
本発明の顔料着色剤組成物は、前記した本発明を特徴づける高分子分散剤と、顔料を少なくとも含み、好ましくは色素誘導体を使用して、これらの液媒体として、好ましくは有機溶媒を用い、さらに必要に応じて、先に挙げたような添加剤や樹脂を添加して顔料分散することで得られる。本発明の顔料着色剤組成物においては、顔料とそれに対する高分子分散剤の使用量などは特に限定されないが、下記のようにすることが好ましい。すなわち、本発明の顔料着色剤組成物では、顔料を5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%の範囲で含有することが好ましい。また、顔料と高分子分散剤の使用量の割合は、顔料100質量部当たり、前記高分子分散剤を5〜300質量部の割合で使用することが好ましく、さらに好ましくは10〜100質量部の割合とする。また、色素誘導体を使用する場合には、顔料に対して1〜50質量%、好ましくは、5〜25質量%の割合で使用するとよい。
本発明の顔料着色剤組成物を製造する場合に行う顔料の分散方法としては、本発明を特徴づける高分子分散剤と顔料とを液媒体を使用して、必要に応じて各種添加剤を混合し、分散機で分散処理し、所定の顔料粒子径になるまで分散する方法が挙げられる。また、顔料と高分子分散剤と液媒体とを混合し、必要であれば予備混合し、さらに分散機で分散し顔料分散液とする方法が挙げられる。この際に使用できる分散機としては特に制限はなく、従来公知のものが使用できる。例えば、ニーダー、アトライター、ボールミル、ガラスやジルコンなどを使用したサンドミルや横型メディア分散機、コロイドミルなどが使用できる。
本発明の顔料着色剤組成物を製造する場合には、上記したような分散方法を使用して、所望の顔料の粒子径になるまで分散することが好ましい。具体的には、本発明の顔料着色物組成物では、顔料の平均粒子径が10〜100nmの粒子径となるようにすることが好ましく、さらに好ましくは、顔料の平均粒子径が20〜80nmになるようにする。この程度まで微細に分散することによって、例えば、カラーフィルターに用いた場合において、高透明性、高コントラスト性を達成することができる。なお、本発明における顔料の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して求めることができる。
本発明を特徴づける高分子分散剤の使用方法としては、乾燥した未処理の顔料と溶剤(液媒体)、その他の必要な助剤を加えてプレミキシングした後に、分散機にて分散して使用してもよいし、粗顔料をニーダーにて微細化する際に添加して使用してもよい。この場合には、混錬後、塩、溶剤等を水で洗浄した後、乾燥させることにより本発明を特徴づける高分子分散剤で処理された樹脂処理顔料が得られる。このようにして得た樹脂処理顔料を使用すれば、溶剤等を加えプレミキシングした後、分散処理することで、別途新たに高分子分散剤を加えなくとも十分に良好な分散することができる。
得られた顔料分散液はそのままでもよいが、遠心分離機、超遠心分離機又は濾過機で僅かに存在する粗大粒子を除去することは、顔料分散液の信頼性を高める上で好ましい。得られる顔料分散液の粘度はその用途に併せて任意である。
本発明の顔料着色剤組成物である顔料分散液は、微粒子分散でき、保存安定性、塗膜とした時の透明性、高色再現性に優れ、ポリマーの側鎖に存在するカルボキシル基でアルカリ現像できるので、カラーフィルター用着色剤として使用することができる。その印刷方法は、スピンコート法、スリットコート法、インクジェット印刷法に適用することができる。
次に、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、文中に「部」又は「%」とあるのは質量基準である。まず、高分子分散剤として用いる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを下記のようにして合成した。
[合成例1](末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーBP−1の合成)
先に述べた、水酸基を1個以上有する連鎖移動剤を使用して得た末端に水酸基を含有する(II)のアクリル系ポリマーを経由する方法で、本発明で規定する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを合成した。この合成方法を(II)とする。撹拌機、逆流コンデンサー、温度計、及び、窒素導入管を取り付けた反応容器に、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcと略記)を100部と、付加重合性モノマーとして、メタクリル酸メチル(以下、MMAと略記)を35部、メタクリル酸ブチル(以下、BMAと略記)を30部、及び、メタクリル酸2−エチルヘキシル(以下、EHMAと略記)を30部のメタクリレート類と、メタクリル酸(以下、MAAと略記、pKa値:4.66)を5部と、連鎖移動剤としてチオグリセロール(以下、TGLと略記)を5部、さらに、アゾ系ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(以下、AIBNと略記)を0.1部仕込んで、窒素バブリングしながら80℃で4時間重合させた。その後、追加でAIBNを0.05部添加し、さらに同温度で3時間重合して、メタクリル酸由来の末端水酸基を有するアクリル系ポリマー溶液を得た。サンプリングし固形分を測定したところ、50.1%であった。また、GPCでの示差屈折率検出器(以下、RIと略記)におけるMnは2300であり、分子量分布は1.80であった。ポリマー中に紫外線吸収基がないため、紫外線検出器(以下、UVと略記)のピークはなかった。また、0.1N水酸化カリウム溶液の滴定により求めた酸価は、32.4mgKOH/gであった。なお、以下、同様にして酸価を求めた。
次いで、上記のポリマー溶液に、無水トリメリット酸(以下、TMAと略記)を16.0部、触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(以下、DBUと略記)を0.2部、及び、酸化防止剤として3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(以下、BHTと略記)を0.2部加え、120℃で8時間反応させて、ポリマー末端の水酸基と無水トリメリット酸を反応させた。このようにして、合成方法を(II)で末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを得た。サンプリングし、赤外分光光度計(以下、IRと略記)にて、TMA由来の無水物のピークの消滅とポリマー中の水酸基由来のピークの減少を確認した。このことは、反応が進行して、末端に無水物由来のカルボキシル基を有するポリマーが得られたことを示している。当該サンプルのGPCのRIにおけるMnは2,700であり、その分子量分布は1.85であった。また、UVにおけるMnは2,800、分子量分布は1.88であった。UV吸収が現れたことからもTMAが反応したことを確認した。さらに、その固形分は、54.8%であり、その酸価は、81.5mgKOH/gであった。また、熱分析により求めたTgは、50.3℃であった。以下同様にしてTgを求めた。これをBP−1とする。
[合成例2](末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーBP−2の合成)
合成例1と同様の反応容器に、合成例1と同様に、PGMAc100部、MMA35部、BMA30部、EHMA20部、MAA15部、TGL5部、及び、AIBN0.1部を仕込んで、窒素バブリングしながら80℃で4時間重合させた。その後、AIBNを0.05部添加し、さらに同温度で3時間重合して、末端水酸基含有アクリル系ポリマー溶液を得た。合成例1と同様に、サンプリングし固形分を測定したところ、50.2%であった。また、GPCでのRIにおけるMnは2,200であり、分子量分布は1.79であった。ポリマー中に紫外線吸収基がないため、UVのピークはなかった。また、その酸価は、97.8mgKOH/gであった。
次いで、合成例1で行ったと同様にして、上記のポリマー溶液に、TMA16.0部、DBU0.2部、及びBHT0.2部加え、120℃で8時間反応し、ポリマー末端の水酸基と無水トリメリット酸を反応させて、合成方法を(II)で末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを得た。サンプリングし、IRにて、TMA由来の無水物のピークの消滅とポリマー中の水酸基由来のピークの減少を確認した。また、GPCのRIにおけるMnは2500であり、分子量分布は1.85であった。UVにおけるMnは2,500、分子量分布は1.88であった。UV吸収が現れたことからもTMAが反応したことを確認した。その固形分は、55.0%であり、その酸価は、155.6mgKOH/gであり、そのTgは、53.3℃であった。これをBP−2とする。
[合成例3](末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーBP−3の合成)
合成例1と同様の反応容器に、合成例1と同様に、PGMAc100部、MMA35部、BMA30部、EHMA30部、MAA5部、TGL1.5部、及び、AIBN0.1部を仕込んで、窒素バブリングしながら80℃で4時間重合させた。その後、AIBNを0.05部添加し、さらに同温度で3時間重合して、末端水酸基含有アクリル系ポリマー溶液を得た。合成例1と同様に、サンプリングし固形分を測定したところ、50.5%であった。また、GPCでのRIにおけるMnは6,500であり、分子量分布は1.89であった。ポリマー中に紫外線吸収基がないため、UVのピークはなかった。また、その酸価は、31.7mgKOH/gであった。
次いで、合成例1で行ったと同様にして、上記のポリマー溶液に、TMA4.8部、DBU0.2部、及びBHT0.2部加え、120℃で8時間反応し、ポリマー末端の水酸基と無水トリメリット酸を反応させて、合成方法を(II)で末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを得た。サンプリングし、IRにて、TMA由来の無水物のピークの消滅とポリマー中の水酸基由来のピークの減少を確認した。また、GPCのRIにおけるMnは7,000であり、分子量分布は1.94であった。UVにおけるMnは6,900、分子量分布は1.98であった。UV吸収が現れたことからもTMAが反応したことを確認した。その固形分は、55.1%であり、その酸価は、61.8mgKOH/gであり、そのTgは、50.5℃であった。これをBP−3とする。
[合成例4](末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーBP−4の合成)
先に述べた、水酸基を1個以上有するアゾ系ラジカル重合開始剤を使用して得た末端に水酸基を含有する(I)のアクリル系ポリマーを経由する方法で、本発明で規定する末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを合成した。この合成方法を(I)とする。合成例1と同様の反応容器に、PGMAcを100部仕込んで100℃に昇温した。これとは別の容器に、MMA35部、BMA30部、及び、EHMA30部のメタクリレート類と、MAAを5部と、アゾ系ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](以下、V086と略記)を6.7部仕込んでV086を溶解させて、モノマー混合溶液を調製した。そして、先に準備したPGMAcが仕込まれた反応容器に、上記で調製したモノマー混合溶液の1/3量を投入し、残りのモノマー混合溶液を、滴下漏斗を用いて1.5時間かけて投入した。その後、さらに100℃で8時間重合し、末端水酸基含有アクリル系ポリマー溶液を得た。合成例1と同様に、サンプリングし固形分を測定したところ、50.5%であった。また、GPCでのRIにおけるMnは8,500であり、分子量分布は1.96であった。ポリマー中に紫外線吸収基がないため、UVのピークはなかった。また、その酸価は、30.7mgKOH/gであった。
次いで、窒素バブリングし、反応容器内を窒素置換した後、上記で得たポリマー溶液に、TMA8.0部、DBU0.2部、及び、BHT0.2部加え、120℃で8時間反応し、ポリマー末端の水酸基と無水トリメリット酸を反応させて、合成方法を(I)で末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーを得た。サンプリングし、IRにて、TMA由来の無水物のピークの消滅とポリマー中の水酸基由来のピークの減少を確認した。このことは、反応が進行して、末端に無水物由来のカルボキシル基を有するポリマーが得られたことを示している。また、GPCのRIにおけるMnは9,100であり、分子量分布は1.98であった。UVにおけるMnは9,300、分子量分布は1.99であった。UV吸収が現れたことからもTMAが反応したことを確認した。その固形分は、56.5%であり、その酸価は、67.0mgKOH/gであり、そのTgは、53.5℃であった。これをBP−4とする。
[比較合成例1](側鎖に芳香族結合カルボキシル基を有するアクリル系ポリマーHP−1の合成)
合成例1と同様の反応容器に、PGMAc100部、MMA35部、BMA30部、EHMA30部、MAA5部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、HEMAと略記)12部、及び、AIBN5部、1−ドデカンチオール(以下、LSHと略記)5部を仕込んで、窒素バブリングしながら80℃で4時間重合させた。その後、AIBNを0.5部添加し、さらに同温度で3時間重合して、側鎖にも水酸基を有するポリマー溶液を得た。サンプリングし固形分を測定したところ、50.3%であった。また、GPCでのRIにおけるMnは4,500であり、分子量分布は1.73であった。ポリマー中に紫外線吸収基がないため、UVのピークはなかった。また、その酸価は、31.1mgKOH/gであった。
次いで、合成例1で行ったと同様にして、上記の側鎖にも水酸基を有するポリマー溶液に、TMA16部、DBU0.2部、及びBHT0.2部加え、120℃で8時間反応し、ポリマー中の水酸基と無水トリメリット酸を反応させた。サンプリングしIRにて、TMA由来の無水物のピークの消滅とポリマー中の水酸基由来のピークの減少を確認した。このことは、得られたポリマーは、側鎖にも芳香族結合カルボキシル基を有するものであることを示している。GPCのRIにおけるMnは5100であり、分子量分布は1.88であった。UVにおけるMnは4,900、分子量分布は1.92であった。UV吸収が現れたことからもTMAが反応したことを確認した。その固形分は、57.3%であり、その酸価は、82.0mgKOH/gであり、そのTgは、50.9℃であった。これをHP−1とする。
合成方法(II)を利用した合成例1〜3で得られたポリマーの物性を表1にまとめて示した。また、表1中に合成方法を(I)を利用した合成例4で得られたポリマーの物性も合わせて示した。また、表2に、比較合成例1の物性に示した。
Figure 2014218589
Figure 2014218589
<顔料着色剤組成物への適用>
(実施例1〜8、比較例1:顔料分散液)
(a)顔料の微細化処理
カラーフィルター用の顔料として、PR254、PR177、PG58、PY138、PY150、PB15−6、PV23及び、化学式(4)で表されるアゾメチンアゾ黒色顔料(以下、AMAと略記)を準備し、以下に示す方法でそれぞれ微細化処理を行なった。顔料100部、塩化ナトリウム400部、及びジエチレングリコール130部を、加圧時に使用する密閉用の蓋を装着したニーダー(モリヤマ社製加圧ニーダー)に仕込んだ。ニーダー内に均一に湿潤された塊ができるまで予備混合した。そして、加圧蓋を閉じて、圧力6kg/cm2で内容物を押さえ込みながら、7時間混練及び摩砕処理を行って摩砕物を得た。得られた摩砕物を2%硫酸3000部に投入し、1時間撹拌処理した。ろ過して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除去した後、十分水洗し、次いで、乾燥及び粉砕して顔料粉末を得た。得られた顔料粉末の平均粒子径は約30nmであった。
Figure 2014218589
(b)顔料分散液の調製
上記で微細化処理した顔料を含む表3に示した各成分を表3に示す量(部)で配合し、ディゾルバーで2時間撹拌した。顔料の塊がなくなったことを確認した後、横型メディア分散機を使用して分散処理して顔料分散液を調製した。なお、表3中の各顔料粉末の平均粒子径は、いずれも約30nmである。表3中にある、「シナジスト1」は、下記化学式(5)で示されるものである。また、表3中にある「アクリル樹脂」には、モノマー組成がBzMA/MAA=80/20(質量比)であり、GPC測定によるMnが5500で、PDIが2.02であるもの(固形分濃度が30%のPGMAc溶液で測定)を使用した。
Figure 2014218589
Figure 2014218589
(c)顔料分散液の評価
表4に、上記で得られた各顔料分散液に含まれる顔料の平均粒子径の測定結果、顔料分散液の初期の粘度、及び45℃で3日間放置した後の粘度(保存後の粘度)の測定結果をまとめて示した。なお、粘度測定には、E型粘度計を用い、60rpm、25℃にて測定した。
Figure 2014218589
表4に示したように、実施例1〜8の顔料着色剤組成物(顔料分散液)に含まれる顔料の平均粒子径は、いずれも40nm以下であり、微細化された顔料が十分に微分散されていることが判明した。また、実施例1〜8の顔料分散液のいずれも、初期の粘度は10mPa・s以下であった。また、初期の粘度と保存後の粘度を比較すると、粘度変化が極めて小さいことが分かる。以上より、実施例1〜8の顔料分散液は十分な分散安定性を有することが確認された。
これに対して、比較例1の顔料分散液は、実施例1の顔料分散液と比較した場合、顔料の平均粒子径が大きく、十分に微分散されていないことが分かる。さらに、保存後の粘度が大きく増加していることから、分散安定性も不十分であることが分かる。これは、比較例1で使用したポリマーは、実施例で使用したポリマーの場合のように末端に顔料吸着性のカルボキシル基を持っておらず、側鎖に存在することから溶剤相溶性鎖が十分な長さでないためと考えられる。すなわち分散安定化させるだけの立体効果を発揮することができなかったため顔料の凝集が起こったと考えられる。
(実施例9〜12:カラーフィルター用、ブラックマトリックス用顔料着色剤組成物)
先に得た顔料分散液を含む表5に示した各成分を表5に示す量(部)で配合し、混合機で十分に混合して、カラーレジストである各色のカラーフィルター用顔料着色剤組成物(顔料インキ)を得た。なお、表5中の「感光性アクリル樹脂ワニス」は、BzMA/MAA共重合物にメタクリル酸グリシジルを反応させて得られたアクリル樹脂を含むワニスである。このアクリル樹脂は、Mnが6,000、PDIが2.38であり、酸価が110mgKOH/gであった。また、表5中、「TMPTA」はトリメチロールプロパントリアクリレートを示し、「HEMPA」は2−ヒドロキシエチル−2−メチルプロピオン酸を示し、「DEAP」は2,2−ジエトキシアセトフェノンを示す。
Figure 2014218589
シランカップリング剤で処理したガラス基板をスピンコーターにセットした。実施例9の赤色顔料インキ−1を300rpmで5秒間の条件でガラス基板上にスピンコートした。80℃で10分間プリベークした後、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2の光量で露光し、赤色ガラス基板を製造した。また、実施例10の緑色顔料インキ−1、実施例11の青色顔料インキ−1及び実施例12の黒色顔料インキ−1をそれぞれ用いたこと以外は、上記の赤色ガラス基板を製造した場合と同様にして、緑色ガラス基板、青色ガラス基板、及び、黒色ガラス基板を製造した。
得られた各色のガラス基板(カラーガラス基板)は、いずれも優れた分光カーブ特性を有するとともに、耐光性や耐熱性等の堅牢性に優れていた。また、いずれのカラーガラス基板も、光透過性やコントラスト比等の光学特性に優れていた。
また、実施例12の顔料インキを用いて得た黒色のガラス基板は、光学濃度が高く、十分な電気絶縁性を有し、遮光性に優れていた。よって、本発明の高分子分散剤を用いた黒色顔料インキ−1は、ブラックマトリックス用顔料分散液として十分な特性を有していることが分かった。
(実施例13〜16:アルカリ現像性試験)
実施例9〜12で得た顔料インキを用いて製造したカラーガラス基板に、0.1Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド水溶液を5秒ごとにスポットし、「何秒後に塗膜の露光部が溶解するか」といった現像試験を行った。
(比較例2)
(1)「BP−1」に代えて、塩基性のポリエステル系分散剤(12−ヒドロキシステアリン酸を開始化合物とする、ポリε−カプロラクトンとポリエチレンイミンとの縮合物、Mn:12000、アミン価:12mgKOH/g)を用いたこと、及び(2)「シナジスト1」に代えて、モノスルホン化ジケトピロロピロールを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして比較用赤色顔料分散液を調製した。また、(1)「BP−2」に代えて、上記のポリエステル系分散剤を用いたこと、(2)「シナジスト1」に代えて、モノスルホン化PY−138を用いたこと以外は、前述の実施例4と同様にして比較用黄色顔料分散液を調製した。
調製したこれらの赤色と黄色の比較用顔料分散液を使用し、実施例9の場合と同様の方法で、比較用の赤色顔料インキを調製するとともに、この顔料インキを用いて比較用の赤色ガラス基板を製造した。
実施例13〜16、比較例2のアルカリ現像性試験結果を表6に示す。
Figure 2014218589
カラーガラス基板、黒色ガラス基板では20〜25秒後に露光部の塗膜が溶解した。また、実施例13〜16のいずれの場合も膜状のカスが出ず、良好な現像性を示した。さらに、溶解せずに残存した塗膜の端部(エッジ)を顕微鏡で観察したところ、シャープであることがそれぞれ確認できた。すなわち、実施例13〜16で得た顔料インキを用いれば現像時間を短縮することができ、生産性の向上が可能である。
これに対し、上記で製造した比較例2の赤色ガラス基板については、塗膜の露光部が完全に無くなるのに60秒以上を要した。これは、比較例2で使用した顔料分散剤がアルカリ現像できないものであるために、現像時間が長くなったものと考えられる。また、ガラス基板についても、塗膜の露光部は膜状に脱離しており、カスが発生していた。これは、顔料分散剤がアルカリ溶解性ではないためであると考えられる。以上より、本発明を特徴づける高分子分散剤を用いて形成された塗膜は、現像性に優れることが判明した。
本発明を特徴づける高分子分散剤は、顔料に対する親和性を有するカルボキシル基をポリマー末端に有するため、優れた顔料分散性を有する。また、このような顔料分散剤を用いることで、低粘度で長期保存安定性に優れた顔料着色剤組成物を調製することができる。そして、この顔料着色剤組成物を用いて得られる顔料インキは、塗布特性や現像性に優れているので、精細性、色濃度、光透過性、コントラスト性などの光学的特性が改良された優れたカラーフィルター、及び、電気絶縁性、遮光性などが改良されたブラックマトリックスを製造するための材料として有用である。このため、本発明の顔料着色剤組成物を利用して製造されたカラーフィルター、及び、ブラックマトリックスを備えた画素表示装置は、精細性、色濃度、光透過性、コントラスト性、電気絶縁性、遮光性などの画像性能により優れた高性能なものになるので、その利用が期待される。

Claims (9)

  1. 少なくとも、顔料、液媒体及び高分子分散剤を含有してなる油性の顔料分散液であり、
    上記高分子分散剤が、末端に1個以上の水酸基を有する末端水酸基含有アクリル系ポリマーに、無水トリメリット酸を反応させてなる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーであって、
    該末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーは、構成成分である付加重合性モノマーとして、少なくともメタクリル酸を含み、且つ、水酸基を含有するメタクリル酸エステル(メタクリレート)を含まず、且つ、メタクリレート系モノマーのみで合成されてなり、
    末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの酸価が50〜200mgKOH/gであり、且つ、そのゲルパーミエーションクロマトグラフにおけるポリスチレン換算の数平均分子量が2,000〜12,000であり、且つ、そのガラス転移温度が30℃以上であることを特徴とする顔料着色剤組成物。
  2. 前記末端水酸基含有アクリル系ポリマーにおける末端の水酸基は、1個以上の水酸基を有するアゾ系ラジカル重合開始剤、又は、1個以上の水酸基を有する連鎖移動剤に由来のものである請求項1に記載の顔料着色剤組成物。
  3. 前記末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマー中におけるメタクリル酸を構成成分とする部分の含有量が、3〜30質量%である請求項1又は2に記載の顔料着色剤組成物。
  4. 前記顔料の平均粒子径が、10〜100nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料着色剤組成物。
  5. さらに、塩基性の官能基を有する色素誘導体を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の顔料着色剤組成物。
  6. 前記色素誘導体が、下記化学式(1)で表される請求項5に記載の顔料着色剤組成物。
    Figure 2014218589
    (式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基であり、m及びnはそれぞれ独立に、2又は3である。)
  7. 前記顔料が、アゾメチンアゾ系黒色顔料である請求項1〜6のいずれか1項に記載の顔料着色剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の顔料着色剤組成物を構成する高分子分散剤に用いられる末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法であって、
    末端に1個以上の水酸基を有する末端水酸基含有アクリル系ポリマーに、無水トリメリット酸を反応させる工程を有することを特徴とする末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法。
  9. 前記末端に1個以上の水酸基を有する末端水酸基含有アクリル系ポリマーを、
    少なくともメタクリル酸を含み、且つ、水酸基を含有するメタクリル酸エステル(メタクリレート)を含まず、且つ、メタクリレートのみを構成成分とした付加重合性モノマーで合成し、
    これらの付加重合性モノマーを、1個以上の水酸基を有するアゾ系ラジカル重合開始剤及び1個以上の水酸基を有する連鎖移動剤の存在下、或いは、1個以上の水酸基を有する連鎖移動剤の存在下、重合する工程で得る請求項8に記載の末端カルボキシル基含有アクリル系ポリマーの製造方法。
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